Samsung、Google Glass対抗製品を9月にリリース予定?!

まだいろいろな縛りがあるらしいものの、Google Glassはかなりの人が自由に入手できるプロダクトとなってきているようだ。いろいろなハードルがありながらも、一応は「パブリック」なプロダクトとなった様子。そのような状況の中、Googleのライバルたらんとする競合メーカーも同様のデバイスをリリースする予定にしているらしい。Business Korea(via Business Insider)が伝えるところによればSamsungの従業員から「Gear Glass」という名前のデバイスが、今秋にベルリンで行われるIFAエレクトロニクスショーに出品されるという情報が寄せられたとのことだ。

「Gear Glass」というのはアイウェア部分とイヤホン部分を備えたヘッドセットデバイスであるとのこと。Samsungが推進するTizen OSを搭載したものなのだそうだ。Tizenは現在Samsungの腕時計型デバイスのGearシリーズで用いられている。昨年リリースされた第一世代のGalaxy Gearシリーズから、OSの変更があったわけだ。ウェアラブルデバイスについてみた場合、Tizenには消費電力が低いというメリットがある。充電器に繋いでおく時間が、より短くて済む。

ちなみにSamsungは、ウェアラブルデバイスについて「Gear」というシリーズ名を使用していく意向であるようだ。発表されるらしいGear Glassについては、この「Gear」という名称を使うらしいということ以外、実は詳細がわかっていない。ただ「Glass」の名前が示すように、インタフェースや利用法については、Google Glassと同じようなものであると想定して良いようだ。

今や、あらゆる企業がGlass型デバイスの開発を行っていると言っても過言ではない状況だ。マイクロソフトやAppleなどは各種関連特許を申請中で、EpsonやSonyなどもプロダクトのリリースを予定していると伝えられている。「マーケット」が確立する前に、そのシェアを奪い合う状況が生じつつあるといえるかもしれない。しかし企業というものは、新しいアイデアに飛びつくのがその使命だということもできる。自社の成功が保証されていないにしても、チャレンジせずにはいられない分野であるといえるのかもしれない。

*注:冒頭に掲載している写真は、ずいぶん前にSmasung Glassとして提示されたもの。リリース予定とされるデバイスのものでないことはご注意いただきたい。

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(翻訳:Maeda, H


「人機一体」こそウェアラブルの本質–JINSがまんま”メガネ”の新デバイス「JINS MEME」を2015年春に発売

 

 

Google Glassの登場以来注目を集めるメガネ型のウェアラブルデバイス。「JINS」ブランドでアイウェアを展開してきたジェイアイエヌもその領域に参入することを明らかにしたが、そのコンセプトはこれまで発表されてきた製品とは一線を画すようだ。同社は5月13日に記者会見を開き、次世代戦略商品となるアイウェア型ウェアラブルデバイス「JINS MEME」を発表した。2015年春に国内での発売を開始する。

これまで「PC向け」「花粉対策」など、視力矯正以外の「機能性アイウエア」を世に送り出してきたジェイアイエヌだが、4年前に東北大学 加齢医学研究所の川島隆太教授に打診し、新しいアイウェアの可能性を探ってきたのだそうだ。ジェイアイエヌ代表取締役社長の田中仁氏は会見で、これまでのアイウェアが「外を見る」ための役割であったことに対して、JINS MEMEが「内を見る」ためのものだと説明する。

JINS MEMEは、三点式の眼電位センサーと六軸の加速度、角速度センサーを備える——といっても、センサーは少し太めのフレームに収められている。Google Glassのようにモニターがついているわけでもなく、メガネそのものとほぼ変わりないと言っていい——ウェアラブルデバイスだ。ウェリントン、ハーフリム、サングラスタイプの3種類のモデルを用意。ウェリントンタイプで重量約36グラムとなっている。僕も実際にデモ機を掛けてみたが、通常使用しているメガネ(フレームが太くて多少重く感じていた)よりも軽い付け心地だった。通信にはBluetooth 4.0を採用する。バッテリー内蔵で連続8時間の使用が可能。メガネのフレームを延長して頭部をカバーするヘアバンドのようなアタッチメントパーツを取り付ければ、約16時間までの利用が可能になるという。非接触での充電に対応する予定で、蓄積されたデータを送信するためのUSBポートも備える。価格は現状非公開だが、「JINSが作る商品なので、皆さんの手の届かない物ではない」(田中氏)とのことだ。

