TCLはTempowのマルチデバイスBluetoothストリーミング技術を採用

中国のスマートフォンメーカーであるTCL(TCL集団股份有限公司)は米国時間9月5日の朝、先進のBluetoothストリーミングプロトコルを同社のフラッグシップスマートフォンのPlexで利用するため、フランス企業のTempow(テンポ)との提携を発表した。

TCLはMotorola(モトローラ)に続き、Tempow Audio Profile(TAP)技術を採用する。このプロトコルは、ソフトウェアベースで複数のBluetoothヘッドフォンやスピーカーに同時ストリーミングできる技術だ。Tempowが過去のドイツで開催される家電見本市であるIFAにて披露していた。

同社は大いに注目を集めており、2018年3月に400万ドル(約4億3000万円)の資金調達ラウンドを実施した。TechCrunchのRomain Dillet(ロマン・ディレット)が記事で指摘しているように、Moto X4をはじめとした500万台以上のデバイスがTempowの技術を利用している。

TCLとTempowは誰を標的に見立てているのかを隠していない。プレスリリースではApple(アップル)が何度か言及されており、同社のスマートフォンとヘッドフォンやスピーカーの接続機能を明確にターゲットにしている。次期iPhoneの1週間前にこのニュースが発表されたことも、意図したものだろう。

TempowでCEOを務めるVincent Nallatamby(ヴィンセント・ナラタンビー)氏はリリースの中で、「Bluetoothの本当の可能性を革新し、開放する大きな動きがモバイルメーカーの間で起きている。最近の例は、iOS 13で噂されているAppleのオーディオ共有機能だ」と述べている。「Tempowの協力によるTCLのスマートフォンの機能は、2つのデバイスやAirPods、Beats製品に限定されるAppleの共有機能を大きく超えている」。

Plexは6.53インチサイズのミッドレンジ向けスマートフォンで、ヨーロッパの一部とオーストラリアで発売される予定だ。また、Tempowの技術が来年にはAndroid端末メーカー間でさらに広く採用されても驚きはない。

[原文へ]

(翻訳:塚本直樹Twitter

Tempow、AirPodsクローン用Bluetoothプロファイルを発表――複数スピーカー駆動が可能

TempowはBluetoothの利用範囲を拡大するソフトウェアを開発してきた。このフランスのスタートアップがTrue Wireless BluetoothとよばれるBluetoothプロファイルを発表した。これによりAppleのAirPodsのクローンを作ることが誰でもできるようになる。

多くの企業が左右のイアフォンをケーブルで接続しないイアフォンを作ろうとしてきたが、どれもAppleのAirPodsほどの優秀さを達成できていない。理由はAppleが独自のチップとソフトウェアを搭載しているためだ。そのため他のメーカーはAirPods同様の体験を再現できずにいる。

左右のイアフォンを魔法のように接続している点を別にすれば、AirPodsの使い勝手の良さは通常のBluetoothオーディオ(A2DP)規格を利用しているところにある。標準的規格の採用により、iPhoneばかりでなく、Androidや古いWindowsノーPCとも接続が可能になっている。

しかしA2DPは通常、一つのデバイスと一組のイアフォンしか接続できない。この点はAirPodsでも同様だ。AirPodsをあるデバイスとペアリングした場合、BluetoothはAirPodsの片方と接続する。反対側のイアフォンはこの最初のリンクを利用する。

他のメーカーもワイヤレス・イアフォンを作ろうとしてきたがハードルが高かった。たとえばNFMI(Near Field Magnetic Induction)テクノロジーは左右のイアフォンを接続することできるがバッテリー消費量が大きくレイテンシーの問題が発生する。

今回Tempowが提供を始めたマルチ・ストリーミング・オーディオは新しいBluetoothプロファイルであり、これを利用すると通常のBluetoothチップセットを搭載したデバイスで複数のスピーカーを駆動できる。さまざまな応用範囲が考えられるが、まず完全ワイヤレスなイヤフォンの製造に使われそうだ。。

原文へ

滑川海彦@Facebook Google+

ひとつのBluetooth出力を複数のスピーカーで聴けるTempowの改造プロトコル

フランスのTempowは、Bluetoothのプロトコルを改造してそれを多機能にしようとしている。同社はこのほど、テレビやセットトップボックス用の新しいオーディオプロフィールを発表した。

テレビやセットトップボックスのメーカーがTempowのソフトウェアをライセンスすると、彼らのデバイスに新しい機能を実装できる。それは通常のBluetoothチップを使うが、そこに新しい可能性を開く。

まず、テレビの音声を複数のBluetoothスピーカーへ送れるようになるので、テレビ音声のサラウンド化ができる。

今、サウンドバーが5.1システムを徐々に駆逐しつつあるのは、後部スピーカーのために床にケーブルを這わせるのが面倒だからだ。TempowならスピーカーはBluetoothだからケーブルは要らない。

またTempowのBluetoothは、複数のデバイスにそれぞれ別のオーディオを送れる。たとえばテレビに複数のヘッドフォーンを接続して、それぞれ異なる言語で映画を鑑賞できる。字幕を読めない子どもでも、吹替版で映画を楽しめるようになる。

