スマートフォンサイトの読み込み速度を改善するために

多くのユーザーがその手軽さや利便性から、スマートフォンからの検索を行っていますが(英語)、携帯端末向けのページではその読み込みに 平均して 7 秒以上かかっていることがわかっています(英語)。この読み込み時間が 1 秒以下になることはユーザーにとってもウェブマスターにとっても理想でしょう。そこで今回、ウェブマスターの方々へ、携帯端末向けページのレンダリングを高速化するための ガイドライン(英語、日本語も準備中です)を公開しました。また、このガイドラインにもとづき、PageSpeed インサイト ツール も更新しました。

”above the fold” コンテンツを優先的に扱う
たとえば こちらのレポート(英語)によると、ページの読み込みに 1 秒以上かかった場合、ユーザーの集中が途切れてしまう傾向にあるようです。サイトの訪問者により良いブラウジング体験を提供してサイトを利用してもらうため、今回策定したガイドラインではいわゆる ”above the fold” と呼ばれる、ユーザーが最初に目にする、スクロールしなくても表示されるエリアのコンテンツを少しでも早く提供する(その他のコンテンツはバックグラウンドで読み込みを進める)ことを重視しました。また “above-the-fold” エリアをレンダリングするのに必要な HTML や CSS, JavaScript は非常に重要なレンダリング パス(critical rendering path(英語))として知られています。

携帯端末上でのユーザーに最初に見えるコンテンツの読み込み時間を 1 秒未満にするためのベストプラクティスをここでご紹介します。
  • 200 ms 以内にレスポンスを返すようにする
  • リダイレクトの数は極力少なくする
  • 最初のレンダリング時のデータのやり取りを極力少なくする
  • ユーザーに最初に見えるコンテンツを表示するのに必要となる JavaScript および CSS を外部参照せずにインライン化する
  • ブラウザのレイアウト、レンダリング時間を考慮に入れる (200 ms)
  • JavaScript の実行とレンダリング時間を最適化しておく
今回公開したガイドライン では上記のような項目についてより詳しくご紹介していますのでぜひ御覧ください。また、ご自身のサイトでの改善状況については PageSpeed インサイト ツール でご確認いただけます。

ご意見・ご感想は、ウェブマスター ヘルプフォーラム までお寄せください。

パーミッションマーケティング、2013年の進化

パーミッションマーケティングという言葉を懐かしく感じる方、ネット業界歴10年以上の強者(または厄介者)に違いありません。最近話題に上がる**マーケティングのベースに常にあるともいえるパーミッションマーケティングの基本概念ですが、今回は改めて2013年現在のパーミッションマーケティングについて考え直してみた記事をコピーブロガーから。 — SEO Japan

あなたは、パーミッションマーケティングというフレーズに馴染みがあるだろうか?

もしあなたがオンラインで何か(アイディアを含む)を販売しようとしているのなら、その言葉に馴染みがあるはずだ。

1999年、ある賢いマーケッターが、21世紀に入ったらどんな種類の説得的コミュニケーションが効果的なのか、そしてどんな種類がそうでないのか、に関していくつかの所見を述べた。

“パーミッションマーケティングは、個人的に関連があると予測できるメッセージを、それらを実際に手にしたいと思っている人々に届けるという特権(権利ではない)である。” ~Seth Godin

20世紀は妨害の時代だった。あなたのお気に入りのテレビ番組は、石鹸やシリアルや光り輝く新車の騒々しい広告によって“提供”されていた。テレビ、新聞、ラジオ―ほぼ全てのマスコミュニケーションが、広告によって支援されていたのだ。

インターネットは違うものをもたらした。

広告でウェブを“マネタイズ”しようとする試みには、いろいろな側面があった。数少ない輝かしい成功(そう、1つの輝かしい成功が、Google AdWordsだ―顧客が実際に探しているまさにその時にマーケティングメッセージを届けることが理由で成功している)と、たくさんの失敗があった。

もしあなたがウェブ上でしばらく過ごしてきたのなら、あることに気が付いているはずだ:あなたは、インターネット上で誰かにしたくないことをさせることはできない。

”ネットは検閲を悪と解釈し、それを避けて通る。”~John Gilmore

インターネットは、単に検閲だけでなく、ユーザーがしたいと感じることを妨げる障害を避けて通る。彼らがしたくない体験を“避けて通る”ことはインターネットの本質だ(より端的に言えば、インターネットを使用する人々の本質だ)。

あなたは、オンラインで自分に注目を払うように誰かを強制することはできない。あなたにできることは、気を引くことだけだ。

パーミッションマーケティングは、その事実を拡張した見解であり、代わりとなるものの探求だった。ますます感じ悪くなることによって注目を獲得しようとする代わりに、私たちは、メッセージを届けることについて見込み客の許しを得ることができる。

これは、全く新しいツールキットを必要とする。もし人々があなたに彼らとコミュニケーションを取ることを要求するのであれば、あなたは、価値があり過ぎて放り投げることのできないマーケティングの形を思い付かなければならない。広告コピーがコンテンツ―非常に情報に通じた顧客に語りかける情報豊富で興味深いマテリアル―に取って代わられるのだ。

パーミッションマーケティングは“Eメール”を表す単なるもう一つの用語なのか?

長い間、Eメールはパーミッションマーケティングにとって“キラーアプリ”だった。RSSは前途有望な候補者のように思われたが、決して広範囲に採用されることはなかった。もしあなたに大きな予算と豊富な経験があるなら(ほとんどのビジネスにはないが)、パーミッションとダイレクトメールを使ってできる面白いことはいくつかある。

Eメールはパーミッションマーケッターにとっては宝のツールだが、悲しいかな、大部分のEメールマーケッターはいまだにそれを間違って行っている。パーミッションの基本的教義―見込み客の注意を引き付ける十分な本質的価値を持ったコンテンツを作る必要がある―がほとんどの場合無視されているのだ。スパマーとフィッシャーが今もすり抜け、見込み客の信頼を蝕み、善良な人達のコンバージョンを台無しにしている。企業は今もEメールリストを購入し、それらを使って迷惑なゴミを送信する。

つまり、ほぼ全ての人のメール受信箱は大量のガラクタでいっぱいなのだ。だからパーミッションマーケティングが発展する時、疑問は、単に人々が選択するほどに素晴らしいコンテンツどのように作るのか?ではない。

それは、そびえ立つゴミの壁と戦って自分のメッセージを聞いてもらうにはどうすればよいのか?でもある。

どうか誤解しないでほしい。Eメールは今でも機能する。しかし、世の中には、あなたのビジネスにとって、そして、もっと重要なことにはあなたのオーディエンスにとって、もっと機能するツールが他にもあるのだ。

コンテクストを改善することによってコンテンツの力を押し上げる

2013年のパーミッションは、これまで以上にコンテクストに左右される。あなたのサイトデザインはどんなものなのか?あなたが無料で発行するマテリアル(例えば、ブログ記事やホワイトペーパーやeブックのような無料リソース)の質はどうか?あなたに対するオーディエンスの評判はどうか?同僚、仲間、競合相手の評価は?Google+やFacebookなどのソーシャルプラットフォームで人々はあなたのビジネスについてどんな話をしているのか?

そう、あなたには極めて優れたコンテンツが必要なのだ。それが、パーミッションマーケティングが走り続ける燃料なのだ。しかし、さらにあなたは、そのコンテンツを並み以上に押し上げるコンテクストにそれを置く必要がある。

影の側面に耐える

パーミッションマーケティングへの意識の高まりと共に、見せ掛けのパーミッションのあからさまな増加がある。

  • 一連のEメールを実装し、その後、それらに下手くそで面白くないコンテンツを投入する企業。
  • コンテンツマーケティングは“賢い広告”であると考える企業。
  • ブログの中身が薄い企業。
  • 自分達自身に素晴らしい部分が完全に欠けているのをカバーするために、有名で活発なスピーカーを連れて来る企業。

この全ての裏には勇気の欠如がある。企業は大きくなりすぎて、法律に縛られすぎて、もしくはベンチャーキャピタルの世話になり過ぎて、実際には何も言うことができないのだ。

もしあなたが実際に何かを支持する勇気がなければ、コンテンツはあなたにとって機能しない。そんなわけで、それは小企業(そして、たまたま、大きいがフレキシブルな企業)にそのような巨大なアドバンテージを与える。恐竜が流れ星を見て心配そうに空を見つめている間に、あなたには、サッと動いて世界を征服するチャンスがあるのだ。

学習できること、できないこと

この全ての特性の中で最も重要なのは、ボウル一杯の生ぬるい価値のないことではなく、言う価値のあること―本当のこと―を言う意欲だ。

他の全てのことは、アウトソースしたり、学習することができる。

もしあなたが非常に優れたコンテンツを作る方法を知らないのなら、あなたのメッセージに活き活きとした声を与える力強いライターを連れて来ることができる。

そして、もしあなたがそのコンテンツを宣伝する方法を知らないのなら、それを魅力的な方法で配信し、より多くのトラフィックのためにそれを活用し、それを戦術的に展開し、頑強なコンテンツ戦略を作るのだ…そのために私たちがいる。もしかするとあなたは、進化したパーミッションマーケティング戦略―より見事なオーディエンス体験を作り出すために標準的なEメールオプトインを超える方法―に関する金曜日のウェビナーに参加することから始めるかもしれない。

それに関する詳細はこちら。そこであなたに会えたら嬉しい!


この記事は、Copybloggerに掲載された「The Evolution of Permission Marketing: What You Need to Succeed in 2013」を翻訳した内容です。

パーミッションマーケティング、元々Eメールがマーケティングツールとして認識され出した中で普及した概念だけあり、内容のメール中心の話ではありました。今日ではスパマーの大量メールの脅威ばかりかGmailに代表されるようにメールサービス側であなたのメールを勝手に解析し、スパムや広告フォルダに自動振り分けしてしまう始末。SEOじゃありませんが、理想論とは別にコンテンツ、コンテキストも重要ですし、いかに様々なフィルターやノイズを掻い潜りユーザーにメッセージを見てもらえるか、ということがかつて以上に難しく重要な時代になっています。

最後は宣伝になってしまった記事でしたが、インバウンド、コンテンツマーケティングしかり、今日の時代にマーケティングを仕掛けていくことの難しさやあるべき姿を改めて考えさせられる記事でした。 — SEO Japan [G+]

リンク構築の11点の禁止事項

本日の話題もリンク関連ということで、改めてリンク構築において「すべきでない」手法を11整理した記事をサーチエンジンランドからお届けします。真っ当すぎる意見ではありますし、やり方次第でグレーにもホワイトにもなる内容もありますが、基本事項として理解しておきたい。 — SEO Japan

皆さんに伝えたいことがある。

ここ最近フラストレーションがたまっている。

Link Weekのコラム担当者は、リンク構築を適切に(そして、無償で)実行する方法を真剣に提案している。 それなのに、なぜ、いったいどうして、ゴミのように扱わられなければならないのだろうか?どうやら、リンク構築のエキスパートは、新たなアプローチを介して、「正当」なオンラインマーケティングの手法に変えていかなければいけないようだ。

We tried. We gave you all a chance, but since you little prissies can't follow instructions, I guess we'll have to try something else.

「アドバイスは出し尽くしたわ。他に何をすればいいっていうの?」- 私は自信を失い、混乱している。

そこで今回は、リンク構築において、二度と絶対にするべきではない行為を11点に絞って、紹介していく。順番に意味はない。

1. 質よりも量を優先する

グーグルのボットが見つけることが出来るかどうかも分からない25本のリンクよりも、実際に読者がいるサイトの1本のリンクを私ならとる。

2. 記事の大量投稿

記事の大量投稿がいまだに行われているのは、リンク構築業者に責任があるのかもしれない。この行為が原因で、「コンテンツは王様」と言うフレーズが、しつこく繰り返されているのだろう。この点に関しては、ある程度、責めを負うつもりだが、記事の大量投稿に対するロジックが、私にはいまだに理解することが出来ない。どこにでもあるペイデイローンでお得な契約を結ぶ方法、または、オフィス用のイスの素晴らしい点 トップ 10の記事を大量のサイトに投稿して、何を得られるのだろうか?

3. コンテンツのスピニング

2と同じように、全く同じ記事を、少し言い回しを変えて、「新しいコンテンツ」と宣言する行為は厳禁である。新しい記事のトピックが思いつかないほど創造力が枯渇しているのだろうか?サイトによってオーディエンスのタイプは異なる。自分のオーディエンスに向けて、記事を作成するべきだ。

スピニングは、同じトピックを使って、異なるメディアに向けて変換する、コンテンツの再利用とは異なる。例えば、プレゼンを行うと仮定する。この場合、コンテンツの再利用とは、スライドシェアにスライドを投稿し、プレゼンに関するブログの記事を作成し、そして、ウェブセミナーを行う取り組みを指す。コンテンツのスピニングは、作成したブログの記事を使って、意味を変えずに言葉だけを少し変更し、別のソースに売り込む行為である。

4. これ(ゲスト投稿の依頼メール):

Stop. Just...stop.

頼むから、やめてほしい。

5. 自分を無視する

愛情が注がれていないサイトやブログに向けられたリンクを何度か見たことがある。これは、赤の他人のサイトに良質なコンテンツを提供する取り組みに力を入れ、その後、ようやく自分のサイトのコンテンツの構築を始めるために発生する現象である。確かに、サイトを開設したからと言って、確実にリンクが寄せられるわけではなく、また、ビジターを獲得するために、宣伝を行う必要がある – しかし、優れたコンテンツを自分自身のサイトに構築していけば、たった1本ではなく、多くの自然なリンクを獲得するドアが開かれるようになる。

6. 「広告」(別名: 小さなテキストリンク)を買う

eメールを送信して、私にブログで“広告”を依頼するときは、細心の注意を払うべきだ。「オンライン妊娠テスト」や「安いウェブホスティング」等のワードで広告を出したいのだろう。

私をスパムするつもりなら、もう少し捻りを加えてもらいたい。

7. アンカーテキストに過剰にこだわる

2012年にペンギンが、ウェブマスター達を恐怖のどん底に落として以来、この傾向は確かに少なくなった。やはり、企業の名前よりも、完全一致のアンカーテキストの比率が高い被リンクプロフィールは、賢明な判断とは言えない。全てのウェブユーザーが、全く同じフレーズで、そのサイトを検索しているとでも言いたいのだろうか?

私なら、どんな方法でリンクを張ろうが、(質の高い)リンクを受け入れる。確かにアンカーテキストは、今でも重要であり、これがフラストレーションのたまる要因になっているのだろう。キーワードのリンクを必要としているものの、そのキーワードを必要としているように見えるのは問題なのだ。それでも、2年前と比べ、完全一致のリンクの比率は、大幅に減らす必要がある。

8. これも絶対にダメ(IP分散のプライベート・リンクネットワーク):

Does this really work for you, Josh?

Joshさん、これ本当に効果があるの?

