Google、いよいよ独自衛星保有へ―衛星スタートアップ、Skyboxを5億ドルで買収

今日(米国時間6/10)、Googleは衛星テクノロジーのスタートアップ、Skybox Imagingを買収したことを確認した。われわれは先月、この買収の動きをスクープしている。ただし買収金額はわれわれが予測したよりも低かった。情報源によれば10億ドル近いということだったが、実際の買収額は5億ドルだった。

買収手続が完了すると、Skyboxの社員の役割はかなり変わる。基本的にはアクセスとエネルギー事業部に属すが、衛星画像処理に関しては地理情報事業部と緊密に連携して働くことになる。また長期的にはGoogleのインターネット・アクセス拡大プロジェクトLoonにおいてTitan Aerospaceなどと共に衛星の利用を研究する。

Skyboxは買収を確認する声明の中で、同社が開発、打ち上げた衛星がすでに情報を収集中だと述べている。

われわれは世界最小の高精細度画像衛星を開発、打ち上げている。この衛星は美しく有用な写真とビデオを日々送ってきている。…これまで以上に大きな目標に向かって進むことを助ける力のある大企業に参加することが適切なタイミングだと考えた。

SkyboxとGoogleは情報(特に高精度の位置画像情報)を共有し人々のために役立てるという共通の目標を持っている。そのためにはGoogleは自動走行車を独自に開発しているし、われわれは独自の衛星をゼロから作った。

大企業や官公庁に地図データを提供するGoogleのEarth Enterprise事業部は大規模災害の救援活動も行っている。

Earth Enterpriseのホームページによれば、このサービスはテラバイト級のピクセルおよびベクターの地理データをユーザーに提供する。ユーザーは自社サーバー内でGoogle Maps APIを利用して自由にデータを処理できる。成果物はGoogle Earthデスクトップ、モバイルアプリ、独自アプリなどを通じてユーザーのネットワーク内で安全に利用できる。

GoogleはSkyboxの今後の衛星打ち上げスケジュールについては明かしていないが、おそらくこの夏に最初の打ち上げが行われるものと見られる。そしてGoogleの壮大な野心からすると、その後に数多くの打ち上げが続くことだろう。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


GPS生みの親、Roger Eastonが93歳で亡くなっていた

BusinessWireの記事によると、GPSの生みの親であり、現代のナビゲーションシステムに多大な影響を与えたRoger Lee Easton(Sr.)が、5月8日にニューハンプシャーの自宅にて亡くなっていたのだそうだ。

Middlebury CollegeおよびUniversity of Michiganを卒業した後、Eastonは1943年からワシントンD.C.のアメリカ海軍研究所(U.S. Naval Research Lab)で職についた。以来、37年間をそこで暮らすこととなった。

1955年には国際地球観測年のVanguard Projectに向けて、衛星利用に関するプロポーザルの一部を執筆した。また衛星のデザインチームにも所属していた。この流れから、地球上空の軌道を周回する衛星の記録を担うMinitrackの設計を行った。

このMinitrackの設計の中で、正確なタイミング同期ができていないことによるトラッキングの困難にぶつかった。そこでそれぞれに精確な時計を積みこむことで、タイミングを同期しつつお互いの位置関係をきちんと把握するためのシステムを作り上げていったのだ。

この仕組みは当初Timationと呼ばれていた。Time-Navigationの略だ。ここにアメリカ国防総省(Department of Defense)がさまざまな機能を加え、1970年代初頭にこれをグローバル・ポジショニング・システム(Global Positioning System:GPS)と改名した。

Eastonが獲得している米国特許の数は11にのぼる。American Philosophical Societyのメンバーであり、2004年にはアメリカ国家技術賞(National Medal of Technology)を受賞。そして2010年にはNational Inventor’s Hall of Fameにも選ばれている。

Space Applicaton部門の長を務めていたアメリカ海軍研究所を1980年に辞し、ニューハンプシャーのカナーン(Canaan)に移り住んだ。ここでもGPS技術の発展に寄与し続けていた。尚、ニューハンプシャー議会に2期在籍し、1986年には市長職のための予備選挙にも出馬した(結局は敗退)。

位置情報以外にも、Eastonのおかげといえる現代技術もある。ご冥福をお祈りしたい。もたらしてくれたすべてに感謝をこめて。

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(翻訳:Maeda, H


共有時に選んだ相手とのみ、簡単に位置情報シェアを行うMarco Polo

Marco Poloというスマートフォンアプリケーションがある。友だちがどこにいるのかを探したり、待ち合わせをしたりするのにも使えるアプリケーションだ。

アプリケーションの仕組みは名前そのままだ。子供たちの間でメジャーなマルコポーロというゲームと同じような感じで利用する。テキストメッセージでお互いの情報をやり取りするのではなく、単にアプリケーションの「Marco」ボタンを押し、自分のいる場所を示すピンをシェアするのだ。「Marco」ボタンを押すと、誰とシェアするのかを設定する友達リストが表示される。そのリストからシェアしたい友人を選ぶ(位置を示すピンにメッセージや画像を付け加えることもできる)。

逆に友人からの位置情報を受け取った際は、自分も情報をシェアするかどうかを選ぶことができる。また、アプリケーションを持っていない人には、自分の場所情報を表示するリンクが送られることになる。

もちろん、SoLoMo(social-local-mobile)というバズワードも生まれてくるくらいに、位置情報などを取り扱うアプリケーションは数多くリリースされている。しかし、このMarco Poloのような狙いをもつアプリケーションは数少ないのではないかと思う。

共同ファウンダーのAneel Ranadiveはメッセージを送るよりも押し付けがましくなく(控えめで)、また堅苦しくないやり方で情報共有をしようと目指しているそうだ。AppleのFind My Friendsや、Forusquare、あるいはFacebookなどとは根本的に異なるものだとも述べている。たとえばFind My Friendsのように、常に位置情報を公開するのではなく、そしてFoursquareと違って公開時に共有相手を選ぶことができるようになっているのだ(特定の場所について、一部の人とは情報共有したくないのだが、しかしアンフレンドはしたくないといったときに便利だろう)。最近はSnapchatのようなツールで、相手も時間もともに制限的に情報をシェアしようという動きが広まっており、そのトレンドにものるものだと言えるかもしえrない。

(Update:何人かの人からGlympseがあるじゃないかとツイートを受け取った。なるほど、確かに狙いは同じところにあるのかもしれない。ただ、個人的な感想を言わせて貰えれば、実装方法にはなかなか大きな違いがあるように感じる)。

尚、このMarco PoloはPinchitをリリースしたのと同じメンバーによるものだ。投資家(兼カリフォルニア州6分割構想の唱導者)であるTim Draperや、Facebookの共同ファウンダーであるEduardo Saverinなどからのシード資金を集めてクーポンサービス系のサービスを提供しようとしていた。Marco Poloのリリースにより、スタートアップは方向転換することとなったわけだ。

Marco PoloはiPhone版が提供されていて、Android版もベータ版ではあるが利用できる状態にある。但しRanadiveによれば、一般公開したのはつい最近のことであり、ようやくテスト段階を抜けだしたところであるとのこと。

こちらでもアプリケーションを試してみた。親しい友人で同アプリケーションを使っている人はまだいないようで、実際に友だちに会うための用途としては利用できなかった。しかしRanadiveが居場所を通知してくれるのを見ているだけでも、なかなか面白そうな感じをうけた。また限定的な範囲に情報を公開することが簡単に行えるわけで、いわゆる「利用障壁」も低いアプリケーションであるように感じる。

面白そうだと感じた方は、こちらでアプリケーションを入手することができる。

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(翻訳:Maeda, H


過去へのタイムトラベル気分を味わえるPic A Moment(Instagramの指定日時検索)

過去のある時点、とある場所に、いったい何があったのかを見てみたくなることがある。新しいシンプルなPic A Momentというモバイルアプリケーションが、それを可能にしてくれる。具体的にはInstagramの写真を検索するもので、都市名や店舗名などの場所と日付を指定して検索すると、指定した時期にその場所で撮影された写真を表示する。

場所の様子を見たいだけなら、Foursquareのチェックイン写真などを見るのが良いだろう。このPic A Momentは、コンサートやスポーツイベント、あるいは何らかの大事件等、その場所で過去発生したイベントの様子などを見るのに便利な感じだ。

使い方も簡単だ。スライダーを動かして、見てみたい日を指定する(本日、1日前、1週間前、1ヵ月前などを選択することができ、また特定の日付を入力することもできる)。但し、今のところはすべての日程を検索できるわけではなく、過去数ヶ月間に限定されている。日付の指定が終われば場所の名前を検索して、検索結果から見たい場所を選択する。場所が特定できる特定の店舗や都市名ではなく、たとえば「Starbucks」などメジャーな場所を検索した場合には、現在地に近い場所から順に表示されるようにもなっている。

指定した日時の結果を表示しつつ、画面上部のWolfram Alphaティッカーには、同じ日に起きた他の場所での事件やイベントが表示される。また画面下部のウィジェットには、その日の天候も表示される。写真をタップすれば拡大表示され、そこに表示されるユーザー名をタップすればInstagramのプロフィールページが開かれる。

Pic A Momentの共同制作者であるJose Azanza Ariasは、ジャーナリストやマーケッターにとっても便利に使える可能性があるツールだと述べている。「近くの人や同じ場所にいったことのある人を発見して、それらの人とInstagram上で交流するという使い方もあるでしょう」とのこと。

アプリケーションの開発はWunderman Buenos Airesというデジタルエージェンシーのクリエイティブおよび開発者たちが行ったものだ。2013年に、サイドプロジェクトとしてアプリケーションの開発に着手した。ちなみに以前にも迷子の犬を探すためのBack2getherというアプリケーションをリリースしている。

Ariasによれば、日々、世界中から集められた数多くの写真を目にしながら、その写真の意味するところやコンテクストなどを充分に理解しているとはいえないのではないかと考えるうちに、Pic A Momentのコンセプトを思いついたのだそうだ。こうしたコンセプトに基づき、さらに写真にまつわる情報を活用する機能を追加していく予定であるとも述べている。

位置情報に基づくInstagramの検索ツールは他にもある。たとえばInstalookGramoryなどを思い出す人もいるだろう。あるいは写真を使ったタイムトラベルということであれば、個人で撮影した写真を対象としている点が異なるがMemoirTimehopといったものもある。

Pic A Momentは後発であるだけに、iOS 7フレンドリーなインタフェースを持ち、そして詳細な住所の入力なども必要なく、簡単かつ素早く操作できるというメリットもある。

アプリケーションのリリースは2013年12月。iTunes App Storeに登録されていて、英語およびスペイン語で動作する。

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(翻訳:Maeda, H


Twitter、近くにいる人のツイートを表示する「Nearby」機能をテスト中

ウォールストリート・ジャーナルの記事によると、Twitterが「Nearby」と名づけた新機能をテストしているようだ。どんな機能かと言えば、相手をフォローしているか否かに関わらず、地理的に近くにいる人のツイートを表示するものだ。

なかなか面白そうなところもありそうだが、しかしNearbyはプライバシー問題を引き起こすことにもなろう。ウォールストリート・ジャーナルにもあるように「Twitterは2010年からツイートに位置情報を付加できるようにしている。しかしこの機能はデフォルトではオフになっていて、利用希望者は自らこの機能をオンにする必要がある」。Twitterは、改めてロケーション関連サービスをオプトアウトで提供しようとしているのだろうか。自分の位置情報を利用することを明示的に許可していない人のツイートなども、「近くにいる」というだけで表示するのだろうか。

Nearbyはごく小規模に行われるテストであるらしく、この機能を目にすることはほとんどないだろう。ただ、もし目にすることができれば、ぜひコメント欄にスクリーンショットの提供をお願いしたい。

Twitterはつい最近も、プライバシー関連で利用者から大きな非難を浴びたところだ。ブロック関連の機能を変更したところ、ブロックしたはずの相手からもツイートが見えてしまうのは問題だとして、不満の声が一斉に沸き起こることとなった。Nearby機能についても、自動的にオプトインされてしまうようなことになれば、不満の声をあげる人が多くなるのではないかと思う。

但し、こうした問題にうまく対処できるとするならば、店舗運営者などローカルマーケターなどにとっては魅力的なサービスに育つこともあり得る。近くにいる人に対する広告を販売できるようになり、Twitterにとっても大きな収益源に育っていく可能性もある。

Twitterが位置情報系サービスに乗り出していけば、Foursquareや、あるいはPathなどのサービスにも大きな影響を与えることになるだろう。Twitterはなんといってもソーシャル界の巨人であり、位置情報系ビジネスに積極的に乗り出してくれば、位置情報関連サービスに関連する広告売上げなどが、多くTwitterに持っていかれてしまうということになることも考えられる。

もちろん、これまで行ったTwitterの実験がすべて本格運用に繋がったわけではない。すべての人に提供されるようになるのでなく、お蔵入りとなっておしまいという可能性もある。

Top Image Credit: Flickr

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(翻訳:Maeda, H


Drop(落とす)は任意の位置にサプライズメッセージを落とせる, 友だちがそれを拾う

位置対応のメッセージングは前から試行されているが、メッセージがストリームになりグローバルになり、あるいは瞬間消滅型になるに伴い、今度は場所を限定したメッセージングでも、彼らなみのメジャーな勢力が現れるかもしれない。

ボストン生まれのDropもその候補の一つで、その名のとおりメッセージを一定の位置に‘drop’(落とす)できる。そして友だちがその場所に来たら、そのメッセージを見つけることができる。同社は本誌主催のBoston TC Meetup + Pitch-offで優勝をかっさらった。

このプラットホームに登録すると、まず現在位置の地図が現れる。書いたメッセージはその位置に自動的にドロップされ、写真なども含めて特定の友だち(単・複)がその位置に来たときに見る。たとえば、高校に入学したばかりの子どものために、最初の登校日の前にその高校にメッセージをドロップしておく、とか。仕事で苦労している親友のために、彼/彼女の仕事場にメッセージを落としておくのも、よいかもしれない。デートコースの随所に、事前にメッセージを置いておくと、デートの楽しい演出になるだろう。

同社はApp Storeで二日前にローンチしたばかりの若い企業だが、ファウンダたちは、今後の新しい機能のビッグアイデアを持っている。家とか職場とか特定の位置にユーザをもっと簡単に結びつけられるようにしたい。ナビゲーションしやすいUIにしたい。収益化の構想も、すでにある。広告主たちが、熱心なユーザ以上に好むものは、位置情報だ(“ここらでうまいラーメン食いたいならここ!”)。そのための仕組みは、Dropにすでに組み込まれている。

このアプリはApp Storeですでに入手できる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))