注目はこの眼電位センサーだ。眼電位とは、角膜側が正、網膜側が負の電荷をそれぞれ帯びているのだが、その電位差のことをいう。眼電位を計測することで、目の動きをモニターすることができたのだが、これまでの技術では目の周囲に4点のセンサーをつけないと計測ができなかった。今回JINS MEMEでは、眉間、鼻パッド部分の3点のセンサーを開発。これによって通常のメガネとほぼ同じ形のデバイスを実現したという。センサーは9方向とまばたきを検知可能で、現在特許出願中。センサーやセンサーを利用した各種の技術は、川島氏をはじめ、芝浦工業大学 工学部電子工学科の加納慎一郎氏、慶應義塾大学大学院 メディアデザイン研究科の稲見昌彦氏らと協力し、産学連携で技術を開発しているという。バッテリーや回路でも国内メーカーと連携しての開発を進めているということだが、その詳細については、非公開とされた。各種センサーや産学連携で開発する技術により、目の向いている方向から姿勢や疲れ、眠気などの個人の詳細な身体データ(DEEP DATAと呼んでいた)を可視化できるようになるという。

会見では、ビジネス、ドライブ、フィットネスという3つのシーンでの利用イメージが紹介された。JINS MEMEでは眠気や疲れを「me」という独自の単位で測定する。この数値が高ければ元気で、低ければ疲れているということだ。例えばビジネスシーンやドライブシーンでは、数値が低くなれば連動するスマートフォンアプリでアラートを出してくれる。また頭に加速度センサーがつくことで、フィットネスのシーンでもリストバンド型のデバイス以上の精度で姿勢も含めた健康状況を図ることができるといった具合だ。ドライブ分野ではすでにデンソーと慶應義塾大学メディアデザイン研究科との産学協同での研究を進めることが決定しているという。また順次APIも公開し、開発者らとオープンなプラットフォームを作っていくとしている。ちなみに以下の動画は、会見で実際に行われたデモ。目線を左右に動かすことで、その動きに合わせて画面をスクロールさせている。

田中氏はJINS MEMEについて「内側を見るデバイス」と語ったが、同じく会見に登壇した川島氏や稲見氏も、これまでのアイウェア型ウェアラブルデバイスのあり方に疑問を投げる。川島氏はそもそも人間がGoogle Glassのカメラのように、「あえてつける装置」を利用しないのではいかと語り、稲見氏は「メガネ型のスマートフォンやカメラがウェラブルなのか? 無意識の行動を把握してサポートする『人機一体』、これがウェアラブルの本質的な意義ではないか」と語った。もちろんGoogle Glassや開発中のTelepathyのデバイスなど、モニタまでを搭載したデバイスとJINS MEMEを同じように考えても仕方ないのだけれど、ウェアラブルデバイスにまた1つの可能性が生まれたのは事実だろう。現時点ではパートナー向けの施策など詳細は明らかにされなかったが、ほかのデバイス同様、今後の展開を楽しみにしたい。

右から稲見氏、田中氏、川島氏


Amazon U.S.、サイト内にウェアラブル用の専用ストアを開設

うっかり見逃してしまっている人も多いかもしれないが、Amazonがサイト内にウェアラブル・ストアを開設している。従来からあるカテゴリーに、新しく「ウェアラブル」カテゴリーを追加したのだ。扱われているのはMisfit Shine、Jawbone UP24、そしてNarrative Clipなどさまざまなウェアラブルデバイスだ。

さらにウェアラブルの中もFitness & Wellness、Healthcare、Cameras、Smart Watches、Family, Kids & Petsなどのカテゴリーが作られている。いろいろと見て回ると、TechCrunchで紹介したデバイスも多いようだ。たとえば姿勢モニターのLumoback、Fitbitシリーズ、スマートウォッチのPebble、あるいはGoProなどのアクションカメラ系については多くの方々がよくご存知だろう。「Editor’s Corner」も用意されていて、こちらはSarah Zangが担当し、Gizmodeのスポンサードコンテンツが紹介されたりもするようだ。

