Google、レストランの検索結果ページから関連する食料品デリバリーの申し込みを可能に

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Googleの検索結果から、料理デリバリーのオーダーが直接行えるようになった。まず対応するのはアメリカ国内で、Seamless、Grubhub、Eat24、Delivery.com、BeyondMenu、およびMyPizza.comによる料理デリバリーを申し込むことができる。

利用者が、Googleにてレストランの情報を検索したとする。すると検索結果の中に「配達オーダー」(place an order)が表示されるようになるのだ。オーダーする場合には希望するデリバリーサービスを選ぶことになる。あとはそれぞれのサービスの画面にてオーダーを行う。

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ご存知かもしれないが、料理のデリバリーサービスは昨年、6億ドルものベンチャー資金を集めている。2012年に2500万ドルであったことを考えれば尋常ならざる成長であると言って良いだろう。ただし依然としてレストランに直接電話をしてオーダーするという人が多い様子だ。そのような中、Googleの検索結果に料理デリバリーサービスが表示されるようになることで、サービスの知名度も上がっていくことになるのだろう。サービスの市場拡大は「歴史の流れ」といってもよいほどに確実なことであり、そのような中で、Googleはサービスに関連したさまざまなデータを手に入れたいと動いているわけだ。

Googleが検索結果に表示しているSeamlessやGrubhubは、複数レストランのメニューを配達するサービスを手がけている。そうすると、他種類の食べ物を扱っていることで、食べたいものを検索する人の検索結果画面に、自社のデリバリーサービスが表示されることも多くなってくる。

検索結果ページでさまざまなデリバリーサービスを表示することで、Googleとしても人気のデリバリーサービスについての情報を集めることができるようになる。また、人気のメニューやレストランの情報もGoogleに集まってくることとなる。こうした情報は、GoogleにとってもEコマースサービスの展開などに役立つこととなるわけだ。

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(翻訳:Maeda, H

グリーンテクノロジの新しい女王はアグテック(AgTech)だ

[筆者:Rob Leclerc, Melissa Tilney ]

編集者注記: Rob LeclercとMelissa Tilneyはそれぞれ、農業とアグテック(AgTech)を対象とする投資のマーケットプレースAgFunderの、CEOとコミュニケーション担当のトップだ。

2013年の後期にMonsantoがClimate Corporationを約10億ドルで買収するまでは、農業におけるテクノロジとイノベーションに関心を向ける投資家はほとんどいなかった。わずか1年で状況は大きく変わった。翌2014年は農業テクノロジのNetscape的瞬間と呼ばれ、この部門が急に大ブレークした。昨年に関する公式非公式のさまざまなデータによると、農業全域にわたるテクノロジ関連(アグテック, AgTech)の投資事案は264件あり、それらが合計で23億600万ドルあまりの資金を受け取った。この額は、フィンテック(fintech, 金融関連テクノロジ)の21億ドルや、それまでのグリーンテックの女王であるクリーンテック(cleantech, 環境非汚染/浄化テクノロジ)の20億ドルよりも大きい。

なぜ急に?

CleanTech Groupのデータによると、アグテックへの投資は2013年まで比較的フラットだった。それまで農業技術のイノベーションといえば、バイオテクノロジーと種子の遺伝子工学に限られていた。どちらも、投資とイノベーションは農業部門と密接に結びついている選手たちに限定されていた。種子の遺伝子工学(seed genetics)と収量増大技術(crop inputs)以外のアグテックは、クリーンテックと結びついているものが多かった。

そして、2013年に変化が起きた。その年、 アグテックへの投資は75%伸び、119案件8億6000万ドルにのぼった。いくつかのデータから類推すると2014年は、前年比成長率が170%(3倍弱)となり、投資の活況は2015年にも続いている。

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2013年の相転移を起こした原動力は、三つのトレンドの相乗効果だ:

  1. マクロ経済の大きな変化により農業の需給バランスが崩れたこと
  2. 消費者の嗜好性が変わったこと
  3. 各種の新しいハードウェア技術の合流によりコンピュータの利用がデスクトップから解放され多変量ビッグデータの収集*が自動化されたこと〔*: 農地などからの〕

