ブロックチェーン活用のテレビ番組向けファン育成プラットフォームLiveTV-Showがライブ配信対応

ブロックチェーン活用のテレビ番組向けファン育成プラットフォームLiveTV-Showがライブ配信対応

暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン技術に関連する国内外のニュースから、過去1週間分について重要かつこれはという話題をピックアップしていく。今回は2021年1月24日~1月30日の情報から。

博報堂が発足したHAKUHODO Blockchain Initiative(HBI。博報堂ブロックチェーン・イニシアティブ)と博報堂DYメディアパートナーズは1月26日、SingulaNetと共同構築したテレビ番組向けファン育成プラットフォーム「LiveTV-Show」(ライブ・ティービー・ショー)について、3社で開発した独自のライブ配信(WebRTC)機能を新たに搭載したと発表した

LiveTV-Showは、デジタルアセットの所有権を安全・迅速に移転できるブロックチェーン技術を応用した、生活者参加型テレビ番組制作を支援するファン育成プラットフォーム。番組視聴者に向けて、出演タレントのデジタルフォトやライブ映像などを数量限定で提供したり、ファンからのギフティング(投げ銭)を通じて番組を応援してもらうことができるという。Paypal、クレジットカード、デビットカードによる課金に対応している。

今回3社は、テレビ静岡の新番組に出演中のアイドルグループ「fishbowl」(フィッシュボウル)のファン向けに、ライブ配信機能を搭載したLiveTV-Showの提供を開始した。

同ライブ配信機能は、専用ツール・アプリを要することなくウェブブラウザー上で配信・視聴可能で、個別の番組向けカスタマイズほか、無料・有料の配信に対応できる。視聴データはテレビ局が管理・蓄積できるため、データを分析した結果を番組制作に反映可能という。

またテレビ局側は、ライブ配信機能と販売機能やギフティング機能とを連携させることで、双方向の番組制作、番組・出演タレントのファン育成が可能となるとしている。LiveTV-Showの販売機能はブロックチェーン技術を採用しており、複製防止や数量限定の販売にも対応する。

fishbowlは、しずおかアイドルプロジェクトのオーディションを経て結成。テレビ静岡の「アイドル観察バラエティ fishbowlのデビューしちゃってもいいですか?」出演と並行して、LiveTV-Showを活用したライブ配信などの企画を通じ、ファンと交流していくという。LiveTV-Showによる双方向のコミュニケーションを通して、テレビ番組との相乗効果を生み出し、ファンの育成を目指す。

SingulaNetは、分散台帳技術にEthereum(イーサリアム)を採用しエンタープライズ向けBaaS(Blockchain as a Service)を提供するブロックチェーン企業。ハイセキュリティ・高性能な企業向けブロックチェーンインフラの研究開発、次世代のデジタルコンテンツの管理に関する特許などの知財開発を基にして、ブロックチェーン×ウェブメディアビジネスの拡張に貢献していくという。

ブロックチェーン活用のテレビ番組向けファン育成プラットフォームLiveTV-Showがライブ配信対応

博報堂と博報堂DYメディアパートナーズは、ブロックチェーンなどの先端技術を活用したメディア領域のソリューション開発を進めている。多様な知見や技術を有するSingulaNetのような社外パートナーとともに、メディア業界のDX支援を目指している。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Ethereum(製品・サービス)WebRTCオープンソース / Open Source(用語)SingulaNet博報堂博報堂DYメディアパートナーズHAKUHODO Blockchain Initiative日本(国・地域)

TwilioがWebRTCメディア技術のKurentoを買収、さらにWebRTCのモニタリングサービスVoice Insightsを立ち上げ

SAN FRANCISCO, CA - SEPTEMBER 12:  Founder and CEO of Twilio Jeff Lawson speaks onstage during TechCrunch Disrupt SF 2016 at Pier 48 on September 12, 2016 in San Francisco, California.  (Photo by Steve Jennings/Getty Images for TechCrunch)

Twilioは今、同社のカンファレンスSignalのヨーロッパバージョンロンドンでやっている。その同社が今日(米国時間9/20) 、6月にIPOに成功して以来初めての買収を発表した。

ちょっと話はややこしいが、しばらく我慢を。Twilioが買収しようとしているのは、WebRTCによるプロプライエタリなメディアプロセシング技術で、それを開発したのは、オープンソースのWebRTCメディアサーバーKurentoを開発したチームだ。Twilioはそのチームを雇い、オープンソースでない技術をすべて買収するが、しかしオープンソースの方のプロジェクトを管理しているスペインのTikal Technologiesは、そのオープンソースプロジェクトとコミュニティの管理を今後も続ける。

Twilioがローンチしたのは2007年だが、買収は今回が二度目だ。最初のAuthyは、二要素認証などセキュリティサービスの企業だった。今日発表された買収は詳細が非公開だが、それほど巨額ではないだろう。

Twilio自身も今後マドリッドにオフィスを開き、Kurento Media Serverの技術を利用して大きなグループによる起呼や、コード変換、録音録画などのメディア処理機能をTwilio Programmable Videoに加えていく。

TwilioのCEOで協同ファウンダーのJeff Lawson(上図)は、今日の発表声明でこう述べている: “TwilioとKurentoのチームは、デベロッパーに強力なプラットホームと簡明なAPIを提供していくという共通のビジョンを共有している。デベロッパーの能力を増し、それによって通信の未来を切り拓いていく、というTwillioのミッションがまた一歩前進することになり、Kurentoを作ったチームの力を借りて弊社のビデオプラットホームをより多機能にしていけることを、大いに喜んでいる。それらを利用してデベロッパーたちが、どんなすばらしいプロジェクトを作るか、それが今から楽しみだ”。

同社によると、今後のKurentoのメンテナンスと改良に関しては、Tikalとも協働していく。

WebRTCのアナリティクス

WebRTC関連でもうひとつ: Twilioは今日、Voice Insightsのローンチを発表した。このサービスを使ってデベロッパーは、WebRTCで通信しているネットワークやデバイスのパフォーマンスをモニタできる。しかもそれだけではなく、得た情報に基づいて、それらへの対応アクションをプログラミングできる。たとえば発呼者の通信量が急に減ったら、そのユーザーに通知を送ってマイクロフォンが突然ミュートになってないか調べてもらう、など。ネットワークの問題はVoice Insightsのダッシュボードでチェックでき、集めたすべてのデータを利用して独自のアナリティクスを構築できる。

