AI搭載のフィットネスアプリ開発するドイツ拠点のFreeleticsが約26億円を調達、身体と精神の健康をAIがコーチング

AIを搭載したフィットネスコーチングアプリを開発するFreeletics(フリーレティックス)が、シリーズBの資金調達を2500万ドル(約26億円)で締めくくった。このラウンドをリードしたのは、米国を拠点とするJAZZ Venture PartnersとCauseway Media Partnersで、石油・ガス事業などを手掛けるKKCGグループの支援も受けている。

今回の調達は、2018年後半に実施されたシリーズAの4500万ドル(約47億円)に続くもの(未訳記事)となる。調達した資金は、新技術の開発、グローバル展開のさらなる拡大、新事業の垂直展開のために投下される。

2013年にドイツのミュンヘンで設立され、ヨーロッパでサービスが定着しているFreeleticsは、シリーズA以降、米国上陸を着実に進めてきた。資金調達前は、見事なまでにブートストラップ(資金調達)で運営していたほどだ。同社のミッションは「精神的にも肉体的にも最高の自分になるために人々に挑戦し、インスピレーションを与えること」。

Freeleticsアプリは、AIを使ったフィットネスとマインドセットコーチングを提供しており、160カ国以上で4800万人のユーザーが使っている。ヨーロッパでは、60万人以上の有料会員数を獲得しており、域内ナンバーワンのフィットネスアプリであると主張している。「ポケットの中のパーソナルトレーナー」は、いつでもどこでも個人に合わせたトレーニングプランやワークアウトでトレーニングを支援してくれるのが特徴だ。そのアルゴリズムは、アプリの何百万人ものユーザーと、そのユーザーが提供する個別のフィードバックから学習し、異なるコンテキストで異なるユーザーに合わせて独自に設計された「スマート」なトレーニング・ジャーニー(トレーニングの旅)の開発が目標になっている。

JAZZ Venture PartnersのマネージングパートナーであるJohn Spinale(ジョン・スピナール)氏は「米国では比較的新しいプレイヤーですが、Freeleticsはホームフィットネスの世界的リーダーであり、米国市場における新型コロナウイルスの感染蔓延後の未来に向けてフィットネス業界をリードし続けるための完璧なポジションにあると確信しています」と述べている。「非パーソナライズされたフィットネスストリーミング動画があふれる中、Freeleticsは、精神的なものであれ肉体的なものであれ、パフォーマンスとウェルビーイングのあらゆる側面に対応する洗練され、適応性の高いパーソナルコーチを提供しています。これは、まだこれからの時代に何が起こるかを示す有望な兆候です」と続けた。

FreeleticsのCEOであるDaniel Sobhani(ダニエル・ソバニ)氏は、「Freeleticsは誰にでも、自分の条件で目標を達成するための適切な計画と達成方法を提供し、最終的には長期的な行動変容につなげて、一生そのライフスタイルをリードし続けることができるようにしたいと考えています」と説明する。「この30年間、フィットネス業界が伝えてきたことすべてが人々を成功に導いてきたわけではありません。そして、フィットネスの目標は単に体重を減らすことだけではありません。ゴールがどのようなものであれ、私たちは最も効率的で、持続可能で、楽しい方法で人々をそこに導きたいと考えています」と続けた。

ソバニ氏によると、FreeleticsのAIは「超パーソナライズされた」フィットネスコーチングを提供し、マインドセットトレーニングと組み合わせて、より包括的な体験を提供しているという。「AIを搭載したコーチは、ユーザー一人ひとりに最適なワークアウトをキュレーションするので、常に効率的かつ効果的で、目標に向かって取り組みやすくなります」とのこと。

「私たちがパーソナライゼーションに力を入れているのは、健康とフィットネスに関しては、最終的にはワンサイズフィットのソリューションは存在しないからです。私たちはこの技術と製品への取り組みを組み合わせることで、時間、スペース、機器、知識、お金、自信など、定期的にワークアウトする際に人々が直面する日常的なハードルを減らすことができます」と同氏。