9. ゲスト投稿

目を疑った人もいることだろう。ゲスト投稿を使って、リンクを構築するアクティビティから手を引くべきである。

私のことを偽善者と呼ぶ前に(そもそも、今、私自身がゲスト投稿を行っている)、ハッキリさせておきたいことがある。トピックについて隅から隅まで知り尽くしている自信がないなら、ゲスト投稿を控えるべきだ。一日に十本の記事を作る「記事作成専門のライター」が成功するのは不可能に近い。

ゲスト投稿をまだ行っているなら(私もその一人 – 適切に実施すれば効果はある)、時間を割いて、クライアントに質問を投げ掛けよう。SEOのエキスパートなら、様々なクライアントにサービスを提供することで、多くの異なる業界について、少し知識を持っているはずである。そこで、クライアントの取り組みに関心を持ち、記事としてタイミングが良く、適切なトピックを見つけだすべきである。

10. 「コンテンツマーケティング」の代わりとして「リンク構築」を行う

この2つの戦略は、お互いを補完するものの、大きく異なる。コンテンツマーケティングは、オーディエンスが必要としているコンテンツを与えて、購入の決定を下してもらう、言わば、リードを促すための取り組みである。リンクを構築することも可能だが、主な目的ではない。

11. 「ニュース性に欠ける」プレスリリースを配信する

パブリックリレーションズは、リンク構築の欠かせない要素の一つになっているものの、2本のプレスリリースを一ヶ月で配信しようと試みるのは、一ヶ月に50本のリンクを構築するようなものだ。現実的ではなく、ペースを維持することもできない。新しい製品の発売や地域社会への貢献等、ニュースに値することが起きたときに限って、プレスリリースを配信するべきである。

私はフラストレーションを関係のない方々にぶつけているのかもしれない。サーチエンジンランドの優秀な読者の皆さんなら、上述した行為(そして、同じくらい恐ろしい行為)は避けているはずだ。そのため、正当なリンク構築を進める運動に是非参加してもらいたい。 約束事を反故にしている人を見たら、声を上げてもらいたい。公の場で、出来れば、悪態をつきながら。

</ストレス発散>


この記事は、Search Engine Landに掲載された「11 Things We Should Never Ever Do In Link Building Again」を翻訳した内容です。

特筆すべき内容があったわけではありませんが、こうして羅列されると頭の整理にはなりますね。禁止事項とはありつつも、どれもバランス次第な内容にも読めますが、Googleのペナルティ発動が日本でも本格化している昨今、それなりの知識と覚悟がないと上記はどれも控えておいた方が無難といえそうです。 — SEO Japan [G+]

リンク構築で「コンテンツ・イズ・キング」は絶対か?

新会社設立等で更新が止まっていたSEO Japanですが、翻訳記事も溜まっていますし今後は質優先できちんと更新いきます!ということで、まずはリンクに関する話題を。今後のリンク構築には「コンテンツの質が重要」という話はよくありますが、素直に納得してしまいそうなこの「コンテンツ・イズ・キング」説を改めて考え直してみた記事を米国SEOエキスパートのブログから。リンク獲得の具体的手法も満載、SEO担当者にはきっと役立つ内容です。 — SEO Japan

コンテンツが全てではない。コンテンツ以外にも力を入れるポイントはある。実際に、コンテンツが全く重要ではないケースもある。

「コンテンツは王様」と言う格言は的を射ているとは思うが、世界で君主制を用いる国は44ヶ国のみであり、世界のごく一部でしかこのシステムの意図は伝わない

私が以前投稿したコンテンツのリンクの効き目に関する記事を読んだことがあるなら、リンク構築全般に対して、コンテンツに過大な期待をする行為が、いかに滑稽であるかを理解しているはずだ。例えば、保険に関するウェブサイトで、最高のコンテンツを作成しても、 I Can Haz Cheeseburger(動物の面白い写真を紹介するサイト)の最高のコンテンツと同じ結果が得られるわけではない。実際に、「良質なコンテンツを作る」以外の様々な要素によって、リンク構築は構成されている。そもそも、「コンテンツは王様」と言う考え方によって、実際の功績よりも遥かに多くの功績をコンテンツに与えている。その結果、最低限レベルのコンテンツを使って、しかも、お金をかけずに大量のリンクを構築する実力を持つ、クリエイティブなリンク構築のエキスパートが適切に評価されない事態に発展している。

価値提案が王様

リンク構築における「王様」はコンテンツではない。確かに、コンテンツは重要だが、重要度が高いのは、ソーシャルメディアが活躍する分野においてである。しかし、本当のリンク構築の王様は、全体的な価値の提案だ。リンクを求めて、リンクを得られるかどうかは、価値の提案 – つまり、コンテンツとマーケティングの組み合わせにかかっている。そして、価値の提案が、実際のウェブサイトとは全く関係のないケースが非常に多い。そのため、「コンテンツは王様」と唱えながら朽ち果て、多くのリンクを見逃しているサイトが続出している。

リンクを獲得するモデルを構築する

「コンテンツは王様」と言う考え方の甘さを、合理的に理解したなら、リンクを獲得する方式、つまり、リンク構築モデル全般について話を進めていこう。リンク構築モデルには、2つの側面 – 価値の提案 & ウェブマスターの心理 – で構成されており、ハイパーリンクを獲得するかどうかは、この2つの側面にかかっている。

価値の提案

まずは、価値の提案から見ていく。価値の提案は、リンクを独占的に獲得するポテンシャルを持っている – 親交があるかどうかで、あるいは、良質なウェブサイトを持っているかどうかで決まる。しかし、大方、リンクの価値を判断する上で、この2つの側面は連動して作用する。例えば、事業保険のウェブサイトのオーナーが、ニューヨークタイムズに1000ドルを提示しても、良い返事はもらえないだろう。しかし、100万ドルを用意したら、サイトをフィットさせるべく、努力するのではないだろうか。同様に、サンフランシスコ在住で、優れた営利目的のウェブサイトを運営しているなら、サンフランシスコに関するブログからリンクを得られる可能性は高い – 一方、サンフランシスコ在住ではなく、また、良質なウェブサイトも持っていないなら、リンクを獲得することは不可能に近い。

マネー

価値提案の中で、最も問題視されており – 間違いなく、最も効果が高いのは、マネーである。その他の価値提案とは、一線を画している。当然ながら、グーグルは、この手法に真っ向から反対しており、追放される可能性がる。先週のSMXカンファレンスで、ビングは必ずしも有料リンクを敵対視しているわけではなく、テーマとは全く関係のないリンクを問題視していると指摘していた。身に覚えがあるだろうか?

倫理および潜在的なリスクに対する直感を基に、どんな結論を出すにせよ、価値提案としてのマネーは、今後もリンクを獲得する手法として、その他の手法をリードしていくだろう。 キャッシュが提示される状況では、コンテンツの重要性は非常に低い – 許容の範囲内であること、または、妥当であることぐらいしか問われないはずだ。「質の高さ」は重要視されない。

お金を使ってリンクを獲得する上でのヒント:

  • グーグルアラートで「Sponsorship opportunity」、「Thanks to our sponsors」 & 「donate to our charity」を設定する。この3つの検索は、素晴らしい慈善活動を支援する、自然で有償の“無料”のリンクに対する最新の結果を提供する。
  • スポンサーにイベント/チャリティーを提示する際は、プライスアンカリングを利用する。プライスアンカリングとは、すなわち、購入を交渉する際の基本価格を設定する手法である。サイトにスポンサー料金を掲載していても、まるで相手の基本価格を見ていないかのような雰囲気で、大幅に低い価格を提示して、交渉に入るべきである。価格を高くすると同意してもらえなくなると恐れ、この価格を受け入れてもらえることは多い。また、反対されても、通常よりも低い価格を提示されるはずだ。
  • スタンブルアポンの広告プログラムを使って、バイラルトラフィックを獲得する。ソーシャルメディア向けが良いコンテンツなら、スタンブルアポンの広告機能を使って、コンテンツのページビューを増やし、その後、売り込むと、バイラル化に大きく貢献する。
  • BBBTRUSTe & PR.comを持つリスティングを買う。BBBとTRUSTeは、もともと大きな価値を持つ強力なリンクを提供している – しかし、ユーザーの信頼を高めて、コンバージョンを改善する効果が見込めるバッジも提供している。ブランドのシグナルを重要視しているなら、この2本のリンクによって、サイトの登録に求められるスタンダードを満たしていることがユーザーに伝わり、さらにサイトをプッシュする効果が見込める。PR.comは、ターゲットを絞ったアンカーテキストを用いて、プロフィールのリンクを掲載し、さらに、追加料金を払えば、プレスリリースを広めてもらえる。

場所

ほとんど利用されていない価値提案もある。その一つが、場所である。場所は、地域のブログ、地域のディレクトリ、商工会議所、フォーラム等のリンクを獲得するために、利用することが出来る。

場所を使って、リンクを獲得する上でのヒント:

 

アウトバウンドコンテンツ

アウトバウンドコンテンツとは、自分のサイト以外の場所に提供する、何らかのコンテンツやアイテムを指す。アウトバウンドコンテンツには、ゲスト投稿、インフォグラフィック、ホワイトペーパー、ウィジェット等が該当する。自動車保険のウェブサイトを運営していようが、ニューヨークタイムズを運営していようが、提供するコンテンツが十分なパワーを持っているなら、劣悪なウェブサイトを上回り、リンクを獲得することが出来る可能性がある。

アウトバウンドコンテンツを使って、リンクを獲得する上でのヒント:

  • インフォグラフィックを使ってリンクを構築する方法」を紹介したジャスティン・ブリッジズ氏の投稿に目を通そう。
  • 出来るだけ大きなマーケットに対して、アウトバウンドコンテンツを作成する。例えば、「一流の子育てブログ」に対するウィジェットは規模が大きく、成功する確率は高くなる。一方、「一流のNY ジェッツのブログ」のウィジェットの規模は小さく、手に入れられるリンクの本数は遥かに少なくなるだろう。範囲を出来るだけ広くすることで、見返り、そして、キャンペーンを成功に導く可能性を高めることが出来るのだ。しかし、ウィジェットが、「格好いい音楽のサイト」並に一般的なら、ターゲットのサイトに対して、特別なグループの一つに盛り込まれていることを伝えるべきである。あまりにも範囲を広くすると、逆効果なのだ。ウィジェットが「音楽サイト – Top 25」であったら、“エゴ”ベイトとして十分に機能するだろう。
  • 出来るだけコンテンツの掲載を容易にする。私はデザイナーに対して、ウィジェットの配信プラットフォームを作る際の参考として、SEOMozのWeb2.0バッジのページを紹介したことがある。様々なサイズと形のバッジを作り、さらに、切り取り & 貼り付け用のコードを提供することで、投稿する際のハードルを出来るだけ低くすることが出来る。ブログの記事に対しては、グーグルドキュメントを使って、誰でも – マイクロソフトのオフィスを持っていないユーザーも – アクセスすることが可能にするか、もしくは、単純にコンテンツをeメールで送信することを薦める。

友情/事業提携

ビジネス上の付き合いであれ、個人的な付き合いであれ、親しい人にリンクを要請しよう。関係が強ければ強いほど、サイトに掲載してもらいやすい。

友情/ビジネスを使って、リンクを獲得する上でのヒント

  • ブログのアーカイブのリンクを要請する。確かに疑わしいものの、このタイプのリンクは、友人のワインに関するブログで、事業保険のサイトにリンクを張る行為に対して感じる抵抗を少し下げられるだろう。たいした価値をもたらさないが、Wine Library TVHealthy Hearing等のオーソリティサイト上のリンクを獲得することが出来るなら、話は別だ。
  • 時々リンクを求める。友人に毎回リンクを求めるべきではない。良好な関係を壊したくないなら、たまに要請するべきである。そして、その他の価値提案を加える必要がある – 例えば、私は友人のインターネットマーケティングに関するサイトで、自分のウェブサイトを自然に取り上げる手段として、ゲスト投稿を提案したことがある。こうすることで、抵抗を抑え、複数の価値提案を活用することが可能になる。
  • エクセル文書を作って、リンクのチャンスを記録する。この点は、サーチエンジンランドに投稿した記事「ブラックリスト」で触れたことがある。ハード(実際に面会する)であれ、ソフト(eメール)であれ – 関係構築を介して、最終的にリンクを獲得することが出来る、リンクの機会を積極的に管理する。エクセル文書で整理することで、リンク構築のポートフォーリオに新たにウェブサイトを加えた際に、チャンスを逃さない環境を作り出すことが出来る。構築した関係から価値を入手するため、この文書を何度も利用することが可能だ。

エゴベイト / Ego Bait

価値の提案の中で、最も目立つ(そして、最も効果が高い)重要度の高いエゴを引き出す取り組みは、リンクを獲得する上で、大いに役立つ。リンクを求めるメールで相手のサイトをべた褒めする行為、業績を認めるバッジ、そして、コンテンツで言及し、その後、作者に知らせる手法は、効果的である。

エゴベイトを使って、リンクを獲得する上でのヒント

  • 「エゴリンクベイト」を作る。大きなグループに適用可能なウィジェットを作り、潜在的な見返りを最大化する。これは、アウトバウンドコンテンツの「出来るだけ大きなマーケットに向けてウィジェットを作成する」の項目で言及した点と同じである。例えば、AdAgeは、ブログ – トップ 150を作成し、自分のブログに掲載することが可能なウィジェットを利用している。ブログの数を20サイトに限定していたら – Adageのページビューは大幅に少なく、実際にバッジを掲載するサイトは3つ、あるいは、4つ程度であったはずだ。

  • 一風変わった褒め方をする。「君のブログはすごいね」と言うのではなく、具体的で、焦点が絞られた褒め言葉を贈るべきである。例えば、「ロスさんは、チャップマン大学を卒業しているんですね。私の友達にもチャップマン大学の卒業した人がいますよ。以前から、ロスさんのリンクの評価の投稿を参考にしたことがありますが、とっても役に立ちました。ありがとうございます! – と言い、次にSEOソフトウェアに関する宣伝を受けたら、私は、恐らく、詳しくその製品をチェックするだろう。片や、「面白いブログですね!」と言われたら、その言葉を信じることも、気に掛けることもしない。同様に、新たにウィジェット「マーケティングブログ – トップ 150」を作っても、このウィジェットを利用するブログは一つも現れないだろう。アプローチを工夫するべきである – 別のウィジェットが掲載されているサイトを見たら、同じ「Top –」を利用するのではなく、別の固有の価値提案を考えてみることを薦める。

ウェブサイトのコンテンツ

コンテンツを忘れていたわけではない。ウェブサイトのコンテンツも価値提案の一つであり、重要度は高い。サイトで優れたコンテンツを構築すれば、- 多分 – 優れたリンクを幾つか獲得することが出来る。最高のコンテンツであってもリンクを得られないこともあるが、質の高いオンページのコンテンツの存在は、ユーザーをコンバートさせる力があるため(これこそが最も重要)、大切である。

コンテンツをリンクを獲得する上で利用する際のヒント

  • 売り込みとは関係のない用語を使って、コンテンツを売り込む。多くのページが、「リンクを張って下さい」と表現している。この類の表現は、利益を意図していることが明白である。「シェアしましょう」等の表現の利用は、些細な違いだが、リンクに加え、共有と言う選択肢を与えているため、表現を和らげる効果が見込める。同様に、リンクを求めるeメールを送信する際は、「私のサイトにリンクを張って下さい」と懇願するのではなく、例えば、「ウィジェットベイトのリソースをとても楽しませて頂きました。私のウィジェットベイトのリソース W-I-D-G-E-T-B-A-I-T.tvに関する感想を聞かせて頂けると幸いです」と表現するべきである。こうすることで、厚かましい態度を取ることなく、さらに、信頼感を醸し出す効果があり、リンクを獲得する確率を高めることが出来る。
  • 社会的な規範を意識する。利益を交換するためではない故、この方法でリンクを獲得することが出来るケースがある。社会的な規範は、奇妙な存在である – 感謝祭の夕食では、無料でご馳走を振る舞うものの、食後に10ドルを払おうとすると、怒られ、つまみ出されてしまう。同じように、リンクを望んでいないような態度を取る、もしくは、(おまけ等)付加的な価値提案を提示しない等して、ウェブサイトとのつながりを断ち切ると、リンクを獲得する確率が上がる可能性がある。この件の詳細は、提供するものを増やすと、得られるリンクが減る仕組みで確認してもらいたい。

ウェブマスターの心理

提案する価値を理解したら、次に片っ端からウェブマスター達に価値を提案したくなる。これは、失敗に一番つながりやすい過ちである。価値の提案だけでは、リンク獲得の公式を完成させることは出来ないのだ。ウェブサイトにリンクを掲載する判断を下すのはウェブマスターであるため、価値の提案を行う方法を決める際に、ウェブマスターの気持ちを考慮しなければならない。

行動力

価値提案を用いて、ウェブマスターに接触する際に、タイミングが重要なカギを握る。ウェブマスターは、ピッチを受けたタイミングで、価値の提案に対して行動を起こすことが出来る可能性は、どれだけあるだろうか?スマートフォンを使って、金曜日の夜11時にメッセージを開いてもらいたいなら、かなりハイレベルな価値提案を行わなければ、行動を起こしてくれないだろう。しかし、火曜日の午後2時の眠くなった時間にメッセージを送信する場合、リンクを張ってもらえる確率は遥かに高くなる。

リクエスト付きの重要ではないメールを旅行に出かける前夜に受け取った状況を想像してもらいたい – 旅行から帰ってきた後にリクエストに応える可能性はどれだけあるだろうか?重要ではないなら、自分の仕事に関係ないなら、そして、再びリクエストされないなら、0に近いのではないだろうか。私の例は大げさだが、皆さんが実際にeメールをウェブマスターに送信する際は、この点を考慮してもらいたい。同様に、価値の提案が十分に魅力的であり、事実上、確実にリンクを張ってもらえるなら、タイミングは関係なくなるため、あまり心配する必要はない。

「行動力」を使って、リンクを獲得する上でのヒント

  • ウェブマスターへの接触を、ウェブサイトのトラフィックが多い時期に合わせる。ウェブサイトのトラフィックが最も多くなるのが、月曜日-木曜日の昼間なら、接触する相手がコンピュータのそばにいて、リンクを張る準備が出来ているのも同じ時間帯である可能性は高い。この時間帯は、大半の分野に共通しているが(月-木の午前から夕方になる前)、例外もあるため、サイトに応じて調節してもらいたい。大規模なリンク構築を行っていないなら、特定のウェブマスターを考慮して、例えば、相次いでツイートが投稿されるまで待ってから、あるいは、時差を考慮して、リンクを要請するメッセージを送ることが可能だ。
  • リンクを要請するメールを目立たさせる。もちろん、難しいが、朝に多くのメールが届くことを気にせずに、朝にメールを送信すると、あとで見るアイテムに分類されてしまう可能性はとても高くなる。昼間に注目を独占することが出来るなら、リクエストに応えたいと言う欲求は高くなる。

営利目的

営利的なコンテンツにはリンクを張らない方針を持っているウェブマスターがいる。このタイプのウェブマスターに接触するなら、強力な価値を提案しなければ、無視されてしまうだろう。 このケースに当たるサイトを判断するのは難しいが(営利目的のサイトにリンクを張ったことがなくても、今後も張らないとは限らない)、接触を行う際は、やはり考慮する必要がある。接触するサイトから距離を置く手がある – 先ほど紹介した社会的な規範を利用した手法を介して、営利目的のサイトのオーナーではなく、“友達”として近づくことで、リンクを得られるときもある。

「営利目的」を使って、リンクを獲得する上でのヒント

  • 女性の名前を使って、匿名のeメールで接触し、その後、リンク切れを見つける。SEER Interactiveのリンク切れに関する投稿(そして、記事の中で紹介されているツール)を使って、リンクを張ってくれそうなサイトでリンク切れを見つける。ウェブサイトを褒めた後、リンク切れを指摘し、最後に、リンクに値する2つのサイト – 環境に恵まれた/競合者以外のサイトと自分のサイト – を提案する。2つのサイトを提示することで、営利目的のサイトと関係があるとは思えなくなり、ウェブマスター側は、“正当な理由”でリンクを張ると言う感覚になる。また、女性の名前を適当なeメールのアカウントで利用することで、- 通常、女性の方が悪意を持っている人は少ないと考えるため – リンクを獲得しやすくなる。当然だ。

バーティカル/ウェブサイトの特徴

インフォグラフィックを持っているなら、ブログ以外の場所では掲載してもらえない可能性が高いため、ブログに焦点を絞って、接触するべきである。同様に、企業からリンクを要請するのは至難の業である – 価値提案の相手を選ぶ際は、このような特徴を考慮しなければならない。癌に関するリソース、あるいは、その他の悲しいタイプのポータル等 – 分野によっては、成功を収める上で検討しなければならない奇妙な特徴が存在する。

陽気な表現や誤った言葉遣いによって、リンクの獲得が失敗に終わることもある – なぜなら、テーマに対して、冷たい、あるいは、不適切だと見られてしまうためだ。

「分野/ウェブサイトの特徴」を使って、リンクを獲得する上でのヒント

  • マイク・パントリアノ氏が策定した「エクセルをSEOに活用する」ガイドを使って、タイプごとに被リンクを分割する。自動的にオリジナルの被リンクリストを分類すると、特定のターゲットを見つけやすくなり、ターゲットのタイプ間で、そして、提供するコンテンツに対して、大幅に考えを変える必要がなくなる。私は「ブログ」、「リンク」、そして、「リソース」に分類することを薦める – また、マイク・パントリアノ氏のリソースを使って、オープンサイトエクスプローラを介して、タイトルタグからこの情報を入手することで、URL以外で、ブログ/リンクリストを判断することが可能になる。 「リンク/リソース」ページを見つけたら、先ほど触れたリンク切れツールを使って、ROIを高め – 時間を節約しよう。

リンク構築: モデル

この“モデル”は科学的な根拠があるわけではなく、条件の多くは変わる可能性がある。しかし、このモデルでは – リンクを獲得しようと試みる度に – 手法の多くを利用しているが、他の戦略に頼る必要はない。

一番大事なことは、「良質なコンテンツを作れ」と言うメッセージに固執する単一のリンク構築モデルに頼っているわけではない事実である(大勢のウェブマスターが闇雲に依存しているようだが) – これではあまりにも短絡的であり、私はあくまでも実践的なリンク構築を目指したい。


この記事は、Ross Hudgensに掲載された「A Model For Link Building: Beyond “Great Content」を翻訳した内容です。

私もSEO Japanで様々な記事を過去発信してきましたが、個人的に「質が高い」と思う記事が必ずしもより人気を博し、トラフィックやリンクを得るわけでは無いことも十分体感しており、単純にコンテンツ・イズ・キングという話でもないよな、ということは感じていました。今回の記事、コンテンツより(コンテンツを通じた)価値を提案することが鍵、という内容にはナルホドと納得する点も多くありました。

内容に関してもかなり具体的な、リンク獲得に使える様々なテクニックが網羅されていましたし(若干グレーなものも含めて)、これからのリンク構築を考える上でかなり参考になる記事だったと思います! — SEO Japan [G+]

ウェブマスター ツールでの手動によるウェブスパム対策の表示

Google では、ユーザーの検索結果から スパムを排除 することに日々全力で取り組んでいます。具体的には、ウェブスパム アルゴリズムの改善に加え、ウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン) への違反に対する手動による対策も行っています。今回、ご自身のサイトで手動によるウェブスパム対策が実施されているかどうかを確認したいウェブマスターの方のお役に立つ新しい機能を公開しましたのでご紹介します。ウェブマスター ツールの手動対策ビューアには、ウェブスパム チームが手動で実施した、Google ウェブ検索結果でのサイトのランキングに直接影響する対策についての情報が表示されます。この機能を試すには、ウェブマスター ツール にアクセスし、[検索トラフィック] の下にある [手動による対策] をクリックしてください。

ほとんどのみなさまには、「手動によるウェブスパム対策は見つかりませんでした。」というメッセージが表示されるでしょう。Google 検索のインデックスに関する最新の分析によると、Google で確認したドメインのうちウェブスパムとして手動でインデックスから削除されるドメインは 2% にも達しません。この「手動によるウェブスパム対策は見つかりませんでした。」というメッセージが表示された場合、そのサイトにはウェブスパムであることを理由にした、検索結果からの削除など手動による対策は実施されておらず、ランキングへの直接の影響もありません。

手動によるスパム対策が実施されたごく一部のサイトについては、ウェブマスター ツールで既に通知されているはずです。通知は引き続き送信されますが、今後は手動対策ビューアで、 Google 内部のウェブスパム システムのデータをご自身で直接チェックすることもできます。ここで、例として、「ユーザー生成スパム」を理由として Google がサイトの特定のセクションに手動による対策を実施した場合、手動対策ビューアでどのように表示されるかについて紹介します:



この例では、「サイト全体の一致」はなく、「部分一致」があると表示されます。「部分一致」とは、サイトの特定のセクションに限って手動による対策を実施したことを示します。この例で問題となっているのは、他のユーザーによって mattcutts.com/forum/ に投稿されたスパム コメントです。この問題を修正することで、Google 検索でのこのフォーラム(mattcutts.com/forum/)に対する手動による対策が解除されるだけでなく、ユーザー エクスペリエンスを向上させることもできます。[詳細] をクリックすると、トラブルシューティングに役立つ新しいヘルプ記事が表示されます。

Google のウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン) への違反をすべて修正したら、次に 再審査をリクエスト します。この新しい手動対策ビューアにより、再審査リクエストの手続きはさらに簡単に、かつスムーズになっています。[再審査リクエスト] ページにアクセスしたら、サイトに対する手動による対策の状況についてチェックが可能となります。そして手動による対策がサイトに適用されている場合のみ、再審査をリクエストできます。ガイドライン違反となるウェブスパムの問題がある場合は、[手動による対策] ページ上に [審査をリクエスト] ボタンが表示され、直接再審査リクエストを送信することが可能です。

手動対策ビューアは、みなさまからご要望の多かった機能を実現したものです。この機能により、多くのウェブマスターのみなさまに少しでも心配する必要がないという安心感を提供できればと願っています。ウェブスパムの問題は実際には非常に少数ではありますが、今回お知らせした情報がスピーディーにトラブルシューティングを行う際の助けとなりましたら幸いです。ご不明な点については、ウェブマスター ヘルプフォーラム までお寄せください。

お盆の渋滞タイミングが分かるインフォグラフィック

これまでもインフォグラフィックを定期的に公開しているソニー損保が、新しいインフォグラフィックを公開しました。お盆の渋滞タイミング予測やトラブルに関する情報がまとまっています。出かける前にチェック!– SEO Japan

お盆の帰省に関する調査2013インフォグラフィック※画像をクリックすると「ソニー損保」のサイトに飛び、全体をご覧いただけます。

お盆の帰省に関する調査2013インフォグラフィック

グラフをみると8月10日(土)が帰省のピーク、Uターンは15日(木)がピークのようです。まだ予定を決めていない人は、うまく渋滞を避けて時間を有効に使えるよう、この情報を活用してみては?

インフォグラフィックには、渋滞タイミングの他にも「渋滞時には左側の車線を選んで走る人が多い」という調査結果や、ドライブ中のトラブルに関する情報、熱中症対策など、お盆休みに入る前に確認しておきたいポイントが満載です。

お盆の帰省に関する調査2013インフォグラフィック

※本インフォグラフィックは弊社がデザインをお手伝いさせて頂きました。

お盆の帰省に関する調査2013

お盆休みを7日以上とる人が30%というのは意外と多かったですね。また車で外出する人の約半数が事故やパンクなど何らかのトラブルに合った経験があるようなので、気を付けて良い旅を! — SEO Japan [G+]

図解1分でわかるシリーズ「動物で見る富士山」(インフォグラフィック)

「図解1分でわかる富士山」シリーズでおなじみのフジヤマNAVIさんの新作!!第三弾は「動物で見る富士山」をご紹介します。標高別に見られる主要な動物をまとめています。富士山には日本にいる哺乳類の種類のうち約半分が住んでいるんですね。Please enjoy!– SEO Japan

動物で見る富士山※画像をクリックすると「フジヤマNAVI」のサイトに飛び、全体をご覧いただけます。

五合目まで車で行くものだと思っていたのですが、多くの哺乳類は5合目付近までを中心に住んでいるんですね。頂上付近(高山帯)の環境の過酷さが垣間見れます。

動物で見る富士山

※本インフォグラフィックは弊社がデザインをお手伝いさせて頂きました。

動物で見る富士山(フジヤマNAVI)

動物で見る富士山、いかがでしたでしょうか?様々な視点から富士山をインフォグラフィックで理解する「図解1分で分かる富士山シリーズ」続編もご期待ください! — SEO Japan [G+]

「当社のSEO施策は安全です」は本当か?


某有名SEO会社であるがWebからの申込時に危険性をでかでかと表示している。
こういうインフォメーションを行う会社は非常に良心的だと思う。

問題は、

「当社のSEO施策は安全です」

と言い切るSEO業者である。
実際に業者による安全なSEO施策というものは存在しないわけではないのだが、専門家ではない限り安全性を判断するのは難しい。

今回の記事は、SEOの専門家ではなくても、ある程度業者のセールストークの中から危険を察知し、回避できるようにするためのものである。

当該SEO業者はGoogleのガイドラインに対してどう考えているか?
技術はどのレベルにあるか?ということによって危険性は変わってくる。

危険性には4つのレベルがある

  1. Googleのガイドライン違反を全く冒さない
  2. Googleのガイドライン違反を行うが、警告を受けた場合の対応策がある
  3. Googleのガイドライン違反を行うが、違反であることを極力隠す
  4. Googleのガイドライン違反を行うし、違反であることを隠しもしない

という4つだ。
いわゆる普通のSEO業者によるSEO業者施策は上記の2~4のいずれかに該当する。
では上のレベルから順番に説明することにしよう。

1.Googleのガイドライン違反を全く冒さない

ガイドライン違反を冒さずに、いかに検索エンジンからの評価を高めるかに焦点を当てている業者である。
このような業者は少ない。
コンサルティング型の業者が多く、サイト内部の改善・外部リンクの精査・ナチュラルリンクを集めるための企画運営といった手間のかかる業務を行う。
成果達成基準といったものはたいていは設定されておらず、月額数十万円~といった固定料金がかかり大体において高額である。

2.Googleのガイドライン違反を行うが、警告を受けた場合の対応策がある

多くのSEO業者にとって今現在時点において、現実的に実現可能な対応である。

不自然なリンクの警告がGoogleから送られてきた。
特定キーワードでの検索順位が大きく下落した。

といったような状況になった場合に、

  • 外部リンクをすべて剥がすことができるように準備しておく。
  • リンクはクライアントのトップページには張らずに、特定の下層ページに張ってあり当該ページのURLを変更するだけで全てリンクを無効化できるようにする。
  • クライアントのサイトに直接リンクを張らずに、SEO業者が制作した少数のサテライトサイトに多数のリンクを集めて、このサテライトサイトからリンクをする。
    といったクッションを設けた2段階の人工リンクを用意する。
    クライアントがペナルティを受ける可能性は大きく減少し、また最悪のケースでもサテライトサイトからのリンクを取れば回避できる。

主に上記の3つのうちのいずれかの対応策をあらかじめ講じておく。
施策にかかるコストが上昇するため、提供価格が高くなることもあるが比較的安心できる施策である。

それでもリスクがないわけでもないことを明記しておきたい。
リスクは3つあり、リスクの及ぼす影響の高い順番に列挙してみる。

  1. 当該SEO業者の施策だけでなく他にもGoogleのガイドライン違反を疑われる施策を行なっていた場合が大きな問題が生じる。
    ペナルティはコップの水が溢れるのと同じである。
    小さなガイドライン違反であっても積み重ねることによって、ある一定ラインを超えると発動するケースが多い。
    当該SEO業者の施策が原因で一定ラインを超えてしまったという場合は、当該SEO業者のリンクを剥がすだけでは元に戻らないかも知れない。
  2. 当該SEO業者が施策前に戻しても完全に評価が元に戻らない可能性がある。
    施策前の検索エンジンからの評価が10だったとすると、ペナルティを受けて2になり、施策前に戻して再審査リクエストを行なった後、8に戻るというような感じである。
  3. 一時的な評価の下落は避けられない。
    再審査リクエストによって評価が戻ったとしても、その間の1・2ヶ月程度の期間は評価が下落したままである。
    その時期が繁忙期と重なったりすると、ビジネスチャンスを逃してしまうかもしれない。
    例えば、タラバガニを通販で売っているサイトであれば、11月12月が評価が下がったままだと、お歳暮という最大の販売チャンスを失ってしまう。

とは言え、これらのリスクがあることを勘案して、それでもそのSEO業者に施策を依頼するという選択肢は、倫理的な問題はともかくおいておけばビジネス的にはありだ。
ビジネスにはどのような選択肢にも全てリスクがある。

何もしないという消極的な選択肢にも、ビジネスチャンスをものに出来ないリスクがある。

結局どの選択肢をとってもリスクがあるのだから、

リスクとメリットを勘案して最も望ましい選択肢

をSEO業者と一緒に判断してクライアントの責任において実施するのはありだろう。
リスクとメリットについて誠実に判断してくれるSEO業者であれば、付き合う価値があると私は思う。

3.Googleのガイドライン違反を行うが、違反であることをGoolgeに極力隠す

こういうSEO業者も数多くある。
というか、非常に多いといったほうがいいかもしれない。
このような業者の言い分はこんな感じだ。

「当社ではサーバーを多数持ち、IPを分散させているので大丈夫です。」
「高品質なリンクなので大丈夫です。」
「オーソリティの高いサイトからリンクされるので大丈夫です。」

いろいろなバラエティがあるがだいたいこんな感じだろう。
まあ、これらの言い分を鵜呑みにしてはいけない。

「大丈夫です。」

って言っている時点ですでに大丈夫ではない。
前述のような大丈夫の根拠も言うなれば「無根拠」と同義語である。

飲酒運転を常にする人がいて、その人にそんなのは危ないから止めろよ。
と注意をした時に、

「大丈夫だよ。俺はね、ビール2本ぐらいじゃ全然酔わないの。だからへーきへーき。」

っていうぐらいの根拠だ。何が平気なのかさっぱり分からないが、前述のようなSEO業者の言い分もどうして大丈夫なのか意味がわからない。
素人を騙せればいいっていうことだろう。
大丈夫というSEO業者は疑えってことだ。

4.Googleのガイドライン違反を行うし、違反であることを隠しもしない

こういうSEO業者もある。

「Googleなんてしょせん私企業なわけじゃないですか。何でそんなところの定めたルールに従わなくっちゃいけないんですか?」

って言い切ったり。

「大丈夫大丈夫、Googleはそんなに賢くないしわかんないんですよ。気にする必要なんてないです。」

このようなことはありえないし、危険この上ないので関わりあいになってはいけない。


まとめてみよう。

SEO業者の言う安全にはレベルが4つある。

全くリスクを冒さない1番だけは本当に安全である。
2番の業者はクライアントに対して誠実であり、かつ回復可能な策を講じているためまあ安全と言っていい。
3番と4番は安全ではない。
それにもかかわらず、SEO業者が安全だと強弁するならば、危険であることを隠しており不誠実で危険以外の何物でもないのである。

不自然リンクペナルティ・再審査リクエスト絡みの質問を20個集めて汎用的かつ無難なQ&A集を作ってみた

今の時代リンクペナルティ絡みの話題は無難に広くコンテンツとして需要がありそうなのと、社内的にも結構同じような質問を色んな方から頂くのでまとめておく価値はありそうねということで、特に目新しい話題はないと思いますがある程度網羅しておきます。

  • 1.リンク調査のツールは何を使えばいいの?
  • 2.リンクが全部外れないと解除できないの?
  • 3.不自然リンクとして外す必要があるリンクの見分け方は?
  • 4.「質の良いリンク」であっても外す必要がある?
  • 5.有料ディレクトリからのリンクってどうなの?
  • 6.明らかに不自然なリンクばかりで固められたようなサイトが今でも人気キーワードで上位に表示されている理由は?
  • 7.ペナルティを受けているサイトからリンク受けることって問題ある?
  • 8.nofollowでついてるリンクが怪しいと思う場合どうしたらいいの?
  • 9.リンク死ぬほど大量にありますけど、全部確認して削除しなきゃいけない?
  • 10.リンクを貼った人が剥がしてくれない場合、それ以上何も出来ない?
  • 11.リンク否認ツールってイマイチ実感ないんだけど使う意味あるの?
  • 12.ウェブマスターツールからダウンロードしたリンク全部まとめて否認しちゃダメですか?
  • 13.特に順位は下がってないんだけど本当に放置してたらダメなの?
  • 14.さっさと再審査リクエスト出したいんだけど問題ありますか?
  • 15.再審査リクエストってやりすぎたら解除されにくくなるとかある?
  • 16.内部的な問題で警告メッセージが来ることってあります?
  • 17.本当にGoogleの中の人が人的にチェックしてるの?
  • 18.警告メッセージきてたから再審査送ったのに、「手動での対応は行なっておりません」って返事きたんだけどどうすればいいの?
  • 19.ペナルティは自動解除されるって聞いたんですけど、わざわざリンク外す意味あるんですか?
  • 20.ペナルティ解除したらどれくらいで順位が戻りますか?
  • あくまで現時点(2013/07/30)情報であるということと、一部は数少ない事例を元に書いている内容も含まれますので、長期に渡って正確さを保証するものではありませんのでご了承下さい。

    リンクの分別・削除に関するQ&A

    不自然なリンクとはどういうものかを正しく理解し、削除できる不自然リンクは基本的には全て即座に外すことが求められます。

    1.リンク調査のツールは何を使えばいいの?

    自サイトに向けられている被リンクのデータを取得するには、主にはウェブマスターツールの「サイトへのリンク」から取得します。しかし、実際にはそれで全てのリンクデータが抽出できるわけではなく、特にリンク数が膨大な場合には、外部ツールを用いて初めて検出されるリンクがそれなりの割合で発生します。

    従ってウェブマスターツールに加え、いくつかの外部ツールを併用することで、なるべく多くのリンクデータを抽出し、再審査リクエストに望むべきと言えます。外部ツールとしては主に以下の3ツールが代表的です。

    1.Open Site Explorer ( http://www.opensiteexplorer.org/ )
    2.Majestic SEO ( http://www.majesticseo.com/ )
    3.ahrefs ( http://ahrefs.com/ )

    それぞれ無料プランでは取得リンク数に制限がありますので有料プランを申し込むか、或いはこうしたツールのアカウントを保有している外部の協力者に依頼すると良いでしょう。

    2.リンクが全部外れないと解除できないの?

    基本的には、不自然なリンクは全部外すことを前提としてリンクの精査を行う必要がありますが、過去数年間に渡り様々なSEO会社と取引があったり、自社でリンク対策(当時流行ったディレクトリ登録や相互リンク、ブログ投稿系のリンクサービス等)を行なっていた場合には、現実問題としてほとんどの場合で全てのリンクを削除することができません。

    そうした場合でも、出来る限りのリンク削除の努力と、削除出来ないものの否認申請やその経緯報告をGoogleに行うことで、仮に1回で削除出来なかった場合でも、粘り強く継続してチャレンジし続ければ解除できることは珍しくありません。

    最近では、最終的に7割程度のリンクが残っていながら、6ヶ月程度かけて複数回に渡りチャレンジした結果手動ペナルティが解除されたというような事例もあります。

    3.不自然リンクとして外す必要があるリンクの見分け方は?

    次の質問とも関連しますが、一言で言えば、「SEOのみを目的として設置されたリンク」は大方NGなものとして扱って良いです。

    内容によってはSEOを意図したリンクであっても一概にNGと扱われない場合もあると思いますが、素直にペナルティ解除を目指すのであればSEO目的のリンクは内容によらず削除する必要があります。

    4.「質の良いリンク」であっても外す必要がある?

    意外に多い質問だったりしますが、この「質の良い」という言葉もそもそも人によって定義や意味するものが全然違います。Googleが指定するところの「質の良い」というのは自然なリンクであることが前提にありますが、SEOの話題の中で「質の良い」というのは「1本あたりのSEO効力が高い」というような文脈で使われることが大半です。

    先ほどの質問の回答の中でも書きましたが、後者のような意味で使われている「質の高いリンク」であれば、手動ペナルティ発動後には基本的にはそのリンクは外すことが求められます。

    5.有料ディレクトリからのリンクってどうなの?

    名前を挙げるとしたら、Yahoo!カテゴリのような主要ディレクトリは一向に問題ありません。ただし有料ディレクトリについては、「登録は避けるべきで、現在ついているなら外した方が良い」というものも多くあるということは言及しておきます。具体的な事例はここでは控えさせて下さい。

    6.明らかに不自然なリンクばかりで固められたようなサイトが今でも人気キーワードで上位に表示されている理由は?

    色々と理由はありますが、まず「今の順位が良い=何も問題がない」ということではない、ということが前提にあります。ペナルティに起因して順位を大きく落としているようなサイト達も、時を遡れば「順位が落ちるまでは問題を抱えながらも悠々と上位に掲載されていた」わけですね。

    問題がある=必ずペナルティを受ける、ではありませんし、ペナルティを受けていない=何も問題がない、でもありません。Googleのスパム検知フィルタがまだ検知しきれていないのかもしれませんし、ひょっとしたら単純に手動対応が遅れているのかもしれません。手動対応が行われているのに、順位にまだ反映されていないだけかもしれません。

    現時点の順位を最優先と置くのか、その先のリスク等々まで含め総合的に考慮するのか、サイトや状況によって様々と思いますが、諸々のリスクまで含め判断があまりつかないようでしたら、すくなくとも「今」だけを軸に施策を講じるのはやや怖いかなと思います。

    ちなみに、「スパム検知されにくい不自然リンク」と「ペナルティの際に外さなくても良いリンク」も別ものです。これも混同されている方は多いので念のため。不自然リンクである以上は基本的には外す対象として考えておく必要があります。

    7.ペナルティを受けているサイトからリンク受けることって問題ある?

    一般的に言えばそれ自体に問題はありません。が、自分のサイトが密接につながっているサイト群の中にペナルティを受けているようなサイトが多くあるのであれば、そのサイト群との関わりを薄くするなどの考慮はあっても良いかもしれません。

    理屈としては、「悪い連中ばっかりとつるんでる奴は大概悪いやつだろう」というような感じで、一方的にペナルティを受けたサイトからリンクを受けるわけではなく、自サイトの周辺にそういうサイトが多くいてリンク構造として近しい位置にあるのであれば、リンクを制限するとかそういう対応はしたほうが良いかもしれないです。

    8.nofollowでついてるリンクが怪しいと思う場合どうしたらいいの?

    nofollowが最初から付与されているリンクについてはその内容如何によらず問題はありません。もともとクロール対象でもなければSEO上ではページランクも受け渡しませんのでランキングを操作するような要因とはなっていません。

    9.リンク死ぬほど大量にありますけど、全部確認して削除しなきゃいけない?

    先ほどの質問でも回答しましたが、死ぬほどリンクがついていようが何だろうが、再審査リクエストに求められるのは「問題となるリンクを削除すること」です。

    しかし現実的にそれが出来るケースは圧倒的に稀であり、ほとんどの場合はそれが出来ません。できませんが、基本的にはそれをやることでペナルティ解除の確率は高まりますし、やらなければその分ペナルティが遠のきます。

    昨年秋にはリンク否認ツールがリリースされ、そうした状況でもペナルティ解除に向けて前進はしやすくなっていますので、必ずしも全部が外れる必要はないかもしれませんが、全て確認し、削除しようとし、ダメであればそれが何故削除できないのか記録に残す、といった地道な作業はどちらにせよある程度は必要となります。

    10.リンクを貼った人が剥がしてくれない場合、それ以上何も出来ない?

    何もできないわけではありません。例えばリンクが掲載されているサイトの管理者に直接連絡することで個別にリンクを削除してもらえるケースや、例えばlivedoorブログなどでは最近SEOスパム報告フォームができ、こちらから申請すれば記事を削除してもらえる可能性もあります。

    参考:検索エンジンスパムへの対応について - livedoor ブログ ヘルプセンター

    基本的には粘り強く色々やってみると、何かしら好転することもあります。もちろん全部が全部対応してくれるわけではない、というよりも対応されることの方が少ないです。

    個人的にとある無料ブログサービスの運営担当者の方とお話したことがあるのですが、スパムリンクの削除依頼は鬼のように来るようで、仮に対応しようとしても、正直1つ1つチェックして対応するなんてのは現実的に不可能、なんていうお話をされていました。まあ、それはそうですよね。

    リンク否認ツールに関するQ&A

    2012年10月にリリースしたリンク否認ツールについてのご質問。具体的なレスポンスがGoogleから得られる類のツール・申請ではないので、ちょっと未知数なところがあることは否めません。

    11.リンク否認ツールってイマイチ実感ないんだけど使う意味あるの?

    正直、否認ツールを使用したからこうなった!的なものがそこまであるわけではありませんので確証はないのですが、もともとは「削除し切れなかったリンクは否認申請を出した上で再審査リクエストを送る」というような用途で作られたもので、そういう意味では少なからず意味はあるだろうと感じています。どちらにせよ削除できなかったリンクについては否認申請する、というのは標準で行うべき施策と思います。

    12.ウェブマスターツールからダウンロードしたリンク全部まとめて否認しちゃダメですか?

    ペナルティ解除、という意味では問題はないのかもしれませんが、非承認する必要のない価値あるリンクまで含めてリンクの価値を放棄するという行為ですので一般的に推奨されるものでは全然ありません。きちんとリンクを精査した上で、不自然なリンクに限定して否認申請します。数によってはとても大変ですが。

    再審査リクエストに関するQ&A

    再審査リクエストについても、基本的には問題が解消している状態で送るものであり、そうでない場合にはそうできない原因とどのように問題を解決しようとしたかを伝えなければなりません。

    参考:不自然リンクによるGoogleペナルティ解除事例 (基礎編) - SEO HACKS公式ブログ

    13.特に順位は下がってないんだけど本当に放置してたらダメなの?

    ある意味非常に難しい問題なんですけど、今の順位の優先度と後の順位下落リスクを天秤にかけて、前者が圧倒的に高いようであれば、場合によっては放置という選択肢が出るのかもしれないですが、少なくとも企業が管理するサイトがその選択をすることはほとんどないでしょう。

    不自然リンクに関する警告を受け取ったあともしばらく順位が下がらないとか、TOPページの主要キーワードでは下落したがロングテールの流入にはほとんど影響がないとか、そういうケースも中にはありますが、それでも中期的には下落傾向になることが多いです。
    少なくとも最終的には何かしらの悪影響が出るんだろう、と考えていて問題ありませんし、個人的には企業サイトに対して放置を推奨することはありません。

    14.さっさと再審査リクエスト出したいんだけど問題ありますか?

    再審査リクエストを送信すること自体に問題はありませんが、何も問題が解消せず、状況が改善していない状況で再審査リクエストを乱発しても「リクエスト待ち」の時間を無駄に要することになりますのであまりよろしくはないと思います。

    15.再審査リクエストってやりすぎたら解除されにくくなるとかある?

    再審査リクエストを処理しているのが機械ではなく人間ですので、そのあたりのオペレーションについては何とも確証がないし実際色々試行錯誤されているところなのでしょうが、少なくとも単に再審査を乱発することが良い印象を与えることはないでしょう。

    何回やるとかそういうことではなく、再審査リクエストとは、問題の解消、及び問題を解消するために行ったプロセスの共有を行い、手動対応を解除する旨の申請をするための人的なコミュニケーションである、と捉えておけば良いのではないでしょうか。

    16.内部的な問題で警告メッセージが来ることってあります?

    ありますが、不自然なリンクに起因するものとは無関係です。警告というわけではなくアラートとしてよくあるのが重複コンテンツ問題やソフト404の検出などです。

    17.本当にGoogleの中の人が人的にチェックしてるの?

    実際のところどの程度のものなのかはわかりませんが、少なくとも人的な対応はされていますね。最近ではウェブマスターツールを通したやり取りだけではなく、実際に内部の担当者からメールで連絡が来ることも増えて来ました。その中では、具体的にどのようなリンクが問題になっているかのサンプルを提示してもらえたりします。

    リクエスト実施後によくあるQ&A

    再審査リクエストに対するGoogleのレスポンスも時とともに変化してきています。返信メッセージも以前より大分柔軟な対応をとってくれるようになってはいるなと感じます。

    18.警告メッセージきてたから再審査送ったのに、「手動での対応は行なっておりません」って返事きたんだけどどうすればいいの?

    うーん、どうなんでしょうね。こういうケースがちらほら散見されるのですが、手動での対応が行われておりませんということは状態としてはペナルティを受けていない、ということになります。

    そう言われている以上、追加で再審査リクエストを送信したとしても「手動対応は行なっていません」のメッセージが来るだけですので、繰り返して行う必要はありません。

    しかし、再審査リクエストを送信している以上サイトに何かしらの問題があるわけで、それを解消できているのであればそれで問題ないんでしょうが、問題が残っているなら引き続きその解消にあたるべきと思います。

    19.ペナルティは自動解除されるって聞いたんですけど、わざわざリンク外す意味あるんですか?

    自動的に自然解除される、ということは実際にもGoogleが公式にアナウンスしていることですので特に疑う余地はないのでしょうが、自動的に手動対応が解除されるのであれば問題ない、とするのは少し違うと思います。

    問題を抱えたままにしておくのであれば仮に一定期間の後にペナルティが解除されたとしても、おそらく(同じ問題が要因となって)同様の処理を受けると考えておけば良いと思います。これについてはそれといった事例があるわけでもなく、断言は割けておきます。

    20.ペナルティ解除したらどれくらいで順位が戻りますか?

    これも状況によってまちまちですが、目安としては、手動対応の処置を取り消しました、というメッセージを受け取ってからおよそ1~3週間程度かなという印象があります。

    1週間程度で順位回復
    ↑1週間程度で回復しているものもあれば、


    ↑のように3~4週間程度かかるものもあります。どのみち、ある程度分かりやすい形で順位が回復するだろう、ということは分かりますね。

    ただし、難しいのは、必ずしも「ペナルティが解除=ペナルティを受ける前の順位に戻る」ではないということですね。特に不自然リンクに依存度の高いSEOを行なっていた場合、それらのリンクを外して再審査リクエストを行うわけですから、ペナルテイが解除されたとしてもその恩恵で得られていたランキングに戻ることはまずないと思います。

    まとめ

    以上、とりあえず汎用的な回答となります。ここ最近はGoogle側での再審査リクエスト対応も順次改善(?)され、少なくとも過去に比べれば解除難易度も徐々に緩和されてきたように思います。

    もちろん個別具体的な事例に関しては、それぞれで言えることは少しずつ変わります。警告後の順位推移やトラフィック推移も状況によって様々ですし、サイトを複数持っている場合にペナルティを受けているサイトの重要度もさまざまでしょうし、判断も色々ですね。

    ここではあくまで一般的な話題として、もし「最優先でペナルティを解除したい」となれば、上記のようなスタンスで解除に向けて地道にリンク精査と削除、リクエストを行えば最終的には解除される方向に向かいます。状況によっては結構大変なんですけども創意工夫というよりも泥臭い作業ですね。

    結構ボリュームありますが、何かの時にお役立て下さい。

    ヴォラーレ株式会社 土居

    おすすめの記事

    「デスクトップのアイコンが全部Wordになってしまいました何とかしてください」という深刻な問題

    Windowsユーザから標題の様な何を言っているのか意味が分からない質問が時々来る。この様なシチュエーションに遭遇した場合、速やかにPCを見せてもらって一体何が起きているのかを自分の目で直接確認しよう。自分の置かれている状況が飲み込めていないPC初心者にいま何が問題なのかを言葉で説明してもらおうと思っても、それは無理な話だ。スカイプ越しでこの様な相談をされている場合は尚更である。

    さて、標題の様な質問があった時、ユーザのPCが一体どんな状況であるかを説明しよう。要するにデスクトップやタスクバーに置いてある「ショートカット」のアイコンが全部Wordのアイコンに置き換わってしまったという事だ。

    ,. -‐””’”"¨¨¨ヽ
    (.___,,,… -ァァフ|
    |i i|    }! }} //|
    |l、{   j} /,,ィ//|
    i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ
    |リ u’ }  ,ノ _,!V,ハ |
    /´fト、_{ル{,ィ’eラ , タ人
    /’   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ
    ,゙  / )ヽ iLレ  u’ | | ヾlトハ〉
    |/_/  ハ !ニ⊇ ’/:}  V:::::ヽ
    // 二二二7′T” /u’ __ /:::::::/`ヽ
    /’´r -―一ァ‐゙T´ ’”´ /::::/-‐  \
    / //   广¨´  /’   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ
    ノ ‘ /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
    _/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::…       イ

    あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
    『おれが奴のPCをのぞいてみたらデスクトップやタスクトレイに置いてある
    ショートカットが全部「Word」のアイコンに置き換わっていた』
    な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
    おれも何をされたのかわからなかった…
    頭がどうにかなりそうだった…
    催眠術だとか超スピードだとか
    そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
    もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

    情強な皆様なら「なんでそんな事になるねん?」と思うかもしれないが、マジで起こるんだ、こういう事が。

    「PC初心者は何をやらかすかわからない」という特性に立ち返って考えてみよう。大よそ初心者がトラブルに巻き込まれる時はユーザ自身が「余計な事をやらかした」時に発生する事が多い。「防波堤に居た釣り人が大波にのまれて行方不明」という事故は、大抵の場合釣り人が防波堤の入り口に設置してある「進入禁止」の看板と柵を乗り越えた時に発生する。「俺達は普通じゃないんだぜ」という慢心から普通の人とは違うアドバンスな事をしようとして痛い目を見る。この問題も正にそんな感じで発生する。

    例えばAさんがスカイプでWordファイルをBさんに送信するという状況を考えて欲しい。Aさんは送信対象のWordをスカイプにドラックアンドドロップするはずだ。これはわかる。しかし時々「Wordだと思ってWordのショートカットをスカイプにドラックアンドドロップする」という事があるのだ。

    さて、そのショートカットを受け取ったBさん。「こちらがWordになります」といってファイルを受け取ったはいいが、そのファイルのアイコンがなんか変な事になってる。ていうかダブルクリックしてもWordが開けない。という状況に陥る。そこで送信元のAさんに「ファイルが変だよ送り返して」とかなんとか言えばいいのに、何とかしてしまおうと思うのがIT企業に勤めている人間のサガである。PCなんて簡単に使えるし。単なる道具だし。俺達は普通じゃないんだし。

    そしてファイルを開く際に「このファイルを開けません」→「インストールされたプログラムの一覧からプログラムを選択する」→「Wordを選択」→「この種類のファイルを開く時は選択したプログラムをいつも使う」と自己解決を試みてしまい、結果「.lnk(ショートカットファイル)の関連付けがWordに設定→ショートカットのアイコンが全部Wordに・・・」となってしまうわけだ。参考までに、アイコンが全てWordになってしまったデスクトップの画像を載せておく。

    やらかす前のデスクトップ
    ↑やらかす前のデスクトップ

    やらかしてしまったデスクトップ
    ↑やらかしてしまったデスクトップ

    スタートメニューとか目も当てられない
    ↑スタートメニューとか目も当てられない

    この問題の解決法は以下の通りだ。ぶっちゃけ他のサイトからのコピペだ。しかしここまで結構な長文を書いてしまい、そろそろ時間がもったいないと感じてきたので許してほしい。

    Windows 7でショートカットをアプリケーションに関連付けた時の対処法

    1. Windowsキー + Rで「ファイル名を指定して実行」画面を表示します。
    2. regedit と入力し[OK]します。
    3. HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion
    \Explorer\FileExts\.lnk\UserCoiceキーを削除します
    4. ログオフしてログオンしなおします

    ※レジストリの編集は自己責任でお願いします!設定を間違えるとPCの動作に支障が出る事があります。

    PC初心者は何をやらかすかわからない。しかしその様なトラブルが発生した時は我々情強が即座に対応して通常業務が出来る状態にリカバリしてやる必要がある。ここで考えてみよう。もし我々情強が「全員Macユーザ」だったとしたら??もしかしたら彼らのトラブルを一瞬で解決する事が難しいかもしれない。何故なら開発者以外のユーザは大抵Windowsユーザだからだ。

    「やらかす」人間が使うパソコンは大抵Windowsである。MacやLinuxではない。やらかす人達が多くいる環境に身を置いている場合、情強はWindowsにも精通していなければならない。トラブル以外にも「PCの便利な使い方」や「オススメのアプリケーション」をアドバイスをしてあげることもある。そんな時はユーザ目線で考えてアドバイスする必要がある。だから私はWindowsを使い続けるのである。

    最後に

    あまりに唐突ですが今月末でヴォラーレを卒業するので記念にこんなどうでも良い記事を書かせて頂きました。もっと言えば社員向けブログに昔書いた記事をこちらにそのままコピペしました。今後また普通のSEOの記事がアップされるはずなのでそちらを引き続きお楽しみ下さい。

    それではまた。

    ヴォラーレ株式会社 青木

    おすすめの記事

    初心者向け記事:ホームページにアクセスがない場合に5つのするべきこと


    今回の記事は、まったくホームページに集客できておらず、
    • 集め方がわからない
    • 零細企業だから無理
    • 素人だから無理

    と思っている人に読んでもらいたい。
    ※ホームページという言葉を使わず、いつもはWebサイトと表記しているのだが、あえて今回はまったく知識のない人向けに、極力日常的な用語を使って書くのである。

    アクセスがないといった場合の考え方だ。
    なお、この記事は「この通り調べて」とホームページの制作会社に依頼することもできるように書いてある。

    本来は集客はホームページの制作会社の仕事ではないため、制作を依頼する側が考えるべきことなのだ。
    しかし、全くの素人でどう考えていいかわからないといった場合には制作会社に手伝ってもらう必要がある。
    どうやって手伝ってもらったらいいのか?すらもわからない場合には、この記事をそのまま見せて依頼をかけることができるようになっている。
    しかし、できることであれば、この程度は出来る限り理解をしてもらいたいと思う。

    制作を丸投げするにしても、この程度のことがわかるのとわからないのでは大違いだからだ。

    1.アクセスを正しく把握しているか

    まずはこれである。

    「ホームページへの来訪者がいない」「インターネット経由での問い合わせがまったくない」、これをごっちゃにしている場合がある。
    小規模あるいは零細企業の場合だと、後者を指してアクセスがないと思っているケースがある。

    アクセスとはホームページへの来訪のことで、これがあったとしても問い合わせに至らないことは多い。
    まずは来訪があることが前提条件だ。

    いくら店内に魅力的な商品を並べていても、だれも店にお客が来なければ購入者はいない。
    まずは、お客が来るために方策を取らねばならない。
    お店で言うところの購入が、ホームページでは問い合わせである。

    問い合わせがまったくないことと、アクセス数が少ないことは分けて考えねばならない。

    この記事ではアクセスが少ないケースに絞って話を進めることにする。
    アクセスがあるにもかかわらず、問い合わせがないケースについては別の機会に論じたい。

    アクセス数が少ないことをどうやって把握しているか?

    アクセスを把握するためGoogleアナリティクスというGoogleが無料で提供しているサービスを利用するのが一般的である。
    しかし、このサービスを使った場合には、全部のページに正しくアナリティクスの設定がされていないと正しく計測ができない。

    自分で確認するのは初心者だと難しいが、Tag AssistantというこれまたGoogleが提供しているチェックのサービスを使うのがよい。

    GAタグなどをチェックしてくれる[Tag Assistant]

    この記事が比較的わかりやすい。
    この通り設置をした後に、ホームページ内のすべてのページを開いてみて全部チェックする。

    Google Analytics     Working▼

    となっていれば正常に動作している。
    そうなっていないページがあれば、「Not working」になっていたり、「Google Analytics」の表示のないページがあったらそのページはアクセスを取得できていないので修正が必要だ。修正はホームページを制作した業者に行ってもらう。

    あとはあまり知られていないが、ホームページを設置するために借りるレンタルサーバーにも、たいていは無料のアクセス解析サービスが付属している。

    webalizerの画面

    上記はさくらインターネットなどで使われている、フリーの解析ソフト(Webalizer)による解析結果の画面だ。
    (※ちなみにこれは私の運営している実験サイトの解析結果)

    このようなサービスも無料で提供されているので使ってみるのもよい。
    Googleアナリティクスに比べると、機能は限定的だが逆に分かりやすく初心者にはこの方がいいかもしれない。
    とはいえ、Googleアナリティクスは設定しなくていいということではなく、正しく設定した日からのデータしか取得できないため、設定だけは正しく行っておく必要はある。

    2.本当にアクセスがないのか確認する

    零細企業や個人商店のホームページだと1日の訪問数はゼロ~数十人程度が普通だ。
    数十人でも多いぐらいかもしれない。
    何かしら積極的なPRを行わないかぎり、1日に50人ぐらいといったアクセス数にはならない。

    1日に平均して数人程度というアクセス数だと、アクセスがないと言える状況と言える。
    見ているのがほとんどが身内とか取引先といった状況だろう。

    3.検索結果に露出しているか確認する

    ホームページへの集客の最も重要な経路は、検索結果への露出によるものだ。
    自分のホームページではタラバガニを通販で売っており、

    「タラバガニ通販のたむらはん商店」

    というホームページを運営していたとしよう。
    実際の店舗以外にインターネットでも売ろうと考え、ホームページを作ってみたもののアクセスがないというケースである。

    ホームページがそもそもGoogleに認識されていないと、検索結果からのアクセスはゼロである。
    まあ、たまにあるのだ。

    ホームページを作っている途中では、中途半端な状態を見せないためあえて検索結果に表示させない設定をする。
    ところが、完成したあとでもこの設定をそのままにしてしまうといった凡ミスがある。

    このチェックの方法は、Googleの検索で、

    site:ドメイン名

    と入力をして検索を行う。
    例えば、今見ているこのホームページ(ブログって言いますな)であれば、

    site:minnano-seo.com

    と検索すると、

    検索件数

    このような感じで検索件数が表示される。
    本来あるべきページ数よりはるかに少ない、あるいは全く検索結果に表示されない場合は前述の凡ミスを疑う。
    あるいはGoogleが巡回できないページがある可能性を考える。

    人間がホームページのトップのページからクリックをしていって、到達できないページは検索結果に表示されないかもしれない。
    そのような場合を含めて前述の凡ミス以外は、原因の追求は初心者には難しい。

    参考:クローラビリティが悪ければ全て始まらない

    4.titleに重要なキーワードが入っているか確認する

    ページのtitleは重要である。
    書店に本を探しに行ってどの本を手に取るかはタイトルに書かれている書名にかかっている。
    これがあいまいだったり、本の内容とかけ離れている場合は(例えば料理のコーナーに置いてある本であり、実際の内容がカニの料理法の本であるにもかかわらず、書名が「自動車整備入門」であるようなケース)誰も手に取らないだろう。

    決定的にtitleは重要なのだ。

    ホームページの中のすべてのページはhtmlというコンピュータ言語によって記述されている。
    どのように書かれているかは誰でも見ることができる。
    しかし、htmlというコンピュータ言語は難しくないのであるが、多少は勉強しないと理解することができない。

    なので、チェックするための簡単な方法を以下に記しておく。

    SEOチェキというサービスを使うと簡便だ。

    SEOチェキのメニュー画面

    この画面にURLを入力してチェックのボタンを押すと、

    SEOチェキの表示画面

    この赤枠の中がtitleの内容だ。
    ホームページの中の様々なページをチェックして、そのページの内容を表す言葉になっているか確認するのだ。
    もしここが空になっていたり、全部のページが同じになっていたりしたら駄目である。
    よくありがちなのが、全部のページが同じtitleになっていてホームページの名称になっているというケースだ。

    「たむらはん商店」と全部のページがなっているといった設定は誤りだ。
    本来は「タラバガニしゃぶしゃぶセット」とか「激安訳あり折れタラバガニ足」といったように、titleは具体的かつ端的にページの内容を表すようにしなければならない。

    このtitleの中に検索される言葉を含ませると、検索結果に表示されやすくなることは非常に重要なので覚えておいて損はない。

    参考:titleタグのつけ方の戦略

    5.ページの情報量は充分か確認する

    実は一番言いたかったのがこの項目なのだ。
    項目の1~4ができていないという場合は実はあまりない。
    ほとんどがここができていないため、アクセスが少ないのだ。

    アクセスがほとんどゼロというページの特徴は大体においてページ数が少ない。

    10ページ以下といった場合が多い。

    「何と5万円!激安ホームページ制作サービス」といったサービスを利用した場合は、

    トップページ、会社概要、社長あいさつ、製品・サービス紹介2ページ、お問い合わせページ

    といった内容だったりするかもしれない。
    この程度のホームページのボリュームしかないと、ほとんど検索されないといっていい。
    社名、あるいは店名で検索した場合に初めて検索結果に表示されるというぐらいだろう。

    それでも、会社案内パンフレットとしては役に立つ。
    ホームページがそもそもない、というだけで現代では怪しい会社だと思われるケースがあるので、その意味ではこの程度でもないよりあったほうがいい。
    しかし、集客という意味では全く役に立たないと考えて差し支えない。

    タラバガニの通販の例であれば、

    「たむらはん商店」と検索した場合には検索結果に表示されるが、「タラバガニ 通販」「タラバガニ しゃぶしゃぶ 通販」「タラバガニ 訳あり」といった自分の店の名前を知らない人を集客することはできないということである。

    このようなキーワードで集客しようとしたら、タラバガニの商品を大量に掲載する必要がある。
    検索結果には情報が充実しているページが優先的に表示されるからだ。

    「タラバガニ 通販」

    と検索する人は、安いタラバガニ、美味しいタラバガニ、しゃぶしゃぶ用に使えるタラバガニ、天ぷらに使えるタラバガニ、贈答用に使えるタラバガニ・・・。といった、様々なニーズがある。
    これらの様々なニーズを満たすホームページが上位に表示されるようになっている。

    自分のホームページと、検索上位に表示されるページを見比べて情報量の違いに着目するとよいだろう。
    たいていは集客できないページというのは情報が足りないのだ。

    情報を充実させるのは一朝一夕にはできない
    普段から努力するしかないのである。

    しかし、一つ試してみたほうがよいことがある。

    たった一つでも充実したページを作ってみる

    これをおすすめするのだ。
    目安であるが3000文字以上書いてみる。
    ダラダラと書くのではなくきちんと章立てをして論理的にまとめるのである。
    Wikipediaの記事は各項目が章立てがなされて、論理的に構成されている。
    このような感じでまとめて、充実した情報量を提供すれば集客できるのだ。

    試してみるとわかると思うが、このようなページを作るとその記事からはアクセスを確実に得られる。

    充実したページを作れば、集客できることが実感できるだろう。
    一度そのような手応えを得ることが出来れば、頑張ろうというモチベーションが湧くだろう。
    そうなればこっちのものである。

    3000文字とは大変だと思われるかもしれないが、自分がやっているビジネスに関する内容だ。
    その程度は書けるはずだ。

    ちなみにこの文章は4585文字から構成されている。

    サイト クリニックを実施しました

    先日、ブログ記事でご案内しました通り、6 月 27 日に「サイト クリニック」を行いました。サイト クリニックは、サイト クリニックは、実在するサイトを題材に、Google 検索と相性の良いサイト運営の方法について考え、ディスカッションするものです。日本では 2 回目の開催で、今回は初めて、ハングアウト オンエア形式で行いました。

    今回、応募いただいたサイトを確認させていただいたところ、みなさんに共通したお悩みがあることがわかりました。それは “特定のキーワードでの検索順位が上がらない、検索順位を上げるにはどうしたらいいか” というものです。このお悩み(私達が日頃から一番多くいただくご質問でもあります)に対して、今回は 3 つのポイントから具体的なサイト例を示しながらお答えしました。

    1. 「検索順位」から離れて考えてみる
      • 一言解説:検索結果画面を眺めて、いわゆる「検索エンジン対策」をしていてもサイトへの訪問者数は増えません。どのようなきっかけで検索して、自分のサイトを訪れるか、「検索前」の部分について考えてみましょう。
      • ご紹介させていただいたサイト
    2. ユーザー視点で見直してみる
      • 一言解説:「こんな人にサイトを見て貰いたい」という理想のユーザー像を考えて、そのユーザーの視点から検索クエリやサイト構成を見直してみましょう。
      • ご紹介させていただいたサイト
    3. Google 検索にも伝わりやすいサイトにする

    3 ポイントを通してここで改めて強調してお伝えしたいことは、「自分が検索ユーザーであったらどう行動するだろうか、サイトを見てどう思うだろうか」というユーザー視点でサイトの構成を見直してみることの重要性です。「検索エンジン最適化(SEO)」と聞くと検索エンジンの動向に注目しがちですが、まずはユーザーにとってわかりやすい、価値のあるサイト運営を目指して、その上で Google 検索にも伝わりやすいサイトになっているか確認する、という流れを意識していただければと思います。

    また、今回ご応募いただいた方々の中にも ウェブマスター ツール をまだご利用いただいていない方が少なくない数いらっしゃいました。ウェブマスター ツールでは Google 検索と相性の良いサイト運営をしていく上で参考になるデータを閲覧できますし、サイト運営上大きく影響のある問題が発生していると思われる際には Google からメッセージをウェブマスター ツール上にお送りしています。大変役立つツールですので、ぜひご利用ください。





    イベント ページはこちらからご覧ください。

    ご参加いただいた皆さん、ご応募いただいた方、ありがとうございました。特に開催にあたり、題材としてご紹介させていただくサイトの募集をしましたが、短い募集期間にも関わらず大変多くのご応募をいただきました。ここで改めてお礼申し上げます。
    今回のサイト クリニックの内容が、様々な分野で活動されている NPO の皆さま、そして多くのウェブマスターの皆さまにとって少しでもお役に立ちましたら幸いです。


    Googleからウェブマスターツール経由で「手動ペナルティでの処置を変更したよ」のような珍しい通知が来た

    普段あまりこういう時事ネタは書かないんですが、本日Googleからなんだか興味深い、新しい対応(のような気がする)通知を受け取りましたのでこちらに書いておこうと思います。

    http://******* の再審査リクエストを処理しました2013年7月21日
    http://******* のウェブマスター様から再審査リクエストを受け取りました。

    貴サイトはこれまで、Google の品質に関するガイドラインに違反しているとの判断に基づき、Google が対策を適用していました。今回、お送りいただいた再審査リクエストを検討した結果、この対策を変更いたしました。これによるサイトの状態の変更が、Google 検索結果に反映されるには、時間がかかることがあります。

    なお、サイトの一部またはサイトへのリンクが現在も品質に関するガイドラインに違反しています。品質に関するガイドラインへの違反がサイトにないことを確認したうえ、Google 検索結果に表示するためのサイトの再審査をリクエストしてください。

    他にご不明な点がある場合は、ウェブマスター ヘルプフォーラムをご利用ください。

    文面はいつもと同じテイストなのですが、これまでの通知と内容が大きく異なる点としては

    お送りいただいた再審査リクエストを検討した結果、この対策を変更いたしました。

    なお、サイトの一部またはサイトへのリンクが現在も品質に関するガイドラインに違反しています。

    の部分ですね。再審査リクエストによって、ペナルティで課せられていた処置が変更されたが、未だにガイドライン違反は解消されないためペナルティの根本的な解除はされない、という内容のようです。

    これまではウェブマスターツール上で受け取る通知としては大きくは「処置を取り消しました」という解除通知か、「ガイドラインに違反しています」という差し戻し、しかなかったと思いますが、今回は「処置を変更したよ」です。この通知を受け取った事例を他に見ていませんのでだからどうこう、ということは言えないわけですが、何と言いますかGoogleも色々試行錯誤しているんだろうなということは伺えます。

    少なくとも今回の通知を素直に解釈すれば、「ある程度解消されていることが分かれば、その分だけレベルは緩和してあげるよ」というメッセージと前向きに受け取れないこともありません。もちろん、今まで内部的には普通に行なっていた対応を、ご親切にアウトプットしてくれるようになった、というだけかもしれませんけれども。

    個人的にはあんまりこういうのにイチイチ何かを期待することはないのですが、引き続き何か新しいものがあればお知らせします。

    ヴォラーレ株式会社 土居

    おすすめの記事

    様々な「記録」から富士山の雄大さを実感するインフォグラフィック

    7月1日に世界遺産登録後はじめて山開きした、お祭りムードあふれる富士山。今回はインフォグラフィックを連載している「フジヤマNAVI」が新作を公開したのでご紹介します。標高差3000mの登山競争の最高タイムは?5合目から頂上まで16マイルをホッピングした記録保持者は誰!?など、富士山にまつわる「記録」を集めたインフォグラフィックです。– SEO Japan

    様々な「記録」から富士山の雄大さを実感するインフォグラフィック※画像をクリックすると「フジヤマNAVI」のサイトに飛び、全体をご覧いただけます。

    101歳で富士山に登った五十嵐さんもすごいですが、75日間連続で1日2回登った登山家の實川さんもすごい。。富士山は日本一の山だからこそ、人々をさらなる記録更新へ魅惑するのでしょうか。

    様々な「記録」から富士山の雄大さを実感するインフォグラフィック

    ※本インフォグラフィックは弊社がデザインをお手伝いさせて頂きました。

    様々な「記録」から富士山の雄大さを実感するインフォグラフィック

    上の画像では紹介しきれなかったのですが、吉田ルートは5合目から山頂まで6時間が目安となっているのにもかかわらず、麓の市役所から山頂まで最短記録「約2時間半」で駆け上がってしまう富士登山競争(毎年約半数が脱落する)の過酷さを想像すると正直ゾッとします。 — SEO Japan [G+]

    SEOとリスティングの思考の違い


    SEOとリスティングはどちらも検索エンジンマーケティング(SEM)の販促手法である。
    というかSEMといえばこの二つしかないと言っていい。

    以前に「新版 リスティング広告 成功の法則【阿部 圭司著】 リスティングとSEOの本質は同じ」という記事を書いた。

    リスティングもSEOも検索キーワードを媒介として、ユーザーと検索エンジンから集客するため根本的な思考は共通している。

    1. ユーザーのニーズを洞察し
    2. ニーズから検索キーワードを推測し
    3. 検索結果をクリックさせるためのキャッチコピーを考える

    この一連の集客のための発想・思考は共通であるため、根本は同一と言える部分がある。
    しかし、違う点は数多くある。

    一般的にSEOとリスティングの違い、言い換えるとメリットデメリットは以下の通りだと言われている。

    SEOとリスティングの比較

    リスティングは即効性、確実性(費用さえ払えば確実に表示させられる)に非常に優れるが、費用がかかることが欠点だと言われる。
    端的に言えばそういうことなのだが、これはニュアンスの違いのごく一部しか言い表していない。

    どんな名作と呼ばれる小説であっても、あらすじを50文字で書いてしまったら味もそっけもなく、どうして感動したのかわからない。
    それと一緒だ。

    SEOとリスティングは決定的に違うものなのだ。

    根本の思考は共通であるにもかかわらず実務においては全く違う。
    両者を高いバランスでこなせる担当者はまずいないことからも明らかである。
    私はSEOのプロ、リスティングのプロと話をすることがよくあるが、どちらもやるという人にあったことがない(インハウスにはいるかもしれないが)。

    笑い話のような笑えない話だが、住太陽氏のSEOのセミナーの参加者の中に、SEOを無料のリスティングだと勘違いして聴講に来ていた人がいて非常に面喰っていたらしい。
    これは極端な話であるが、非常に違うのである。

    ではどう違うのか?

    私はリスティングに詳しいわけではなく、本を読んで近年実践を始めたばかりなのだが、私の感じたことを書いてみたい。
    ちなみに読んだことのある本は以下の2冊。いずれも良書なのでお勧め。気が向いたらアフィリエイトリンクなので買ってください。最近子育てにお金がかかるので助かります。

    リスティングがSEOと違うと感じた点は以下の通りだ。

    1. 準備に手間がかかる
      通常はコンテンツを作ることイコールSEOとなるが、これは一朝一夕にはできないので、少しづつ作り上げていくといった感じになる。
      (サイト構築時に行うSEOは別。きちんと準備せねばならない)
      ところが、リスティングの場合は先を見通して、周到に準備する必要がある。
    2. 調査・工夫・推敲により精度を高め続けることが可能
      どこでやめるか、言い換えればどのあたりで妥協するか?がすごく難しい。
      ユーザーニーズの分析、競合分析、キーワードの洗い出し、広告文の作成・校正のいずれをとっても手間をかければいくらでも手間をかけられる。
      手間をかければアカウントの出来は良くなるが、手間をかけ続けているといつまでたってもアカウントの作成が終わらない。
    3. 常に軌道修正が必要
      SEOの場合は一旦方針を固めたら後はその方向に向かってひたすらやるだけだ。
      しかし、リスティングの場合は常に微調整が必要だ。時には微調整というレベルではなく大幅見直しも必要になる。
      これを絶え間なく毎日のように行う。
      SEOはサイト自体を育てるがサイトは成長が遅い。
      それに対して、リスティングのアカウントは手をかければかけるほど早く成長する。そうして改善しないと今この瞬間にも無駄な出費が続くので、可能な限り早く動かねばならない。
    4. 費用対効果が明確
      SEOは基本的には費用をかけるものではなくて手間をかけるものである。
      しかし、サイトの修正や再構築といったことが必要になる場合には費用も必要になる。しかし、費用対効果は不明瞭だ。
      その手間や費用をかけたから検索エンジンからの評価が上がって、コンバージョンが取れたという因果関係はなかなか証明しにくい。
      これに対して、リスティングは非常に明確である。
      運用側としては大きなメリットであるのだが、担当者としてはごまかしも言い訳もできないためプレッシャーが厳しい。
    5. リスティングはリスティングだけで完結しない
      前の費用対効果が明確にもかかわることなのだが、SEOもSEOだけでは完結しないのだが、SEOの場合はコンバージョンまでの責任を求められないことがほとんどだ。
      SEOはWebサイトに集客するまでの仕事と捉えられることが多いが、リスティングは結果が求められる。
      結果を出すためには、リスティングだけでは無理でサイト全体の導線を改善したり、デザインやキャッチコピーを魅力あるものに変えたり、LPを作成したり・・・。といった努力が必要になる。
      リスティングだけ頑張っても難しいのだ。
    6. リスティングには科学的思考が求められる
      SEOは文系的な集客手法だ。結局のところ、ユーザーにとって役立つコンテンツを作れば集客できるのがSEOだ。
      しかし、リスティングは常にCTR、CPC、CPAといった数字を見ながら、改善を続けていくという思考が必要になる。
      数字を把握するためには、常にGoogle Analyticsを見て、データを読み解く技術が必要。
      SEOの場合は、検索順位、検索クエリ数、検索エンジン経由の集客数といったウェブマスターツールで把握できるぐらいの情報があれば、日常の業務においてはだいたい事足りる。
      リスティングの場合は数字を見るだけではなく、分析して、そこから次にどのようなアクションを取らなければならないか?を自分で導き出さないといけない。
    7. リスティングは覚えることが多い
      操作や、用語など覚えなければならないことが非常に多い。SEOは専門用語なんかわからなくたってできることがほとんどだ。

    といった違いがある。
    一つ一つの違いがとても大きく、それゆえに両者をこなせる担当者がいないと私は考えている。

    しかし、SEO担当者にとってリスティングを学ぶメリットは大きい。

    • キーワード選定の精度が大きく高まる。
    • SEOは成果が出るまでに時間がかかるため、まずはリスティングを先行させることで成果を早く得ることができる。
    • リスティングで広告文をテストすることで、CTRの高いtitle・descriptionを作ることができる。
    • リスティングでPDCAを回しCPAを改善する過程において、現サイトのボトルネックを潰すことができる。

    といったわけで、SEO担当者もリスティングをやってみることを強くお勧めする次第でである。

    知って楽しい!花火の「いろは」を詰め込んだインフォグラフィック

    日本の夏の風物詩である花火。今年も連日各地で花火大会が催される季節になりました。花火の形を表す「割物」「ポカ物」って何?4尺玉の大きさはどのくらい?など、花火大会がより楽しめる豆知識が詰まったインフォグラフィックを紹介します。花火大会に出かける予定のある人は必見!– SEO Japan

    ※画像をクリックすると「保険の窓口インズウェブ」のサイトに飛び、全体をご覧いただけます。

    何気なく見上げていた花火に「昇小花八重芯変化菊」なんて美しい名前があるとは知りませんでした。花火師さんの技術と一つ一つの作品への思い入れを感じます。この他にも、花火大会までの移動手段や、許せない!と思うマナー違反などについてもアンケートを行った結果をインフォグラフィックで紹介しています。

    ※本インフォグラフィックは弊社がデザインをお手伝いさせて頂きました。

    知って楽しい!花火の「いろは」を詰め込んだインフォグラフィック

    インフォグラフィックの最後には、全国の主要花火大会一覧も掲載されているので参考にしてみてください。公開元の「保険の窓口インズウェブ」が行ったアンケートによれば、花火大会には「虫よけ」が必須のようですのでお忘れなく! — SEO Japan [G+]

    選挙活動における検索エンジンを対象とした施策について Q&A編

    Google ではブログ記事「選挙活動における検索エンジンを対象とした施策について」を公開し、ウェブスパムに対する注意喚起をいたしました。その後選挙活動に関わる方だけでなく、多くの方々から検索エンジンを対象とした施策やウェブスパムついてご質問をいただきました。これらの内容は、選挙だけでなく、政治関係者ではない一般のウェブマスターの皆さんに役立つ内容だと思います。下記にまとめましたので、ぜひご覧ください。

    Q. SEO 業者から検索結果の掲載順位を上げる、といった営業電話がかかってきたのですが、信用しても大丈夫ですか?
    Google の検索は、200 以上の要素を考慮して、ユーザーが探している情報に最も関連性のある検索結果を表示すべく、日々、検索エンジンに改善を施しています。日々、新しいサイトが生まれるウェブ上において、一定の検索ランキングを約束することは、一般的に非常に難しいと言えます。ですのでランキングを上げることを約束するような勧誘には注意が必要です。もしこうした検索エンジン対策を、外部の業者に発注する場合は、信頼できる業者かどうかその評判を検索して判断すること、そしてその上で Google のウェブマスター向けガイドライン に違反しない施策を行うよう確認することをおすすめします。また、こちらのヘルプ記事 を参考にしてみてください。

    Q. ガイドラインに違反するとどうなるのですか?
    Google では、ガイドライン違反に対しては、Google 検索の品質およびユーザーの利便性を維持するためアルゴリズムや手動で掲載順位を下げる、または検索結果から削除する、などの対応をさせていただく場合があります。どのような手法がガイドライン違反となるかについては、ウェブマスター向けガイドラインの品質に関するガイドライン上で公表しています。ご確認の上、悪質な手法を用いないようお気をつけください。

    掲載結果に変動のある手動による対応をした場合は ウェブマスター ツール に通知をお送りしています。手動による対応を解除するための手続きである 再審査リクエスト についてもウェブマスター ツールが必要となりますので、ウェブマスター ツールには必ず登録することをおすすめします。

    Q. SEO 業者から逆 SEO や誹謗中傷対策などの提案を受けましたが、問題はありませんか?
    逆 SEO や、誹謗中傷対策という名目で検索結果を人為的に操作する手法がとられる場合があり、そうしたケースでは、Google のウェブマスター向けガイドラインに違反する不正な手法がとられることが多いようです。そのようなガイドラインに違反する不正な手法に加担しないためにも、前述のとおり、業者の評判を確認すること、施策内容を把握すること、Google のウェブマスター向けガイドラインに違反しない施策を行うよう確認すること、を心がけてください。

    Q. 関連検索やキーワードのサジェスト機能から外して欲しいキーワードがあるのですが、どのようにすればいいですか?
    現在専用のフォームなどはございませんので、検索結果の下部にある、”フィードバックを送信”からご報告ください。お送りいただいた情報は、必ず反映されるというものではございませんが、機能改善等の参考情報として活用させていただきます。



    また、Google の検索結果からコンテンツを削除する手続きにつきましては、ブログ記事「Google の検索結果からコンテンツを削除するには」をご覧ください。

    Q. 政治家の事務所のウェブサイトを運営しています。SEO 対策として気をつけるべき点はなんですか?
    Google が以前 Google 自身のサイトについて診断を行った Google 検索エンジン最適化 (SEO) レポートカード が参考になるのではないかと思います。その診断を参考にしていただいて、まずはお名前などで検索結果にきちんと表示されるかどうかを確認することをおすすめします。診断の結果、きちんと表示されていないことが分かった場合は、検索エンジン最適化 ( SEO ) スターターガイド を参考にしていただき、改善を試みてください。

    ご意見・ご感想は、ウェブマスター ヘルプフォーラム までお寄せください。


    不自然なリンク操作での再審査リクエストの注意点

    Google ウェブマスター フォーラムで、再審査リクエストに関する質問、特にサイトへのリンクの問題をどう扱うか、といった質問をよく見かけます。今回はよくある質問とそれに対してどう対応すればよいか、といったことを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

    再審査リクエスト はいつ送信すべきですか?
    Google のウェブマスター向けガイドラインの品質に関するガイドライン に違反した場合に、検索結果を不正なスパムから防ぐため、サイトに対して手動によるスパム対策が実施されることがあります。違反については、Google ウェブマスター ツール に送られるメッセージで確認できるほか、サイトの以前の所有者や委託している SEO 会社など他の人から知らされたりする場合もあります。手動によるスパム対策を解除するには、まず、品質に関するガイドラインに従ってサイトを修正してください。修正が完了し、現在のサイトが品質に関するガイドラインに違反していないことが確認できたら、再審査リクエストを送信してください。

    サイトが アルゴリズムの変更 による影響を受けていると思われる場合は、再審査リクエストを送信すべきですか?
    再審査リクエストは、手動によるスパム対策が実施されたサイトを対象としています。単にアルゴリズムの変更による影響を受けているだけであれば、解除の対象となる手動のスパム対策がないので再審査リクエストを送信する必要はありません。アルゴリズムの変更と手動による対策のどちらに関連するか不明で、かつ品質に関するガイドラインに違反していたと思われる箇所を修正した場合は、再審査リクエストを申請していただいてかまいません。

    サイトへのリンクの品質を確認するには、どうすればよいですか?
    Google ウェブマスター ツールの [サイトへのリンク] セクション には、あなたのサイトへのリンクのサンプルが多数表示されるため、最初にこちらを利用して調べることをおすすめします。特定の期間に SEO キャンペーンを実施した場合は、「最新のリンク」をダウンロードすると、その期間に作成されたリンクを確認しやすくなります。Google ウェブマスター ツールで表示されるリンクはサンプルですが、これを調査することによって解決すべき問題を見つけられるでしょう。たとえば、スパムの疑いのあるブログ コメントや自動生成されたフォーラム投稿、PageRank を転送するリンクを含んだテキスト広告などは 不自然なリンク と見なされる可能性が高く、Google の品質に関するガイドライン に違反します。個々の例や具体的なヒントについては、Google ウェブマスター ヘルプフォーラム で他のユーザーや経験豊富なウェブマスターからアドバイスを受けるようおすすめします。

    サイトへのリンクの品質が悪いときはどう対処したらよいですか?
    まず不適切なリンクを特定し、そのリンクを削除するか nofollow 属性を設定 することに最大限の努力を払ってください。どうしても削除も nofollow 属性もできないときにのみ リンクの否認ツール を使って、残りの不自然なサイトへのリンクに対処してください。URL 構造が複雑なサイトや、明らかなスパム サイトには、domain 演算子を使用してドメイン全体を否認することをおすすめします。たとえば、自動的に生成されたコンテンツのサイト や、編集されたコンテンツのほとんどない、品質の低いサイトなどです。詳しくは、否認ツールを使用する場合のよくある間違いに関する動画 をご覧ください。

    どれくらいの情報を再審査リクエストに記載すればよいですか?
    再審査リクエストの際に 詳細なドキュメント を提出していただくと、違反箇所を修正するために行ったウェブマスターの対応内容がわかり、再審査チームが調査しやすくなるためスムーズな審査につながります。共有ドキュメントへのリンクを含める場合は、そのリンクが誰からでもアクセスできるように設定 してください。記述方法につきましては、ウェブマスター フォーラムでも紹介していますので、そちら もご確認ください。

    再審査リクエストの処理にはどれくらい時間がかかりますか?
    手動によるスパム対策が行われたサイトの再審査リクエストは、Google 社員 によって処理されます。わたしたちは 迅速な対応 に努めており、通常は数日以内に処理されます。ただし、寄せられる再審査リクエストの数は変動が大きいため、いつまでに審査が終了するかお約束することはできません。

    再審査リクエストを送信するとどうなりますか?
    再審査リクエストを送信すると、まず、Google ウェブマスター ツールに自動的に確認のメッセージが届きます。リクエストが処理されると、その結果をお知らせするメッセージが届きます。ほとんどの場合、このメッセージは、手動による対策が取り消されたこと、あるいは、サイトが引き続き品質に関するガイドラインに違反していることのどちらかをお知らせする内容です。

    詳しい情報はどこで入手できますか?
    再審査リクエストについて詳しくは、こちらのヘルプ記事 をご覧ください。また、Google ウェブマスター ヘルプフォーラム では、詳しいディスカッションに参加したり、経験豊富なウェブマスターや Google 社員からアドバイスを受けたりすることもできます。ぜひご活用ください。


    もしも検索エンジンがなかったら


    もしも検索エンジンがなかったら
    どうやってWebサイトに人を集めるか?

    これが今回のテーマである。
    私が初めてホームページを作ったのは1997年のことである。
    (余談だがこのサイトはYahoo!カテゴリの「文学」に登録されていた。閉鎖してしまったのは惜しいことをした。あの頃の自分にSEOって言葉を教えてやりたい・・・)

    Yahoo!Japanの創業が1996年である。
    検索エンジンはまさに誕生したばかりの段階で著しく未発達だった。
    Webサイトはまったくバラバラに存在しており、必要な情報を探すのは困難だった。

    せっかく作ったサイトに人を集めたくて、様々な努力をしたものである。
    現在のように検索エンジンは発達しておらず、ソーシャルメディアも存在しない中で、どうやって人を集めたのか?

    ここに今に通じる集客のヒントが隠れていると思うのだ。

    当時のWebサイトではCGIといった仕組みもほとんどなく、掲示板すらまれであった。
    だから、Webマスターへの連絡はメールが主な手段だった。

    1. ソーシャルメディアでの言及
    2. トラックバック
    3. ブログへのコメント
    4. メールもしくはメールフォームでの連絡

    私の感覚では、Webマスターへの連絡手段としては、この順序で下に行くにしたがって重くなる感じだ。
    言い換えれば

    「いい加減にはできない」

    という感じになる。
    メールは重たい手段だ。
    よほどの用件がなければ使わない。

    当時はそれしかなかった。
    その中においてメールを送るのは、よくよく考える必要があった。

    自分のWebサイトをPRしたいというのが目的であった場合は、自分のPRだけをするわけには当然いかない。

    1. 自分が面白い・好き・趣味が合うと思うサイトを見つける
    2. 自分のサイトで紹介文を掲載しリンクを貼る
    3. 「自分のWebサイトで紹介させてもらいました」と書く
    4. 相手も自分のWebサイトに来訪して内容を読む
    5. 相手も気に入ってくれたら同じようにリンクしてくれる

    こんなやり取りが当時一般的だったと思う。

    非常に面倒だったのだ。
    しかし、これには大きなメリットがあった。

    メールのやり取りは、よいページをふるいわける素晴らしいフィルターの役割を果たしたのである。

    しょうもない何の中身もないSEO目的みたいなページを作った場合には、リンクしてくれとお願いすることはできなかった。
    また、それを顧みず図々しくリンクのお願いをしたとしても、リンクしてもらえる可能性はごく少なかったからである。
    これはメールという重い連絡手段だったからこそ、フィルターは機能したと私は考えている。

    実際に面白い・価値がある・共感するものにしかリンクはあまりされなかった。
    個々のサイトの中にあるリンク集には確かな価値が存在したのである。

    そして、非常に濃いWebマスター同士の交流を生み出した。
    Webサイトを通じてお互いがお互いを理解しあう文化が生まれた。
    今であればソーシャルメディアがこの役割を担っているのだが、Webサイトとメールしかなかったからだ。

    相手にも読んでもらわねばならないため、誰もが面白い・役に立つコンテンツを作ろうと努力をした。
    そして、ほかの人のコンテンツも読むように努めた。

    検索エンジンによるコンテンツの選択が可能になる前のインターネットの文化はこんな感じだった。

    今こそ元々の文化から学ぶべきだと思うのだ。

    もし、ロボット型検索エンジンがなかったとしたらどうサイトを運営するか?
    全文検索の存在によって我々が忘れてしまった原点がそこにある。

    実は検索エンジンもこれを評価している。
    検索エンジンがなかったとしても、ユーザーが訪問してくるであろうサイトはどれか?
    を評価しているのだ。

    そもそも、検索エンジンにとっては、

    検索エンジン以外の諸条件しか評価の対象にし得ない

    のである。
    そして、検索エンジンそのものも「無」から生まれたわけではない。

    検索エンジンが生まれるずっと以前からサイトは人間から評価されてきた。
    人間が行うような価値の評価をもし機械が自動的に行うにはどうすればいいのか?

    それを考え抜いた末に作り出したのが検索エンジンのアルゴリズムだ。

    だから、検索エンジンがなかったとして、

    1. どんなコンテンツを作っているか?
    2. どんな品質のコンテンツを作っているか?
    3. どんなサイトからリンクされているか?
    4. どんなサイトにリンクしているか?
    5. どのようにリンクしているか?

    を考えるべきなのだ。
    検索エンジンがあるがゆえに、この考え方を忘れがちになってしまっているのだ。

    検索エンジンは、検索エンジンがなかったとしても、評価されるサイトを評価するように作られている。

    だから、いったんは検索エンジンの存在を忘れて、どうあるべきかを考えれば正しい答えを原則的には導けるはずなのである。

    自分が有用・面白いと思うサイトの運営者を想定してこれが基準とする。
    基準となる人を想定して、

    1. 興味ある・見てみたい思ってもらえるジャンル・内容
    2. 有用だ・面白いと思ってもらえる品質
    3. 基準となる人のサイトからリンクしてもらえているか
    4. 基準となるようなサイトにだけリンクしているか
    5. リンク先の紹介文に心がこもっているか

    と考えれば、必然的にサイトのあり方はわかるはずだ。

    言い換えてみると、自分が書きたいと思うジャンルにおいて素晴らしいと感じる、Webサイトのオーナーから紹介してもらえることを目標とすればよいのだ。
    今でもこの原則は変わっていないと私は考えている。

    パラダイムチェンジがあって、検索エンジンが使われなくなるという時代が来たとしても普遍的に通用する考え方である。

    検索エンジンのアルゴリズムの変化というレベルではなく、検索エンジンそのもの自体にとらわれない不変の営為、それが真のSEOだと私は確信している。

    セマンティックとナレッジグラフが変える検索の未来

    単純なウェブ検索で始まったGoogleもデバイスの多様化か検索サービス利用シーンの増加、そしてソーシャルメディア上の様々な情報を取り入れて急激に進化を遂げつつあります。今回はそんなGoogleの検索サービスの進化をナレッジグラフに代表される検索に影響を与える要素と交えて深く掘り下げてみた大変興味深い記事をサーチエンジンランドから紹介します。検索マーケッターに限らず、未来のウェブを知る上で誰でも読んでみたい内容です。 — SEO Japan

    様々なサービスが、ナレッジグラフのようなアセットを持っているが、その中でも、グーグルは、ナレッジグラフの検索を巧みに活用している。ナレッジグラフがSERPを変えていくにつれ、グーグルは、セマンティックテクノロジーの採用を進め、徐々にリンクをベースとした従来のSERPを置き変えつつある。検索業界をリードする同社は、未来の検索を導く役割を担っているのだ。

    グーグルナウが良い例である。グーグルナウは、シリの目的を果たしており、また、シリが生まれたDARPA PALプログラムに近い。現在、アップルはシリに対する取り組みをステップアップさせており、先週行われたワールドワイド・ディベロッパーズ・カンファレンスで、シリに新たに男性と女性の声が加わった点、ツイッター検索が統合された点、ウィキペディアが組み込まれた点、そして、ビングのウェブ検索がアプリに導入された点を発表していた。グーグルが進む方向に、その他の企業も進んでいくのだ。

    ナレッジカルーセル

    最近、グーグルは、ナレッジカルーセルを始めとする、付随する検索および関連する検索、想定した答え、新しいタイプの情報カード等、視覚的な情報の表示の形式に関して、多くの実験を積極的に行い、ユーザーエンゲージメントをテストしている。例えば、グーグルは、先日、ローカル検索向けのナレッジグラフカルーセルをリリースしていた。さらに、ナレッジグラフを拡大して、1000を超える食品に栄養素の情報を加えている。グーグルが指摘していたように、これはほんの序の口である。

    Enhanced Knowledge Crousel-TTDISD

    面白いことに、「ナレッジグラフ」は商標化されていない。ビングは、「スナップショット」(現在はサファリに拡大されている)、フェイスブックは、エンティティグラフ、そして、ヤフー!は「ヤフー!ナレッジグラフ」を持っている。この専門的なフレーズは急速に普及しつつある。

    グーグルナウは、ナレッジグラフを効果的に活用しており、ユーザーに対して、検索の質問への具体的な答えを提供している。「OK、グーグル」と伝え、質問を投げ掛けるだけでいい。グーグルナウは、リアルタイムで質問に対する答えを提供する「スタートレック」のコンピュータに急速に肉薄している。グーグルナウの機能は素晴らしく、また、その進化と発展を目にするだけでワクワクする。

    セマンティックテクノロジーを採用する検索

    このグラフ検索 – セマンティックウェブのような人工知能タイプのアプリによって提供される答えは、どのくらい現在の検索に影響を与えているのだろうか?また、意図したオーディエンスが、情報を「発見することが出来る」ようにするには、情報をどのように形式化すればいいのだろうか?

    基本的に答えはシンプルである。この複雑なテクノロジー、そして、SemTechBizで、グーグルがウェブ上でアイテムをランク付けするために用いているメカニズムが議題に上った際に、グーグルのジェイソン・ダグラスが言及した、216点の奇妙な“シグナル”を理解すればいい。この答えは、SEOのアナリストにとって、別の疑問を提起することになる – 自分の会社、または、代理でSEOを行っている会社を、ナレッジグラフに反映させるにはどうすればいいのか?

    控えめに言ってもこれは割と面倒なタスクである。そのため、誰でも理解することが出来るメトリクスを見ていこう。まず、キーワードよりも、コンセプトやエンティティが優先されつつある。信じ難いだろうか?以下に比較的新しいグーグルトレンドのトップチャートを掲載する。このチャートは、現在、(キーワードではなく)エンティティによってグループ分けされている。

    Top Charts

    このエンティティは、Dbpediaとフリーベースとして始まった、グーグルのナレッジグラフから引き出されている。この2つのサービスは、セマンティックウェブコミュニティによって管理されている、リンクトデータ(リンクが張られたデータ)のクラウドの中心に存在し、また、schema.orgのエンティティのインスタンスを用いて拡大されている。

    2011年版のリンクトデータクラウドのイメージを以下に掲載する(参照資料と共に)。ご覧のようにDBPediaが中心に陣取っている(DBPediaは、恐らく、ウィキデータに取って代わると考えられている)。この図表は、若干古いが、情報を通して過去を振り返ってみると、このテクノロジーの爆発的な成長が色濃く表れていることが分かる。

    検索エンジンは、このリンクが張られた、構造化されたデータを、例えば、魅力的で視覚的な各種フォーマットを介して、表示を改善するため、クエリに直接答えを出すため、娯楽等の領域におけるファインダビリティに改善するため等、多くの方法で活用することが出来る。これは、取り込まれた、もしくは、有効な認証済みの構造化データにおいて、直接的な検索を活用することで、魅力的なユーザーエクスペリエンスを生み出すために用いられるメカニズムの一部に過ぎない。

    イベントやエンターテイメント等のカテゴリから、グーグルショッピングやeコマース自体に至るまで、ユーザーのインタラクションやエンゲージメントの増加のために、このようなエンティティグラフを活用する考えは、ますます拡大を続け、また、検索エンジンに利用されていくだろう。グーグルでトレンドになっている別のセクションを取り上げた画像を以下に経済する。今回、私は「shopping」の選択肢を採用した。

    Top Trends Shopping Ecommerce

    また、会社のページ、または、会社のエンティティ(さらには、グーグルナウを完全に活用したいなら、個人においても)で、グーグル+を活用することがますます重要になりつつある。

    グーグル+もまたグーグルが活用する優れたメカニズムである。このソーシャルネットワークを利用しない状態では、ナレッジグラフでビジビリティを確立することは、事実上不可能である。

    「検索」する行為よりも「見つける」行為が重要視されている点は明白である。昔の10本の青いリンクが提供される検索は、フラストレーションの溜まる作業になるが、代わりに、自分専用のアシスタントが、個人のコンピュータ(スマートフォン)として、どこまでもついてきてくれる贅沢を考えると、思わずワクワクする。この問題は、解決されたわけではないが、徐々に解決に近づきつつある。

    しかし、検索結果での、個人的な答え(グーグルナウでは、カードとして提供される)、そして、グーグルナウ経由の情報の提示は、それぞれのユーザーに合わせて行われるため、ある程度ユーザーに犠牲を強いることになる。スマートフォンが、持ち運ぶセンサーとして、様々な役割を果たし、多くのアクティビティ/行動を記録する点を忘れないでもらいたい(このデータは、後に適切な情報を、適切なタイミングで提供するために用いられる可能性がある)。

    個人的には、メリットはリスクを大幅に上回り、また、素晴らしい時代になったと思う(例えば、私は方向音痴であり、見知らぬ土地では、コンピュータのナビに依存している)。しかし、とりわけPRISMのリーク問題の後、プライバシーの侵害を警戒する人達が現れていることも事実である。

    検索ではグラフの右に出る者はなし

    大規模なソーシャルエンジンや通常の検索エンジンは、ソーシャルネットワークの形式であれ、ナレジグラフであれ、エンティティグラフであれ、関連するエンティティ等のグラフを用意している。グラフはユビキタスであり、大抵、ビッグデータとグラフ分析に関して、多くの興味深い分析データのベースを構築している。

    SEOの観点から考えると、検索エンジンが、内部の構造化されたナレッジグラフとして取り入れ、その後、好みに合わせて問い合せを行うことが可能な、HTMLまたは構造化マークアップの“作成”については、議論の余地が多く残されていると思う。しかし、例えば、グラフのデータベースに問い合せを行い、ユーザーのクエリに対する答えを生成するため、セマンティックウェブクエリ言語(SPARQL(リレーショナルデータベースに対するSQLに似ている)を利用するアプローチが存在する点は、注目に値する。

    SemTechBizカンファレンスで、ヤフー!のナレッジグラフが話題に上がった時、ヤフー!のエンティティグラフのトピックが、次の順序で表れることが明らかになった: ニュース、ファイナンス、スポーツ等。スナップショットを持つビングは、リンクトインを売りにしており、よりソーシャルな色が濃い。リンクトイン自体が、ユーザー自身のネットワークのグラフを閲覧する優れた手段を用意している。そこで、私のリンクトインのグラフの例を作ってみた(自分のグラフを見たいなら、ここをクリック)。.

    Linkedin Graph

    ハッシュタグ & トピックベースの検索

    ハッシュタグは、どのトピックベースの検索が役に立つのか、そして、どのリンクトデータが引き出されるのかを把握する上で、注目を集め始めている。グーグルは、以前、グーグル+でのハッシュタグのオートコンプリート機能の発表を行っていた。また、先日のI/Oカンファレンスでは、グーグル+の投稿が、自動的に分類されるトップ3のハッシュタグでタグ付けされると新たに発表していた。フェイスブックもまた、2013年6月12日に、ハッシュタグを加えて、公開されている会話の整理を促すと発表している。

    従って、ハッシュタグもまたユビキタス化している – ツイッター、ピンタレスト、グーグル+等々。リンクトデータとハッシュタグ、そして、自動的にアノテーションを付ける、セマンティックウェブの関係を詳しく知りたい方はここをクリックしよう。

    現実の難題に話を戻す。自分の会社、または、SEOの取り組みを代理で行っている会社を、ナレッジグラフに掲載してもらうには、どうすればいいのだろうか?適切なマークアップとschema/エンティティおよびアトリビュートをサイトに用意している点をどのように確認すればいいのだろうか?

    グーグルはマークアップの利用を求めている

    グーグルは、マークアップをサイトに加える方針を大きくプッシュしている。最近の取り組みの例を幾つか紹介していくが、この点からも、グーグルが構造化マークアップを積極的に求めており、有益で信頼に値するナレッジグラフを拡大すようとする姿勢が窺える。

    structured markup helper recent tools

    また、グーグルが、構造化マークアップ、そして、ナレッジグラフの領域に関連すると考えている情報にも注意してもらいたい。

    Related Information

    上の画像にリストアップされているように、構造化マークアップに関連するアイテムとして、次のアイテムが挙げられている:

    • マイクロデータ
    • グーグルの基礎(そのまま)
    • グーグル+のページ
    • リッチスニペット
    • サイトマップ

    重要なポイント

    このトピックに関しては、もっと徹底した調査が必要だが、以下に重要なポイントを挙げていく:

    • ページが適切にマークアップされている点、そして、適切なエンティティを活用している点を確認する。
    • グーグルやセマンティックウェブコミュニティ等が提供する適切なリソースに真剣に目を通し、活用する。
    • セマンティックウェブの会合やSEOの会合は基本的に無料であり、様々な地域で開催されている。meetup.comにアクセスし、「Semantic Web」と入力しよう。

    リソースに余裕があるなら、セマンティックウェブおよびSEOのエキスパート、あるいは、専門家が作ったツールを採用して、ナレッジグラフおよび検索エンジンでのビジビリティを確保する。

    この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。


    この記事は、Search Engine Landに掲載された「Search, Answers & Knowledge Graphs Galore」を翻訳した内容です。

    未来というか既に現実の話でもあったわけですが、しかしGoogle検索もいよいよ本格的にキーワードではなくエンティティ(日本語で書くと意味不明になるので、テーマやジャンルというイメージの方がわかりやすいかもです)レベルでセマンティック化しつつあるようです。キーワード単位で考えるSEOの時代は終わり、、、というわけではないと思いますが、検索エンジンが大きく変化していくのに合わせて検索マーケッターもその変化に対応していく必要はありそうですね。 — SEO Japan [G+]