出張明けのSEO Japan記事第一弾は、SEOとコンテンツマーケティングを組み合わせてトラフィックを激増させようという時代のトレンド真っ只中の記事をQuick Sproutから。カリスママーケッターが自ら実証してきたその極意とは? — SEO Japan
コンテンツマーケティングとSEOは、ごはんと梅干のような関係だ。別々に食べても十分に美味しい…
しかし、一緒に食べたらどうなるだろうか? お互いの良さを引き出すはずだ。だからこそ、オニギリの具の中で、梅干しは圧倒的な支持を受けているのだ。一緒に食べると、最高のハーモニーが口の中に広がっていく。
ごはんと梅干のコンビは最強であり、何度も何度も、口の中に運ぶことになる。
質の高い検索トラフィックを増やそうとしているなら、コンテンツマーケティングとSEOの取り組みを組み合わせる必要がある。別々のキャンペーンとして実装しているようでは、組み合わせて実装する場合と比べて、増加することが出来るトラフィックの量は限られてしまう。
また、大企業の場合は、コンテンツマーケティングとSEOが一つの部門で取り扱われるように、組織を改編しなければいけなくなる。
それでは、コンテンツマーケティングとSEOを組み合わせる7つの賢い戦略を紹介していく:
作戦その1: Wikipediaでもリンクを張りたくなるぐらいのコンテンツを作成する
Wikipediaはインターネットで最大規模の情報源である。Googleでは、ほとんどの用語で上位にランク付けされており、ウェブで最も人気の高いサイトの一つに数えられる。「Comedy Central」によるマーケティングのプレゼンテーションを見るまでは、私はWikipediaの実力をよく理解していなかった。
Wikipediaは、どれぐらいのトラフィックを生成しているのだろうか?10万人/月を超えるビジターをもたらす。実に衝撃的なデータである。
さらに、Comedy Centralは、Wikipediaからリンクを張られたページには、その他のサイトからリンクがもたらされる傾向があることも把握していた。
それでは、どうすればWikipediaからリンクを獲得することが出来るのだろうか?一番手っ取り早いのは、Wikipediaの被リンク構築を介する方法だ。
Wikipediaはリンク切れを把握しており、これは代わりのページを探すきっかけとなる。
Googleでこのタイプのリンクを発見する方法を伝授しよう:
site:wikipedia.org キーワードを挿入 “リンク切れ”
次に、検索結果をクリックして、ページで「リンク切れ」を探す。
その後URLをArchive.orgに貼り付けて、同じようなページを自分のサイトで作る — ビジネスに関連しており、ビジターがコンテンツに価値を見出すことが前提。
同じようなページを作ったら、Wikipediaのエントリに戻り、右上の「編集」ボタンをクリックする。
編集を行う際は、最初にユーザーアカウントを作り、その他の記事を編集する必要がある。Wikipediaは、ユーザーに自分のサイトへのリンクを追加するだけではなく、その他の記事も編集し、コミュニティに価値を継続的に提供してもらいたいと考えている。
最後に、とっておきの上級者向けのテクニックを教えよう。まず、リンク切れのURLをコピーして、Ahrefsに貼り付けて、リンク切れのページにリンクを張っている全てのサイトを把握する。その後、各サイトに接触し、リンク切れの記事を自分のサイトの記事に置き換えてもらうよう交渉することが出来る。
この戦略を最大限まで活用したいなら、キーワード、そして、ビジターの視点において、関連性の高いページを作成することに力を入れるべきである。被リンク構築では、貪欲になってしまいがちだが、リンクを幾つか増やすために、大量の関連性の低いページを作る行為だけは絶対に避けてもらいたい。
作戦その2: キーワードのデータに基づいてコンテンツを作成する
キーワードのためにブログの記事を作成するべきではない。ビジターが読みたい記事、そして、ターゲットにしたいキーワードを基に記事を作成するべきである。
検索データの大半が「not provided」でも問題はない。3つのGoogle Analyticsのレポートで提供されているデータを使って、トラフィックをもたらすキーワードを把握することが出来る。
ターゲットにするキーワードの一覧を作ったら、このキーワードに関するコンテンツを作成していく — トピックがビジターにメリットを与えることが前提。
実際に自分が運営するサイト「Quick Sprout」で私はこの戦略を実施したことがある。Analyticsでは、Instagramに関連するキーワードが、常連のユーザーを生み出すと言うデータが出ていたため、Instagramのマーケティングに関するブログの記事を作成した。
この記事を投稿してから30日以内に、Instagram関連のキーワードで上位にランクインするようになり、全体的なトラフィックにおいては、マンスリービジターが12万増加した。
このモデルで大量のトラフィックを獲得する際には、Google Trendsを使って、コンテンツのトピックとなるキーワードを相互参照する取り組みが鍵を握る。 私自身、トレンドになり、サイトと関連するトピックのみを取り上げるようにしている。下火になっているトピックを取り上げても、得られるトラフィックは減少していくだけである。
このような結果を必ず得られるわけではないが、この戦略を丹念に利用していれば、いずれ報われるはずだ。
ただし、この戦略を利用する際に、キーワードを詰め込む行為は避ける必要がある。ランキングに悪い影響が出る恐れがあるためだ。
作戦その3: 大量生産を狙う前に質の高い記事を作る
Googleが生まれたばかりの頃、どんなコンテンツを投稿しても、大勢のビジターを獲得することが可能であった。最終的に、Googleは賢くなり、アルゴリズムは、質の高いコンテンツを上位に格付けし、質の低いコンテンツを沈めることが出来るようになった。
そのため、深く掘り下げた質の高いコンテンツの作成に力を入れるべきである。なぜなら、Googleの検索結果ページの1ページ目に掲載されるコンテンツは、平均で2000ワードを超えるからだ。
事実、Mozは、被リンクが多ければ多いほど、通常は、高くランク付けされるため、分析を行い、被リンク数とワード数との間の相関関係を調査している。
以下の図表には、ワード数ごとに、記事に寄せられるリンクの本数が記されている:
ご覧のように、ワードの数と被リンクの本数には、明確な相関関係が存在する。このように、上位へのランク付けに貢献するため、詳細な記事を作成する方針を検討してもらいたい。
また、詳細なコンテンツを作成することで、GoogleのIn-depth Articles機能を介して、トラフィックが増える効果も見込める。事実、このサイト(Quicksprout)は、In-depth Articlesを活用して、検索エンジン経由のトラフィックを13.5%増やすことに成功している。
平均で2183ワードの記事に対しては、検索トラフィックが増加し、1000ワード以下の記事には、変化は見られなかった。
質の高い詳細な記事を書くことが出来るようになったら、量を増やすことに狙いを定めよう。それまでは、深く掘り下げた記事を書くことに力を入れるべきである。
作戦その4: FAQを考慮する
QualarooやSurvey Monkeyを使えば、訪問者が顧客にコンバートしない理由が明らかになる。以下のような問いを投げ掛けるだけでよい:
- このページで他にどんな情報があったら良いと思いますか?
- 製品の購入を見送る理由は何ですか?
- 製品やサービスに関して、気になることはありますか?
このような問いを尋ねることで、コンバートを妨げる障害を把握することが可能になる。さらに、サポートチームに要請、もしくは、サポートに寄せられたeメールをチェックして、その他の障害を明らかにする手もある。
ビジターが抱える懸念や疑問をリストアップしたら、当該の問いに答えるFAQセクションを作成する取り組みを検討してもらいたい。すると、製品に関するロングテールの用語で、上位にランク付けされるようになる。
大量のトラフィックが転がり込んでくるわけではないものの、得られるトラフィックは、非常に関連性が高く、コンバートする可能性が高い。Crazy Eggのサポートセクションでも同じ手法を利用したところ、ビジターが4108名/月増加した。そのうち、82名が顧客へとコンバートした。
作戦その5: 業界のブログを狙ってゲスト投稿を行う
リンクが多ければ多いほど、ランキングは高くなる。コンテンツマーケティングチームに関連する業界のブログをターゲットにさせることで、適切なトラフィックをもたらす適切なリンクを構築することが可能になる。
私はマーケティングをテーマに掲げる49サイトのブログで、61回ゲスト投稿を行った。 ゲストとして投稿した記事の中で、関連性がある際は、Quick Spourt(自分のサイト)の内部のページにリンクを張った。ただし、アンカーテキストにキーワードを詰め込まないように注意してきた。すると、リファラーのトラフィックが増えるだけでなく、検索トラフィックも増加する効果が見られた。
この取り組みをスタートさせてから3ヶ月も経たないうちに、リンクを張った記事の検索トラフィックが22.7%増加した。
適切なトラフィックを増やしたいなら、以下の取り組みを検討してもらいたい:
- 関連するサイトのみでゲスト投稿を行う。
- 自分のサイトにリンクを張って、検索エンジンを操作する試みには手を染めない。読者にとってメリットがある時のみ、リンク張る。
- キーワードリッチなアンカーテキストの利用を避ける。
上記の取り組みに加えて、Googleのガイドラインの範囲内でゲスト投稿を行う方法を説明する動画を見てもらいたい。この動画を見たら、次に、ゲスト投稿の機会を得るためにブロガーに接触する方法に関する動画を確認しよう。
作戦その6: 間接的なコンバージョンに力を入れる
SEOの取り組みを、コンバートしやすいキーワードでトラフィックを得る試みのみに集中させると、得られるトラフィックを自ら制限することになる。理想的な顧客候補のビジターが、ブログを通して問題を解決することが出来るように手を貸すと、すぐにはコンバートしないものの、ブログのトピックに関連するランダムな検索用語からトラフィックを得られるようになる。
例えば、KISSmetrics(私が運営するサイト)では、1000万ドル以上の年間収益を上げるインターネットマーケッターを理想的な顧客としてターゲットに定めている。KISSmetricsでは、分析製品を製品しているものの、ビジターの方々は、SEOやソーシャルメディアマーケティング等のその他の製品にも時間と資金を費やす傾向が見られる。 これは、KISSmetricsブログでは、「競合者のソーシャルメディアのフォロワーを盗む方法」等のトピックをビジターに伝授しているためだ。
その結果、毎月、Googleから新たに34万9335名のビジターを獲得することに成功している。
ビジターの大半はマーケッターであり、通常、すぐにはコンバートしない。通常、3回訪問すると、KISSmetricsの製品を試す決断を下す。なぜなら、このブログのコンテンツを気に入っているためだ。毎月のリードの49 – 72%は、このようにして生まれている。
他のサイトでも同じような現象が起きているようだ。Mozもトラフィックの多くをブログのコンテンツから得ており、間接的に製品の購入へとコンバートさせている。
作戦その7: 相互リンクを忘れずに行う
サイトにコンテンツを加えるだけでは不十分である。コンテンツを相互にリンクしなければならない。TechCrunch、Mashable、そして、Gawker Media等のブログのコンサルタントを務めていた頃、オンページの課題を解決することで、検索トラフィックを増やすことに私は成功した。
相互リンクが行われているページが、最も大きな問題であった。大量のページを持っているなら(やがて持つことになる)、全てのページが確実にインデックスされるようなサイトアーキテクチャを作ることは不可能である。だからこそ、ページを相互にリンクさせる必要があるのだ。
私はMashableでこの取り組みを実施し、内部ページを相互にリンクさせた。今でもMashableは、この手法を利用しており、「Twitter」等の用語でGoogleの1ページ目に掲載される原動力となっている。
ページを相互リンクしておけば、誰でも同じような成果を得られる。ただし、アンカーテキストにキーワードを詰め込むと、ダメージをもたらすことがあるので注意してもらいたい。Mashableが、Twitterのページに対して、「ここをクリック」等のテキストを使わずに、アンカーテキスト「Twitter」のみを使ってリンクを張っていたら、現在ほど高い位置にランクインすることは出来なかったかもしれない。
結論
優れたコンテンツマーケッターは、SEOのエキスパートとは異なるスキルを持っている。しかし、一緒に実施することは可能である。事実、コンテンツマーケティングの取り組みとSEOの取り組みを組み合わせると、より早いペースで良質な検索トラフィックを集めることが可能になる。
今回紹介した手法の中で、個人的に特に気に入っているのは、FAQを活用する方法である。割と容易な作業であり、どんな会社も用いることが出来る。また、プログラミングの知識がなくても構わない。このWordPress FAQプラグインを使えば、楽に作ることが可能である。
コンテンツマーケティングとSEOを組み合わせる方法を他に知っているなら、是非、紹介してもらいたい。
この記事は、Quick Sproutに掲載された「7 Smart Ways to Combine Content Marketing with SEO for More Qualified Search Traffic」を翻訳した内容です。
作戦1のニッチながら効果がありそうな手法、誰もがいわれてみれば分かるけど実際にやる人はほとんどいない、でも効果はありそな手法に筆者のオタク度、でなく凄さを感じましたね。残りの内容は定番といえば定番ですが、コンテンツマーケティングとSEOを組み合わせるということ、特に目新しいことでもないですし、本来やるべきことをきちんとできるかという話です。
しかし最初の「おにぎりと梅干」の組み合わせ、アメリカ人がこんなことを?と思いましたが、原文はピーナツバターとゼリーでした。ピーナツバターとイチゴの赤いゼリーが入ったサンドイッチ、アメリカに長年いた私が最後まで理解できなかった食べ物の一つだったので翻訳者の日本人にも腹落ちする改訳はグッドジョブでした。こういう細かなユーザーへの気遣いがコンテンツマーケティング x SEOには大事? — SEO Japan [G+]