イーロン・マスク氏がテスラ買収をアップルに持ちかけるもティム・クックCEOは興味なし

Tesla(テスラ)株は2020年、奇跡的で驚異的だったが、Apple(アップル)のTim Cook(ティム・クック)氏が数年前の会議で合意していたらまた違った道を歩んでいたかもしれない、とElon Musk(イーロン・マスク)氏はいう。

Appleが電気自動車プログラムを放棄せず、、まだ自動車を製造する計画を進めているというReutersの最近のニュースに反応して、マスク氏はModel 3の生産規模を縮小するという「最も暗い日々」の中でAppleのティム・クックCEOに接触し、同社にTeslaを買収する可能性を提起したことがあるとマスク氏はツイートした。クック氏は会議への参加を拒否したという。

現在、TechCrunchはAppleにコメントを求めている。

マスク氏の短いツイートでは、このタイムラインがいつだったかは明らかにされていないが、TeslaのModel 3の生産に関する公開情報からすると、2017年から2019年の間だった可能性が高い。マスク氏が提案した販売価格に関して、Teslaの現時価総額の1/10は約600億ドル(約6兆2200億円)であり、これは2019年の株式の公開価格からさほどかけ離れていないが、ここ数カ月で最高潮に達した。

Teslaは今週S&P 500に参加した後、上場市場で6000億ドル(約62億1900億円)以上の価値を持つようになったが、ウォール街のアナリストの多くは、Teslaの製品とCEOを支持する若い投資家や歴が浅い投資家のおかげで最近株価上昇に当惑しているようだ。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

テスラが5200億円相当の株式売却を申請、同社株価が過去最高値を記録後

Tesla(テスラ)は株は熱いうちに(そして時価総額が膨れ上がっているときに)打てとばかりに、投資家たちが同社株価を過去最高値に引き上げた後、50億ドル(約5200億円)相当の株式を売却する申請を提出した。

新たに発表されたこの希薄化資金調達イベントは、株価にそこそこの影響を与え、投資家がニュースを消化した時間外取引では株価が2.3%下落した。テスラの時価総額は6080億ドル(約63兆3000万円)であるため、この株式売却は会社価値の1%以下という意味だ。

テスラはGoldman Sachs、Citi Group、Barclays、BNP Paribas、BofA、Credit Suisse、Deutsche Bank、Morgan Stanley、SG Americas SecuritiesおよびWells Fargoと交渉していると、12月8日に米国証券取引委員会に提出された書類にある。同じ書類には、テスラがこの株を「時折」「市場価格で」売却するつもりだと書かれている。テスラは、売却した株式の「総額の最大0.25%、最大1250万ドル(約13億円)の手数料」を銀行に支払うと語った。

テスラは以前にも資金調達のために株式市場に目を向けたことがある。同社が株式売却の蛇口を開くのはこの3カ月で2度目だ。2020年9月にテスラは50億ドルの株式を「時折」売却するとSEC申請資料に書いている。

米国の電気自動車メーカーは第3四半期を営業キャッシュフロー24億ドル(約2500億円)、フリーキャッシュフロー14億ドル(約1460億円)弱で終えた。テスラの9月四半期末の現金および現金同等物残高は145億ドル(約1兆5100億円)という巨額で、これはテスラが現在の利益を下支えするよりも市場の勢いに乗じる方を選んだことを示唆している。しかし、テスラがベルリンとオースチン近郊の工場など資本集約的建設プロジェクトを数多く抱えていることを忘れてはならない。営業経費も時間とともに増加している。第3四半期にテスラは、営業経費が12億5000万ドル(約1300億円)だったと報告し、前年同期の9億3000万ドル(約970億円)の34%増だった。

Google Financeによると、テスラ株の52週間安値は67.02ドル(約6978.83円)。一方、52週間高値は648.79ドル(約6万7558.83円)で、これは米国時間12月7日に記録された価格だ。おいしいところをすくい上げる時が来たようだ。

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イーロン・マスク氏がカリフォルニアに愛想を尽かしてテキサスへ転居

SpaceX(スペースX)とTesla(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は米国12月8日、テキサス州に転居したと述べ、ここ数カ月流れていたカリフォルニア州を去るだろうという憶測を認めた。カリフォルニア州に対してマスク氏はかなり批判的になっていた。同氏はウォールストリートジャーナル紙のCEOカウンシル年次サミットでのインタビューで転居したことに言及した。

マスク氏がテキサス州に引っ越すつもりだと友人に語ったというCNBCの報道を、同氏は肯定した。

転居は、テキサス州で進められているSpaceXとTesla関連の数多くのプロジェクト、マスク氏のロサンゼルスにあるいくつかの家の売却、そしてカリフォルニア州当局の新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミック対応への不満と一致する。マスク氏は5月に同州アラメダ郡を相手取って訴訟を起こし、本社や将来のプログラムをテキサス州かネバダ州にすぐさま移すと脅した。訴訟は、フリーモントにあるテスラの工場が新型コロナで発令された外出禁止令の最中に再開できるかどうかをめぐる衛生当局との応酬がエスカレートした結果だ。

インタビューの中でマスク氏は、カリフォルニア州は恵まれたな地位を当然のものだと考え、独りよがりになっていると語った。

マスク氏がテキサス州に引っ越すだろうという憶測はテスラがCybertruckとModel 3、Model Yを生産する工場の設置でオースティン近くを選び、建設を開始した後に流れ始めた。同氏の別企業であるSpaceXはテキサス州ボカチカにロケット打ち上げサイトを計画している。ブルームバーグは12月7日、マスク氏が自身の財団をオースティンに移し、これは同氏がテキサス州に引っ越したか引っ越そうとしているもう1つのサインだと報じた。

テキサス州は近年、オースティンやヒューストン、ダラスの急成長でホットスポットとなっている。パンデミックの間、カリフォルニアを拠点としていたテックワーカーがシリコンバレーやサンフランシスコといった高級エリアから脱出するにつれ、テキサス州の勢いは増した。

同州はまたマスク氏にとって別の大きなメリットがある。州所得税がないことだ。

カリフォルニアはまだSpaceXとテスラの運営においてメジャーハブだ。SpaceXの本社はホーソーンにあり、テスラの本社はシリコンバレーにある。Model 3やModel X、Model S、Model Yを組み立てるテスラのメイン工場はフリーモントに立地する。

カテゴリー:その他
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(翻訳:Mizoguchi

Teslaが従業員の多様性についてのレポートを初公表、管理職のほとんどが白人男性

Tesla(テスラ)の管理職は白人と男性に偏っており、そうした役割を担う黒人はわずか4%にすぎない。米国時間12月4日に公表された同社初のダイバーシティインクルージョンレポートで明らかになった。

カリフォルニア州、ネバダ州、そしてニューヨーク州に工場を抱える同社の全従業員には女性、黒人、ヒスパニック系、アジア系の従業員が含まれることがレポートで示されている。全従業員の60%が黒人、ヒスパニック系、アジア系、ネイティブアメリカン(先住民)、パシフィックアイランダー(太平洋諸島系)で構成される。しかし従業員の大半は男性でその割合は79%だ。管理職における男性の割合は83%にのぼる。また、管理職の59%が白人だ。