状況の激変

1920年代の農業の機械化と、1940-1960年代の緑の革命がもたらした新しい利益は、すでに使い尽くされてしまった。最近の10年間で主要作物の収量は、世界的な人口増と経済成長と、もろもろのグローバル化によって需要圧力が増しているにもかかわらず、減少傾向にある。

人口は各年7760万人ずつ増加しており、2050年には100億に達すると予想される。それと同時に、ミドルクラスは2030年までに倍増すると予想されている。収入が増えると食費支出が増え(エンゲルの法則)、動物性蛋白質をより多く食べる(1ポンドの牛肉に8ポンドの穀物を要する)。経済的に豊かな人びとが増え、食糧と燃料と繊維(衣料)の需要が増えると、専門家の予測では今後35年以内に農業生産、とくに穀物の生産量を今の倍にする必要がある

1990年代半ばからの中国の経済成長により、農業は需要が供給を上回るようになり、1999年以来、農業の成長率はテクノロジ以外の全産業中最高である。投資家や起業家たちもやっと、農業に注目するようになった。

農業部門の成長を支えている長期的なトレンドに加え、今では一般大衆が食糧の生産と流通や、農業が環境に与える影響について、よく知っているようになった。

農業は現在、排出される温室効果ガスの30%を作り出しているが、それは1990年以降75%増加している。そのため、農業には大きな改革が必要とされ、また多くの情報に接している消費者たちは、化学物質の使用量の少ない地元産の、持続可能な食べ物を求めている。農業のサプライチェーンは、そういう生産物を提供できるよう、進化する必要がある。このことは新世代のスタートアップのための機会を作り出し、彼らは大型農家にとっては小さすぎる新しい市場に、農業進出の足がかりを見つけている。

さらにまた、ハードウェアとソフトウェアの進歩も、この市場に対する機会を作り出している。安価で多様な構成の可能なモバイルデバイスと、それを支える電池や無線通信の技術が、テクノロジをオフィスのデスクトップから解放した。それと同時に、低価格で高度なハードウェアセンサが登場して、大きなデータ集合の集収を自動化している。

テクノロジのこのようなシフトと、ドローンやAI、衛星化地図、ロボット、物のインターネット(IoT)といったエキサイティングな技術により、今や農業が、多くのテクノロジにとって肥沃な市場になりつつある。中には、消費者や企業向けにはありえなかった応用技術が、農業に対してならある、というものもあるだろう。そういうテクノロジに着目している投資家たちは、確信ある投資の意思決定をできるために、農業についてもっとよく知る必要がある。

成長の潜在力

農業はヴァリューチェーンがとても長いので、その市場は垂直というよりむしろ水平だという説もある。ざっと数えただけでも農業には16種の業種分類(下位区分)があり、それらの中には‘バイオテクノロジー’や‘食品のeコマース’、‘各種電脳器具’などもある。そしてその16の中には、全アドテック市場の5%以上のシェアを持つ業種分類が10ある(下図)。それらのどの分野にも大きな成長の余地があり、たとえば今年すでに、5000万ドルを調達したドローンメーカーの3D Roboticsや9500万ドルを獲得した小型衛星企業Planet Labsはどちらも、初期の重要な市場機会として農業を挙げている。

フードテック企業のSoylentは評価額1億ドルで2000万ドルを調達し、植物の性質を変えるArcadia BioSciencesは最近、8600万ドルのIPOを申請した。そして、まだ起業したばかりのFlowHiveが、まるで起死回生とばかりに、「蜂蜜自動採集巣箱」のためにIndiegogoで680万ドルあまりを集め、クラウドファンディングのトップテンに入った。


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資本は、アグテックというお店の前の道路に行列を作っている。2015Q1には、Finistere VenturesとMaumee Venturesがともに、アグテックファンドを立ち上げた。また、アグに注力しているPaine & Partnersは8億9300万ドルのプライベート・エクイティ・ファンドを発表し、その一部はアグテックへの投資に行く。投資家は、大麻にも注目している。Snoop Doggは2500万ドルのファンドを発表し、Founders FundはPrivateer Holdingsに7500万ドルを投資した。後者(PH)は、マリファナのYelpと呼ばれるLeafyに投資している。

