テスラのライバルPolestarが2020夏発売する初EVの米国価格は約640万円

Volvo(ボルボ)のスピンアウト電気自動車ブランドPolestar(ポールスター)は、同社初の電気自動車(EV)の米国でのベース価格が当初考えていたよりも低い5万9900ドル(約640万円)になると明らかにした。

高パフォーマンスの電動ファーストバック車Polestar 2は、3年前に再スタートを切った同ブランドから最初に発表されたEVだ。かつてVolvo Carsの高パフォーマンスブランドだったPolestarは2017年にパフォーマンスEVブランドとして立ち位置を変えた。目的は、エキサイティングで楽しい運転となる電気自動車を作ることだ。このニッチな分野はTeslaが最初に切り開いて以来、同社が独占している。

Polestarの車は低めの価格や税制上の優遇措置、顧客がオンラインで購入できることなどから、米国マーケットへの参入を成功させる上で有利な立場にある、とPolestar USAの責任者Gregor Hembrough(グレゴール・ヘンブロー)氏は述べている。カリフォルニアやニューヨークなどを含むいくつかの重要なマーケットでも、米国での販売価格はインセンティグが適用される額を下回っている。

PolestarはPolestar 2についてここ数カ月間、情報を小出しにしてきた。そのうちの1つが欧州での価格で5万8800ユーロ(約680万円)〜となる。同社は4月23日に、顧客に提供するさまざまなオプションの価格も明らかにしており、パフォーマンスパックが5000ドル(約54万円)、ナパ革インテリアへのアップグレードが4000ドル(約43万円)、20インチのアロイホイールが1200ドル(約13万円)だ。

Polestar 2はTesla(テスラ)のModel 3の競合相手になると見込まれる。この2つの車両の価格は7500ドル(約80万円)の税額控除を受けられる米国のインセンティブが考慮されなければ同様ではない。Polestar 2はインセンティブの対象だ。一方、Teslaは既に20万台販売済みのためこれ以上連邦税のインセンティブを受けることはできない。

インセンティブなしでみるとPolestar 2のベース価格は、Model 3パフォーマンスバージョンの5万6990ドル(約610万円)〜を上回る。

Polestarは2020年夏にも発売を開始する見込みだが、それまではどのようにModel 3に対抗するのかわからない。

Polestarは、ファーストバック車のテックと高パフォーマンスのスペックで消費者を引きつける狙いだ。最大出力408馬力、最大トルク487ポンドフィートそして欧州WLTP基準で航続距離292マイル(約470km)を生み出す78kWhのバッテリーを搭載する。EPA基準での航続距離はまだ発表していない。

Polestar 2のインテリア。 Google(グーグル)のAndroid  Automotiveオペレーティングシステムを搭載する。

Polestar 2のインフォテイメントシステムはAndroid OSで作動し、その結果、GoogleアシスタントやGoogleマップ、GoogleプレイストアなどのGoogleサービスが搭載されている。Android Autoと勘違いしないで欲しい。こちらはOS上で提供されるインターフェースで、Android OSはLinuxで動くオープンソースのモバイルオペレーティングシステムを模倣したものとなる。しかしスマホやタブレットを動かす代わりに、Googleは車で使用できるように手を加えている。

Volvo Car Groupと中国のZhejiang Geely Holding(浙江吉利控股集団)が共同所有するPolestarは、新型コロナウイルス(COVID-19)による外出禁止命令が解除されたら、Polestar Spaceというショールームをオープンさせる計画だ。最初のショールームは米国西海岸とニューヨークで2020年夏にお目見えする、と同社は話している。Polestar 2は50州で購入またはリースできるようになる見込みだ。

画像クレジット:Screenshot/Polestar

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(翻訳:Mizoguchi

ボルボが自動運転車両OS開発のApex.AIに投資

Volvo(ボルボ)は米国パロアルト拠点のApex.AIに出資する。Apex.AIは自動車製造に使用されるロボティックOSの開発に取り組んでいるスタートアップだ。自動システムのエンジニアJan Becker(ヤン・ベッカー)氏とDejan Pangercic(デヤン・パンジェチッチ)氏によって設立され、昨年11月にシリーズAで1550万ドル(約17億円)を調達した。そして、Robot Operating System(ロボットOSオープンソースミドルウェアの企業向けバージョンの開発に注力していることを明らかにした。