同社の米国従業員の統計は以下の通りだ。

  • 黒人従業員:全従業員の10%。ディレクター職以上の管理職に占める割合は4%で、前年比60%増。2020年の新規雇用の12%が黒人、アフリカ系米国人で、前年比9%増。黒人従業員は2020年に10%が昇進し、この割合は前年比11%増だった。
  • アジア系従業員:全従業員の21%。アジア系従業員の25%が管理職。新規雇用の20%、昇進者の23%をアジア系従業員が占めた。昇進者は2019年に比べ15%増えた。
  • ヒスパニック系・ラテン系従業員:全従業員の22%。ディレクター職以上の管理職に占める割合は4%。ヒスパニック系とラテン系の従業員の今年の昇進者の割合は24%で前年比14%増。2020年の新規雇用の27%がヒスパニック系、ラテン系だった。
  • 女性:米国全従業員の21%を占める。今年の昇進者の割合は23%で、前年比5%増。「ディレクター」「バイス・プレジデント」職の17%が女性。2020年の米国での雇用の25%近くが女性だった。
  • 男性:米国全従業員の79%、管理職の83%を占める。
  • 退役軍人:米国全従業員の4%を占める。
  • その他のグループ:ネイティブアメリカン、ネイティブハワイアン、アラスカネイティブ、パシフィックアイランダー、複合人種の全従業員に占める割合は7%、管理職においては1%。

Teslaは少数民族の従業員の保持について詳細は明らかにしなかった。そうした情報では同社のカルチャーについて、また同社のインクルージョンに関する取り組みが成功しているかどうかについて知見が得られる。レポートではまた、従業員のうち何人が身体障害を持っているのかについても示されなかった。TeslaはLGBTQ従業員がサポートを受けていると言及しているが、何人のLGBTQが雇用されているのか、そして何人が管理職にあるか詳細は示されていない。

同社は数字を改善するために「取り組まなければならない」ことがあるとの認識を示した。

「女性はテック業界や自動車産業において歴史的に過小評価されていて、この点ですべきことがあると認識しています」と同社はレポートの中で述べた。同社は女性へのコンタクトを増やし、雇用と保持を支えるインクルーシブなカルチャーを構築するために「積極的な策を取っている」ともレポートにはある。「全レベルにおいて、なかでも管理職で女性を増やすことは2021年の最優先事項です」ともある。

歴史的にアフリカ系米国人の学生を受け入れてきた大学での採用活動や、インターンプログラムの拡充など、Teslaは女性やマイノリティの従業員を確保し、保持するためのいくつかの取り組みをリストアップした。しかし同社は最終的な目標、そしてダイバーシティやインクルージョンの数値を改善して目標を達成するためのタイムラインは示さなかった。

カテゴリー:パブリック / ダイバーシティ
タグ:Tesla

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(翻訳:Mizoguchi

テスラが既存自動車メーカーの買収検討中とイーロン・マスク氏

Elon Musk(イーロン・マスク)氏は、Tesla(テスラ)の5540億ドル(約57兆8400億円)という巨大な時価総額を利用して、既存自動車メーカーの買収を検討している。ただしそれは、友好的に行える場合に限る。米国時間12月1日に行われたAxel SpringerのCEOであるMathias Döpfner(マティアス・デップフナー)氏からの広範囲にわたるインタビューの中で語った。

12月1日にこの大手メディアから賞をもらったマスク氏は、さまざまな関心とビジネスについて語ったが、彼が率いる企業であるSpaceXとTeslaも話題に上った。

デップフナー氏は、Teslaの時価総額がBMWやダイムラー、ワーゲンといった既存の大手自動車メーカーを大きく超えていることに言及。既存勢力はかつて、マスク氏に電気自動車をメインストリームにする能力はない、と彼を無視した。そんなレガシーな自動車メーカーの買収は選択肢にあるか問われたマスク氏は、それは可能だが条件があると答えた。

「敵対的な企業買収は絶対に行わない。友好的で『Teslaと合併するのも悪くないね』という感じの話なら、乗ってもいい。敵対的企業買収のような状況にはしたくはない」とマスク氏 氏はいう。

Teslaは現在、羨望の的になっているが、マスク氏は再度、同社の株価高すぎると語った。Teslaは12月21日にS&P 500 Indexに加わる予定で、年間生産台数ではるかに多い競合他社をしのぎ、世界で最も価値のある自動車メーカーとなっている。

投資家がTesla株に投資するのは、同社を自動車メーカーというよりもテクノロジー企業と見ているからだ。ただし現時点では、同社の売上の大半が自動車の販売によるものだが。

マスク氏は、初期のころTeslaはほとんどの自動車メーカーに無視されていたと指摘する。

「2007年にRoadsterを発売したとき、『おやおや、あなたたちは馬鹿者の集まりだ』というだけだった」とマスク氏はいう。そして競合他社は、以前よりもはるかに友好的になったと付け加えた。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

テスラの時価総額が約54兆円に、2020年初めの5倍

Tesla(テスラ)株の急騰により、同社の時価総額は年初から5倍の5150億ドル(約53兆7900億円)以上にまで上昇した。

伝統的に不安定なテスラの株式は、激しい値動きを続けてきている。しかし2020年3月に最安値を記録して以来、同社の株価は上昇基調にあり、8月にはそれが加速した。テスラの株価は朝の取引で4.6%上昇して545.62ドルとなり、CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏をBloombergの億万長者指数の上位に押し上げた。米国時間11月25日の時点でマスク氏の純資産は72億4000万ドル(約7600億円)上昇し、1280億ドル(約13兆3700億円)以上になった。世界一の富豪になるためには、Amazon(アマゾン)のJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏だけがその道を阻んでいる。

テスラの株価は12月にS&P500指数に追加されるという先週のニュースにより、先週から上昇している。11月20日以降、テスラの時価総額は520億ドル(約5兆4300億円)以上増加しており、これはFord Motor(フォード・モーター)社の時価総額の1.5倍近くに相当する。

​S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは米国時間11月16日、テスラが12月21日の取引開始前に正式にベンチマークインデックスに加わることを発表し、同社をApple(アップル)、Berkshire Hathaway(バークシャー・ハサウェイ)、Microsoft(マイクロソフト)などの有力企業と同じカテゴリーに入れた。

テスラがS&P 500に加わると、ベンチマークの中で最も価値のある企業の1つとなるだろう。S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは浮動株調整後の時価総額を一度に追加するか、2トランシェで追加するかを検討している。

テスラのS&P 500銘柄への追加は、単なる象徴的な意味で終わらない。S&P 500に加わることで、インデックスファンドを保持する投資家は株式の購入を余儀なくされるため、実質的な財務上のメリットがある。株価はすでに急騰しているため、投資家はテスラのために他の銘柄を売らなければならなくなる。