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今年はイグジットもあった。精密栽培のFarmers EdgeはKleiner PerkinsからシリーズBの資金を調達した直後に、GranDuke Geomaticsの買収を発表した。Farmers EdgeはClimate Corporationのやり方に倣ったようで、後者は2014年にSolum、YieldPop、640 Labsなどを買収している。高成長をねらっているVCの投資は、古参のアグ大手にとってプレッシャーになるだろう。古参の連中は買収に関しては保守的で、起業家精神やイノベーションのための強力な環境を育てていない。

大胆不敵な大志大望

この前のクリーンテックのときもそうだったが、アグテック企業もその多くが大穴狙いのでっかい目標を掲げている。投資家がそれにひっかかるのは、彼らもまた、つねに、大きな市場ポテンシャルのある大きな問題のソリューションを探しているからだ。

農業は水資源の70%を消費しているが、水利権法が初めてできた19世紀初頭から今日まで、水資源の持続可能な管理に関して、農家に対するインセンティブはほとんどない。最近は複数年にわたる大規模な干ばつがあったため、いくつかのアグテック企業が水をもっと持続可能的に使うためのソリューションを開発している。ホワイトハウスの気候対策事業のパートナーに指名されたSWIIMは、H2OのためのAirbnbを開発している。そのハードウェア+ソフトウェアのソリューションは、農家自身が自分の農地の水分を測定し、水の利用を最適化し、余剰水を行政や企業に貸し出せるようにする。

一方、植物性マヨネーズのHampton Creekは、エッグレスエッグ(卵なし卵)製品の標準処方を作ろうとしている。純植物性の美味な‘卵’が完成したらそれは、1200億ドルの卵産業にディスラプティブ〔disrupt==創造的破壊〕な効果を及ぼす。もちろん投資家も、そう考える。同社はシリコンバレーの大物たち: Khosla Ventures、Founders Fund、Li-Kai ShingのHorizons Ventures、Jerry Yang(Yahooファウンダ)、Marc Benioff(Salesforce)、Eduardo Saverin(Facebook)らから9000万ドルを調達した。

さらに極端なニューヨークのModern Meadowは、3Dプリントで肉と皮革を作っている。3Dプリントした肉が市場に出回り消費者が信用するのはまだ先の話だが、Modern Meadowがまずねらうのは540億ドルの皮革市場に、本物の細胞から培養した牛皮を抱(かか)えて参入することだ。それは、動物を殺して取る皮革と違って、有害な化学的処理を必要としない。

リターンはまだ実証途上

新世代のアグテックは大規模な流動性イベント(liquidity event, 株式→現金化イベント)をあまり経験していない。むしろ、向こう数年間は投資家にとっても試行の期間だ。アグテック企業の場合は一般的に、戦略的買収が流動性に向かうメインの路線だが、しかし既存企業の多くが無関心だ。John DeereやSyngentaなどが沈黙している間、Monsantoだけが競争者不在で駆け出した。2011年にMonsantoはBeelogicsとDivergenceを買収し、2012年には〔精密栽培の〕Precision Plantingを2億1000万ドルで買収、2013年にはサンフランシスコにMonsanto Venturesを設立して、Agradis、GrassRoots、Rosetta Green(3500万ドル)、そしてClimate Corp.(9億300万ドル)を買収した。前述したように、Monsantoの資金にアクセスできるようになったClimate Corpは自分自身が買収魔になり、Farmers Edgeなどシリコンバレーのスタートアップと競い始めている。

アグのサブセクタ(構成業種)のうち、食品eコマースやバイオエナジーなどは、サイズ的にIPOが見えるところまで来ているが、そのほかの業種はまだまだ小物揃いだ。でもそれは、今後の5年間で変わるだろう。農業には、大きな公開企業を生み出してきた歴史がある。今はまだ幼児期のアグテックも、それと同じだろう。

画像はAgFunderの2014年アグテック投資報告書(年報)より。アグテックの投資案件データはここにある

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ドッグフードマンフード完全食ドリンクSoylentがすでに黒字、早くもシリーズAで$20Mを調達