Apex.AIは現在、自社ホームページに2つのプロダクトを掲載している。Apex.OSとApex.Autonomyだ。前者は自動車製造メーカーが完全に保証された自動走行モビリティテクノロジーにアクセスできるようにする、統合が容易なAPIを提供するためのものだ。一方、後者は認識やローカル化、ルートプラニングなどを含む自動走行テクノロジーの特定要素の活用を検討している自動車製造メーカーのための特定構成要素にもっとフォーカスしたものだ。

Volvo Group Venture Capital代理CEOでボルボのコネクテッドソリューションk担当副社長を務めるAnna Westerberg(アンナ・ウェスターバーグ)氏はプレスリリースで、ボルボグループは「安全認証済みのシステム開発を容易にする企業に投資できることにうれしく思っている」と述べた。業界基準の安全上の必須要件を満たすシステムの提供では、Apex.AIは自動走行システムを量産車に搭載するプロセスをスピードアップするさせることができるかもしれない。

投資額など詳細は明らかにされておらず、ボルボグループは自社の「売上高や財務状態」に「大きな影響はない」とだけ述べている。これは詳細を明らかにするほどの中身が今はないということを意味する。それでも、巨大な多国籍メーカーの相対的な物差しと、Apex.AIが創立2年のシリコンバレースタートアップであることを考えたとき、Apex.AIに巨額の資金が注入されることはありそうだ。

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(翻訳:Mizoguchi)

ボルボが同社初の電動SUV XC40のイラストと概要を初披露

Volvo(ボルボ)は、近日発売で同社初の全電動自動車であるXC40 SUVを初披露し、初期のスケッチや仕様の詳細を一部公開した。ポイントは、シンプルなデザインを強調し、ガソリン車にあった一部の機能を捨てたことだ。

例えば、XC40 SUVにはテールパイプ(排気管)がない。伝統的なフロントグリルはガソリン車の冷却に使われていたものなので、それもなくなっている。そして、フランク(フロントトランク)がある。これはTesla「テスラ)の電気自動車に登場したもので、最近は他社も採用しているところがある。

現在ボルボ新型車のスケッチのみ公開しており、デビューは10月16日だ。下の写真を見るとテールパイプがないことがわかる。
Design sketch of Volvo Cars fully electric XC40 SUV 4

Volvo XC40 BEVデザインスケッチ

次の写真でVolvoはフランクを披露している。約30L(リットル)の積載スペースが追加されると同社は説明する。

Design sketch of Volvo Cars fully electric XC40 SUV 2車の前面の詳しいルックス。ボルボのガソリン車に見られた伝統のフロントグリルはなくなっている

「グリルの必要性がなくなったため、前面はすっきりとしたよりモダンなデザインになり、テールパイプを排除したとで後部も同じくシンプルな外観になっている。これは、電気化への探究を続ける当社のアプローチの一環だ」とVolvo Carsのデザイン責任者であるRobin Page(ロビン・ページ)氏が声明で語った。

Design sketch of Volvo Cars fully electric XC40 SUV

ボルボは来たるべき電動SUVの詳細をいくつか付け加えた。外装カラーは8色で、新たに「セージ・グリーン」のメタリックが加わっている。コントラストのあるブラックのルーフが標準装備。19インチと20インチの新しいホイールがオプションとして追加される。

SUVの室内では、バッテリー状態などの必要情報を表示するドライバーインターフェースが変更されている。インテリアデザインはスポーティーなスタイルを採用し、カーペットはリサイクル材料を使っていると同社は言った。ボルボは室内の広さも強調しており、バッテリーパックが床下に収納されていることを理由のひとつに挙げた。

ドアやシート下にも機能的なストレージスペースがあるほか、トンネルコンソールには小さなバングを掛けられる折り畳み式フックや取り外し可能なくずかごがある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Android Autoの新バージョンは使いやすさと安全性を強化

Googleは車載用プラットフォーム、Android Autoのアップデートの配信を開始している。今回のバージョンはドライバーにとっての使いやすさと安全の向上を目指している。

このバージョンは2019年のGoogle I/Oで紹介されていた。ダークテーマ、新しいフォントと強調色、Googleのバーチャルアシスタントのさらなる活用といった新機能があり、車載用として増えつつある横長のディスプレイに対応している。