「購入ガイド」(Buying Guides)のページもあり、ライフスタイルやニーズによって、適切なデバイスを選ぶためのヒントが掲載されている。またビデオデモンストレーションや、製品紹介ビデオなども掲載されている。ウェアラブルがどのようなシーンで活用できるのかという記事もある。ウェアラブルプロダクトの認知度は高まりつつあるものの、まだ実際に所有している人は少ないという調査結果もある。そのような中、利用者となる可能性のある層に対して丁寧な説明を心がけるのは理に適ったことであるだろう。

個人的にはウェアラブルにも多いに興味がある。しかし今の段階から専用のトップカテゴリーを用意しておくほどのものだろうか。もちろんAmazonはそう考えたわけだ。これからはさらに商品カテゴリーが増えてくることも期待でき、今後に向けて楽しみなページではある。

訳注:訳出時現在、ページ内のリンクが正常に動作していないようです。但しこれも一時的であり、間もなく正常に機能し始めるものと思われますので訳出しておきます。

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Maeda, H


続々と参入者が増えるキッズ向けウェアラブル。Tinitellは簡単電話+GPS機能に特化

デバイスメーカーにとって、すくなくともここしばらくは「ウェアラブル」が注目すべきバトルフィールドとなる。Tinitellも、子供向けのウェアラブルフォン+GPSトラッカーを投入してきた。最新の技術を用いて、子供の手首に装着できるようなサイズにおさめたプロダクトだ。

製作したのは昨年設立されたスウェーデンのスタートアップだ。10万ドルの資金調達を目指してKickstarterキャンペーンを展開している。資金を調達して来年4月からの出荷開始を目指している。本稿訳出時点で24日のキャンペーン期間を残して7万4千ドルほどを調達している。

Tinitellはそのサイズのみでなく、操作方法についてもコンパクトにうまくまとめられているようだ。デバイス自体にスクリーンはなく、物理的なボタンで操作するようになっている。電話をかける相手は音声認識で選択するようになっている。

たとえば「ママ」といえば、予め「ママ」として登録しておいた相手が通話相手として選ばれる。もちろんボリュームキーを押すことで、リストから電話相手を選ぶこともできる。選んだ相手を表示するスクリーンはないので、音声にて現在選択されている相手を通知してくれる。

ちなみに音声認識は、完璧に発話を認識する仕組みではなく、予め録音しておいた音声ラベルとのマッチングを行うものだ。これにより、さほど処理能力の高くせずとも機能を実装できるようにと工夫しているわけだ。

通話相手リストの追加を行うにはTinitellのウェブサイトないしアプリケーションから行う。こうした仕組みにより、子供が誰と通話できるかを親の側で設定できるようになっているわけだ。また、現在の場所を地図上に表示することもできるようになっている。

通話網へは2G GSM SIMを介して接続している。搭載しているバッテリーは、一回の充電で1時間の連続通話を行うことができる。あるいはスタンバイモードならば1週間はもつのだそうだ。子供たちといえば外で乱暴に遊ぶこともあるわけで、防水および防塵設計ともなっている。

「他の子のお父さんと話すうちにTinitellのアイデアを思いついたのです」とファウンダーのMats Hornは言っている。「子供が外で遊びたいと言ったときに、携帯電話を持たせていないことが気になったのだそうです。その子は以前携帯電話を失くしてしまったことがあり、それで親のスマートフォンを貸すのもどうかと感じたようです。ちょうど料理をしていて、子供と一緒に外に行くこともできませんでした。結局子供は部屋でiPad遊びをしていたのだそうです。それはちょっと残念なことだと感じました」。

「自分が子供の頃を思い出すと、外で遊ぶことが何より好きでした。その当時のことを思い出してみて、子供用のシンプルな携帯電話というものがあっても良いのではないかと思ったのです。いろいろな機能を付け加えることは必要ないと考えました。スピーカーとマイク、そして簡単に通話でき、そして自分の場所を通知することができれば良いと考えたのです」。

Hornは子供向けのシンプル携帯電話の市場には大きなチャンスがあると感じているようだ。もちろん彼もいろいろと「子供向け」を主張するデバイスがあることは承知している。しかしたとえばTinitellは「ウェアラブル」であり、その面だけでも通常のデバイスと比較して優位性をもつのだと主張している。確かにウェアラブルであれば、うっかりなくしてしまう可能性を多いに減らすことにはなるだろう。GPS機能の面でみても、Loccaなどのような無骨さがないのもまた魅力となり得ると考えているようだ。もちろん、こうした「優位性」がTinitellの市場獲得に繋がるのかどうかはまだわからない。