みんなが大好きな完全栄養食ドリンクSoylentが、前と同じくAndreessen Horowitz率いるラウンドにより、2000万ドルの資金を調達した。2013年にシード資金として150万ドルを投じたLerer Venturesと、Index Venturesもこのラウンドに参加した。

a16z(andreessen Horowitz)のパートナーChris Dixtonがブログで、Soylentはすでに黒字だ、会員制の売上額が月額数百万ドルあり、新たな資金は要らないようにも見えるが、長期的な研究開発のための資金が必要だ、と述べている。

最近のSoylentは具体的にはどうなのか? 味が良くなったし、お値段も下げた。同社のミッションは、既存の食品大手を同ドリンクの会員制eコマースでディスラプトし、ジャンクフードを絶滅させることだ。

Dixonはさらに述べる: “既存製品の改良と新製品の導入に加えて、価格を大幅に下げることに注力する。今は一食3ドルだが、その数分の一にしたい。ファウンダのRob Rhinehartや彼のチームと今後も一緒にこの重要なプロジェクトを継続できることは、とても嬉しい”。

食品大手たちのジャンクフードを無きものにしたい、と意欲を掲げるSoylentだが、敵のジャンクマックなどは一食1ドルだ。だからこれまでの一食3ドルでは、どんなに健康的で味が優っていても戦いづらい。

このドリンクは、具体的な食材のミックスではなく、人体の必須栄養素のミックスであることが建前だが、原料についてはSoylentのブログRhinehartのサイトに詳細に書かれている。同社の主張では、これだけで必要な栄養素を十分まかなえる、というが、Dixonは、三度の食事を置換するというより、不健康な食品を代替するもの、と考えるべきだ、と言っている。

投資家であるDixonの視点では、大手食品企業をやっつける云々だけではなく、Soylentのまわりに、健康な食生活をめぐるコミュニティが形成され成長していることも、大きな魅力だ。それらのコミュニティでは、Soylentが一食の食事に置き換わるだけでなく、さまざまな健康食料理やスムージードリンクなどの素材としても使われ始めているからだ。

このような、いわゆる‘健康な食生活市場’に向けての新しい製品を各種提供していくことも、同社の重要な成長プランの一環だ。

“Soylentを単なる食品企業として見るのは、間違いだ。GoProを、単なるカメラ企業として見るのと同じくね”、とDixonは語る。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ニューヨークの都心ブルックリンで農産物の産直を展開するFarmigoに地域農家も好感

 

ニューヨークのどまんなかで、農産物の地産地消でスタートアップしているFarmigoは、サンフランシスコ出身だ。ぼくみたいに。

今でもチームはウェストコーストにいるし、イスラエルのテルアビブにもいる。2年前にファウンダでCEOのBenzi Ronenと同社の本社は、合衆国を横断してニューヨークのブルックリン(Brooklyn)に来た。このシリーズBuilt in Brooklynの中でも、変わり種だ。

Ronenによると、“Brooklynは地域産の自然食品が360度全方向から集まるすばらしいハブだ。地元産の農産物もね。オンラインとオフラインの企業の協力体制も、ここは理想的だ。食べ物スタートアップとメディアスタートアップとのコミュニケーションも良い”。

Farmigoがローンチしたのは実は2011年のTechCrunch’s Disrupt SFだった。そのときの彼らのプロダクトは、コミュニティ支援型農業(community supported agriculture, CSA)のためのソフトウェアで、地元消費者と地元農家をオンラインでつなぎ、配達はたいへんなので消費者がコミュニティの配布センターに来て、品物をもらう。センターは学校でも、どこかのオフィスでも家でも、どこでもよい。

Ronenは曰く、同社は食品の生産者たちを結びつけることによって、従来的な“食品チェーンを崩壊させたい”。ただしマーケットプレースの構築は、容易ではない。“参加意欲のある農家が十分にいるか。そして、そうやって産直的に食料を買いたい消費者が十分にいるか。この二つが最大の難題だ”。

“現時点では、農家はうちに集まってくる。従来的な食品チェーンでは末端小売価格の20%しか農家の手に渡らないのに対し、うちでは60%wp渡しているからだ”、と彼は言う。

