GMもCES出展を中止、主催者は今も対面式イベントを計画中

更新:CTAの責任者であるGary Shapiro(ゲーリー・シャピロ)氏からTechCrunch宛に以下の最新情報が送られてきた。

2200社以上の企業がCES 2022に対面で参加することを確認しています。私たちの焦点は今も、テック業界が集結し、対面で参加できない人たちにCESの魔法をデジタルで体験してもらうことです。CES 2022は、世界中の企業、大企業にも小さな会社にも、プロダクトを発表し、ブランドを構築し、パートナー契約を結ぶ機会を提供します。CESにおける徹底した健康管理とワクチン接種義務、マスク着用、PCR検査の提供に加えた参加人数制限とソーシャルディスタンス対策を踏まえ、私たちは参加者と展示者がソーシャルディスタンスを保ちながら価値ある生産的イベントをラスベガスで、そしてオンラインでも体験できると確信しています。

過去数年、CESには自動車の存在感が急速に高まっている。ここは厳密には自動車ショーではないが、多くの自動車メーカーがテクノロジーファーストのアプローチを導入している今、まさにその方向に向かっていることを感じる。しかし、米国時間12月23日夜、General Motors(ゼネラル・モーターズ)は、多くの第一線企業に続き、Consumer Electronics Showへの対面式出展を中止することを決めた。

「当社は2022年1月のCES 2022にオールデジタル方式で参加することにいたしました」と声明で発表した。「1月5日に大きな発表を行い、Chevrolet Silverado EV(シボレー・シルバラードEV)を披露する予定は変わりません」。

これは大規模な展示を予定していた企業にとって大きな変更だ。イベントではCEOのMary Barra(メアリー・バラ)氏の注目の基調講演と電動のChevy Silveradoのリアルの場でのデビューが予定されていた。バラ氏は講演をリモートで実施する予定だと同社は言っている。GMは計画を変更した最初の自動車メーカーではないが、最大の会社だ。Mobieye(モービルアイ)で大きな注目を集めているWaymo(ウェイモ)とIntel(インテル)も、すでに同様の発表を行っている。なお現時点では、米国運輸長官Pete Buttigieg(ピート・ブティジェッジ)氏をQualcomm(クアルコム)のプレジデント兼CEO、Christiano Amon(クリスティアーノ・アモン)氏がインタビューする予定だ。

関連記事:グーグルがCES出展を取り止め、オミクロン株への懸念で

他に最近参加を取りやめた大物には、Google(グーグル)、Lenovo(レノボ)、T-Mobile(ティー・モバイル)、AT&T(エーティー・アンド・ティー)、Meta(メタ)、Twitter(ツイッター)、Amazon(アマゾン)、TikTok(ティックトック)、Pinterest(ピンタレスト)、Casio(カシオ)他、大手メディアも数多くいる。NVIDIA(エヌビディア)のように、当初からバーチャル・ファーストの参加を予定していた会社もある。2020年初めに新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の第一波が迫ってきて以来、CESは最初の主要対面テックイベントの復活と期待されていた……かつてほどの勢いはないにせよ。

しかし、オミクロン株の感染力によって、大小数多くの企業が予定変更を余儀なくされた。TechCrunchが米国時間12月23日に主催者であるCTAと話した際、彼らはワクチン接種義務をはじめとする安全措置を強化して、まだイベント開催を決行する予定だった。

画像クレジット:GM/ Photo by Steve Fecht

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(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook

インテルもCESへの対面式参加見送りを決定、バーチャル体験に転換

米国時間12月23日、Lenovo(レノボ)とAlphabet傘下のWaymo(ウェイモ)がCES 2022の対面イベント参加を見送るというニュースに続き、Intel(インテル)は、オミクロン変異株に関する懸念が高まっていることから、同イベントでの存在を「ミニマイズ」する方向で動いていると発表した。

チップの巨人である同社は、TechCrunchに提供した声明の中でこう述べた。「当社の従業員、パートナー、お客様の健康と安全は常に最優先事項です。今回のCESでは、保健当局者との協議の結果、Intelのの安全ポリシーに基づき、現場スタッフを最小限に抑え、デジタルファーストのライブエクスペリエンスに移行します。CESのすべてのコンテンツと体験を、Intelニュースルームを通じてバーチャルにお届けしますので、ぜひご参加ください」。

Lenovo(レノボ)やWaymo(ウェイモ)とともに、Intelは、T-Mobile(T-モバイル)、AT&T、Meta(メタ)、Twitter(ツイッター)、Amazon(アマゾン)、TikTok(ティックトック)、Pinterest(ピンタレスト)など、増え続ける企業のリストに仲間入りした。CESの運営団体であるCTAは、TechCrunchに提供した最新の声明の中で、展示会は計画どおり開催されると述べている(同団体は健康プロトコルと、これまでに脱落者が比較的少なかったことを挙げている)。

「ワクチン接種の義務化、マスク着用、新型コロナ検査提供といったCESの包括的な健康対策に加え、出席者数の抑制と社会的距離対策により、参加者、出展者は社会的距離を置きながらラスベガスでの有意義で生産的なイベントに参加し、我々のデジタルアクセスで実りある体験ができると確信しています」と同団体は述べている。

大企業だけでなく、数多くのスタートアップ企業もオミクロン株への懸念から同様の計画を発表している。

画像クレジット:Bloomberg / Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

メルクのコロナ飲み薬「モルヌピラビル」米FDAが緊急使用許可、抗ウイルス剤として2番目

Pfizer(ファイザー)の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)抗ウイルス剤は、米国ではすでにいくつかの競争相手がいる。AP通信の報道によれば、米食品医薬品局(FDA)はMerck(メルク)の経口治療薬「Molnupiravir(モルヌピラビル)」について、緊急使用許可を出したという。この治療薬は、理想的には発症からすぐに投与し、ウイルスの遺伝コードに「エラー」を挿入することで、SARS-CoV-2ウイルスの複製を抑制し、リスクの高い患者の軽度または中等度の症例が重症化するのを防ぐというもの。

しかし、この薬は、PfizerのPaxlovid(パクスロビド)のようには広く使用されないかもしれない。若い患者の骨や軟骨の発達に影響を与える可能性があるため、Merckの薬は18歳以上の大人にしか使用できないが、Pfizerの製品は12歳以上の患者に使用できる。また、薬が胎児に影響するリスクがあるため、妊婦や妊活中の服用は推奨されていない。FDAは、治療中も治療後も避妊具を使用し、(妊娠を試みる前に)女性は数日、男性は3カ月待つべきだとしている。

さらに、MolnupiravirにPaxlovidほどの効果は期待できないようだ。Pfizerのソリューションが入院や死亡を90%減少させたのに対し、Merckの飲み薬は30%しか減少させることができなかった。この薬は、特にPaxlovidが使用できない場合の第二の選択肢となるかもしれない。両社の製品は変異したスパイクタンパク質をターゲットにしたものではないため、同ウイルスのオミクロン変異株にも引き続き有効だと考えられる。

