WeChat PayとAlipayのパートナーのQFPay、新デジタル決済手法の開発へ約21億円を調達

デジタル決済スタートアップのQFPayは米国時間8月13日、Sequoia Capital ChinaとMatrix Partnersが主導する新たな資金調達で2000万ドル(約21億円)を確保したと発表した。インドネシアの国営通信会社のTelkom Indonesiaの投資部門であるMDI VenturesとRakuten Capital、VentureSouqも新たな戦略的投資主として参加した。

Crunchbaseによると、これでQFPayの暢達総額は3650万ドル(約38億円)となった。この資金は新たなデジタル決済製品の開発に使われる予定だ。

QFPayはWeChat PayとAlipayの最大のグローバルパートナーであり、世界中の小売業者による支払い処理を可能にしている。2012年に設立されたQFPayは中国で最初にサービスを開始し、QRコードベースの技術で知られている。これにはエンドツーエンドのオンライン/オフラインのモバイル決済手法や、食品注文や顧客ロイヤリティプログラムを含む。同社によると、これまで120万以上の小売業者にサービスを提供し、10億以上の取引を処理したという。

QFPayは現在、カンボジア、中国、香港、インドネシア、日本、韓国、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、アラブ首長国連邦の13市場でサービスを提供している。

共同設立者かつCEOのTim Lee(ティム・リー)氏は声明にて、「デジタル決済の発祥の地とされる中国で事業を開始して以来、この分野で実績やノウハウを蓄積してきた。過去7年間で学んだことを活かし、デジタル決済、とくにQRコード決済の需要が高まる中、アジアの他の地域でキャッシュレスの動きをリードできることをうれしく思う」と述べている。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

関西圏のキャッシュレス加速へ、JR西日本系28施設約3000店がコード決済対応

西日本旅客鉄道は5月20日、同社の連結子会社13社が運営するショッピングセンター28施設内の約3000店舗で、スマホによるコード決済に対応することを発表した。5月21日より「天王寺ミオ」と「和歌山ミオ」でPayPayとLINE Payが利用可能になる。

6月には「アルビ大阪」「アルビ住道」「エスト」「アルデ新大阪」などでほかのコード決済サービスを含めて順次利用可能となる。8月以降は大阪と富山、岡山、島根、鳥取の全施設と広島のさんすて福山、9月以降は兵庫の全施設と広島のエキエ、10月以降は京都の全施設、そして2020年2月に石川と福井の全施設、計28施設が導入する予定だ。具体的には以下の28施設

  • 大阪府
    天王寺ミオ(天王寺SC開発)
    アルビ大阪(JR西日本大阪開発)
    アルビ住道(JR西日本大阪開発)
    エスト(JR西日本大阪開発)
    アルデ新大阪(新大阪ステーションストア)
    ルクア大阪(JR西日本SC開発)
  • 兵庫県
    リブ(神戸SC開発)
    プリコ六甲道(神戸SC開発)
    プリコ三ノ宮(神戸SC開発)
    プリコ神戸(神戸SC開発)
    プリコ垂水(神戸SC開発)
    ピオレ明石(神戸SC開発)
    プリコ西明石(神戸SC開発)
    ピオレ姫路(神戸SC開発)
  • 和歌山県
    和歌山ミオ(和歌山ステーションビルディング)
  • 京都府
    ポルタ(京都ステーションセンター)
    ザ・キューブ(京都駅観光デパート)
  • 富山県
    マリエとやま(富山ターミナルビル)
    とやマルシェ(富山ターミナルビル)
  • 石川県
    金沢百番街(金沢ターミナル開発)
    プリズム福井(金沢ターミナル開発)
  • 岡山県
    岡山一番街(山陽SC開発)
    さんすて岡山(山陽SC開発)
    さんすて倉敷(山陽SC開発)
  • 広島県
    さんすて福山(山陽SC開発)
    エキエ(中国SC開発)
  • 鳥取県
    シャミネ鳥取(JR西日本山陰開発)
  • 島根県
    シャミネ松江(JR西日本山陰開発)

対応するコード決済は、PayPay、LINE Pay、Origami Pay、メルペイ、d払い、au PAY。そのほか中国系のアリペイ、WeChat Payも使える。併せて電子マネー決済も導入し、SuicaやICOCAをはじめとする交通系ICカードのほか、iD、QUICPay、nanaco、PiTaPa、楽天Edy、WAONが利用可能になる。

なお、今回のコード決済と電子マネー決済に併せて導入されるのが、NTTデータが提供するクラウド型総合決済プラットフォーム「CAFIS Arch」。決済端末本体と電子マネー/クレジットカード/デビットカードの認証端末、コード決済用のハンディーリーダーで構成される。

QRコード決済時のイライラを解消、d払いやLINE Pay対応のマルチ決済サービス「クラウドペイ」

デジタルガレージを中心とするDGグループは5月16日、複数のQRコード決済に対応する決済ソリューション「クラウドペイ」の提供を開始した。

クラウドペイは、利用者が店舗の設置されているQRコードを読み取って決済するユーザースキャン方式を採用するが、このQRコードが複数のコード決済サービスに対応しているのが特徴だ。利用者が使いたいコード決済アプリを起動してQRコードをスキャンして支払金額を入力すると、決済が完了する仕組みだ。

コンビニなどのPOSレジ店舗は、利用者のスマホに表示されたコードを読み取って決済するストアスキャン方式だが、利用者が購入した商品の袋詰めを優先するスタッフもいれば、決済を優先するスタッフもいるので、店員との呼吸が合わないとイライラすることが多い。クラウドペイであれば利用者のタイミングでスキャンできる点は魅力だ。ただし、各種ポイントカードはストアスキャン式が多いので、場合によっては手間が余計かかる。

店舗側のメリットとしては、ユーザースキャン方式のためレジにQRコードリーダーなどのハードウェアを追加する必要がなく、導入コストを抑えられる。個別の事業者と都度契約することなく、複数のQR・バーコード決済サービスを一括導入することもできる。前述のようにQRコードは1つに共通化されているので、レジ回りのスペースもすっきりする。さらに、ユーザースキャン方式では決済額と決済したかどうかをリアルタイムに判別するには利用者のスマホを店舗側が確認する必要があったが、「クラウドペイ」の加盟店専用アプリに備わる取引管理機能で、決済状況の確認やキャンセルをアプリ上で処理できる。決済手段にかかわらず売上金は「クラウドペイ」から一括入金されるのも魅力だ。

クラウドペイでは6月末からd払いの決済に対応後、AlipayやWeChat Pay、メルペイ、LINE Payに順次対応していくとのこと。

WeChatがLINEと提携し、訪日する700万人の中国人観光客を狙う

中国最大のチャットアプリWeChatは、中国観光客たちに人気のある訪問先である日本で、その支払サービスをより普及させようとしている。

火曜日、Tencentが運営するこのメッセンジャーは、モバイル決済に関して日本のLINEチャットアプリとの提携を発表した。この提携により、LINE Pay端末を設置済の日本の実店舗で、WeChat Payの直接支払いを行うことが可能になる。通貨両替の手間を掛けることなく、中国人客はただWeChatアプリを起動して、店舗側が提示するQRコードをスキャンして支払うことができる。

この新しい同盟は、Tencentの最も強力なライバルAlibabaによる、似たような動きに続いたものだ。9月には、巨大電子商取引企業Alibabaの支払い子会社であるAlipayが、中国から国外に出ていく旅行者を獲得するために、Yahoo Japanと提携した

Tencentは、TechCrunchから問い合わせを行った際には、このスキームを通じて潜在的に、どれくらいの数の小売業者にリーチできる可能性があるかについては答えなかった。しかし同社は、LINE Payとの提携により、中小規模のビジネスがモバイルペイメントに比較的安いコストで対応できると語った。なぜなら小売店はそのためにQRコードスキャナーを購入する必要がないからだ。

WeChat PayとAlipayは、既にここ数年の間、日本で独立して運営されている。例えばWeChat Payは、2017年6月から2018年にかけて、日本での取引件数が6倍に増加したと主張している。

一方、地元の店舗に幅広く提携店舗を持つことは、AlibabaやTencentが、ますます洗練されつつある中国人観光客の波に乗ることを助けることができる。

LINEとの提携は「WeChat Payを中小規模の小売店に普及させ、中国人たちに有名な観光スポットだけではなく、より日常的な場所でも使ってもらう動きを加速します」とTencentの広報担当者は語った。「この戦略は、中国人旅行者から出されている、より地元の人たちのように旅したいという、よりレベルの高い要求に沿うものなのです」。

中国人たちに対する日本の魅力は高まっている。中国のオンライン旅行代理店Ctripの報告によれば、10月の中国の1週間に及ぶ「ゴールデンウィーク」の間に、日本は初めてタイを飛び越して、中国人観光客たちにとって最も人気のある行き先になったということである。2017年に日本政府観光局(JNTO)は、合計736万人の中国人旅行者を記録した。これはこの年に日本を訪れた観光客の四分の一を占めている。

画像クレジット: TechCrunch

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(翻訳:sako)

モバイル決済のコイニーがぐるなびと提携、飲食店でWeChat Pay決済可能な「ぐるなびPay」登場

モバイル決済サービス「Coiney」を提供するコイニーは6月26日、ぐるなびと提携し、同日からぐるなびが始める飲食店向け決済サービス「ぐるなびPay」にCoineyの決済機能を提供すると発表した。

コイニーでは、スマートフォンやタブレットとWi-FiやBluetoothで接続して決済ができる、手のひらサイズのICカード対応端末「Coineyターミナル」を2015年秋から提供。2017年4月には訪日中国人観光客向けにモバイル決済「WeChat Pay(微信支付)」に対応したQRコード決済サービス「Coineyスキャン」の提供も始めていた。

客が提示したQRコードを店側が読み取って決済するCoineyスキャン

一方のぐるなびでは、2017年4月、同じくスマホ・タブレットに対応した飲食店向けモバイルPOSシステム「ぐるなびPOS+(ポスタス)」を提供開始。ぐるなびPOS+では、受注・販売管理、来客の客単価・注文点数・注文商品の分析のほか、勤怠・シフト管理などの業務支援機能も備えている。

ぐるなびPayでは、コイニーが提供するCoineyターミナルによるクレジット決済と、CoineyスキャンによるWeChat Pay決済が利用できる。また、ぐるなびPOS+と連携することで、注文入力から決済までをスムーズに行えるようになるという。

WeChat Payは中国のテンセントが提供するモバイル決済サービス。QRコードで決済が行え、中国国内では、コンビニやレストラン、小売店などで日常的に使われている。2016年現在で8億人以上のユーザーが利用しているといわれ、訪日中国人観光客向けの決済手段としては、銀聯カードやアリババグループが提供するモバイル決済「Alipay」と並び、注目されている。

ぐるなびPayの決済手数料は、CoineyターミナルやCoineyスキャンと同じ3.24%。コイニーでは今回の提携により、ぐるなび加盟店に対しCoineyターミナルやCoineyスキャンの導入を進め、飲食店の“キャッシュレス対応”促進を図るとしている。

コイニー、決済ページが簡単に作れる「Coineyペイジ」を提供——WeChat Payへの対応も発表

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先ほどは決済サービス「AnyPay」の正式ローンチに関するニュースが流れたが、スマホ・タブレット向け決済サービスを提供するコイニーも昨日、今日と決済サービスに関する発表を行っている。

同社は8月31日、決済ページをネット上で簡単に作成できるサービス「Coiney(コイニー)ペイジ」と開発者向けの「CoineyペイジAPI」を発表。9月1日には、中国・テンセント提供のモバイル決済サービス「WeChat Pay(微信支付)」とのアクワイアリング(加盟店獲得・契約・管理業務)契約を締結したことを発表した。

リアルとオンラインの決済をまとめて管理

まずはCoineyペイジについてお伝えする。コイニーではスマホ・タブレット専用の決済端末を利用した、実店舗向けのモバイル決済サービス「Coiney」を提供してきたが、オンラインショップも運営する加盟店からは「リアルとオンラインの決済をまとめて管理したい」との要望が多かったという。コイニー代表取締役の佐俣奈緒子氏は「事業者にとって分かりやすく、簡単に代金徴収方法の幅を広げられる仕組みを作りたかった」と話す。

Coineyペイジでは、オンラインショップの機能の中でも請求・決済に特化。管理画面から商品名やサービス名と金額を入力するだけで決済用のページが作成でき、顧客へメールなどでURLを送信することで請求が完了する。デザインの簡単なカスタマイズは管理画面から行えるが、ショッピングカートや予約機能などとの連携は、CoineyペイジAPIを利用して行うことになる。

想定される利用シーンについて、佐俣氏は「Coineyを既に利用している工務店の場合、これまではリフォーム施工後にCoiney端末を使って客先で決済をしていたのが、今後はCoineyペイジを使った事後決済も可能になる。今までオンライン販売は銀行決済のみに対応していた家具店もあるが、Coineyペイジで決済ページを作ってURLをメールで送ることで、海外からの受注にも対応できるようになる」と例を挙げた。

年内にはWeChat Pay対応も

また、コイニーは9月1日、中国のテンセントが提供する、アプリを利用したモバイル決済サービス「WeChat Pay(微信支付)」のアクワイアリング(加盟店獲得・契約・管理業務)契約を締結。一般公開に先駆けて、東急カードにWeChat Payサービスの提供を始める。

WeChat Paymentは、中国で人気を集める(月間アクティブユーザー(MAU)7億6000万人以上)メッセージングアプリ「WeChat」の決済機能。ユーザーがあらかじめ銀行口座を登録しておけば、ユーザーもしくは店舗がWeChatのQRコードを提示し、もう一方がそのコードをスキャンするだけで、キャッシュレスで決済が完結する。日本の銀行口座には対応していないため馴染みがないが、中国ではさまざまなシーンで日常的に利用が進んでいるという。

コイニーでは幅広い決済手段を提供することで、Coiney導入店舗の訪日外国人対応を強化する。例えば宿泊施設などであれば、事前予約のオンライン決済はCoineyペイジで行い、施設訪問時や利用後の決済であればWeChat PayアプリやCoiney端末でのクレジット払いができるようになる。先行する東急を除いては、年内にサービス受付開始を予定している。

「より多くの決済、お金の流れに関わるサービスを提供したい。加盟店にリアルの店舗を持っているのが我々の強み。そこへさらにネットの決済もつなげていくことで、お店の人のお金の管理をもっと簡単に、楽にしていきたい」(佐俣氏)

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