この新サービスはまだベータだが、料金は1起呼あたり0.4セントだ。

これによってTwilioは、Callstats.ioなどのスタートアップと競合することになる。同社は最近、300万ドルを調達して、独自のWebRTCモニタリングサービスを強化している。しかしすでにTwillioを使ってWebRTCのアプリケーションを運用しているデベロッパーは、Twilio自身のモニタリングツールを使うのが便利かもしれない。ひとつのダッシュボードで、通信のインフラストラクチャのすべてをモニタできるのだから。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

WebRTCアプリの分析サービスCallstats.ioが$3Mを調達、データ提供企業から問題解決企業への成長を目指す

(GERMANY OUT) Altes  Telefon mit Waehlscheibe aus der DDR  (Photo by Leber/ullstein bild via Getty Images)

WebRTCは、Webの比較的新しいスタンダードで、これを使えばプラグインを使わずブラウザー上で直接、音声やビデオによる通話ができる。しかし、これを採用する企業や製品が増えるとともに、これらの通信のパフォーマンスに関するインサイト(たとえば‘落ちる’理由)を得たいというニーズも増加している。Callstats.ioはWebRTCの接続をモニタするスタートアップで、集めたデータをもとに、顧客の接続の改善を支援している。

同社が今日、True VenturesがリードするシリーズAのラウンドで300万ドルを調達したことを発表した 。これにより同社は、製品開発をさらに継続できる。これで、Callstats.ioの資金調達総額は350万ドルになった。

True VentureのパートナーOm Malikが、Callstats.ioの取締役会に加わる。Malikは、声明文の中で次のように述べている: “他との摩擦の少ないWebRTCには、通信とWebに革命をもたらす可能性がある。Callstats.ioが開発しているような高度なモニタリングと診断は、この新しい形の通信がもたらす機会を、さらに改良し強化していく”。

同社の協同ファウンダーでCEOのVarun Singhによると、同社のサービスの最初のプロトタイプが書かれたのは2013年で、当時はWebRTCが徐々に注目され始めていた時代だった。2014年の夏に同社は小額のシード資金を獲得し、最初の顧客と契約した。その後は製品の拡張と改良に努め、2015年には新しい顧客も増えた。また同社はさまざまなSDKプロバイダーたちと協働することにより、そのサービスをTwilioやJitsiなどなどに統合している。

Singhによると、Callstats.ioには来年の初めごろまでの必要資金はあるが、今なら好条件で調達できるので新たな資金調達を決断した。

今後Callstats.ioがとくに力を入れたいのが、診断サービスだ。Singh曰く、“私たちの仕事は問題の発見と修復の実施だ、といつも言ってきた。今日では、問題の20~30%は確実に修復できるが、新たな技術投資により問題の50%をフィックスできるようにしたい”。

それが、Callstats.ioという企業の現状だ。同社は人びとにモニタリングデータを提供するが、データに対する有効なアクションとなると、また別の能力だ。たとえば、あるネットワーク上のユーザーへの呼び出しが頻繁に落ちる、という問題があるなら、Callstats.ioは、通話は始まったらほかの帯域利用を自動的に抑えるなどにより、落ちないための対策を提供できるべきだ。Singhによると、デベロッパーは高度な設定をコードとして書いてしまいがちだが、しかしネットワークがそれに対応できないときもある。だから本当は、最初から設定を多様化しておく必要がある。“うちは顧客にデータを提供する企業だが、今後は通信企業にもなりたい”、とSinghは語る。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

スウェーデンのスタートアップGretaが、巨大なCDN市場を突き崩す

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スウェーデンのスタートアップGretaが、数十億円規模のコンテンツデリバリーネットワーク(CDN)市場を静かに突き崩そうとしている。この新しい法人にはすでに Jan Erik Solem(Polar Rose and Mapillaryファウンダー)、Hampus Jakobsson (TAT and Briskファウンダー)、Jeremy Yap(先日The Europasでベスト・エンジェル投資家に選出)など、有名なエンジェル投資家をずらりと名を連ね、さらにベンチャーキャピタルのBlueYard Capitalも後援者となった。

このベルリンを拠点とするBlueYard CapitalはGreta向けに110万ドルのシードラウンドを率いた。さらにSophia Bendz(Spotifyの前マーケティング・グローバルディレクターで、現在はベンチャーキャピタルAtomico幹部)も投資家リストに加わった。筆者の理解ではBlueYardの投資家調査の中で「市場の分散化」「性能の民主化」について触れており、この調査書がきっかけでGretaが同ベンチャーキャピタルに興味を持ったと記憶している。

「ラウンドに加わりたいベンチャーキャピタルは他にもありましたが、現状で考えられる機関投資家はBlueYardしかありませんでした。私たちの主な目的は資金確保ではなく、BlueYardsの知識とグローバルなネットワークの助けを借りることにあります」とTechCrunchに話すのは、GretaのCEOで共同設立者のAnna Ottossonだ。

「今年末までシードラウンドは行わないつもりでしたが、Jason Whitmire(BlueYardのパートナー)に初めて会ったとき、その調査書と世界観に大変興味を持ちました。テクノロジー系スタートアップで大胆な賭けをする意志があることも、Gretaのビジョンと同様に『インターネットをより良くする』という使命についての真剣さも、BlueYardは既に証明済みでした」。

昨年末にローンチしたGretaは、画像や動画などのウェブサイト・コンテンツへの最適ルートを計算し、既存のサーバーとCDNプロバイダーか、Greta独自のピア・ツー・ピアソリューションを経由して配信する。どちらを経由するかはエンドユーザーがより良いエクスペリエンスを得られる方で決定する。

「Gretaが解決しようとしているのは、企業側がエンドユーザーに十分なサイトのパフォーマンスを提供するのは困難で、動画のバッファリングで待たされたりサイトの読み込みが遅かったりするせいで、潜在的な収益だけでなくユーザーも失っている問題です」とOttossonは述べる。

「しかも、重大な局面に限って快適なサイトパフォーマンスが提供できないことが多々あります。ウェブサイトへのアクセスが殺到して、前述のようなパフォーマンスの問題が起きるリスクが高まることが原因です」とも付け加える。

たとえば重大な局面には、大規模なスポーツイベントのライブ配信、eコマース会社による新しいキャンペーンのローンチ、ニュースサイトによる一大スクープの配信などによる動画のストリーミングなどがあるだろう。あるいはHacker News(ハッカー・ニュース)で1位になったスタートアップのウェブサイトにアクセスが殺到し、高サーバー負荷でクラッシュが発生するようなケースもある。GretaのJavaScriptコード1行がここで役に立つ。

「ウェブサイトにGretaのスクリプトを追加すると、リアルタイムなトラフィックの分析を開始し、数時間のうちに個々のサイトに応じたパフォーマンス向上のための推奨事項を提供します。たとえば特定の地域でCDNを切り替えたり、Greta独自のピア・ツー・ピアソリューションを有効にしたり、といった項目です」とOttossonは説明する。

「Gretaのピア・ツー・ピアソリューションはwebRTCに基づくので、直接ブラウザにピア・ツー・ピアでコンテンツの配信が可能です。トラフィック負荷が高い場面でも、動画のバッファリング、サイトのスローダウンやクラッシュのような問題を防ぐことができます。エンドユーザーのエクスペリエンスが最大限に向上するよう、Gretaは常に最適化を行います」。

エンドユーザーのブラウザがwebRTCをサポートする限り、特に追加のソフトウェアをダウンロードやインストールしなくても、GretaならブラウザベースのP2Pコンテンツ配信に切り替えることができる。つまり既存のCDNネットワークから比較的離れたアフリカや中東のような地域でもサイトやメディアストリーミングのパフォーマンス改善が可能になる。

Ottosonはこう締めくくる。「既存のCDNは物理的なインフラストラクチャの構築による制約がありますが、Gretaにはそれがありません。彼らがより優れたパフォーマンスを提供するには、ネットワークを建て増さなければならないでしょう。今あるCDNインフラストラクチャは西ヨーロッパと北米に集中しているので、インターネットのトラフィックが前年比で40パーセントも増えている中東やアフリカのような地域では非常に限られたインフラしかないのが現状です」。

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(翻訳:Ayako Teranishi / website

アプリケーションのためのコミュニケーションAPI(電話、テキスト)を提供するTwilioからWebRTCによるビデオチャットが

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Twilioは長年、デベロッパが自分のアプリケーションに音声電話テキストメッセージングの機能を持たせるためのAPIを提供してきたが、今日(米国時間4/14)からはそのメニューにビデオチャットが加わる。その新しいTwilio VideoサービスはWebの標準規格の一環であるWebRTC — Twilioはそれをすでに一部のオーディオ機能に使っている — を使っていて、今はベータで利用できる。

TwilioのCEO Jeff Lawsonによると、ビデオはもうかなり前から、SkypeやFaceTimeのようなスタンドアロンの消費者アプリケーションや、ビデオ会議のようなビジネスツールの一部になっていた。今回のTwilioのねらいは、ビデオ通話機能をどんなアプリケーションにも容易に組み込めることだ。事故に遭って、保険会社に電話をしたい場合など、ビデオ機能があれば、口頭で説明するだけでなく、車の被害状況を映像で見せられる。

WebRTCはそもそも、そのためにあるものだが、これまでは主なブラウザがサポートしているだけで(Internet Explorerももうすぐ)、一般的なアプリケーションがスケーラブルにそして効率的に利用するためには、個々のデベロッパにいきなりWebRTCのプログラミングをやらせるというより、それを使いやすい形で提供するプラットホームが必要だった。またWebRTCだけではファイヤーウォールを通らないことが多いので、Twilioや、それと競合するTelefonicaのTokBoxのようなサービスがネットワーク横断の面倒を見る必要があった。

Twilio Videoでデベロッパは、最大4人までのビデオ電話と、無制限のビデオ接続、Twilioのデータセンターを介するレイテンシの低いリレー、そしてiOSとAndroid用のSDKにアクセスできる。

Lawsonによると、同社はこれまで2年がかりでビデオのサポートに取り組んできた。長くかかったのは、“P2Pのビデオ通話は速くないといけない”からだ。ただし、“グローバルに低レイテンシである必要はないけど”。チームは自社のオーディオの実装からWebRTCについて多くを学んだ。それは今年あたり、10億分の通話時間をサポートするだろう。

Twilio Videoの利用はデベロッパにとって、かなりやさしいはずだ。TwilioのAPIを過去に使ったことのある人なら、なおさら。ほんの数行のコードを書くだけでビデオを組み込めるし、ベータでは無料だ。料金は未定だが、Lawsonは、多くの他社のように分単位の課金にはしたくない、と言っている。

Twilio Videoを試してみたいデベロッパはここでベータに登録するとよい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

デベロッパのためのWebRTCサービスAPI集Respokeは接続管理機能も提供

オープンソースのPBXソフトウェアAsteriskで人気のDigiumが今日(米国時間2/23)、デベロッパのためにWebRTCサービスのバックエンド(API集)を提供するRespokeを立ち上げた。Respokeは、類似のサービスBistriやTelefonicaのTokBoxなどの仲間だ。いずれも、デベロッパのためにWebRTCによる通信/コミュニケーションプラットホームを提供している。

RespokeのAPIを使ってデベロッパは、ビデオ通話、リアルタイムチャット、画面共有などの機能を自分のアプリケーションに加えられる。今はWebで使うためのJavaScriptライブラリとREST APIを提供しているが、今春内にAndroidとiOSのSDKも提供する。Internet ExplorerとSafariは現在、WebRTCをサポートしていないが、Respokeはそれらのためのプラグインをリリースする予定だ。

WebRTCは優れた技術だが、現状では1対1のピアツーピア通信が中心だ。そのような直接接続は、ファイヤーウォールやネットワークの構成によって妨害されることもある。そこで、Respokeのようなバックエンドサービスの出番になる。それらのサービスは、上記のような問題をメディアリレーを使って回避するだけでなく、WebRTCの規格にないログイン認証やアイデンティティ、プレゼンスなどの管理機能も提供する。デベロッパがコミュニケーションのアプリケーションを作ろうとすると、どうしてもそれらの機能が欲しくなるからだ。

Respokeを使うとデベロッパは、アプリケーションのユーザに電話との通話もさせられる。つまり同社の伝統は電話技術だから、Asteriskベースの電話システムを容易に統合できるのだ。

Digiumの社内スタートアッププロジェクトRespokeは、数か月かかって孵化した。数か月前にベータに入り、その後、そのフィードバックで求められた、入呼起呼の処理(電話通話)、画面共有などの機能を実装した。

Respokeの料金は、ユーザが望む並行接続の最大数、メディアリレーの帯域、電話番号の数と電話使用時間で決められる。5つの並行接続でメディアリレイが5GBの帯域までは、無料だ。有料プランは月額50ドル(50接続、帯域50GB、電話番号1、通話時間500分)から始まる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


今年はWebRTC元年になるだろうか?、その促進要因と阻害要因をさぐる

[筆者: Itay Rosenfeld]

編集者注記:Itay RosenfeldはVoxboneのCEO、通信業界で13年の経験がある。

WebRTC(Web Real-Time Communication)は、ブラウザ上でプラグイン不要で音声やビデオによる通話を可能にするオープンソースの標準規格〔APIの定義〕で、2012年にGoogleがW3Cに提案した。WebRTCを使うと、たとえばブラウザの画面に相手を表すボタンがあって、それをクリックすれば音声やビデオによる通話が始まる。

その‘相手’は、個人や会議のプラットホーム、カスタマサポートサービス、ビデオのソースなど、さまざまだ。こういうリアルタイム通信がブラウザ上で簡単にできるようになると、消費者のインターネットの使い方も大きく変わってくるだろう。個人間だけでなく、生活にサービスや物資を供給する企業との関係においても。

WebRTCで従来の通信型式が要らないものになる?

WebRTCが明日からすぐに、たとえば今の電話システムを不要にしてしまうわけではない。しかしそれでも、今年は、従来的な通信とWebアプリケーションの両方を補完し補強するような形で、WebRTCが大規模に採用されるだろう。今すでに芽生えていて、これからさらに大きく伸びると思われるトレンドを、列挙してみよう。

音声とビデオによるリアルタイムのカスタマサポート 企業のWebトラフィックをWebRTCによるコンタクトセンター(お客様承り所)の対話に導くことは、一般的にありえるビジネスケースだ。AmazonのMaydayAMEXのLive Video Chatなどのサービスは、WebRTCの技術でWebアプリケーションのユーザとコンタクトセンターの対話が改良されることを実証している。

カスタマサポートにWebRTCを利用することには、そのほかの利点もある。たとえば、ユーザからの入呼があった時点でその顧客の基本情報が分かるので、カスタマサポートの効率が大幅にアップする。いろいろ質問しなくてもよい。

クリック一発で会議に参加 WebRTCで仮想会議に参加できる。これまでは、ビデオは一部のハイエンドな会議でしか利用されないし、音声アクセスは電話によるものがほとんどだった。

とくにWebRTCによるオーディオはHDで空間性(サラウンド)ありなので、会議での効果が大きい。しかもそのコストは、会議の主催者とユーザの両方にとって安上がりだ。電話会議にありがちなドジとヘマの数々も防止できる。

グローバル化 スマートフォンなどの電話システムではサービスやビジネスのグローバル化〜多国籍化がなかなか難しいが、WebRTCなら簡単だ。たとえばワイヤレスのキャリアはWebRTCを使って世界中のどんなネットワーク上のどんなデバイスに対してもコミュニケーションサービス(ビデオ、音声、SMS等々)を提供でき、しかもそのために、スマートフォンの機種などを特定する専用アプリは要らない。

たとえばT-Mobileが最近発表したWiFi通話機能は、WebRTCを使えばもっと簡単に実現できる(今はまだ使ってない)。今年のCESでは、AT&Tが合衆国のキャリアとしては初めてWebRTCのサポートを発表した。

新しいサービスやビジネス 従来の通信サービスを超えるような新しいサービスがいくつかすでに登場している。それらはWebアプリケーションの一部としてリアルタイム通信を使い、中にはまったく新しいビジネスモデルもある。たとえばPopExpertなどのミニミニコンサルティングサービスは、消費者とエキスパートをビデオチャットで結びつける。

またNTTのSkyTalkは、WebRTCによる音声とビデオの対話をベースとするソーシャルアプリだ。2015年にはさらに新しい多様なWebRTCの利用例が、数多く登場するだろう。

WebRTCの本格普及の前提

以上のように、すでにいろいろなトレンドが芽生えている中で、WebRTCの大量採用(大衆化)の決め手となるビジネスモデルは何だろうか? ぼくの考えでは、WebRTCはこれまでのような新しくて珍しくて無料のコミュニケーションのベースになるものから、企業向けのソリューションや、消費者向けの会費制のソリューションに移行していくだろう。その主役は、企業向けでは会議サービス、消費者向けではエキスパートによるコンサルテーションサービスだ。

しかし、上記のようなWebRTCの大普及のためには、二つのことが必要だ:

1. MicrosoftとGoogleとAppleがWebRTCをめぐる抗争をやめること

この抗争がWebRTCの初期からずっとあるので、今だにChromeとFirefox以外のブラウザがWebRTCをサポートしていない。これでは、大衆化は無理。使用するコーデックをめぐっても抗争があるので、それが解決しないかぎりWebRTCによるビデオの利用は普及しない。

昨年後半にGoogleとMicrosoftはWebRTCの普及を妨げている障害物の除去に向けて一歩を踏み出した。願わくば近い将来には、ChromeとInternet ExplorerとFirefoxの三者がWebRTCによるビデオをサポートしてほしいし、そうなれば一挙に、怒涛のような大普及が始まる。SafariのWebRTCサポートに関しては、まだ音沙汰がない。

2. ユーザ体験の質的向上

WebRTCが有料サービスでも利用されるためには、今の消費者が慣れている電話ネットワークのそれと並ぶ、あるいはそれを凌(しの)ぐ、高品質なユーザ体験が必要だ。インターネット通信が落ちたり低品質になることは誰もが経験しているが、サービスの多くが無料だからみんな我慢しているだけだ。

WebRTC、つまりWeb上のリアルタイム通信は、便利だし、HDのオーディオやビデオは魅力だが、通信の品質が悪すぎると、なかなかユーザ数は増えないだろう。今そのためのソリューションが開発中ではあるけど。

安定した通信の質が確保できること、そして既存のコーデックがすべてサポートされ、またメジャーなブラウザのすべてがWebRTCをサポートすれば、2015年はWebRTCが離陸する年になるだろう。しかし、そのためにやるべきことは、とても多い。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


MozillaがWebRTCプロバイダのTokBoxと組んでブラウザ本体に汎用コミュニケーション機能を持たせる実験を開始

Mozillaが今日(米国時間5/29)、WebRTC APIのプロバイダTokBox提携してブラウザ本体にWebRTCによるコミュニケーション機能を持たせる実験を開始する、と発表した。当面その実験は、FirefoxのNightlyリリースに実装されるだけなので、一般ユーザの利用はまだ先の話だが、たいへん興味深い取り組みであることは確かだ。

WebRTCは、ブラウザ間でリアルタイムデータやオーディオ、ビデオなどをプラグイン不要で送受するための規格で、FirefoxとChromeはすでに通常バージョンでサポートしている。Microsoftのブラウザはこれをサポートせず、独自の規格をスタンダードとして提案している。

MozillaのFirefox担当プロダクト管理部長Chad Weinerによると、同社は現在のコミュニケーションおよびソーシャルネットワーキングの市場が分断化されていることを懸念している。

Weinerは次のように語る: “Mozillaなら、それらの壁を壊してあげることができるのではないか、と考えた。つまり、とてもたくさんの人が使っているブラウザの本体に、オープンで相互運用性に富むコミュニケーション機能が備わっていれば、よいのではないか”。

またWeinerによると、長期的な展望としてはMozillaがWebRTCのエコシステムを作って、それがすべてのデバイスとオペレーティングシステムを横断する、ないしカバーする形にしたい。そもそもWebRTCのねらいが、それだから。WebRTCを使ったサービスはすでにいろんなものが、完成製品に近い形で作られてはいるが、どれもまだ実験段階だ、と彼は言う。

Mozillaがこの機能の実験のためにパートナーとしてTokBoxを選んだことは、意外ではない。TokBoxは2012年にスペインのキャリアTelefonicaに買収されたが、長年、WebRTCの世話役のような役割を担ってきた。現状のWebRTCのプロトコルは帯域の変動に対する自己調整機能がない、マルチユーザチャットがサポートされていない、などの短所があるので、TokBoxのような有能な第三者が介入して、そういう高度な機能を構成し提供する必要があるのだ。TokBoxのビデオチャットがFirefoxのサポートをローンチしたのは、1年あまり前だ

ぼくが見たかぎりでは、その新しい実験的WebRTCアプリケーションはまだNightlyに登場していない(隠れ機能になっているのか…)。NightlyのURLはここなので、いずれ近いうちに、ダウンロードできるようになるだろう。安定版ではないことを十分承知のうえで、試してみられることを、おすすめしたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


TokBoxのWebRTCプラットホームOpenTokがネイティブAndroidアプリをサポート

TokBoxの今日(米国時間11/19)の発表によると、同社のWebRTCプラットホームOpenTokが拡張され、ネイティブのAndroidアプリの構築もサポートすることになった。これによりデベロッパは、彼らのネイティブのAndroidアプリにOpenTokを使ってリアルタイムビデオとオーディオによるチャットを含めることができる。同社の発表によるとデベロッパは、このプラットホームを使ってビデオをアーカイブしたり、アプリケーションの中でそれらを再生したりも、できるようになる。

同社によるとこれらの機能は、同社のデベロッパコミュニティからの要望がもっとも熱烈だったツールに属する。TokBoxが同社のAndroid SDKの初期のバージョンをローンチしたのは、今からちょうど1年前だが、それにはWebRTCは使われていなかった。

アーカイビング機能により、会話を単一のH.264/AAC MP4ファイルに保存でき、それをデベロッパはダウンロードして、任意のプレーヤーによりストリーミングできる。

TokBoxはこのほか、OpenTokプラットホームに品質向上機能を2つ加える。今回のリリースでは、デベロッパはビデオストリームのフレームレートをリアルタイムで設定できるようになり、帯域リソースの管理を充実させる。それは、WebRTC自身にはない機能だ。さらにもう一つ、TokBoxはTCPのサポートにTURNを加え、これまでファイヤウォールのために動けなかったWebRTCアプリケーションが動けるようにする。

今週行われるWebRTC ExpoとWebRTC Conferenceで、この新しい技術(WebRTC)に関する詳しい話が、いろいろと聞けるだろう。たとえばWeemoは今朝、WebRTCによるビデオチャットの、ネイティブのiOS/Androidアプリサポートを発表した。ただし技術的には似ていても、WeemoのビジネスモデルはTokBoxとは違って、デベロッパではなくソフトウェアのベンダが顧客だが。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Chrome 29ベータはAndroidにWebRTCとWeb Audio APIを実装, デスクトップではOmniboxを改良

Googleが今日(米国時間7/16)、Chrome 29のデスクトップAndroid用バージョンのベータをリリースした。とくにAndroid版に重要な変化があり、オーディオ合成処理のためのWeb Audio APIと、リアルタイム通信のための最新API WebRTCをサポートしている。

デスクトップ版(Windows、Mac、Linux)のアップデートには、omniboxの改善提案が取り入れられ、ユーザが最近訪れたWebサイトが尊重されるようになった。このほかデスクトップバージョンでは、WebMによるビデオ再生でGoogle自身のVP9コーデックがサポートされた。


ただしWeb Audio APIが当面使えるのは、NEONオプティマイゼーションをサポートするARMデバイスのみである。これは、ARM Cortex-A8プロセッサで導入された新しい命令を実行する方法のことだ。Web Audio APIをサポートしている実機の上では、ここでそのデモを楽しめる。デスクトップのChromeでは、かなり前からサポートされている。またiOSと、今回のAndroid用ベータもサポートしている。

なおFirefoxは、先週のNightlyがこのAPIをサポートしている。

WebRTCは、このAPIを使うとビデオとオーディオによるリアルタイム通信がプラグイン不要でできる。それが、今回はAndroid用ベータでサポートされた。デスクトップのChromeは、このAPIを早くからサポートしたブラウザの一つだ。実装が今後さらに普及すれば、多くのデベロッパの関心がそれに向かい、Webブラウザのほとんど標準的な機能になるだろう。ChromeとFirefoxはすでにサポートしているが、MicrosoftはInternet Explorer 11までお預けのようだ。

WebRTCに関しては、Googleのビデオチャットのデモがここにある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Firefox 22安定版リリース―asm.jsとWebRTCをサポートでウェブ・アプリ開発全般にも大きな影響

今日(米国時間6/25)、MozillはFirefox 22リリースした。これはWebRTCプロトコルasm.js JavaScriptサブセットをサポートする最初の安定版Firefoxだ。

Microsoftの場合を除けば、現在、ブラウザのアップデートは日常的ルーチンになっている。しかし今回のWebRTCとasm.jsの追加は今後のウェブアプリの開発のあり方を大きく変える可能性がある。当面Firefoxをターゲットにしていないデベロッパーもこの変化には注目しておく必要があるだろう。

 

ビルトインWebRTCのサポート

デベロッパーはWebRTCを利用してビデオチャットや音声通話、ファイル共有などの機能をビルトインしたアプリを開発することができる。サードパーティのプラグインやソフトウェアを組み込む必要はない。Tokboxを始め多くの企業がWebRTCに社運を掛けている。しかし現在までWebRTCをサポートする有力ブラウザはGoogle Chromeだけだった。今回Firefox安定版がWebRTCをサポートしたことでスタートアップも既存大企業もこぞってこのテクノロジーの利用を始めるだろう。今のところMicrosoftだけがWebRTCとは異なる規格の採用を決めているが、将来Internet ExplorerにもWebRTCが採用される可能性は大いにある。

asm.js

asm.jsもゲームのルールを変える可能性のある重要なテクノロジーだ。われわれが3月の記事で詳しく紹介したとおり、asm.jsはJavaScriptのサブセットで、ウェブブラウザ内でネーティブアプリに匹敵する高速で作動する。MozillaのCTO、BrendanEichは私の取材に対して、「メモリが安全ではないC、 C++のような言語に対して安全なバーチャルマシンを構成できるJavaScript言語のサブセットだ」と説明した。EmscriptenのようなC and C++をasm.js向けにコンパイルできるツールのおかげで、デベロッパーは既存のC、C++プログラムをブラウザ内で安全に作動させることができるようになる。

この新機能はMozillaのBananaBreadゲーム・デモで試すことができる。このデモにはWebGL、Emscripten、asm.js、WebRTCが使われており、ハイエンドの3Dマルチプレイヤー・ゲームをブラウザ内で高速に作動させることができることを証明している。

その他Firexfox 22ではWebGLのレンダリングのパフォーマンスの向上などいくつかのマイナー・アップデートがある。詳細なリリースノートはこちら

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


WebRTCとWeb AudioとWebGLのパワーを見せつけるためにオープンソースのPongクローンをGoogleがローンチ

Googleが今日(米国時間6/12)、PongゲームのクローンCube Slamを、オープンソース立ち上げた。ブラウザの上で、友だちやコンピュータと対戦できる。そのこと自体はあまりエキサイティングでもないが、しかしGoogleはこのゲームを、WebRTCとWeb AudioとWebGLのデモとして作ったのだ。

多くの人、とくにデベロッパにとって、WebRTCは、ブラウザ上でできるプラグイン不要のビデオ会議を意味しているが、しかしCube Slamはこの通信技術を使って、プレイ中にライブのビデオとオーディオのストリームを友だちの仮想スクリーンに映し出す。

とりわけ重要なのは、このゲームがWebRTCのRTCPeerConnectionRTCDataChannelを使って、オーディオとビデオと“ゲームの同期を維持するためのあらゆるデータ”を、二つのマシン間で送受していることだ。WebRTCのこの二つの部位は、これまで知らなかったデベロッパが多いと思う。

Googleの主張によるとCube Slamは、“ RTCDataChannelを使った初めての大規模なアプリケーションであり、そのAPIはWebSocketに似ているが、しかしデータをRTCPeerConnectionのピアツーピアリンクで送る”。

明らかにここでGoogleが見せたいのは、WebRTCのパワーだ。すでにWebSocketに関しては同様のことを実験作Racer Chromeでやっている。そしてまた同時に、WebGLとWeb Audioで何ができるかも、見せつけたいのだ。

このゲームのインフラストラクチャはGoogleのCompute Engineがホストし、そのコードはここで入手できる。

今Cube Slamを動かせるのはデスクトップのChromeとChrome OSだ。今年後半にはAndroidのChromeでも遊べるようになる。ただし今でも、chrome://flagsのメニューで”WebRTC Android”を有効にすると、Android上で試用できる。

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トラフィックの真ん中にクラウドを置いてWebRTCの制約を克服–TokBoxが複数者ビデオチャットを可能に

TelefonicaのTokBoxが今日(米国時間4/25)、WebRTCを使うOpenTokサービスの重要なアップグレードを発表した。新たに作られたメディア分散フレームワークMantisにより、ビデオの分散に関するWebRTCの制約を克服するのだ。つまり、WebRTCはピアツーピアの通信形式だが、しかしそのために、そのままではビデオチャットなどは二者間でしかできない。そこで、クラウドインフラであるMantisが仲立ちをすることによって、三者以上の複数者間のビデオチャットが可能になる。しかも、単純なピアツーピアだけでむりやりマルチ(複数者間自由通信)をやる場合のように大量の帯域を使うこともなく、複雑なメッシュ的アーキテクチャも要らない。

TokBoxのCEO Ian Smallによると、この技術で将来はビデオストリームをユーザの帯域条件やデベロッパのニーズに合わせて最適に構成できるようになる。“Mantisによってわれわれは、WebRTCのインフラに頭脳を持たせたのだ。将来は、今のようにトラフィックをルーティングするのではなく、トラフィックを構成できるようになる”。

Mantisの今の機能の中でもとくにクールなのは、SIPの相互運用性だ。デベロッパがWebRTCアプリを書くと、ユーザはそれを標準の電話回線から呼べる。だからWebRTCのビデオチャットをマルチでやる場合も、参加者の一部が通常の電話回線から参加できる。

今現在のOpenTokのマルチチャットは最大10名までだが、ウェビナーのように一人だけがしゃべりっぱなしというタイプでは、100名以上でも対応できる。Mantisのベータテストは、LiveNinjaRoll20の協力により行われた。

しかしWebRTCの部分は抽象化/ブラックボックス化されているので、デベロッパがそれに関してとくに何かをする必要はない。デベロッパは、必要なトポロジー(P2Pか、マルチパーティーかなど)作って、通信を開始するだけだ。あとは、いっさいをクラウドが引き受ける、とSmallは言う。クラウドに一元化されていると、今後の新機能の導入/展開もやりやすい。

WebRTCはまだ成熟途上の技術だが、Smallはそのことを認めつつ、たとえば今後Firefoxの安定版がそれをサポートするようになれば本格的な普及段階に入るだろう、と言う。今はまだ、少数のデベロッパたちによる実験段階に過ぎず、アーリーアドプター(新し物好きの先進ユーザ)たちすらいない、と。

TokBoxのWebRTCが使えるのは、目下、ChromeとデスクトップのFirefoxだけだ。Chrome FrameからならInternet Explorerも使える。モバイルでは、Android上のChromeと、OpenTok SDKによるiOSネイティブアプリで使える。

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あなたのページにWebRTCのビデオチャットを埋め込める–Fresh Tilled Soilの一連の実験より

WebRTCを使ってデベロッパは、自分のWebアプリケーションにプラグインなしでリアルタイムの音声通話やビデオチャット、ファイル共有などの機能を導入できる。ChromeとFirefoxはすでにこれをサポートしているが、そのほかのブラウザもいずれ彼らに続くだろう。しかし現段階ではWebRTCは規格も実装も実験段階で、まだ多くのサイトがこぞって採用するまでには至っていない。また自分のサイトへの導入も、Conversat.ioのようなプロジェクトはあるものの、まだ容易ではない。

WebRTCを試してみたい、WebRTCを使ったビデオチャットウィジェットを自分のサイトに載せてみたい、と考えている人たちのために、ボストンのUI/UXデザイン会社Fresh Tilled Soilが、WebRTCによる埋め込み可能なビデオチャットウィジェットをローンチした。

本誌TechCrunchはベースが裸のWebサーバではなくWordPressなので、少なくともその現状の設定ではウィジェットを正しく埋め込めないが、ご自分のサイトで試してみたい方はここを訪ねてみられよ。

多くのこの種のプロジェクトと同様に、ユーザがすることといえば、チャネルの名前を決めて、それを友だちと共有し、そうすると数秒後にはチャットを開始できるはずだ。

ただし今現在は、デスクトップのChrome最新安定バージョンとAndroidのChrome Betaでしか使えない。もうすぐ、Firefoxもサポートされる。WebRTCはピアツーピア通信なので、ホストは最初のハンドシェイクを処理するだけだ。だからサーバの負荷はとても低い。

WebRTCのこの実験は、Fresh Tilled Soilがこれまでやってきた一連のテストの最新のものだ。これまでのものの中には、WebAudioAPIを使った音声処理や、音声入力のためのメディアキャプチャとストリームなどもある。また同社のこのクールで小さな実験では、Webカメラを使ってユーザと画面との距離を測り、フォントのサイズを調節する。

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Firefox 20がローンチ: プライベートウィンドウ, ダウンロードマネージャの刷新, WebRTCとHTML5の実装が充実, など

Firefox 20がリリースされ、今日(米国時間4/2)からダウンロードできる。この新バージョンの最大の目玉は“プライベートウィンドウで開く”という閲覧モードができたことだ。これでデスクトップのFirefoxユーザは、ブラウザを終了しなくてもプライベートウィンドウを開けるようになった。またFirefox for Androidのユーザは“プライベートタブ”を開ける。このほか新バージョンでは、デスクトップのダウンロードマネージャが改良され、モバイルではホーム画面のショートカットにお気に入りのサイトを置け、そしてHTML5とWebRTCのサポートがさらに充実した

Firefox for Androidの新バージョンは非力なARMv6プロセッサを使っているデバイスもサポートする(Samsung Galaxy Next, Dart, Pop, Q; HTC Aria, Legend; ほか)。

プライベートウィンドウ/タブについてMozillaは、“それまでの閲覧を妨害されずにお誕生日プレゼントの買い物をプライベートウィンドウでできる。複数のメールアカウントを同時にチェックできる”、という説明をしている。

でも、ユーザが最初に気づく機能は、新しいダウンロードマネージャだろう。下のビデオはそれを解説している:

デベロッパ向けには、今度のバージョンでWebRTCのgetUserMediaがサポートされた。これを呼び出してデベロッパはユーザのカメラやマイクにアクセスできる(パーミッションがあるなら)。HTML5では<canvas>でブレンドモード(色を重ねる)がサポートされ、また<audio>と<video>の実装が改善された。

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TokBoxのWebRTCによるビデオチャットがFirefoxのNightlyとAuroraに対応

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スペインのTelefónicaが2012年に買収したTokBoxは、ビデオチャットサービスの中では早くからWebRTC(Web Real-Time Communication API)を採用した企業の一つだが、今WebRTCは、プラグインが要らずブラウザ本体の中でビデオやオーディオのリアルタイム通信ができる技術として、標準規格の整備が急がれている。TokBoxは、今年初めにChromeで使えるようになったのに続き、今日(米国時間2/25)はMozillaのFirefoxにも対応した。ただしFirefoxの最終安定バージョンではなく、先進機能をテストしているバージョンであるAuroraとNightlyにおいてだ。そこでFirefoxのデベロッパたちはTokBoxのWebRTCバージョンであるOpenTokプラットホームを利用して、自分のアプリにビデオ通信機能、たとえばビデオチャットなどを実装できることになった。そのチャットは今や、iOSとChromeとFirefoxのユーザ間で可能だ。

WebRTCがFirefoxの先行リリースバージョンに載ったということは、安定リリースバージョンではバージョン21か22あたりでWebRTCがサポートされるのかもしれない(今はバージョン19)。

tokbox screenshot

TokBoxのCEO Ian Smallの話では、同社がMozillaとの共同作業を開始したのは昨年の11月ごろだ。彼のチームはMozillaによるWebRTCの実装に初期段階からアクセスできることになり、実装の安定化に向けてのMozillaの努力につきあってきた。TokBoxのOpenTokプラットホームは、デベロッパがWebRTCのブラウザごとの実装の違いを気にする必要がなく、またビデオを大量のビューワにブロードキャストしたり、ビデオを録画するなど、ふつうのブラウザネイティブのWebRTCアプリケーションにはないようなサービスも提供している。OpenTokは、同社(TokBox)によれば、7万あまりの企業や団体が使っており、その中にはMajor League Baseball、Ford、Bridgestone、それにリモートプレゼンスを提供するスタートアップDouble Roboticsなどがいる。

Smallによると、“Firefox 21(近未来)とChrome 25(現在)の間で、安定的な相互運用性が得られるようになるだろう”、という。彼によると、WebRTC自身がまだ幼児期であり、ブラウザ内のネイティブバージョンを使って2人の人間のチャットは可能でも、グループチャットや録画は多くの実装がサポートしていない。またWebRTCの標準規格も、それらの機能ははサポートしていない。またTokBoxにおけるSmall自身のWebRTC体験に基づくと、その仕様はGoogleのVP8形式以外のビデオコーデックにも対応すべきだ。そしてまた、アプリケーションがユーザにより多くの帯域を許容できるために、帯域の割り当てをWebRTCの標準規格に(標準機能として)盛り込むべきだ、と彼は語った。

このように、課題や問題はいろいろあるけど、Small曰く、今年の後半はWebRTCがデベロッパ界隈で本格普及期に入る。今やモバイルでもデスクトップでも、主なブラウザがすべて、WebRTCをサポートしているのだから。

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Firefoxの先行テスト版がWebRTC, H.264, MP3をデフォルトでサポート

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Firefoxブラウザのテスト専用の先進的バージョンFirefox Nightlyで、WebRTCがデフォルトでサポートされた。WebRTCは、プラグインなしでブラウザ自身がリアルタイムのUDP通信を行う規格で、とくにオーディオやビデオによる対話やコンテンツ配布に適している。これまではFirefox Nightlyのオプションとしてサポートされていたが、これがデフォルトになったことにより、数か月後には安定版(正規リリース版)の工程に組み入れられることが期待される。

MozillaのPaul RougetとRober Nymanが今日の発表声明の中で、“これは大きな前進である。これにより特殊な設定や構成を必要とせずにWebRTCを直接、Webブラウザの中で動かせるようになる”、と書いている。

おそらく今年いっぱい、WebRTCがにぎやかな話題になるだろう。主なブラウザがこぞって、その実装を開始しているからだ。Chromeはすでにバージョン23から安定版でWebRTCをサポートしており、最近Mozilla とGoogleは、二つのブラウザのユーザ同士がWebRTCを使って対話できる、というデモを公開した。

なお今回のFirefox Nightlyでは、H.264とMP3形式がサポートされる。ただしデコードはオペレーティングシステムが行い、今はWindowsの7以上のみでサポートされる。MacとLinuxのサポートは、目下開発中だ。

Mozillaが今週初めに発表したように、このNightlyリリースはWindows 8のMetroインタフェイスをサポートしている。

WebGLのデモも…

ちょっと関係のない話題だが、Mozillaは今日(米国時間2/20)、WebGLの すばらしいデモ発表したACTISKUのAnthony Liotが書いたこのデモは、Webブラウザもついにここまで来たか!と思わせる最先端のグラフィクスであり、しかもデベロッパはプラグインに依存せずにクロスプラットホームな体験をユーザに容易に提供できる。ただし現状では、Internet ExplorerがまだWebGLをサポートしていない。

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グループビデオチャットのTenHandsがChromeのWebRTCで実装–プラグイン不要に

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Webアプリケーションとモバイルアプリ向けにビデオコラボレーションサービスを提供しているTenHandsが、WebRTCのサポートを発表した。WebRTCはブラウザ内でプラグインを使わずにオーディオやビデオによる通話ができるためのJavaScriptライブラリで、TenHandsのAPIは、ユーザがChrome 24より上のブラウザを使っている場合には自動的にWebRTCによるオーディオビデオ通話を行う。

これまでの(そしてデフォルトの)TenHandsは、Chromeの場合のようにブラウザがWebRTCをサポートしていなければ、自分のWebRTCプラグインをインストールするので、デベロッパは相互運用性を心配する必要がない。しかしTenHandsは、いずれどのブラウザもWebRTCをネイティブでサポートする、と予測している。その標準規格化に関して、Microsoftだけは独自の考えのようだが、いずれにしても今すでにWebRTCの普及に期待しているベンダは多い。Skypeを抱えるMicrosoftも当然、このレースに加わるはずだから、向こう数か月の標準規格をめぐる議論からは目を離せない。

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TenHandsのCOO Jack Blaeserによれば、どのWebブラウザも標準規格として確定したWebRTCをサポートするようになれば、ビデオの民主化に向けての大きな前進になる。これからは個々のアプリケーションやベンダ(AT&T, Verizon, Skype, …)に閉じこめられることなく、どんなユーザでも、どんなアプリケーションでも、ブラウザの上で、HDビデオと音声によるコミュニケーションができるようになる。そのための特殊なハードウェアやソフトウェアは要らない。

Blaeserの見方では、それによって数々の新しいユースケースも生まれる。たとえばコールセンターは、Webでもモバイルでも、ビデオと音声でリアルタイムの対話ができるようになる。またWebRTCの標準化と普及により、遠距離学習や遠隔医療などがより簡単にできるようになり、イノベーションを加速する。“ブラウザが情報へのアクセスに革命をもたらしたように、WebRTCによってそのブラウザがさらに、ビデオと音声によるコミュニケーションのメインの手段になり、通信市場全体が大きく変貌する”。ということはつまり、これまでの携帯キャリアとか放送局〜放送会社など、大量の通信帯域を特定目的だけのために独占していた業態は、不要になると思われる。インターネットでも、Skypeに代表されるような私企業的規格に基づくアプリケーションは、おそらく御用済みになる。

TenHandsがさらに主張するのは、同社が“GoogleによるWebRTCの実装を利用する、初めての、Flashに依存しない、リアルタイムの商用ビデオソリューション”であることだ。ただし、TwilioPlivoTokBoxなどのビデオプラットホームもすでに、各種のWebRTCベースのサービスを提供している(多くはまだベータだが)。

TenHandsの創業は2011年で、それ以降今日まで、レーダーに映らない低空飛行を続けてきた。しかしこのところ、WebRTCがホットな話題になってきたので、同社のステルスモードもあと数か月で終わるだろう。Chrome向けの、ネイティブWebRTCによる実装のローンチを記念して同社は、2月9日にAPIのハッカソンを行う。優勝賞金は4000ドルだ。

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