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

TeslaがS&P500種株価指数の構成銘柄に、12月21日取引前に追加

Tesla(テスラ)がS&P500種株価指数に採用される。同社にとって、投資家ベースを拡大し、またApple(アップル)やBerkshire Hathaway(バークシャー・ハサウェイ)、Microsoft(マイクロソフト)といったヘビー級と同じ地位を得るマイルストーンだ。

米国時間11月16日のS&P Dow Jones Indices(S&P ダウ・ジョーンズ・インディシーズ)の発表により、Teslaの株価は時間外取引で終値を13.7%上回った。12月21日の取引開始前にテスラがベンチマークインデックスに正式に加わる、とS&P Dow Jones Indicesは声明文で説明した。

テスラはS&P500への追加時にベンチマークで最も価値の大きな企業の1社となる見込みだ。同社の規模が大きいため、S&P Dow Jones Indicesは浮遊株調整時価総額でテスラ株を1度に追加するか、それとも2度に分けるか検討中だ。

「テスラは過去10年で最も規模の大きな追加の1つとなり、従ってS&P500の歴史の中で最大のファンド売買の1つを生み出すでしょう」とS&P Dow Jones Indicesは声明文で述べた。「しかしながらTeslaは流動性があり、来たる12月の四半期銘柄入れ替えでのテスラ株の追加は、ストックオプション、株式先物取引、株価指数オプション、株価指数先物の期限と同時に起こり、これは資金調達取引を促進するのに貢献するかもしれません」

S&P500への採用は、インデックス連動のファンドを持つ投資家が株式購入を余儀なくされるなどメリットがある。すでにTeslaの株価は上昇し、これは投資家がテスラ株を購入するために他の株を売却しなければならないことを意味する。逆に既存投資家は需要を利用して売却するかもしれない。結論、従来移り気な株はもっと移り気になりそうだ。

ベンチマークへの採用は、テスラが2020年8月に普通株1株を5株に分割したのに続くものとなる。

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(翻訳:Mizoguchi

イーロン・マスク氏のThe Boring Companyがオースティンで事業立ち上げか

最近の求人広告を見ると、Elon Musk(イーロン・マスク)氏の、トンネル掘削と輸送のスタートアップであるThe Boring Companyはオースティンで次をプロジェクトを狙っているようだ。

2019年にラスベガス・コンベンション・センター(LVCC)のピープルムーバーの建設と運営に関する契約を獲得したThe Boring Companyは、米国時間11月9日にオースティンでの採用に関するツイートを投稿した。同社のウェブサイトにはエンジニアリング、会計士および事業開発の職種など募集する職種が記載されており、これによりThe Boring Companyがオースティンにおける恒久的な事業を行おうとしていることががわかる。

The Boring Company:「オースティン・チョーク」は地質学的にトンネル掘削に最適な土壌の1つだという噂がある。​それが本当か知りたい?オースティンに仕事がある。

オースティンは、イーロン・マスク氏の活動の中心地になりつつある。マスク氏が率いるTeslaも2020年7月に、米国の第2工場の立地としてオースティン近郊を選び、そこに11億ドル(約1155億円)を投じて400万から500万平方フィート(約40万平米)の工場を作り、同社の未来的なCybertruck(サイバートラック)とTesla Semi、そして東海岸地区の顧客に販売するためのModel YとModel 3を生産する予定だ。

マスク氏は未来の工場を「エコロジカルパラダイス」と呼び、遊歩道や自転車レーンがあり、一般の人も歓迎される場所だとしている。The Boring Companyの最初の顧客がTeslaになるのかは不明だ。

The Boring Companyには5つの製造ラインがあり、そのすべてがトンネル関連だ。同社は2019年夏に1億2000万ドル(約126億円)を調達した。顧客だけでなく、公益事業者、歩行者、貨物、そしてLoopと呼ばれるサービスが利用するために設計されたベースとなるトンネルを提供している。

同社は「Loop」を、自動運転車で駅間のトンネルを通って時速150マイル(時速約241km)で乗客を輸送する地下公共交通システムだと説明する。また自律走行車はTesla Model S、3、Xだという。ちなみにTeslaの車両には強力な先進的な運転支援システムが搭載されているが、米国運輸省といった政府機関は完全な自動運転車と認めていない。

ラスベガス・コンベンション・センターの職員たちが飛びついたのはこのLoopだ。契約によると、LVCCのLoopは、会議などへの参加者を長さ1kmの2つのトンネルで、一度に4、5台のTesla車に乗せて運ぶ。TechCrunchが確認した計画文書によると、LoopはLVCCが期待しているほど多くの人を運べないようだ。The Boring Companyもそれを認めている。

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画像クレジット:The Boring Company

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(翻訳:iwatani、a..k.a. hiwa

イーロン・マスク氏のTeslaブランドのテキーラ「Teslaquila」が約2万6000円で発売

議論を巻き起こしたTesla(テスラ)が経営破綻したという同社CEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏のエイプリルフールのジョークで登場したTeslaブランドの酒、Teslaquila(テスラキーラ)がお目見えした。

同社はいま、Teslaテキーラ(オリジナルのTeslaquilaブランドとは少し異なる)をウェブサイトのリストに載せている。「持続可能な方法で調達しているプレミアムなハイランドアガベとローランドアガベ100%のスモールバッチ」と説明されているこのテキーラは、充電のシンボルをかたどった手吹きガラス瓶に入っている。価格は250ドル(約2万6000円)だ。

セレブがプロデュースしたテキーラはさほど目新しいものではない。俳優のGeorge Clooney(ジョージ・クルーニー)氏が共同で興したテキーラブランドCasamigos(カサミゴス)はDiageo(ディアジオ)に買収され、買収額は10億ドル(約1036億円)だった。Teslaのテキーラは自動車メーカーが販売する初のアルコールかもしれない。同社によると、中身はNosotros Tequila(ノソトロス・テキーラ)が生産しているという。

Teslaのテキーラは2018年4月、頬に乾いた涙の跡が残る意識消失したマスク氏がTesla Model 3に寄りかかり、そして近くに「Teslaquilla」のボトルが転がっているという自身の写真をツイートしたときに初めて登場した。写真の中でマスク氏は「破産」と書かれた段ボールを持っていた。

Teslaは2019年に、米特許商標庁に「Teslaquilla」の商標登録を出願していた。

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(翻訳:Mizoguchi

Teslaが「フル自動運転」オプションの価格を100万円超に引き上げ

Tesla(テスラ)は、その「Full Self-Driving(FSD、フル自動運転)」ソフトウェアアップグレードオプションを先週から段階的にリリースし始めているが、創業者でCEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏の予告通り(未訳記事)、同時にその価格を1万ドル(約104万円)に引き上げた。これにより、パッケージの価格はこれまでの価格から2000ドル(約20万9000円)も(未訳記事)値上がりした。同価格は2019年5月から着実に上昇を続けてきている。

FSDオプションは、Teslaのドライバー支援技術Autopilotを補完するオプションのアドオンとして既に販売されていた。ただし、2020年10月のベータ版がローンチされるまでは、テスラのオーナーは機能自体を利用できないままだった。これはまだ限定的なベータ版に過ぎないものの、それでもマスク氏とTeslaがFSDという名の下に公開しようとしていたものに近いものである。Teslaは量産型の車両向けのフル自動モードを何年も宣伝し続けていた。