同社が狙っているのは「いつ、どのように、どこで、どのようにワークアウトするか」という点で、自分の好みの条件でワークアウトできるようにするというものだ。トレーニングプランの各日について、AIコーチは350万種類の選択肢の中から内容を選ぶ。例えば、都会の小さなアパートで隣人の邪魔にならないような、器具を使わない静かなワークアウトプランがいいかもしれない。あるいは、15分で済むものがいいかもしれない。あるいは、ウェイトを持ち上げたい場合もあるだろう。Freeleticsは、これらのさまざまな基準に基づいて、最適なフィットネスを提案できるのが強みだ。

「最後の仕上げとして、このパーソナライズされたトレーニング体験を、精神的要素であるオーディオコーチングと組み合わせています。オーディオコーチングは、トレーニングを実施して、モチベーションを高め、経験全体にマインドフルネスをもたらすことを目的としています」とソバニ氏。「このマインドセットのコーチングは、ユーザーが健康的な習慣を身につけ、トレニーングの旅をより深く理解するのを助けることを目的に、ライフスタイルを生涯にわたって改善するための持続可能な基盤を構築します」と続けた。

一方、Freeleticsは古典的なフリーミアムモデルも運営している。アプリのダウンロードと使用はある程度無料で、より個人的なコーチングを受ける際に購読料を支払う必要がある。このモデルでは、トレーニング、栄養学、マインドセットコーチングを組み合わせたさまざまなオプションを、1カ月から12カ月までの購読期間で提供している。

「ユーザーは週に1杯のコーヒーよりも安い価格でデジタルパーソナルコーチからの指導を受けられるので、ジムでのパーソナルトレーナーの費用と比較すると魅力的なオプションです。さらにこのアプリは、ジムの会員権や機器など、ワークアウトに関連するその他の金銭的なハードルを取り除くためにも機能します。昨年1年間で有料会員数を2倍の60万人以上に増やすことができましたが、これは類似の会社を見れば、業界基準になると言えるでしょう」と締めくくった。

画像クレジット: Freeletics

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(翻訳:TechCrunch Japan)

AmazonがPelotonを意識したエクササイズバイクPrime Bikeを5万円台で販売

Amazon(アマゾン)Prime Bikeの製造・販売でEchelon(エシュロン)とタグを組む。500ドル(約5万3000円)のエクササイズバイクは事実上、1900ドル(約20万円)するPeloton(ペロトン)のバイクからスクリーンをなくしたもののクローン。配色やデザインすら同じだ。Prime BikeはAmazonで購入できる(少し異なるブランドになるがWalmartでも販売される)。

Echelonは不気味にもMirror(ミラー)にそっくりのスマートミラーを含め、いくつかのフィットネス製品を製造している。Prime BikeはEchelonの3つめのスマートバイクとなる。他の2つはビデオスクリーンを備えていて、999ドル(約10万5000円)と1199ドル(約12万6000円)だ。

Prime Bikeは、前輪でのエクササイズ負荷の数段階調整など、Pelotonのものに搭載されているほぼすべての機能を備える。トゥークリップの代わりにPrime Bikeはライダーの足をペダルに固定するのにストラップを使っている。ただ、Pelotonのバイクが重さ135ポンド(約61kg)なのに対して、Prime Bikeは80ポンド(約36kg)しかなく、Pelotonのものほどしっかり、そしてがっしりしていないことが予想される。

Prime Bikeにないものとしてはスクリーンが挙げられるが、これはタブレット端末ですぐに解決できる。Pelotonはアプリを通じてクラスを提供しているため、Prime Bike購入者はPelotonのサービス、あるいはPelotonのものにかなり似ているEchelonのサービスを利用できる。

「みんなが利用できるフィットネス、という考えに基づいて作った。Prime Bikeは500ドル以下の素晴らしいコネクテッドバイクを作るという目的で、Amazonとのコラボとして開発された。目的が驚異的に一致していたことが証明された」とEchelon FitnessのCEOで会長のLou Lentine(ルー・レンティニー)氏は話した。「初のコネクテッドフィットネス製品でのパートナーとして当社に目を向けたAmazonは、当社のリーズナブル価格で品質の良いものを届けるという姿勢を認めている。当社の取り組みは2019年の爆発的な成長に反映されている」。

Pelotonのものより安価で販売されているスピニングバイクは数えきれないほどある。そしてその多くはAmazonで購入可能だ。だがPrime Bikeほど露骨なものは他にない。Amazonは人気の製品をかなり真似たプロダクトを製造・販売するという、長い歴史を持つ。

Echelonとの提携で、AmazonはPelotonに狙いを定めて大きな一歩を踏み出す。その動きにPelotonの株価が反応し、5%近く下落して1株あたり90ドル(約9450円)となった。

Prime Bikeと同じエクササイズバイクが500ドルでWalmartでも購入できることは記すに値するだろう。WalmartではEchelonの「Connect Sport Bike」というブランドで販売されている。

関連記事:Pelotonがエクササイズバイク上位モデルBike+とトレッドミルTreadを発売、価格はいずれも約26万円

カテゴリー:ハードウェア

タグ:Amazon Peloton フィットネス / エクササイズ

画像クレジット:Echelon

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(翻訳:Mizoguchi

イマジニアがNintendo Switch用ボクシングエクササイズ最新作「Fit Boxing 2」を12月3日発売

イマジニアがNintendo Switch用ボクシングエクササイズ最新作「Fit Boxing 2」を12月3日発売

イマジニアは9月18日、任天堂の協力のもとNintendo Switchソフト「Fit Boxing 2 -リズム&エクササイズ-」(Fit Boxing 2、国内版)および「Fitness Boxing 2 : Rhythm & Exercise」(海外版 発売元:任天堂)を12月3日に発売すると発表した。価格は税別5800円。全世界累計出荷販売本数が100万本突破したエクササイズゲーム「Fit Boxing」の最新作にあたり、トレーニングコースおよび楽曲が刷新、新機能や新インストラクターが追加されている。

Fit Boxing 2は前作からエクササイズメニューや楽曲を一新。ゲームスコアに応じてエクササイズ中の背景が変化する新要素「Zone」など演出面を強化し、さらに楽しくエクササイズに取り組めるようにしている。エクササイズの目的や時間を設定して毎日取り組むデイリーモードでは、その日の気分や体調に合わせて「いつも通り/軽め/重め」が選択できるようになったほか、2名同時プレイも可能。

イマジニアがNintendo Switch用ボクシングエクササイズ最新作「Fit Boxing 2」を12月3日発売

また、プレイ実績に応じて解放され、目的達成をサポートするアチーブメント機能やプレイ時間を知らせてくれるアラーム機能、苦手なアクションを外せる仕組みなど、続けやすくなる仕組みが充実。前作のプレイ記録も引き継げる。

イマジニアがNintendo Switch用ボクシングエクササイズ最新作「Fit Boxing 2」を12月3日発売

イマジニアがNintendo Switch用ボクシングエクササイズ最新作「Fit Boxing 2」を12月3日発売

前作のインストラクターに加えて、3名のインストラクターが新たに追加された(CVは釘宮理恵、鬼頭明里、石田彰)。豪華声優陣がボイスを担当する計9名のインストラクターが、アクションのポイントを指導してくれたり、時には喝を入れたりするという。

前作Fit Boxingは、Nintendo Switch初のエクササイズゲームとして2018年12月に発売以降継続的に販売を伸ばし、2020年9月に全世界累計出荷販売本数100万本を突破。食事管理アプリ「あすけん」と連携し、食事管理をしながら「Fit Boxing」を30日以上プレイした方の減量効果の統計発表や、基本フォームを身につけるためのプロインストラクターによるレクチャー動画の発信など、利用者に「Fit Boxing」をよりよく活用して頂けるような発信も継続的に展開している。

「Fit Boxing 2 -リズム&エクササイズ-」: ©Imagineer Co., Ltd.

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コネクテッド・フィットネスのスタートアップTonalがさらに115億円超を追加調達、多数のアスリートも投資に加わる

コネクテッドホームフィットネスのスタートアップであるTonalは米国時間9月17日、1億1000万ドル(約115億円)の追加資金調達を明らかにした。最新の資金調達ラウンドには、既存投資家であるL Cattertonのほか、Delta-v Capital、AmazonのAlexa Fund、Mousse Partners、アスリートのStephen Curry(ステフィン・カリー)氏、Paul George(ポール・ジョージ)氏、Michelle Wie(ミシェル・ウィー)氏、Bobby Wagner(ボビー・ワグナー)氏などの新規投資家が名を連ねている、このラウンドは、ベイエリアをベースにした会社の総資金調達額を2億ドル(約210億円)にまで引き上げた。

筋力トレーニングの会社にとってはかなり大規模な資金調達であり、特にこの分野は近年ますます競争が激しくなっている。しかし、新型コロナウイルスの大流行により、世界中で公共のジムやフィットネスの施設が閉鎖されていることから、投資家が自宅でのジム体験に近いものを提供できる技術に乗り出したいと考えていることは明らかだ(未訳記事)。

いくつかの施設が再開し始めたとはいえ、その多くは限られた定員数で営業している。ジムに戻ることになると、多くのメンバーは細心の注意を払わなければならない。なんと言っても、感染拡大の危険性が高いからだ。この事実を踏まえると、在宅ワークアウトは今後数カ月から1年の間に成長を続ける可能性が高い。同業のLululemonが最近、おそらくTonalの最大のライバルであるMirrorを5億ドル(約523億円)で買収したという事実もある。

Tonalの他の多くの競争相手と差別化できる点は、反射スクリーンと強度トレーニングの要素だ。システムは、より伝統的なダンベル・バーベルベースのウェイトトレーニングに近い抵抗技術を活用している。

NBAのゴールデンステート・ウォリアーズに所属するバスケットボール選手のステフィン・カリー氏は「私はほぼ2年間Tonalを持っていた。新型コロナウイルスの感染蔓延で隔離されている間、私はハードなトレーニングを維持するためにTonalに大きく依存しているし、そしてTonalは将来的にワークアウトする方法に革命を起こす信じている」と語る。

Tonalもこの機会を使用して、ミネソタ州総合病院であるMayo Clinic(メイヨークリニック)での理学療法の試験のための作業を開始しており、結果はまもなく明らかになる予定だ。また同社は、Andaz Scottsdale Resort & Bungalows(アンダーズ・スコッツデール・リゾート&バンガローズ)、Waldorf Astoria Boca Raton Resort(ウォルドーフ・アストリア・ボカ・ラトン・リゾートとクラブ)、JW Marriott Anaheim(JW・マリオット・アナハイム)を含むホテルやリゾートとも連携している。

画像クレジット:Tonal

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(翻訳:TechCrunch Japan)

コネクテッド・フィットネスのスタートアップTonalがさらに115億円超を追加調達、多数のアスリートも投資に加わる

コネクテッドホームフィットネスのスタートアップであるTonalは米国時間9月17日、1億1000万ドル(約115億円)の追加資金調達を明らかにした。最新の資金調達ラウンドには、既存投資家であるL Cattertonのほか、Delta-v Capital、AmazonのAlexa Fund、Mousse Partners、アスリートのStephen Curry(ステフィン・カリー)氏、Paul George(ポール・ジョージ)氏、Michelle Wie(ミシェル・ウィー)氏、Bobby Wagner(ボビー・ワグナー)氏などの新規投資家が名を連ねている、このラウンドは、ベイエリアをベースにした会社の総資金調達額を2億ドル(約210億円)にまで引き上げた。

筋力トレーニングの会社にとってはかなり大規模な資金調達であり、特にこの分野は近年ますます競争が激しくなっている。しかし、新型コロナウイルスの大流行により、世界中で公共のジムやフィットネスの施設が閉鎖されていることから、投資家が自宅でのジム体験に近いものを提供できる技術に乗り出したいと考えていることは明らかだ(未訳記事)。

いくつかの施設が再開し始めたとはいえ、その多くは限られた定員数で営業している。ジムに戻ることになると、多くのメンバーは細心の注意を払わなければならない。なんと言っても、感染拡大の危険性が高いからだ。この事実を踏まえると、在宅ワークアウトは今後数カ月から1年の間に成長を続ける可能性が高い。同業のLululemonが最近、おそらくTonalの最大のライバルであるMirrorを5億ドル(約523億円)で買収したという事実もある。

Tonalの他の多くの競争相手と差別化できる点は、反射スクリーンと強度トレーニングの要素だ。システムは、より伝統的なダンベル・バーベルベースのウェイトトレーニングに近い抵抗技術を活用している。

NBAのゴールデンステート・ウォリアーズに所属するバスケットボール選手のステフィン・カリー氏は「私はほぼ2年間Tonalを持っていた。新型コロナウイルスの感染蔓延で隔離されている間、私はハードなトレーニングを維持するためにTonalに大きく依存しているし、そしてTonalは将来的にワークアウトする方法に革命を起こす信じている」と語る。

Tonalもこの機会を使用して、ミネソタ州総合病院であるMayo Clinic(メイヨークリニック)での理学療法の試験のための作業を開始しており、結果はまもなく明らかになる予定だ。また同社は、Andaz Scottsdale Resort & Bungalows(アンダーズ・スコッツデール・リゾート&バンガローズ)、Waldorf Astoria Boca Raton Resort(ウォルドーフ・アストリア・ボカ・ラトン・リゾートとクラブ)、JW Marriott Anaheim(JW・マリオット・アナハイム)を含むホテルやリゾートとも連携している。

画像クレジット:Tonal

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(翻訳:TechCrunch Japan)

FacebookがQuest 2向けのフィットネストラッカー「Oculus Move」発表、オンラインフィットネス業界に参入

Facebookは、Questの最新版であるQuest 2向けのスイート製品として、フィットネストラッカー「Oculus Move」を追加した。

同社の拡張現実と仮想現実の将来の計画を発表するFacebook Connectイベントの一部として米国時間9月16日に発表されたOculus Moveは、PelotonやZwiftのような企業に数億ドルと数十億の評価をもたらしたフィットネスと健康管理の流行にFacebookが参加する試みだ。

発表は、アップルが米国時間9月15日に発表したFitness+と呼ばれるフィットネスのサブスクリプションサービスに続いている。

Oculus Moveは、OculusユーザーがBeat Saberや専用のフィットネスアプリで消費カロリーを確認するためのものだ。Oculus Moveのダッシュボードを利用することで、QuestやQuest 2の所有者は、VRアプリでフィットネスの全体目標を把握できるようになる。毎日のフィットネス目標を設定できるほか、ヘッドセットを装着している間にどれくらいのカロリーを消費したか、どれくらいの時間アクティブに活動したかを確認することも可能だ。

この新機能により、FacebookのQuestヘッドセットは、Tonal、F45、Strava、Zwift、Pelotonなどのフィットネスハードウェアやソフトウェア企業と同じ市場に参入することになる。

Oculus Moveはまもなく利用可能となり、まずは現在予約受付中のQuest 2で使える。Facebookは間違いなくフィットネスハードウェアやソフトウェアをQuestデバイスの守備範囲に入れようとしている。

Facebook Connect 2020

画像クレジット:Dan Bruins

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Pelotonがエクササイズバイク上位モデルBike+とトレッドミルTreadを発売、価格はいずれも約26万円

Pelotonは、家庭用スマートジムのラインアップとして、Bike+とTreadの2つの新製品を発表した。どちらも価格は2495ドル(約26万5000円)と同じだ。新しいエクササイズバイクのBike+は、Pelotonのオリジナルのステーショナリーサイクルのプレミアムバージョンとして加わり、オリジナルモデルは1895ドル(約20万円)に値下げされて継続販売される。どちらの製品も9月8日の正式発表に先立ち、先週Bloombergがリークしたものだ。

新しいPeloton Bike+は、23.8度回転する、HD解像度のタッチスクリーンディスプレイを搭載する。左右方向に180度移動することもでき、自転車をオフにしている間でも画面(およびPelotonのリモートワークアウト指導やクラスの範囲)を使えるようになっている。4つのスピーカーを内蔵したサウンドシステムを搭載するほか、アップルの「Gymkit」にも対応しており、ワンタップでApple Watchと接続してワークアウトを同期させることも可能だ。心拍数や呼吸数などの目標指標に応じて自転車の抵抗値を計測するAuto-Followレジスタンスシステムも搭載されている。

前述のとおり、Bike+は2495ドルで販売されるが、これは新たに値下げされたエントリーレベルのBikeよりも約600ドル高い価格設定となっている。米国、カナダ、ドイツでは9月9日から発売され、分割払いプランも用意される。なおPelotonは、既存の自転車と同様に30日間のホームトライアルを実施する予定だ。

同様に新しいTreadも、分割払い可能でトライアル期間も設けられている。米国とカナダでは2021年初頭に発売される予定だが、英国ではもう少し早く、具体的には2020年12月26日に発売される。ドイツでも発売予定だが、同社によると2021年の後半になるという。

Treadには、23.8インチのHDタッチスクリーンが備わっている。回転はしないがチルト機能を備えており、床でトレーニングすることなどを想定して上下に50度傾けることができる。同社によると新しいTreadは「ほとんどのソファより小さい」サイズで幅157×高さ172×奥行き83cm。伝統的なトレッドミルのベルトのように見えるが、同社によると一般的なトレッドミルとは異なり、前面のカバーはなく外観はスッキリしている。

Pelotonはまた「Bike Bootcamp」と呼ばれる新しい種類のクラスを発表した。これは、有酸素運動に加えて、より包括的な全身運動を提供するための筋力トレーニングを含むクラスとなる。同社は、家庭用エクササイズプログラムのワンストップショップになりたいと考えているようだ。

Pelotonの製品を最近購入した人の中には、この新製品の登場前に購入したことを後悔している人がいるかもしれない。同社によると、30日間のホームトライアル期間中のユーザーや、まだバイクが届くのを待っているユーザーを対象に、オリジナルのエクササイズバイクの350ドルの値下げぶんを即座に自動返金するとのこと。また、このグループに該当し、アップグレードモデルを希望するユーザーは差額を支払えば交換できる。

一方、最近購入したばかりではないが、まだ新しいギアが欲しいというユーザーのために、Pelotonは現在バイクを所有している方を対象に700ドルのリベートと、ヨガ&トレーニング用のアクセサリーセットを提供し、新しいバイクの引き取り時には古いバイクを無料で引き取ってくれる下取りサービスを提供している。アップグレードのインセンティブとしては悪くない。

画像クレジット:Peloton

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(翻訳:TechCrunch Japan)

抵抗感や衝撃をウェアラブルで再現した一人称ボクシングゲームのフィットネスデバイス「Quell」

Quellは自分をPelotonの廉価版と位置づけている。たしかに料金はPelotonの1/10で、ロンドンを拠点とするスタートアップならそうするかもしれない。新型コロナウイルス(COVID-19)のロックダウンでフィットネスバイクメーカーの企業価値が急上昇し、最近のLululemonによるMirror買収からもわかるように、フィットネスのスタートアップは大人気だ。

しかしQuellとのもっと適切な比較になるのは、任天堂のリングフィットアドベンチャーだろう。このNintendo Switch用の周辺機器は、価格、規模、体験においてQuellに近い。このスタートアップは、リングフィットアドベンチャーと同じくフィットネスにゲームベースのアプローチを取っている。

Quellは一人称のボクシングスタイルのゲームで、画面上のモンスターたちと戦う。発売時にはパソコン版とMac版とiOS版が提供されるが、Androidにも近く対応する。Quellが独特なのは、抵抗感をウェアラブルデバイスで再現していることだ。基本的には調整可能な抵抗感を生むバンドで衝撃をシミュレートし、ジャイロスコープや加速度センサーといったオンボードセンサーでユーザーの動きを追跡する。

画像クレジット:Quell

製品はまだかなり初期のもので、そもそもやっと米国時間8月18日に、Kickstarterでプロジェクトが始まる。目標額は3万ドル(約317万円)ほどで、182ドル(約1万9000円)以下の出資額で入手できる。最終価格は250ドル(約2万6000円)ほどだ。

このシステムに関する多くのことと同じく、月額10ドル(約1060円)のサブスクリプションモデルも検討中だ。同社はTechCrunchに対して「ストーリーモードやクイックファイトモードもある」と語っている。「サブスクリプション料金によって、ローカルやオンラインのマルチプレイヤーなどの可能性が拡大し、将来的には拡張コンテンツも提供される。キャラクターのビジュアルなどのアップデートもあるでしょう」とのことだ。

画像クレジット:Quell

今後はシステムに飽きがこないように、ゲーム体験を拡張していくだろう。またQuellは、サードパーティの開発者にもオープンにして、独自のコンテンツを作成できるようにする可能性も探っている。

ただし現在のQuellは非常に小さなチームで、現在4人が創業者のロンドンにあるアパートの1つで仕事をしている状況なので多くのことが仮定の話だ。実際にチームが本格的に活動を開始したのは2020年2月のことで、フルタイムで活動を始めたのは2カ月前だ。地味な始まりにも関わらず、2020年7月にウェブサイトを立ち上げて以来、同社はすでにY Combinatorの支援を受けており、これまでに1万ドル(約106万円)のプレオーダーを獲得している。新型コロナウイルス(COVID-19)により生じたホームフィットネスへの関心から、いろんな物が出てくるのは驚くべきものだ。

Quellは、2021年中に支援者たちに製品を発送できると予想している。その頃には人々はジムに戻っているかもしれないが、感染拡大の現状を見る限りそれもあやしい。

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カテゴリー:ゲーム / eSports

タグ:QuellKickstarterフィットネス

画像クレジット:Quell

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

VRヘッドセットは次なるPelotonになれるのか?

仮想現実(VR)スタートアップへの投資は、ここ数年間、まばらになりつつある。普通の人たちに受け入れられるまでの長い時間を、投資家が耐えて続けなければならないからだ。その一方で、インターネットに接続できる「コネクテッド・フィットネス」機器は爆発的に伸びている。自宅待機で関心が高まり、Peloton(ペロトン)などの企業はユーザー数を大幅に増やしたほか、Lululemon(ルルレモン)はMirror(ミラー)を5億ドル(約540億円)で買収した。

FitXR(フィットエックスアール)は、VRヘッドセットが次なるコネクテッド・フィットネス分野の売れ筋になると見ている。人気のVR運動アプリBoxVR(ボックスブイアール)を開発するこのスタートアップは、Hiro Capital主導による750万ドル(約8億円)のシリーズB投資をクローズしたとTechCrunchに伝えた。この投資の内訳は、630万ドル(約6億7000万円)がエクイティー投資、120万ドル(約1億3000万円)がイギリスの政府系金融機関Innovate UKからの融資となっている。その他、Adam DraperのBoostVC、Maveron、TenOneTen Venturesが投資に参加している。

FitXRのゲームBoxVRは、VR機器で使えるエクササイズ専用アプリとして知られるようになった。Beat Saber(ビートセイバー)の影響を受けたGuiter Hero(ギターヒーロー)的なインターフェイスを備えたボクシングゲームだが、素早いアッパーカットやジャブなど、体を激しく使う動きに重点が置かれている。同スタートアップは、現在、FixVRをOculus Store、PlayStation Store、Steam
を通じて29.99ドル(日本では2990〜3259円)で販売している。追加コンテンツは9.99ドル(日本では1000円前後)で用意されている。

BoxVRの画面。画像クレジット:FitXR

VRを利用した運動は、ゆっくりとヘッドセットの一般的な使用事例になってきた。それは、体を動かす必要のある激しいゲームタイトルのお陰だ。昨年、価格は未公開ながらFacebook(フェイスブック)が買収したBeat Saberは、そうした機会を本格的に実現した最初のタイトルとなった。今年の初め、16zが支援するVRスタジオ、Within(ウイズイン)は、Supernatural(スーパーナチュラル)というタイトルの運動アプリをサブスクリプションで提供開始した。昨年末には、サンフランシスコのYUR(ユア)が、そのVR運動ソフトウェアに110万ドル(約1億1800万円)のプレシード投資を獲得している。

VR市場は、自宅待機要請によって大きく成長したが、この業界を支える柱であるOculus(オキュラス)がサプライチェーンの問題に苦しむと、多くのVRスタジオはその好機に恵まれずに取り残されてしまった。399ドルのスタンドアローン型Quest(クエスト)を含むOculusのすべてのヘッドセットは、今年の初めから売り切れか品薄が続いている。この状態は、次第にFacebook(フェイスブック)への依存度を高めるこの業界の成長に、悪影響を及ぼしている。

VRヘッドセットには心拍数モニターやその他のフィットネス用のトラッキング機能はないが、VR開発者は、ユーザーのヘッドセットやコントローラーの運動量や速度に関するデータを大量に収集できる。FitXRは、そのデータからユーザーが燃焼したカロリーを計算することで、1日に燃焼したいカロリー量をアプリ内でユーザーに設定させることが可能になっている。

今のところ、FitXRの製品はVRヘッドセットの中に留まっているが、同社は今回の投資を使って現在20名のスタッフを増員することにしており、ヘッドセットを超えた展開への興味を同社トップはほのめかしている。

「私たちは、製品の独自の利用法を考えています。それは仮想現実に縛られません」と、FixXRのCEO、Sam Cole(サム・コール)氏はTechCrunchのインタビューで話していた。「しかし、もっとも楽しい運動方法はVRヘッドセットにあるという信念が変わることはありません。そのため、私たちは企業として、その分野での開発とイノベーションを続けてゆきます」

画像クレジット:via FitXR

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(翻訳:金井哲夫)