それでも、新型コロナウイルスによる入院や死亡を最小限に抑えるためには、これも有効な手段の1つとなるかもしれない。米国が1000万人の患者に対応できるだけの量を発注した場合、Pfizerの薬が最も入手しやすくなるが、Merckの薬は310万人に対応できるだけの量があるという。たとえ効果が限定的であっても、それによって何十万人もの人々の命がこの病気の最悪の事態から救われるかもしれない。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者Jon FingasはEngadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Merck

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(文:Jon Fingas、翻訳:Aya Nakazato)

グーグルがCES出展を取り止め、オミクロン株への懸念で

Lenovoのビッグニュースから始まり、Waymo、Intelと続いた。GoogleはCESへのリアル出展から完全に撤退するようだ。同社の広報担当者はTechCrunchに対して次のように語っている。

慎重に検討した結果、我々はCES 2022の会場で存在感を示すことを控えることにしました。オミクロン株を注意深く観察してきましたが、私たちのチームの健康と安全を考えると、これが最良の選択であると判断しました。私たちは、CTAとパートナーの両方との密接な協力を継続し、バーチャルな機会を特定しサポートし続け、最新のGoogleのイノベーションをみなさんと共有できることを楽しみにしています。

Alphabetの子会社Waymoの先のニュースから判断すると、Googleがバーチャルに進出したのは驚くことではない。それでも、ソフトウェアの巨人は近年、家庭用製品のNestシリーズやPixelスマホを通じてハードウェアにますます力を入れており、その存在感は増している。ここ数年、Googleの複雑な屋外展示は、ラスベガス・コンベンション・センターの駐車場での目玉となっていた。

関連記事:レノボがCESのリアル参加を見送り、 オミクロン懸念で計画変更するハードウェア大手1号に

昨日の時点で、CESの運営団体であるCTAは、2022年1月初旬のイベント開催の決定に揺るぎはないが、ビッグネームの損失は積み重なり続けている。オミクロン株への懸念からラスベガスから撤退する企業のリストにはT-Mobile、AT&T、Meta、Twitter、Amazon、TikTok、Pinterest、そしてTechCrunchなど多くのメディアも含まれている。

私たちは、この最新のニュース(長い連休に向かう荒れた前兆)を踏まえて、CTAに連絡をとった。CTAの最後のコメントではキャンセルは42件で、展示フロアの約7%を占めている。その後も大手と新興企業の両方が出展を検討しているため、現在、変わってきていることは間違いないだろう。

画像クレジット:TechCrunch

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(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

レノボがCESのリアル参加を見送り、 オミクロン懸念で計画変更するハードウェア大手1号に

更新:Waymoは正式にリストに名を連ね、注目すべき最初の自動車会社の1つとなった。このAlphabet子会社はブログで、「新型コロナウイルスの感染率が急速に上昇していることに基づき、WaymoはCES 2022に直接参加しないという難しい決断を下しました。バーチャルでいくつかのCES関連イベントへ参加することを目指しています」と述べている。

米国時間12月22日、対面イベントとしてのCESから撤退する出展者のリストは少ないながらも強力なものだった。だが、ハード面でのビッグネームはそこから欠けていた。22日の時点で、Google(グーグル)、HTC、John Deere(ジョン・ディア)、TCL、BMWの各社は、TechCrunchの取材に対し「状況を注視し続けている」としながらも、ラスベガスでのビッグイベントに参加することを確認した。一方、Samsung(サムスン)は、対面のキーノートに合わせてプレスリリースを発表した。

その時点では、Lenovo(レノボ)を含むいくつかの大手企業からの連絡をまだ待っている状況だった。PCの巨人である同社は米国時間12月23日朝、Consumer Electronics Show(CES)での対面活動を「中止」すると発表した。Twitterでの発表に続いて、同社はTechCrunchに声明でこう述べた。

新型コロナウイルスを取り巻く現在の動向をきめ細かくモニターした結果、従業員、お客様、パートナー、そして地域社会の健康と安全のために、ラスベガスでのすべての現場活動を中止することが最善の策であると判断しました。これは計画の変更ではありますが、1月4日と5日に予定されている当社の最新技術の発表を皆様にご覧いただけることを楽しみにしています。

先日の記事ではMobile World Congress(モバイル・ワールド・コングレス、MWC)との類似点を指摘したが、MWCの場合は新型コロナの第一波が2020年にヨーロッパを襲う中、バルセロナでのイベント開催という不運に見舞われた。そこで主要なハードウェアメーカーが撤退し始めたことで、その年のショーの終わりの始まりとなってしまったのだ。今回のCESでは、これまでにいくつかのビッグネームがリアル会場への参加を取りやめている。スポンサーとしてはT-Mobile(T-モバイル)が最も注目されており、その後、同じキャリアのAT&Tが「現地の参加を見送る」ことを選択した。

我々も含め、多くのメディアが同様の発表をしており、Meta(メタ)、Twitter(ツイッター)、Amazon(アマゾン)、TikTok(ティックトック)、Pinterest(ピンタレスト)も現場での参加中止を表明している。しかし、これらはいずれもビッグネームではあるが、従来ハードウェアショーで大きな存在感を示す企業ではなかった。一方、Lenovoは、ハード分野では大きな存在だ。

22日夜の時点では、CESの運営団体であるCTAは、TechCrunchに次のように述べていた。
「ワクチン接種の義務化、マスク着用、新型コロナ検査提供といったCESの包括的な健康対策に加え、出席者数の抑制と社会的距離対策により、参加者、出展者は社会的距離を置きながらラスベガスでの有意義で生産的なイベントに参加し、我々のデジタルアクセスで実りある体験ができると確信しています」。

またCTAは、キャンセルの数もこれまでのところ限られているとしている。MWCと正確に比較することはできないが、確かにパンデミックを取り巻く状況は、2年近く前とは異なっている。新型コロナの感染についてははるかに多くのことがわかっているし、その後、複数のワクチン、そして多くの地域ではブースター接種が導入されている。CTAは特に、ワクチン接種の義務化を含め、健康プロトコルについても透明性を保っている。

一方、オミクロン株は米国の一部で猛威を振るっているが、初期の数字によれば、その相対的な深刻さに関しては希望の兆しが見えている。しかし、ラスベガスでの大イベントを控え、ホリデーシーズンの旅行者数が急増する可能性があるなど、多くの疑問点が残されている。慎重になるのは当然のことで、計画を変更する企業はおそらくLenovoだけではないだろう。

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

米FDAがファイザーの新型コロナ経口薬を12歳以上に認可

米食品医薬品局(FDA)は、Pfizer(ファイザー)の抗ウイルス剤Paxlovid(パクスロビド)を緊急認可し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の軽度から中等度の症例を治療する最初の経口療法となった。この治療法は、重症化のおそれのある12歳以上のリスクの高い患者だ。FDAは数日以内に使用を認めているため、オミクロン株の襲来に対して有効かもしれない

