クラウド会計のfreeeが経費精算APIをアップデート、外部サービスからワークフローを完結可能に

クラウド会計のfreeeが経費精算APIをアップデート、外部サービスからワークフローを完結可能に

freeeは10月7日、クラウド会計ソフトfreee(会計freee)の経費精算APIについてアップデートを発表した。今回APIアップデートにより、経費精算の申請の作成や申請に対する承認・差し戻しなどのアクションといった経費精算のワークフローに関して、最初から最後までAPI経由で完結できるようになった。

経費精算APIの新設・拡張により、「経費精算の申請」「会計freeeで作成された申請経路の利用」「申請に対する承認や差し戻しなどのアクションの実行」といった操作がAPI経由で可能。詳細は、開発者向けコミュニティ「freee Developers Community」の「会計freeeの経費精算APIの使い方」「会計freee APIリファレンス」といったドキュメントにまとめられている。

クラウド会計のfreeeが経費精算APIをアップデート、外部サービスからワークフローを完結可能に

また経費精算APIは、経費精算機能を提供している以下の会計freeeのプランで利用できる。

  • 個人: プレミアムプラン
  • 法人: ベーシックプラン、プロフェッショナルプラン、エンタープライズプラン
カテゴリー: フィンテック
タグ: freeefreee Developers Community日本(国・地域)

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自然言語処理AIの独自開発など手がけるバズグラフが7600万円を調達

自然言語処理AIの独自開発など手がけるバズグラフが7600万円を調達

自社開発の自然言語処理AIをベースに、文章要約システムやビッグデータ分析ソリューションを展開するバズグラフは10月7日、第三者割当増資により、7600万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、UNITEDベンチャーキャピタルおよび個人投資家。

今回調達した資金は、自社開発の自然言語処理AIを基盤にした、文章要約システム、ビッグデータ分析ソリューション、オンラインミーティング議事録要約システムなど、各ソリューションの精度向上・機能拡張・ユーザビリティ向上に向けた追加開発にあてる。

2014年11月設立のバズグラフは、言語解析技術、ビッグデータ解析技術を応用したサービスを提供。これら技術により、世界中の人々がITリテラシー・情報リテラシーの壁を超え、さらに円滑な国際間の相互コミュニケーションを実現できれば、世界中のあらゆる問題が解決できると考えているとしている。

カテゴリー: 人工知能・AI
タグ: バズグラフ資金調達日本(国・地域)

オンラインキャリアトレーニングのポジウィルが約1.5億円を調達、事業拡大・採用強化を加速

オンラインキャリアトレーニングのポジウィルが約1.5億円を調達、事業拡大・採用強化を加速

オンラインキャリアトレーニングサービス「POSIWILL CAREER」(旧: ゲキサポ!キャリア)運営のポジウィルは10月5日、シリーズAラウンドにおいて約1.5億円の資金調達を発表した。引受先はSTRIVE。今後は、事業拡大・採用強化をさらに加速し「キャリアのパーソナル・トレーニング」の拡大を目指す。

オンラインキャリアトレーニングのポジウィルが約1.5億円を調達、事業拡大・採用強化を加速

2017年8月設立のポジウィルは、「どう生きたいか?でキャリアをきめる。」をブランドスローガンにに、短期集中型キャリアトレーニングサービスとしてPOSIWILL CAREERを展開。

個人に焦点をあて、「転職しようとしている人」ではなく「転職すべきかどうか含めキャリアを考えている」すべての方のパートナーとして、「キャリアのパーソナル・トレーニング」の拡大を目指している。

POSIWILL CAREERでは、75日のプログラム(キャリア実現プラン)を用意し、10回のオンライン面談・チャットサポートを実施。主な利用者は「転職を含め、漠然とキャリアに悩んでいる方」としている。やりたいことが分からない、自分の良さが分からない、自分のキャリア形成の仕方が分からないなど、転職するかどうか以前の課題を解決し、利用者の方のキャリア目標のゴールに向けて伴走する。オンライン完結のサービスであるため、首都圏のみならず地方在住の方も利用しているという。

オンラインキャリアトレーニングのポジウィルが約1.5億円を調達、事業拡大・採用強化を加速

カテゴリー: ネットサービス
タグ: ポジウィルPOSIWILL CAREER資金調達日本

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名古屋大発スタートアップAcompanyが暗号化したままの計算処理が可能なMPC秘密計算エンジンを独自開発

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名古屋大学発スタートアップのAcompany(アカンパニー)は10月5日、秘密計算手法のひとつマルチパーティ計算(Multi-party Computation。MPC)による秘密計算エンジン「QuickMPC」を独自開発したと発表した。

今後同社は、QuickMPCを基にパートナー企業との実証実験、共同研究を推進する。QuickMPCは現在、位置情報やマーケティングデータといったユーザーのプライバシーを守る必要のあるデータの統合分析、リモートワーク環境での安全な機密データの解析業務支援などの領域での活用に取り組んでいるという。

名古屋大発スタートアップAcompanyが暗号化したままの計算処理が可能なMPC秘密計算エンジンを独自開発

秘密計算技術は、データを暗号化(秘匿化)した状態のまま機械学習や統計分析などの計算処理を行える技術で、データの保護と活用を両立が可能として近年注目されている。同技術を利用し組織を越えて暗号化したデータを提供し合うことで、ユーザーのプライバシーを含む、位置情報や顧客情報、医療情報などを秘匿化してプライバシーを保護したデータ分析に繋げるといった応用が可能となる。

MPCとは、複数サーバー間で通信しながら同じ計算を同時に行う仕組み。MPCによる秘密計算は、1980年代より研究されているものの、長らくコンピューティング能力とネットワーク通信速度に課題があり、実用化には至っていなかった。しかし、近年のクラウドコンピューティングをはじめ、ハード面と、効率の良いアルゴリズムおよびプロトコルの研究によるソフト面の両面からの向上により、実用化が進展しつつある。

一方、MPCエンジンの構築には高度な専門性とエンジニアリング能力が必要なため、実用的なMPCエンジンは世界的に見ても非常に少ない状況にある。研究目的で開発されてきたMPCエンジンが多く、実際のユースケースに合う実装を行っていく上で柔軟性やセキュリティ上の問題を抱えるといった課題が存在している。

このような状況からAcompanyでは汎用的なMPCエンジンを独自開発する構想を立ち上げ、今回QuickMPCを独自開発した。

QuickMPCによる3社間データ連携の概要イメージ

QuickMPCでは、比較的高速かつ汎用的に演算処理が可能な秘密分散方式のMPCプロトコルを採用しており、基本とされる加算と乗算の演算を高速に計算可能。これにより、実際のユースケースにマッチした分析手法を高速に計算できるという。

さらに、従来の研究目的のMPCエンジンでは、本番環境での運用を想定していないためシステムの可搬性と一貫性が実現できていなかったが、QuickMPCではコンテナ技術を採用し開発。優れた可搬性と一貫性を達成したことにより、MPCエンジンの構成をユーザーの要件に合わせて柔軟に設定可能とした。

MPCエンジンと外部とのやり取りに向けた独自SDKも開発しているため、ユーザーは簡単なインターフェースを操作するだけで、データの秘匿化・分析の実行・データの復号を実行可能。つまり、簡単に素早くデータ保護と活用を両立したデータ分析を実現できるとしている。

2018年6月創業のAcompanyは、「なめらかなデータ活用社会」を目指し「データを価値に進化させる」をミッションとする、名古屋大学発および名古屋工業大学発の認定スタートアップ企業。秘匿計算(秘密計算)技術およびブロックチェーン技術を中心にデータセキュリティの研究開発を行っている。

カテゴリー: セキュリティ
タグ: AcompanyQuickMPCMPC秘密計算暗号化日本

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ブランド・メーカーや小売などB2C事業者のDXを支援するUPBONDが5000万円を調達

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UPBONDは10月5日、シードラウンドにおいて、第三者割当増資として合計5000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は香港・SOUL CapitalおよびInsight Capital。

UPBONDは、ブランド・メーカーや小売などのB2C事業者に対して、店舗などのオフラインとECなどのオンラインとの融合や、オフラインにおける複数チャネルの融合を同社プラットフォームで実現することをミッションとする企業。

顧客IDの統合、複数ツールの連携、リアルタイムでのデータアクセス、AIによる顧客とのコミュニケーション支援といった改革を実現する戦略とソリューションを一気貫通でリーズナブルに提供するという。

コロナ下において、同社ソリューションのニーズが高まり、早急な開発体制とカスタマーサポートの強化を実現するため資金調達を実施したとしている。

カテゴリー: ネットサービス
タグ: UPBONDD2C資金調達日本

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学習支援SaaS「Monoxer」提供のモノグサが総額4.4億円を調達、アライアンスを推進

学習支援SaaS「Monoxer」提供のモノグサが総額4.4億円を調達、アライアンスを推進

学校・塾・語学教室などの教育機関向けを中心に、学習支援SaaS「Monoxer」を提供するモノグサは10月5日、第三者割当増資として総額4.4億円の資金調達を実施したと発表した。引受先はWiL Fund II, L.P.および既存株主のUB VENTURES。

調達した資金は、主に人材の採用強化、出版社・教材会社などの教育コンテンツプロバイダーとのアライアンス推進、学習プラットフォーム構想への投資に活用。コロナ禍で急務となった、教育業界のデジタルトランスフォーメーションを推進する。

学習プラットフォーム構想については、その第1弾として、複数の教材会社・出版社とアライアンスを締結し、すでに実績のある紙教材のデジタル版をMonoxer上で購入・利用できるマーケットプレイス機能をリリース済み。引き続き参画企業と教材ラインナップの拡張を進めているという。

マーケットプレイスの拡充によって、Monoxer内で学校や塾のオリジナル教材とマーケットプレイスの教材を組み合わせ可能となるため、より効率的かつ効果的な学習を進められるとしている。

学習支援SaaS「Monoxer」提供のモノグサが総額4.4億円を調達、アライアンスを推進

Monoxerは、生徒に覚えてほしい内容を登録するだけで、その内容を定着させるために必要な問題をAIが⾃動で作成。そのため、先生はこれまで紙で運用してきた宿題や確認テストをインポートするだけで、カリキュラムの変更などの特別な準備なく、手軽に始められる。

⽣徒はAIが作成した問題をスマートフォンやタブレットのアプリで学習可能な上、定着度に応じ問題の出題頻度や難易度が調整されるため、ひとりひとりのレベルにあった学習を実現できる。

また、学習計画機能を利用すると、忘却速度も加味した上で、1日単位で取り組むべき課題の内容と量を自動で計画するため、何をどれだけやるべきか悩む必要もない。

加えて、リアルタイムで学習履歴を解析し、各生徒の定着度を可視化するため、やったかどうかだけではなく、「再現性のある形でできるようになっているのか」が分かるようになる。そのため、ひとりひとりの習熟度に合わせた、きめ細やかな指導を行えるとしている。

2016年8月設立のモノグサは、創業以来「記憶を日常に。」というビジョンの実現に向け、学習者と先生の双方がストレスなく利用でき、確実に学習成果が出るサービスの開発を推進。Monoxerを導入している教育機関は、2020年4月以降前年同月比で10倍以上に拡大しているという。

カテゴリー: EdTech
タグ: モノグサ、・Monoxer人工知能・AI資金調達日本

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コンタクトセンターでの一次対応など産業向け対話AIを手がけるコトバデザインが資金調達

コンタクトセンターでの一次対応など産業向け対話AIを手がけるコトバデザインが資金調達

産業分野における音声アシスタント・コンタクトセンターにおける一次対応など対話AI実行環境「COTOBA Agent」を手がけるコトバデザインは10月2日、第三者割当増資による資金調達を実施したと発表した。引受先はSCSK。

今回の資金調達により、経営基盤の強化とともに、COTOBA Agentサービス改良のための自然言語処理技術・クラウドインフラ技術に秀でた人材の獲得、対話データ関連の投資、顧客獲得に向けたマーケティング活動の強化を実施する。

2017年8月設立のコトバデザインは、ヒトに寄りそう、対話インターフェースの創造と解放というミッションのもと、近未来では「対話」が複雑化したコンピューターシステムを使いこなす鍵となると考え、映像・音声・センサーなど多様なメディアを利用した対話プラットフォームの開発を手がけているスタートアップ企業。SCSKとは、スマートシティ分野などでの共創を推進し、快適で豊かな未来社会の創造を目指すとしている。

同社は2020年5月、産業分野向け対話AI実行環境COTOBA Agentの正式サービスを法人向けに提供開始。

同サービスは、自由度と運用の容易さを両立させたクラウドAPIサービスとなっており、自由なシナリオ作成、カスタマイズ可能な意図解釈モデル、充実した開発支援ツールや運用支援ツールといった特徴を備えている。

また目的別にシナリオを作成することで、シナリオに沿ったユーザーとの自然な対話を実現可能。産業分野における音声アシスタント、コンタクトセンターにおける一次対応、企業・自治体の窓口業務の自動化、ロボットやMaaSへの応用など、多様な用途の対話エージェントを開発できる。

コンタクトセンターでの一次対応など産業向け対話AIを手がけるコトバデザインが資金調達

コア部分については、2020年3月公開のオープンソースソフトウェア(OSS)版「COTOBA Agent OSS」と同じエンジンを用いており、高い透明性を確保しつつ、共通のエンジン故にクラウドサービスとOSSベースのローカル環境との間に高いポータビリティを確保。さらに、多言語対応が可能な設計(公開時は日本語・英語対応)となっている。

なおCOTOBA Agent OSSは、IoTからのセンサー/画像情報や外部APIとの連携も可能な、産業用で初のオープンソース対話エンジンとして提供しており、MITライセンスであるため広く商用利用が可能。

  • 外部API-I/FでIoTからのセンサー情報に応じた対話を実現できるため、産業応用が容易
  • シナリオが自由に書けて意図解釈モデルもカスタマイズ可能
  • 開発者用デバッグツールや管理者用ダッシュボードなどの開発者向け支援機能が充実
  • 実用的なサービスの実現に必須のセキュリティやスケーラビリティも備える
  • 複数言語対応に設計されており、サービス開始時は日本語と英語で利用可能
  • 5000項目以上の試験を実施し、大規模テストによって高い信頼性を実現。研究だけでなく大規模商用利用を前提としたソフトウェアを提供
  • OSSと共通のエンジンで、OSSベースの環境との間でAIMLコードや意図解釈コーパスに互換性あり

コンタクトセンターでの一次対応など産業向け対話AIを手がけるコトバデザインが資金調達コトバデザインは、「インターフェースの民主化を実現し、デジタルデバイドを終わらせ、弱者を取り残さない」という世界の実現を目指して、COTOBA AgentとCOTOBA Agent OSSの普及を通じて対話エージェント開発のコミュニティ形成を促進。対話エージェント開発・運用・流通のエコシステム形成に貢献することで、その先の対話AIのコンテンツ化と流通メカニズムの実現へと歩を進めていくとしている。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:コトバデザイン、IoTオープンソース資金調達日本

世界で唯一のユーモアを扱う対話AI技術「大喜利AI」の「わたしは」が8400万円を調達

世界で唯一のユーモアを扱う対話AI技術「大喜利AI」の「わたしは」が8400万円を調達

世界で唯一のユーモアを扱う対話AI技術「大喜利AI」(LINE)を手がける「わたしは」は10月2日、プレシリーズAにおいて、第三者割当増資による8400万円の資金調達を実施したと発表した。引受先はDEEPCORE、DG Daiwa Ventures、個人投資家。今後は、大喜利AIに続く新AIサービス開発、またそれを用いた広告事業の開発に一層注力する。

2016年4月の創業の「わたしは」は、以来、世界で唯一の「ユーモアを扱う対話AI技術」を用いて、「大喜利AI」をコアプロダクトとして開発(LINE登録者数54万4000人。2020年9月現在)。

2020年8月には、大喜利AIの進化版としてキャラクターAI同士のトークを生成する「ペチャクチャ」と、ユーザーの画像・映像からAIが自動でMeme(ミーム)動画を作成する「ドリアン」というふたつの新しいAIサービスをリリース。両サービスとも、「わたしは」のミッション「AIが人の創造性・ユーモアをエンパワーする」を、言語的クリエイティブ・動画的クリエイティブで体現するものとして開発している。

妄想AIトーク「ペチャクチャ」

妄想AIトーク「ペチャクチャ」

 

Meme(ミーム)動画作成AI「ドリアン」

Meme(ミーム)動画作成AI「ドリアン」

また消費財メーカー・C向けサービス・エンタメなどの事業会社向けの広告プロモーションサービスとして、「ユーザーとAIが共創するコンテンツ」がSNSでユーザー主導で拡がる過程において広告・ブランド情報を含めるCGAd(Consumer Generated Ad:ユーザー生成型広告)事業をスタートさせた。

世界で唯一のユーモアを扱う対話AI技術「大喜利AI」の「わたしは」が8400万円を調達

これは、「大喜利AIのおもしろい回答(LINEのスクリーンショット画面)をツイートする」というユーザーが自発的に始めた遊びによって、大喜利AI発の情報がTwitter上で多くのユーザーに共有されたという同社の経験を参考にしたという。そうしたツイートの拡がりは月間9000万インプレッション以上となっているとした。

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:わたしは、資金調達日本

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kemuri venturesがフードテック特化型「食の未来ファンド」設立、ファンド規模は総額10~30億円

kemuri venturesがフードテック特化型「食の未来ファンド」設立、ファンド規模は総額10~30億円

独立系ベンチャーキャピタル「kemuri ventures」は10月1日、国内ベンチャーキャピタルとしては初となる「フードテック特化型ファンド」を設立した。ファンド名称は、「食の未来1号投資事業有限責任組合」(食の未来ファンド)。主な投資対象はフードテック領域のスタートアップ(日本国内)で、ファンド規模は総額10~30億円。

丸井グループ、バリュークリエイト、レオス・キャピタルワークスなどがすでに加入。1次募集を完了しており、今後は投資活動と並行して、食領域の大手事業会社向けに、ファンド総額の上限を30億円として2次募集を始める。また、食の未来ファンド加入会社向けに、オープンイノベーションやCVC設立・運営のサポートも行う。

kemuri venturesがフードテック特化型「食の未来ファンド」設立、ファンド規模は総額10~30億円

  • 名称: 食の未来1号投資事業有限責任組合
  • 設立日: 2020年10月1日
  • 無限責任組合員(GP):kemuri ventures
  • 運用期間: 2020年10月~2030年9月(10年間)
  • ファンド規模: 総額10~30億円
  • 主な投資対象: フードテック領域のスタートアップ(日本国内)

「食」は、日本の基幹産業のひとつになるポテンシャルがあるものの、人材不足やDX化の遅れをはじめ多くの課題を抱えており、それらが解決されなければ衰退の道をたどるリスクもあるという。kemuri venturesは、アフターコロナを見据えると、現在は、数十年続いた20世紀型の食ビジネスの大きな「転換期」を迎えていると指摘している。

また同社は、多層的な共創(日本と海外、スタートアップと大手企業、官と民、6次産業化、SDGs)を通じて、食領域で日本は「リーダーシップ」を示すべきと考えているという。食ビジネスの課題を解決し、新しい食の可能性にチャレンジする起業家を支え、共に苦悩しながら「食文化・食ビジネスの未来を創る」ために、食の未来ファンドを設立したとしている。

ミッション(使命)

  • サステナブルな世界を次世代に(SDGs)
  • 食ビジネスを日本の基幹産業のひとつに
  • 明るい未来を創ることにチャレンジする起業家を応援
  • スタートアップとの共創による大企業の変革(オープンイノベーション)
  • 食ビジネスの人材不足を解消
カテゴリー: VC / エンジェル
タグ: kemuri ventures、SDGsオープンイノベーション日本フードテック

眼科遠隔診療サービス提供のMITAS Medicalが資金調達、チーム強化やデバイス・AI開発加速

眼科遠隔診療サービス提供のMITAS Medicalが資金調達、チーム強化やデバイス・AI開発加速

眼科診療サービスを提供するMITAS Medicalは10月1日、資金調達の実施を発表した。引受先はタカギセイコー。

今回の調達により、チーム強化、診療の幅をさらに広げる新たなPOC(Point of Care。ポイント オブ ケア)デバイスの開発、AI開発のさらなる加速を行う。POCとは、病院の検査室・検査センター以外の場所で実施する臨床検査を指す。患者が病院などに検査を受けに行くのではなく、患者の近くで検査を行うことで検査結果を即座に医師が判断し、迅速な処置を施せるというもの。

同社は「これのおかげで失明せずに済んだ」といってもらえる仕組みを世界中に届けることを目標に、今後も邁進するとしている。

MITAS Medicalは、「医療が届かないところに医療を届ける」というミッションのもと、眼科医以外の方でも診察に必要なクオリティの眼画像を簡単に撮影できるスマートフォン接続型眼科診療機器「MS1」タカギセイコーと共同開発し、現在80ヵ国で販売を開始している。

眼科遠隔診療サービス提供のMITAS Medicalが資金調達、チーム強化やデバイス・AI開発加速

また、このMS1をMITAS Medicalが開発した専用アプリケーションと組み合わせて利用することで、眼科診療の経験がない方でも必要な問診・眼画像などを使用し、遠隔で眼科医に相談することを可能にした。

このサービスは Dr. to Dr. 診療支援システムとして、眼科疾患の予防・早期発見・早期治療へ貢献している。

これまでの活動例としては、眼科医療の領域で課題を抱える新興国で活動。

モンゴルでは、2019年10月からモンゴル国立医科大学と保健省の支援の下、西部のある州の全診療所にMS1と専用スマホアプリを配布し、各診療所から州中心部の眼科医とつなぐ遠隔診療サービスを導入した。

月に100件以上の症例がMS1の遠隔診療システムを介して診療され、実際に緑内障発作による失明を未然に防ぐなど、その医学的・社会的必要性を再確認できたという。モンゴルの公共衛生に貢献するとともに、遠隔診療システムのオペレーションを円滑にまわすノウハウや、AI診断を可能にするためのデータ蓄積など数多くの成果を得ているとした。

カンボジアにおいては、首都プノンペンにある外資系総合病院にて、MITASの遠隔診療サービスが採択され、2020年1月から運用を開始した。

眼科遠隔診療サービス提供のMITAS Medicalが資金調達、チーム強化やデバイス・AI開発加速

昨今のCOVID-19の拡大に伴い、非接触診療のニーズが高まっており、国内において遠隔診療の法規制が緩和されるなどの様々な環境変化に合わせ、国内事業も開始している。

カテゴリー:ヘルステック
タグ:MITAS Medical、タカギセイコー、遠隔医療資金調達人工知能・AI、ポイント オブ ケア

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定額制全国住み放題のADDressが追加資金調達、地域との共創事業をスタート

定額制全国住み放題のADDressが追加資金調達、地域との共創事業をスタート

定額制の全国住み放題・多拠点住居プラットフォーム「ADDress」を展開するADDressは10月1日、シリーズBラウンドにおいて、第三者割当増資による追加資金調達を実施したと発表した。引受先は、丸井グループ、立命館ソーシャルインパクトファンド投資事業有限責任組合(プラスソーシャルインベストメント)、ひまわりG4号投資事業有限責任組合(ちばぎんキャピタル)。

今回の資金調達は、新型コロナウイルスの影響下でありながら、企業のテレワークやワーケーションの推進で、脱都会・脱都心オフィスなど「生活の見直し」を図る20〜30代の若者のADDress会員登録数が一気に増加したことを受け、多拠点居住による関係人口創出への期待が反映された形という。ADDressが掲げる「全国創生」のミッション遂行に向けて、各出資先企業との地域共創連携事業の取り組みも実施していく。

また、ADDressはANAホールディングス(ANAHD)との航空券の定額制サービス実証実験第4弾を10月より開始。企業のリモートワーク、テレワーク推進が広がる中で、ADDress入会希望者は毎月増加。脱・東京、脱・都会を図り、地方でテレワーク生活を希望する会員の入会が増えているという。ANAの定額制サービスを活用することで、テレワーク推進による関係人口創出を目指す。

ADDress会員は、3ヵ月契約で月額3万円の追加料金を支払うことで、ANA国内線の指定便を片道月4回分まで利用可能。2ヵ月契約の場合は月額3万5000円、1ヵ月契約の場合は月額4万円と、計3つの料金プランを提供している。予約は搭乗日の22日前まで、原則次月の繰越禁止(ただし、予約便がキャンセル時のみ繰越可)。

定額制全国住み放題のADDressが追加資金調達、地域との共創事業をスタート

ADDress拠点拡大の取り組みとしては、資本業務提携を結んでいるJR東日本スタートアップとの拠点開発事業として、JR東日本グループ系列の宿泊施設「ファミリーオ」「フォルクローロ」など全国8施設と連携し、物件を順次拡大。

地方自治体との取り組み施策では、熊本県多良木町とADDress、ANAHDとの協業による関係人口創出事業を展開。

また、島根県津和野町での「長期滞在型の旅行モデル推進事業」(総務省「シェアリングエコノミー活用推進事業」)の一環として、空き家を活用した島根県1号拠点「ADDress津和野邸」および併設拠点「ADDressサテライトオフィス津和野」を年内にオープンする。

ADDress津和野邸建物内には、島根県立大学のサテライトオフィスも立地しており、教育機関と連携した「寺子屋プログラム」など地域ぐるみの企画も実施予定。津和野町における新規拠点オープンに際し、ANAの航空券定額制サービス実証実験第4弾の対象空港に、新たに萩石見空港などが加わった。

さらに、ADDressは福島イノベーション・コースト構想推進機構の「地域未来実現プログラム」採択を受け、福島の抱える「社会・地域課題」でもある空き家問題解決を目指す。「ADDress福島拠点」の開発に取り組み、東北エリアでのADDress拠点展開を拡充していくという。

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脳血管内手術の安全性を向上させる手術支援AI開発のiMed Technologiesが資金調達

脳血管内手術の安全性を向上させる手術支援AI開発のiMed Technologiesが資金調達

脳血管内手術の手術支援AIを開発するiMed Technologiesは10月1日、第三者割当増資として、資金調達を実施したと発表した。引受先は、SBIインベストメントが運営するファンド、グロービス経営大学院(G-GROWTHファンド)、三井住友海上キャピタルが運営するファンド。

今回の資金調達により、研究開発体制を強化し、脳血管内手術の手術支援AIを少しでも早く臨床現場に届けるべく、事業を加速させる。

同社は、「世界に安全な手術を届ける」というビジョンのもと、動画解析を活用し脳血管内手術の安全性を向上させる手術支援AI(特許出願中)の開発を行うスタートアップ企業。2019年4月の創業以来、東大IPC 1stRoundやNVIDIA Inception Programなどの支援を受け、開発を進めている。

脳血管内手術は、脳梗塞やくも膜下出血などを治療する手術方法のひとつ。脳血管内手術は、従来の開頭手術と比較して患者への負担が少ない手法で、手術件数は年率10%以上で増加している。

また、新型コロナウイルスに感染すると脳梗塞に約7倍かかりやすいとの報告が出ており(The New England Journal of Medicine, 2020 ; 382:e60)、ウィズコロナ時代には脳梗塞が増える可能性があるとしている。

ただ、この脳血管内手術を行う際には、複数の部位を同時に見ながら繊細な操作をする必要があり、わずかな操作の遅れやずれが合併症につながる。脳は最も重要な臓器のひとつであり、合併症が起こった際には命に関わるような重篤な状況におちいる。

CEOの河野健一氏は脳神経外科医師として16年間医療現場で手術を行い、医療現場で経験してきたこの課題を解決するために、ディープラーニングを用いた手術支援AIの開発に着手したという。

ハニカム構造などメタマテリアル活用設計アルゴリズム開発の東大発スタートアップが9000万円を調達

ハニカム構造などメタマテリアル活用設計アルゴリズム開発の東大発スタートアップが9000万円を調達

ハニカム構造などメタマテリアル活用の設計アルゴリズム「DFM」を開発するNature Architectsは9月30日、シリーズAのエクステンションラウンドにおいて、第三者割当増資として合計9000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は三菱マテリアルCVC(MMCイノベーション投資事業有限責任組合)、ニフコ、PKSHA SPARX アルゴリズム1号ファンド。2020年5月に完了した資金調達と併せて、シリーズAラウンドとしては累計4.15億円の調達となった。

また今回、同社DFM技術を社会実装するために事業面での協業を見据えたパートナー企業と資本提携を行った。三菱マテリアルCVCとは材料面で、ニフコとは製品開発面で、さらにPKSHA SPARXアルゴリズム1号ファンドとは設計アルゴリズムおよびライセンスビジネス面において協業を目指す。

東京大学発スタートアップのNature Architectsは、2017年5月に設立。メタマテリアル活用により、従来のモノづくりとは根本的に異なる製品設計が可能になる設計アルゴリズム「DFM」(Direct Functional Modeling)の開発を手がけている。メタマテリアルとは、ハニカム構造など、人工的な構造によって素材を超える特性(弾力・変形など)を付与されたものを指す。可動部など機構的な動きを弾性変形によって生み出す構造(コンプライアントメカニズム)なども含む。

従来のモノづくりでは、ボルト・フレームヒンジなどの「硬い」部品を組み立てることで製品設計をを行う。これに対してDFMでは、各パーツのあるべき「硬さ」を計算し、それを実現するメタマテリアルを生成・割当て可能にする設計アルゴリズムとなっている。メタマテリアルを活用できれば、部品ごとの「硬さ(柔らかさ)」を自在に制御することが可能になるという。

その結果、硬い部材に振動吸収機能を付与するなど、従来実現できなかった新機能をパーツに付加したり、フレーム・稼働部など部位ごとに必要な様々な機能を部品に分けることなく一体で設計・製造することが可能になるとしている。

DFMの適用範囲は、ロボティクス・自動車・航空宇宙など動きを明示的に扱う最終製品はもとより、レバー・スイッチ・ファン・バネなどの部材も対象としている。

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デジタルマーケティングのAViCが3.3億円を調達、独⾃ツール開発や新規事業の⽴ち上げ推進

デジタルマーケティングのAViCが3.3億円を調達、独⾃ツール開発や新規事業の⽴ち上げ推進

デジタルマーケティング事業を展開するAViCは9月30日、総額3.3億円の資金調達を発表した。引受先はみずほキャピタル、モバイル・インターネットキャピタルなど。

今回調達した資⾦は、独⾃ツールの開発をはじめ、新規事業の⽴ち上げ、新規顧客開拓のための営業⼒強化、優秀な⼈材の採⽤、上場を⾒据えたコーポレート体制の強化などにもあてる予定。

2018年3月設立のAViCは運⽤型広告、SEOコンサルティングをはじめとするデジタルマーケティングサービスを展開。過去2年間における累計クライアント数は約50社となっているという。

同社はデジタルマーケティング業界の課題として、スキル・ノウハウの属⼈化、アウトプット創出までの⾮効率なプロセスなどの課題が存在し、⼤⼿事業者であっても解決に向けた⼗分な取り組みができていない点を指摘。

そこで、独⾃ツールの開発によりこのような課題の解決を実現し、より⼀層の競争⼒・⽣産性の向上を達成することで、「デジタルマーケティング業界のDXカンパニー」となることを展望しているという。

音声配信アプリ「stand.fm」が配信者の収益化を支援する「月額課金チャンネル機能」開始

音声配信アプリ「stand.fm」が配信者の収益化を支援する「月額課金チャンネル機能」開始

stand.fmは9月29日、音声コンテンツ配信アプリ「stand.fm」(Android版iOS版)において、配信者の収益化を支援する「月額課金チャンネル機能(承認制)」のリリースを発表した。

stand.fmは、誰でも・どこでもスマホひとつで気軽に収録から配信まで行える音声コンテンツ配信アプリ。2020年8月20日に発表した資金調達リリースから約1ヵ月間で、アクティブユーザーが180%増、滞在時間は15分増の平均75分に到達したという。

月額課金チャンネル機能は、チャンネルを応援してくれる月額課金ユーザー(サポーター)だけに、収録放送を公開できる機能。月額課金額は、配信者が任意で決めることができ、月額税込み120円〜1万円の間(55段階)で設定できる。stand.fmは、プラットフォーム手数料などを差し引いた差額を収益還元するとしている。

同機能の利用は現在承認制となっており、申請希望者は「月額課金チャンネル応募フォーム」より応募する必要がある。

なお同機能では、収録放送のすべてを限定公開にするだけではなく、1秒単位で無料公開範囲を設定できる機能も用意している。例えば、「放送の8割は全ユーザーが再生可能、残り2割はボーナストラックとして限定配信」という使い方も可能。配信者は、既存チャンネル登録者やSNSのファンに対して、より深いつながりを通して収録放送を配信できるとしている。

音声配信アプリ「stand.fm」が配信者の収益化を支援する「月額課金チャンネル機能」開始

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シフト管理SaaS「らくしふ」運営のクロスビットが事業拡大を目的に2億円調達

シフト管理SaaS「らくしふ」運営のクロスビットが事業拡大を目的に2億円調達

シフト管理SaaSサービス「らくしふ」運営のクロスビットは9月28日、事業拡大を目的とした2億円の資金調達を実施した。引受先はニッセイ・キャピタル、みずほキャピタル、East Ventures、YJキャピタル。

今後は、企業のシフト管理の効率化だけではなく、AIを用いた需要予測と最適労働力配置により、企業のさらなる利益向上を実現するサービス開発に取り組むとしている。

らくしふは、LINEを用いて「シフト管理の効率化」と「従業員の最適配置」で利益を最大化するシフト管理ツール。導入店舗数は4500店舗以上を突破しており、シフト管理業務の90%以上の削減や、他店舗間のヘルプ機能の活用による数百万円分のリソースの創出など、さまざまな成功事例が生まれているという。

シフト管理SaaSサービス「らくしふ」運営のクロスビットが事業拡大を目的に2億円調達

2016年4月設立のクロスビットは、「Smart Life to All Workers」をミッションに、2017年8月より「らくしふ」を提供開始。

らくしふの特徴は、「データの可視化による正確な予実管理の実現や労働管理の徹底」などによる会社全体を管理する経営層の課題解決、「データに基づいた利益創出や現場でのシフト管理体制の構築」などによる店舗管理者の負担軽減、「希望するシフトや環境で働くなど、管理者との円滑なコミュニケーションの推進」による従業員のモチベーション向上としている。

自動目視検査など製造業にAI外観検査システムを提供するMENOUが8000万円を調達

自動目視検査など製造業にAI外観検査システムを提供するMENOUが8000万円を調達

自動目視検査システムの提供など、ディープラーニング技術を製造現場に適用するMENOU(メノウ)は9月28日、約8000万円の資金調達を発表した。引受先はDEEPCORE、シーシーエス、三菱UFJキャピタル。

調達した資金により、専門知識を持たなくても高度なAI外観検査システムをノーコードで社内開発できるソフト「MENOU-TE」(メノート)の機能拡張を加速加速させ、応用範囲を拡げる。

ディープラーニング技術の進化に伴い、AIによる検査は理論的に可能なものの、実際に製造現場への導入となると、多くの障害があるのが実態という。

MENOUでは2019年の設立以来、熟練した目視検査員の手法を模した高速・高精度のAIソリューションを多くの製造業に提供。MENOU-TEでは、AI導入の障害を取り除くための以下のような機能を取り揃えているという。

  • GUIによるAI検査モデル作成
  • GUIによるアノテーション・ラベリング(学習操作)
  • 精度の検証
  • 画像ファイル管理
  • 複数AIモデルの管理

外観検査の画像取得については従来通りMENOU-INサービス(導入サービス)も提供。照明やカメラなどの最適な撮像構成を提案し、AI外観検査の導入を総合的にサポートする。

顧客接点構築・運用ツールでカスタマーサクセス・サポートを支援するコミューンが4.5億円を調達

オンライン顧客接点の構築・運用ツールのコミューンが4.5億円を調達

顧客体験を最適化するコミュニティタッチツール「commmune」(コミューン)提供のコミューンは9月28日、シリーズAラウンドにおいて、第三者割当増資として総額4.5億円の資金調達を実施したと発表した。引受先はDNX Ventures、既存株主のUB Ventures。調達した資金は、commmuneのサービス強化のための機能開発、人材採用などにあてる予定。

commmuneは、企業とユーザーをつなげるコミュニティタッチツール。オンライン顧客接点(ユーザーコミュニティ)の構築・運用を通じ、カスタマーサクセス・サポートの効率化、LTVの向上、マーケティング効果の創出を実現する。

オンライン顧客接点の構築・運用ツールのコミューンが4.5億円を調達

これまで企業の顧客接点は、(1)訪問や電話などアナログな手段が多く、(2)目的によりチャネルが分断され、(3)企業から顧客への一方通行のコミュニケーションに偏っており、効率面でも負荷が大きく、また顧客の力を生かすことができずにいた。

これら課題に向き合い、同社は「コミュニティ」を通じ、顧客との共創を実現し、企業と顧客のコミュニケーション効率化とエンゲージメント向上を実現するツールとしてcommmuneを開発、提供を行ってきた。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、リアルな顧客接点が持てなくなった企業のオンライン化ニーズが高まり、同社への問い合わせはそれ以前の約2倍に増加しているという。特に、大手BtoB企業における既存顧客のエンゲージメント向上のための導入が加速しており、企業が顧客接点の変革を迫られていることを実感しているとした。

このような背景も受け、同社はcommmuneを通じて、企業の顧客接点の(1)デジタル化、(2)統合管理、(3)双方向コミュニケーションの提供をさらに加速するため、資金調達を実施したという。

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東京大学JSK発のロボット開発スタートアップ「キビテク」が6840万円を調達

東京大学JSK発のロボット開発スタートアップ「キビテク」が6840万円を調達

ロボットの高度自律型遠隔制御システム(HATS)の開発およびロボット用制御ソフトウェアの受託開発を手がけるキビテクは9月18日、第三者割当増資として6840万円の資金調達を発表した。引受先は、シンク・アイ・ホールディングス、匠、ウイルテック。

キビテクは、今回調達した資金と出資企業との連携により、来年度の本格サービスインに向け、各種現場の知識に基づいた遠隔アシスト機能実現のためのソフトウェア開発・オペレーションセンター体制の構築を加速する。また、製造現場におけるFA系への取り組みを推進するとしている。

同社は、様々な高難度業務への自律ロボット導入を促進するため、自律ロボットが搭載するAIを遠隔オペレーターが効率よくアシストすることで、「常識を扱えない」「大量の事前知識を必要とする」などのAIの課題を克服する「HATS」(Highly Autonomous Teleoperation System))の開発を進めている。

東京大学JSK発のロボット開発スタートアップ「キビテク」が6840万円を調達

近年、物流現場や店舗などで自律型のロボットが様々な現場で活躍を始めている一方、AIにも限界があり(人間にとっては当然に思える)常識や社会的文脈に沿った臨機応変な対応ができるとは限らない。しかし、様々な状況に対応できるよう、事前にその状況をすべて洗い出してAIに教え込ませることは不可能だ。

東京大学JSK発のロボット開発スタートアップ「キビテク」が6840万円を調達

その結果、わずかに残存する異常状態への対応ができないために自律ロボットの導入に踏み切ることができないか、導入できる業務が限定されてしまうという課題があるという。また、すでに導入済みの場合でも、AIの限界によってロボットが停止してしまい、現場での復旧作業が必要となり、運用効率の低下というケースも見受けられるという。

同社が開発を進めているHATSは、遠隔オペレーターが簡単な操作で要点のみをロボットに指示することで、1名で担当できるロボット台数を格段に多い状態で運行できるようにするという。これにより、停止したロボットの復旧対応などを効率的に行えるようにするサービスとしている。

この事業を通して、障害者、リモートワークに縛られる方、途上国の低所得者などにオペレーター業務を担ってもらうことで就労の機会を増やし、貧困や格差固定化の問題の低減につなげ、より幸せな社会の実現に貢献するとしている。

キビテクは、東大の人型ロボット研究室JSK(情報システム工学研究室)出身者を主として2011年に創業した、知能ロボットの開発を行うスタートアップ企業。企業名「キビテク」の「キビ」は心の「機微」を意味しているという。同社の得意な技術を通して、未来の世界の人々の心の幸せに貢献することを最も大切にしている。

注文から30分以内に食品・お酒・日用品を届けるデジタルコンビニ「QuickGet」運営のレキピオが1.7億円を調達

注文・決済から30分以内に食品・お酒・日用品を届けるデジタルコンビニ「QuickGet」運営のレキピオが1.7億円を調達

注文・決済から30分以内に商品を届けるデジタルコンビニ「QuickGet」(クイックゲット)運営のレキピオは9月16日、第三者割当増資および日本政策金融公庫より総額1.7億円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、UB Ventures、マネックスベンチャーズ、サイバーエージェント・キャピタル、FGN ABBALab、F Ventures LLP、個人投資家の赤坂優氏、中川綾太郎氏、吉田浩一郎氏。また同日、「QuickGet」サービスの正式リリースを明らかにした。

同社は、Android版またはiOS版アプリ上で商品を注文・決済すると、30分以内に自宅まで届けるというデリバリーサービスQuickGetを展開(PCからの利用は不可)。調達した資金は、QuickGet正式リリースに伴う事業拡大に向けた採用活動に利用。今後は、六本木エリアでさらなる成長を目指し、随時サービス提供エリアを拡大する。

またデジタルコンビニだけでなく、フードデリバリーや買い物代行など周辺領域にも参入し、顧客が欲しいと思った時に欲しいものが何でもすぐに届く世界を実現させ、デリバリー市場の覇者を目指す。

注文・決済から30分以内に食品・お酒・日用品を届けるデジタルコンビニ「QuickGet」運営のレキピオが1.7億円を調達

QuickGetは、食品・お酒・日用品などを届けるデジタルコンビニとして、現在東京都港区と渋谷区の一部エリアで展開。営業時間は9:00~24:00(年中無休)。料金は、商品代+配送料250円、アプリ利用料は無料となっている。六本木エリアのみでアプリ内累計流通額が数千万円以上、なかには1ヵ月間に数十万円使うユーザーや、コンビニに行かなくなったというヘビーユーザーもいるという。

サービス提供エリアとして、9月7日から恵比寿・神宮前・代官山・白金エリア、9月14日からは霞ヶ関・虎ノ門・西新橋エリアを追加。今後も段階的にエリアを拡大し、9月下旬には品川区や新宿区の一部エリアでも利用可能となる。

対象エリア

  • 港区: 六本木、西麻布、南麻布、東麻布、麻布十番、元麻布、麻布台、赤坂、南青山、北青山、麻布狸穴町、麻布永坂町、白金、三田、虎ノ門、西新橋、愛宕、芝公園2丁目、芝公園3丁目、芝公園4丁目、芝3丁目
  • 渋谷区: 広尾、東、渋谷、恵比寿、恵比寿西、神宮前、桜丘町、鶯谷町、代官山町、猿楽町、千駄ヶ谷2丁目、恵比寿1~4丁目
  • 目黒区: 三田1丁目
  • 千代田区: 霞ヶ関

9月21日以降追加予定

  • 千代田区: 永田町1~2丁目、紀尾井町
  • 品川区: 上大崎2丁目
  • 新宿区: 信濃町、南元町
  • 渋谷区: 南平台、宇田川町、恵比寿南1~3丁目、神南1丁目、鉢山町
  • 港区: 元赤坂1丁目、浜松町2丁目、白金台4丁目、芝2丁目、芝4~5丁目、芝公園1丁目、芝大門2丁目、高輪1丁目

9月28日以降追加予定

  • 千代田区: 内幸町2丁目、平河町2丁目
  • 新宿区: 大京町、左門町、若葉 1.3丁目、須賀町
  • 渋谷区: 千駄ヶ谷1丁目、3丁目
  • 港区: 元赤坂2丁目、新橋1丁目、新橋3~6丁目、浜松町1丁目、芝大門1丁目

同社は、六本木に自社倉庫を構え、商品在庫を抱えることで実店舗を持つ小売店と同等価格での販売を実現。取扱商品は、高級スーパーやコンビニで売られているような商品や日用雑貨品まで1000点以上を常時ラインナップしている。

また、実店舗のPOSシステムでは「何が」「いつ」「何個」売れたのかという購入データと、店員の主観的判断による性別・年代などの属性データしか取れないが、「QuickGet」では「誰が」にあたる個人情報と購入データを紐づけ可能で、より詳細な顧客属性や購買サイクルなどのデータに基づいた、最適なマーチャンダイジングが可能としている。

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