また、メーカーや型番の違う複数のスピーカーのサウンドプロフィールを揃えて、誰がどれで聴いても同じ音が聴けるようにもできる。

最初同社は、スマートフォンのオーディオプロフィールに取り組んだ。たとえばMoto X4のスマートフォンを持ってる人が、複数のBluetoothスピーカーを接続できたりする。しかし今日は、スマートフォンを超えてテレビやセットトップボックスに手を伸ばした。でも、それもまたBluetoothなのだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Bluetoothプロトコルの多用途化を目指すTempowが$4Mを調達、すでにLenovoなどが採用

フランスのTempowが、400万ドルの資金を調達した。この投資を仕切ったのはBalderton Capital、これにC4 Venturesが参加した。同社は、Bluetoothのプロトコルを改良して、その用途を広げようとしている。

スマートフォンやスピーカー、それにさまざまなコネクテッドデバイスは、それぞれいろんなやり方でBluetoothを利用している。しかしBluetoothのチップセットを作っているのは、QualcommやBroadcomなど、ほんのひとにぎりのメーカー企業だ。Bluetoothのチップはすばらしく効率的になり、電力消費も前よりずっと少なくなったが、ソフトウェアは進歩が停滞している。

ソフトウェア企業であるTempowは、Bluetoothのソフトウェアスタックを完全に書き換えようとしている。同社はまず、オーディオのプロファイルからスタートした

Tempowの技術を使うと、スマートフォンを複数のBluetoothスピーカーに同時に接続できる。ソフトウェアの改良だけで、それができる。Bluetoothのチップセットやオーディオデバイスは従来のものでよい。

このアイデアを気に入ったLenovoはTempowの技術をライセンスして、Moto X4ハンドセットに使った。その、TempowのBluetoothスタックを使ったデバイスは、500万台以上売れた。

今回得られた資金で同社は、ユースケースを拡大したい、と思っている。そのために必要な低レベル技術が、ペアリングプロセスの最適化、プロトコルのセキュリティの強化、電池寿命のアップなどだ。協同ファウンダーでCEOのVincent Nallatambyは、“そのうち、NFCよりBluetoothを使った方がペイするだろう”、と言っている。

同社は今、複数のメーカー企業に技術を売り込んでいる。今後はもっと多くのデバイスが、TempowのBluetoothソフトウェアを使っているだろう。

同社は今、7つの特許を出願しており、先週最初のひとつが認可された。今後はBluetoothのエキスパートチームを作って、同社のプロトコルをさらに普及させたい、と考えている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Bluetoothデバイスのスマート化を狙うTempow

フランス発スタートアップであるTempowが、Bluetoothスピーカーをより便利に活用する仕組みを開発した。複数のBluetooth機器を同時に使うための、新しいBluetoothプロトコルを実現したのだ。

Bluetoothスピーカーは、プレゼントとしても人気で、コンシューマーエレクトロニクス製品の中でも人気のプロダクトとなっている。複数のBluetoothスピーカーやヘッドフォンを使っている人も多い。ケーブルがいらない点で非常に便利なのだが、同時には1台としか繋げられないという点が不満の種だった。

WiFiを使ったり、Spotify Connectのように独自プロトコルを使って、この不便さを解消しようとするメーカーないしプロダクトも出てきている。Sonosなども、音楽を複数のスピーカーで同時に鳴らせることを売りのひとつとしている。しかし既に手に入れているBluetoothスピーカーを有効に活用するということができなかった。

Tempowが注目したのはその点だ。スマートフォンのBluetoothドライバーを改造することで、同時に複数のBluetoothデバイスを利用することができるようになるのだ。従来のBluetoothチップセットないしBluetooth機器に対応している。

ハードウェアよりの部分における改造を必要とするため、対応しているのはAndroidデバイスのみとなってはいる。ちなみにAppleは独自のBluetoothチップセットをAirPodで採用しており、他のデバイスもこの方向に進化していくものと考えられる。

Tempowを導入したスマートデバイスとBluetooth機器をペアリングすると、1台1台別々にアクティベートすることができる。左右のスピーカーの音源・音量を別々に設定することもできる。Bluetoothスピーカーが、Sonosと同様の機能を持つようになるということになる。

Tempowは、スマートフォンメーカーにこの技術を販売したい考えだ。現在、いろいろな企業とライセンス契約についての話を進めているところなのだとのこと。

こうした機能を持つチップセット開発を行なっている企業は他にもある。たとえばSamsungのGalaxy S8も、2つのBluetoothデバイスで同時に音楽を再生することができる。これはTempowの技術とは異なるアプローチにより実現したものだ。

こうした世の中の動きをみるに、Tempowの目の付け所は時流に乗ったものということができそうだ。スマートフォンメーカーとのライセンス契約を結ぶことができるのかどうかに注目しておきたい。個人的にはスマートフォンメーカーにとってもメリットのある話のように見える。

ちなみにTempowでは、Bluetooth技術に関わる研究開発を、他にも広く行なっているところなのだそうだ。デジタルライフの中心にスマートフォンが位置する中、Bluetooth技術がますます重要なポジションを占めることになるはずだと考えているわけだ。

原文へ

(翻訳:Maeda, H