2015年にリリースされたAndroid Autoはオペレーティングシステムではない。オペレーティングシステムの上に重なっている二次的なインターフェイス、あるいはHMIレイヤーと言えるもので、スマートフォンのルック&フィールを車内の画面に対応させたものだ。

自動車メーカーは、かつてはAndroid AutoやアップルのCarPlayを車に取り入れることには慎重だった。しかしAndroid AutoのプロダクトマネージャーのRod Lopez(ロッド・ロペス)氏によれば、現在、Android Autoは50ブランド、500種類以上のモデルで利用できるという。

Android Auto対応の車のオーナーは、今後数週間以内に新しいデザインを目にすることになる。ただし、Android Autoと互換性のある車を所有していなくてもこのプラットフォームを利用できるスマートフォンアプリのAndroid Autoは、アップデートされない。Googleは、将来的にはスマートフォンアプリをAndroid AutoからGoogle Assistantの新しい運転モードへと「進化」させる計画であるとしている。

車載用バージョンには重要な変更がある。特に重要なのは、これまで以上に指先ではなく声でAndroid Autoを操作できるようになったことだ。また、Android AutoにはGoogle Assistantのバッジが表示され、これをタップするとカレンダーの情報を確認したり、天気予報やニュースを聞くことができる。

ほかには、何度もタップしなくてもよく使うアプリにアクセスできるアプリランチャーが登場する。画面左下のボタンからこの機能を利用できる。アプリランチャーの画面にはアプリのアイコンが表示され、よく使うものが上の行に並ぶ。

Android Autoでおそらく最もよく使われているカーナビ機能も改良されている。ナビゲーションバーが画面の下部に表示され、ほかのアプリを同時に使える。このため、Spotifyを聞いていても道を間違えることはなくなるだろう。

ナビゲーション機能は、ドライバーがAndroid Autoを接続するとすぐに表示される。スマートフォンでルートを調べてあれば、Android Autoは自動でルートを設定する。

この最新バージョンでは、右下に新しい通知ボタンもあり、電話の着信、メッセージ、アラートが記録される。ドライバーはマイクのボタンをタップするか「Hey Google」と話しかけてGoogle Assistantを呼び出し、電話の発信、メッセージの送信、通知の読み上げをさせることができる。

Googleは、Android Automotive OSというオペレーティングシステムも開発している。これはLinux上で動作する同社のオープンソースのモバイルオペレーティングシステムをモデルにしている。スマートフォンやタブレットではなく、車で使えるようにGoogleが手を加えた。ボルボ傘下のパフォーマンスブランドであるポールスターは新たに電気自動車のPolestar 2を生産するが、これにはAndroid Automotive OSを利用したインフォテインメントシステムが搭載される。

画像:Google

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(翻訳:Kaori Koyama)

ボルボがNVIDIAと共同で商用/産業向け自動運転トラックを開発

Volvo(ボルボ)とNVIDIA(エヌビディア)は米国時間6月18日、ボルボグループの商業/産業向けの自動運転トラックの次世代エンジンの開発を目標とした、新たなパートナーシップを発表した。この提携では、センサーからのデータの処理や知覚システム、位置情報、マッピングや経路予測/計画を担当する、エヌビディアの人工知能プラットフォーム「Drive」を利用する。

ボルボはすでに、初期サービスにて自動運転技術を搭載した貨物車をいくつか運行しており、これはスウェーデンのGothenburg(イェーテボリ)港のように厳しく管理され監視された環境にて配備されている。エヌビディアとボルボのパートナーシップではAI(人工知能)による自動運転が可能な車両を配備しテストするだけでなく、最終的にはこれらの商用車が公道や高速道路にて運行できることを目標としている。

また配送車両はパートナーシップの目標の一つにすぎず、エヌビディアとボルボはゴミやリサイクル品の回収、建設現場や鉱山、林業でも運用できる、自動運転システムと車両の構築を目指す。Nvidiaのブログによると、同社のソリューションは消費者向け荷物の運搬需要の増大による、世界的な配送需要の拡大の対処に役立つという。また、オンサイトでの港湾貨物管理など、小規模な用途にも対応できる。

両社の合意は数年間にわたり、それぞれのチームはイェーテボリにあるボルボの本社とエヌビディアのカリフォルニア州サンタクララの両方でスペースを共有する。

エヌビディアはこれまでにも中国の自動運転スタートアップのTuSimpleへの出資や完全自動運転を目指すEinrideの配送車両へのインテリジェンスの強化、そしてUber内部のATGによるトラック事業への協力など、数多くの自動運転トラック事業に関わってきた。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ボルボのスポーティな自動運転電動トラック「Vera」がスウェーデンで運行へ