確かにウェアラブルというのは「カンブリア大爆発」の現代版になりそうな気配もありそうに思える。ウェアラブルを投入するさまざまな企業が便利さを強くアピールしていもいる(もちろんRufus Cuffのようなデバイスをみて「そりゃないわ」と感じている人もいることだろう)。

Tinitellは、ウェアラブルの将来に、そしてとくに子供用のウェアラブルの将来に賭けているわけだ。この分野には将来性があると考えているところは他にもある。たとえばMoffという腕輪型ウェアラブルも、子供たちの遊びジェスチャーにサウンドエフェクトを加えることで多くの子供たちに使ってもらえるはずだと考えている。GuardianというBluetooth LEを使った位置情報トラッキングのためのウェアラブルもある。これもまた子供の居場所を通知するためのツールとして登場してきたものだ。

子供用ウェアラブル全体でみたとき、コストも普及に関わる大きな要因となるだろう。TinitellはKickstarterの初期割引で99ドルの価格を提示している。こちらが完売となれば、価格kは149ドルとなる。「安価」であるとはいえない価格だ。

Horn曰く、Tinitellの開発には個人資産を投じ、そして足りない部分は借金で補ってきたとのこと。2013年にはスウェーデンの最も大きなアントレプレナーシップコンペティションのひとつで賞を獲得してもいる。

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(翻訳:Maeda, H


「牛」のためのウェアラブルを提供するSilent Herdsman、300万ポンドを追加調達

「ウェアラブル」が人間だけを対象にしていると思ったら大間違いだ。すべての個体に強制的に着用させることのできる家畜マーケットにおいてこそ、「ウェアラブル」が一層有効に機能するという面もある。

そんなところに着目したのがイギリスのスタートアップであるSilent Herdsmanだ。首輪型のウェアラブルデバイスにて、牛の特徴的な行動を通じて発情期などを感知し、酪農家や畜産農家での管理をより効率的に行えるようにするものだ。

このSilent Herdsmanが、より多くの顧客獲得ならびに成長速度のアップを目指して300万ポンドの資金を調達した。現在はイギリスおよびヨーロッパにて「数百戸」の農場で利用されていて、稼働中の首輪型デバイスの数は「数万台」であるとのこと。

Silent Herdsmanは、2010年にこのデバイスを開発したストラック大学研究室からのスピンアウトで設立されたスタートアップだ。(当時はEmbedded Technology Solutionsという直接的な名前だった)。研究室では2006年から2009年にかけて、Scottish Enterpriseが資金を拠出するファンドからの475万ポンドの資金を得て研究を行ってきていた。

今回の300万ポンドはScottish Equity Partners(SEP)が主導する投資シンジケートおよびAlbion Ventures、Scottish Investment Bank、そしてScottish Enterpriseの投資部門などが出資したものだ。

Silent Herdsmanによると、調達資金は海外での市場拡大および、デバイスの機能向上のために活用していくとのこと。

動作の仕組みは、行動をモニタリングする首輪型デバイスと、特許技術を盛り込んだ分析ソフトウェアを組み合わせて、発情状態などの確認を行うというものだ。首輪型デバイスにて特定の状況が検知されれば、その情報がワイヤレスで基地局デバイスに送られ、そこから農場の担当者(スマートフォンやデスクトップ機)に情報がリレーされる。

飼っている牛全体の管理を容易にし、さらに個々の牛の行動に基づいた適切な行動をより迅速に行えるようにしようとして開発された技術だ。Silent Herdsmanによると健康管理がより効率的に行えるようになり、ミルクの生産量なども増加し、すぐに技術投資分を上回る利益をあげられるようになるとのこと。

SEPのパートナーであるStuart Patersonは、今回の投資にあたり次のように述べている。「現在、世界中には10億頭の家畜牛がいます。そのうち3400万頭がEUおよびアメリカで飼育されています。世界が豊かになり、そして畜産製品への需要は高まる傾向があり、飼育される牛の頭数も拡大傾向にあるのです。こうした傾向の中、Silent Herdsmanにとってのビジネスチャンスは年間で10億ドル以上となっているのです」。

「さらに、Silent Herdsmanの技術を活用すれば、世界的な問題のひとつである食料生産の効率性を向上させることにも繋がります。Silent Herdsmanはイギリス国内のみならず、国際的にもマーケットを広げつつあり、SEPとしてはその流れをお手伝いしたいと考えたのです」。