「フル自動運転」という名前にもかかわらず、FSDはSAEインターナショナル(米国自動車技術者協会)によって定義され、ほとんどの自動運転業界に受け入れられている自律性の基準の、レベル 4またはレベル5に相当する「フル自動」ではない。マスク氏はそれを「自律的でありながらも必要に応じて人間の監督と介入を必要とする」能力を持つ車として設計している。一方、SAE規格ではレベル4とレベル5(「真の自動運転」と見なされることが多い)はドライバーの介入を必要としない。

それでも、ユーザーからの初期のフィードバックによれば、この技術は色々な点で印象的なようだ。とはいえ、いかなる種類の自動運転ソフトウェアであろうとも、公共の場で人間の監視なしにテストすることは、信じられないほど危険な行為に思える。マスク氏は、年末までにはベータ版を終えてFSD技術が広く展開されるはずだと述べているので、彼は間違いなくその性能に自信があるようだ。

値上げは、彼と会社が抱く自信の、また別の表れなのかもしれない。マスク氏は常に、後日手に入る技術開発に初期段階からお金を払ってくれるユーザーに対して割引を行うよう振る舞ってきたので、そうした意味でもこの段階で価格が上昇することには意味がある。またこれは明らかに、Teslaの利益率を高めるのために役立つが、同社は既にアナリストが予想する売上と利益の両方を上回る結果を達成している。

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(翻訳:sako)

「テスラはスタートアップの集合体だ」とイーロン・マスク氏と語る、まもなく保険事業も開始

米国時間10月22日、投資家やジャーナリストとの電話会議の中で、Tesla(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、自身の21日のツイートを説明するに求められた。その中で、マスク氏は「テスラは、実際にはおよそ十数社の技術系スタートアップと考えるべきで、その多くは伝統的な自動車会社とはほとんど、あるいはまったく関係がありません」と述べている。

マスク氏によれば、テスラには10社以上のスタートアップが存在し、製品ラインや工場をスタートアップとして捉えていると説明しているという。テスラはバッテリーや家庭用ソーラーパネルなどを製造しており、さらに自動車保険も提供しようとしている。

自動車製造以外の分野での成長の可能性について質問されると、マスク氏は保険に言及した。保険事業はテスラの自動車事業の30~40%に成長する可能性があるという。

この戦略は高いペースで常に製品のアップデートを展開しているテスラにとって、うまく機能しているようだ。新機能は予告なしにやってくるし、テスラがさまざまな自動車部品部門を部門の集合体ではなく、会社の集合体として扱うこの戦略は理に適っている。

マスク氏によるスタートアップの中には自律運転、チップ設計、車両サービス、販売、駆動装置の設計、モーター、スーパーチャージャーネットワーク、そしてまもなく保険などが含まれるという。

「テスラについて人々が理解していないのは、(会社は)スタートアップの連鎖であるということです」とマスク氏は語る。「人々は『以前はそんなことをしていなかったのに』といいますが、ええ、現在はそれに取り組んでいますよ。我々は他のスタートアップと比べて少し遅れていますが、実際に失敗したことはないと思います」。

マスク氏はどの事業もスピンアウトする計画はないと結論、複雑さを増す必要はないと指摘した。

関連記事:Teslaの第3四半期決算がウォール街の予測を大幅に超え9163億7000万円の売上を報告

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タグ:Teslaイーロン・マスク

画像クレジット:Tesla

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

Teslaの第3四半期決算がウォール街の予測を大幅に超え9163億7000万円の売上を報告

Tesla(テスラ)は第3四半期決算の売上と1株あたり利益の両方でウォール街の予測を上回り、売上87億7000万ドル(約9163億7000万円)を報告した。

2020年10月始め、Teslaが出荷台数でウォール街予測を超えた(未訳記事)という報告があって以来、本日、米国時間10月21日の決算会見の注目は、電気自動車とバッテリーのメーカーがその製造プロセスからどれほどの効率(つまりは利益)を引き出すことができたのかだった。

そして、 Teslaは第3四半期に売上87億7000万ドル、純利益3億3100万ドル(約345億9000万円)を計上し、答えは出た。1年前の同期から39%の上昇だった。ウォール街は四半期売上を83億6000万ドル(8734億9000万円)と予測していたとCNBCは報じた。

対前年比30%の売上成長について同社は、出荷台数の著しい伸びが貢献したものであり、営業利益も8億900万ドル(約845億3000万円)へと伸び、利益率は9.2%に改善したと語った。

現在も同社のスターは自動車ビジネスであることに間違いないが、Telsaのソーラーとストレージ事業も第3四半期に目覚ましい成長をみせた。

エネルギー、ストレージはこの四半期に759メガワット時の同社史上最高を記録し、大規模バッテリー向けのメガパック製造は成長中であり、Powerwall(パワーウォール)の需要も依然として高いと語った。

「エネルギー事業は最終的に自動車事業と同じくらい大きくなると今後も信じていきます」と同社は語っている。

そしてソーラー事業も伸びているとTeslaはいう。「最近導入した低価格ソーラー戦略(米国内で税優遇後価格1.49ドル / ワット)の影響が出始めています。第3四半期のソーラー機器総出荷は前期の2倍以上の57MWで、ソーラールーフの設置も前期の3倍弱でした」 。

業経費も増えた。テキサス州オースチンとドイツ、ブランデンブルクの新工場に追加の費用がかかり、Teslaは前四半期の33%増の12億5000万ドル(約1306億円)を投入した。

2020年10月始めにTeslaは出荷台数のうれしいニュースを思わず漏らし、第3四半期の出荷台数が13万9300台でウォール街予測をわずかに上回り、前四半期や1年前の同期から目に見えて改善されたことを話した。

この予想を上回る出荷は9万7000台だった前年同期から43%の伸びだった。そしてこの出荷台数は、世界的パンデミックが営業と米国の主力工場の運営に大打撃を与えた前四半期から53%の増加だった。

第3四半期にTeslaは、バッテリー生産計画のまったく新しいビジョンを発表した。株主向けの講演でTesla CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は、2019年より40%多くの電気自動車を出荷する見込みだと話し、バッテリー生産効率を高める長期計画を発表した。

Teslaの予測を上回る収益は、世界最大級の自動車メーカーがひしめく競争の中で生まれた。米国10月20日、GMCはHummer EVを発表 (未訳記事)し、9月にはFordが「完全な競争力維持」のためにMustang Mach Eの価格引き下げを発表した。

一方、Lucid Motors(ルシッド・モーターズ)などのスタートアップは、市場を支配するTeslaの主要ライバルになれる可能性があることを証明した。Lucidによる最近のAirセダンの価格設定は、TeslaのCEOで広報責任者でもあるイーロン・マスク氏に自社の複数モデルの(創造的に工夫された)値下げで受け流すことを強いるのに十分だった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