Volvo(ボルボ)の子会社が開発する自動運転電気トラックのVera(ヴェラ)は、人々が予測するような姿ではない。その見た目は地面を這うスポーツカーのようで、座席がないことが強調されている。しかしこの見た目の本当の理由は、車両が完全に自動運転されるからであり、スウェーデンのGothenburg港にて近日運行を開始するためにあつらえられているのだ。

Veraの最初の仕事は、物流センターから港のターミナルへと、船に積み込まれるトレーラーに積載された商品を配送することだ。今回の電気自動車による商用利用は、物流会社のDFDSと提携して実施される。

Veraの利用は、世界中の物流センターから配送先へと商品を輸送する巨大な接続システムを1つに取りまとめる。これらは自律的に動作するが、コントロールタワーのオペレータによって監視され、また最高時速も時速24マイル(約39km)に抑えられている。

これらは現在は基本的に重厚なトラックに過ぎないが、もし成功すれば世界中の港湾施設にて同様のサービスを提供することで、多くの潜在的なビジネスを生むだろう。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Volvoの新定額プランは、新型XC40を手に入れるお得な方法

Volvoには定額サービスというものがあり、毎月決まった料金を払うと新車が手に入り、保険や保守サービスなども込みになっている。自動車メーカーがこの種の新しい形の所有方法を提供するのはVolvoが初めてではないが、XC40 SUV新モデルのために用意された”Care by Volvo” は、現時点で業界一のお買い得かもしれない。

しくみはこうだ。毎月600ドルからの月極め料金を払うと、2019年型XC40がやってくる。追加料金を払えば豊富なオプションやアップグレードも可能だ。料金には、自動車保険、諸サービスのほかメンテナンスもすべて含まれている。利用者は地方税と州で定められた登録費用を払うだけでいい。あとガソリン代も。

現在の私のリース状況と比べて、これはかなり素敵な買い物だ。基本タイプの契約で、買えば3万5200ドルの車が毎月600ドルで手に入り、メンテナンスや保険やローンの費用も気にしなくてよい。

XC40は、都市生活者向けに設計されたコンパクトSUVで、この種の定額サービスの主要製品だ。料金には、路上サービスと年間1万5000マイルの許容走行距離が含まれている。契約期間はわずか24カ月で、初期契約から1年後には新たな24カ月契約をすることで新車に乗り換えることもできる。

定額プランの申し込みは現在Volvoのウェブサイトで受け付け中で、初回の配車は2018年春のはじめの予定。現在リースを利用中で、比較的頻繁に新車が手に入ることの価値を認めながらも、全部込みの料金を払うだけでもう少し簡単にアップグレードできる選択肢が欲しかった私としては、このサービスが人気となって、いっそう広まっていくことを期待したい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Uber、自動運転車のベースにVolvo XC90を2万4000台発注

ライドシェアリングの大手、Uberは2万4000台のSUV、XC90を購入することでメーカーのVolvoと合意した。Bloomberg NewsによればUberは2019年から2021年にかけて自動運転車によるフリートを構築するという。XC90はUberの新世代自動運転車のプロトタイプのベースとなっている。UberはXC90を購入後、独自にセンサーやコンピューターなど自動運転に必要な装備を取り付けている。

Financial Timesによれば、この契約は14億ドル相当と推定されている。アメリカではXC90の一般消費者向け最低価格は4万6900ドルだ。Uberは以前からXC90をアリゾナ州、サンフランシスコ、ピッツバーグでテストしている。このテストでは運転席に人間のドライバーが着座して万一に備えると同時にソフトウェアの改善のための情報を収集している。UberとVolvoは昨年、共同で自動運転車の開発を行うことで合意していた。

Uberの新しいXC90フリーとは現行のプロトタイプ車以上に機能を備えるという。複数系統のブレーキ、ステアリングによって安全性を高め、人間の補助なしで運用できることを狙っている。2万4000台のCX90はUberの要求によってメーカーでカスタマイズされる。またこの契約はVolvoに自動運転車フリート構築のための車両供給の独占権を与えるものではなく、Uberは必要に応じて他のメーカーに発注する権利を保有するという。

