Inspiration4の民間人クルー、宇宙へ。スペースXの初となる民間人だけの打ち上げミッション成功

史上初、民間人だけのクルーで宇宙にたどり着いた。

Inspiration4クルーは、米国東部標準時午後8時4分(日本時間9月17日午前10時4分)にフロリダ州のNASAケネディ宇宙センターを離陸し、訓練を受けた宇宙飛行士がゼロという人類史上初の宇宙ミッションをスタートした。

再利用可能なFalcon9ロケットの第1段は、地球に帰還するまでに燃焼を2回行い、打ち上げ後9分半ほどでスペースXの無人機「Just Read the Instructions」に垂直着陸した。Dragonは、米国東部時間午後8時16分(日本時間9月17日午前10時16分)に第2段から分離した。

2段目の分離(画像クレジット:SpaceX

4人の乗組員は、Falcon9ロケットに取り付けられたスペースXのCrew Dragon Capsuleに乗って軌道上で過ごすことになる(このDragonは2回目、Falcon9の第1段は3回目の利用となる)。この高度は、2009年にハッブル望遠鏡の修理を行ったとき以来、人類が到達した最高高度となる。現在のハッブルや国際宇宙ステーションの軌道よりも高いため、宇宙にいるすべての人間の上を飛ぶことになる。

乗組員は、宇宙にいる間に地球を15周する。宇宙空間にいる間、Crew Dragonのノーズコーンに取り付けられた透明な観測ドーム「キューポラ」から宇宙空間を見ることができる。これは、宇宙にある連続した窓としては最大のものだ。Inspiration4は、宇宙飛行が人体に与える影響を解明するための研究をはじめ、さまざまな科学実験を軌道上で行う。また、宇宙飛行が人体に与える影響を知るための研究も含まれている。研究対象となるのは自分自身で、乗組員は飛行前、飛行中、飛行後に自分自身の生物医学的データや生物学的サンプルを収集する。

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現在のところ、億万長者がいなければ民間宇宙飛行は行えない。Inspiration4にもその1人がいる。ミッションの司令官であり、資金提供者でもあるJared Isaacman(ジャレッド・アイザックマン)氏は、決済処理会社Shift4 Paymentsで財を成した。残りのクルーである医師助手のHayley Arceneaux(ヘイリー・アルセノー)氏、地球科学者で科学教育の博士号を持つSian Proctor(シアン・プロクター)氏、ロッキード・マーティンのエンジニアであるChris Sembroski(クリス・センブロスキー)氏たちは才能豊かで、並外れた勇気を持っていることは明らかだが、普通の人たちだ。

発射台39AでFalcon 99ロケットを見るInspiration4のクルー(画像クレジット:SpaceX

このミッションはセント・ジュード研究病院のための募金活動だ(セント・ジュードの募金キャンペーンに寄せられた約7万2000件の寄付の中からセンブロースキーしは選ばれた)。クルーは総額2億ドル(約220億円)の募金を目指した。アイザックマン氏は1億ドル(約110億円)を寄付し、ミッションは目標を大きく上回り、打ち上げ時には3億ドル(約330億円)近くに達している。

民間人による最近の宇宙飛行と比べてはるかに長いミッションに向けて、乗組員たちは、レプリカのDragon Capsuleで12時間、さらに30時間のフライトシミュレーションを行い、2021年5月にはワシントン州のレーニア山に登るなど、何百時間ものトレーニングを行ってきた。

スペースXのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は、ケネディ宇宙センターでクルーを見送った。また、スペースXのカスタム宇宙服を着た2台のModel Xで発射塔に向かうなど、スペースXらしいスタイルを貫いた。今回のミッションにおけるNASAの関与は、100万ドル(約1億1000万円)相当のサービスや機材を提供した程度のものだったが、スペースXを現在のような高い地位にまで押し上げる上で、NASAは重要な役割を果たした。スペースXは、2014年にNASAから26億ドル(約2841億円)を獲得し、商用クループログラムのもと、Crew Dragonを開発した。

世界最大かつ最も収益性の高い打ち上げ会社であるスペースXにとって、大きな節目となった。今回の打ち上げは、Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏やRichard Branson(リチャード・ブランソン)氏がここ数カ月で行ったものとは大きく異なるものだ。類似点もあるにはあるが、Blue OriginやVirgin Galacticのミッションよりも、クルーはより高く、より長く飛行することになるからだ。しかし、スペースXの有人宇宙飛行担当シニアディレクターであるBenji Reed(ベンジー・リード)氏が先に述べたように、3社とも宇宙飛行を「航空会社のようなモデルに進化させる」という目標を持っている。

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リード氏は「究極的に私たちは、多くの惑星を生命のあるものにしたいと考えています。つまりそれは、何百万人もの人々を宇宙に送り出すことを意味します。長期的なビジョンは、宇宙飛行が航空券を買って行くようなものになることです」という。

2021年も、スペースXはより多くの有人ミッションを実施する予定だ(ただし、全員が民間人のクルーということはない)。2021年末にはFalcon9によるISSへの宇宙飛行士輸送が予定されており、2022年初めには初の商用Axiomミッションが実施され、同じく宇宙ステーションへの輸送が予定されている。「Dragonのマニフェストは、刻々と忙しくなっています」と付け加えた。

すべてが計画どおりに進めば、3日後にはInspiration4のクルーがフロリダ沖のメキシコ湾または大西洋に着水、地球に戻ってくる姿を見ることがでる。天候も重要だ。「打ち上げ時の天候だけでなく、3~4日後の帰還時の天候も考慮しなければなりません」とリードは米国時間9月14日の記者会見で説明した。

クルーが軌道上にいる間は、Inspiration4のメンバーであるセンブロスキー氏(宇宙でウクレレを演奏する予定)が監修したプレイリストを聴くことができる。

画像クレジット:SpaceX

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画像クレジット:SpaceX

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Katsuyuki Yasui)

ヴァージン・ギャラクティック初の商用フライトは7月の事故原因調査のためFAAが飛行停止に

先の記事で、Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)初となる商用飛行は2021年9月だと報じた。

早とちりしてしまったのかもしれない。米国時間9月2日午後、米連邦航空局(FAA)は、7月11日に行われたVirgin Galacticの有人飛行に関する調査結果が出るまで、追って通知があるまですべての同社を飛行停止にすると発表した。

「Virgin Galacticが最終的な事故調査報告書を承認するか、事故に関する問題が公共の安全に影響しないと判断するまで、SpaceShipTwoをフライトに戻すことはない」とFAAは述べている。

7月11日のミッションは、同社の億万長者で創業者のRichard Branson(リチャード・ブランソン)氏を含むスタッフとクルーに負傷なく完了したが、最近になって、スペースプレーンが許可された空域外で軌道を逸脱していたことが明らかになっている。

飛行時にスペースプレーンのダッシュボード上の赤い警告灯が点灯し、計画軌道を外れたことをを示した。FAAの発表によると、スペースプレーンは合計1分41秒間、軌道を外れて飛行した。その航路逸脱はThe New Yorkerが最初に報じた。

さらに規制当局は「FAAには商用宇宙輸送の打ち上げと再突入操作の際に、一般市民を保護する責任を負っています。FAAはニューメキシコ州スペースポート・アメリカ上空で起きた7月11日のSpaceShipTwoの事故について、Virgin Galacticによる調査を監督しています。SpaceShipTwoはスペースポート・アメリカへの帰還時に、航空管制の許可を逸脱しました」。

調査が完了しその結果次第では、9月に予定されていた初の商用飛行は地上に留まるかもしれない。その飛行はイタリア空軍と全米研究評議会のメンバーを宇宙の端っこに送って、微小重力への移行が人体に与える影響を研究することになっている。しかしそれまでは、リチャード・ブランソン氏の超音速機企業は「地上待機」となる。

【更新】Virgin Galacticの広報はTechCrunchに対して、同社はFAAと協力して問題解決に努めてきた、と語った。声明の全文は以下のとおりだ。

以前もお話したように、私たちはFAAとのパートナーシップにより、宇宙船がUnity 22の飛行の間に、許された高度の下へ落ちた短い時間について調べている。私たちはこの問題を真剣に捉え、目下その原因を究明するとともに、将来のミッションにおける再発を防ぐ方法を模索している。飛行の最終的な軌道は最初の計画から逸脱したにもかかわらず、制御され意図された飛行経路によりUnity 22は、宇宙への到達と、ニューメキシコの私たちのSpaceportへの安全な着陸に成功した。この軌道の変化により乗客とクルーが何らかの危険に置かれた時間はゼロであり、宇宙船が人口密集地区の上空を航行したことや、一般の人たちに危害を及ぼした時間もゼロであった。その飛行の間にはFAAの代表者が機の制御室に同席し、飛行後の報告会見にも同席された。

画像クレジット:Axelle/Bauer-Griffin/FilmMagic/Getty Images

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ヴァージン・ギャラクティックが初の商業宇宙旅行を9月下旬〜10月上旬に予定、イタリア空軍・学術会議と

初の有人船打ち上げを祝ってからわずか2カ月後、米連邦航空局(FAA)の調査を受けている最中のVirgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)は、再び宇宙に戻ろうとしている。

同社は9月下旬から10月上旬にかけて、同社の広大なSpaceport America施設から、ロケット搭載のスペースプレーン「VSS Unity」の23回目のフライトとなる同社初の商業ミッションを実施する予定だ。このフライトには、イタリア空軍とイタリア学術会議(CNR、Consiglio Nazionale delle Ricerche)から3名のクルーが搭乗する予定だ。それぞれの座席のために支払われた購入金額は公開されていない。また、Virgin Galacticのスタッフも1名搭乗する。

ミッションリードの役割を担うのは、イタリア空軍のWalter Villadei(ウォルター・ヴィラデイ)大佐、医師でもあるAngelo Landolfi(アンジェロ・ランドルフィ)中佐、イタリア学術会議を代表する航空宇宙エンジニアのPantaleone Carlucci(パンタレオーネ・カルルッチ)氏、そしてVirgin Galacticのチーフ宇宙飛行士インストラクターであるBeth Moses(ベス・モーゼス)氏である。スペースプレーンの操縦は、Michael Masucci(マイケル・マスッチ)氏とCJ Sturckow(CJ・スターカウ)氏が担う。

このミッションの目的は、微小重力環境に移行する際の「移行段階」における人体への影響を調査することで、そのために乗組員は生理的活動を測定するセンサーを装着する。そしてヴィラデイ氏はさらに、Virginが「イタリアのファッションスタイルとテクノロジーを取り入れた」スマートスーツを着用するとのこと。

今回の発表は、FAAが7月のVSS Unityの初有人飛行について調査していると発表してからわずか1日後のことである。このニュースはThe New Yorkerが最初に報じ、FAAが確認したもので、同社のスペースプレーンが「Spaceport Americaに戻る際に航空管制の許可を逸脱した」と航空規制当局は述べている。ジャーナリストのNicholas Schmidle(ニコラス・シュミットル)氏の報道によると、飛行中のUnityのコンソールには、予定していた軌道から逸脱したことを示す赤い警告ランプが点灯していたという。

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その後、Virgin Galacticはこの記事に反論する声明を発表し「フライトの最終的な軌道は当初の計画から外れましたが、それは制御された意図的な飛行経路であり、Unity 22は無事に宇宙に到達し、ニューメキシコ州のSpaceport(America)に安全に着陸することができました」と述べた。

「この軌道変更の結果、乗客や乗員が危険にさらされることはありませんでした」と同社は付け加えている。

Virgin Galacticの超音速飛行の安全性に関するニュースをシュミットル氏が明るみに出したのは今回が初めてではない。彼の著書「Test Gods」には、飛行機の翼に深刻な問題が発生する可能性があった2019年のテスト飛行について、これまで知られていなかった記述も含まれている(その件は同書の中で、Virgin Galacticの元社員によって確認されている)。

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画像クレジット:Virgin Galactic

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Aya Nakazato)

米連邦航空局はヴァージン・ギャラクティックの何年にもわたる宇宙船降下時の異常事態について調査中

米連邦航空局(FAA)は、Richard Branson(リチャード・ブランソン)氏を宇宙へと運んだVirgin Galactic(ヴァージンギャラクティック)のフライト中の異常について調査している。特定のフライトだけでなく、同社の何年にもわたる安全に関するさまざまな問題を論じている記事の中で、The New YorkerはVirginの宇宙船が降下中にコースを逸れ「エントリーグライドコーン警告」が出た、と説明している。宇宙船はグライドコーン法を使っていて、これは水が円を描きながら排水溝を流れるように着陸する。明らかにこのミッションのパイロットは本来の角度で飛行せず、システムが警告を出す事態となった。

FAAの広報担当はロイターに対して「Spaceport Americaに戻る際、宇宙船が航空交通管制の許可から逸脱」し、この事案を調査中であることを認めた。FAAは、商業航空機との衝突を回避し、事故が起こった場合に民間人の死傷者数を最小限にするためにVirginの宇宙船に指定空域を通る許可を与えている。VirginのUnity 22ミッションは、パイロットがコースを修正する前の1分41秒間、指定空域から外れて飛行した。

The New Yorkerの記事の筆者、Nicholas Schmidle(ニコラス・シュミドル)氏は、数年前にミーティングに出席した際、Unity 22フライトと同じパイロットが、エントリーグライドコーン警告の赤いライトは「縮みあがらせる」と語った、と書いた。明らかにそれは手遅れを意味し、最も安全な策は試みを中断することだ。しかし記事掲載後に出した声明文の中で、Virgin Galacticは記事中の「誤解を招く描写と結論に異議を唱えます」と主張し、フライト搭乗者が飛行偏差で危険にさらされることはありませんでした、と述べた。声明は次の通りだ。

宇宙船が高高度で軌道を変えた風に遭遇したとき、パイロットとシステムはミッションのパラメータ内にとどまっていられるようモニターしました。当社のパイロットはこうした飛行状況の変化に、まさに訓練した通りに、そして確立された手順に厳密に従って適切に対応しました。フライトの最終的な軌道は当初の計画からそれましたが、管理された意図的な飛行経路であり、Unity 22は無事に宇宙に到達してニューメキシコにある当社のSpaceportに安全に着陸することができました。この軌道変更で搭乗者とクルーが危険にさらされることはありませんでした。

同社はまた、宇宙船は想定していた高度を下回って飛行したが、宇宙空間の横方向の制限外には飛行しなかった、とも述べた。そして「今後のフライトの空域に対処するためにFAAと提携して取り組んでいるとも付け加えた。

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者Mariella Moon(マリエラ・ムーン)氏はEngadgetの共同編集者。

画像クレジット:Virgin Galactic

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(文:Mariella Moon、翻訳:Nariko Mizoguchi

Dawn Aerospaceが準軌道スペースプレーンのテスト飛行を5回完了

ロケット打ち上げの分野が急速に混み合ってきている一方で、準軌道宇宙飛行機を開発する企業はそうでもない。つまり、Dawn Aerospace(ドーン・エアロスペース)のようなスタートアップが成長する余地は大きいという意味だ。同社は、地表から最大60マイル(約96km)の高度を飛ぶために開発されたスペースプレーンMk-II Aurora(マークツー・オーロラ)のテスト飛行を5回完了した。

テスト飛行は、ニュージーランドの南島にあるGlentanner Aerodrome(グレンタナー・エアロドローム)で2021年7月に行われ、スペースプレーンの機体とアビオニクスが評価された。飛行機は高度3400フィート(約1km)までしか達しなかったが、テストでDawnのチームは「Mk-IIの能力に関する研究開発を進めるための幅広いデータ」を得ることができたとCEOのStefan Powell(ステファン・パウエル)氏が声明で述べている。

画像クレジット:Dawn Aerospace

Dawnのアプローチは、一般の空港で離着陸可能で、1日複数回宇宙と行き来できる飛行機を作ることだ。明白な利点は、垂直打ち上げよりも著しく資本集約的でないことだ。Mk-IIはサイズもコンパクトカー並みで長さは16フィート(約5.4m)以下、空の状態の重さはわずか165ポンド(約75kg)なので、さらにコストを下げられる。

名前から想像できるように、Mk-IIは同社の第2弾のスペースプレーンだが、Dawnはそこでやめるつもりはない。同社は2ステージで軌道に乗るスペースプレーン、Mk-IIIの建設を計画中で、科学実験や、気象観測、気象モデリングに使う大気データの採集にも利用できる。Mk-IIの積載量は3U、8.8ポンド(約4kg)以下なのに対し、Mk-IIIは最大551ポンド(約250kg)を軌道に運ぶ能力がある。

Mk-IIは最終的にロケットエンジンを搭載して超音速・高高度のテストが可能になる予定だ。

同社は2020年12月、Mk-IIを空港から飛ばすためにニュージーランド民間航空管理局から無人航空機運行許可を取得して、大きな節目を迎えた。さらに、オランダの南ホラント州からも、低出力感知・検出レーダーシステムをテストするためのRadar Based AvionicsおよびMetaSensingの許可を受けた。このデモンストレーションは2022年に予定されており、Mk-IIに小さな改造を加えたあと実施する、とパウエル氏がTechCrunchに伝えた。

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画像クレジット:Dawn Aerospace

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nob Takahashi / facebook

台湾TiSpaceは初の同国産ロケット試験打ち上げを2021年中にオーストラリアで予定

オーストラリアの規制当局は、創設5年目のロケット打ち上げ会社であるTaiwan Innovative Space(晋陞太空科技、通称TiSpace)に、2021年後半にオーストラリア南部の新たに認可された施設で商業打ち上げを行うことを許可した。

TiSpaceは、オーストラリア南部のホエーラーズ・ウェイ軌道発射施設で、2段式弾道飛行ロケット「Hapith I(飛鼠一號)」の試験飛行を行う予定だ。この飛行では、ロケットの推進、誘導、テレメトリ、構造の各システムの検証を行うと、TiSpaceはニュースリリースで述べている。宇宙インフラ企業のSouthern Launch(サザン・ローンチ)が運営するこの発射施設は、3月にオーストラリアの産業省から認可を取得した。

このニュースは、他国に比べて遅れをとっているオーストラリアと台湾で急成長中の宇宙産業にとって、潜在的に重要な意味を持つ。オーストラリアは2018年に国の宇宙機関が設立されたばかりだが、それ以来、新たな宇宙経済への参入方法について国家的な関心が高まっている。新たに認可された発射施設では、まずは最大3件の弾道飛行ロケットの試験打ち上げキャンペーンを支援することになっている。その目的は、この地域で起こりうる環境への影響に関するデータを収集するためだ。

「今回の打ち上げ許可は、オーストラリアの商業打ち上げ能力を確立し、国際的な宇宙分野においてオーストラリアが何を提供できるかを示す重要な成果です」と、Christian Porter(クリスチャン・ポーター)産業・科学・技術大臣は声明で述べている。「宇宙は世界的に重要な成長市場であり、大規模な投資、新しい技術、さまざまな産業分野における雇用拡大を通じて、オーストラリアの経済的未来を支えることになるでしょう」。

台湾でも自国の宇宙産業は発展が遅れていたが、2021年5月に立法院が国内の宇宙開発を促進するための「太空発展法(宇宙開発法)」を可決したことで、大きな一歩を踏み出した。最近では1月にケープカナベラルからSpaceX(スペースX)のFalcon 9(ファルコン9)ロケットで運ばれたキューブサット「YUSAT」や「IDEASSat」など、いくつかの衛星を軌道に乗せているものの、国内からロケットや宇宙船を打ち上げたことはまだない。

Hapith Iは台湾初の国産ロケットであり、TiSpaceは同国初の商業宇宙打ち上げ会社である。当初は台湾の発射場からHapith Iの試験打ち上げを行う予定だったが、場所に関する法的問題から中止となった。打ち上げだけでなく、TiSpaceは国外でさらなる事業の展開を始める可能性さえある。オーストラリア向けに発行されたプレスリリースによると、同社は「ロケットシステム一式の製造」を現地で行うことも検討しているという。

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ブランソン氏のヴァージン・オービットが約3513億円の評価額でSPAC上場へ、合併後はNASDAQで取引
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画像クレジット:Australian Space Agency

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ブランソン氏のヴァージン・オービットが約3513億円の評価額でSPAC上場へ、合併後はNASDAQで取引

Virgin Orbit(ヴァージン・オービット)は、特別目的買収会社(SPAC)との合併により株式を公開する予定であることを発表した。この取引により合併後の企業価値は32億ドル(約3513億円)となり、Virgin Orbitは1億ドル(約110億円)のPIPE(上場企業の私募増資)を含む4億8300万ドル(約530億円)の現金残高を得ることになる。この取引が完了した場合、合併後の会社はNASDAQで「VORB」のティッカーシンボルで取引される。

このような取引が計画されていることは、CNBCが2021年6月に報じていた。最近では、SPACは民間宇宙ベンチャー企業のイグジットオプションとしてポピュラーな選択肢となっている。例えば、Rocket LabのSPAC合併は承認されたばかりで、8月25日に取引が開始される。Richard Branson(リチャード・ブランソン)氏のもう1つの宇宙企業であるVirgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)は、ブームの先駆けとなった最初の大きなSPAC取引だった。

Virgin Galacticは人を軌道下飛行で宇宙に連れて行くことにフォーカスし、Virgin Orbitは同様の技術で小型衛星のペイロードを地球低軌道に運ぶことに重点を置いている。かつてこれら2社は1つの会社だったが、それぞれの市場により焦点を当てるために2つに分かれた。Virgin GalacticとVirgin Orbitは2021年、両社とも大きな進展を遂げ、Galacticでは初のフルクルー宇宙飛行、Orbitでは初の商業衛星ペイロード輸送ミッションなど、画期的なフライトを達成した。

関連記事:ヴァージン・オービットが初の商業ペイロード輸送の打ち上げに成功

Virgin Orbitは、特別仕様に改造したボーイング747旅客機の主翼からLauncherOneロケットを打ち上げており、このロケットは打ち上げシステム全体の第1段として完全に再利用可能だ。また、VOX Spaceという子会社を持っており、そちらは国家安全保障関連の打上げサービスを提供している。

Virgin Orbitが合併するブランクチェックカンパニーNextGen Acquisition Corp. IIはGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)の元パートナーが率いており、合併が成立した際には、信託財産から最大3億8300万ドル(約420億円)の現金を提供する予定だ。

画像クレジット:Virgin Orbit

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Aya Nakazato)

ブランソン氏のヴァージン・オービットが約3513億円の評価額でSPAC上場へ、合併後はNASDAQで取引

Virgin Orbit(ヴァージン・オービット)は、特別目的買収会社(SPAC)との合併により株式を公開する予定であることを発表した。この取引により合併後の企業価値は32億ドル(約3513億円)となり、Virgin Orbitは1億ドル(約110億円)のPIPE(上場企業の私募増資)を含む4億8300万ドル(約530億円)の現金残高を得ることになる。この取引が完了した場合、合併後の会社はNASDAQで「VORB」のティッカーシンボルで取引される。

このような取引が計画されていることは、CNBCが2021年6月に報じていた。最近では、SPACは民間宇宙ベンチャー企業のイグジットオプションとしてポピュラーな選択肢となっている。例えば、Rocket LabのSPAC合併は承認されたばかりで、8月25日に取引が開始される。Richard Branson(リチャード・ブランソン)氏のもう1つの宇宙企業であるVirgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)は、ブームの先駆けとなった最初の大きなSPAC取引だった。

Virgin Galacticは人を軌道下飛行で宇宙に連れて行くことにフォーカスし、Virgin Orbitは同様の技術で小型衛星のペイロードを地球低軌道に運ぶことに重点を置いている。かつてこれら2社は1つの会社だったが、それぞれの市場により焦点を当てるために2つに分かれた。Virgin GalacticとVirgin Orbitは2021年、両社とも大きな進展を遂げ、Galacticでは初のフルクルー宇宙飛行、Orbitでは初の商業衛星ペイロード輸送ミッションなど、画期的なフライトを達成した。

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Virgin Orbitが合併するブランクチェックカンパニーNextGen Acquisition Corp. IIはGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)の元パートナーが率いており、合併が成立した際には、信託財産から最大3億8300万ドル(約420億円)の現金を提供する予定だ。

画像クレジット:Virgin Orbit

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Aya Nakazato)

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Virgin Orbit(ヴァージン・オービット)は、特別目的買収会社(SPAC)との合併により株式を公開する予定であることを発表した。この取引により合併後の企業価値は32億ドル(約3513億円)となり、Virgin Orbitは1億ドル(約110億円)のPIPE(上場企業の私募増資)を含む4億8300万ドル(約530億円)の現金残高を得ることになる。この取引が完了した場合、合併後の会社はNASDAQで「VORB」のティッカーシンボルで取引される。

このような取引が計画されていることは、CNBCが2021年6月に報じていた。最近では、SPACは民間宇宙ベンチャー企業のイグジットオプションとしてポピュラーな選択肢となっている。例えば、Rocket LabのSPAC合併は承認されたばかりで、8月25日に取引が開始される。Richard Branson(リチャード・ブランソン)氏のもう1つの宇宙企業であるVirgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)は、ブームの先駆けとなった最初の大きなSPAC取引だった。

Virgin Galacticは人を軌道下飛行で宇宙に連れて行くことにフォーカスし、Virgin Orbitは同様の技術で小型衛星のペイロードを地球低軌道に運ぶことに重点を置いている。かつてこれら2社は1つの会社だったが、それぞれの市場により焦点を当てるために2つに分かれた。Virgin GalacticとVirgin Orbitは2021年、両社とも大きな進展を遂げ、Galacticでは初のフルクルー宇宙飛行、Orbitでは初の商業衛星ペイロード輸送ミッションなど、画期的なフライトを達成した。

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Virgin Orbitが合併するブランクチェックカンパニーNextGen Acquisition Corp. IIはGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)の元パートナーが率いており、合併が成立した際には、信託財産から最大3億8300万ドル(約420億円)の現金を提供する予定だ。

画像クレジット:Virgin Orbit

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Aya Nakazato)

ロケット企業Astra初の商業軌道打ち上げに米規制当局がゴーサイン、8月末にデモミッション

ロケット打ち上げ企業のAstra(アストラ)は、米国航空局(FAA)から重要なライセンスを取得し、2021年8月末に予定されている同社初の商業軌道打ち上げにゴーサインが出た。

AstraのChris Kemp(クリス・ケンプ)CEOはこのニュースを米国時間8月19日にツイートし、FAAからの打ち上げオペレーターライセンスは2026年まで有効であると付け加えた。同社の広報担当者がTechCrunchに語ったところによると、この新しいライセンスは、同社が以前に取得した打ち上げライセンスを変更したもので、同社の現行バージョンのロケットに適用されるという。

FAAのウェブサイトに掲載された同ライセンスは、Astraがアラスカ州コディアックのPacific Spaceport Complex(PSCA、旧Kodiak Launch Complex / コディアック打上げ基地)にある同社の発射台から、Rocket v3の飛行を行うことを許可するものだ。期限は2026年3月9日まで。これにより、Astraは現地時間8月27日に米国宇宙軍のためにデモンストレーションミッションを実施することが可能になり、2021年後半に予定されている2回目の打ち上げにも道が開かれた。

2021年は、Astraにとって躍進の年になりそうだ。8月27日に初の商業軌道打ち上げを行うだけでなく、同社はNASDAQでティッカーシンボル「ASTR」での取引を開始した。同社は、特別目的買収会社(SPAC)であるHolicityと、プロフォーマの企業価値21億ドル(約2305億円)で合併し上場した。

2021年の夏の初めには、Astraは宇宙空間推進システム企業のApollo Fusionを買収した。電気推進システムは物体を低軌道から高軌道に移動させるのに有効であるため、この買収は、Astraが将来の打ち上げについてどのように考えているかを示すヒントとなるかもしれない。

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画像クレジット:Astra / John Kraus

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Aya Nakazato)

ロケット企業のAstraが初の商業軌道打ち上げを8月27日から9月11日の間に行うと発表

ロケット打ち上げスタートアップ企業のAstra(アストラ)が行った最後のテスト打ち上げは予想以上にうまくいき、軌道速度にあと一歩で達するところだったが、これは特定のミッションのためのストレッチゴールのようなものだ。同社は当時、軌道に到達するためにはソフトウェアを調整するだけでよいと述べていたが、それを証明する機会はいつ到来するのかが判明した。Astraは米国時間8月5日、米国宇宙軍のためのデモンストレーション・ミッションである、初の商業軌道打ち上げのローンチウィンドウが、8月27日より始まることを明らかにした。

Astraが米国宇宙軍と結んでいる契約には、2021年後半に予定されている2回目の打ち上げも含まれているが、その正確なスケジュールはまだ確定していない。

Astraのロケットが宇宙軍のために運ぶペイロードは、同局のSpace Test Program(宇宙テストプログラム)のために飛ばすテスト宇宙機になる。打ち上げは、これまでもテストミッションを行ってきたアラスカ州のコディアックにあるAstraの宇宙港から行われる予定だ。

ローンチウィンドウは、米国太平洋夏時間の8月27日午後1時から始まるが、9月11日まで継続されるため、天候などの条件を考慮した上、この期間内で打ち上げ時間が変更になる可能性もある。

2021年7月1日にSPAC(特別買収目的会社)との合併により上場企業となったAstraは、カリフォルニア州アラメダにある工場でロケットを製造している。この打ち上げプロバイダがターゲットとしているのは、同社の規模と同様、安価で、大量の、質量が小さな打ち上げであり、SpaceX(スペースX)よりも柔軟なサービスを提供し、Rocket Lab(ロケットラボ)に比べてコスト面で優位性がある。

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カテゴリー:宇宙
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画像クレジット:Astra / John Kraus

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ネットフリックスが「SpaceX」のオール民間人宇宙飛行ミッション「Inspiration4」のドキュメンタリーを9月配信

ネットフリックスが「SpaceX」のオール民間人宇宙飛行ミッション「Inspiration4」のドキュメンタリーを9月配信

Netflix

Netflixは、SpaceXが計画する、民間人だけで構成されたクルーによる初めての有人宇宙飛行ミッション「Inspiration4」をドキュメンタリー・シリーズとして配信すると発表しました。『Countdown: Inspiration4 Mission to Space』は5話構成となり、最初の2エピソードが9月6日に配信されます。

Netflixはこれまでもいろいろなドキュメンタリーを製作していますが『Countdown: Inspiration4~』は、現在進行している出来事をほぼリアルタイムで追いかける格好になることから、制作側にはチャレンジングな番組になりそうです。

9月6日配信の2エピソードでは、船長の役を担うパイロットでオンライン決済企業Shift4 PaymentsのCEOでもあるジャレッド・アイザックソン氏をはじめとするクルー達の訓練の様子を追ったものとなる一方、最終回は長編エピソードとなり、離陸から帰還までを宇宙船Crew Dragon内の映像も盛り込んで振り返る構成になるとのこと。Inspiration4ミッションの打ち上げ予定日は9月15日ですが、様々な理由で打ち上げが延期になる可能性があります。そのため、フライトの様子を含む最終エピソードの配信日もNetflixは9月下旬とだけ記しています。

なお、このドキュメンタリーは監督のJason Hehir氏をはじめESPNで『The Last Dance Michael Jordan』を制作したチームが携わっています。またNetflixはInspiration4のクルーをフィーチャーした子ども向け単発番組『A StoryBots Space Adventure』も制作します。この番組では子ども達からの質問にクルーが答え、宇宙飛行とはなんぞやといったところを子ども達に指南するとのこと。配信日は打ち上げ予定日の前日、9月14日。

(Source:Hollywood ReporterEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:宇宙
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Netflix / ネットフリックス(企業・サービス)民間宇宙飛行(用語)

ヴァージン・ギャラクティックのマイク・モーゼス社長が語る、成長を続ける同社の次なる展開

先にVirgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)初となる無料乗客が創業者兼CEOのRichard Branson(リチャード・ブランソン)氏とともに宇宙へと飛び立った。打ち上げの後、筆者は同社社長のMike Moses(マイク・モーゼス)氏に話を聞く機会を得た。同氏は今回のオペレーションについて、またテスト飛行から商業飛行への移行計画についてまで細部にわたって精通している人物である。

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不運なことに筆者のレコーダーが故障してしまったのだが、モーゼス氏は週明けに電話での対談を快く引き受けてくれ、次世代のスペースプレーンや同社が投資すべき分野などについて、再び話をしてくれた。以下にその内容をご紹介したい(このインタビューはわかりやすくするために編集されている)。

TC:まず初めに、テストフライト段階で今後まだ何を検証すべきなのか、そしていつ頃テストフライト段階が完了する予定かについて教えていただけますか?

モーゼス氏:現在私たちが行っている一連のテストフライトは、リチャードが乗ったフライトがその第一回となりましたが、空力特性や軌道、ハンドリングの質の調査などの従来の安全運航範囲テストから、機内での体験やトレーニング手順、後部座席の人々のためのハードウェアや彼らの体験を検証するという、より運用面を重視した点検へとシフトされたものです。

そのため製品の主要なマイルストーンや機能を実証するとともに、機内での体験を繰り返し向上させて最適化するため、具体的には3回のフライトを予定しています。ただし当然、これはあくまでも概念的な予定であり、スケジュールや数字は結果次第で変わります。うまくいけば3回のフライトで済むと思いますが、もしさらに調整が必要なら、学びに基づき必要に応じて追加していくことになるでしょう。

リチャードとクルーが前回のフライトから戻ってきた後に得られた結果によると、課題はいくつかあることがわかったものの、すべてはほぼ満足のいくものでした。

2021年の夏から夏の終わりにかけてこの一連のフライトを行う予定です。その後、前回の決算説明会で発表したように「改造段階」に移行して母船とスペースシップのアップグレードを行い、商用サービスに備えていく予定です。ここでの主な目的は、飛行頻度を向上させるための検証を行うことです。現時点のテストではすべてにおいて慎重になっているため、かなりゆっくりとしたペースで飛行しています [ここでいうペースとは速度ではなく、頻度のことである]。今後はそれを解消していきたいと考えており、そのためにはいくつかの変更が必要になります。改善点も把握しているものの、テストフライトを正式に終了する時期については、具体的には決めていません。

TC:スペースポートでお話しした際、クルーからはまだ正式な体験報告を受けていないとおっしゃいました。今ならリチャードやシリハ、そして実際に行った全員からのコメントについてもう少し情報があるのではないかと期待しているのですが、何か具体的なフィードバックはあったのでしょうか?

モーゼス氏:現在、まさにフィードバックや報告を受けている最中です。ご想像の通り、確認しなければならないデータが山積みです。そういったデータの中には機内に設置した16台のビデオカメラを同期させて、どこで何が起こっているかを確認し、ライブノートやフィードバック、それにともなうオーディオトラックと組み合わせるといった簡単なものもあります。確実に情報を集めていますが、現時点で公開できるようなリストはありません。みなさんには随時お知らせしていきたいと思います。

着陸後の同日も後日も、大まかな感想は「すべては最高だった」でしたね。これは科学的な答えではないですし、科学的な答えが必要なので、報告作業を進めさせるつもりです。

画像クレジット:Virgin Galactic

TC:「改造段階」について触れられていましたが、Unityはいわばプロダクションプロトタイプですね。最初の製品ラインとして、何か特別な維持管理があるのかどうか教えてください。

モーゼス氏:デザインや構造上、特別な手入れが必要な部分はありません。しかしテスト機体として、また我々にとっての最初の製品としてこの機体には特別な注意を払っています。定期的な点検はもちろんのこと、問題が見つかった場合にはテストを行い、寒さや負荷、ストレスの中でシステムがどのように機能するかなど、未知の部分がないということを本当に把握できているかどうかを確認するため、常に目を光らせています。

一連の測定を行い、設計範囲に基づいて機体がどのように動作したかを確認します。そして、設計範囲の限界に近づいたらモデルや予測が正しいかどうかを検証するために追加の検査を行います。この点では、新しい航空機の開発で最初の試作品を作るときに、保守点検プログラムを構築するのとよく似ています。つまり極めて保守的なものです。そして使っていくうちに、ポジティブなフィードバックに基づいて、その保守性を引き出していくのです。

しかし全体的に見ると、たしかにUnityには特別な注意を払っています。そして次の機体には、その一部が反映されていることでしょう。「次の機体では、毎回じゃなくて5回に1度くらいしか見なくてもいいようにこれを変更しよう」というように、私たちはすでにたくさんのことを学んでいます。

TC:以前お話を伺ったときに、少なくとも論理的にはUnityには数百回のフライト数を期待しているとおっしゃっていたと思います。

モーゼス氏:そうですね、何百回かはフライトが可能だと思います。ある程度の寿命を想定して設計し、それに合わせてテストを行ってその後はいつでも延命措置を取ることができます。4万回ではなく1万回のサイクルを行い、1万回の寿命に近づいたら、また戻ってきて他のサイクルを行うというようなこともできます。そしてさらに追加する、という具合です。「崖から転げ落ちる」ような寿命を持つ部品はあまりありません。

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TC:後継機や量産機には改造がいくらか施されるとのことですが、些細なことから大きなことまで、どのような違いがあるのでしょうか?機体の重量がいつ分かるかなど、そういったことを教えてください。

モーゼス氏:すでに機体の重量は決まっており、基本的には工場での大規模な組み立てから地上試験へと移行するロールアウトも完了しています。全システムが設置されたのでこれから地上での統合テストが始まり、コンピュータシステムやフライトコントロールシステムの点検などを行います。まだ地上にいて、飛べる状態ではありませんが、私たちはその統合テストを行っているところです。

ImagineとInspireでは、構造を設計する際、皮膚の下にある骨組みとして考えるとその骨組みを最適化し、スパーにある肋骨を荷重が最もかかる場所に移動させました。UnityはScaled Composites(スケールド・コンポジッツ)の当初の設計意図に基づいて作られていますが、飛行試験の結果、荷重が正確には予想されない場所にかかることがあることがわかりました。その負荷を考慮したため、Unityではかなりの重量増になっています。ImagineとInspireでは構造を最適化し、然るべき場所に配置することができました。

例えばUnityでは、追加作業があったために毎回確認しなければならないジョイントがありますが、Imagineでは最初からあるべき場所に設計されています。それでも確認することはありますが、より簡単にアクセスでき、より短い時間で検査ができるようになりました。

画像クレジット:Virgin Galactic

こういったことにより検査スケジュールが最適化されます。他にも単純なことですが、Unityでは後から追加しなければならなかったアクセスパネルを、初めから必要な場所に設置することができました。そしてクイックリリースファスナーなど、検査時間を短縮するようなものをデザインに追加することもできました。どれも些細なことですが、このようにかなり多くの変更を行い、機体のメンテナンスのし易さに大きな影響を与えています。

そしてデルタクラスの宇宙船の話を以前にもしましたが、次の段階では製造性を高めるための変更を行います。UnityやInspire、Imagineは、いわば一点ものの手作りの宇宙船です。しかし年間400回の飛行を実現するために何十機もの宇宙船を作るとなると、より低価格で、より短い期間で製造できるようにしなければなりません。次の設計では、そのような要素を盛り込むことになるでしょう。

TC:実は私が伺いたかったことの1つなのですが、商業運航に必要な信頼性と定時性をどうやって確保するご予定でしょうか。当然、航空機の数を増やすこともその1つですが、地上でのオペレーションやクルーの数を増やしたり、メンテナンスを充実させたり、そういったことはどうなるのでしょうか。

モーゼス氏:その通りですね。効率性のために複数の機体が必要です。これにより例えば天候などの予期せぬ事態にも対応できるようになるでしょう。さらに労働力です。労働力が増えれば24時間365日体制になり、複数のエキスパートを抱えることができます。1台の機体に注力するクルー、2台目を専門にするクルーという具合に。

我々は少しずつ前進すれば良いと考えています。最初から高い飛行頻度を目指すのではなく、少しずつ多くしていけば良いのです。2022年のUnityの目的は、このような運用スケジュールを検討し、追加の宇宙船ができたときのために、どこに倍率をかけるかを考えることなのです。

このビジネスモデルはすばらしいものなのですが、今後数年はUnityが8便あろうが、10便、12便あろうがあまり変わりません。つまり収益という意味ではそれほど大きな変化がないのです。しかし、オペレーションを学ぶという意味では、これは我々にとって重要なステップであり、その道をどのように進むかについては慎重でありたいと考えています。

 米国モハベ、10月10日(編集使用のみ、テレビ放送のドキュメンタリーや書籍での使用は不可)。2010年10月10日、カリフォルニア州モハベ上空で、初の滑空飛行に成功したヴァージン・ギャラクティック製ビークルSpaceShipTwo。(画像クレジット:Mark Greenberg/Virgin Galactic/Getty Images)

TC:フライトプランをほぼそのままにしておく理由をもう一度教えてください。もしかしたら、後に6人が乗る改訂版では、プロフィールを少し変えなければならない可能性があるのではないでしょうか?

モーゼス氏:それはこのQ&Aの冒頭でお話しした、テスト段階から運用準備段階への移行の話と同様のことです。これに伴いプロフィールも確定しているのです。パイロットが飛行する軌道や使用する技術については、今後も最適化していきますが、大きな修正は行いません。これらはすべて物理学に基づいた結果です。対気速度、角度、到達高度、搭載重量など、すべてが固定された変数であり、この方程式を変えることはできません。

Imagineに搭載される容量が増えることで、明確な軌道の変化はあるでしょうし、それによって若干異なる性能を持つことでしょう。そういった場合はその範囲を検証するということになります。しかしほとんどの場合、簡単に言えば物理学的な方程式によってできることが決まっているので、最初は4人の乗客を運ぶことしかできません。これを変更することもできますし、船内の軽量化も検討する予定ですが、やはり長期的に使用できる機体を建造したいと考えています。

TC:質問はこれですべてです。お時間をいただき本当にありがとうございました。

先に行われたヴァージン・ギャラクティックの打ち上げの様子はここからご覧いただける。

カテゴリー:宇宙
タグ:Virgin Galacticインタビュー民間宇宙飛行

画像クレジット:Virgin Galactic

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Dragonfly)

ブルーオリジン初の有人宇宙飛行後、ベゾス氏とクルーが記者会見「より重大なミッションの練習」

Amazon(アマゾン)の創業者Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏は、2000年にBlue Origin(ブルーオリジン)を設立してから21年目にして初の有人宇宙飛行を達成した後の記者会見で、意気揚々と勝ち誇った様子だった。億万長者の同氏は、会社の将来と自分の役割について語り、さりげなく数億ドル(数百億円)を寄付した。

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ベゾス氏は、New Shepard(ニューシェパード)の「RSS First Step(RSSファーストステップ)」カプセルに搭乗した4人のうちの1人で、他には資本家である彼の兄のMark(マーク)氏、航空界の伝説で「マーキュリー13」パイロットの1人である82歳のWally Funk(ウォーリー・ファンク)氏、そしてBlue Originの座席オークションで2番目に高額な落札者だった人物の息子である18歳のOliver Daemen(オリバー・デーメン)氏が搭乗した(最高額の2800万ドル / 約31億円を入札した落札者は、スケジュールの都合で参加を延期した)。

Blue Originはこれで、民間人を宇宙に送り出したごく少数の企業の仲間入りを果たし、まだ始まったばかりの宇宙旅行産業にとっては最大の追い風となった。米国時間7月20日はアポロ11号の月面着陸から52周年にあたり、宇宙旅行の次のステップとして最初の有人宇宙飛行に敬意を表している。

記者会見の冒頭で4人は、宇宙に行った人に与えられる伝統的なバッジである宇宙飛行士の「翼」をつけてもらい、にこやかな表情を浮かべていた。記者会見でベゾス氏は、カプセルから出てきたときと同じクリーム色のカウボーイハットをかぶり「とてもうれしいです」と語った。

ベゾス氏はそして、テキサス州ヴァンホーン市に感謝し、Blue Originが同市に「へこみ」を作ったことを認め(「made a dent」が「効果、影響を与えた」という意味であることからのおやじギャグ)、続いて、Amazonの全従業員と何百万人もの顧客に感謝した。「まじめな話、この費用を支払ったのはあなた方です」。

また、4人のクルーが4分間の無重力状態ではしゃぎ回っている様子を簡単に紹介し、その中には宙に浮いているSkittles(スキットルズ)キャンディーを口でキャッチしているクルーの映像も含まれていた。

民間人のみが搭乗する弾道飛行ミッションは2021年7月だけで2回目となり、これは史上初のことだ。1回目は、7月11日にVirgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)の弾道ロケット搭載スペースプレーン「VSS Unity(VSSユニティ)」が達成したミッションで、創業者である大富豪のRichard Branson(リチャード・ブランソン)氏が搭乗したことで、2人の超富裕層の創業者の間で実に狭量な論争が勃発した。それはさておき、この2回のフライトによって、商業宇宙旅行はこれまで以上に現実味を帯びてきた。

今回のフライトは、Blue Originの商業用重量物運搬ロケット打ち上げ部門にとっても追い風となるだろう。その分野は、今のところElon Musk(イーロン・マスク)氏が率いるSpaceX(スペースX)が中心となっている。New Shepardの再利用性を完成させるために使われる同じ技術が、同社の大型軌道打ち上げロケットであるNew Glenn(ニューグレン)の開発に役立つかもしれない。ベゾス氏は2021年2月、同社がNew Glennの初号機打ち上げを2021年後半から2022年後半の四半期に延期すると述べた。

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画像クレジット:Blue Origin / YouTube

ベゾス氏はこう語った。「実際のところ、私たちが選んだ構造と技術は、宇宙旅行にはまったく過剰なものでした」。それよりも、Blue Originがそれらを選んだのは「スケールできるから【略】、より大きく重いミッションのための練習」だったという。

Blue Originが液体燃料を選んだ理由について、同氏は「将来の打ち上げのための練習」と繰り返した。「このスペースツーリズムミッションを飛ばすたびに、New Glennの第2段を飛ばす練習になります」とも。

2020年12月、NASAはLaunch Services IIプログラムで契約を競うことができる宇宙企業のリストにBlue Originを加えた。New Glennやその他のBlue Originのロケットが打ち上げ契約を獲得することを保証するものではないが、そのための第一歩となる。

ベゾス氏は、Blue Originが2021年だけでさらに2回の有人打上げを行うことを確認したが、1座席あたりの価格についてはまだ発表していない。「当社は、ケイデンスを非常に高くしていきたいと考えています。【略】すでにプライベートセールスは1億ドル(約110億円)に近づいています」。1座席あたりの価格を下げるにはどうすればよいかという質問に対して、同氏は、スペースツーリズム産業は、現在では毎年何百万人もの旅行者に広く利用されている民間航空旅行のような軌跡をたどるだろうと述べた。

会見の最後にベゾス氏は、1人につき1億ドル(約110億円)の「Courage and Civility Award(勇気とシビリティ賞)」を始めることを発表し、CNNのコントリビューターであるVan Jone(ヴァン・ジョーンズ)氏とミシュラン星獲得シェフであるJosé André(ホセ・アンドレス)氏が最初の2人の受賞者に選ばれた(アンドレス氏の設立した慈善団体は、パンデミック中2500万食を必要としていた人々に提供した)。受賞者はそのお金を自分の選んだ慈善団体に寄付できる。この賞は、礼節を重んじ、個人攻撃を拒む人に贈られるらしい。行間を読むと(正直、そんなことをする必要もないのだが)、現代の政治的議論、特に意見の相違における礼節の重視についてのコメントのように思える。

ベゾス氏はこれからはBlue Originと、気候変動に焦点を当てた100億ドル(約1兆1000億円)規模の投資ファンドであるBezos Earth Fund(ベゾス・アースファンド)の両方に時間を割くと述べている。

「これは地球を脱出しようという話ではありません。肝心なのは、太陽系の中で良い惑星はこの惑星しかないということです」と同氏。「私たちはそれを大切にしなければなりません」。

記者会見の模様はこちらからご覧いただける。

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Aya Nakazato)

Blue Origin初の有人飛行成功、ベゾス氏ら4人が宇宙を体験

Blue Origin(ブルーオリジン)は米国7月20日、同社創業者のJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏を含む4人を宇宙に送るという初の有人飛行を成功させた。何十億ドル(何千億円)という投資、何十回というテスト打ち上げ、超大富豪の創業者間でのささいな喧嘩の結果、今月、2021年7月初めのVirgin Galacticの打ち上げ成功とともにNew Shepardの偉業は間違いなく宇宙旅行の新時代の幕開けを告げている。

かなり報道映えするものだった。ミッションは、テキサス州の小さな町バンホーンから30マイル(約48km)北にあるBlue Originの広大で秘密の施設であるLaunch Site Oneで実行された。打ち上げに先立ち、このイベントのためにやってきた見物客でバンホーンとその周辺の町のすべてのホテルは数日前から満室となった。その一方で、大勢の地元民や米国民、そしてオンライン視聴者(あなたも含め)が米国中部標準時間午前2時半からプレスサイトに群がった。早朝は雨が降るとの予報にもかかわらず、天候は晴れで、万事ほぼ順調に進んだ。

ベゾス氏、同氏の弟マーク氏、18歳の学生Oliver Daemen(オリバー・デーメン)氏、そして航空パイオニアでMercury 13のベテランであるWally Funk(ウォリー・ファンク)氏の4人のクルーはトレーニングセンターから登場し、Rivianの電動SUVであるR1Sで打ち上げ45分前に打ち上げパッドに到着した(ベゾス氏は前回のテストの後に着陸サイトまでRivianのR1Tピックアップトラックを運転した。AmazonはRivianにかなりの額を投資している)。4人のクルーは打ち上げタワーに上り、RSS First Stepと命名されたカプセルに乗り込む前に隣接するシェルターで短い休息をとった。

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打ち上げ15分前でしばし停止があり、これにより打ち上げは予定より若干ずれ込んだ。New Shepardは米国中部標準時間午前8時11分に離陸した。カーマン・ライン(地球の大気圏と宇宙空間との境目)を8時15分に通過し、その後カプセルは分離された。ブースターは同午前8時19分に自動で帰還し、大きな音ともに打ち上げサイトに着陸した。クルーが乗り込んだカプセルはパラシュートを使ってゆっくりと地球に戻り、同午前8時22分に着陸した。飛行時間は11分だった。

画像クレジット:Blue Origin

飛行は、4月に行われたリハーサル打ち上げを含む、再利用可能なNew Shepardロケットでの15回にわたるテストに続くものだ。4月のリハーサルでは飛行準備とカプセルへのクルー乗船(そして打ち上げ前に下船した)の予行演習も行われた。Blue Originはいま、民間搭乗者を軌道へと送る極めて少数の商業宇宙企業の1社として、ライバルのVirgin Galacticの仲間入りを果たした。

デーメン氏は、オークションにかけられた初の有人フライトの座席を2800万ドル(約31億円)で獲得した匿名の落札者がスケジュールの都合により搭乗を辞退しなければならなくなった後に搭乗メンバーに加わった。オランダのプライベートエクイティファームSomerset Capital PartnersのCEOであるデーメン氏の父親が2番目に高い額をオークションで提示したとCNBCは報じた。宇宙旅行者として、18歳のデーメン氏は史上最年少、82歳のファンク氏は史上最高齢だ。

有人宇宙飛行までの歴史

ベゾス氏はeコマース大企業Amazonの事業開始から6年後の2000年にBlue Originを創業した。Blue Originは宇宙旅行に注力し、同社は今回のフライトを顧客を宇宙へと運ぶのに必要な概念実証ととらえている。そのために、New Shepardカプセルには観光に適した大きな窓がある。同社によると、これは宇宙飛行史上、最大の窓だ。「これらの窓はカプセルの3分の1を覆っていて、広大な宇宙と人生が変わるような我々の青い地球の眺めに浸ることができます」とBlue Originのウェブサイトには書かれている。

打ち上げはまた、ベゾス氏と、同氏の宇宙飛行ライバルである富豪Richard Branson(リチャード・ブランソン)氏との間で数週間にわたって繰り広げられた小競り合いの集大成でもある。ブランソン氏は10日前に宇宙へと飛んだ。しかし表向きはパンチでベゾス氏を負かしたにもかかわらず、両氏の戦いは実際のところ、ブランソン氏のフライトを宇宙飛行としてカウントするかどうか、Virgin Galacticのロケットで飛ぶ宇宙飛行機VSS Unityが実際に宇宙に到達したかどうかをめぐってのものだった。

画像クレジット:Blue Origin

この騒動はカーマン・ラインとして知られるものをめぐってだ。カーマン・ラインは国際的に、地球の約60マイル(約96km)上空の宇宙との架空の境界として認識されている。VSS UnityはNASAに認識されている境界を超えて約51.4マイル(約82km)まで飛んだ。「初めからNew Shepardはカーマン・ラインを超えて飛ぶようにデザインされていましたので、当社の宇宙飛行士は名前の横にアスタリスクの記号がつくことはありません」とBlue OriginはVirgin打ち上げの2日前にツイートした。このツイートにはまた、Virginのフライトにさらにケチをつけるインフォグラフィックも含まれた。

Blue Originにとって今回のフライトは始まりに過ぎない。宇宙飛行販売担当ディレクターのAriane Cornell(アリアン・コーネル)氏は7月18日にあったミッション前ブリーフィングで「今後行われる打ち上げに申し込んでいる(同社の)未来の顧客の多くと連絡を取っている」と話した。同社は2021年さらに2つの飛行を実施する意向であり、CEOのBob Smith(ボブ・スミス)氏は2回目のNew Shepard有人飛行が9月か10月に実施されると想定している、とコーネル氏は付け加えた。

我々にとって(銀行口座に数百万ドルという遊んでいる金を持たない人にとって)これは何を意味するのだろうか。いわゆる億万長者の宇宙レースはつまらない喧嘩だが、Blue OriginそしてVirgin Galacticの打ち上げは消費者や科学者などにとって宇宙旅行新時代の幕開けとなる。当面は富裕層に限定されるだろうが、TechCrunchのAlex Wilhelm記者が主張するように、今後費用は下がり、科学者や研究者、そしてもしかすると筆者やあなたも含め、多くの人が宇宙に行くようになるかもしれない。

もしあなたがBlue Originの打ち上げを見逃したのなら、こちらのアーカイブ化されたライブストリームで打ち上げの一部始終を閲覧できる。

カテゴリー:宇宙
タグ:Blue Originジェフ・ベゾス有人宇宙飛行民間宇宙飛行New Shepard

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

Axiom Spaceの民間宇宙ステーション加圧モジュール開発は仏伊Thales Alenia Spaceが担当

ヒューストンに本社を置くAxiom Space(アクシオム・スペース)は、世界初の民間商業宇宙ステーションを建設・運営するという野心的なプロジェクトを進めており、その詳細が明らかになりつつある。

Axiom宇宙ステーションの2つの与圧モジュールの開発は、欧州の航空宇宙メーカーであるThales Alenia Space(タレス・アレーニア・スペース)が担当する。2024年と2025年に打ち上げられる予定のこれら2つの要素は、国際宇宙ステーション(ISS)にドッキングした後、最終的には切り離され、完全に独立した商業ステーションとして運用される。

両社は、1億1000万ユーロ(約143億円)の最終契約を締結したと米国時間7月15日に発表した。各モジュールには4人の宇宙飛行士が搭乗できる。また、Thales Aleniaは、各モジュールの微小隕石・デブリシールドシステムの設計も担当する。

Thales Aleniaによると、このモジュールはまだ設計段階にあるという。同社は最近、イタリアのトリノにある施設で、第1モジュールの4つの放射状バルクヘッドの開発を完了した。これらの隔壁が連結されると、シリンダーが形成される。その構造は、共通のバースメカニズム、ISSに接続するモジュールの部品、ハッチなどに取り付けられる。

画像クレジット:Thales Alenia Space

これら2つのモジュールの道のりは長い。フランスのThales Group(タレス・グループ)とイタリアのコングロマリット、Leonardo(レオナルド)の合弁会社であるThales Aleniaがまず、2021年9月から2022年にかけて第1モジュールの溶接を開始する。そのモジュールは、2023年7月にAxiomのテキサス州の施設に送られ、その後Axiomが基幹システムを統合し、2024年の打ち上げに向けて準備を進める。

NASAは、2020年1月にISSの最初の商用居住モジュールの建設をAxiomに依頼した。ISSが退役した後、Axiomのステーションは切り離され、将来のミッションや科学実験のための商業拠点として機能する。これは、急成長する地球低軌道経済の成長と、他の民間軌道ラボや商業施設の構築を促進するNASAの計画の主要な部分だ。

Axiomは、2022年1月に予定されているISSへの初の完全民間ミッションの運用も行う。Axiom Mission 1では、4人の民間宇宙飛行士をSpaceX(スペースX)のCrew Dragon(クルー・ドラゴン)ロケットに搭乗させ、8日間のミッションで宇宙に送り出す予定だ。

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カテゴリー:宇宙
タグ:Axiom Space国際宇宙ステーション民間宇宙飛行

画像クレジット:Thales Alenia Space

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Aya Nakazato)

ブルー・オリジン初有人宇宙飛行の最後の乗客は史上最年少18歳

7月20日に打ち上げられるBlue Origin(ブルーオリジン)の初の有人宇宙飛行の最後の座席を誰が獲得するのかという謎が解けた。同社は米国時間7月15日、オークションで2800万ドル(約31億円)を払って搭乗権利を獲得した人物は、実際には2回目以降のミッションに参加し、初のフライトの残る座席には高校を卒業し、ユトレヒト大学に進学することになっている18歳のOliver Daemen(オリバー・デーメン)氏が座ると発表した。デーメンさんは宇宙へ行く史上最年少の人物となる。つまり今回の打ち上げでは史上最年少と史上最高齢の人物が乗り込む。

Blue Originは7月20日に初の有人フライトで同社の創業者Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏を宇宙へと送る。このフライトではベゾス氏の弟、そして82歳の航空宇宙のパイオニア、Wally Funk(ウォリー・ファンク)氏も乗せて準軌道まで飛び、テキサス州西部に帰還する前に数分間の無重力と壮大な眺めを体験する。

最後の座席は、ライブオンライン入札競争で最高潮に達した数段階のプロセスを経てオークションにかけられ、最終的にこの座席に支払われたのはなんと2800万ドルだった。この額は宇宙飛行船New Shepardの通常の商業フライトで提供される平均的な座席の価格をかなり上回っている。いまのところまだ匿名であるチケット落札者は「スケジュールの調整がつかない」ために最初の有人フライトを断った。チケットオークションによる売上は実際にはBlue Originの収入とはならず、STEM教育の推進に注力している非営利団体Club for the Futureに寄付される。

Blue OriginのNew Shepard打ち上げビークルは、旅行と研究の目的を含むサブオービタルの商業有人宇宙飛行のためのものだ。完全に再利用できるシステムはブースターと、クルーカプセルを含む上段ロケットから構成される。2015年に始まった一連の試験飛行を経て、商業化前の最後のデモンストレーションとして、いまBlue Originは初めて有人飛行する準備が整っている。

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カテゴリー:宇宙
タグ:Blue Originジェフ・ベゾス有人宇宙飛行民間宇宙飛行New Shepard

画像クレジット:Matthew Staver/Bloomberg / Getty Images

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(文:Darrell Etherington、翻訳:Nariko Mizoguchi

ヴァージン・ギャラクティックとブランソン氏は宇宙への乗客初打ち上げを祝う

Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)は、億万長者である創業者のRichard Branson(リチャード・ブランソン)氏を含む最初の乗客を宇宙に運ぶことに成功した。ニューメキシコ州のスペースポート・アメリカで開催されたイベントでは、ブランソン氏とクルーによる早朝のハリッドセットやヒーローウォークなどが行われ、報道関係者や従業員にとってちょっとした運動会となった。

「想像してみてくださいあらゆる年齢、あらゆるバックグラウンド、あらゆる性別、あらゆる民族の人々が宇宙に平等にアクセスできる世界を。新しい宇宙時代の幕開けにようこそ!」と着陸後、ブランソン氏は語る。

もちろん、この発言は時期尚早なものであり、そのような世界が訪れるのはまだ先のことだが、今回の打ち上げが、始まったばかりの宇宙旅行産業にとって歴史的な瞬間であることは間違いない。現在のところ、搭乗者はまだエリート階級となるが、この日の出来事は、その変化かつてないほど近づいていることを示している。

スペースポートへのシャトルは現地時間午前2時45分に、近くのラスクルーセスから出発したが、この日のイベントは遅れて始まった。一晩中、雷雨に見舞われたため、濡れてはいけない宇宙船を展開することができなかったのだ。

画像クレジット:Devin Coldewey / TechCrunch

やがて日が昇り、大勢の人々が集まってきた。VIP、従業員、地元の学生たち、そしてブランソン氏自身のゲストリスト(約150人と言われている)。Elon Musk(イーロン・マスク)氏も現れたが、おそらく宇宙飛行士仲間である億万長者から億万長者への個人的なお祝いのためだろう。

現地時間8時30分、VMS Eveのエンジンが始動した。VMS Eveは、ブランソン氏がヴァージン・ギャラクティックのBeth Moses(ベス・モーゼス)氏(2回目の飛行)、Sirisha Bandla(シリシャ・バンドラ)氏、そしてColin Bennett(コリン・ベネット)氏とともに宇宙の端まで乗るロケット動力の宇宙船VSS Unityを運ぶ「母船」だ。

VMS Eveが離陸(画像クレジット:Virgin Galactic)

VMS Eveは8時40分に車輪を上げて地上で待機し始め、約3万6000フィートまで上昇。VSS Unityは9時24分頃に切り離され、ロケットでの上昇を開始し、マッハ3に達した後、2分後には予定どおり、ピーク高度約28万2000フィート(約53マイル、約86km)に達した。

乗組員と乗客は1~2分間の微小重力を楽しみ、それを有効に活用したようだ。

画像クレジット:Virgin Galactic

ブランソン氏が予定していた空中でのスピーチは、信号が途切れ途切れになったために不可能となったが、機体自体はより信頼性が高く、9時38分に着陸した。

ブランソン氏は、Khalid(カリード)氏による短いコンサートに続いてステージに登場した。「暑いですね、すいません」と始まった話は、すぐに感動的なものになった。「子どもの頃からこの瞬間を夢見てきましたが、宇宙から見る地球の景色に対して何の準備もできませんでした。私たちは新たな宇宙時代の先頭に立っています」。

その後の記者会見では、ブランソン氏が小学生からの質問に答えたり、クルーが宇宙からの眺めや惑星を見たかどうかを説明した(パイロットが「降下中に振り払ったエイリアンを見ただけだ」というと、私が見た限り1人の子どもはそれを信じていた)。

宇宙への長い道のり

ヴァージン・ギャラクティック宇宙飛行システムに向かう同社のパイロットたち(画像クレジット:Virgin Galactic)

ヴァージン・ギャラクティックとブランソン氏にとって、これは長い間待ち望んでいた成功だ。同社は、宇宙旅行という野望を掲げて先行していましたが、2014年に行われたテストフライトでは墜落事故が発生し、パイロットの1人が亡くなっている。

しかし、ヴァージンのエンジニアとリーダーたちは、この事故を乗り越えて、より強力で優れた宇宙船開発し、当時まだ存命だったStephen Hawking(スティーブン・ホーキング)博士に「Unity(ユニティ)」と命名してもらっている(驚くなかれ、ホーキング博士はいつか乗ってみたいと思っていた)。

パイロットたちは何年にもわたってテスト飛行を繰り返し、徐々に出力を上げていき、2018年にはついに宇宙の端に触れることができた。ただし、大気が宇宙に放出される正確な高度が完全に合意されていないという点で、若干の論争がある。カルマン・ラインと呼ばれる仮想のラインを、海抜100kmとする専門家もいれば、50マイル(約80km)とする専門家もいる。

Unity 22は降下中にその「羽」を広げる(画像クレジット:Virgin Galactic)

ヴァージンは低い仮想ラインを使い、ライバルであるJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏のBlue Originは高い仮想ラインを使っている。これを受けて、ベゾス氏はヴァージンのフライトに陰口を叩き、顧客は宇宙への旅に「注意点」があることを望まないと述べた。以前、このことについて質問したとき、ヴァージン・ギャラクティックの担当者は、NASAや米空軍と同じ基準を使っていると述べた(パイロットは高度50マイルを飛行すると「宇宙飛行士の翼」を与えられる)。

カールマン博士の言い分はさておき、宇宙への乗客輸送競争は最近激化している。ベゾス氏は先日、7月22日にブルーオリジンのNew Shepardロケットが初の有人打ち上げに参加することを発表した。その際には、2800万ドル(約31億円)を支払った謎の乗客であるベゾス氏の弟と、1961年に宇宙飛行士になるための訓練を受けたが宇宙に行けなかった最初の女性の1人であるWally Funk(ウォリー・ファンク)氏も一緒に参加するという。

しかし、その後すぐにブランソン氏はその約1週間後前に行われるヴァージン初の乗客がいる打ち上げ(クルーとパイロットは何度も打ち上げられている)に搭乗することを発表し、ベゾス氏のパレードに雨を降らせた。

ブランソン氏は、自分とベゾス氏との競争を気さくに否定しているが(「我々はジェフの成功を願っている」と述べ、飛行前にベゾス氏が好意的なメッセージを送ってきたと付け加えた)、それが完全に真実だとは思えない。しかし、ブランソン氏が単に宇宙に行くだけではなく(彼は生涯の夢だったと言っている)、新興のライバルよりも先に宇宙に行くことに満足しているのは確かだろう。本人がどんなに否定しても、この物語は完全に打ち消すにはあまりにも魅力的なものだ。

現在、ヴァージン・ギャラクティックが進むべき方向は、明らかに有料の顧客に向けたものであり、そのために多くの顧客が登録されている。もちろん、彼らはみんな25万ドル(約2750万円)の余裕がありますが、あなたはそうではないかもしれない。そんなあなたのために、ブランソン氏は特別なオファーを用意た。ブランソン氏はOmazeと提携しており、選ばれた慈善団体に寄付をすると、抽選でヴァージン・ギャラクティックのフライトのチケット2枚が当たるというものだ。「ウィリー・ウォンカの帽子をかぶって、スペースポート・アメリカのガイドツアーをご案内します」とブランソン氏は付け加えた。

ブランソン氏は、寄付が続く限り、このイベントが継続的なものになることを期待している。これが、彼が頻繁に約束している、誰もが宇宙を利用できるようにするための答えなのかもしれない。

当日の様子は、以下のヴァージンギャラクティックのライブストリームで観ることができる。

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カテゴリー:宇宙
タグ:Virgin Galacticロケット民間宇宙飛行

画像クレジット:Virgin Galactic

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Katsuyuki Yasui)

無料で宇宙に招待、Virgin Galacticが宇宙旅行チケットが当たる懸賞を開催

無料で宇宙に招待、Virgin Galacticが宇宙旅行チケットが当たる懸賞を開催

Omaze/Virgin Galactic

創業者リチャード・ブランソン卿の宇宙旅行を無事に成功させたVirgin Galacticが、一般の人々にも同じ体験を提供すべく、SpaceShipTwoの商業宇宙飛行のチケットを無料で獲得できる懸賞を行うと発表しました。

これはVirgin GalacticとOmaze社の提携による企画。Omazeは商品や何らかの財産、著名人との何らかの体験などを懸賞として慈善団体への資金を集める企業。そのため今回のチケットも無料で応募することができるものの、宇宙旅行をもっと身近にするための慈善団体”Space for Humanity”への寄付をすれば応募口数を増やす(5ドルで50口、100ドルなら2千口)ことが可能になっています。

応募の〆切は9月1日(現地時間)までで、当選発表は9月29日。もし当選した場合は、通常なら約25万ドル(約2750万円)かかる宇宙へのチケットを無料で手にできる一方で、SpaceShipTwoに搭乗するために必要な訓練を受ける必要があるため、会社や学校を一定期間休む必要があります。なお、当選者には副賞として宇宙への発着場となるSpaceport Americaの見学ツアーもあります。

このキャンペーンはVirgin Galacticにとっては格好の宣伝材料になるはずです。さらにわれわれ庶民にとっても、お金か強運があれば宇宙へ行ける時代が唐突にやってきました。

(Source:OmazeEngadget日本版より転載)

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ヴァージン・ギャラクティック初の旅客機が宇宙へ離陸する様子をライブで観よう!グループ創設者ブランソン氏搭乗

Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)社は、7月11日朝に、最初の乗客を宇宙に送り出す予定だが、その一部始終をここで見ることができる。打ち上げは太平時間午前6時(日本時間7月11日午後22:00)に予定されており、1時間後にはストリーミングによる祝賀イベントも始まる。

今回の打ち上げは、ヴァージン・ギャラクティック初の宇宙船であるVSS Unity(VSSユニティ)にとって22回目の大気圏外への打ち上げとなる。前回同様、ユニティはVMS Eve(VNSイブ)の腹部に取り付けられてスペースポートを離れ、大気の最も厚い部分から上昇する。

ドロップしたUnityは、ロケットエンジンに点火し、宇宙とされる最低高度の80km地点に到達するまで、マッハ3に近い速度で到達する。エンジンが停止すると、パイロットと乗客は短時間の無重力状態になり、すばらしい景色を楽しむことができる。

その様子は、地上から、接続が良ければ船体からもライブ配信される。無事に帰還した際には、凱旋記者会見が行われ、Khalid(カリード)のライブ演奏も披露される。

筆者は現地にいるが、私が目にする光景は以下の公式ストリーム配信で見ることができる。

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タグ:Virgin Galacticロケット民間宇宙飛行

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Katsuyuki Yasui)