Albion VenturesのパートナーであるRobert Whitby-Smithも次のように述べている。「Silent Herdsmanの今後の成長プランをサポートする機会を得ることができて大変嬉しく思っています。動物の健康管理関連市場はさらなる成長が見込める分野で、Silent Herdsmanは、独自の特許技術を活用して市場を大きく広げていくことでしょう」。

Silent Herdsmanは現在、イギリス、中国、ニュージーランド、メキシコ、およびヨーロッパなどで特許を取得している。

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(翻訳:Maeda, H


“iPad DJ”、ウエアラブルでライブイベントをリアルタイム分析するLightwaveを発表

ウエアラブルは、ユーザーの活動を測定して健康改善に役立つフィードバックを与えるために使用されている。新しいスタートアップ、Lightwaveは、ウエアラブル・テクノロジーを使ってパフォーマーやアーティストのためにライブイベントを分析する。

プロジェクトを始めたRana Juneは、ソーシャル広告と分析のスタートアップ、Medialetsの共同ファウンダーでマーケティング担当VPを務めていた。しかし多くの人にとって彼女は、初の人気iPad DJとしてツアーを行っていたことで知られている。タブレットで音楽を作ることがまだまだ珍しい時代のことだ。

何年かの休憩をとり次の大仕事を夢見ていた彼女は、自分の技術と音楽体験を組み合わせた何かをしようと決心した。その結果がLightwaveで、リアル世界のイベントのためのアクション分析を行う。

プロジェクトの中心をなすのは、ユーザーの様々な活動 ― 動作、オーディオレベル、体温等 ― を測定するウエアラブル・リストバンドで、これを使って観衆のリアルタイムデータをライブパフォーマーに提供する。

「パフォーマーは、会場の向こうにいる人たちが楽しんでいるのかいないのか、全く知ることができない」とRana Juneは私に言った。Lightwaveは観衆のデータを収集し視覚化することによってこれを変えようとしている。これを使ってアーティストは、観衆のフィードバックに基づいて体験をカスタマイズすることができる。

ショウの最中、様々な活動レベルに応じて特定イベントのカギを外すことによって、ショウごとにカスタマイズ可能、プログラム可能な体験を作ることができる。

計画では、アーティストまたはイベントのスポンサーがLightwaveブレスレットを配布し、ユーザー体験の拡張に用いる。3-Dメガネと同じく、主催者はイベント終了時にデバイスを回収して再利用できる。「コンサート会場に入ったら、紙のリストバンドの代りにインテリジェント・リストバンドを着けてもらいます」と彼女は言った。

Lightwaveテクノロジー初めてのテストは、SXSWで3月10日に行われる。PepsiがDJ A-Trakと共に、独占「バイオリアクティブ」コンサートを行う。今後も他のイベントで使われる予定だ。

Photo Credit: DKOphotography via Compfight cc

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


指輪型ウェアラブルデバイス「Ring」がKickstarterでキャンペーン開始、2014年7月出荷予定

2013年11月に開催したTechCrunch Tokyo 2013のスタートアップバトルで優勝した指輪型ウェアラブルデバイスの「Ring」を開発するスタートアップ企業のログバーが今日、Kickstarterでキャンペーンを開始した。キャンペーンは35日間で目標額は25万ドル。キャンペーン開始直後の現在、242人の支援者がいて3万7850ドルが集まっている(この記事を書き始めてから書き終わるまでの30分で4000ドル増えた。日本時間2月28日午前7時現在)。2014年4月に量産を開始して、7月に米国、日本、ヨーロッパ、中国への出荷を開始するという。6世代のプロトタイプを経てのデバイス提供開始ということになる。

Ringは6つのサイズでの提供を予定している指輪型のデバイスで、人差し指につけて空中に絵文字やアルファベット、数字などを描くことでジェスチャーを認識してくれる。開発者は低レベルの座標情報を取ってどうこうするというよりも、定義済み、または自分で定義したジェスチャーをRingのAPI経由で利用して、現実世界のデバイスやサービスとつなぐことになる。独自ジェスチャーの定義はスマホアプリ上でできるようだ。RingはBluetooth LEを搭載していて、スマートデバイスと接続もできるが、Ring Hubと呼ぶ中継器を使って赤外線による家電操作が可能だ。Ringのアクティベートには今のところiOS7以上かAndroid 4.4以上を搭載するデバイスが必要で、Windows Phone対応やRing Hub提供は今後の予定となっている。