自動運転車のライバル、AlphabetのWaymoは最近独自の一般向け自動運転タクシー・サービスを開始すると発表した。この動きがUberの自動運転車プロジェクトを加速させる要因になったかもしれない。ただし両社とも具体的なスケジュールについては明かしていない。テストやプロトタイプではなく、われわれが町中で普通にこうしたサービスを受けられるようになる日時はまだ不明だ。

Uberの広報担当者は2万4000台の契約に関して「概ねそのとおりだ」と認めたが、具体的な確定発注台数については言及を避けた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

メルセデス・ベンツ、2022年までに全車種を電気化

メルセデス・ベンツも自動車の電気化計画を発表した。同社によれば、製造する全車種を2022年までに電気化するという。不満を感じるユーザーもいるだろうが、事態に慣れるしかない。有力自動車メーカーは電気化計画を次々に発表している。世界でもっとも重要な市場と目される中国において、最終的には化石燃料を動力とする自動車を禁止するという自動車の電気化の計画が明らかになったことが、このトレンドをますすますはっきりさせた。

メルセデスの計画はこうだ。同社のチーフ・デザイナー、Dieter Zetscheによれば、メルセデスは2022年までに同社が製造する全車種についてハイブリッドまたは全電気自動車をラインナップに加えるという。この時点で少なくとも50種の新しい電気自動車がオプションとして選択可能になる。ダイムラー・グループ傘下のもう一つのブランド、Smartについては2020年には完全に電気化される。

これによりメルセデス・ベンツは、Volvo(ラインナップの全電気化を2019年までに達成する計画)やフォード・リンカーン(2022年までに電気化)と並んで、スケジュールを明示した上で全車種に電気化オプションを加える高級車メーカーとなった。

上記のように中国は最終的には化石燃料車の国内での販売を禁止する計画だが、その期限が未定だ。中国の自動車販売台数は近年、世界をリードしており、ますます急ピッチでその数を増やしている。そこで自動車メーカーは中国市場のEV化をにらんで方針の転換を図らざるを得ないこととなった。中国のEV志向には多くの合理的理由がある。またフランスとイギリスも2040年までに化石燃料自動車の製造を終了する計画だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ボルボ、電気自動車およびハイブリッドへの完全移行をアナウンス

ボルボがこれまでの歴史に区切りをつけることとなった。ガソリンのみで動作する従来型エンジンに別れを告げることにしたらしいのだ。2019年からは、全車種を電気自動車(EV)ないしハイブリッドにするそうだ。従来型エンジンを使わないようにするとアナウンスした自動車メーカーは、今回のボルボが最初となる。

ガソリン燃焼エンジンが消えていくのは、歴史の必然ではあるのかもしれない。電気自動車やハイブリッドの原価は下がり、さらに性能も大幅に伸びてきているからだ。各社ともに、新しい技術に対応するために多大な投資を行なっているところでもある。しかし今回の、2年以内に完全移行するというのは驚きであり、すくなくともボルボの考えとしては、新時代は私たちの想定よりもはやくやってくるようだ。

ボルボは、2025年までに電気自動車およびハイブリッド車を100万台売り上げるという目標を掲げてきていた。19年から全車種を新時代エンジンに変更するのであれば、当然にその数値も現実味をおびてくる。また、2019年から2021年にかけては、ポールスターのものを含めて5種類の電気自動車およびハイブリッド車を送り出すとしてもいる。ポールスターとはボルボの高級車ブランドであり、2車種をポールスターからリリースすることで、Teslaとの競合として育てていく心づもりでもあるようだ。

車に対する環境規制が強化される流れの中で、電気自動車の費用対効果は間違いなく向上している。国際市場でも排ガス規制などが強化される中、ボルボの親会社である吉利汽車(Geely)がある中国でも、電気自動車へのニーズが高まりつつある。そうした規制面の話だけではなく、パーツの低価格化も進んでおり、バッテリーのコンパクト化および大容量化も急速に進んでいる。

ハイブリッド車も生産するとはいえ、一気に電気自動車にシフトしようとするボルボの動きは、将来マーケットでのリーダー的ポジションを狙ってのものだろう。他のメーカーも新時代へのシフトについて口にしてはいる。しかしボルボは口先だけの「検討」ではなく、実際的で大胆な変革を実現しようとしているわけだ。

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(翻訳:Maeda, H

UberとVolvo、2021年の自動運転車発売に向け3億ドルを投資

Volvo XC90 Drive Me

Volvoとの提携で、Uberが2016年末までにピッツバーグの公道で自動運転車によるオンデマンド配車サービスを提供する。さらに、この提携はVolvoが2021年に市場投入を目指す自家用またはタクシー用の自動運転車の開発に弾みをつけるとWall Street Journalは報じている。両社は総額3億ドルをほぼ折半で投資する見通しで、今後はVolvo社のSUV「XC90」プラットフォームをベースとした自動運転車の生産を目指す。

今回の提携は、ドライバーを必要としない配車サービスの提供開始を目指すライバル企業のGoogleやFordに対してUberが優勢になるのを助けることになるが、この計画に投資し、参加することでVolvoが手に入れるものも明らかだ。Uberの自動運転車チームは、Googleの自動運転車プロジェクトの前リーダーTwitterのエンジニアリング部門の前VP、さらにはカーネギーメロン大学ロボット工学部の多くの研究者から成り、そこで蓄積されたノウハウはVolvoにとって非常に有用になる。

Volvoの自動運転車の展望は、ドライバーが同乗しながらも完全な自動運転機能を備えた車だ。投資される資金は、障害物検出や衝突回避のためのセンサーを含むハードウェアの開発、さらなる研究とソフトウェアの開発に使われる。また、Volvoはこの提携の成果である自動運転車の公道テストを中国、イギリスおよびスウェーデンで実施したい考えだ。

今回の提携は、両社が自動運転技術を追求していく上で、他の企業とのパートナーシップを締結する余地を残している。また社員はそれぞれの会社での業務を継続、両社が社員を共有する予定はないとReutersは報じている。

今週初めに、Fordはタクシー向けの自動運転車を2021年までに発売すると発表したばかりだ。どうやら2021年は、自動運転車にとって重要な一年になりそうだ。

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(翻訳:Maki Itoi)

自動運転時代の自動車保険について専門家はこう考える

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人間のドライバーを必要とせず、自動運転車に行きたい場所を告げるだけでどこへでも自由に行けるようになるというユートピアの実現までにはまだ長い時間がかかりそうだ。しかし自動運転車の時代は確実に近づいている。

VolvoHondaAudiTeslaその他ほぼあらゆる自動車メーカーに加えて、 Googleは(おそらくはAppleも)自動車に組み込める高度ドライバー援助システム(ADAS)をすでに開発している。

自動車を運転する役割が次第にコンピューターが移行するにつれて、損保ビジネスにどういう影響が出るのかが問題にされ始めた。将来、自動運転の楽園が来るとしても、それまでの間に事故は何度も起きる。保険会社は誰に責任があるかに強い関心を持っている。たとえばVolvoはこの点で一歩を進め、自車が自動運転モードで事故を起こした場合はVolvoが責任を持つとしている。しかし今のところVolvoは珍しい例外だ。

危険が迫ったときに人間がシステムに介入しないことは人間の責任になるのだろうか? 自動車メーカーが十分なテストしなかったという責任、あるいはセンサーを納入したティア1サプライヤーの責任、ティア1サプライヤーにセンサー部分を供給したサプライヤーの責任、等々も問題になるだろう。どかの時点で保険会社はパニックに陥るに違いない。

保険比較サイト、Compare.comのファウンダー、CEOのAndrew Roseは「(損保会社は)自動運転車という未来を恐れるべきだが、今のところは安全だ」と述べている。私の電話インタビューに答えてRoseは「30年後には現在の自動車保険ビジネスの大部分は消滅しているだろう。自動運転車の事故率は次第に減り、保険会社が請求できる保険料もそれに応じて少なくなる。つまり自動車保険のビジネスは縮小する」とこう説明した。Roseはまた「しかし保険会社は当面リラックスしていい。自動運転がその段階に達するには長い時間がかかるはずだ」と付け加えた。

Compare.comは世界有数の自動車損害保険会社、Admiral Groupの傘下にある。 たまたまAdmiralの英国本社を訪問していたRoseは、TechCrunchのインタビューに備えて、本社の担当者にこれまでの自動運転車の関係するすべての事故の保険請求に関する情報を尋ねてみたという。しかしその答えは「そんな請求を受けたことは一度もない」だった。Admiral Groupの保険に入っている自動車はイギリスで何百万台もある。「今のところ自動運転車関係の保険請求は出ていない。しかし水平線上にその可能性が覗いている」とRoseは述べた。