イーロン・マスク氏がTesla Model Sの値下げをツイート、米国で730万円程度に

Tesla Model Sの価格が少し安くなりそうだ。

Tesla(テスラ)のCEOであり、ミームメーカーであるイーロン・マスク氏は、Model Sセダンの価格がまもなく6万9420ドル(約730万円)になるとツイートした。これは気まぐれや共同購入によるものではなく、Lucid(ルーシッド)が数時間前にLucid Airの価格を引き下げたことに反応したものと思われる。

上のツイートにあるようにマスク氏は「The gauntlet has been thrown down」(挑戦状は投げ捨てられた)と書いている。

Lucidは米国時間10月14日、エントリーレベルのセダンが7万7400ドル(約815万円)から7500ドル(約79万円)の米国税額控除を差し引いた価格になることを発表した。ほとんどの購入者がこの控除を受けられるので実質6万9900ドル(約735万円)になる。つまり、そういうことだ。

Model Sセダンの新しいスタート価格は6万9420ドルで、これは今週2回目の値下げとなる。CNETの自動車情報メディアであるRoad Showは米国時間10月13日、テスラが今週初めにModel Sは3000ドル(約31万6000円)値下げしたと報じた。今年の初め、テスラはModel Sを当初の価格から2000ドル(約21万円)値下げしている。

Lucid Airは、Model Sに対抗する強敵になりそうだ。Model Sの航続可能距離をほぼカバーしており、現在価格が設定されているエントリーレベルのモデルでさえ、Model Sの400マイル(約643km)以上に対応している。Lucid AirはModel Sより軽く、速く、正直言って新しい。Model Sは2012年の発売以来、全体的な形状と使用感は変わっていない。

TechCrunchとの最近のインタビューの中で、LucidのCEOであるPeter Rawlinson(ピーター・ローリンソン)氏は、Lucid Airの価格は「8万ドルよりも驚くほど安い」と語っていた。今回の価格設定は「驚くべきこと」とは言えないが、Lucid Airは、装備の整った欧州の中型スポーツカー、さらに重要なのはModel Sとと同じ価格帯になることだ。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Tesla、イーロン・マスク

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(翻訳:TechCrunch Japan)

テスラが7人乗りModel Yの生産を11月開始、12月初旬に納車へ

Elon Musk(イーロン・マスク)氏が、Tesla(テスラ)のラインアップの中では入手しやすい価格設定の電動SUVであるModel Yの7人乗りバージョンのタイムラインについて新たな情報を出した。Model Yは米国では今年3月に出荷が始まった。そしてマスク氏は6月に、同社がModel Y7人乗りバージョンの出荷を今年第4四半期中に開始する見込みだと述べていた。

7人乗りというのはこれまでのModel Yより2座席多く、同車がそうしたコンフィギュレーションに対応することは2019年に正式にModel Yが発表されたときからわかっていた。Model Yよりも大きいModel Xは3列座席を提供している。しかし、Model Yではそこまでスペースがない。また、Teslaが昨年発表した7座席のModel S Plaidバージョンもある。

それでも、Model Yの座席の追加は、幼い子供たちを含め家族全員が乗れるプレミアムだが低価格のSUVを探している人にはいい選択肢となるかもしれない。そしてマスク氏のタイムライン通りに生産が始まれば、7人乗りのModel Yを街中で目にするようになるのはそう遠くないはずだ。通常、マスク氏のタイムライン予想はかなり楽観的だ。しかしModel Yは実際には予想より早く出荷が始まった。なので、同氏の発言通りになるかもしれない。

カテゴリー:モビリティ
タグ:Tesla、電気自動車

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(翻訳:Mizoguchi

アマゾン傘下のRingが3つの新製品で自動車用セキュリティーに進出、その1つはテスラとのAPI連携

Amazon(アマゾン)傘下のRing(リング)は、家庭や近所用のセキュリティーから自動車の世界に手を広げようとしている。米国時間9月24日に開催されたアマゾンのデバイスとサービスの盛大な展示会で同社は、3つの新製品、Ring Car Alarm(カーアラーム)、Ring Car Cam(カーキャム)、Ring Car Connect(カーコネクト)をデビューさせた。最初の2つはデバイスだが、最後のひとつは自動車メーカー向けのAPIとハードウェアのセットとなる。いずれも来年の早い時期に出荷される。

「実際、Ringをスタートさせてからずっと、さらにDoorbot(ドアボット)の時代まで遡って、自動車用のセキュリティーを求められ続けてきました」とインタビューで言及したのは、RingのCEOで創設者のJamie Siminoff(ジェイミー・シミノフ)氏。「それは、私たちが常に念頭に置いていたものですが、先に片付けなければならないことがあまりにも多かったのです。製品を作って、しっかりと働けるようにするには時間がかかるものです。そのため、この分野への進出には手間取りましたが、私たちの使命は住宅地を安全にすることです。自動車に起こることの多くは、住宅地にも起こるのです」と語った。

シミノフ氏は、今回発表できた製品が1つだけではなく、あらゆる顧客のニーズをカバーできる一連のセットであったことをとても喜んでいた。Ring Car Alarmは、OBD-II(車載故障診断装置ステージ2)対応の無線機器で、駐車中の車への衝突、車上荒らし、さらにはレッカー移動を感知する。Ring Car Camはセキュリティーカメラだ。Wi-Fi対応だが、追加プランでLTEにも対応できる。駐車中の事件や事故を監視するほか、走行中は緊急衝突検知や警察官に停止を命じられたときの録画も可能だ。3つ目のRing Car Connectは、ユーザーが内蔵カメラの映像を見たり、ドアロックの状態を確認したりできるように、自動車メーカーが車に統合するAPIと接続する後付け装置だ。

3つの製品でいきなり正面から、しかもRingにとって未経験の分野で参入した理由をシミノフ氏に尋ねた。「詳しく調べるようになって、これは1つのサイズで誰にでも合うといった種類の製品ではないことが、身にしみてわかったのです」と同氏。「むしろ、自動車に関連する製品一式を作ることなのだと気づきました。Ringでは、本当に独創的で、市場で際立ち、私たちの使命に合致し、顧客の生活をよりよくできるとわかったものだけを発売するよう努めています。完全にとは言いませんが、これまではそうしてきました」と続けた。

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製品の価格帯は大きな幅がある。Ring Car Alarmは予定小売価格が59.99ドル(約6300円)、Ring Car CamとCar Connectは、どちらも199.99ドル(約2万1000円)。Ring Car Alarmは、明らかに幅広い顧客層を狙っている。車への犯罪行為を予防する目的で、車とRingアプリが連動できるようにする基本機能をセットで提供するものだ。この装置は、Ringアプリに警報を送る。ユーザーが望めば、サイレンを鳴らすこともできる。Car Alarmはまた、他のRing製品やAmazon Alexa端末との連携も可能で、車に衝撃が加えられたり窓を割られたようなときには、Alexaが声で知らせてくれる。Ring Car Alarmは、Ringの親会社であるAmazonが今年中にサービスを開始する予定の低帯域幅無料無線ネットワーク・プロトコルAmazon Sidewalk(サイドウォーク)を使った接続が必要となる。

Ring Car Camは、もう一歩進んで、車の様子を目で監視できるようにするものだ。Wi-Fiが届く範囲で使用できるが、コンパニオンプランを選べば内蔵LTEによる接続が可能になる。また、これを取り付けた車に乗っている間にも使えるセキュリティー機能がある。RingのEmergency Crash Assist (緊急衝突アシスト)は、重大な事故だと判断した際には、即座に第一対応者に車の位置を通報する。さらに警察に停車を求められたとき、「Alexa、停止を命じられた」と話せば、自動的に録画が始まる。ネット接続されている場合、その映像は自動的にクラウドに送られる。プライバシーに関しては、写したくないときにレンズを隠せるフタがカメラ本体に付いている。録画中に音声だけをオフにすることも可能だ。

そしてRing Car Connectだが、これは自動車メーカーが使用するAPIで構成されていて、Ringの利用者が車に発生するあらゆる問題の警報を受け取れるよう、または車載カメラの映像を見られるようにする。また、後付け製品ではほとんど見ることが許されなかった情報にもアクセスできるようになる。

例えば、車のドアがロックされているかアンロックされているかなどだ。Ringの最初のパートナーとなる自動車メーカーはTesla(テスラ)だ。同社は、Model 3、X、S、YをRing Car Connectに対応させる。ユーザーは、2021年に199.99ドル(約2万1000円)で発売予定の後付け装置を取り付ける必要があるが、それによりセントリー(見張り)モードの録画映像や、運転中の映像をRingアプリで見られるようになる。

画像クレジット:Ring

Ringのセキュリティー・エコシステムは、簡単なドアベルから発展し、家全体(こちらもさらに広がっているが)、家の周囲、本格的な警報サービス、そして今や自動車にまで発展した。同社は決して、その栄誉ある地位に甘んじているわけではない。間もなく、郵便受け用のセンサーが29.99ドル(約3100円)で発売される。文字どおり手紙の「着信」を知らせてくれる装置だ。これが、今回の発表にちょっとした花を添えている。

画像クレジット:Ring
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(翻訳:金井哲夫)

テスラがトランプ政権を訴訟、車の「頭脳」の関税廃止を要求

Tesla(テスラ)は同社が中国から輸入しているコンピューターチップとその他の部品に対する関税を巡って、トランプ政権に対して訴訟を起こした。同様の裁判はすでに数百社が進めており、自動車メーカーではFord(フォード)、Mersedes-Benz(メルセデス・ベンツ)、Volvo(ボルボ)などが該当する。

テスラは合衆国国際通商裁判所に提出した訴状で、Robert Lighthizer(ロバート・ライトハイザー)合衆国通商代表の名前を挙げ、一連の関税を違法であると宣言するよう法廷に求めている(Bloomberg記事)。テスラは支払った関税と利子の返金も要求している。訴訟の中心を成している2種類の関税は、2018年に成立したCPUに対する25%の関税および昨年成立したその他数百種類の部品に対する7.5%の関税だ。

昨年合衆国通商代表部(USTR)は中国製の新しいカスタムチップの免除に関するテスラの要求を却下した(米政府リリース)。

そのカスタムチップは同社のAutopilot(オートパイロット)3.0 ハードウェアの一部であり、同社が新車すべてに搭載予定の完全自動運転(FSD)を可能にするものだ。このハードウェアは現在Model 3、S、およびXの全新車に標準搭載されている。顧客はさらに8000ドル(約84万3500円)を払ってFSDのソフトウェアアップグレードを購入する。

関連記事:テスラのオートパイロットはトランプの関税で窮地に

このハードウェアはAutopilot ECU(エンジン制御ユニット)の中にあり、テスラはこのモジュールを「車両の頭脳」であると説明している。モジュールは台湾拠点で中国・上海に工場があるQuanta Computer(クアンタ・コンピュータ)という会社が組み立てている。このモジュールは中国で作られて米国に輸入されたその他の電子部品とともに25%の報復関税の対象になっている。

テスラはUSTRへの要求の中で、Autopilot ECU 3.0の製造を米国内で行うことは不可能だと語った。

テスラはAutopilot ECU 3.0を、Teslaの継続的成長に必要な仕様で必要な数量を生産するための専門技術を有するメーカーを見つけることができなかった。このモジュールは車両の頭脳である。このためその調達は軽々に考えられるものでもコストだけで決められるものでもない。オートパイロットはテスラ体験の複雑でかつ安全最重要の機能であり、わずかな不具合さが重大な結果を招く可能性があるため、われわれの決定はすべてリスクを軽減することを目的としている。

テスラはModel 3のコンピュータシステムの部品であるメディアコントロールユニット(MCU)の免除申請も却下された。MCUは3枚のプリント版ユニット(PCBA)を組み合わせてメカニカルシャーシに収めたものだ。PCBAは、車載タッチディスプレイ、オーディオスピーカー、マイクロフォン、ラジオ、接続ボード(携帯通信)、Bluetooth、Wi-Fi、USB充電器、バックカメラなどとのデータのやり取りを制御していると同社は要望の中で説明している。MCUは先進運転支援システム(ADAS)および通信ボードモジュールと接続・通信する。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

テスラのシステムが9月23日朝に1時間におよぶネットワーク障害、2要素認証導入に向けた影響か

複数の情報筋によると、Tesla(テスラ)の所有者は9月23日の朝、同社のネットワーク全体に影響を与える停止の影響で、約1時間にわたってテスラ車とそれに付随するアプリからロックアウトされたようだ。

詳しい情報筋によると、その原因はアプリケーション・プログラミング・インターフェース(またはAPI)の内部的な破損によって引き起こされたとのこと。

不具合は、テスラの最高経営責任者であるElon Musk(イーロン・マスク)氏が8月のツイートで「恥ずかしいほど遅れている」と呼んだ新しい2要素認証(2段階認証)のセキュリティ機能の展開に関係している可能性がある。

2要素認証は、パスワードとスマートフォンの携帯電話など複数のデバイスや情報を組み合わせて、本当のアカウント所有者、つまり車の所有者のログインを証明し、ハッカーではないことを確認するために利用される。

しかし一部のウェブサイトでは、テキストメッセージでコードを送信するため、ハッカーはこれらを傍受して不正ログインすることが可能だ。より安全なのは、スマートフォンの電話アプリを介して登録された電話番号にコードを送信することだ。

テスラ車は2018年からピンコード入力が可能になり、所有者に車両を追跡させるGPS機能も搭載されているが、二要素認証がないことが問題となっていた。

テスラのアプリは、オーナーにとって重要なツールであり、車の多くの機能をコントロールできるようになっている。テスラのオーナーは、セキュリティの追加レイヤーとして二要素認証機能を求めている。

電気自動車市場でのテスラの優位性に挑戦するには、より多くのオプションが登場しているため、ますます多くの消費者に自社の電気自動車を選ぶべきだと納得してもらう必要がある。

2021年と2022年には、ほぼすべての価格帯でテスラに対抗する車が続々と発売される予定であり、所有者を長期間ロックアウトすることは、購入希望者に同社の車の購入を説得するにはいい方法とは言えないだろう。