Paxlovidは処方箋のみで入手可能で、新型コロナの症状に気づいてから5日以内に服用することになっている。Pfizerのテストによると、高リスクの患者でも入院や死亡を88%防ぐことができる。この治療薬は、ワクチン接種者と非接種者の両方に処方することが可能で、30錠を5日間かけて服用する。タンパク質阻害剤であるニルマトレルビルと、その阻害剤が体内で分解されないようにするリトナビルが含まれており、副作用として味覚障害、高血圧、下痢、筋肉痛などがある。

FDAの医薬評価調査センターのディレクターであるPatrizia Cavazzoni(パトリツィア・カヴァッツォーニ)博士は「この認可により、新たな変異種が登場したパンデミックの緊急事態において、新型コロナウイルスと戦う新しいツールを提供し、重症化のリスクの高い患者に抗ウイルス治療へのアクセス性を高めることができた」と述べている。

ニューヨーク・タイムズによると、これまで米国は1000万人分の薬を注文している。同社は、1週間以内に6万5000人の米国人をカバーするのに十分な錠剤を納入する予定だ。その後、2021年1月に15万個、2月に15万個と生産が拡大される予定となっている。この薬は唯一の抗ウイルス剤というわけではない。Merck(メルク)の対抗となる治療薬も間もなく承認される見込みで、Pfizerよりも容易に入手できるようになる可能性が高い。ただし同社の治療薬ははるかに効果が低く、入院や死亡を30%しか防ぐことができない(それでも、何も治療しないよりはましだ)。

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者のDevindra HardawarはEngadgetのシニアエディター。

画像クレジット:Pfizer

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(文:Devindra Hardawar、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Coral Capital、スタートアップ企業の従業員・家族向け新型コロナワクチン合同職域接種3回目の実施を発表

Coral Capital、スタートアップ企業の従業員・家族向け新型コロナワクチン合同職域接種3回目の実施を発表

シードステージを対象とするベンチャーキャピタル(VC)のCoral Capitalは12月23日、「Coral新型コロナウイルスワクチン合同職域接種プログラム」(Coralワクチン合同接種プログラム)による接種済み対象者への第3回ワクチン接種に向けて、実施体制を整えたことを発表した。前回同様、小児科・内科クリニック「キャップスクリニック」を展開するCAPSグループ、接種会場の無償提供を行った三菱地所との協力体制のもと実施する。接種対象者は、投資先スタートアップ企業およびパートナーVC45社の投資先スタートアップ企業の従業員、またその家族。開始日は2022年4月11日を予定。

「Coral新型コロナウイルスワクチン合同職域接種プログラム」概要

  • 開始日:2022年4月11日から(予定)
  • 場所:Coral Capital本社イベントスペース(東京都内)
  • 接種想定人数:約1万8000人(前回接種の7~9割の希望者を想定。年明けより希望者調査を実施し確定)
  • ワクチン:政府より配布されるワクチン

Coral Capitalは、2021年6月23日から8月11日にかけて、CAPSグループとの協働でCoralワクチン合同接種プログラムを実施。大手町の接種会場において、投資先のスタートアップ企業などの従業員、その家族を対象に1日に2000人、合計2万1563人にモデルナ製ワクチンの2回の接種を完了した実績を持つ(参考:Coralスタートアップ合同職域接種、2万人超へのワクチン接種を完了)。

3回目の合同職域接種となる今回は、CAPSグループの人員拡大とオペレーションのさらなる効率化によって、1日あたりの接種人数を2500名に拡大し、1週間程度での接種完了を目指す。

Coral Capitalは、福利厚生の面でワクチン接種が後回しになりかねないスタートアップ従業員に対して確実なワクチン接種の機会を確保すること、日本の未来を作るスタートアップの従業員・関係者の健康を守り社会のイノベーションを加速すること、効率の良い合同接種オペレーションの構築とその知見を他社の職域接種に広めることを「スタートアップ向けの合同職域接種の意義」として挙げている。

CAPSグループは、キャップスクリニックを運営するナイズとクリニックチェーンマネジメント事業を展開するCAPSで構成。年間15万件以上のワクチン接種実績や、22万回以上の新型コロナワクチンの接種実績を有する。また、コロナ禍において2万回以上のオンライン診療を実施し、高齢者向けの新型コロナワクチン接種の際には破棄リスクのあるワクチンをキャンセル待ちの人に回す取り組みを行なってきた。

アマゾンの倉庫で働く従業員が、待遇改善を求めてクリスマス前にストライキ

米国時間12月22日、シカゴ近郊にあるAmazon(アマゾン)の2つの施設で働く数十人の倉庫労働者が、1年で最も忙しい時期にクリスマス前のストライキを行い、待遇改善と賃上げを要求した。

「私たちは昇給を見送られ、人員が足りているときでさえ過重労働させられています」。シセロにあるDLN2施設の従業員は、Amazonの従業員団体「Amazonians United(アマゾニアンズ・ユナイテッド)」のシカゴ支部が配信したライブストリームで語った。「約束していたボーナスを受け取っていません。正社員として雇われていたのに、バッジを取り上げられて臨時従業員にされてしまった人もいます。アマゾンはこの場所に安全でない人員を配置し、必要以上に人々を忙しく働かせています」。

午前1時20分から午前11時50分まで働くこれらの労働者は、時給5ドル(約570円)の昇給も要求している。アマゾンがTechCrunchに語ったところによると、ストライキを行った2つの施設、シセロのDLN2とゲージパークのDIL3では、現在の初任給は時給15.80ドル(約1800円)だという。Amazonians Unitedの発言者は、同施設では新型コロナウイルス対策として20分の休憩時間が設けられていたが、これが15分に短縮されたとも述べている。しかし、ウイルス感染流行はまだ終わっておらず、特にオミクロン変異株が広がっている。発言者によると、前日にはシセロの施設で検査を受けた3人の労働者が陽性反応を示したという。

ストライキを起こす前に、労働者たちは自分たちの要求を記載した嘆願書を経営陣に提示したが、それに対する回答が得られなかったため、今回のストライキに至ったと述べている。

発言者は、経営陣からストライキに参加する者は「バッジを置いていったほうがいい」と言われたとも主張している。つまり、もう戻って来られないという意味だ。

民間企業が、ストライキを行った従業員に対して措置を取ることは違法である。しかし、従業員がストライキ後に戻ってみると、スケジュールが空白になっていたり、その日はもう退社したことになっていたりといったことが報告されたため、ストライキ参加者の間では報復を懸念する声が上がっていた。

「当社は、従業員が抗議行動をする権利を尊重し、その法的権利を認識しています。当社では、従業員に一級の給与、他に引けを取らない福利厚生、そして会社とともに成長する機会を提供していることを誇りに思っています」と、アマゾンの広報担当者は、TechCrunchの取材に対して述べている。

アマゾンの担当者は、今回のストライキに参加したことで解雇や停職になった労働者はいないと付け加えた。同社によると、労働者は抗議しても報復は受けないと、繰り返し安心させられたという。

しかし、全米各地でアマゾンの労働者は、同社が労働者の組織化を制圧しようとしていると非難している。2020年、Amazonians Unitedの共同設立者であるJonathan Bailey(ジョナサン・ベイリー)氏は、組織化を行った同氏に報復したことで、アマゾンが労働法に違反していると、全米労働関係委員会(NLRB)に訴えを起こした。ベイリー氏はストライキを組織した後、マネージャーに90分間拘束され、尋問を受けたと述べている。NLRBはこれらの申し立てに価値があると判断し、アマゾンを連邦機関に提訴した。同社は和解し、和解条項の一環として、従業員には団結権があることを、メールや物理的な掲示板で再認識させるよう求められていた。

NBC Newsによると、ベイリー氏の訴えは、2020年2月から2021年3月までの間にNLRBに提出されたアマゾンに対する37件の提訴のうちの1件だったという。しかし、この和解のわずか数カ月後、アマゾンはスタテン島の従業員が休憩室で組合を呼びかける文書を配布するのを、違法に阻止したことが判明した。

アマゾンの社員さえも、同社に対してNLRBに苦情を申し立てている。9月には、新型コロナウイルス感染流行発生時に倉庫労働者を擁護したために解雇された、元シアトル本社勤務のMaren Costa(マレン・コスタ)氏とEmily Cunningham(エミリー・カニンガム)氏の申し立てにアマゾンが和解した。この和解案では、アマゾンはコスタ氏とカニンガム氏に失われた賃金を補償するとともに、従業員がアマゾンの問題について発言する権利を改めて通知することが求められた。

しかし、ここ数週間で、緊張はさらに高まっている。米国時間12月10日、イリノイ州エドワーズビルでは、竜巻によってDLI4の施設が破壊され、アマゾンの従業員6名が死亡した。アマゾンでは長年、倉庫内での携帯電話の携行が禁止されていたが、新型コロナウイルス感染流行の際にはこの方針を緩和した。しかし最近になって、アマゾンはこの方針を復活させており、そのため、米国気象局が避難を呼びかける緊急警報を出しても、アマゾンの従業員の中には、致命的な嵐が近づいていることを知る手段を持たなかった人もいた。

全国の施設で働くアマゾンの従業員が報酬や条件の改善を求めている中、この大手電子商取引企業は1年で最も忙しい時期を迎えている。

「私たちは、すべての人がクリスマスプレゼントを手にし、すべての人が荷物を手にすることができるように懸命に働きます」と、シカゴの倉庫で働く労働者は、FOX 32 Chicago(フォックス32シカゴ)に語った。「しかし、わかるでしょう、私たちはただ公平に扱われたいのです。それだけです」。

画像クレジット:Johannes EISELE / AFP / Getty Images

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

オミクロン株でCES出展者が参加を迷う中、主催は断固開催の意向

少々MWCのようになってきた。もちろん、2020年にバルセロナで開催が予定されていたMobile World Congress(モバイル・ワールド・コングレス、MWC)とは、これまでのところ少し異なる展開になっている。その理由は明らかだ。当時、パンデミックは事実上、未知のものだった。2年近く経った現在、我々は少なくとも、パンデミックをより把握しており、より効果的なツールを手に入れている。たとえ、すべての人がそうした方法を選択していないとしてもだ。

CES 2020は、世界的な封鎖という点では、ぎりぎりのところで間に合った。2021年の展示会では、主催者のCTA(全米民生技術協会)は(非常に賢明にも)そのリスクを回避し、完全にバーチャルで開催することを選択した。CES 2022は、多くの関係者にとって一種のハイブリッドイベントとして、控えめながら復活の道を歩んできた。

これまでのところ、バルセロナで見られたような根本的なドミノ倒しにはなっていない。しかし、オミクロン変異株の急速な広がりは、主催者にとって大きな脅威となっている。ホリデーシーズンの旅行関連の感染者急増(その数値的な影響はCESが終わるまでわからない)が非常にあり得ること、そしてラスベガスの一般的な予測不可能性(友人が最近述べたように、カジノを通らないと中心地のストリップのどこにも行けない)と相まって、なぜ最近多くの人が怖じ気づいたかは理解できる。また、イスラエルなどの国々の渡航制限も難しさに拍車をかけている。

CTAは声明の中で、計画どおり進めることを堅持している。CTAはTechCrunchに、これまでのところ、出展者のキャンセルはフロアスペースの7%に達しており、最新の変異株にもかかわらず、展示会に出展する企業は増え続けていると語った。

CES 2022は、強力な安全対策を取りながら米国時間1月5日から8日までラスベガスで開催されます。また、ラスベガスに行きたくない、あるいは行けない人々のために、デジタルでの参加も用意されています。私たちの使命は、業界を結集させ、実際の会場で参加できない方々にもCESの魅力をデジタルで体験していただくことにあります。

このほど42社の出展キャンセル(展示フロアの7%未満)がありましたが、12月17日以降、実際の会場への出展で新たに60社が加わりました。デジタルアクセスとラスベガスでのイベントの両方への登録はここ数日で数千件増え、力強い勢いを見せています。

CES 2022では世界の健康と安全、モビリティ、問題解決のための重要なイノベーションが展示されるため、計画通り進めます。さらに、何千もの中小企業がビジネスのためにCESに依存しています。出展者数は2200社以上に増え、12月21日に発表したように、両政党から選出された多くのトップがCESに参加します。

ワクチン接種の義務化、マスク着用、新型コロナ検査提供といったCESの包括的な健康対策、そして出席者数の抑制、社会的距離対策と合わせて、参加者、出展者は社会的距離を置きながらもラスベガスでの有意義で生産的なイベントに参加し、我々のデジタルアクセスで実りある体験ができると確信しています。

T-Mobile(Tモバイル)は米国時間12月21日、この展示会会場から撤退する最初の主要スポンサーとなった。同社は、資金面でのスポンサーとしての役割を果たし続けるが(おそらく契約無効化のようなことはまだ起きていない)、チームの大半を派遣しないことにし、CEOのMike Sievert(マイク・シーベルト)氏は対面でもバーチャルでも基調講演を行わない予定だ。奇妙なことに、WeezerはどうやらT-Mobileの祝福を受けながら、中心地ストリップで無料コンサートを行う

WeezerのボーカルであるRivers Cuomo(リヴァース・クオモ)氏のプレスリリースには「大好きなラスベガスに戻り、2021年の壮大なドローンレーシングリーグのラスベガス選手権レースにT-Mobileと一緒に参加できることにとても興奮しています」とある。

Meta(メタ)、Twitter(ツイッター)、Amazon(アマゾン)、Pinterest(ピンタレスト)は最初から手を引いている。しかし、いずれもビッグネームではあるものの、伝統的にこの展示会では目立つ存在ではない。

12月20日の週の初めには、The Verge、CNET、Engadget、PCMag、Gizmodo、Tom’s Guide、TechRadarと同様、TechCrunchもこの展示会にチームを派遣しないことを発表した。私たちとしては、簡単な決断ではなかった。この2年間でオンライン会議の世界へ移行するという著しい変化があったことは事実だが、我々にとってCESのような展示会にはまだ価値がある。

特に、Eureka Park(エウレカパーク)を歩き回り、そうでもしなければ騒音に満ちた受信トレイに埋もれてしまうような新しいスタートアップを直接見ることができるのは、大きな価値がある。筆者は、Venetian(旧Sands)エキスポホールのフロアで多くの企業を発見してきたので、前年の休みを経て再び同じことができることを非常に楽しみにしていた。

CES 2021は、世界(より具体的にはCTA)がすべてオンラインで開催されるハードウェア展示会に対応できるかどうか、大きな試金石となった。自身の体験からいうと、時期尚早だったと思う。バーチャルCESの体験はさほど良いものではなかった。特に、これらの展示会で最も難しく、重要な要素である「発見」に関してはそうだった。

2022年の展示会でどれだけのものが実際に展示されるかは別として、効果的なオンライン開催が必要だ。すでに多くのメディアが遠隔からの取材を計画している。また、このパンデミックが終息すると仮定した場合、今後どのように展示会をカバーするのか、多くの人が疑問に思っているはずだ。

CTAはこれまでのところ、こうした事態に揺るぎない態度を示している。CTAは、新しい健康プロトコルを導入しつつ、予定どおり展示会を開催すると繰り返している。ワクチン接種証明とマスク着用に加え、参加者には無料の迅速検査キットを配布し、参加者は会場に入る前の検査で陰性であることを証明する必要がある。

CESのソーシャルメディアアカウントは、ラスベガス・コンベンション・センター内部の画像や新しい講演者の発表に専念している。講演者には現在のところ、運輸長官のPete Buttigieg(ピート・ブティジェグ)氏や「NFT、WTF?!?!」というパネルでブロックチェーンについて話すことになっているParis Hilton(パリス・ヒルトン)氏などがいる。

Google(グーグル)、HTC、John Deere(ジョン・ディア)、TCL、BMWなどは「状況を注視し続けている」と語っている。NVIDIA(エヌビディア)を含む他の企業は、バーチャルの記者会見を行い、出展は行わないという、十分に警戒することを最初から選択した。

画像クレジット:Photo by ROBYN BECK/AFP / Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

レブコムの音声解析AI電話MiiTelが東京都全域の保健所で採用、新型コロナ陽性患者への電話業務・療養支援に活用

東京都がレブコムの音声解析AI電話「MiiTel」を全保健所に導入、新型コロナ感染者対応などの電話業務を効率化へ

音声技術とAIでコミュニケーション課題を解決する企業RevComm(レブコム)は12月22日、音声解析AI電話「MiiTel」(ミーテル)が東京都のすべての保健所に採用され、新型コロナウイルス感染症の陽性患者に対する電話業務に活用されることになったと発表した。

MiiTelは、IP電話、自動文字起こし、音声解析などがひとつにまとまった、電話業務効率化のためのシステム。固定電話器がなくてもPCで利用が可能になる。たとえば、通話内容をAIが自動的に解析し、文字起こしと要約を行ってくれるほか、営業やコールセンターで活用できるさまざまな機能を備えている。

2021年11月には、東京都福祉保健局が、新型コロナウイルス感染症の陽性患者に対する積極的疫学調査や健康観察のための電話業務を効率化する目的で、すでに一部の保健所に「MiiTel」を導入していた。今回、多摩地区と島しょ部を含む、東京都全域のすべての保健所に導入が広げられることになったわけだ。東京都福祉保険局では、保健所の電話業務の効率化と、迅速な患者の療養支援に向けたサポートを行うとしている。

人気の家庭用新型コロナテストに検査結果を改竄できるバグ

あるセキュリティ研究者が、人気の家庭用新型コロナウイルステストに、結果を自由に変更できるBluetoothの脆弱性を発見した。

F-Secure(エフセキュア)の研究者Ken Gannon(ケン・ギャノン)氏は、個人がウイルスに感染しているかどうかを確認するために使用できる自己投与型の抗原検査であるEllume (エルム)のCOVID-19 Home Testに、すでに修正された欠陥を発見した。この検査は、検査施設にサンプルを提出するのではなく、Bluetoothアナライザーを使ってサンプルを検査し、その結果をEllumeのモバイルアプリを通じてユーザーと保健当局に報告するというものだ。

しかし、ギャノン氏は、内蔵のBluetoothアナライザーを騙すことで、Ellumeアプリがデータを処理する前に、ユーザーが証明可能な結果を偽造できることを発見した。

ギャノン氏はこのハッキングを実行するために、ルート化したAndroid端末を使い、テストがアプリに送信するデータを分析した。そして、ユーザーが新型コロナの陽性か陰性かをモバイルアプリに伝える役割を担っている可能性が高い2種類のBluetoothトラフィックを特定し、陰性の結果を陽性にうまく変えることができるスクリプトを2つ作成した。

Ellumeの家庭用新型コロナウイルステストの偽造された結果(画像クレジット:F-Secure)

ギャノン氏によると、Ellumeから結果のメールが届いたとき、そこには誤って陽性と表示されていたそうだ。また、F-Secureは概念実証を完了するために、出張や出勤のための在宅新型コロナテストの認証のためにEllumeが提携している遠隔医療プロバイダーのAzova(アゾヴァ)から、偽造された新型コロナ検査結果の認証コピーを入手することに成功した。

ギャノン氏の書き込みには、陰性結果を陽性結果に変えることしか書かれていないが、彼は、このプロセスは「どちらにも有効」だと言っている。また、パッチが適用される前には「適切な動機と技術的スキルを持つ誰かが、これらの欠陥を利用して、自分自身や一緒に働いている人が、検査を受けるたびに陰性になるようにすることができただろう」とも述べている。理論的には、米国への再入国要件を満たすために、偽の証明書を提出することも可能だった。

F-Secureの調査結果を受けて、Ellumeは、偽造された結果の送信を検出・防止するためにシステムを更新したと述べている。

「また、保健所、雇用者、学校、イベント主催者などの当局がEllume COVID-19 Home Testの真正性を確認できるよう、検証ポータルを提供します」と、Ellumeの情報システム責任者のAlan Fox(アラン・フォックス)氏は述べている。「Ellumeは私たちのECHT検査結果の信頼性に自信を持っています。また、この問題を提起し、世界中の消費者、企業、組織を守るために日々活動しているF-Secureに感謝したいと思います」。

画像クレジット:Ellume

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(文:Carly Page、翻訳:Yuta Kaminishi)

JNCと山梨大学が世界最速レベルの下水中の新型コロナウイルス磁気分離技術を開発、下水疫学調査に貢献

JNCと山梨大学が世界最速レベルの下水中の新型コロナウイルス磁気分離技術を開発、下水疫学調査に貢献

山梨大学と化学企業大手JNCは12月16日、下水中の新型コロナウイルスを世界最速レベルで分離する技術を開発したことを発表した。これは、JNCのウイルス分離のための特許技術Pegcision(ペグシジョン)法を用いたもので、磁気を使ってウイルスを分離する。

下水中の新型コロナウイルスを定期的にモニターする「下水疫学調査」により、感染流行の早期探知が可能になるのだが、これまで大量の下水から新型コロナウイルスを効率的に分離し濃縮する方法がなかった。だが今回、山梨大学大学院総合研究部附属国際流域環境研究センターの原本英司教授とJNCが開発したウイルス分離技術は、新型コロナウイルスの分離を30分ほどで可能にする。その回収率は、2021年3月30日に公益社団法人日本水環境学会COVID-19タスクフォースより公開された「下水中の新型コロナウイルス遺伝子検出マニュアル」で推奨されているポリエチレングリコール(PEG)沈殿法(処理時間9時間以上)と同等であることが確認された。

Pegcision法は既存のウイルス分離技術と比較して「迅速、簡便、高収率でかつ低コスト」とのこと。また磁石で分離することからスループットが高く、一般的な磁気分離装置で大量検体の処理も可能としている。今後は「早期の新型コロナウイルスの下水疫学調査普及につながるよう」研究を進めるという。

新型コロナ「ワクチン接種証明書アプリ」が配信開始、iOS 13.7以上 / Android 8.0以上対象

新型コロナ「ワクチン接種証明書アプリ」が配信開始、iOS 13.7以上 / Android 8.0以上対象

デジタル庁は、新型コロナウイルスのワクチン接種を証明する「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」の配信をiOS / Android向けに本日(12月20日)開始しました。

同アプリでは、日本国内用および海外用の接種証明書を発行&提示可能。発行にはマイナンバーカードが必要となるほか、海外用の発行にはパスポートが追加で必要となります。新型コロナ「ワクチン接種証明書アプリ」が配信開始、iOS 13.7以上 / Android 8.0以上対象

接種証明書はアプリを起動すればいつでも表示可能。証明書は二次元コードのほか、氏名・生年月日・接種記録(ワクチンの種類、接種年月日、ロット番号など)などが記載されます。加えて、海外用ではパスポートの国籍や旅券番号が記載されます。新型コロナ「ワクチン接種証明書アプリ」が配信開始、iOS 13.7以上 / Android 8.0以上対象

ダウンロードURLは下記の通りです。

iOS版(App Store)
Android版(Google Play)

(Source:デジタル庁Engadget日本版より転載)

カイコ由来タンパク質を用いた経口ワクチンの開発を行う九州大学発KAICOが2.6億円調達

カイコ由来タンパク質を用いた経口ワクチンの開発を行うKAICOが2.6億円のシリーズA調達

カイコを利用したタンパク質の受託発現や、試薬、診断薬、医薬品原料の製造販売を行う九州大学発スタートアップKAICO(カイコ)は12月15日、第三者割当増資による2億6000万円の資金調達を実施したことを発表した。引受先は、リアルテックファンド3号投資事業有限責任組合、双日、東京センチュリー、ユーグレナ。これは2020年5月25日に公表したシリーズAの追加ラウンドにあたり、シリーズA累計調達額は5億2000万円となった。

KAICOは、2020年から新型コロナウイルスのスパイクタンパク質を生産し、2021年9月からは、このタンパク質を利用した新型コロナウイルスの抗体測定サービスも開始している。また2021年4月には、KAICOは、開発したワクチン抗原タンパク質が経口接種によるワクチン効果があることを確認し、特許を申請している。ワクチンの原料となるタンパク質は、通常は経口接種するとアミノ酸に分解され免疫の獲得は困難となるが、一部のカイコ由来タンパク質は経口接種でも注射と同じように免疫を持つことが確認された。

経口接種ワクチンが実現すれば、医療機関で注射を受ける必要がなく、誰もがドラッグストアで購入して飲むことができる。また常温で保存が可能なため、世界中どこへでも運ぶことができる。家畜にも、1頭ずつ獣医師が注射をすることなく、餌に混ぜて接種できるなどのメリットが大きい。

カイコ由来タンパク質を用いた経口ワクチンの開発を行う九州大学発KAICOが2.6億円調達

KAICOのコア技術は、「カイコ・バキュロウイルス発現法」と呼ばれるもの。バキュロウイルスは、昆虫を宿主とするウイルスで、異種遺伝子を発現させるために使われている。目的のタンパク質の遺伝子をカイコに挿入すると、カイコの体内でそのタンパク質が作られる。医薬品やワクチンを量産したければ、カイコの数を増やすだけでよい。即座にスケールアップが可能ということだ。また、複数の薬を同時並行して開発することもできる。

今回の資金調達で、KAICOは経口ワクチンの実現を目指して、ヒト用(新型コロナウイルス、ノロウイルスなど)と動物用の開発を進めるとしている。経口ワクチンの前段階として、カイコを使ったサプリの開発、販売も予定しているとのことだ。

医療情報提供サービス「ユビーAI受信相談」、新型コロナ関連症状に対応可能な都内約2000件の発熱外来が検索可能に

医療情報提供サービス「ユビーAI受信相談」、新型コロナ関連症状に対応可能な都内約2000件の発熱外来が検索可能に

「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションとするヘルステック領域スタートアップUbie(ユビー)は12月8日、気になる症状から参考病名と適切な受診先が調べられるサービス「ユビーAI受診相談」で、発熱外来のある東京都内約2000件の医療機関を検索できる機能の提供を開始した。

東京都に住む人が、新型コロナウイルス感染症関連の症状に対応する、いわゆる「発熱外来」にかかるには、都の発熱相談センターに電話をして対応可能な医療機関を調べてもらう必要がある。しかし感染が急拡大した第5波においては、電話がなかなかつながらない状態が続いてしまった。そこで都では、2021年9月から、発熱外来のある医療機関をホームページで公開。これを受けて、Ubieと東京都医師会は、「ユビーAI受診相談」で、より便利に都内の発熱外来が調べられる「発熱外来検索機能」を提供することにした。

ユビーAI受診相談では、体調に関する20問ほどの質問に回答すると、その症状に関連する参考病名と、それを診てくれる近くの医療機関が示される。発熱外来検索機能では、地域は東京都内に限定されるものの、「熱がある」「喉が痛い」「咳が出る」「味覚がおかしい」といった新型コロナウイルス感染症に関連する症状を回答すると、発熱外来のある最寄りの医療機関が示される。

このサービスは、東京都が公表した発熱外来医療機関のデータを活用したもの。ユビー受診相談の新機能とすることで検索性を高めている。新型コロナウイルス感染症関連症状のある人が、最寄りの発熱外来を速やかに受診できるようにして、「重症化と感染拡大の防止につなげること」を目指すとUbieは話している。

新型コロナ「ワクチン接種証明書アプリ」は12月20日提供開始、申請にはマイナンバーカード必須

新型コロナ「ワクチン接種証明書アプリ」が12月20日提供開始、申請にはマイナンバーカード必須

岸田総理大臣は、新型コロナウイルスのワクチン接種証明書アプリを12月20日より提供すると明らかにしました。

また、厚生労働省によると、新型コロナワクチンの接種証明書(電子版)は、スマートフォンの専用アプリから申請・取得し、二次元コードで表示する方式。

上記申請時の本人確認にはマインナンバーカードが必要で、自治体によってはマイナンバーカードの申請から交付の準備までに1か月程度かかることから、アプリによる接種証明書の利用を検討している場合には、マイナンバーカードの申請を早めに済ませるよう呼びかけています。

(Source:厚生労働省Engadget日本版より転載)

レブコムの音声解析AI電話MiiTel、東京都の保健所が行うコロナ陽性患者への積極的疫学調査や健康観察などの電話業務に採用

レブコムの音声解析AI電話MiiTel、東京都の保健所が行うコロナ陽性患者への積極的疫学調査や健康観察などの電話業務に採用

RevComm(レブコム)は11月24日、音声解析AI電話「MiiTel」(ミーテル)が東京都福祉保健局に採用され、新型コロナウイルス感染症の陽性患者に対して行う積極的疫学調査や健康観察などの電話業務の効率化に向け活用されると発表した。公的機関において初という。

MiiTelは、電話業務における会話の内容を自動録音・文字起こしにより可視化、AIにより解析し、高精度のフィードバックを行うことで業務の効率化を実現するサービス。IP電話のため、固定電話は不要、工事・メンテナンスも不要で、即時導入できる。

RevCommは、患者との通話内容をAIで音声解析し、テキスト化・要約を行うMiiTelの提供により、保健所における電話業務の効率化、迅速な患者の療養支援に向け支援を行う。

専門医による遠隔集中治療サポートのT-ICUとNTT西日本が遠隔医療のエッジコンピューティング活用に関し共同実験

専門医による遠隔集中治療ソリューションを提供するT-ICU西日本電信電話(NTT西日本)は11月18日、「遠隔医療におけるエッジコンピューティング技術を活用した情報処理の実現方式」に関して共同実験を開始したと発表した。同実験の成果を生かし、ウィズコロナ・アフターコロナ時代を見据えたリモートワールド(分散型社会)を実現し、地域医療の人材不足といった社会課題の解決を目指す。実験期間は2021年11月~2022年2月(予定)。

共同実験では、実証実験に協力している病院からNTT西日本の閉域ネットワークを介して、サーバーが設置されているエッジコンピューティング拠点まで映像を転送する。T-ICUの技術でその情報処理を行い、モニタリングセンターからの医師・看護師などによる遠隔モニタリングを実現する。

共同実験では、遠隔モニタリングに用いる高品質な映像が病院からNTT西日本の閉域ネットワークへ転送できること、容体悪化の兆候に関してAIによる推論ができることを評価するとともに、エッジコンピューティング技術に必要とされる要件についても評価する。こうした取り組みを通じ、医療情報を電子的に管理する上で準拠すべきガイドラインを念頭に、今後遠隔医療を提供する際に必要となる要件や技術課題を把握することを目指す。

・T-ICU:遠隔ICU技術の提供、遠隔モニタリングに必要な情報処理技術の検討
・NTT西日本:エッジコンピューティング技術の提供、クラウド化にかかる要件の検討

同実証実験では基本的な動作確認と要件確認を行い、得られた知見を活かして新たな遠隔ICUサービスの実現について継続して検討する。T-ICUとNTT西日本は、同サービスにより、地域の人材不足など社会課題の解決を目指す。

2016年創業のT-ICUは、「Anywhere, we care. すべての病院に集中治療医を」をミッションに、遠隔ICUにおけるサポートサービスを実施。集中治療医・集中ケア認定看護師のチームを擁し、病院向けに専門性の高いサポートを提供している。

T-ICUは、遠隔相談システム「リリーヴ」を契約している病院からの相談に対応する一方で、院内での遠隔モニタリング支援するシステム「クロスバイ」を提供し、導入病院内での効率的な医療提供に貢献してきた。

リリーヴは、命に関わる重症患者診療を担う医療スタッフの不安に寄り添い、呼吸・循環管理、鎮静・鎮痛、感染症治療などの全身管理を最新の知見と豊富な経験で支援する遠隔相談システム。全国的に専門家が不足する重症患者診療の現場を、集中治療医・集中ケア認定看護師で構成されたメディカルチームが24時間365日サポートする。専門医による遠隔集中治療サポートのT-ICUとNTT西日本が遠隔医療におけるエッジコンピューティング活用に関する共同実験

クロスバイは、ベッドサイドに配置した高性能カメラを利用した遠隔モニタリングシステム。患者の表情や顔色、呼吸様式の観察といった患者観察が可能。また、人工呼吸器を含む各種医療機器と接続することで、多面的な患者情報を院内の離れた場所に届けられる。新型コロナウイルス感染症患者受け入れ病院での医療の提供、また医療従事者への感染防止策としても導入されているという。専門医による遠隔集中治療サポートのT-ICUとNTT西日本が遠隔医療におけるエッジコンピューティング活用に関する共同実験

クロスバイ導入施設においては、重症患者への看護人員が不足する中、医療従事者によるモニタリングが常時実施されており現場の大きな負担となっているという。このような中、医療現場からT-ICUに対し、重症患者管理を専門とする集中治療医が不在となる夜間などの時間帯において、T-ICUが遠隔でモニタリングのうえ重症度に応じたアドバイスを提供してもらいたいという要望があるそうだ。ただ、この要望の実現には、モニタリングの際に発生するデータを低遅延かつセキュアに処理することが必要不可欠としている。

福岡市がワクチン接種証明による特典を提供し経済復興支援の検証を開始、感染拡大防止と経済活動の活性化を目指す

福岡地域戦略推進協議会(FDC)、KDDIauコマース&ライフ(auCL)、ミナケアは11月18日、福岡県福岡市において、ワクチン接種証明による経済復興支援の検証を目的とした実証実験を行なうと発表した。期間は11月18日から12月31日まで。

現在、新型コロナウイルス感染症の感染状況は下降傾向にあるものの、将来の再拡大の可能性に備えて引き続き警戒が必要な状況にある。一方、対面型サービス業を中心に依然集客が厳しい商業施設の活性化が課題となっている。ワクチン接種証明を活用することでその両立を図ることができるのか、今回の実証実験によって検証する。

同実証実験の内容は、KDDIとauCL運営の総合ショッピングサイト「au PAY マーケット」から福岡市を中心とした対象店舗(11月18日現在で18店舗。随時拡大予定)の事前購入型飲食店チケットを購入したうえで、当日店頭でワクチン接種証明を提示すると、ワンドリンクサービスやデザートサービスなどの特典を受け取れるというもの。店舗の検索や予約はau PAY マーケットの特集ページより行なえる。

またワクチン接種の証明は、福岡市がワクチン接種管理アプリとして利用しているミナケア製「Health Amulet」(ヘルスアミュレット。Android版iOS版)の活用を推奨している。

FDCは、同実証実験で得られた結果を福岡市における経済復興支援策の立案に活かしていくとのこと。実証実験においてKDDIとauCLはau PAY マーケットの運営とワクチン接種証明の提示による特典付き商材の提供を行なう。ミナケアではHealth Amuletの運用、接種記録機能の同実証実験向け提供を担う。さらにKDDI、auCL、ミナケアの3社は、今回の実験で得られたノウハウを基に、感染拡大防止と経済活動活性化の両立を目指す他の地域・自治体への展開を視野に入れ連携を強化していく予定。

新型コロナで注目が集まるアウトドア、トレイル用アプリのAllTrailsが約171億円を調達

新型コロナウイルス感染症の影響での利用増を受け、ハイカー、バイカー、クライマーなどアウトドアを楽しむ人々の間で人気のAllTrails(オールトレイルズ)は米国時間11月17日、事業をさらに加速させるべく、世界的なプライベートエクイティ企業であるPermiraのグロース・ファンドから1億5000万ドル(約171億円)を調達したと発表した。先行投資家であるSpectrum Equityは、今回の調達後も引き続き同社の筆頭株主だ。

多くの企業がそうであるように、AllTrailsもパンデミックが消費者の行動に与えた影響の恩恵を受けた。ロックダウンやソーシャルディスタンシングの措置が取られる中、多くの人々がアウトドア探索や自然との触れ合いに再び興味を持つようになり、どこへ行こうか検討するのにAllTrailsが提供する30万超のハイキング、ランニング、マウンテンバイク用トレイルの広範なコレクションに目を向けた。

「新型コロナは、我々が何年も前から見てきた傾向を加速させるものでした」とAllTrailsのCEOであるRon Schneidermann(ロン・シュナイダーマン)氏は説明する。「パンデミック以前から、世界人口の約3分の1が何らかのアウトドアレクリエーションを定期的に行っていました。そして世界のほとんどの国で、レクリエーションやエクササイズのために歩くことが圧倒的に人気のアクティビティとなっています。トレイルランニングやマウンテンバイク、キャンプやバックパッキングなどを加えると、その数はさらに増えます」。

過去18カ月でAllTrailsモバイルアプリのユーザー数は増加し、現在190カ国で4000万回以上ダウンロードされ、ユーザー3000万人が登録している。1億人以上のユーザーがここ12カ月でAllTrails.comにアクセスしてトレイルを探した。同社は通常、売上高や有料会員数を継続的に開示していないが、1月には有料会員数100万人突破のマイルストーンを祝った。

新型コロナによるロックダウンは(今のところ)ほぼ終了したが、AllTrailsへの需要は衰えていない、と同社は話す。

「世界が再び開かれるにつれ、アウトドアとのつながりが持続しているのを目の当たりにしています」とシュナイダーマン氏はいう。「このアウトドアへの固執はアプリの使用率と頻度に現れており、登録率、ユーザー生成コンテンツの貢献率、フリーミアムへの転換率、購読者の維持率が全体的に向上しています」とも話す。

しかし、AllTrailsは資本を調達する必要はなく、2017年から利益を上げている。むしろ同社は、既存の勢いを加速させるために、新たな資金投入を選んだ。調達した資金は、製品開発、AllTrailsチームの増強、国際的なコミュニティの拡大に使用される。

現在、AllTrailsユーザーの約3分の2は北米居住だが、欧州、アジア、ラテンアメリカでも高い成長率が見られる。

また、シュナイダーマン氏によると、2021年は3年連続で従業員を2倍に増やす予定で、これは主にR&Dと製品開発への投資によるものだ。現在、エンジニアリング、デザイン、財務、オペレーション、プロダクトなどの分野で人材を募集している

画像クレジット:AllTrails

AllTrailsのアプリは現在、検索、発見、レビュー、そしてオフラインでも使える広範な地図を提供しているが、2022年にアップグレードされる予定だ。

差し当たってこのアプリは、トレイルのレビューや写真といったユーザー生成コンテンツを提供しているものの、ソーシャル性よりも実用性を重視している。例えば、雨が降った後にトレイルがぬかるんでいないか、小さな子どもと一緒にハイキングするには急勾配すぎないか、週末には混雑していないかなど、ユーザーが投稿することで、他のユーザーはレビューから恩恵を得られる。一方、投稿されたトレイルの写真を見れば、そのトレイルがどんなものか、どんな景色が待っているのかを知ることができる。しかし、AllTrailsのユーザーの多くは、ハイキングやサイクリングに行く場所のインスピレーションを得るために、Facebookグループのような他のネットワークを利用している。

今回の資金調達により、AllTrailsは自社製品への投資を計画しており、今後1年で、無料・有料を問わずコミュニティのつながりを深めることを目的としたさまざまな新機能を提供していく予定だ。

「我々は、パーソナライゼーションによる検索・発見体験の向上、トレイル上でのナビゲーション体験の向上、追加言語サポートによる世界中のユーザーへのアクセスの拡大、そしてコミュニティが交流し、経験を共有し、お互いに刺激し合うためのより多くの方法を作り出すことに、大きなチャンスがあると考えています」とシュナイダーマン氏は話す。

Klarna、Minted、Zwiftなどを支援し、最近ではMcAfeeの買収にも貢献したPermiraについては、AllTrailsのグローバルでの事業活動を拡大する上で特に役立つと同社は考えている。

「継続的な海外事業拡大は当社にとってかなりの優先事項であり、Permiraがもたらすグローバルなリソースの活用に特に期待しています」としている。

今回の資金調達に伴い、PermiraのシニアアドバイザーでAdobeの元CEOであるBruce Chizen(ブルース・チゼン)氏と、RobinhoodのCOOであるGretchen Howard(グレチェン・ハワード)氏がAllTrailsの取締役会に加わる。

AllTrailsは2018年10月にSpectrum Equityから7500万ドル(約85億円)を調達している。

画像クレジット:Christoph Wagner / Getty Images under a license.

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi