PayPalとVisaがグローバルで迅速な支払いを可能にするInstant Transfer取引を拡充

新型コロナウイルスの大流行は、人々や企業の財政に大きなストレスを与え続けている。このような状況に対応するため、PayPalとVisaは米国時間9月10日、手元の現金をより早く人々の手に届けるサービスの拡大を発表した。Instant Transfer(インスタント・トランスファー)は、送金された資金をPayPalが銀行口座(待ち時間を数日から数秒に短縮)に移動させることで、人々や企業が転送された資金を素早く使えるようにするサービスだ。国内および国際決済の両方で利用できる。

Instant Transferは、PayPalが提供するPayPal、Venmo、Xoom、Brainintree、Hyperwallet、iZettleなどのサービスを利用して送金や受け取りを行う世界中の消費者や企業が対象だ。Instant Transferオプションを選ぶことで、電送された資金をより早く入手できるようになる。なお、PayPalのサービスは支払いにVisa Directを利用している。なお、このサービスはPayPalが2019年3月に開始したInstant Transfersの進化と拡大であり、当初は米国で始まった。

StripeやSquareだけでなく、ヨーロッパなどほかの地域の決済プロバイダーも、転送された資金がそれぞれのプラットフォーム上で受け取り側が利用可能になるまでにかかる待ち時間を短縮するために、長年にわたってさまざまな製品を立ち上げてきた。

しかしここ数カ月で、即時送金・受け取りの重要性が増している。一部の企業、特に大企業では実際に景気が回復しているという事実にもかかわらず、多くの人が職を失い、売買の動きが鈍化している。一方で、受け取ったお金を使うまでの時間が短縮され、必要性が大幅に高まっているのだ。

PayPalが実施した最近の調査では「米国の中小企業の76%がキャッシュフローの不足に苦しんでいる」とのこと。91%が「リアルタイム決済がキャッシュフローの不足に役立つ可能性がある」と回答したという。

PayPalがこれを世界的に展開しているもう1つの理由は、現在多くのプレーヤーがしのぎを削っている決済市場での競争力を高めるため。電子商取引は、我々が指摘したように非常に局地的な問題を含んでいる。各国の消費者と企業は、それぞれの国で使いやすい方法で送金を受け取りを行っているが、これは他の市場と同じ方法かもしれないし、同じで方法ではないかもしれない。また、資金が使われる場所は国によって大きく異なる。

PayPalはこれまで、自社サービスの立ち上げと興味深いスタートアップへの投資を通じてこの問題に対処しようとしてきた。自社製品内でInstant Transfersを提供することにより、自社プラットフォームでより多くのユーザーが取引させることができる。PayPalにとっては、競合すると思われるサービスも統合して利用できるため、より柔軟なサービスとして提供でき、結果的により良い結果をもたらすことになる。

VisaのCPOであるJack Forestell(ジャック・フォレステル)氏は声明で「このような困難な時期には、大切な人にお金を送ったり、収益へのリアルタイムのアクセスを中小企業に提供したりすることが重要です」と述べた。「PayPalとグローバル規模で提携することで、私たちは2つの信頼できるブランドを結集し、世界中の何億もの消費者と中小企業に金融の安定性を維持するために役立つ、迅速で安全な支払いオプションを提供しています」とコメントしている。

Visa Directは今年に入ってすでにビジネスを大きく伸ばしており、同社によると第3四半期には約80%の成長を記録しているとのこと。決済の高速化は、長期的には新型コロナウイルスの感染蔓延や社会的距離対策がどのように展開するかにかかわらず、昔ながらの取引方法の代替サービス、あるいは代理店としての地位を確立したいと考えている電子商取引企業にとっては重要なポイントだ。

PayPalのOmni Payments担当SVPであるJim Magats(ジム・マガッツ)氏は声明で、「デジタルは急速に人々や企業が資金を動かすための好ましい方法になりつつあります」と述べている。「世界的な新型コロナウイルスの感染拡大がデジタルへの移行を劇的に加速させる一方で、デジタルへの移行は感染拡大を長引かせる長期的な変化であると考えています。Visaとのパートナーシップを拡大し、世界中のより多くの顧客が資金をより迅速に利用できるようになることを楽しみにしています」と続けた。
画像クレジット:dem10 / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

VISAプリペイドカードアプリ「バンドルカード」運営のカンムが11.3億円を調達

VISAプリペイドカードアプリ「バンドルカード」運営のカンムが11.3億円を調達

VISAプリペイドカードアプリ「バンドルカード」(iOS版Android版)運営のカンムは8月7日、第三者割当増資として、11.3億円の資金調達を2020年7月31日に完了したと発表した。引受先はセブン銀行。創業以来の資金調達は累計約44.3億円。

調達した資金は、バンドルカード会員獲得の強化、2020年12月リリース予定の新プロダクト(「投資×決済」をテーマにした個人向け金融サービス)の開発に投資する。業容拡大を見越し、優秀な人材の採用活動にも注力するという。

2011年1月創業のカンムは、バンドルカードを2016年9月にローンチ。バンドルカードは、誰でもカード払いができ、アプリ上ですぐに発行できる点が支持され、専用アプリのダウンロード数は2020年6月末時点で250万となったという。

今般の新型コロナウイルス流行による経済活動自粛の中でも、巣ごもり需要からくるオンライン決済ニーズは高まり続けており、決済金額は2020年3~6月にかけて月間最高記録を更新したとしている。

VISAプリペイドカードアプリ「バンドルカード」運営のカンムが11.3億円を調達

今後は、カンムのビジョンである「心理的unbankedをソフトウェアで解決する」の実現に向け、現行の決済事業に投資分野の新サービスを組み合わせた個人向けの金融プラットフォーム構築を戦略として推進。個人がさまざまな金融サービスを利用する際の心理的なハードルを下げ、自然に使いこなせる世界を目指す。心理的unbankedとは、心理的な理由から金融サービスを使いこなせていない人を指す同社の造語。

またプラットフォームの構造としては、アプリの一元的な統合ではなく、投資・保険・決済などユーザーが抱える個別の金融課題に対してそれぞれにシンプルでわかりやすいソリューションを提供するという。

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CoinbaseがVisaの主要メンバーとなりデビットカード利用を促進

Coinbase(コインベース)はPaysafeと提携し、Coinbaseアカウントの残高と連動するVisaデビットカードであるCoinbase Cardを発行している。そして同社は現在、Visaのプリンシパルメンバーとなり、Paysafeへの依存を減らしつつカード決済スタックの大部分をコントロールできるようになる。

Coinbaseによると、このレベルのステータスを得た暗号通貨関連企業は同社だけだという。Coinbaseは今後、より多くの市場でCoinbase Cardを提供する予定だ。この新しいステータスは、より多くの可能性と機能を開く可能性がある。

Coinbaseは当初、英国でCoinbase Cardをローンチし、現在はヨーロッパの29カ国で利用できる。カードはVisa対応の決済端末やATMと連携し、決済にどのウォレットを使用するかをアプリ内で決め、10種類の仮想通貨を支払いで利用できる。

またCoinbaseでの取り引きと同じように、コンバージョン手数料が存在する。それに加えて、多額のお金を引き出したり、海外で購入したりすると、追加手数料がかかる場合がある。詳細はこちらに記載されている。

xそれでも、カードを注文したユーザーの半数は積極的にカードを利用している。これまでのところ、主な市場は英国、イタリア、スペイン、フランスだ。Bitcoin(ビットコイン)などの暗号化通貨は、まだVisaやMastercardに取って代わるものではないかもしれないが、今のところは従来のデビットカードの優れた代わりの選択肢となっている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

国際送金APIのCurrencycloudがSBI、Visa、世銀グループなどから約87億円調達

ある国から別の国にお金を送る。年間7000億ドル(約76兆円)の規模に上る巨大ビジネスだ。企業がサービスに対してお金を払ったり、海外で働く個人が家族にお金を送ったり、何かその中間の場合もある。ロンドンのスタートアップであるCurrencycloud(カレンシークラウド)は1月26日、8000万ドル(約87億円)の調達を発表した。同社が開発した送金APIによって金融機関は自身の送金サービスを同社のプラットフォームに統合できる。調達資金を活用して金融機関へサービスを売り込み、世界各国でWestern Union(米国の国際送金大手)のようなビジネスの立ち上げを支援する。

これまでに、Currencycloudの85のAPIを使用して約180カ国間で500億ドル(約5兆5000億円)以上が送金された。APIは、インバウンドマネーコレクション(クライアントの資金回収支援)、外国為替、支払い、複数通貨を管理するデジタルウォレットサービスなどの分野をカバーしている。

CurrencycloudのCEO兼創業者であるMike Laven(マイク・レイブン)氏はTechCrunchに、同社のAPIを利用する会社は2019年末で約350社に上り、また同社は230人を雇用していると語った。だが、同社のサービスを何らかのかたちで利用したことがある人でも、まず同社の存在には気づかないだろう。

「当社と同じビジネスモデルを採用している会社は他にない」とレイブン氏は述べ、同社の顧客プラットフォームとワークフローに送金がシームレスに組み込まれた「埋め込みモデル」に言及した。「当社は顧客と競合しない。当社のブランドは表に出ない。こうしたソリューションを持っているのはまだ当社だけだと思う」

今回のシリーズEラウンドに新しく参加したストラテジックインベスターにはVisa(ビザ)、世界銀行グループのInternational Finance Corporation(国際金融公社)、フランスの銀行BNP Paribas(BNPパリバ)、SBIグループ(かつてソフトバンクから独立した日本の大企業)、タイのSiam Commercial Bank(サイアム商業銀行)が名を連ねる。レイブン氏は、このラウンドに伴い今後1年はアジアがCurrencycloudの大きなターゲットとなるため、シンガポールに新設するオフィスを拠点にこの地域で企業に送金APIを提供していくと述べた。

今回ラウンドに新たに参加した投資家のうち少なくともVisaはCurrencycloudのサービスを自社サービスに統合している。既存の投資家からはSapphire Ventures、Notion Capital、GV(シリーズDをリードした旧Google Ventures)、Accomplice、Anthemisが参加した。

バリュエーションについて、レイヴン氏は開示しないと述べた。現時点ではこだわりはないということだが、プレマネーベースで前回資金調達時よりも高いという。信頼できる情報筋によると、実際には5億ドル(約550億円)前後だ。

これは同社にとって大きな飛躍だ。参考情報として、TechCrunchは当初、Currencycloudの2019年夏の資金調達について報じた。PitchBookは当時、約4000万ドル(約44億円)の資金調達終了時点のバリュエーションを、プレマネーで1億1400万ドル(約120億円)、ポストマネーで1億8400万ドル(約200億円)と推定した。これは、シリーズEでのバリュエーションが約2億2000万ドル(約240億円)だということだ(当初の計画よりもクロージングに多少時間がかかった)。これまでに、Currencycloudは1億4000万ドル(約150億円)を調達した。

Currencycloudは2012年から活動を開始し、早い時期に送金市場でチャンスを見つけた。

世界経済のグローバル化により送金のペースが急激に上昇し、インターネットとスマートフォンの使用が拡大したことで、後者を活用する企業が市場に参入する機会が生まれた。送金サービス提供企業にはWestern UnionやMoneyGramのようなよく知られた老舗が存在するが、全体としては多数の小粒なプレーヤーで構成される市場であり、新規参入にも希望が持てる。

その上、システムが大幅に高価で非効率的だ。そのため、送金サービスを構築したい企業に対して必要なAPIを提供し、いわばレールを敷くことができるプレーヤーにとっては魅力的な機会が広がっていた(AdyenやStripeのようなeコマース向け決済とは異なる)。

すべての道がうまくCurrencycloudに通じ、ビジネス拡大につながった。これまでにCurrencycloudは、いわゆるネオバンク(またはチャレンジャーバンク、オールデジタルかつモバイルファーストのプラットフォームによって預金と貸出業務を行い伝統的な金融機関に真っ向から挑む銀行)の急増に伴い、国境を越えた送金を500億ドル(約5兆5000億円)以上処理した。Monzo、Moneze、Starling、Revolut、Dwollaなどを顧客に抱える。Visaなどの大企業も利用している。

「このようなエキサイティングなテック企業の取締役会に参加できることをうれしく思う」とVisaのSVPトレジャラーであるColleen Ostrowski(コリーン・オストロースキー)氏は声明で付け加えた。「Currencycloudは、未来のプラットフォームによって世界中の資金移動の方法を変えようとしており、国際送金業界でさらなるイノベーションを推進する大きな可能性がある」

画像クレジット:jnhphoto / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

三井住友カードが30年ぶりにクレカ刷新、複数の決済情報を管理できるWalletアプリなども発表

三井住友カードは1月15日、30年ぶりに刷新されたクレジットカード、複数の決済手段を1つのアプリに集約できるWalletアプリ、家族間でシェアできる家計簿アプリを発表した。

表面にカード番号のない新クレカ

新クレジットカードは、パルテノン神殿のイラストが入った従来カードからデザインを刷新し、前面記載が基本のクレジットカード番号や有効期限などの情報を裏面に集約、表面に刻印される個人情報は契約者本人のローマ字氏名のみとなる。つまり裏面には、従来のセキュリティーコードと自筆サインのほか、クレジットカード番号や有効期限がまとめて記載されることになる。

これによりカード決済時に背後や側面からの番号の盗み見などを防げるほか、オンラインショッピング時にカード番号を入力したあとにカードを裏返してセキュリティコードを確認・入力という手間がなくなるというメリットもある。対応する国際カードブランドはVISAとMastercardで、VISAブランドの場合はタッチ決済が可能になる。Mastercardのタッチ決済(コンタクトレス決済)には現在のところ対応しておらず、Mastercardと検討中とのこと。

さて、VISAのタッチ決済はNFC-A/Bが使われているが、従来使われているiDやSuica、EdyなどのNFC-F(FeliCa)決済についても引き続き対応していくという。国内では交通系ICカードによって普及したFeliCa搭載カードがよく使われているが、グローバルでのタッチ決済はType A/Bが主流ということもあり、今後はFeliCaの機能を残しつつもグローバル標準のNFC-A/Bの導入を推進していくようだ。各社との提携カードへのVISAタッチ決済の導入については「提携先の意向次第」とのことだが、セキュリティー面や海外利用時の安全面を考えた場合、VISAの新デザインルールに沿ったタッチ対応対応カードの要望は提携各社からも増えていくだろう。

一方で、VISAタッチ決済が利用できる店舗はまだまだ少なく、三井住友カードが提携している大手チェーン店では、ローソン、マクドナルド、ゼンショーなどにしか一括導入されていない。また同社は中小の小売店向けに2019年度からNFC対応のSquare端末を提供しており、磁気ストライプを読み込む旧型のイヤフォンジャック接続タイプから、ICチップを読み込む新型の据え置き型へのリプレースを進めているという。

新デザインのカードは、2月3日から新規発行で受け付けるほか、2月にカードの切り替え時期を迎える利用者のカードも順次切り替わるこの新カードの導入伴って同社は、年会費1250円が永年無料になるキャンペーンを実施する。新規入会ユーザーは、後述するアプリにログインすることで、決済金額の20%をもれなく還元するキャンペーンも始まる。ただし、還元上限総額1万2000円。さらに新規入会ユーザーは、50分の1の確率で利用代金が無料になる特典もある。

既存ユーザーについては、3月からはVISAのタッチ決済対応カードへの切り替え手数料が無料になり、タッチ決済の初回利用時にもれなく最大1000円をプレゼントするキャンペーンが提供される予定だ。

なお3月からは、インターネット経由で三井住友カードを申し込んだユーザーは、物理カードが届く前にスマートフォン上でカード番号やセキュリティ番号を発行でき、Apple PayやGoogle Payへの登録、オンラインショッピングでの決済ができるサービスも始まる。

WalletアプリがMoneytree APIを利用した資産管理アプリに進化

Walletアプリについては2020年3月にアップデートされ、カード利用履歴の確認、支払い口座残高の確認、各種変更手続きといった既存機能のほか、他社を含む複数のカードや電子マネーの決済情報を一元管理可能になる。この決済情報を一元管理する機能は、マネーツリーが開発・提供している資産管理アプリ「Moneytree」の技術が使われている。具体的には、三井住友カードのWalletアプリがMoneytree APIを経由して、Moneytree側のデータベースにある決済情報などを参照する仕組みだ。つまり、三井住友カード自体はクレジットカードや金融機関の決済や残高の情報を管理しておらず、あくまでもMoneytreeのデータとなる。Moneytreeは、プライバシー認証機構であるTRUSTeの認証を定期的に受けており、セキュリティー面での安全は保証されているので安心だ。なお、対応する金融機関はMoneytreeに準じる。

そのほかWalletアプリは、使いすぎや不正利用を防ぐセキュリティー機能や口座残高不足アラート機能も新たに備えている。カードを使用するとすぐに通知が届くので、自分以外がカードを使ったかどうかがすぐにわかるわけだ。なお、注意したいのは決済情報を集約できるだけで、同社のWalletアプリから直接決済できるわけではない点。ただし、VISAブランドの三井住友カードやプリペイドカードについては、Walletアプリ自体が三井住友カードのデータベースを参照しているので、プリペイドカードへのチャージなどはアプリ上から可能だ。

6歳から持てるVISAプリカと専用アプリで家族間もキャッスレスに

同じく2020年3月にリリース予定の家族間で共有できる「かぞくのおさいふ」は、クレジットカードとVisaプリペイドカードを活用して、家族内の資金移動をキャッシュレス化・可視化できる家計簿アプリ。成人や社会人にはクレジットカード、6歳以上の未成年や学生などにはVisaプリペイドカードを持たせることで、家族間の資金の受け渡しから店頭での決済までがキャッシュレスになる。

もちろん、クレジットカードとVisaプリペイドカードでの利用明細は記録されており、かぞくのおさいふアプリに集約される。Visaプリペイドカードを利用する家族は、チャージした金額しか使えないので、使いすぎや高価な商品を親の許可を得ずに買ってしまうという事態を避けられる。家族それぞれが現在所持している資金については「個々のおさいふ」で管理可能だ。決済時の通知機能、利用制限、オートチャージ、家族内送金機能なども備わっている。1回あたりのチャージの上限額は30万円。1カ月の上限は100万円。

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個人的には今回の発表で、VISAを皮切りにNFC-A/Bでのタッチレス決済を推進していく同社の意気込みを感じた。今後、NFC-F(FeliCa)は朝夕のラッシュ時に通勤・通学しなければならないビジネスパーソンや小中高生に中心に一定数残ると考えられているが、働き方改革やテレワーク、時差通勤の推進で満員電車に乗る人口も今後は減るはずだ。また、人口減少が進む日本の独自規格が今後グローバルに広がる確率は低い。国内の小売り業者や公共交通機関の事業者もまずは、FeliCaとNFC-A/Bに両対応した決済端末の導入を積極的に進めていくべきだろう。

Visaが5800億円でPlaid買収、最終的な評価額は倍に

Visa(ビザ)は米国時間1月13日、金融サービスAPIスタートアップであるPlaid(プレイド)を53億ドル(約5800億円)で買収すると発表した。

Plaidは金融サービスAPIを開発している。Stripe(ストライプ)が支払いのために提供しているサービスと似ているが、こちらのサービスは支払いを容易にする代わりに、開発者が銀行やその他の金融情報をより簡単に共有できるようにする。Visaのような会社にとっては意味のあるサービスだ。

このスタートアップは、銀行業務だけでなくより広範な金融サービスと投資に移行するために、2年前にQuovoを買収している。もともとのアイデアは、金融サービスプロバイダーたちに対して、より包括的なプラットフォームを提供することだった。創業者たちは、その買収時にブログ記事に以下のように書いている。「これまで様々な金融アプリケーション群が、Plaidを主に当座預金口座と普通預金口座とのやり取りに使用してきました。Quovoを買収することにより、私たちはより幅広いクラスの資産に対して機能を拡張することになります」。

買収は規制当局の承認待ちで、今後3〜6ヵ月で完了する予定だ。

買収価格

今回のPlaidの出口価格は、これまで合計で3億1000万ドル(約341億円)を投じてきた投資家たちにとって大勝利となるものだった。これまでのラウンドで最も重要だったのは、2018年後半に行われた2億5000万ドル(約275億円)の投入だった。IndexKleinerがそのラウンドを主導し、Plaidを26億5000万ドル(約2920億円)、すなわち今回の最終買収価格の50%だと評価していた(この比率が偶然だとは思えない)。

後に明らかになったが、そのときにはMastercardとVisaもラウンドに参加していた。TechCrunchは2019年に、2つのペイメントの巨人たちが「ラウンドに静かに参加した」と報告している。

これらの投資が、Visaに十分な情報取得権を与えられるほど十分な金額だったのかは、はっきりしない。だがクレジットカードの巨人である両社は、投資を行う前に比べて、Plaidが何をしていたかについてより多くの情報を得ている。ともあれ、Plaidは未公開会社として上手くやっているのだと推測することはできる。なにしろ自らのコアビジネスと競合させないために、あるいは主要な競合他社から遠ざけるために買収する場合を除いて、ある企業に対して数十億ドルにも及ぶ評価額のさらに倍額を支払う者はいないからだ。

今回のPlaidは、その両方かもしれない。

Twilioとの比較

Plaidはしばしば、縁の下の力持ちとして活動し、他のプレーヤーのビジネスを支援するAPI提供企業であるTwilioと比較される。アーリーステージにいるNoyoは、ヘルスケア情報と保険のためのAPIで同様のことを行っている。前述のとおり、Stripeは似ているサービスを提供しているが、彼らがカバーするのはペイメントだ。こうしたモデルは、公開会社として急騰したTwilioにとって有利だ。Plaidの巨大なエグジットは、この種のスタートアップにさらなる輝きを与えることだろう。

ただし、Twilioとは異なり、Plaidはまだプライベートな状態で購入されたため、その数字を詳細に見ることができなかった。利益率の高い収益が、この先伸びて行くと予想される。それは公開、未公開を問わず、すべての企業が切望していることだ。

しかしながらVisaは、この取引に対してさらに何かを求めている可能性がある。つまり、現在Visaが事業を展開している世界を再発明しようとする成長率の高い非公開企業たちの視点を、同社は手に入れたということだ。Plaidの買収は、Visaの危機に対する保険であり、またどの企業を買収すれば良いかを知る方法でもある。

しかし現段階においては、この買収はPlaidの株主(や従業員)たちにとっての勝利だ。

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(翻訳:sako)

経費サービス一体型法人プリペイドカード「Staple」カードとは?

クラウドキャストは10月4日、Visa加盟店で利用できる経費精算サービスが付帯した法人向けプリペイドカード「Staple」(ステイプル)カードを発表した。11月15日より申し込みを受け付ける。

Stapleカードは、企業の経理担当者によるリアルタイムチャージが可能な法人向けプリペイドカード。ほとんどのVisa加盟店で、交通費や会議費、接待費、出張旅費、そしてネットの支払いに使える。支払い履歴を基にした経費レポートの作成、利用ロック、チャージリクエストなどの機能も備える。

詳細は随時追記する。

VISA LINE Payクレカの事前登録の事前登録がスタート、VISAタッチ決済が可能に

LINEは「Visa東京2020オリンピック限定 Visa LINE Payカード」の受付開始を通知する事前登録を開始した。少々ややこしいが、カードの事前登録ではなく、カードの事前登録の受け付け開始を知らせるための事前登録となる。

9月30日23時59分までに「カード申込案内を受け取る」をタップして、注意事項を確認のうえ、LINE PayのLINE公式アカウントを友だち追加すればいい。

実際のカードの申し込みは、事前登録のお知らせを受け取ったあとだ。限定デザインカードは10月下旬以降に申込順で受付予定で、2020年1月をメドに順次発送される見込み。

VISA LINE Payカードは、初年度年会費が無料、カードサービス提供開始から1年間は国内外とも3%還元、チャージ不要でLINE Payのコード支払いが可能、Visaのタッチ決済を使えるという特徴がある。決済すると、すぐにLINEに通知が届くのも安心だ。年会費については、2年目以降も1回以上のカードショッピング利用で無料になる(1回も利用がない場合は税別1250円)。

Visa LINE Payカードの詳細判明、初年度3%還元で8月に予約開始

LINE Payは、ビザ・ワールドワイド・ジャパンとオリエントコーポレーションと連携した、Visaブランドのクレジットカードの詳細を発表した。LINE Pay上で先行予約受付を8月に開始する予定だ。

同カードは、カードブランドがVisaでオリエントコーポレーションが発行する。年会費は、初年度が無料のほか、次年度以降も年間1回以上の利用で無料となる。なお、次年度以降で1年間に一度も使わなかった場合は税別1250円の年会費がかかる。

特徴は、初年度は3%のLINEポイントがバックされる高還元率と、Visaのタッチ決済を使える点。Visaのタッチ決済とは、欧米で普及しているNFCを利用した決済システム。決済端末にカードを近付けるだけで決済が完了する。

LINE Payカードならではの特徴として、支払いと同時にLINEアカウントから決済通知を受け取れる。また、LINE Payの前月の利用実績に応じて0.5〜2%の還元を受けられるマイカラーとも連動する。

また、Visaが東京五輪の決済テクノロジーのスポンサーであることから、日の丸をイメージした赤いカードをスペシャルバージョンとして枚数限定で発行する。公開されているカードデザインはイメージだが、赤はLINE Payの基調色である緑の補色なので、このイメージ画像にLINE Payのロゴが緑で入ればかなり目立つだろう。

LINE PayがVisaクレカ決済に対応へ、海外でのタッチ決済は夢のEMVコンタクトレスか

VisaとLINE Payは6月6日、包括パートナーシップ提携を結んだ。時期は未定ながら、VisaのクレジットカードをLINE Payに連携させることが可能になる。つまり、Visaのクレジットカードを支払元としてLINE Payで決済できるのだ。

LINE Payは従来、クレジットカード経由での決済に対応しているPayPayやOrigami Payに比べて手軽さで劣っていたが、今回の対応によって金融機関の口座やセブン銀行ATM、コンビニなどから入金する手間が省けることになる。ちなみにLINE Payでは、これまでクレジットカード決済をまったく使えなかったわけではなく、LINEモバイルの料金支払などのLINEのファミリーサービスには利用できた。

LINEモバイルでは、支払い方法をLINE Payに設定したうえで、支払手段にクレジットカードを選べる

今回の提携ではそのほか、海外のVisaネットワークを利用してLINE Payの支払いが可能になることも発表された。これによりLINE Pay非加盟店でもVisa加盟店であればLINE Payが使えるようになる。

これを文面どおりにとらえると、LINE Payでの決済をなんらかのかたちでVisaに対応したクレジットカードリーダーで利用可能になると読める。とはいえ現在のところLINE Payの主な決済方法は、バーコードもしくはQRコード、オンライン、JCBブランドのLINE Payカード。Android端末のみ、Google PayにLINE Payカードを登録することでQUICPay(NFC-F、FeliCa)で決済できる。

現状で海外のVisaネットワークでLINE Payを利用可能にする方法としては、QUICPayと同様にLINE Payに登録したVisaのクレジットカードをGoogle Payに登録して使う方法が真っ先に思い浮かぶ。しかし、海外ではQUICPayやiDは使えないし、Visaカードはそもそも海外でApple Payのコンタクトレス決済(EMVコンタクトレス、Visaでの名称はpayWave)に対応していない。

ではどうすればいいのか。その鍵はLINE Payの据置決済端末が握っているのではないか。この端末には、内蔵の液晶ディスプレイに表示されたQRコードをユーザーのLINE Payで読み取る、NFCを使うという、2種類の決済方法が用意されている。

海外のVisa加盟店に導入されているクレジットカードリーダーはNFC-A/Bに対応したものが増えている現状を考えると、Visaネットワーク上でのLINE Pay決済にはこのNFCが使われる確率が高い。もちろん、LINE Payの据置決済端末もNFC-A/Bに対応している。

これを実現するには、LINE Pay側でVisaのEMVコンタクトレス(payWave)と互換性を持つ通信方式での決済可能にしたうえで、それをiPhoneやAndroidのLIINE Payアプリに実装する必要がある。後者については、現状のLINE PayアプリにもNFCボタンが用意されており据置決済端末とNFC通信で決済可能なので、OSへの実装は可能と考えられる。

なおこの件についてLINE Payに問い合わせたところ「具体的な方法については今後両者で実現にむけ協議・決定いたしますので、現状未定となります」とのこと。国内だけでなくグローバルでのVisaとの提携のため、実現までには少し時間がかかりそうだ。しかし近い将来にLINE PayがEMVコンタクトレスで使えるようになれば、LINE Payのアドバンテージがさらに増える画期的な出来事になる。

VisaとMastercard、米国での取引手数料を値上げへ

Wall Street Journalによると、VisaとMastercardは米国内でのカード取引にかかる手数料の値上げを検討している。VisaとMastercardは売上の大部分を少額の処理手数料から得ている。値上げは小売店やフィンテック企業に影響を与える可能性がある

われわれがクレジットカードやデビットカードで支払うと、店はカードを発行した銀行に少額の手数料を支払う。その銀行はさらに少額の手数料をカードネットワークを運用している会社に支払う。

多くの場合カード発行者とカードネットワークは別の会社だ。たとえば、ChaseはVisaカードを発行しており、カード取引のたびに客から手数料を受け取り、Visaに少額の手数料を支払う。American Expressのようにカードネットワークを運営しつつ自身でカードを発行している会社もある。

WSJによるとMastercardとVisaは4月に手数料を値上げする予定で、Visaはそのことを正式に認めている。1回の取引毎の手数料はほとんど気が付かない程度だが、たちまち累積していく。手数料はVisaどMastercardに巨額の売上を生み出し、大型店舗にとっては大きな出費となる。

これは消費者保護の問題に発展する可能性がある。なぜならこの手数料のために消費者は高い金額を支払う結果になることが多いからだ。VisaどMastercardの交渉相手は主に金融機関だが、その金融機関も手数料の取り分が欲しい。手数料が売り手に波及するのはそのためだ。

売り手は顧客の大部分がカードで支払うことを想定している。その結果全員にとっての価格が上がり、現金で払ってもデビットカードでもクレジットカードでも同じ値段になる。

一般にクレジットカードの手数料は高く、ポイントや特典があるのはそれが理由だ。銀行は手数料が欲しいので有利な特典で客を引きつけようとする。また、手数料は米国の方がヨーロッパよりずっと高く、それは不正行為が多いためだ。偽造を防止するためのチップ・アンド・ピン方式を米国が採用したのはヨーロッパより何年もあとだった。

手数料の値上げは消費者やフィンテック・スタートアップにも影響を与える可能性がある。チャレンジャーバンク(ネット取引主体の新興銀行)の多くは収入源の一つとして手数料に頼ってきた。それはヨーロッパのフィンテック・スタートアップのN26やMonzo、Revolutなどが潜在市場として米国に目をつけている理由でもある。こうして取引手数料の上には大きな産業が出来上がっている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

おサイフ腕時計、Swatch Belamyがオリンピックに合わせてリオでデビュー

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夏のリオ・オリンピック開催に向けてのハードルは山ほど残っているが、買い物の支払いに関してそれは当たらない。Visaは3つ目の支払いウェアラブルを、オリンピックに合わせて発表し、先日発表した指輪や、ブラジルの銀行、Bradescoと共同ブランドのバンドに続いた。

Swatch Bellamyは、Visaがスイスの時計メーカーと提携した製品で、今月リオに登場する。昨年末に発表されたこのデバイスは、通常のアナログ腕時計にNFCが内蔵されていて、非接触支払いが可能でインターネット接続は必要ない。

Bellamyのオリンピックでのデビューは、中国およびSwatch地元のスイスでの販売に続くものだ。ブラジルでの価格や米国での正式な発売日は決まっていない。この時計はSwatchストアで買うことができる。ユーザーはオリンピック会場に広がる4000箇所のVisaブランド支払い場所で、このウェアラブルにチャージできる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

五輪選手が試合後すぐに買い物できるよう、VisaがNFC対応の決済リングを提供へ

XXXX on Thursday, June 2, 2016, in New York. (Charles Sykes/AP Images for VISA)

2016年リオ五輪に向かう選手の必要品リストにこの端末があったとしても、それはリストの大分下の方に位置しているだろう。けれど、VisaはVisaだ。Visaは人がいるところにあり、人生では頻繁にVisaを使う。

クレジットカード大手は、 NFC対応の支払いができるリングをTeam Visaのアスリートに提供する。きっと空気力学を考慮した陸上選手のユニフォームに物をたくさんに入れるポケットがないという課題にインスパイアを受けて開発した端末に違いない。

リングはバッテリー駆動で防水加工をしてある。ということは、Team Visaのアスリートで、金メダルをロンドンで獲得したメリッサ・フランクリンもプールから直行し、すぐにリングで支払いができるということだ。現実には水の中で誰もリングを着用しないだろうが、疲れた五輪選手が、汗を拭くより前にスタバへと直行して飲み物を買うことができるというのは良いことかもしれない。

モバイルでの支払いを支援するため、Visaは4000個のNFC対応のPOSターミナルを会場周辺に導入する。五輪は8月5日から開催予定だ。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter