今年上場を果たしたFintechの雄、マネーフォワードの辻CEOがTechCrunch Tokyoに登壇決定

11月16日、17日の2日間にわたって渋谷・ヒカリエで開催予定のテック・イベント「TechCrunch Tokyo 2017」で、Fintechスタートアップのマネーフォワード共同創業者で代表取締役社長CEOの辻庸介氏に登壇頂けることとなったのでお知らせしたい。

マネーフォワードは今年(2017年)の9月に上場を果たしたFintechスタートアップ企業の雄だが、まだ恵比寿の小さなマンションの1室に入居していた2013年、初めて取材に訪れたときのことをぼくは昨日のことのように覚えている。辻CEO自らがスリッパを差し出して迎え入れてくれたのだった。下の写真は、その2013年の秋にTechCrunch Tokyo 2013のスタートアップバトルにご登壇いただいたときのもの。

マネーフォワード共同創業者で代表取締役社長CEOの辻庸介氏(2013年11月撮影)

 

あれから4年。

マネーフォワードは従業員数で200人を超え、時価総額も566億円(2017年10月26日終値ベース)と大きく成長。サービスも、当初提供していた個人向け家計・資産管理アプリ「マネーフォワード」に加えて、法人向けでは「MFクラウドシリーズ」としてMFクラウド会計、MFクラウド確定申告といったSaaSサービスを提供するなど力強く成長を続けている。

マネーフォワードは北風と太陽でいえば、太陽だと思う。

スタートアップ業界で「Fintech」とか「ナントカtech」といえば、テクノロジーでレバレッジをかけて既存産業をディスラプトするというニュアンスがある。ビジネスモデルを革新して旧勢力が思いもつかないアングルから市場にエントリーを果たし、気づけば大きな勢力になっているというようなニュアンスだ。PayPalなんかは金融業者が「インターネット上の決済」などセキュリティ的に実現が不可能で無視可能なニッチ市場だと相手にしなかったところで大きなポジションを確立した。ときには規制当局のレーダーに引っかかる前に既成事実として市場を獲得しているAirbnbやUberのようなものもある。

マネーフォワードが家計・資産管理アプリを引っさげて登場した当時、議論としては「日本では規制産業に切り込むのは難しくて、みんな本丸を攻めずにお堀の外でちょろちょろやってるだけ」と言われることがあった。既存の銀行や証券といった金融業を脅かしたり、少なともプレッシャーをかけるような存在になれないのならFintechなどと大げさな言葉に意味があるのだろうか、と。確かにその後の推移をみてみると、世界的にはPFM(Personal Financial Management)と呼ばれる市場は期待されたほど成長していない(日本はやや例外)。

しかし、太陽政策のマネーフォワードのその後は違った。金融庁に積極的に働きかけ、「既存勢力」を対立構図でみるのではなく次々と巻き込み、既存の銀行大手などと業務提携、システム連携を次々と進めている。世界的にも先進的な事例といえる銀行の更新系APIの開放を最初に実現させたマネーフォワードは、Fintechエコシステム醸成におけるキープレイヤーとなりつつあるように見える。

誰に対してもいつもにこやかな辻CEOの鷹揚な性格もあると思うが、マネーフォワードの太陽政策的な巻き込み力は今後も注目だと思う。何より「マネーフォワードが銀行免許を取って新興銀行にならないのだとしたら、日本のFintechって一体何なの?」というのが、ぼくの感じているところ。金融先進国イギリスでは既存の銀行に対して規模の小さな新興銀行サービスが「チャレンジャー・バンク」としてたくさん生まれている。

辻CEOには2012年の創業時の頃はもとより、起業にいたったキャリア上の経緯など起業家としてのパッションの源泉と、Fintechスタートアップとしてのマネーフォワードの今後の舵取りについてお話を聞ければと考えている。

辻さん、銀行はやらないんですか?w

TechCrunch Tokyo 2017は一般価格4万円のところ、10月末まで(来週火曜日まで!)は前売りチケットは割引価格3万円で販売している。また、創業3年未満のスタートアップ企業の従業員であれば、引き続きチケット価格は1万5000円だ。ぜひこの機会に検討いただければと思う。

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TechCrunch Tokyo CTO Nightの登壇者はこの8社8人! 参加者は引き続き募集中

11月16日、17日と開催まで3週間に迫ったTechCrunch Tokyo 2017で、イベント内イベントとして「TechCrunch Tokyo CTO Night powered by AWS」を開催する。今年の登壇企業と登壇CTO8人、そして審査員が決まったのでお知らせしたい。

開催趣旨はすでに初回アナウンス時に書いたとおりで、ネットやテクノロジーを最大限に利用して急成長を目指すスタートアップという企てにおいて、重要な役割を果たすCTO(チーフ・テクノロジー・オフィサー)に焦点をあてたピッチイベントだ。スタートアップが成功するためには技術シードとビジネスの両方が必要だとはよく言われること。専門性の高さから、この2つは組織としても人材としてもベクトルが大きく異なることがある。CTOは、ここをバランスさせ、経営や成長にコミットした技術のトップだ。

既存事業会社が「IT」を使って新しい取り組みを行うというのとは違って、ゼロイチでビジネスを作り出すときに最初からデジタルネイティブな人や世代が、アプリやシステムを事業と一緒に作って成長させる。そんなスタートアップのCTOの中でも今年もっとも輝いていた人物を「CTO・オブ・ザ・イヤー」の称号で讃えようというのが、このCTO Nightの狙いだ。2014年以来、これまで3人のCTOが選ばれた。このうち初代のCTO・オブ・ザ・イヤー2014のユーザーベースCTO竹内秀行氏には、今年は審査員として参加していただけることにもなった。

CTOかそれに準じるポジションの技術者であれば、イベント参加は無料だ。ぜひ他のCTOとの交流という意味も含めて気軽に参加してほしい。もうかなり申し込みを頂いているが、とても広い会場なので、まだ席には余裕がある。なお、TechCrunch Tokyoの本編参加チケット(超早割チケットなど含む)をお持ちの方であれば、CTO Nightへの参加もそのまま可能だ。

以下が今年登壇する8社のスタートアップのCTOたちと、今年の審査員だ。

TechCrunch Tokyo CTO Night 2017

【登壇者】
C Channel(女性向け動画)、西村昭彦氏
Dely(料理動画)、大竹雅登氏
FOLIO(ロボアドバイザー)、椎野孝弘氏
WAmazing(インバウンドSIMサービス)、舘野祐一氏
AnyPay(個人間決済)、中村智浩氏
トリプル・ダブリュー・ジャパン(排泄予知デバイス「DFree」)、九頭龍雄一郎氏
Tunnel(住生活の実例写真の投稿・閲覧サービス「RoomClip」)、平山知宏氏
CONCORE’S(建築業向けの写真共有アプリ「Photoruction」)、藤田雄太氏

【審査員】
藤本真樹氏(グリー、取締役 執行役員常務 最高技術責任者)
松尾康博氏(アマゾン ウェブ サービス ジャパン、ソリューションアーキテクト)
白井英氏(サイバーエージェント、SEG統括室CTO)
竹内秀行氏(ユーザーベース、インキュベーション担当 専門役員)

【日時】TechCrunch Tokyo 2017初日の11月16日木曜日の夕方(19時20分〜21時)
【会場】東京・渋谷ヒカリエ9階Bホール
【審査基準】技術によるビジネスへの貢献度(独自性、先進性、業界へのインフルエンス、組織運営についても評価対象)
【企画・協力】アマゾン ウェブ サービス ジャパン
【運営】TechCrunch Japan / Oath Japan
【チケット】無料(参加登録は必須)
【事務局連絡先】tips@techcrunch.jp

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TechCrunch Tokyo 2017、前売りチケットの販売は今月31日まで

TechCrunch Japanは、スタートアップイベント「TechCrunch Tokyo 2017」を11月16日、17日に渋谷ヒカリエで開催する。国内外のスピーカーを招いたキーノートセッション、創業3年未満の企業のピッチコンテスト「スタートアップバトル」やスタートアップによるデモブースも多数出展予定だ。

TechCrunch Tokyo 2017の前売りチケットの販売期限が来週に迫ってきたのでご案内したい。
一般チケット4万円(税込、以下同じ)のところ、10月31日までは前売り価格3万円で販売している。

今週、来週とさらにスピーカーを発表する予定だが、 現在発表しているスピーカーは次の通りだ。

・Blockstream CSO、Samson Mow氏

・Google アシスタントのプロダクトマネージャーを務めるBrad Abrams氏

・TrelloのHead of Product、Fog Creek Softwareの共同ファウンダーMicheal Pryor氏

・ソラコム共同創業者でCEOの玉川憲氏

・Slack共同創業者でCTOのCal Henderson氏

・Quora共同創業者でCEOのAdam D’Angelo氏

TechCrunch Tokyo 2017に5名以上で参加予定の方は、1枚あたりの価格が2万円になるお得な団体割引もあるので、ぜひそちらも合わせて検討してほしい。

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5枚以上のおまとめ買いでTechCrunch Tokyo 2017のチケットがお得になります

スタートアップイベント「TechCrunch Tokyo 2017」を11月16日、17日に渋谷ヒカリエで開催する。国内外のスピーカーによるキーノートセッションや創業3年未満の企業のピッチコンテスト「スタートアップバトル」などの企画を用意していて、スタートアップの現在が分かるイベントとなっている。登壇者や最新のイベント情報についてはイベントページからチェックできる。

今回はTechCrunch Tokyo 2017のお得な団体割引についてご案内したい。一般チケット4万円(前売り価格は3万円)のところ、5枚以上の申し込みで1人2万円(税込)の割引価格で購入することができる。一般チケットの半額、前売り価格と比べても1万円引きとなるのでかなりお得だ。

もし友人や同僚と何人かでTechCrunch Tokyo 2017に足を運ぶことを考えているなら、5名以上で申し込むことをおすすめしたい。ぜひこの機会に検討してみてほしい。

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TechCrunch Tokyo 2017の学割チケットを100枚追加しました

TechCrunch Japanは、スタートアップイベント「TechCrunch Tokyo 2017」を11月16日、17日に渋谷ヒカリエで開催する予定だ。TechCrunch Tokyoは、国内外のスピーカーによるキーノートセッションや、創業3年未満の企業のピッチコンテスト「スタートアップバトル」などの企画を用意し、東京のスタートアップの現在が分かるイベントとなっている。

TechCrunch Tokyoでは学生にもスタートアップとはそもそもなんなのか、どのように社会に影響を与えているのかを肌で感じてほしいと思い、学割チケットを用意している。一般チケット4万円(前売りチケット3万円)のところ、学割チケットは5000円だ。当初100枚限定で販売していたが、好評につき今回新たに100枚を追加販売することに決定した。ぜひこの機会に参加を検討してほしい。

これ以降の追加販売は予定していないので、関心がある学生はお早めに購入いただければと思う。

※学生チケットお買い求めの方は、当日受付にて学生証の提示が必要です。

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TechCrunch Tokyo 2017、スタートアップデモブースを20社分増枠しました

11月16日、17日に渋谷ヒカリエで毎年恒例のスタートアップイベント「TechCrunch Tokyo 2017」を開催する。

TechCrunch Tokyo 2017では、創業3年未満(2014年10月以降に創業)のスタートアップが会場内でブースを出展できる「スタートアップデモブースチケット」を用意している。いつも30社分のデモブースを用意しているのだが、今年は例年より多くのスタートアップの申し込みをいただき早くに売り切れてしまっていた。たくさんのお申し込みをいただいて嬉しい限りだ。

売切れ後も問い合わせが続いたこともあり、今年はより多くのスタートアップがデモブースを出展できるよう、20社分のデモブースを追加販売することに決めた。ぜひこの機会に出展を検討してみてほしい。

デモブースチケットは売り切れ次第販売終了となり、これ以降の追加販売は予定していない。また、10月20日を過ぎてお申し込みいただいた場合は、パンフレットへの記載が難しくなるので、出展を希望するスタートアップは早めに申し込んでほしい。

スタートアップデモブース2日通し券の価格は3万5000円。チケットには2名分の入場チケットが含まれている。申し込み条件は創業3年未満(2014年10月以降に創業)のスタートアップ企業のみだ。なお、上場企業の子会社や、創業3年以上の外資系企業の日本法人の出展は対象外とさせて頂いている。また、公序良俗に反する、イベント趣旨に沿わないなど、出展内容によってはお断りする場合があるので、ご承知おきいただきたい。

デモブースの仕様は下記の通り。デモブースに関するFAQも合わせてご確認いただければと思う。

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【今日まで】TC Tokyo 2017、スタートアップバトルに応募する最後のチャンス

TechCrunch Japanは11月16日・17日に渋谷ヒカリエで「TechCrunch Tokyo 2017」を開催する。TechCrunch Tokyo 2017の目玉企画、スタートアップによるピッチコンテスト「スタートアップバトル」の本登録の締め切りがいよいよ本日の深夜までと迫ってきたので、最後のお知らせをしたい。

例年100社以上からご応募いただき、その内書類選考を通過した20社がTechCrunch Tokyo 2017の壇上でプロダクトのピッチを行う。11月16日にファーストラウンドを実施し、そこから勝ち上がった6社が11月17日午後に開催するファイナルラウンドに進出する。優勝チームには賞金100万円を贈呈するほか、スポンサー賞も多数ある。

書類選考に通過した20社はTechCrunch Tokyo 2017でブースを出展する権利もある。応募するのに費用は一切かからない。

今日が、TechCrunch Tokyo 2017のスタートアップバトルに応募する最後のチャンスだ。奮って、応募してほしい。

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応募資格

応募資格は下記の2点。
・未ローンチまたは2016年10月以降にローンチしたデモが可能なプロダクトを持つスタートアップ企業であること。
・創業年数3年未満(2014年10月以降に創業)で上場企業の子会社でないこと。

審査基準と書類審査員

審査基準は以下の3点だ。

・プロダクトの市場性
・ビジネスの成長性
・ビジョンを実現するためのチーム

この基準をもとに、以下の8人の審査員が書類選考を行う。

・有安伸宏氏(Tokyo Founders Fund 起業家・エンジェル投資家)
・今野穣氏(グロービス・キャピタル・パートナーズ パートナー、Chief Operating Officer)
・澤山陽平氏(500 Startups Japan マネージングパートナー)
・西田隆一氏(B Dash Ventures シニア・インベストメント・マネージャー)
・田島聡一氏(ジェネシア・ベンチャーズ ジェネラル・パートナー)
・和田圭祐氏(インキュベイトファンド 代表パートナー)
・西村賢(TechCrunch Japan 編集長)
・岩本有平(TechCrunch Japan 副編集長)

選考を通過した応募企業には、イベント運営事務局から10月13日までに審査結果を通知する。

応募締め切りは9月30日土曜日23時59分までだ。時間に余裕を持って入力してほしい。みなさんの応募を心待ちにしている。

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日本でもベータ版ローンチ、ユニコーンとなったQ&Aサイト「Quora」のCEOがTC Tokyo登壇決定

Quoraは2009年創業。2017年4月のシリーズDラウンドでは8500万ドルを調達し、その評価額はおよそ18億ドルとなった。Quoraは創業から8年ほどで、評価額10億ドル以上のいわゆる「ユニコーン企業」の仲間入りを果たしたスタートアップだ。

Q&Aサイト自体は目新しいタイプのサービスということではないし、競合サービスも多くあるが、Quoraの特徴は各分野の専門家が書いた高品質のコンテンツが集まっている点だ。過去にはオバマ元大統領やFacebookのCOOを務めるシェリル・サンドバーグ氏なども、Quora上でユーザーから寄せられた質問に回答している。今では月間ユニークビジター数が2億人を超えるという。

そんなQuoraを立ち上げたAdam D’Angelo氏は、前職はFacebookの開発初期から関わり、同社のCTOも務めた人物だ。Adam D’Angelo氏は2008年までFacebookに在籍し、2009年にQuoraを創業した。

Quoraは英語のサービスだが、2016年からは多言語化を開始している。現在はドイツ語、スペイン語、フランス語、イタリア語でもサービスを提供していて、先日9月26日には、日本語ベータ版もローンチした(日本語ベータ版をいち早く試してみたい人は、ここから事前登録することができる)。

TechCrunch Tokyo 2017では、Adam D’Angelo氏にQuoraを創業した経緯やユニコーンに成長するまでの道のりについて聞きたいと思っている。また、日本だとYahoo!知恵袋やOKWaveといった先行するサービスがある中、どのようにサービス展開を考えているかも聞きたいところだ。

TechCrunch Tokyo 2017は一般価格4万円のところ、9月末まで(明日まで!)は超早割価格1万5000円でチケットを販売しているので、ぜひこの機会に検討いただければと思う。

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Slack共同創業者のCal Henderson氏がTC Tokyoに登壇決定、失敗から2つの「ホームラン」

TechCrunch Japanの読者には今さらSlackについて説明は不要だろう。Slack共同創業者でCTOのCal Henderson氏が11月16日、17日に東京・渋谷ヒカリエで開催するTechCrunch Tokyo 2017に登壇することが決定したのでお知らせしたい。

Henderson氏はFlickrとSlackという2つのサクセスストーリーを持つ起業家だ。Slackのことは知っていても、彼と彼の共同創業者であるStewart Butterfield氏の2人がゲーム開発の副産物としてFlickrとSlackという、いずれもホームランと言えるスタートアップ企業を生み出したことは知らない人もいるかもしれない。彼らはゲーム開発スタートアップとしては失敗続き。しかし、その副産物として生み出したサイドプロジェクト2つがFlickrとSlackというホームランなのだから恐れ入る。

ソーシャルサービスの先駆けFlickrはゲーム開発の副産物だった

2004年にスタートした写真共有サービス「Flickr」は後に続くFacebookやInstagramなどソーシャル系サービスの先駆けとなった輝かしい成功事例だ。Flickrは2005年に米Yahoo!に推定2200万〜2500万ドルで買収され、2013年の時点では8700万人という当時としては巨大なサービスに成長していた。時代がWebからモバイルアプリへ変遷するに連れて世代交代していった感があるが、Web時代には間違いなくナンバーワンの写真共有サービスだった。

そんなFlickrは、実は「Neverending」というWebベースのオンラインゲームのために作られたツールだった。ただ、NeverendingよりもFlickrのほうにサービスとしての成長の目があるとして、2人はFlickrに注力することになったというのがFlickr誕生の経緯だ。

Henderson氏ははFlikrのチーフソフトウェアアーキテクトとして、ネット全体にとっても重要な仕事をしてる。

今では当たり前の存在だが、Flickrは「タグ」をネットユーザーに広めたサービスの1つだし、「フリーミアム」という言葉が2009年に生まれる前から無料ユーザーの一部がプレミアムサービスのために有料プランを使うサービスとして名を馳せもした。

Web上で複数サービスを緩やかにつなぐ「マッシュアップ」という言葉が流行したころ、Flickrは先進的なAPIを生み出した企業でもあった。例えば、Henderson氏はOAuth策定で牽引役となったという。OAuthは「認可」プロトコルと呼ばれるもので、特定サービスIDに紐づくデータを異なるサービス間でやり取りする技術標準。ソーシャルサービスの普及にともなって今また注目を集めている。

大規模トラフィックに対応するサービスを提供する「スケールアウト」という言葉が出てきたのもこの頃で、Henderson氏が『スケーラブルWebサイト』の著者だといえば懐かしく思い出すエンジニアも多いのではないだろうか。

Slackもゲーム開発のための社内ツールだった

スタートアップの成功確率は低い。ホームランなど狙って打てるものではない。それなのに、ゲーム開発の副産物としてHenderson氏とButterfield氏がFlickrに加えてもう1つ生み出したホームランが、チャットサービス「Slack」だ。Glitchというゲーム開発のための社内ツールとして、Slackは生まれたのだった。

Slackは2013年にローンチし、あっという間にシリコンバレーに広がった。FlickrやTwitterが周辺ツール・アプリを巻き込んで大きくなったのと同じで、SlackはAPIの使いやすさに定評があった。Slackは、単なるチャットアプリというよりも、ほかのサービスとの繋ぎ込みが容易なメッセージプラットフォームという面がある。だからエンジニア密度が高く、自分たちが利用するサービスを繋ぎ込んだり、自分たちでボットを開発するシリコンバレーで受け入れた。日本でもスタートアップ企業の多くが使っていることだろう。

実際、Henderson氏は2016年のインタビューの中でSlackは「ビジネスOS」なのだと言っている。かつてビジネスではマイクロソフトやSAPといったベンダーの提供するプラットフォームの上で、業務に関連するすべてのアプリを使っていた。ところが過去10年ほどの間にネット上でSaaSが台頭するにしたがって、業務で使うアプリがバラバラになっている。例えばマーケ分析ツールといったジャンルはかつて存在していなかったが、今や一大ジャンル。かつてアプリを統合するOSとしてWindowsが存在したように、そうした現代的サービスを繋ぎこんで統合するプラットフォーム、それがビジネスOSとしてのSlackなのだ、というのがHenderson氏の説明だ。

直近では9月にソフトバンクの孫氏が率いるビジョン・ファンドをリードVCとして50億ドル以上の評価額で2億5000万ドルという大型のシリーズG投資を決めたビッグニュースが飛び込んできた。Slackの調達総額は7億9000万ドル(約800億円)となっている。

TechCrunch Tokyo 2017は一般価格4万円のところ、9月末まで(今週土曜日まで!)は超早割価格1万5000円でチケットを販売しているので、ぜひこの機会に検討いただければと思う。

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【残り5日】超早割チケットの販売は9月30日まで

今年も11月16日、17日に渋谷ヒカリエで、スタートアップイベント「TechCrunch Tokyo 2017」を開催する。お得な超早割チケットの販売終了まで残り5日に迫ってきたのでお知らせしたい。

一般チケット4万円(税込、以下すべて同じ)のところ、9月末までの超早割チケットは限定価格1万5000円となっている。なお10月から販売する前売りチケットは3万円。まだまだ登壇者の発表は残っているが、今月中にチケットを買えば前売りの半額でイベントに参加できるという超お買い得な価格設定になっている。

今年も国内外のゲストスピーカーを迎えたキーノートやファイアサイドセッション、創業3年以内のスタートアップが今年公開したプロダクトをプレゼンで競い合う「スタートアップバトル」を開催予定だ。

今年のイベントでは、ビットコイン開発の中心地にいるBlockstreamのサムソン・モウ氏​Google アシスタントのプロダクトマネージャーを務めるブラッド・エイブラムス氏​、Fog Creek Softwareの共同ファウンダーで、現在TrelloのHead of Productを務めるMicheal Pryor氏ソラコム共同創業者の玉川憲氏らの登壇が決定している。

登壇者はTechCrunch JapanのサイトとTechCrunch Tokyo 2017のイベントページの両方で続々とアップデートしていくので、ぜひチェックしてほしい。

繰り返しになるが、超早割価格は9月30日までの販売となっているので、この機会に購入を検討いただければと思う。

ソラコムの玉川憲CEOもTechCrunch Tokyoに登壇、大型M&Aの背景と今後を聞く

ソラコム共同創業者の玉川憲氏(写真はTechCrunch Tokyo 2015登壇時のもの)

 

11月16日、17日の2日間にわたって渋谷・ヒカリエで開催予定のテック・イベント「TechCrunch Tokyo 2017」で、IoT通信プラットフォームを提供するソラコム共同創業者でCEOの玉川憲氏に登壇頂けることとなったのでお知らせしたい。

ソラコムについて本誌TechCrunch Japanでは、2015年3月のステルス状態での大型のシード資金調達からはじまり、大きな話題となった2015年9月のサービスローンチ、その後の関連プロダクトローンチや24億円のシリーズB調達を経ての世界展開などお伝えしてきた。そして2017年8月にはKDDIによる大型M&Aのニュースで業界に衝撃が走り、買収発表直後にはインタビューも行った。

わずか2年と少しのスピードエグジット。もっとも立ち上げ当初から「日本発のグローバルプラットフォームを作りたい」と語っていた玉川氏にしてみれば、現状でのベストな選択としてKDDI傘下に加わるということだからエグジットといっても、これからが本番というところかもしれない。

一方、テクノロジーをコアとするスタートアップ企業で、これほど短期に3桁億円以上(買収総額は非公開だが推定200億円と言われている)の企業価値を作り出してM&Aというエグジットを決めた事例は日本ではめずらしい。約40人の社員は、ほぼ全員がストックオプションを手にしたといい、日本のスタートアップ業界にとっては1つの模範となるような成功事例と言えるだろう。Amazonクラウドのエバンジェリストとして活躍した後の、業界のベテランによる「大人の起業」でもある。

そんな玉川氏には、これまでの歩みや、今後のKDDIグループの一員としてのサービスの展開について対談形式で話をうかがおうと思っている。ソラコムがクラウドで提供する「Soracom」はIoTのためのプラットフォームだ。ちょうどAmazonクラウドによって多様な新世代サービスがたくさん生まれてきたように多くのIoTサービスが花開くのではないかと思う。日本からIoTサービスを作り出したいと思っているエンジニアの皆さんにも、玉川氏のビジョンと今後のIoT関連サービスについて聞きにきてもらえればと思う。

TechCrunch Tokyo 2017は一般価格4万円のところ、9月末まで(来週いっぱい!)は超早割価格1万5000円でチケットを販売しているので、ぜひこの機会に検討いただければと思う。

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【応募締め切りまで10日】TC Tokyo 2017、スタートアップバトルで目指せ優勝

TechCrunch Japanは11月16、17日に、東京の渋谷ヒカリエで「TechCrunch Tokyo 2017」を開催する。TechCrunch Tokyo 2017の目玉企画、スタートアップによるピッチコンテスト「スタートアップバトル」の本登録の締め切りが残り10日と迫ってきたのでお知らせしたい。

例年100社以上からご応募いただき、その内書類選考を通過した20社がTechCrunch Tokyo 2017の壇上でプロダクトのピッチを行う。11月16日にファーストラウンドを実施し、そこから勝ち上がった6社が11月17日午後に開催するファイナルラウンドに進出する。優勝チームには賞金100万円を贈呈するほか、スポンサー賞も多数ある。

2016年、スタートアップバトルで優勝を飾ったのは小児科に特化した遠隔医療相談サービス「小児科オンライン」を手がけるKids Publicだ。昨年登壇した全20社のピッチもここで公開しているので、参考にしてほしい。

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応募資格

応募資格は下記の2点。
・未ローンチまたは2016年10月以降にローンチしたデモが可能なプロダクトを持つスタートアップ企業であること。
・創業年数3年未満(2014年10月以降に創業)で上場企業の子会社でないこと。

審査基準と書類審査員

審査基準は以下の3点だ。

・プロダクトの市場性
・ビジネスの成長性
・ビジョンを実現するためのチーム

この基準をもとに、以下の8人の審査員が書類選考を行う。

・有安伸宏氏(Tokyo Founders Fund 起業家・エンジェル投資家)
・今野穣氏(グロービス・キャピタル・パートナーズ パートナー、Chief Operating Officer)
・澤山陽平氏(500 Startups Japan マネージングパートナー)
・西田隆一氏(B Dash Ventures シニア・インベストメント・マネージャー)
・田島聡一氏(ジェネシア・ベンチャーズ ジェネラル・パートナー)
・和田圭祐氏(インキュベイトファンド 代表パートナー)
・西村賢(TechCrunch Japan 編集長)
・岩本有平(TechCrunch Japan 副編集長)

選考を通過した応募企業には、イベント運営事務局から10月13日までに審査結果を通知する。

応募締め切りは、9月30日金曜日23時59分までとなっているので、時間に余裕を見て入力してほしい。みなさんの応募を心待ちにしている。

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今年も11月開催!「CTO・オブ・ザ・イヤー2017」―TechCrunch Tokyo CTO Night参加者募集

毎年11月に開催しているテックイベント「TechCrunch Tokyo」ではイベント内イベントとして、2013年から「TechCrunch Tokyo CTO Night powered by AWS」を開催してきた。ネットやテクノロジーを最大限に利用して急激な成長を目指すスタートアップという企てにおいて、システムや組織の急成長にともなう技術課題に向き合うCTO(Chief Technology Officer)にフォーカスを当てたピッチコンテストだ。

CTOという職種は担っている役割の重要さの割に十分に光があたってこなかったと思う。そこで2014年から「CTO・オブ・ザ・イヤー」という表彰イベントを続けていて、今年は4年目になる。自薦・他薦によって選ばれたCTOたち約10人にステージに登壇していただいて、ピッチ・コンテスト形式で日々の仕事の成果をシェアし、たたえ合う場だ。同業者だからこそ分かる苦労話もあるだろうし、同じプロとして惜しみない賞賛を送りたくなるような仕事もあるだろう。

これまで2014年から2016年までの優勝者と記事は以下のとおり。

2014年に初代CTO・オブ・ザ・イヤーに輝いたユーザーベースの竹内秀行CTOは、予算ゼロで新サービス開発に取り掛かった話をはじめ、サービスの技術的改善、エンジニアのスキル向上、健全な組織を作るための施策も検討・実行しなければならないというCTOが向き合う課題について「多様性」をキーワードにプレゼンを行った。

2014年にCTO・オブ・ザ・イヤーに選ばれたユーザーベースの竹内秀行CTO

 

2015年にCTO・オブ・ザ・イヤーに選ばれたソラコム安川健太CTOは、チームもアーキテクチャも「疎結合で非同期」というテーマで発表を行った。チームは1日1回30分の全体進行のシェアをするが、それ以外はSlackで連携しつつ非同期で動くチームとなっている、という。これがKDDIによる大型買収に繋がるスピード感の秘密だったのかもしれない。

2015年にCTO・オブ・ザ・イヤーに選ばれたソラコムの安川健太CTO

 

2016年にCTO・オブ・ザ・イヤーに選ばれたReproの橋立友宏CTOは、オープンソースソフトウェアのコミュニティをはじめとするエコシステムの力を借りることの重要性を語った。Rubyコミュニティーで広く知られた橋立CTOは、限られたリソースの中でスピード感を持ってサービスを形にしていくには「先達の知識」を借り、一方コミュニティーに還元できることを還元していくことが必要だと説いた。

2016年にCTO・オブ・ザ・イヤーに選ばれたReproの橋立知宏CTO

 

なんと、2014年にCTO・オブ・ザ・イヤーに選ばれた竹内秀行CTOのユーザーベースは2016年10月に上場、同じく2015年に選ばれた安川健太CTOのソラコムは2017年8月にKDDIによる大型買収と両方ともエグジットを果たしている(こう書くと2016年にCTO・オブ・ザ・イヤーに選ばれたReproの橋立知宏CTOにはプレッシャーがかかりそうだ。2018年を楽しみにまとう!)。

さて、そんな未来のテックビジネスの立役者ともいえる「CTO・オブ・ザ・イヤー」を決めるCTO Nightの概要は以下の通り。CTOもしくは、それに準じるポジションの人であれば参加はいつも通り無料。ぜひ11月16日木曜の夕方にアツいセッションを見に渋谷・ヒカリエに立ち寄ってほしい。

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TechCrunch Tokyo CTO Night 2017
【イベント名】「TechCrunch Tokyo CTO・オブ・ザ・イヤー 2017 powered by AWS」
【日時】TechCrunch Tokyo 2017初日の11月16日木曜日の夕方(19時20分〜21時)
【会場】東京・渋谷ヒカリエ9階Bホール
コンテスト概要
「CTO・オブ・ザ・イヤー2017」のピッチコンテストを実施
【審査基準】技術によるビジネスへの貢献度(独自性、先進性、業界へのインフルエンス、組織運営についても評価対象)
【審査】CTOオブ・ザ・イヤー実行委員会による
【企画・協力】アマゾン ウェブ サービス ジャパン
【運営】TechCrunch Japan / Oath Japan
【チケット】無料(参加登録は必須)
【事務局連絡先】tips@techcrunch.jp

TechCrunch Schoolは9月28日開催、テーマは「人材戦略」——サイバー曽山氏、メルカリ石黒氏らが登壇

TechCrunch Japanが開催するイベント「TechCrunch  School」。今年はテーマを「HR Tech」に設定して、3月、7月の平日夕方から開催してきた。いずれも非常に好評で、また同時に主催する僕ら自身にも学びのあるセッションだった(過去のレポート記事はこちら「TechCrunch School #9」「TechCrunch School #10(キーノート)」「TechCrunch School #10(パネルディスカッション)」)。9月28日にその第3弾となるイベント「TechCrunch School #11:HR Tech最前線(3) presented by エン・ジャパン」を開催することとなったのでお知らせする。

これまでのイベントでは、国内HR Tech関連のスタートアップ経営者や、国内外のHR事情を知る識者らに登壇頂き、人事・労務関連業務でのテクノロジー活用、そして働き方やHR Techサービスのトレンドなどについて学んできたが、3回目となる今回のテーマはテック企業の人材戦略にフォーカスを当てたい。

今回のTechCrunch Schoolもイベントはキーノートスピーチとパネルディスカッションの二部構成となっている。キーノートスピーチでは、数多くのスタートアップを資金やノウハウの提供によって支援してきたベンチャーキャピタリスト、グロービス・キャピタル・パートナーズの高宮慎一氏が登壇。実際の事例なども踏まえつつ、スタートアップが成長ステージごとに採るべき人材戦略について伺っていきたい。

またパネルディスカッションにはサイバーエージェント 取締役 人事管掌の曽山哲人氏、メルカリ HRグループの 石黒卓弥氏、エン・ジャパン 執行役員 寺田輝之氏の3人が登壇する。スタートアップに取材する中でも、「人材戦略を参考にしている」という話を聞くことも多いサイバーエージェント。曽山氏はその人事のトップとして10年以上にわたりその戦略の指揮を執り、また同時に人事関連の書籍なども出してきた人物。また、前々回のSchoolでも登壇頂いた石黒氏だが、メルカリと言えば、新しい人事制度を次々に発表し、スタートアップとしては攻めの人事戦略を採っている。今回もそんな同社のノウハウが聞ければいいと思っている。前回も登壇してくれた寺田氏にはエン・ジャパンの人材戦略に加えて、人材ビジネスを手がける立場から業界を俯瞰した話などもしてもらいたいと思っている。

イベント会場は、TechCrunch Japan編集部のある東京・外苑前のOath Japan株式会社オフィスのイベントスペース(通称「スタジアム」)。これまでにはTechCrunchの兄弟媒体であるEngadget日本版のイベントなどもここで開催してきた。今回は約80人の参加を予定しており、開場はこれまでより30分遅い19時(開演は19時半)に設定したので、仕事帰りにぜひとも遊びに来て欲しい。もちろん前回、前々回同様に参加は無料となっている。セッション後はドリンクと軽食を提供する懇親会も予定している。

これまで同様、パネルセッションでは質問ツールの「Sli.do」も利用する予定だ。スマートフォンからリアルタイムに質問を投稿したり、ほかの参加者が投稿した質問に対して「いいね」(私も聞きたい!という意思表示)ができるので、当日は参加者の声を聞きながらインタラクティブで熱量の高いセッションを展開してきたいと思う。人材戦略を考える起業家から、人事担当者、採用担当者の方々まで、是非会場に足を運んでいただければ幸いだ。

【開催日時】9月28日(木) 19時開場、19時半開始
【会場】Oath Japan株式会社(東京都港区南青山2-27-25 ヒューリック南青山ビル4階)
【定員】約80人
【参加費】無料(参加登録は必須)
【ハッシュタグ】#tcschool
【主催】Oath Japan株式会社
【協賛】エン・ジャパン株式会社
【事務局連絡先】tips@techcrunch.jp
【当日イベントスケジュール】
19:00 開場・受付
19:30〜19:35 TechCrunch Japan挨拶
19:40〜20:10 キーノート講演(30分)
20:15〜21:00 パネルディスカッション(45分)
21:00〜21:10 ブレーク
21:10〜22:30 懇親会(アルコール、軽食)
【スピーカー】
グロービス・キャピタル・パートナーズ パートナー/Chief Strategy Officer 高宮慎一氏
サイバーエージェント 取締役 人事管掌 曽山哲人氏
メルカリ HRグループ 石黒卓弥氏
エン・ジャパン 執行役員 寺田輝之氏
TechCrunch Japan 副編集長 岩本有平(モデレーター)

TC Tokyo 2017:Google Home搭載の会話型AIの未来―、ブラッド・エイブラムス氏が登壇

Google アシスタントプロダクトマネージャー ブラッド・エイブラムス氏

11月16日、17日の2日間にわたって渋谷・ヒカリエで開催予定のテック・イベント「TechCrunch Tokyo 2017」の登壇者がもうひとり決まったのでお知らせしたい。米GoogleでGoogle アシスタントのプロダクトマネージャーを務めるブラッド・エイブラムス(Brad Abrams)氏だ。Google アシスタントは、国内発売が間近とも言われるGoogle Homeに搭載される会話型AIの基盤そのもの。「モバイル・ファースト」から「AIファースト」へ比重を移すGoogleのビジョンと戦略、現在の取り組みについて語っていただこうと考えている。

すべてのデバイスに共通するUI:会話的な音声

振り返ってみて歴史上のある時期に一気に起こったように見えるパラダイム変化も、実際には5年とか10年かかっていることが多い。パソコンのCUIからGUIへの変化は1980年代半ばのApple Macintoshに始まり、1995年のWindows 95で終了したと考えると、実に15年もかかっている。

いま現在、GUIからVUI(Graphical UIに対してVoice UIの意味)への変化の兆しが見えている。これは5年かかるかもしれないし、10年かかるかもしれないが、かなり大きなマン・マシン・インターフェイスの変革となりそうだ。

AmazonがAmazon Echoで切り開いたスマートスピーカーという製品ジャンルは、声で買い物ができたり家電がコントロールできる、ちょっと便利なツールというふうに見える。ただ、Googleアシスタントについて語るエイブラムス氏の説明によれば、Google Homeはもっと大きな変化の一部分ということが分かる。

Google アシスタントは、「Google Home」やGoogle謹製Android端末の「Pixel」、Googleのメッセアプリ「Allo」などのすべての背後にあるソフトウェア基盤だ。アシスタントが作り出そうとしているのは「会話的インターフェイス」で、いま現在ググるときに打ち込む「新宿 安い イタリアン」などという検索クエリではなく、「ぼくの今日の予定は?」とか「空港まで行くのにUberを手配して」といった、より自然で対話的なインターフェイスとなるようなものだという。これは現在スマホに搭載されている音声検索とは異なるもの。

これは何もGoogle Homeだけのためのものではない。オライリーメディアが行ったインタビューの中でエイブラムス氏は、スマホやメッセアプリなど、デバイスに依存しない形で使えるようにしていくと話している。Google Homeからスタートしているのは、家庭内のリビングという利用環境が限られていて、アプリ提供やユースケースの洗い出しに適しているから、という面もあるのだそうだ。

Googleはすでに「Surface」という概念によってアプリ起動の制御を行おうとしている。あるデバイスには画面がなく、音声だけかもしれない。だからアプリ開発者は今後、どういうSurfaceのときにアプリがどう振る舞うべきかを考えるようになるのかもしれない。

音声が入り口になると新しいビジネスが生まれるかも

エイブラムス氏が挙げる興味深い論点として、「瞑想したいんだけど、おすすめは何?」というような問いかけにGoogle アシスタントはなんと答えるべきだろうか、というものもある。

これまでのGoogle検索ように10個のリンクを提示するわけにはいかない。じゃあ、1つなのかというと、それも違う。2つか? 3つか? どうユーザーに対話的に提示するのか―、この辺もまだVUI揺籃期の興味深い論点だ。

もしユーザーの問いかけに対して1つか2つの選択肢が提示される未来が来るとしたら、これはECビジネスなど、従来のネットビジネスがガラッと書き換わる可能性すらあるのかもしれない。現在、Google アシスタントに対して回答となる「discovery phrase」とういうのはアプリ開発者が登録することになっているそうだ。discovery phraseは現在のネットで言うドメイン名ようなもので、スクワッティング(不正な占拠)が出て来る可能性もある。エイブラムス氏は、いずれレビュープロセスやランキングを使うことになるだろうとインタビューの中で示唆している。

ともあれ、すでにGoogle アシスタントはSDKとAPIが用意されていて、Web上のシミュレーターを使った開発が開始できるようになっている。エイブラムス氏によれば、自分の端末だけで動くものを作りたいという要望が個人開発者からあるといい、イノベーター層が関心をもって遊んでいる様子がうかがえる。

国内発売が間近との報道も一部にあったGoogle Homeだが、未来のコンピューティングと、それが可能にするライフスタイルやビジネスに関心のある人は、ぜひ東京・渋谷のTechCrunch Tokyo 2017に足を運んでみてほしい。

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スタートアップのみなさま、「TechCrunch Tokyo 2017」にブースを出展しませんか?

11月16日と17日に渋谷ヒカリエでスタートアップイベント「TechCrunch Tokyo 2017」を開催する。ヒカリエのメインホールでは、今年注目のスタートアップによるピッチコンテスト「スタートアップバトル」や海外や国内の起業家を迎えたセッションを予定している。

そして、ホール外のホワイエとホールBへと続く通路はブースエリアとなっていて、ここには創業3年未満(2014年10月以降に創業)スタートアップのためのデモブース出展枠を用意している。

TechCrunch Tokyoの来場者には起業家や投資家といったスタートアップ業界のコア層のみならず、TechCrunch Japanの読者に多いアーリーアダプター層も多く集まる。デモブースを出展することで、こうした潜在顧客やユーザーにアピールすることができるだろう。 近年では大企業からの来場者も増え、嬉しいことにデモブースでの出会いから法人顧客の獲得に繋がったという話もらちらほら聞いている。

スタートアップデモブース2日通し券の価格は3万5000円。このチケットには2名分の入場チケットが含まれている。ただ、申し込み条件は創業3年未満(2014年10月以降に創業)のスタートアップ企業のみだ。この機会にぜひ出展を検討してみてほしい。

なお、上場企業の子会社や、創業3年以上の外資系企業の日本法人の出展は対象外とさせて頂いている。また、公序良俗に反する、イベント趣旨に沿わないなど、出展内容によってはお断りさせていただく場合があるので、ご了承ください。

スタートアップデモブースのチケット購入はこちらから

ビットコイン開発のど真ん中にいるBlockstreamのサムソン・モウ氏がTechCrunch Tokyoに登壇

11月16日、17日の2日間にわたって渋谷・ヒカリエで開催予定のテック・イベント「TechCrunch Tokyo 2017」の登壇者が決まりつつあるので、順次お知らせしたい。まず1人目は、ビットコインやブロックチェーン関連の開発で知られるBlockstream社のCSO(Chief Strategy Officer)、サムソン・モウ氏(Samson Mow)だ。

Blockstream CSOのサムソン・モウ氏

Bitcoin Coreほかサイドチェーン技術に取り組むBlockstream社

Blockstreamは、ビットコインそのものと言えるオープンソース・プロジェクト「Bitcoin Core」の主要開発者が所属することでも知られる2014年設立のカナダ・モントリオール拠点のスタートアップ企業だ。BlockstreamのCEOであるアダム・バック(Adam Back)博士は、ビットコインのアイデアの根幹にもある「proof-of-work」(Hashcash)を1997年に発明した暗号学者としても知られている。

Blockstreamが開発しているのはサイドチェーン関連のプロダクトだ。ビットコインのような暗号通貨を実現している実体はブロックチェーンと呼ばれる分散型台帳だが、いろいろ制約がある。悪意がある犯罪者集団ですら自由に参加できてしまうネットワークであるのに、台帳の改ざん防止が暗号論的に担保されている、というのがブロックチェーンのブレークスルーだったわけだが、そこにはトレードオフがあった。トランザクション性能があがらず、スケールしないという問題だ。現在、ビットコインによる送金が確実になったと見なされるまでには6ブロックを生成する時間、1時間かそれ以上が必要だ(ビックカメラやメガネスーパーなどのビットコイン決済は少額決済を全手に0承認で即時送金しているので念のため)。

だったらビットコインのチェーンの横に、別のチェーンを接合して、そちらで処理をすればいいじゃないかというアイデアがある。「サイドチェーン」と総称されるものだ。

Blockstreamが開発する「Lightning」は、ビットコイン開発者コミュニティー全体で策定と実装が進んでいる「Lightning Network」(LN)と呼ばれるマイクロペイメントのためのサイドチェーンだ。LNは取引をするユーザー同士が専用のチャンネルを作り、そのチャンネル上で決済を行うというアイデアに基づいている。LN上の一連の決済は、チャンネルを閉じるときなどに、まとめてビットコインのチェーンに書き戻される。LNはラフな合意に基づく仕様があって、実装自体は数種類あるという極めてインターネット的な開発が進んでいる。LNを使うと0.00000001BTC(現在の価格だと0.004円)というきわめて少額の決済がデバイス間で即時に可能となる見込みで、BlockstreamもLNの1つを開発している。

Blockstreamが開発するサイドチェーンには「Liquid」というのもある。こちらは取引所間で流動性を持たせるための「ストロング・フェデレーション」と呼ぶ技術を開発しているそうだ。ビットコイン同様のビザンチン頑健性(Byzantinerobust)を持ちつつ、商用に耐えうるプライバシー(決済するアセットの種類や量が外部から分からない)を実現している、とホワイトペーパーにある。

そうそう、もう1つ、Blockstream関連でぶっ飛んだニュースが8月15日にあった。人工衛星からビットコインのブロック情報を地球上にばらまき続けることで、ネット接続のない地域でもブロックチェーンの恩恵に預かれるようにしようという試みだ。一瞬ネタなのかと思うような話だが、すでに動き出していて、ここからステータス情報をみることもできる。

で、ビットコインに何が起こっていて、今後何が起こるのか?

モウ氏が配っている「UASF」の帽子

さて、Blockstreamのサムスン・モウ氏だが、彼はUASF(User-Activated SoftFork)を強く支持するとした活動で知られている。今年夏の分裂騒動の根底にはハッシュパワーの偏りという問題があった。端的に言えば、ハードウェアに大金を突っ込めば、ビットコインのあり方や未来の方向性に対して大きな声を持ててしまうという問題だ。一部の強大なマイナーたちが自己利益最大化のためにビットコインの仕様を左右してしまうという懸念が出てきた。

個人の利用者にはもはや「投票権」はなくなっているかに思える。そこで使われたのがUASFだった。マイニングをしなくても、自分が支持する仕様(機能)を持つ実装のノードを立てることはできる。そうしたノードがネットワーク全体で増えれば、結果として参加者全体の声が反映された意思決定ができる。UASFの呼びかけは多くの共感者に支持された。それまでマイナーたちが拒否していたSegWit仕様は、こうして有効化されたのだ。ちなみにSegWitは、いまこの記事が出たのとほぼ同じタイミング(日本時間で8月24日)でビットコインのネットワーク上で稼働を始めたということで、関係者の間で、ちょっとしたパーティー気分が広がっている。SegWitは前述のLNを実装するためにも必要な技術ピースだったから、これは大きなニュースだ。

時間とともにハッシュパワーの偏りが起こって、それがコミュニティー運営にとって政治的問題に発展した。そうなる未来をビットコイン発明者のナカモト・サトシは予見できなかったのだろうか?こんなぼくの素朴な質問を来日中だったサムスン氏にぶつけたところ、

「サトシは神様じゃないからね」

という答えと苦笑いが返ってきた。ビットコインには設計・運営上の欠点がある。しかし、UASFを可能にした「version bits」と呼ばれる仕組みが考えられたのは2015年のこと、実際にBitcoin Coreに実装されてリリースされたのが2016年であることを考えると、コミュニティー運営のための仕組み自体も改善を進めていることが分かる。こうした改善は「BIP」(Bitcoin Improvement Proposals)と呼ばれる標準化されたプロセスを通して今も引き続き行われている。

プレイヤーごとに異なる思惑と欲望が交錯するビットコイン。とかく価格の暴騰と暴落ばかりが話題になりがちだが、内部ではもっとダイナミックな開発と変化が起こっている。そうした変化の渦中にいて、ビットコインの明るい未来を信じ、活発に発言をしている人物の1人がサムスン・モウ氏だ。

今後も暗号通貨やトークンエコノミーにおいて、ビットコインは基軸通貨的な役割を果たし続けることになるだろう。その来し方、現在、近未来のことを、サムスン・モウ氏には語っていただこうと考えている。今ならまだ一般チケット4万円のところ、超早割チケット1万5000円が販売中なので、以下のページから参加登録してほしい。

TechCrunch Tokyo 2017チケット販売ページはこちら

7月21日開催のTechCrunch School参加受付中、グローバル・日本双方のHR Tech最前線を知る

3月に開催した「TechCrunch School #9:HR Tech最前線」は多くの読者に来ていただいて大変好評だった。その第2弾として7月21日金曜日夕方に、さらにHR Techをテーマにしたイベント「TechCrunch School #10:HR Tech最前線(2) presented by エン・ジャパン」を開催することとなったのでお知らせしたい。

前回のTechCrunch Schoolでは国内HR Tech関連のスタートアップ経営者にお集まり頂いて、人事・労務関連業務でのテクノロジー活用についてお話いただいた(レポート記事)。2回目の開催となる今回は、いったんグッと海外に目を向けて、働き方やツール・サービスの進化のトレンドを探り、その後に日本の現状と今後のHR Techを見通すという2部構成を予定している。

前回のTechCrunch Schoolの様子

 

イベント会場は、東京・八重洲口にオープンしたばかりのコワーキングスペース「Diagonal Run Tokyo」をお借りする。サッカー用語の「ダイアゴナルラン」を冠したこの施設は、「地方と東京」「大企業とスタートアップ」を繋ぐハブとして誕生したばかりで、入居企業以外にもイベントスペースを貸し出している。今回は100人前後の参加規模を予定していて、夕方6時半に開場となる。参加は無料で、懇親会ではドリンクと軽食が出るので仕事帰りに気軽に参加してほしい。

PCやモバイル、小型デバイスの普及によってソフトウェアによる変革は多くの産業に及び始めているが、もともと情報処理と相性の良い金融などと違って、人材系サービスのイノベーションは、まだその端緒についたばかりのようにも見える。理由はいろいろあるが、人間というのがアナログで曖昧な存在であることや、そうしたモヤッとしたヒトや組織といった対象のデータ化が遅れているという側面があるのだろう。とはいえ、人材サービスはどんどん新しいものが国内外とも出てきているのはTechCrunch Japanでも日々お伝えしているとおり。

北米市場のHR Techには「トランザクションからデータドリブンへ」という流れがある―、そう指摘するのは、今回キーノートセッションをお願いしている鈴木仁志氏だ。鈴木氏は人事・採用のコンサルティング・アウトソーシングのレジェンダ・グループのシンガポール法人で代表取締役社長を務めていた人物だ。クラウド採用管理システム「ACCUUM」を提供するかたわら、海外のHR Techイベントに足を運ぶなど界隈の動向に明るい。鈴木氏には以前、HR Tech ConferenceのレポートをTechCrunch Japanに寄稿して頂いたことがあるが、今回も海外トレンドと事例を概観する講演をしていただける予定だ。また鈴木氏自身、レジェンダを退職して起業。自らHR Techの分野で「Official-Alumni.com」という、企業とアルムナイ(会社のOB/OG)を繋ぐプロダクトを準備中だそうなので、HR Techを語っていただくのに最適な人物だと思う。

さて、キーノートセッションで海外のHR Tech動向を概観した後に、じゃあ日本はどうなんだろうという話ができればと思う。「採用→教育→評価」という3つのフェーズに大きく分けて、どういうサービスが出てきていて、どういう領域が面白いかといったことをディスカッションする。このパネルセッションの登壇者は、日本有数の転職サービスに加えて採用支援ツール「engage」や、会社の口コミサイト「カイシャの評判」も提供するエン・ジャパン 執行役員の寺田輝之氏、それから「ソーシャルヘッドハンティング」と呼ばれる新たな領域を開拓しつつあるSCOUTERの創業者で若手起業家の中嶋汰朗氏。そして働く側から視点も持つパネラーとして及川卓也氏もご登壇いただく予定だ。及川氏はGoogleでChrome開発に携わっていたことで知られるシニア・エンジニアで、DEC、Microsoft、Goolgeとエンジニアチームをリードするという立ち位置で仕事をしてきている。さらにGoogleからスタートアップ企業への電撃移籍が話題になった。自身のキャリアデザインという面と、採用や評価といった両面でお話いただけるのではないかと期待している。特に外資系かつ独特なワークスタイルを持つGoogleでの経験など、ぼくも聞きたい話がたくさんある。

前回と同様にパネルセッション中はスマホから簡単に質問を投げることができるツール「Sli.do」を利用予定だ。ほかの参加者の質問に「いいね」(私も聞きたい!という意思表示)ができるので、皆さんが登壇者に聞きたい質問を会場でシェアしながら話を進めていく参加型のイベントにできればと考えている。当日の参加者にはHRやスタートアップ領域で仕事をしている人が多いことから懇親会も話に熱が入るので、ぜひセッション後も残って他の参加者と交流をお楽しみいただければと考えている。

HR Techでの起業や新規サービスを検討している人はもちろん、現場の人事担当者、採用担当者の方々にも是非会場に足を運んでいただければ幸いだ。

イベント参加登録はこちら!

 

【開催日時】7月21日(金) 18時半開場、19時開始
【会場】ダイアゴナルラン(東京都中央区八重洲2丁目8−7 福岡ビル4F)
【定員】80〜100人
【参加費】無料(参加登録は必須)
【ハッシュタグ】#tcschool
【主催】 AOLオンライン・ジャパン株式会社
【協賛】エン・ジャパン株式会社
【事務局連絡先】tips@techcrunch.jp
【当日イベントスケジュール】
18:30 開場・受付
19:00〜19:05 TechCrunch Japan挨拶
19:10〜19:40 キーノート講演(30分)
19:45〜20:30 パネルディスカッション(45分)
20:30〜20:40 ブレーク
20:40〜22:00 懇親会(アルコール、軽食)
【スピーカー】
ハッカズーク・グループ代表 鈴木仁志氏
SCOUTER共同創業者兼代表取締役 中嶋汰朗氏
エン・ジャパン 執行役員 寺田輝之氏
プロダクト・エンジニアリングアドバイザー(フリーランスコンサルタント)及川卓也氏
TechCrunch Japan編集長 西村賢(モデレーター)