それでも、同社は消費者感情を揺さぶる可能性がある計画を進めている。具体的には、同社が昨日発表したような種類のバッテリーの革新を通じて、その車のコストを削減するために取り組んでいることだ。

イーロン・マスク氏と同社のパワートレイン・エネルギーエンジニアリング担当SVPであるDrew Baglino(ドリュー・バグリノ)氏は、さまざまな発表を行った「Battery Day」の記者会見で、最終的には年間10~20TWh(テラワット時)のバッテリー生産を実現する計画と進捗状況を明らかにした。最終的な目標は、2万5000ドル(約260万円)で電気自動車を製造・販売できるほどバッテリーコストを減らすことだ。

テスラには記事公開時までにコメントを求めた、いまのところ回答はない。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

テスラが1万エーカーのリチウム粘土鉱床の権利を取得、リチウム採掘事業に自ら参入へ

1年ほど前、Tesla(テスラ)の2019年の年次株主総会でCEOのイーロン・マスク氏は、同社が「電気自動車のバッテリーに使われる鉱物の採掘事業に参入するかもしれない」と発言していた。

米国時間9月23日、年次株式総会後に開催されたイベント「Battry Day」で同氏は、米国ネバダ州にある1万エーカー(4047平方m)のリチウム粘土鉱床の権利を取得することで、同社が正式な第一歩を踏み出していることを明らかにした。

リチウム鉱山は、より安く、より効率的なバッテリーの製造を実現し、最終的には自動車の価格を下げることを可能にするというテスラの広範な計画の一部だ。また、テスラがサプライチェーンを自社に近づけようとしている一例でもある。

マスク氏と、同社のパワートレイン・エネルギーエンジニアリング担当SVPであるDrew Baglino(ドリュー・バグリーノ)氏は、最終的に年間10~20TWh(テラワット時)のバッテリー生産量を持つようにするための同社の計画と進捗状況を明らかにした。この計画の中心にあるのは、同社がイベントで発表した新しいタブレスバッテリーセルだ。両氏は開発中の新しい製造システムや、それをサポートするためのインフラの構築計画など、この大きなミッションのほかの部分についても概説した。リチウム鉱山と提案されているカソード施設は、いずれも北米に建設される予定で、テスラの工場と事業のポートフォリオに新たに加わった2つの施設になる。

「北米に独自のカソード(陰極、正電荷が流れ込むほうの電極)工場を建設し、北米に存在するニッケルとリチウムのすべての資源を活用し、カソードのサプライチェーンと生産を現地化することで、カソードで使用されるすべての材料の走行距離を80%削減することができます」とバグリーノ氏は説明する。

同氏によると、提案されているカソード工場の隣にはリチウム転換施設があるとのことで、同社は硫酸塩を含まない新しい製造プロセスに取り組んでおり、リチウムコストを33%削減できると主張している。

カソード工場がどこにあるのか、いつ建設されるのかは明らかになっていない。しかし、サプライチェーンを緊密にすることが目的ならば、テスラが最近採掘権を購入したリチウム粘土の区画の隣にできるかもしれない。

反応性のあるアルカリ金属を採掘するには環境コストがかかる。しかし、マスク氏は「より良いプロセスを見つけた」と主張している。従来のリチウムの採掘には大量の水が必要で、鉱夫は土地に穴を開け、地表にかん水を汲み上げ、そこから水が蒸発するまで放置する。そうして残るのが、マンガンやリチウム塩などの鉱物の混合物だ。そして、これをリチウムを抽出できるようになるまでろ過し続ける必要がある。

しかしマスク氏は「塩化ナトリウムや食卓塩を使って鉱石からリチウムを抽出する新しいプロセスがある」と説明する。「私の知る限りでは、これまで誰もやったことがありませんでした。このプロセスに含まれるすべての元素は再利用可能です。これは非常に持続可能なリチウムの入手方法です」と述べている。そのうえで採掘が行われる土地は「以前とほとんど同じように見えるだろう」と締めくくった。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

テスラは材料科学の革新でバッテリーコストのさらなる低下を目指す、シリコンやニッケルを再研究

Tesla(テスラ)は、バッテリー設計の改善によって電気自動車とエネルギー貯蔵のコストを削減しようとしているが、米国時間9月23日の午後、電気自動車やエネルギー貯蔵のコストを削減するために追求している技術革新について発表した。その中で、すべての製品の心臓部であるリチウムイオン電池の主要部品の材料科学に新たな進歩があったことを明かした。

同社は開発中の製造プロセスから、あらゆるバッテリーシステムの基本構成要素であるカソード(外部回路へ電流が流れ出す電極)とアノード(外部回路から電流が流れ込む電極)に使う材料にいたるまで、バッテリーを改良するために上記のアプローチを採っている。その結果、カソードとアノードの材料コストが削減され、それだけで性能が向上するため「バッテリの動作範囲が20%拡大する可能性がある」と同社は主張する。

アノード側では、冶金グレードのシリコンを使用して、より多くのシリコンをバッテリに組み込む方法を検討しているという。地球上で最も豊富な材料の1つであるシリコンは、マイクロチップやバッテリー、さらにはソーラーパネルに使用されており、さまざまな用途で使えるように、高価かつ高度に処理されてきた。バッテリーの場合、問題はリチウムが完全に充電されると劣化する傾向があることだ。

「シリコンを使うとクッキーが崩れてドロドロになります」とイーロン・マスク氏は年次株式総会後に開催した「Battery Day」のプレゼンテーションで語った。そのねばねばした性質は、材料がそのエネルギー保持および貯蔵容量を失うことを意味し、バッテリーが充電されるたびに劣化するため、そのぶん寿命が短くなってしまう。

そのためほとんどの企業は、シリコンに何らかの処理を施して素材を硬くしたり、電池にシリコンをできる限り使わないようにしてきた。「シリコンの一部の利点は活用できますが、すべてを使うことはできませんし、十分な拡張性もありません」と同社のパワートレインおよびエネルギーエンジニアリング担当SVPであるAndrew Baglino(アンドリュー・バグリノ)氏は説明する。「しかしテスラは、シリコンを捨てるのではなく、安価かつ金属グレードのシリコンを使って、新しいバッテリー設計に組み込むことができる新しい処理方法に取り組んでいます」と続けた。

同氏は「我々が提案しているのは、性能とコストの段階的な変化であり、原料の冶金シリコン自体を対象としています」と続け、「拡張性を持たせるための設計と、電極の設計を考えてみてください。単純なシリコンを使用すれば、現在バッテリに使用されているシリコンよりも大幅に量は少なくなります」と説明した。

バグリノ氏は、新しい処理方法を使用することで、1kWh(キロワット時)あたり1.20ドルまでコストを下げることを期待しているそうだ。これには、生の冶金シリコンを低コストで弾力性のあるイオン伝導性ポリマーで安定化させ、高弾性バインダーで電極に組み込むという方法がある。

「この技術革新だけで、テスラの車の航続距離を20%伸ばすことができます。負極のコストを生産すると、バッテリーパックレベルで1kWあたり5%のコスト削減が期待できます」と同氏。

しかし、同社はアノードの改良だけに留まるつもりはない。カソードの効率を向上させるために、さまざまな材料科学のイノベーションを利用することも視野に入れている。

カソードもアノードも、荷電粒子を跳ね返しながら構造を維持する必要がある。カソードは基本的に電気を貯蔵する容器なので、電気が充放電しながら移動している間も電気を貯蔵できる。

マスク氏とバグリノ氏は、この材料を本棚に例え、カソードが本であり、アノードが棚であるとした。このたとえにおけるバッテリーは基本的には本棚、カソードは本を保管、アノードは図書館員が本(エネルギー)を読んだり使用したりできる世界に移動させる役割を果たす。

「イオンを入れるには安定した構造が必要です。イオンと一緒にその形を保持する構造が必要です。イオンを前後に動かすとサイクル寿命が短くなり、バッテリーの容量が急速に低下します」とマスク氏は説明する。なお、カソードにはいくつかの異なる材料を使えるが、圧倒的に安価なのはニッケルで、エネルギー密度も最も高い。しかし、ほとんどの電池はより安定な材料であるコバルトを使っている。

テスラは本日、「より堅牢な貯蔵材料として使用するためにニッケルを安定化する方法に取り組んでいる」と述べた。つまり、ニッケルはイオンを動かしたり劣化させたりする危険なしにエネルギーを貯蔵できるようになる。

バグリノ氏は「1kWあたりのカソードコストを15%削減できます」と説明する。

マスク氏は「テスラは既存の化学物質を捨てるわけではないが、新しいニッケルベースの電池を追加することでほかの目標のいくつかを追求することが可能になる」と述べた。

「バッテリーには3段階のアプローチが必要です」とマスク氏。「鉄は中位クラス、ニッケルマンガンを中位クラス以上、そしてCybertruck(サイバートラック)とクラス8の全電動大型トラックであるSemi(セミ)には高ニッケルを使用する」とのことだ。

画像クレジット:Tesla

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(翻訳:TechCrunch Japan)

テスラは材料科学の革新でバッテリーコストのさらなる低下を目指す、シリコンやニッケルを再研究

Tesla(テスラ)は、バッテリー設計の改善によって電気自動車とエネルギー貯蔵のコストを削減しようとしているが、米国時間9月23日の午後、電気自動車やエネルギー貯蔵のコストを削減するために追求している技術革新について発表した。その中で、すべての製品の心臓部であるリチウムイオン電池の主要部品の材料科学に新たな進歩があったことを明かした。

同社は開発中の製造プロセスから、あらゆるバッテリーシステムの基本構成要素であるカソード(外部回路へ電流が流れ出す電極)とアノード(外部回路から電流が流れ込む電極)に使う材料にいたるまで、バッテリーを改良するために上記のアプローチを採っている。その結果、カソードとアノードの材料コストが削減され、それだけで性能が向上するため「バッテリの動作範囲が20%拡大する可能性がある」と同社は主張する。

アノード側では、冶金グレードのシリコンを使用して、より多くのシリコンをバッテリに組み込む方法を検討しているという。地球上で最も豊富な材料の1つであるシリコンは、マイクロチップやバッテリー、さらにはソーラーパネルに使用されており、さまざまな用途で使えるように、高価かつ高度に処理されてきた。バッテリーの場合、問題はリチウムが完全に充電されると劣化する傾向があることだ。

「シリコンを使うとクッキーが崩れてドロドロになります」とイーロン・マスク氏は年次株式総会後に開催した「Battery Day」のプレゼンテーションで語った。そのねばねばした性質は、材料がそのエネルギー保持および貯蔵容量を失うことを意味し、バッテリーが充電されるたびに劣化するため、そのぶん寿命が短くなってしまう。

そのためほとんどの企業は、シリコンに何らかの処理を施して素材を硬くしたり、電池にシリコンをできる限り使わないようにしてきた。「シリコンの一部の利点は活用できますが、すべてを使うことはできませんし、十分な拡張性もありません」と同社のパワートレインおよびエネルギーエンジニアリング担当SVPであるAndrew Baglino(アンドリュー・バグリノ)氏は説明する。「しかしテスラは、シリコンを捨てるのではなく、安価かつ金属グレードのシリコンを使って、新しいバッテリー設計に組み込むことができる新しい処理方法に取り組んでいます」と続けた。

同氏は「我々が提案しているのは、性能とコストの段階的な変化であり、原料の冶金シリコン自体を対象としています」と続け、「拡張性を持たせるための設計と、電極の設計を考えてみてください。単純なシリコンを使用すれば、現在バッテリに使用されているシリコンよりも大幅に量は少なくなります」と説明した。

バグリノ氏は、新しい処理方法を使用することで、1kWh(キロワット時)あたり1.20ドルまでコストを下げることを期待しているそうだ。これには、生の冶金シリコンを低コストで弾力性のあるイオン伝導性ポリマーで安定化させ、高弾性バインダーで電極に組み込むという方法がある。

「この技術革新だけで、テスラの車の航続距離を20%伸ばすことができます。負極のコストを生産すると、バッテリーパックレベルで1kWあたり5%のコスト削減が期待できます」と同氏。

しかし、同社はアノードの改良だけに留まるつもりはない。カソードの効率を向上させるために、さまざまな材料科学のイノベーションを利用することも視野に入れている。

カソードもアノードも、荷電粒子を跳ね返しながら構造を維持する必要がある。カソードは基本的に電気を貯蔵する容器なので、電気が充放電しながら移動している間も電気を貯蔵できる。

マスク氏とバグリノ氏は、この材料を本棚に例え、カソードが本であり、アノードが棚であるとした。このたとえにおけるバッテリーは基本的には本棚、カソードは本を保管、アノードは図書館員が本(エネルギー)を読んだり使用したりできる世界に移動させる役割を果たす。

「イオンを入れるには安定した構造が必要です。イオンと一緒にその形を保持する構造が必要です。イオンを前後に動かすとサイクル寿命が短くなり、バッテリーの容量が急速に低下します」とマスク氏は説明する。なお、カソードにはいくつかの異なる材料を使えるが、圧倒的に安価なのはニッケルで、エネルギー密度も最も高い。しかし、ほとんどの電池はより安定な材料であるコバルトを使っている。

テスラは本日、「より堅牢な貯蔵材料として使用するためにニッケルを安定化する方法に取り組んでいる」と述べた。つまり、ニッケルはイオンを動かしたり劣化させたりする危険なしにエネルギーを貯蔵できるようになる。

バグリノ氏は「1kWあたりのカソードコストを15%削減できます」と説明する。

マスク氏は「テスラは既存の化学物質を捨てるわけではないが、新しいニッケルベースの電池を追加することでほかの目標のいくつかを追求することが可能になる」と述べた。

「バッテリーには3段階のアプローチが必要です」とマスク氏。「鉄は中位クラス、ニッケルマンガンを中位クラス以上、そしてCybertruck(サイバートラック)とクラス8の全電動大型トラックであるSemi(セミ)には高ニッケルを使用する」とのことだ。

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(翻訳:TechCrunch Japan)