デバイス的にはモーションセンサーとタッチセンサーを備える。ジェスチャー開始前に明示的にタッチによってジェスチャー開始をRingにユーザーが伝えることによって、小型デバイスながら1度の充電で1000ジェスチャーを認識するだけのバッテリ持続時間を実現したという(より正確な数字はキャンペーン終了前にアナウンスするという)。

ジェスチャーによって、家電や電子機器の操作ができるほか、文字入力や支払いなども可能になるという未来っぽいデバイスだ。小さなLEDとバイブレーターを搭載していて、ノーティフィケーションやアラートをユーザーに伝えるフィードバック機構もある。ジェスチャーによる入力という点でRingとの共通点もありそうなLeap Motionは、こうしたフィードバックが画面だけで、実はそのことが「未来を垣間見れるデバイス。ただし、イライラ棒みたいなもんだけどね」というビミョーなLeap Motionの感想につながっていたように思う。少し複雑なことをやろうと思うとLeap Motionの操作は難しくなり、少なくとも私にとっては学習性無気力感を引き起こすデバイスだった。Ringのタンジブルなフィードバックが、使用感にどう影響するのかは興味をそそられる。

実は去年のTechCrunch Tokyoのスタートアップバトルでは、Ringのログバーを優勝とすることについて審査員の間で意見が割れた。応用の幅が広そうで独自性が高いという意味では、「目線が高い」野心的なプロダクトだけれども、端的に言って「風呂敷を広げただけちゃうの?」という意見もあった。美麗な動画で可能性を語り、ごくシンプルな電灯のオン・オフのデモを1つやったのはいいけれど、結局使い物になるプロダクトを本当に実現できるのかどうか疑わしいのではないか、という懐疑的な意見があったのだ。ハードウェア系のスタートアップの人たちに意見を求めてみても、入手可能なバッテリや通信モジュールのサイズや性能から言って「指輪サイズ」は、かなり無理があるのではないか、という話もあった。

この辺のことをログバー創業者の吉田卓郎氏にステージ裏で聞いたところ、むしろ何故デバイスの実現性に疑問を持たれるのか分からないという回答だった。ハードウェア的な意味では、特にサイズを妥協すれば作ること自体は難しくなく、むしろ本当に難しいのはサイズを小さく保ったままバッテリ持続時間を確保することと、ジェスチャーの認識精度を上げる作り込みだと語っていた。ジェスチャー認識のために常時スタンバっていると、とても常用できるバッテリ持続時間にならない。あるいはセンサーから生の座標データを開発者に伝えところで普段幾何学系のアルゴリズムなんて扱わない現代の一般的なソフトウェア開発者にとっては使いづらい。ジェスチャーの定義と認識精度の向上、それをどういうAPIで見せていくかというのがチャレンジだ、という話だっ。Kickstarterでデビューして真っ先に世の中に登場したスマートウォッチのPebbleの登場時なんかもそうだけど、2014年のRingは可能性を広げてファンとなる開発者エコシステムの醸成に腐心するべき時期なのかもしれないね。Leap MotionやPebble同様にアプリストアも用意するようだし、家電や組み込み機器メーカーまで巻き込んで作り込みができれば面白そうだよね。


GPSを使わず磁気で歩行ルートを知るフィットネス腕輪Digi-Care ERI, 深圳生まれのオリジナル製品だ

ユニークでデザインのきれいな、フィットネス用のウェアラブルが、クラウドファンディングサイトIndiegogoに登場した。Digi-Care ERIと名づけられた、この深圳生まれのウェアラブルは、ユーザの歩きを記録するが、おもしろいのは、GPSではなく磁気センサを使って経路を捉えることだ。どこをどう通ってきたか知りたいとき、電池寿命を縮めずにすむ。

このデバイスは、キャンディーのパッケージのように色がいろいろ(!)あり、求めている資金額は5万ドルだ。資金提供者には39ドルで進呈されるが、最終小売価格は99ドルを予定している。

上海で行われたTechCrunch/Technode共催イベントでこれを見たのだが、かなり感心した。位置検出の精度は、使ってみてないので何とも言えないが、同社によると一回充電した電池が1か月もち、歩きと走りだけでなくサイクリングにも対応する。それにSDKを公開しているので、デベロッパは体温などのデータのほかに、ビルドの通知やNFCによる対話を自分の作品に利用できる。

発売までこぎつけそうか? 同社によると、製品は完成しており、人びとの目の前でデモもやった。Fitbit Forceをやや鋭角的にしたようなデザインで、明るいOLEDのスクリーンがある。腕輪型のデバイスは今の世の中に氾濫しているが、その中でちょっと変わったやり方をしているこの製品は、なかなかおもしろい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


IDC、ファブレットやウェアラブルの影響を考慮にいれて、2013年タブレットの出荷台数を2億2700万台に下方修正

一般消費者および企業の意識が急速にタブレットに向かう状況を迎え、PC業界というのはかなりの勢いで縮小しつつあるように見える。iPadのような軽量デバイス、ないしAmazonのKindle Fireのような安価なデバイスが、より大きく、そして高価なコンピュータデバイスからシェアを奪いつつあるようだ。しかし、そのような状況の中、IDCはタブレットの年内出荷台数予測を減らすこととなった。

IDCによると、今回の分析の背景には「競争の激化」があるとのこと。タブレットと競合するのは、大きな画面を備えたスマートフォン(最近はファブレットという呼び方が定着してきた)や、スマートウォッチのようなウェアラブルコンピューターであるとしている。そうした先進デバイスへの期待と、さらにはQ2の間に大きな話題となるタブレットが登場しなかったこともあって、2013年におけるタブレットの出荷台数予測を2億2930万台から2億2740万台へと、200万台減らすこととなった。

下方修正といっても、ほんの少しの減少に過ぎないというのは正しい。「予測」の話なので、大した意味はないという意見にも一理ある。もっといえば、下方修正した数値であっても、2012年比で57.7%増ということになっている。しかし、IDCが予測を下方修正することになった原因については、なるほど興味深い事実があるようだ。たとえば、いくら安価になったとはいえ、依然として一般消費者にとっては、タブレットが高価なものなのだ。また、PCから無駄を省いたというのがタブレットのウリ文句のひとつであるが、それでも一般消費者からするとオーバースペックである面もあるということだ。利用者の拡大を狙うに連れ、価格面の問題が一層強調されるに至っているのが現状であるようだ。

ちなみに、企業利用面で言えば、タブレットというデバイスは現状ではマイナーな存在だ。しかし徐々に存在感を増している。IDCによれば、とくに教育や小売産業によるタブレット購入は、2012年の販売台数のうちの10%程度だ。2017年までには、少なくとも20%まで増加するだろうという見通しもある。

そうした見込みはあっても、先進諸国では既に急激な成長というのが望めない段階に達しているともIDCは見ている。「アメリカなどの成熟市場はアジア太平洋地域に対してシェアを失っていくことが予測される」とのこと。新興国にて2017年までには4億700万台のタブレットが出荷されることになる中、タブレット先進国においては製品の飽和状態に達するだろうとのこと。

短期的に見れば、ファブレットなどとの競合により、タブレットのさらなる低価格化が実現されるだろうとIDCは予測する。「低品質で使い勝手も良くないながら、低価格で勝負を挑もうとするタブレットメーカーに対抗するために、メジャーなメーカーもパーツの低価格化によるコスト削減を行ってくるはずだ」とタブレット関連でリサーチディレクターを務めるTom Mainelliは言っている。

地域的にみれば、これまでタブレット市場の牽引役であった北アメリカ、西ヨーロッパ、そして日本での売り上げはシェア面で減っていくことになると見ているようだ。これまでを引っ張ってきた主要国の売り上げ割合は、現在でこそ60.8%となっているが、2017年にはこれが49%までに下落するだろうと見通している。そして残りの51%は現在の発展途上国が担っていくことになるだろうとのこと(Google、Facebookなどもそうした新興市場をターゲットにしたプランを種々実行に移している)。

「先進国での飽和状態をうけて、タブレット市場の年次成長率というのは取り敢えず落ち着きを見せる状況になる」と、IDCのWorldwide Quarterly Tablet Tracker部門リサーチアナリストを務めるJitesh Ubraniは述べている。「そして消費地域の構造が変わることになり、販売シェアは世界平均を上回る成長を期待される中国などが担っていくことになるだろう」とのことだ。

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(翻訳:Maeda, H)