ザッカーバーグ、新たな使命を語る―次のターゲットはインターネットにアクセスできない50億人

ユーザーが10億人に達した後もFacebookは前進を続けている。それどこころかインターネット・ユーザーの全員がFacebookに加入しても終わりではない。「世界をよりオープンでより結び付けられた場所にする」というFacebookの使命は地域や収入を問わず文字通り「世界中の人々」を対象としている。ファウンダー、CEOのマーク・ザッカーバーグが「われわれはインターネットを拡大するというより困難な課題に取り組むためにFacebookを再編成中だ」と語った理由はその点にある。

先月、ザッカーバーグはInternet.orgを立ち上げ、自ら執筆した10ページのホワイトペーパーを掲載した。これはテレコミュニケーションとモバイルのハード、ソフトの6社(Samsung、Ericsson、MediaTek、Nokia、Opera、Qualcomm)をパートナーとするインターネット・アクセス拡大のためのイニシアチブだ。

Internet.orgの目的は、新たなデータ圧縮技術、ネットワーク・インフラ、ビジネスモデルを創出することによってデータ・アクセスのコストを劇的に下げ、誰もがスマートフォン経由でインターネットにアクセスできるようにすることだ。これは非常に重要な点だ。というのもスマートフォンを利用するコストの大部分はデータ通信料金にあり、本体の価格はほんの一部に過ぎないからだ。

Interet.orgはFacebookがもっとユーザーをかき集めるための仕掛けにすぎないという批判も出そうだ。しかし、これは本質的には利他的な事業である。インターネット・アクセスは教育を普及させ、ひいては人々の自己実現、貧困の追放を助ける。インターネットの普及は常にGDPの増大をもたらしてきたし、親しい人々が常にコミュニケーションを取り合うことを可能にする。たしかにインターネットのさらなる普及はFacebookの売上を伸ばすだろう。しかしザッカーバーグがこの事業を始めた動機は単にそれだけではない。一言でいえば「世界中の人々を結びつける」というのはFacebookの新たな使命だ。

TechCrunch Disruptカンファレンスのステージで「手法は変わってきたが使命そのものは変わらない」とザッカーバーグは語った(インタビューのビデオは下にエンベッドしてある)。

ザッカーバーグはこのインタビューで「会社には2種類ある。何をするかが本質の会社と具体的に世界を変えることを使命とする会社だ。Facebookは後者でありたい」と語った。ザッカーバーグはビル・ゲイツをもっとも尊敬する人間の一人として挙げたが、その理由はMicrosoftが「世界のあらゆる家庭とオフィスにコンピュータを」という使命を持ち、かつそれを実現させたからだ。

ただし、ザッカーバーグによれば「本当に意味のある価値というのは賛否の議論を巻き起こすような主張からしか生まれないというのが私の信念だ。正直であれ、などという誰も反対しようのないお題目は意味のある価値を生むことはない」という。

Facebookの「賛否の議論のある主張」の一つが素早い行動は完璧にまさるというものだ。Facebookの社員はプロダクトを作り、作ったら即座に試し、それを繰り返すことを求められる。プロダクトが完全なものになるまでじっと座っていることは許されない。「このモットーのおかげでこれまでとんでもないトラブルを背負い込んできた」とザッカーバーグは笑う。ときには「ブレーキをかけて不具合を直せ」という主張が正しい場合があることも認めた。しかし本質的にみれば「速く動け」の哲学がFacebookに停滞を許さず驚異的な速さで進歩させた原動力なのだという。

この哲学がFacebookに10億人のユーザーをもたらした。しかしザッカーバーグは「もちろん始めからそんな目標を持っていたわけではない。誰も朝起きて、『そうだ、人類の7人に1人をユーザーにする事業を始めてやろう』などと思うわけはない」と謙遜した。しかしマイク・アリントンが「本当に世界中の人間をユーザーにするつもりか?」と尋ねると持ち前の強気で「もちろんそうだ」と答えた。しかし現実には無理だろう。というのも特定の仕組みを嫌う人間が必ず存在するからだ。インターネットには「Facebook嫌い」はいくらでも存在する。しかしそういう人々もSMSやメールやTwitterは使っているかもしれない。Internet.orgとFacebookの使命は人々にインターネットへのアクセスとコミュニケーション手段の選択の自由を与えることだ。

「人間はお互いに密接に結びつくことを欲する存在だ」というのがザッカーバーグの信念だ。ザッカーバーグは目を輝かせて「それがわれわれがこうしてFacebookを運営する理由だ」と断言した。

[画像:Anton Balazh / Shutterstock.com]

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TC Disrupt:ザッカーバーグ、「Facebook Homeを改良中。Instagramその他ソーシャル・コンテンツをロックスクリーンに追加する」

サンフランシスコで開催中のTC DisruptカンファレンスでFacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグはFacebookはFacebook HomeのロックスクリーンにInstagramやサードパーティーのソーシャル・コンテンツを追加するように改良中だと述べた。

同時にザッカーバーグはさきごろ公開されたAndroid向けFacebook Homeランチャーが「期待したほど急速には普及していない」ことを認めた。ザッカーバーグはまた「現在Facebook HomeはGoogle Playストアを通じて配布されているが、将来はFacebookから直接ダウンロードできるようになる」と述べた。

現在Google PlayストアではFacebook Homeアプリはダウンロード数が100万から500万にランクされている。最初の1ヶ月ではわずか100万ダウンロード程度だったし、 アプリをプレインストールしたHTCの専用スマートフォンを販売するなど当初は熱心だったAT&Tのようなキャリヤのパートナーもすぐに興味を失った。ヨーロッパではフランスのキャリヤ、Orangeが予定されていた専用スマートフォンを発売前に中止してしまった。

今日のインタビューでマイク・アリントンが「Homeは失敗だったと思うか?」と尋ねたのに対してザッカーバーグは「チャットヘッドのように人気が出た機能もある」と答えた。

Facebook Homeは同社が当初期待したほどの成功は収めていないが、すぐに引っ込めるつもりもなさそうだ。「私はやがてユーザがFacebook Homeを好きになると思っている」とザッカーバーグはいう。

これはFacebookがいかにモバイル体験の向上と拡張に野心的であるかを示すものだ。モバイル・トラフィックの拡大はFacebookの売上に直結するのだからそれも当然だろう。「今年の第2四半期には月間アクティブ・ユーザー総数 11億人に対して6億9900万人モバイル・ユーザーがあった」と今日のインタビューでザッカーバーグは明らかにした。このモバイル・ユーザーこそFacebookの売上の急増を支えている。8月にeMarketerが発表したレポートによれば、今年Facebookは世界のモバイル広告売上の16%を占めるだろうという。昨年に比べると10%ポイントの急増だ。

InstagramをFacebook Homeのロックスクリーンに加えるというモバイル重視の姿勢をみると、買収した他のモバイル系サービスのコンテンツもやがてHomeに連携、表示されることになりそうだ。またサードパーティーのコンテンツと連携させていけば、Homeがインターネット・コミュニケーションの新たなプラットフォームとなることを助けるだろう。

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TC Disrupt:マーク・ザッカーバーグ、株式公開について「怖がりすぎていたかも。結果的にはよい經驗だった」

今日(米国時間9/11)、サンフランシスコで開催中のTechCrunch DisruptカンファレンスにFacebookのファウンダー、CEOのマーク・ザッカーバーグが登場した。TechCrunchのファウンダー、マイク・アリントンのインタビューに答えてザッカーバーグは「できるかぎり長い間上場しないでいる、と私は以前何度も強く言ってきた。しかし今になってみると、それは取り越し苦労だったかもしれない」と語った。

ザッカーバーグは「昨年株価が下落した時には失望した社員が会社を去るのではないかと心配した。しかし彼は頭を下げてじっと嵐をやり過ごし、Facebookのプロダクト開発に集中してくれた」という。

アリントンはザッカーバーグに「株式上場に関してTwitterにアドバイスはあるか?」と尋ねた。ザッカーバーグは「順調な株式公開について尋ねるなら他の人にしたほうがいい。しかし価値ある経験だった。最初の一年、ひどい思いをしたことがFacebookをうんと強くした。必要に迫られて自分の会社についてあらゆる細部まで知るようになった。これでFacebookは新たなレベルに上ることができた。経営状態は今やずっとよくなった」と答えた。

アリントンは去年のDisruptでもザッカーバーグにインタビューしている。これはFacebookの上場後、ザッカーバーグにとって最初のインタビューだった。このとき若きCEOはFacebookのモバイル事業のビジョンを語り、モバイルからの売上がすでに40%に達していることを明らかにした。

「1年前のモバイル・アプリはひどかった。あれじゃモバイルからの売上げゼロだったのも当たり前だ」とアリントン。

ザッカーバーグは「モバイルのユーザー体験がヒドイといってめちゃくちゃいじめられた」と笑って認めた。〔この項続く〕

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TC Disrupt:Sun Microのファウンダー、Vinod Khosla、「ほとんどのベンチャーキャピタリスト取締役はスタートアップに害をしている」

Sun Microsystemsの共同ファウンダーでその後ベンチャーキャピタリストに転じKhosla Venturesを作ったVinod KhoslaがわれわれのTC Disrupカンファレンスに登場して忌憚のない意見を述べた。Khoslaによれば「大半のVC(ベンチャーキャピタリスト)にはスタートアップに適切なアドバイスをする能力がない」という。

実のところ、VCはスタートアップの害になっていることの方が多いとKhoslaはいう。

ステージ上の対談でTechCrunchのファウンダー、Michael Arringtonは「取締役としてダメなVCの例を上げてくれ」と水を向けた。

「誰が取締役としていちばんクソなVCかね?」とArringtonは尋ねた。

「いちいち例を挙げていたらえらく大勢の敵を作ってしまうだろう。95%以上のVCは取締役としてスタートアップに加える価値はゼロだ。70-80%のVCの取締役としての助言はスタートアップの価値を下げている」とKhoslaは答えた。

KhoslaによればほとんどのVCはスタートアップが難局を切り抜けるための有効な助言ができない。

「難局にあったことがないスタートアップの例など知らない。スタートアップのファウンダーはVCの言うことには礼儀正しく耳を傾け、それから自分の思いどおりに断固やることだ」とKhoslaは言う。

「私もスタートアップに助言する。しかし、これこれの点については確信がないとはっきり言う。たぶん私はこの会場にいる誰よりも多数の失敗をしてきたと思う。同じ轍を踏まないよう私の失敗を起業家が教訓にしてくれることを期待している。しかし新しく大胆な企てをするときには確実なことなど何一つないのだ」とKhoslaはアドバイスした。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook


TechCrunch Disruptカンファレンス開幕―ライブ中継中

さあ、いよいよだ!.

サンフランシスコ・デザインセンターの広大な会場は投資家、起業家、ジャーナリスト、テクノロジー・ファンで埋め尽くされている。TechCrunch Disrupt SF 2013が公式に開幕した。

1日目、月曜((米国時間))のスケジュールはスター揃いだ。午前中にはSnapchatのファウンダーEvan Spiegelを私がインタビューする。著名ベンチャー・・キャピタリストのロン、コンウェイ、サンフランシスコ市長のデビッド・リーが話す。

午後にはLinkedInのジェフ・ワイナー、TwitterのCEO、ディック・カストロが登場する。

スタートアップ・バトルフィールドでは30チームが全力で6分ずつのプレゼンを行う。審査員はYahooのCEO、マリッサ・マイヤーを始めとするテクノロジー界のトップスターだ。

われわれはすべてをライブ中継するのでぜひお見逃しなく。

Monday, September 9th

9:00am — 9:10am
Opening Remarks by TechCrunch

9:10am – 9:35am
Fireside chat with Ron Conway, David Lee and Brian Pokorny (SV Angel)

9:35am – 9:55am
Founders Stories with Logan Green and John Zimmer (Lyft)

9:55am – 10:25am
The Future of Higher Education: Lt. Governor Gavin Newsom (State of California) and Sebastian Thrun (Udacity)

10:25am – 10:45am
Keynote: Sir Michael Moritz (Sequoia Capital)

10:45am – 11:05am
BREAK

11:05am – 11:15am
Special Product Announcement

11:15am – 11:35am
In Conversation with Evan Spiegel (Snapchat)

11:35am – 12:00pm
These Aren’t The Droids You’re Looking For: Rob Coneybeer (Shasta Ventures), Matt Rogers (Nest), Christian Sanz (Skycatch), Boris Sofman (Anki)

12:00pm – 12:20pm
Fireside Chat with Jeff Weiner (LinkedIn)

12:20pm – 12:30pm
How To Lead: Dick Costolo (Twitter)

12:30pm – 1:50pm
LUNCH

1:50pm – 2:00pm
Special Product Announcement

2:00pm – 2:25pm
Fireside Chat with Drew Houston (Dropbox)

Startup Battlefield with Jason Kincaid

2:25pm – 2:30pm
How the Startup Battlefield Works

2:30pm – 3:30pm
Session One – Disrupting Efficiency

Judges: Mike Abbott (Kleiner Perkins Caufield & Byers), Jess Lee (Polyvore), Ali Partovi (angel investor), Gentry Underwood (Mailbox)

3:30pm – 3:45pm
BREAK

3:45pm – 4:45pm
Session Two – Disrupting Experience

Judges: Rich Barton (Zillow, Barton Ventures), Tracy Chou (Pinterest), Ellen Levy (Silicon Valley Connect), Hunter Walk (Homebrew Ventures)

4:45pm – 5:00pm
BREAK

5:00pm – 6:00pm
Session Three – Disrupting Transparency

Judges: Patrick Gallagher (CrunchFund), Julia Hartz (Eventbrite), Rick Klau (Google Ventures), Matthew Prince (CloudFlare)

9:00pm – Midnight
After Party hosted by New Relic at Mighty

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