保険金の請求が来ていない理由の一つは自動車メーカーがきわめて慎重な姿勢を取っているからでもある。メーカーは自動運転テクノロジーを一般消費者向け市場に適用する際に誤りを犯した場合に影響が巨大になることを知っている。Volvoが自動運転テクノロジーの研究を始めたのは10年以上前になる。事故の責任を引き受けるという決断はこの長年の経験に基づくものだろう。「ささいな応用なら間違いもささいなことですむ。しかしACC〔定速走行・車間距離制御可能なクルーズ・コントロール〕が誤作動すれば、致命的な結果をもたらしかねない」とRoseはいう。

われわれの多くは完全な自動運転が実現する未来を望んでいる一方、保険会社は事故の責任をまず自動車メーカーに求めようとするだろうという。Roseによれば、「われわれは誰かに〔事故の損害を〕払ってもらわねばならない。Volvoは自動運転モードで起きた事故はVolvoの責任だとしている。しかしそうなると厳密に交通法規を守らねばならない。自動運転車は時速65マイルの区域では決して65マイルで走らない」という。

この点がやっかいな問題を引き起こすことになりそうだ。すべての自動車が自動運転に切り変わるには時間がかかる。その間、自動運転車は自分で事故を起こすことはほとんどないだろうが、事故をもらう可能性は高い。「しばしばぶつけられることにあるだろう」とRoseは予測する。自動運転車は交通法規の字句に厳密に従うからだ。事実、Googleの自動運転車がバスと衝突したのはまさにこれが原因だった。「非常にこんがらがった問題だ。この問題はその一つにすぎない。自動運転車が増えて、自動運転車が出会うのが他の自動運転車ばかりになれば問題はずっと簡単になるだろう」とRoseは語った。

画像:e Kristen Hall-Geisler

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ホンダとボルボ、電動化を進める

The connector for the all-new Volvo XC90 Twin Engine charge cable is located above the left front wheel arch.

Hondaは、同社のClarityシリーズに完全電動車およびプラグインハイブリッド車を加える計画があることを発表した。今年のHonda Clarityでは、どれでも好きなタイプを選ぶことができる、それが燃料電池車である限り。他の2種類が揃うのは2017年。

Hondaのゴールは、プラグインハイブリッドと燃料電池を含め、電動化の割合を2030年までに全売上の2/3にすることだ。現在、Honda Fit EVまたはAccordハイブリッドがあるので、あと2モデル追加されることで、極端な楽観主義に立てば、Hondaの電動化製品は約2倍になる。

ただし、Clarityの3車種は未だにニッチな製品であることをお忘れなく。燃料電池車はこの新技術に対応している南カリフォルニア地域に極く限られている。完全電動車はもう少し範囲が広く、米国の多くの都市部で充電環境が揃いつつあるが、変化の速度は遅い。プラグインハイブリッドは、主要地域に届く可能性が最も高いだろう。しばらく電気で走った後、通常のガソリンエンジンに戻ることができるからだ。殆どのプラグインハイブリッド車では、近所の用事や通勤ならほぼ完全に電動走行が可能だが、モンタナやカンザスに住む人たちは、ガソリンエンジンを積んでいてよかったと思うだろう。

同じ日に、Volvoは、同社の全車種に2タイプのハイブリッド車を追加し、最初の全電動自動車を2019年に発売すると発表した。プレスリリースで同社のHakan Samuels社長は、「Vovloはこの電動化への変遷の最先端を走りたいと考えている」と語った。既に多くのメーカーが少なくとも1種類のハイブリッドモデルを販売し、10種類以上から電気自動車を選べる今、「最先端」の船は既に出航している。

ただ、Volvoは早い動きや派手な製品で知られる会社ではないため、この大きな変化への準備に何年も費やすことは同社の性格から外れていない。彼らは2種類の車両アーキテクチャー ― 大型と小型 ― を開発し、それぞれがハイブリット、プラグインハイブリッド、およぼ電気駆動に対応する。最初に電動化されるのは、XC90 T8 ツインエンジン SUVで、近日中に発売され、S90フルサイズセダンがこれに続く。Volvoのゴールは2025年までに100万台の電動化自動車を販売することだ ― 同社が気候変動中立を目指しているのと同じ年だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook