Tシャツのデザイン投稿サイトTeePublic, 30名が買うと言ったらプリントされる

どうやらJosh Abramsonは、TシャツのWebサイトで成功しただけでは不満らしい。

この前、ジョーク専門のTシャツ販売サイトBustedTeesを立ち上げたAbramsonは先週、TシャツのKickstarterともいうべきTeePublicをローンチした。そこを訪れたユーザは、自分の気に入ったTシャツのデザインがあったらそれを買うと約束する。そんな‘出資者’が30名以上に達したらTeePublicがそれを実際にプリントして今後も売り続ける。一人の出資額は20ドルで、そのうち5ドルがデザイナーへ行く。

こんなサイトは前からある。いちばん有名なThreadlessでは、ユーザが自分のデザインを投稿し、ビジターが投票をする。ただし、実際にプリントされるデザインはスタッフが選ぶ。だからAbramson曰く、人気を集めたのにTシャツとして製造されなかったデザインがとても多くなる(Y Combinator出身のTeespringもこれと同じことをしようとしている)。たとえば、彼が指摘するこのデザインは、制作したアーチストによるとThreadlessで大きな反響を喚(よ)んだのに、なぜかプリントされなかった。

Abramsonは彼の会社Connected Ventures(CollegeHumor, Vimeo, BustedTeesなどのオーナー)をIACに売り、2011年にBustedTeesだけを買い戻した。彼によると、TeePublicは最初、そのサイトの一部にするつもりだったが、BustedTeesはジョークTシャツ専門なので、投稿されるデザインがそれ的なものに偏重する心配があった。独立の新規サイトとして立ち上げたTeePublicは、おかしいデザインも投稿されるけどそんなに多くはない。ただし、BustedTeesでTeePublicの宣伝はしている。

立ち上げ後の最初の週で、AbramsonによればTeePublicは5万名のビジターを集め、今では2000名の登録ユーザがいる。ユーザが行った出資/購入はこれまで千件だ。投稿されたデザインは480あまりで、内22に十分な出資が集まった。デザイナーが自分のシャツを宣伝することが重要なので、Abramsonによれば60%のデザイナーがTwitterやFacebookなどで自分の作品を共有している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


東京の旅行サイトVoyaginはアジア各国の‘常軌を逸した旅’をご提供する

海外旅行をする人たちの多くは、言葉の問題さえなければもっと意外性のある旅をしたいなぁ、なんて思う。しかし、旅先でのちょっと変わった行動メニューを取りそろえている旅行サイトVoyaginは、アジアの5つの国、日本、インド、インドネシア、タイ、ベトナムを、もっと親密感を伴って見てもらおうという企画を温めている。東京で去年の12月に立ち上がったばかりのスタートアップだが、今年はこの企画の対象になる国をもっと増やすつもりでいる。

以前はFindJPNという名前だった同社は、これまで45万ドルの資金を調達している。日本のインキュベータOpen Network Labで育ち、Digital Garageなどからシード資金を獲得した。

このWebサイトは、25歳から50歳までの旅行者で、バックパッカー派あるいはぜいたく旅行派を対象とし、中でもとくに、パッケージツアーはつまらない、という人たちをねらっている。

“そういう方たちは、食べ物と文化と、ふつうの観光旅行とは違うメニューを求めておられます”、同社のマーケティングとコミュニティ担当Tushar Khandelwalはそう言う。

各日の行動メニューのことを同社は‘体験’と呼んでいるが、それらはツアーガイドではなく地元の住民たちが仕切る。たとえば東京では、派手なコスプレ衣裳の女性に耳掃除をしてもらう、という不可思議な体験をする。チェンマイでは銀細工によるアクセサリの作り方という美術工芸技術を学ぶ。その国の庶民の生活を体験する企画としては、日本の都市の横町ナイトライフとか、ムンバイで洗濯男と弁当運び屋男に会うといった企画がある(弁当運び屋)。

地元住民が自分の企画をVoyaginに持ち込むこともできる。登録は無料で、Voyaginが自慢して語るところによると、これらのホストたちの90%には実際に面接をしている。今およそ400の企画が載っており、利用客が現れたら同社が15%のマージンと3ドルのサービス料を取る。

それぞれの体験企画の詳細が、英語で提供されている(所要時間と料金も)。 Khandelwalによると、同社の目標は、こういう風変わりな提供メニューをもっともっと増やすことだ。現在の月間ユニークビジター数は約8000で、一日に数件の予約がある。今月は客数が倍増したそうだ。好調である。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


KDDIのインキュベーション、∞Labo 第4期生採択チーム発表 – 新たにHTML5枠も追加

kddi ∞ Labo 4th

本日、KDDIが運営するインキュベーション、∞Laboの第4期プログラムに参加する7チームが発表された。今回から新たにHTML5枠が設けられた。さらに、KDDIの社内から2チームも参加することが発表された。

KDDI∞Laboについては本誌で何度か取り上げているが、内容としては社内・社外アドバイザーによるメンタリングやオフィス・開発環境などが3カ月間提供されるプログラムだ。

それでは第4期参加チームをご紹介しよう。

Class

平均年齢22歳の学生中心のWe-bが開発するのは青春時代をもう一度迎えるためのSNSだ。学校のような体験をもう一度することで新しい友達を作ることを目指している。サービスに生年月日を登録すると、同い年の男女10人でクラスが作成される。このクラスは同世代からランダムに選ばれるので、学校に通っていた時と同じように新しい出会いがある。

このクラスは1カ月限定で、その間にコミュニケーションを取り、友達を増やそうというものだ。サービス内では1日に1つお題が出され(中学の時に流行ったものは?など)、それについて会話を発展させていく。

社会人になると、同業者の仕事の繋がりでしか出会いの場がない人は多く友達を作る機会が減る。これを学校の体験を再度提供することで解決しようとしている。

事前登録者は3日間で2000人を越えたというので、ニーズはそれなりにあるのかもしれない。

KawaiiMuseumJPN

日本から世界に通用するキャラクターを増やすというビジョンの基、Facebookページでかわいいキャラクターの写真を投稿しているのがKawaiiMuseumJPNだ。Tokyo Otaku Modeをイメージしてもうとわかりやすい。すでにFacebookページには361万の「いいね!」がついており8カ月でこの数字を達成した(Tokyo Otaku Modeは現在1,103万いいね!)。

今後はFacebookページの運用だけではなく、キャラクターコンテンツを流通させるためのプラットフォームを開発し、ECサイトから収益を上げる予定だという。

また、ECサイトの他にキャラクターグッズを扱っている実店舗への集客を支援するサービスの開発も考えているそうだ。

Canvas Creator

今期から新設されたHTML5枠での採択となったCanvas CreatorはHTML5のWebアプリをGUIでデザインするためのツールだ。コードを書くことなくWebアプリをデザインでき、パワーポイントのように簡単にオブジェクトを配置できる点がウリのサービスだ。

HTML5を利用したWebアプリはまだ少ない。その原因はネイティブアプリよりもデザインの開発が難しいことにあるという。Webアプリは主にHTML、CSS、JavaScriptを用いるがCSSは元々PCで表示することを前提として作られたため、モバイルのデザインには適していない点が多いと代表取締役の宮崎航氏はいう。

GUIでWebアプリをデザインするツールといえば、AdobeのMuseなどが有名だが、これもCSSでレイアウトを作成するためスマホ向けには向いていないそうだ。

デモはまだ見ていないが、Webアプリに関しては賛否両論なだけにクオリティーの高い完成品に期待したい。

mygrow.jp

mygrowは教育向けのサービスで、生徒の成長を記録・共有するためのものだ。このサービスを運営するのはLife is Tech!というスタートアップで2年半前から教育に関する事業を展開してきた。主に中高生向けのIT教育のキャンプを開催し、パソコンやものづくりに興味を持つ学生達を支援してきたという。

キャンプの開催回数が増えてくると、最初は30人だったものも前回は300人規模になり、個人個人に適した教育が難しくなってしまった。この問題を解決するために生徒の成果を記録として残し、可視化することで特徴や能力を把握しようという。

TRAPRO

学生枠で採択されたのが社会問題を解決するためのプラットフォーム、TRAPROだ。少子化や地球温暖化など社会問題は日に日に増えていくが、これらが解決されることは少ない。だが、なぜ社会問題は解決しないのだろうか。それは問題が自分に関係しない、身近に感じられない、問題に対して何ができるかわからないことが原因ではないかと代表の安倍敏樹氏はいう。

社会問題には、感心が持てないこと、社会問題の情報が一括化されていないこと、現地に行くすべがないこと、この3つの障壁があるという。TRAPROでは、ユーザーが気になる社会問題をサービス上に投稿し、賛同する支持者を募る。支持者が集ったら、問題に関連するNPOに持ちかけたり実際の活動を行う。

社会問題を解決するためのプラットフォームが存在することで、これまで何もアクションを起こせないでいた人達が出会い、問題の解決に繋がる行動への導線を構築する。

すでに原発の現状を見に行く活動では30人が集まり、1人5万円を払い福島に150万円の貢献をしたそうだ。

以上が外部から参加した第4期採択チームだ。

この他に1週間の献立を1秒で作ってくれる「1Week Recipe Matching」、カップルのデートをより充実させるためのイチャイチャサービス「いちゃつい」の2チームがKDDI社内から参加している。

今回採択された少人数制SNSのClass、教育サービスであり行動を記録するmygrow.jpは第3期採択チームと比較するとクローズドSNSのClose、SNSのログをまとめるLogTown、学習支援プラットフォームのmana.boとシナジーがあるように思える。

KDDI∞Laboから明示的にサービス内容についての基準は発表されていないが、少人数制SNS、ログを残すサービス、教育系に関してはやや力を入れているのかもしれない。


“テレビの完全インターネット化”, 古い規制に縛られる日米に先がけスウェーデンのMagineが実現

Hulu PlusやNetflix、Amazon Primeなどは、ケーブルテレビに毎月お金を払ってテレビを見るのをやめたい、と思っている人たちのための、強力な代替手段だ*。でも、有線のケーブルではなくインターネットを使うケーブル(ではない)テレビはどうだろう? セットトップボックスは使わないし、DVR的な‘あとで見る’機能や検索機能もある。そして家庭にあるふつうのスマートTVで通常のテレビ番組も見られる(あるいはあなたのiOSデバイスからApple TVに番組をAirPlayでストリーミングできる)としたら? スウェーデンの Magineが月曜日(米国時間3/25)からやろうとしているのが、それだ。 〔*: アメリカのテレビの見方の主流はケーブルテレビ経由。〕

月曜日に始まるMagineの“ファーストエディション”は、毎月約10ユーロを払うと30のチャンネルを見られる(最初の30日は無料試用期間)。その30のチャンネルの中にはスウェーデンのテレビ局のほかにCNN International、BBC World News、National Geographic、Cartoon Networkなどもある。今後も、権利を獲得次第、チャンネルを増やしていく。

Magineの本質はケーブルテレビのスタートアップだ。つまり、クラウド上のケーブル事業者〔物理的な‘ケーブル’はない〕。スウェーデン国内のテレビ局と契約し、ヨーロッパの有料放送とは料金支払いの契約を結んでいる。同社がユーザに代わって‘会費’を払う。すべてがクラウドからのサービスなので、ケーブルの敷設やそのメンテナンスなどの資本支出が要らない。

今年の初めにドイツのミュンヘンで行われたDLDカンファレンスでMagineのデモを見たぼくは、その後同社のベータユーザとしてとても満足している。合衆国の今の制度ではMagineの進出や、同様のクラウドサービスの展開は無理だが、同社はとりあえず全ヨーロッパへのサービス拡大を考えている。今、各国および全ヨーロッパ的な放送局と交渉を進めている。

Magineも強調しているように、これは違法すれすれの離れ業ではなくて、放送業界の公認の下(もと)に進められている正規のビジネスモデルだ。放送局は前向きにMagineと協力しており、彼らにとってはディストリビュータ(流通経路)がまた一つ増えるわけだから、それも当然だ。

既存のテレビ放送をインターネット化クラウド化しただけでなく、Magineには21世紀のケーブルTVと呼ぶにふさわしい斬新なユーザ体験が組み込まれている(それらに比べるとアメリカの各家庭にあるComcastのボックスが、これまで以上に古ぼけて見えるだろう)。Magineのサービスは、Webやモバイル経由でテレビ(スマートTV)からアクセスする。

その仕組みはこうだ(まず、あなたがスウェーデンに住んでること):

ベータの登録ユーザになったら、Web、または携帯やタブレットのアプリからMagineを見られる。またSamsungとLGのスマートTV用には専用のアプリがある(スウェーデンで売られるSamsungにはプレインストールされる)。TVとモバイルのアプリはどちらもクラウドにアクセスし、携帯やタブレット、あるいはテレビのリモコンでコントロールする。モバイルの場合はテレビ画面にQRコードが出るので、それをスキャンすれば接続される。

従来のケーブルテレビと違ってMagineには検索と発見の機能がある。各チャンネルの番組表を見られるだけでなく、番組を前回前々回などへさかのぼって見ることもできる(最大7日前、または30日前まで)。

月曜日からは、ベータの参加者もアプリが新バージョンにアップグレードされ、検索と発見がより便利になる。さらにその後は、これまで待たされていた申込者を順次登録していくとともに、サービスの供用区域をヨーロッパの全域をめざして拡大していく。

とても野心的な会社だけれど、やってることの内容を見れば、そのうちヨーロッパのメジャーの地位を獲得してもおかしくはない。合衆国では当分無理だとしても、こういうものができるだけ早く可能になるよう、働きかけていくことは重要だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、Google+プラットフォームに関わる人材を募集してチーム拡充中

GoogleはGoogle+およびGoogle+関連の開発を行うエンジニアの、さらなる拡充を行なっていくつもりのようだ。Google+の開発者アカウントからの投稿によれば、「Googleをよりコラボレーティブな環境とし、利用者との関係性を深めるための」優秀なエンジニアを若干名募集しているのだそうだ。

実は少し前、Google+関連の採用を凍結している(今後はGoogle+に特化した求人は行わない)というような噂も聞こえてきていた。しかしこのが事実であるという裏付けはできなかった。凍結していたにしても解除となったのか、あるいは凍結という事実自体がなかったのかもしれない(あるいはGoogle+チームに欠員が出て、補充の必要性が出たというだけのことかもしれない)。ともかくGoogleがGoogle+プラットフォームに、より多くの資源を投入しようとしていることは間違いない。尚、募集要項はあくまでも一般的なものであり、そこから何か特別なプロダクトや方向性については読み取ることができない。

募集人員の業務内容を考えてみるに、たとえばGoogleが直近にリリースしたものと言えばGoogle+のサインインだ。Google内のサインインエクスペリエンスをサードパーティーにも開放して、そこでGoogle+との連動を狙うことになる。情報の共有行為もそうだし、またウェブやアプリケーションにサインインした際に自動的にAndroidアプリケーションを配布するOver-the-airインストールなども利用できるようになっている。こちらの機能拡張のための人員を募集しているのかもしれない。あるいは、Google+のAPIが依然として限定的なものである中、Googleが最も注力しているようであるのはHangoutであると言えるかもしれない。そちらに役立つ人材を募集しているということも考えられる。

Googleからの募集アナウンスを転載しておこう。

The Google+ platform team is hiring!

Come help us connect Google users to the rest of their world.

The challenges are substantial, but the opportunity to make Google more collaborative and relevant to users wherever they are is enormous. The work is challenging, fast paced and always changing. Strong analytical skills, unwavering commitment to quality, collaborative work ethic, and cutting edge coding skills are all required. If you’re interested, you can learn more about the positions we’re looking to fill here:

Software Engineer – Mountain View: http://goo.gl/HOvCo
Front End Software Engineer – Mountain View: http://goo.gl/nuw9O
Software Engineer, Mobile Applications (Android / iOS) – Mountain View:http://goo.gl/lYu6O

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(翻訳:Maeda, H)


元ハッカー少年にしてTwitter共同創業者ジャック・ドーシー曰く:ハッキングは犯罪ではない


メディアと金融業界をひっくり返す前、Twitterの共同ファウンダー、Jack Dorseyは誇り高きハッカーだった。テレビ番組60 MinutesでLara Loganのインタビューを受けたDorseyは、彼の職歴においていかにハッキングが役に立ったかを詳しく語った。Dorseyが最初に就職したのは彼がネットワークの脆弱性を暴露したソフトウェア会社だった。

Jack Dorsey:そのウェブサイトに入る方法を見つけました。穴を、セキュリティーホールを見つけたんです。

Lara Logan:そ、それはハッキングと同じですか?

Jack Dorsey:えーまあ、ハッキング、ハッキングといえばハッキングです。

Lara Logan:犯罪ですね。

Jack Dorsey:さあ、違うでしょう。犯罪的ハッキングは犯罪ですが、本来ハッキングは・・

Lara Logan:求人応募のためのハッキングは犯罪じゃないんですか?

Jack Dorseyノー、ノー、ノー、ノー、ノー、 全く犯罪なんかじゃありません。その後会社にメールしてこう書いたんです。「セキュリティーホールがありますよ。こうすれば直りますよ。こんなアプリ作りましたよ」って。

Lara Logan:そうしたら雇われた。

Jack Dorsey:1週間後に雇われました。夢がかないました。子供の夢としてはちょっと変ですけどね。

Dorseyのコメントは、コンピューター詐欺および不正利用防止法案の改革を強力に後押しするものだ。1980年に制定された同法は、インターネット活動家、アーロン・シュワルツの早すぎる自殺を招いたと広く非難された。改革派らは、コンピューターシステムへの侵入、特にそれが市民による反抗もしくは危険なネットワーク脆弱性の顕在化を目的としている場合には、他の連邦犯罪と同じ罰を与えるべきではないと主張している。

今年になって、カナダの大学がネットワークのセキュリティーホールを暴いた学生、Hamed Al-Khabazを退学させたことを機にハッキングの違法性を巡る議論が再燃した。

もちろんDorseyと同じく、Al-Khabazもなんなく窮地を脱するだろう。近代的な政府機関やテク系企業の多くは、公然と若きハッカーたちを受け入れている。米国国家安全保障局(NSA)の求人ページには「もし過去に少々軽率な行動を起こした経歴があったとしても心配無用」と書かれている。おそらくアメリカを象徴するテクノロジーの生みの親が、ハッカーとしてスタートを切っていたことで、為政者たちも法が時代に追い付かなくてはならないことを学ぶだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)


欧米消費者はソーシャルメディア広告に依然として強い不信感(Forrester調べ)

Forrester Researchは、欧米のオンライン消費者5万8000人を対象にブランドへの信頼度やマーケティング手法別の有効性などを調査したデジタル・マーケティング・リポートを発表した。

なかでも興味あるのは1枚のグラフ(下に掲載)で、欧米の消費者が各種の広告、マーケティング手段をどの程度信頼しているかを調査したものだ。

消費者からの信頼度で最底辺に位置するのは、伝統的なプッシュ・マーケティング(バナー広告やテキスト・メッセージ)であるのは当然だろう。しかし同時に、この調査はソーシャルメディアを利用した広告、マーケティングに対してもあまり大きな希望を抱かせない結果となっている。ソーシャルメディア広告の信頼度はモバイル・アプリ広告のわずか上で、やはり最底辺に近い。テキスト・メッセージ広告が最下位、バナー広告がそのわずかに上だ。

オンライン・マーケティングにおいてソーシャルメディアに対する信頼度が相対的に低いことは、自社ウェブサイトに投資する方がFacebookなどのソーシャルメディア広告に投資するより効果が高いとアメリカの企業が考えているという最近のGartnerに調査結果とも一致する

Forresterの調査はマーケティングの効果が手法によって非常に大きなばらつきがあることを示した。 SMS、バナー、モバイル・アプリ、ソーシャルメディアはいずれも消費者の信頼度が低い層に属する。もっとも信頼度が高いのは友だちや家族の推薦で、バナー広告の7倍の信頼度がある。

もうひとつ興味があるのは、どの項目でもヨーロッパの消費者の方が(評判に違わず)アメリカの消費者より懐疑的だということが実証された点だろう。またアメリカでは専門家によるオンライン・レビューが依然として高い信頼度(55%)を得ているのに対し、ヨーロッパでははるかに低い(33%)評価にとどまっている。

また検索エンジンによる非広告検索とAmazonレビューのような消費者によるレビューもソーシャルメディア・マーケティングに比べて3倍も信頼度が高い。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


British Airways、UnGroundedプロジェクトを発表 ― テック界の著名人たちを同じ飛行機に乗せてイノベーションをせまる

British Airwaysが「UnGrounded」なるイベントを行うと発表した。これはシリコンバレーの著名人100名を乗せてフライトするという試みだ。機内では、世界の大問題が、才能豊かなテック系人物たちにぶつけられる。国連のパートナーシップのもと、初めての「UnGrounded」フライトは6月12日に行われる予定だ。Google、Andreessen Horowitz、RocketSpaceなどからの人物が乗り込む予定になっている。

British Airways EVPのSimon Talling-Smithは「UnGrounded」のプレスカンファレンスにて「偉大なイノベーションというのは、個別に部屋に閉じこもっているときではなく、お互いに顔を合わせているときに生まれてくるものだと思うのです」と述べていた。ファウンダー、投資家、エンジニア、アカデミック分野の人びとに、若干のジャーナリストを加えて100名を構成したい考えだ。その100名で10時間のフライトを行い、ともに難問にチャレンジする。

UnGround計画での「イノベーションラボ」(innovation lab in sky)は、今後も飛行計画などを変更しつつ定期的に行なっていく予定にしているそうだ。最初のフライトではテクノロジーイノベーターと、世界的な問題の間に横たわる「ミスマッチ」について論じるものとなるとのこと。

ロンドンに到着した際には、第1回UnGroundedに参加したメンバーたちが国連もサポートするDecide Now Act (DNA) Summitにおいて、また、国際電気通信連合の事務総局長に対して成果のプレゼンテーションを行う。具体的な搭乗者はAndreessen HorowitzのTodd Lutwak、GoogleのLeor Stern、Innovation EndeavorsのCelestine Johnson、RocketSpaceのDuncan Logan、Silicon Valley BankのGerald Brady、そしてStanford GSBからMarguerite Gong Hancockなどとなっている。

Eric SchmidtのInnovation EndevorsやRocketSpaceなどが資金を拠出し、IDEOが飛行中のプランを練る。上に記したような人びとが一堂に介することはそうあることではなく、またせっかくのアイデアも、実現組織を用意できなければ無駄になってしまう。これはかなりチャレンジングな出来事となりそうだ。ちなみに客席は搭乗者数に合わせて100席ほどに減らされ、作業空間としてかなりまともなスペースを用意できそうだとのこと。

ところで、この計画がなぜBritish Airwaysにより実現されることになったのだろうか。Talling-Smithは次のように述べている。「私たちは実績豊かな航空会社であると自負しています。製品とサービスを皆様にお届けし、イノベーションを生み出す努力も続けております。但し、イノベーションの実現方法はいろいろと変化し続けています。テクノロジーの世界ではさまざまなことが日々起こっています。そこで私たちは、自分たちにできることは何なのかをもう一度問いなおしてみたのです。そして、私たちにとっては見慣れた存在である“機体”を、進化のための“坩堝”として利用できるのではないかと思い至りました。また、このUnGroundedは“イノベーター”として、まさにやりがいのあるプロジェクトであると考えたのです」。

「イノベーターと、世界的な問題の間に横たわる“ミスマッチ”」について論じるというのは、少々具体性に欠けるもののように聞こえるかもしれない。しかし、TechCrunchとしてもそうした視点の重要性を日々感じている。世界をより良いものにするという発想を持たず、目先にある小さな利便性にばかりとらわれるスタートアップもある。才能あふれる人びとをひとところに集めて、世界的な大問題に集中させることは、より多くのイノベーターたちを、より生産的な問題解決に向かわせる手段となり得るかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H)


走行中のスピードを投影してくれるRaspberry Piを活用した自転車ヘッドライト

ブルックリンのMatt RichardsonがRaspberry Piを使って自転車のヘッドライトを作ってみたそうだ。走行中に現在のスピードを路面に表示してくれるというものだ。現在のところワーキングプロトタイプとなっている。Richardsonは、本プロダクトを「Raspberry Pi Dynamic Headlight」と命名したそうだ。商品化されていても不思議ではないDIYプロダクトなのではないだろうか。少なくとも、同じような製品が売られていればぜひ買ってみたいものだと思う。

プロダクトの構成物であるプロジェクターはハンドルバーに取り付けて、Raspberry PiとはHDMIケーブルで接続している。両者の電源はUSBバッテリーパックから供給している。Raspberry Piおよびバッテリーパックは3角形の板の上に配置して、それを自転車に取り付けるようになっている。これは相当に邪魔になりそうだが、もちろん発案者のRichardsonも同様に感じている。将来的にはこれらのコンポーネントをひとつにまとめて、ハンドルバーに取り付けられるような大きさにしたいとのことだ。

現在のところ、このDynamic Headlightは速度を表示するだけの機能しかない。しかしRichardsonは、GPSを搭載したりあるいは何らかのアニメーション機能やビジュアル的な要素も取り入れて行きたいと述べている。これまでのまとめはMAKEに公開する予定で、同様のものを作ってみようとする人に作り方を示したいとも考えているそうだ。

投資を受け入れるようなことになれば大人気になるかもしれない。投資してみようかと考えている人は、急いだ方が良さそうだ。

(本稿執筆者はMichael Seo)

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(翻訳:Maeda, H)


高所得者層をターゲットにするECサイトLUXA(ルクサ)がジャフコから5億円の資金を調達

luxa

LUXA(ルクサ)は高所得者層をターゲットとした、ちょっと贅沢な商品やサービスを提供するECサイトである。家電やコスメ、レストラン、歌舞伎のチケットなど様々な分野を取扱い、オンラインのアウトレットモールをイメージしている。

2010年に創業したこのスタートアップ(社名、サービス名同)が本日、新たな資金調達を実施したことを発表している。ジャフコが運営するジャフコ・スーパーV3からシリーズBとなる5億円の資金を調達した。ルクサは2010年11月にもジャフコから5億円を調達している。

LUXAはサービス開始から2年半で、現在の会員数は35万人。今回の資金を営業と集客の強化に充て、2016年末までに新規会員100万人、2016年の年間売上100億円を目指すとしている。

高所得者層をターゲットしているので、ユーザーの年齢層は30代後半から40代が多いそうだ。現在の売上高は公開されていないが、売上のうち70パーセントがリピーターからのものだというから、一度利用したユーザーを手放さずに上手く囲い込みができているのだろう。

このリピート率を支えているのが、バイヤーの目利き力だろう。LUXAはバイヤーが厳選した商品やサービスだけを提供している。単に高級なだけでなく、ユーザーがメリットを感じられるものを選ぶ商品の編成力を最も重視しているそうだ。

この他にも、日替わりでサイトに掲載する商品の数を限定し、タイムセール(主に72時間)形式で毎日サイトに訪れ、ウィンドウショッピングを楽しむような感覚を提供していることも高いリピート率に繋がっているのかもしれない。

最近ではどのサービスもスマートフォンからの流入が増えてきているが、LUXAも同じようだ。今年1月に関してはスマートフォン経由の売上高が前年同期比6倍となったそうだ。レストランやマッサージなどのサービスも多く取扱っているので、相性がいいのだろう。

今後の展開としては全てのジャンルを1つのサイトにまとめるのではなく、特定のジャンルに特化したサイトもオープンするそうだ。すでにアパレル・ファッションに特化したサイトも開設している。


合衆国国防総省がついに長年のBlack Berryを捨てiOS製品65万台を発注へ

合衆国国防総省(DoD)は、それまでのBlackBerryデバイスがBlackBerry 10のオペレーティングシステムと互換性がないため、一定の移行期を経て代替機として65万台のiOSデバイスを発注する、Electronista誌がそう報じている。

発注の内訳は、iPadが12万、iPad miniが10万、iPod toucheが20万、各種iPhoneが21万だ。Electronistaの取材に対してペンタゴンは、“半数以上は戦場と海上と支援部隊へ行く。残りは省内で使われる”、と述べた。

今DoDで日常使われているBlackBerryデバイスは47万台だが、それらのBB10へのアップグレードは予算が下りなかった。DoDの推計では、向こう3年間で供用されるスマートフォンは800万台で、その多くが機密データを扱えるように高額な改良措置が為される。そのため最終コストは最大で(一般市販機の)4倍になる。

過去のOSを使っているBlackBerryデバイスは、先月ペンタゴンが実装した同省の新しいモバイル計画とも互換性がない。とくに、上は国防長官から下は戦場の兵士に至るまでの、全体的な“全機種共通的”機密データ共有に関し、旧BBの特異性が障害となる。データ共有の問題に関して記したそのメモが配られたのは、国防総省と(当時の)RIMはスマートフォンに関して今後排他的な契約を結ばない、と発表してからほぼ4か月後のことだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Facebookページでコメントへの返信が可能に。スレッドの優先表示も

Facebookは、Facebookページおよび有名人のプロフィールに、ファンや読者との対話を促進するための新機能として「返信」を提供する。これまでFacebookページでは記事にコメントを付けることはできたが、コメントに返信することはページ管理者にもできなかった。Facebookは昨年11月以来この新機能をテストしてきたが、情報筋によると7月の一般公開に先立ち、3月25日にオプトイン方式で公開するらしい。

送られてきた新機能のスクリーンショットはこれだ。

同時に提供予定の新機能には、これもベータテスト中のアクティブスレッドの優先表示がある。これは、アルゴリズムを使って最もアクティブなスレッドをコメントのトップに表示するものだ。

返信とアルゴリズムによる並べ替えは、どこでも利用できわけではない。Facebookページの記事と、フォロワー1万人以上のプロフィールだけで、個人アカウントでは利用できない。また、当面モバイルでは使えないが、将来的にグラフAPIおよびモバイルにも返信が採用される予定だ。

返信機能は、既にFacebookのコメントプラグインには導入済みで、サードパーティーのサイトで利用できる(TechCrucnchでも以前は使ってた)。しかし、Facebookサイトで提供されるのは初めてだ。

返信機能を導入する最大の理由は、Facebookページの管理者が、個々のコメントに直接対応ができ、他のユーザーにもどの会話がいちばんアクティブかがわかるようにことだ。これはコメントによる会話の質を向上させるだけでなく、ページの書き込み全体のエンゲージメントを高める効果がある。Facebookにとって、宣伝費の使い方を決める重要なデータであるユーザー滞留時間を定量化する手段として、エンゲージメントは今も重要な指標だ。

Facebookは、ページ管理者に対して新しい返信機能を3月25日からオプトインで提供し、7月10から一般公開する。

Facebookが配布しているFAQには、会話スレッドのしくみが簡単に書かれており、これを見ると単に返信のいちばん多いコメントを上にするのではなく、ユーザーのソーシャル関係や好みに応じて順位付けされるようだ。

「各ユーザーのつながり方によって表示が変わることもある」とFacebookは書いている。例えば、ある読者がたまたま特定のスレッド中の人知っていれば、その読者にはそのスレッドがトップに表示される。これは読者がそのスレッドに参加したいだろうとFacebookが予想するからだ。

これとは別に、いいね!や返信の多い記事にも重みが付けられる。逆に、スパムのフラグが付けられたスレッドやコメントの順位は下がる。Facebookは、スパム常習者のコメントを「ランクダウン」させることもあると言っている。

しかし、これからはモバイルが中心だと高らかに宣言している会社としては、返信に関して少々一貫性を欠くことになりそうだ。

返信は当初モバイルでは機能しないので、iOSとAndroidの専用アプリでは、返信も通常のコメントとして表示される。グラフAPI経由で表示されるスレッドについても同様だ。これは、サードパーティーのページ管理アプリも返信を書けないため、不利を強いられることを意味している。

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(翻訳:Nob Takahashi)


また一歩消滅へ:Google、トップメニューからReaderのリンクを削除中

Googleは7月1日にGoogle Readerを閉鎖するが、相当数の人々がこれに不満を持っていると言っても言い過ぎではない。今日(米国時間3/20)Googleは、ほぼすべての中核サービスで上端を飾っているあの黒いメニューバーからリンクを外し、Google Readerはまた一歩消滅に近づいた。もちろんGoogle Readerそのものは、現時点で利用可能だ。

今のところリンクが外れたのはGmailだけのようだ。他のGoogle製品(Reader自身を含む)とメインの検索ページにはまだ残っているが、Twitterやその他のサイトでの反応を見ると、多くのReaderユーザーにとってここが主たる入口だったことは明らかだ。あらゆるGoogleメニューからReaderの名前が一切なくなるのも時間の問題だろう。そもそもこの手の変更がGoogleの全サイトに伝わるまでには常に時間がかかるものだ。

不思議なことに、Googleは今でもReaderに新しいユーザーを迎え入れているが、これもコードに大きな変更を加えられる人間が開発チームに残っていないだけなのかもしれない。
GoogleはReader閉鎖の発表以来一切無駄な時間を使っていない。CEO Larry Pageが発表した直後、GoogleはPlay Storeから公式アプリを削除しており、近々同様の現象を見ることになるに違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Amazonが[Send to Kindle](コンテンツをKindleへ送る)ボタンをローンチ

Amazonが今日(米国時間3/19)、[Send to Kindle]ボタンをローンチした*。これはWebデベロッパWordPressのブロガーたちが使う小さなウィジェットで、ユーザがこれを押すとコンテンツがKindleリーダーやアプリに保存される。今このボタンがすでに載っているのは、The Washington PostTIMEBoing Boingの記事だ。〔*: 小さな[k]の字だけがあるボタン。たとえばこの記事。〕

Amazonの[Send to Kindle]スイート(アプリケーションとブラウザプラグイン)は昨年ローンチし、そのGoogle Chromeエクステンションには[Send to Kindle]ボタンがあった。それはPocketやInstapaperのようなコンテンツクリップサービスに代わって使われるもので、Kindleの上でeブック以外のものが読める仕組みだ:

[Send to Kindle]ボタンを使ってコンテンツをあなたのKindleに送り、あとで都合の良いときに読めるようになります。一度送れば、あなたのKindleデバイスやiPhone, iPad, Android(携帯とタブレット)の無料のKindleアプリで、いつでもどこでも読めるようになります。あなたの目にとまったWebサイトやブログを、あとで探す苦労がなくなります。あなたのKindleを開けば、すべてのコンテンツがそこにあります。[Send to Kindle]ボタンは、Webから集めたコンテンツをお仕事や学校の宿題、趣味などで活用するためにも、便利に使えます。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


クラウド時代の高機能スプレッドシートをめざすFivetran, 統計やDB機能を充実

Y Combinatorから巣立ち今日(米国時間3/19)ローンチしたFivetranは、スプレッドシートという古酒を21世紀の新しい革袋に入れることをねらっている。とくに力を入れているのが、従来のスプレッドシートが弱かったデータ分析の分野だ。多くの人が今ではスプレッドシートを…相当無駄な時間を投じて…データベースのように利用しているから、Fivetranはスプレッドシートのこれまでの標準的な機能に加えて、SQL的なクェリやMatlabにあるような統計ツールを導入した。

協同ファウンダのGeorge Fraser(CEO)とTaylor Brown(プロマネ)らによると、製品の基本的なコンセプトは、“これまでのスプレッドシートにはプログラミングにできることの50%しかなかったから、残りの50%を持ち込もう”、というものだ。

確かに彼らの言うとおり、ExcelとMatlabの落差は大きすぎる。Fivetranの初期のプロトタイプはかなりMatlab的で一種のプログラミング環境みたいだった。しかし今日ローンチしたものは、通常のスプレッドシートに、高度なデータ分析(回帰分析など)やデータ変換を行うウィザード群と、SQLのselectやjoinの機能を加え、さらにデータのクリーニングやテキストマイニングなどの機能もある。計算はすべてクラウド上(Amazon EC2)で行われるので、ものすごく大きくて複雑なスプレッドシートでも作れる。

チームがこのSaaSスプレッドシートの開発に着手したのは昨年の12月で、現状ではExcelのドキュメントや、CSVやJSONのファイルをアップロードしてすぐに仕事を始められる。チームの長期的プラントしては、このスプレッドシートの表面的な機能(ユーザ体験)を縁の下の本物のデータベースが支える、という形も構想している。Fivetranのパワーを人びとに分かってもらうために、(全米大学バスケ大会)「3月の狂乱」(March Madness)対戦表シミュレータや一連のチュートリアルも提供している。

ユーザは自分のデータをアップロードし、Fivetranの”step”システムを使って操作する。その計算に基づいて、副次的なシートも作られる。これまでのスプレッドシートに比べるとかなり高度だが、Excelの公式(SUM(a,b)など)もそのまま使える。

今チームはスプレッドシート用のユニットテスト(各部分の試験)や改版履歴コントロール機能を開発中だ。

Fivetranの料金体系は、Webのホスティングサービスのそれに似ている。無料では、作れるプロジェクトが5つまで、使えるメモリは1GBまで。月額20ドルのベーシックプランではメモリ5GB、プロジェクト数10。最高は月額80ドルで、メモリは16GBまで使える(非常に大きなスプレッドシートだ)。

全体としてこれは、クラウドコンピューティング時代の新しいスプレッドシートとして、きわめて興味深い取り組みだ。企業の情報部門などには、近年のデータの増加とともに旧来のスプレッドシートではデータ集合に対し歯(刃)が立たなくなっているところも多い。かといって本格的なデータベースや統計パッケージは重すぎる。Fivetranのような高機能化したスプレッドシートに飛びつくところも多いだろう。Fivetranのによると、初期のユーザたちはすでに週あたり数時間の(スプレッドシート雑務の)時間節約を実現しているという。朝から晩までExcelのセルのコピペばっかしやらされている人は、Fivetranを試してみてはどうだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


新種のボットネット「カメレオン」は、広告主に毎月600万ドルの損害を与えている

ボットネット。セキュリティー研究者にとってそれはまるでヒュドラーのようだ。凶暴な頭を1つ切り落とすたびに、切り口からまた2つ生えてくる。

つい〈一月〉前、MicrosoftとSymantecは、大量のBamitalボットネットを何とか退治したと発表した。Bamitalは偽クリックを生成して年間100万ドルもの金額を詐取したと言われている。今回出現したばかりの新種はどうなのか? 600万ドル。毎月。

ロンドン拠点のセキュリティー調査・トラフィック分析会社のSpider.ioは、このボットネットを2012年12月以来追跡している。様々な方法で身を隠すことからこれを”Chameleon”[カメレオン]と名付け、厄介な生き物の行動に関するデータを公開した。

  • “Chameleon”はおよそ12万台のコンピューターを支配していると思われる
  • ターゲットはWindowsパソコンのみと思われる
  • これまでの多くのボットネットと異なり、Chameleonはテキスト広告だけでなくグラフィックやFlashの広告も偽クリックする
  • このボットネットは月間約90億インプレッションを偽造し、約0.02%という見過ごしやすいクリック率で広告をクリックしている。
  • 感染したパソコンの約95%は家庭のパソコンである(例えばおばあちゃんの古いDell機)
  • このボットネットは毎月90億回の広告ビューから、1000ビュー当たり0.69ドルを稼いでいると推定され、これは実際には人間のいないビューに対して600万ドルが支払われたことを意味している。

膨大な数字だけでは不足とばかりに、Chameleonは検出や退治を困難にするいくつかの技を隠し持っている。無人でページをサーフィンする際、ページ内でマウスをあちこち動かす。このためロボット風の不審な動きを監視する不正検出システムから逃れやすい。訪問者ごとに常に複数の並行セッションを走らせ、スレーブセッションがクラッシュするとすぐ自動的にリスタートする。

Spider.ioによると、Chameleonは202箇所のウェブサイトを主な活動場所にしている。どの202箇所かは公開されていない。恐らく、それらのサイトのどれかあるいは全部が、実際にはそうでなくても、グルであることを暗示することになるためと思われる。これを使って利益を得られる(あるいは、ただ自分の技術力を誇示するため巧妙なボットネットを書く)〈誰でも〉に、仕掛人である可能性がある。

幸いSpider.ioは、最もアクティブな感染パソコン5000台と同社が呼ぶリストを解明した。しかし残念ながら、120,000から増え続ける中の5000である。SYMANTECよ、われらを救いたまえ。

[写真提供:D. Richard Hipp on Flickr under creative commons]

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(翻訳:Nob Takahashi)


Redditの「Explain Like I’m Five」(5歳の子供に説明してみよう)シリーズのYouTube化はかなり面白い

YouTubeは猫のビデオ以外にもいろいろなものを導入しつつある。この度は、閲覧者をちょっと利口にしてくれるシリーズが登場した。シリーズの名前を「Explain Like I’m Five」(5歳の子供にわかるように説明する)という。このシリーズ、もともとは大規模掲示板のRedditで人気を博しているシリーズから生まれたものだ。「実存主義」や「シリア戦争」などの話題を、多少面白おかしくした会話を通じて5歳児に説明しようとするものだ。たとえばニーチェの実存主義について説明するビデオは次のようなものになる。

Redditで人気の「Explain Like I’m Five」シリーズを動画化するにあたって、アニメと実写ナレーションを組み合わせて作成されている。このシリーズについてはYouTubeがスポンサーとなっている(つまり資金を提供している)が、これはオリジナルコンテンツのために1億ドルを用意したのと、同様の狙いによるものだろう。YouTubeは以前、The OfficeのRainn Wilsonなど、人気のクリエイターに出資した。今回はRedditと組んで、これまでとは逆のアプローチをとったと言えるかもしれない。すなわち新たなコンテンツを生み出すのではなく、既に人気を集めているコンテンツを活用しようとしているわけだ。

ビデオの内容はと言えば、あくまでも基本的な事項説明を超えるものではない。しかし非常に理解しやすいものとなっていて、きっと記憶にも残るだろうと思う。アインシュタインも言っていたと記憶する。「6歳の子供に説明できないならば、本当に理解しているとは言えないのだよ」と。

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(翻訳:Maeda, H)


Adobe、CTOを失ってもQ1決算は予測を突破:売上10億ドル、クリエイティブクラウド有償利用者50万人

先ほどAdobeは2013年第1四半期の決算を発表し、アナリストの予測を概ね上回った。同期の総売上は10.1億ドル、1株当たりGAAP利益は0.12ドル、非GAAPは0.35ドルで、アナリスト予測の、売上9.86億ドル、1株当たり非GAAP利益 0.31ドルを上回った。非GAAPベースの経常利益は2.407億ドル、純利益は1.779億ドルだった。

Kevin Lynch、Adobeを去る(Appleへ?)

しかし、Adobeの決算報告発表と同時に、SEC提出資料によると、同社で長期間CTOを務めたKevin Lynchが、「新しいチャンスを追求する」ために3月22日付で会社を去ることがわかった。噂によると、行き先はAppleで、もし本当なら常にAppleに対してFlashを揺護し、Appleの囲い込み政策を19世紀の鉄道になぞらえた同氏だけに興味深い行動だ。

クリエイティブクラウドの利用者は約50万人

しかし、今日最も重要な発表は、同社の財務状況よりも、クリエイティブクラウドの有償利用者数が47万9000人に達したことだろう。前四半期から15万3000人の増加だ。さらにAdobeは、クリエイティブクラウドの無料およびトライアル利用者が200万人いることも発表した。

「今四半期に購読者数47.9万人を達成し、現在は50万人を越えていることを大変喜んでいる。この勢いに乗って、今年度末までに125万人という当初の目標に向かって進んでいきたい」とAdobe CEPのShantanu Narayenが発表資料で言った(決算会見で使用したPDF

これもAdobeにとって戦略商品であるAdobeマーケティングクラウドは、四半期売上2.154億ドル、前年比20%増を記録した。通年では25%の売上増を見込んでいる。

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(翻訳:Nob Takahashi)


MozillaがFirefoxのデベロッパツールの充実に注力: ブラウザ内エディタ, Firebugの統合, ネットワークパネルなどなど

先週、MozillaのテクノロジエヴァンジェリストPaul RougetがWebデベロッパたちに、Firefoxの開発ツールとして何が欲しいか、という質問をTwitterやHackerNewsで投げかけた。そのフィードバックに基づいてFirefoxのDevToolsチームは、今後のFirefoxの安定版に盛り込むべき新作または改良版のデベロッパ機能の数々を構想し、それらのプロトタイプ作りに取り組んできた。

Rougetが書いた記事によると、リクエストでもっとも多かったのは、ブラウザ内でコードを書けて、そしてエディタやIDE(統合開発環境)からブラウザをコントロールできることだ。このリクエストに対してチームは今、二つのやり方を検討している。DevToolsのチームは人気の高いSublime TextエディタとFirefoxに本来あるリモート機能を利用するライブエディティングの概念実証を作った。しかしMozillaはそのほかに、Firefoxの中にエディタを置くことも検討している。

Mozillaがブラウザ上のエディタを考えたのは、これが初めてではない。2009年にMozillaは、Bespinというものに取り組んだ。それがのちにSkywriterになったが、このプロジェクトは今休眠している。しかしCSSとHTMLによるエディタThimbleは、Mozillaが再び取り組んでおり、RougetはDevToolsの作品がエディタのメインのような書き方をしているものの、ブラウザ上のテキストエディタに関してはMozilla本体にも相当な経験と知識があることは確かだ。

デベロッパたちのもう一つのリクエストは、Chrome的Firebug的なネットワークパネルとタイムラインだ。チームはすでに、Webアプリケーションがネットワークをどのように使っているかを容易に見るためのツールの、プロトタイプを開発した。

Firefoxのチームは、ブラウザの互換性の向上にも取り組んでいる。Rougetによると、現状は“FirebugのユーザにとってFirefoxのDevToolsは邪魔者”という状況なので、それを何とかするためにMozillaは、コンテキストメニューの”inspect”メニューをディスエーブルにできるようにする。またFirebugをDevToolsのボックスに統合する方法も検討中だ。

そのほかにチームが今取り組んでいるのは、ブラウザの右側にドックツールを置けること(Firefox Nightlyではすでに実装)、CoffeeScriptのサポート、最小化したCSSとJavaScriptファイルのデバッグ、ページ上のリペイントされた部分が分かること(これもFirefox Nightlyにはある)。

Rougetによれば、チームはそのほかの機能にも取り組んでいる(イベント結合の視覚化、オフラインのストレージツール、擬似要素の検査、など)。

以上はどれも、すぐに実現するというものではなく、プロトタイプを脱するのに数か月かかりそうなのもある。でもデベロッパにとっては、こうやってMozillaがデベロッパツールの改良に励み、競合に負けまいとしている姿は大歓迎だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


TC Tokyoスタートアップバトル出場サービス – 全自動会計ソフトのfreeeがリリース

freee logo

昨年11月に開催されたTechCrunch Tokyoスタートアップバトルに出場してくれたCFOが全自動クラウド型会計ソフトfreeeのリリースを発表した。このサービスは従来の面倒な経理業務をクラウド上で行ってくれるサービスだ。

本誌では昨年12月にはシリコンバレーのベンチャーキャピタルDCMから5,000万円の資金を調達した際にも取り上げているが、ロゴのイメージが大幅に変更されたので気づかない方も居るかもしれない。特徴的だった雲の上で足を組んだおじさんのロゴは廃止され、素早いイメージのツバメに変更された。

freeeは既存の会計サービスと最終目標は同じだが、仕組みが興味深い。ユーザーの銀行やクレジットカードのWeb口座をfreeeと同期し、入出金明細を取得することでデータを解析してくれる。

解析したデータは自動的に仕訳してくれるので、Web上に履歴が残っているものならばほとんど自分で作業をする必要はない。例えば、明細に「タクシー」という単語が入っていれば、「旅費交通費」に紐づけるように単語ごとに適切な仕訳をしてくれるそうだ。

もちろん、明細によっては的確に仕訳されないこともあるだろう。CFO代表取締役の佐々木大輔氏によると、ベータ版運用時にはクライアントにもよるが、精度は7割から8割程度だったという(銀行よりもクレジットカードの方が詳しく記載されているので、クレジットカードの方が精度は高くなる)。

8割程の精度があれば、かなり経理業務の負担が軽減される。しかし、Web口座をサービスと連携することには抵抗を持つユーザーは多いだろう。そのためfreeeはこの課題をクリアしなければならない。

この点に関してはfreeeは個人情報の取扱いにおいて一定基準の安全性を確保している証拠であるTRUTe(トラストイー)による認証を取得してあるし、データ自体はファイアーウォールで遮断された場所に保存されてあるので安心して欲しいと佐々木氏はいう。

それでも、ユーザーの中には最初はWeb口座を連携せずにCSVでファイルをアップロードし、仕訳をする企業もあるだろう。だが、何度も繰り返し利用するうちにfreeeの利便性が不安に勝ち、最終的にはWeb口座を連携してくれると考えているそうだ。

総務省によると日本の中小企業における平成24年度のクラウドサービス利用率は17パーセント(米国は54パーセント)であり、佐々木氏によると、クラウド型の会計ソフトとなると利用率1パーセント程度だという。

米国ではクラウドサービス利用率54パーセントのうち、ある一定の割合は会計ソフトも含まれているというので、日本でも浸透するのは時間の問題かもしれない。

今後の展開としては、請求書の作成や管理機能、APIの提供、ネイティブアプリの開発などを予定している。

freeeは本日から6月末までは全て無料で利用でき、その後はフリーミアムモデル(無料、月額980円、1,980円)で提供される。