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食物中のアレルゲンの有無を調べる一般消費者向けデバイスで6SensorLabsが$4Mを調達

合衆国では1500万人が食物アレルギーである。しかしこれまでは、食事の中に彼らが食べてはいけないものが含まれていないかを調べる簡単で確実な方法がなかった。そこで、食物アレルギー関連の症状で病院を訪れる人たちは、年間20万を超えている。

6SensorLabsはこの状態を変えるために、食物中のアレルゲンの有無を素早く簡単にチェックできる安価なデバイスを作ろうとしている。また、ユーザが自分がテストした結果をほかの人たちと共有して、どのレストランの✕✕✕なら安心よという情報を広めるための、モバイルアプリも作る予定だ。

検出すべきさまざまなアレルゲンのうち、6SensorLabsはまずグルテンを対象にする。同社のアレルゲン検出装置Canaryは来年の初めに発売され、セリアック病患者や、なんらかの理由でグルテンを避けなければならない人たちを助けるだろう。

そのセンサ装置は価格150ドル未満を予定しているが、器具の先端に取り付ける食品成分感知ユニットは毎回交換しなければならない。そっちの方の価格は、まだ未定だ。

また同社は、そのセンサ装置とペアになるモバイルアプリも提供する。そのアプリを使ってユーザは、食品を調べた結果をほかの人たちと共有し、ブランド物の加工食品や有名レストランのメニューなどの安全性を、すべての人が自分で調べなくても分かるようにする。

同社の協同ファウンダShireen YatesとScott Sundvorは、MIT在学時にこのプロジェクトを始めた。Yatesはこれまでの長年、グルテン忌避だったが、毎回一つ一つの食品を調べるのが、たいへんな作業だった。そこで彼女は、簡単なテスト器具を作ることを思いつき、化学工学のPhD Jonathan Kielの協力を求めた。

SundvorはMITで機械工学を専攻し、Yatesと組む前はJohnson & Johnsonで製品開発の仕事をしていた。二人はサンフランシスコに移り、あるハードウェアアクセラレータのところでプロトタイピングを開始した。スタートアップの初期段階を助ける投資家Lemnos Labsが彼らを支援した。また化学工学PhDのKielは、同社のアドバイザーになった。

その後同社は複数の投資家から400万ドルのシード資金を獲得し、発売を早めるために、製品開発を加速した。このシードラウンドはUpfront Venturesがリードし、SoftTech VC、Lemnos Labs、Mitch Kapor、SK Ventures、 Xandex Investmentsらが参加した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Androidタブレットを内蔵した冷蔵庫が健康的で新鮮な食品の自販機に

食品の自動販売機は前からあるが、でも、これまで買えるものといえば、ポテトチップやキャンディーバー、そしてたまに、丈夫なパッケージに入っている、噛みきれないぐらいかたいブリトーぐらいだ。でも、もっと健康的で新鮮な食べ物は、買えないものだろうか? そこで、電脳冷蔵庫Pantryが登場する。

ハードウェアインキュベータでシード投資家のLemnos Labsから巣立ったPantryは、大学や病院やジムなどの環境に置いて、いつでも新鮮な食べ物を保存して売ることのできる冷蔵庫だ。

この冷蔵庫の中ではやや改造されたAndroidタブレットが動いていて、それがクレジットカードリーダーの入力を読み取る。顧客はカードをスワイプして、ほしい飲食物を取り出すだけで買い物が終了する。欲しい品物をボタンやキーボードなどで指定する必要すらない。品物を取り出せば、冷蔵庫自身が正しい課金処理を自動的に行うのだ。品物の情報の読み取りには、RFIDを使っている。

24時間開いている病院でも、カフェテリアが営業しているのはせいぜい8時間だ。そんな場所でPantryでは、今多くの自販機が提供している、健康的でないパッケージ商品に代わるものを買える。

商品が補充された時間とそれらの賞味期限をPantryのシステムは認識するので、売っている食品の鮮度を保証できる。鮮度確保のため商品の入れ替えが必要なら、そのことをシステムの管理者に伝える。

Pantryは130万ドルの資金を、500 StartupsやMenlo Ventures、Arsenal Venture Partners、Loic Le Meur、Nir Eyal、Georges Harik、Entry Capital、Lemnos Labsなどから調達した。Stanford HospitalとUCSF(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)でパイロットにも成功している。どちらの病院も、今後Pantryの導入台数を増やす予定だ。

またStanford Business SchoolやAcademy of Art Universityなどの大学でも、試すつもりだ。これらの大学では学生たちが健康的な食事のできる場所が、少ない。

それに、ファストフード店にも売れる可能性がある。そういうお店は少人数の店員が定番メニューを売るのに忙しくて、おなかを減らしたお客のためにちょっとしたサイドディッシュや飲み物などを売るのが難しい。あるいは、定番メニューのある程度の作りおきを、自動販売できると、ラッシュ時などに助かる。そのためにも、Pantryが大活躍できるだろう。店員たちの仕事にも、余裕ができる。

顧客たちのチェックアウトははやくなり、長い行列がなくなる。一般的に言うと、Pantryがあれば、より良い食品をよりはやく、売ることができるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


弁当版Uber「bento.jp」とクックパッドが協業、レシピを商品化

スマートフォンで注文してから20分以内に弁当が届く「bento.jp」とクックパッドが協業する。bento.jpで本日から期間限定で、クックパッドに投稿されているレシピの中から、「暑い夏に弁当でおいしく食べられるレシピ」を日替わりで販売する。販売期間は8月4日から8日まで、および18日から22日まで。金額は800円で、配送地域は渋谷と六本木の一部地域となっている。

クックパッドはこれまで、カレーの人気レシピを大手スーパーの総菜として販売したり、パスタの人気レシピを大手コンビニで商品化するなど数々のコラボを行っている。bento.jpを運営する小林篤昌氏によれば、今回の協業で金銭的なやりとりは発生しないそうだが、「好評であれば新たなレシピも弁当化したい」と意気込んでいる。「つくれぽ1000人超え」のレシピが弁当になって注文後20分以内に届けば、かなりの反響があるかもしれない。

弁当版Uberを目指すというbento.jpは今年4月に渋谷と六本木でサービスを開始。当初は予想を上回る注文が殺到し、一部で配送が遅延したことから、いったんは対象エリアを渋谷に限定していた。その後、常時10人以上のスタッフで配送する体制を整え、7月30日に六本木エリアでの配送を再開している。

最近では、法人単位で販売する「シャショク」が好調のようだ。法人は福利厚生の一環として100円単位で弁当代を負担し、残りを社員が負担するというもの。会社が300円を負担すれば、社員は500円で弁当が買えることになる。これまでに、BASEやクラウドワークスをはじめとするスタートアップなど50社が導入している。bento.jpは50社突破を記念し、9月末まで300円の会社負担を0円にするキャンペーンを実施中だ。


Y CombinatorがスムージーのスタートアップLivBlendsを支援

私の理解能力を超えていることだけど、Y CombinatorSam Altmanは一体なぜ、スムージーの配達サービスなんかをYCで支援する気になったのかしら。彼らのFresh Mint Immunity(免疫力強化フレッシュミント)やCafe Mocha Energizer(モカコーヒー元気ドリンク)が、そんなに美味(おい)しかったのか? きっとそうだ。でも、そんな第二のJamba Juiceみたいな企業とテクノロジと、どんな関係があるんだろ?

LivBlendsの二人の若きファウンダElise PolezelMatthew Udompholは、

1)糖分を控えること(OdwallaやNaked Juiceの50/56グラムに対し14グラム)や、
2)加熱殺菌をしない、
3)調理法、
4)原材料、
5)著名シェフの推薦、

などにこだわっているが、そもそもこんなサービスがスケールするのか?Y Combinatorとどんな関係があるのか?

テクノロジといえば、これが彼らの“マシン”だ:

これの名前はまだないけど、Keurigのようなスムージーメーカーで、これまでのジューサーのように洗いが面倒でない、という。これを設計〜デザインしたUdompholは、元ジュニアオリンピックの陸上選手で、MITでは電気工学とコンピュータ科学を専攻した。このマシンはセルフクリーニングタイプのブレンダーで、果物や種子類や野菜、ナッツなどを30秒で‘調理’する。

Udompholは技術をあまり詳しく説明しないが、彼と協同ファウンダのPolezelによると、スムージーを作るための容器と原材料をこのマシンにセットすると、あとはマシンに‘おまかせ’だそうだ。

LivBlendsはスムージーを、サンフランシスコのテクノロジスタートアップや個人に配達する。オーダーはLivBlendsのWebサイトから行い、お値段は8オンスのボトルで3.25ドル、16オンスで6ドルだ。

Polezelによると、TwitterとDropboxとStripeの社員食堂ではシェフが同社のスムージーをオーダーしている。彼女の目標は、3週間ごとにスムージーの新メニューが増えることだ。8月15日に行われるY Combinatorのデモデーには、LivBlendsも出場する。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


西アフリカ産モリンガを世界のスーパーフードに育てたいKuli Kuliが$350K++を調達

ケールもキノアもコラードもご用心。あなたたちのスーパーフードの王座をねらっている新しいグリーンが、Kuli Kuliという名前のスタートアップからやってくる。同社は、市場規模380億ドルと言われる合衆国の健康自然食品市場で、一旗揚げようとしているのだ。

同社はすでに、西アフリカ産のモリンガ日本語Wikipedia)を粉末やサプリメントやバーにしたものを、全国150の健康食品店で売っている。

平和部隊のボランティアが2年足らず前に始めたスタートアップにしては、立派なものだ。

Kuli Kuliを創ったLisa Curtisは、平和部隊の一員として2年間をニジェールで過ごした。この国で働いているとき地元の村人たちが彼女に、その地の珍味Kuli Kuliを振る舞った。それはピーナッツとモリンガのペーストで、農産物の種類が豊富でない地域で人の命を支える、貴重な栄養食品だった。

Curtisによると、モリンガはケールよりも栄養分が多くて、世界でもっとも栄養豊富な植物の一つだ。マラウイやセネガルの政府は、非都市部の人口の栄養状態を改善するために、モリンガの栽培と摂食をすすめている。

モリンガが当地の伝統作物でないのは、その移出市場が存在しなかったからだ。でもCurtisは、ヨガママたち(健康美容意識の強い女性層)にこの新しいスーパーフードを売り込むことによって需要を掘り起こし、アフリカの国々の経済を豊かにしたい、と期待している。

同社はすでにモリンガの供給地として、北部ガーナに女性たちの協同組合を作っており、西アフリカの経済を同社が2014年に潤す額は2万ドル、とCurtisは見積もっている。

Curtisは、この、ややにがみのあるグリーンについて、こう説明する: “タンパク質含有量はケールの2倍で、しかも各種アミノ酸成分の揃った完全なタンパク質だ。カルシウムは25%多く、鉄分は3倍だ”。CEOというより、栄養士みたいだ。

26歳のCEOはクラウドファンディングプラットホームAgFunderから35万5000ドルを調達し、またFoundry Groupの協同ファウンダBrad Feldからも支援を取り付けた。Feldのようなプロの投資家だけでなく、小麦グルテンを含まないコーシャフードの有機食材クラッカーMary’s Gone Crackersをブランドとして育てたMary Waldnerからも、いくばくかの支援を受けた。

得られた資金は、チームの構築と、量産体制の整備に充てるつもりだ。もちろん、営業やマーケティングにも。

Curtisにとって、アフリカ現地におけるモリンガの栽培普及と増産は、研究課題というより非常に現実的な課題だ。平和部隊で現地にいたとき、彼女の目の前で栄養失調の子どもが気絶して倒れた。彼女は自分の荷物の中にある救急食のスナックバーをその子に食べさせようとしたが、それが何であるかを説明するのに、(相手が理解する説明としては)、「kuli kuliよ」という言い方しかありえなかった。

Curtisは語る、“今の世界には過食の人が10億人いて、十分に食べられない人が10億人いる。これまで西欧に知られていなかったアフリカの産品の市場を作ることができれば、現地でそれを栽培する人が増え、そして現地消費も増える。それによって、多くの人の命が支えられる”。〔関連記事。〕

今、会社としてのKuli Kuliは、売上の15%を、モリンガの栽培の普及に努力しているNPOに寄付している。

“農業への投資は、人びとが貧困から抜け出すための最良の方法だ。でも最近の50年間では、全世界の農業投資はおそろしいほど減少している”、と彼女は言う。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


試験管発、本当の(人工)チーズ登場

菜食主義者でも、芳醇なチーズの味を羨む人は多いのではないだろうか。そのような人のため、ついに新時代プロダクトがやってきた。カリフォルニア州オークランドのCounter Culture Labsおよび、カリフォルニア州サニーベールのBioCuriousに所属するバイオハッカーたちが、パン用イーストを用いてチーズを作ることに、世界で初めて成功したのだ。牛の産するミルクなしにチーズが作れるようになった。

これまでにもベジタリアン向けのチーズと称するものはあった。しかしそれらは大豆やナッツ類を加工したもので、チーズとは似ても似つかない味だった。ベジタリアン歴の長い人なら、もうクリーミーでほどよい塩気をもつ、おいしいチェダーチーズの味や、リンバーガーやブリーチーズの独特の匂い香りなども忘れてしまっているかもしれない。しかし科学の力で、あらためてチーズを楽しめるようになるわけだ。

どのような工夫でチーズ作りに成功したのだろうか。San Francisco Bay Area iGEM Teamと称するチームは、哺乳動物の遺伝子配列を解析することでチーズの生成を試みた。イーストの中に同様の遺伝子配列を再現してみたのだ。この手順の中で、実際の動物を用いることはない。動物出自の遺伝子配列を利用していながらベジタリアン向けであるのかどうかを怪しむ人もいるだろう。チームの科学者たちは、動物の中にあった遺伝子をそのまま用いるのではなく、同じ遺伝子配列を実験室にてゼロから作り上げることに成功したのだ。こうして作り上げた遺伝子パーツをイーストの中に埋め込み、そして乳タンパク質と等価となるものを生み出したわけだ。

さらに、動物の遺伝子配列を「人間」のものと置き換える実験も行なっている。人間由来の乳タンパク質を利用することで、牛のミルクを体内に入れるよりも健康的に安全であるのではないかという発想に基づくものだ。これによりアレルギー誘発物質を減らすことができるのではないかとも考えているそうだ。牛のミルク成分を摂取することで粘膜に障害を起こしたり、あるいはラクトースの分解がうまくいかないという状況になる人もいるのだ。

もちろん、ヒト・チーズなど食べる気にもならないという人もいることだろう。もちろん牛のDNA情報を使ったチーズ制作も行なっている。水と油および糖分を加えることで、作ったミルクはチーズになる。この場合でも、不快な住環境で牛を育てる必要もなく、当然にホルモンや抗生物質などが全く混入していないチーズを作ることができるわけだ。

ちなみに、こうした手順でチーズを生み出すのは今のところ非常に高くつく。この面での支援をあおぐため、現在Indiegogoキャンペーンが行われている最中だ。目標額は初期に必要となる1万5000ドルだ。幸いなことに、このゴールは2週間もたたないうちに達成された。本稿翻訳時、キャンペーン終了まで27日を残して15,595ドルを集めている。

このプロジェクトを推進する無償の有志たちは、チーズ生成のためのパン用イーストについて4種類のバリエーションを生み出そうとしている。研究成果はすべて公開ウィキに発表され、また「特許になりそうな技術についてもパブリックドメインとする」とのことだ。

最終目標は、生み出したチーズを市場に送り出すことだ。もちろんそこに至るまでは長い道のりだ。スポークスマン役を務めるCraig Rouskeyは、まずは実用性があることを示すところから始めていく必要があると述べている。そして大量生産を行うための道筋を見つけ出す必要がある。さらにはFDAによる認可も必要となってくる。認可を受けるまでは、少なくとも人はそのチーズを食べることはできない。Indiegogoのキャンペーンは8月末に完了予定だが、それまでには最初の「成果物」を世に送り出したいと考えているそうだ。

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(翻訳:Maeda, H


植物卵のHampton Creekが世界最大の植物データベースを構想: “これまでの農業や食品産業は植物の知識が貧しすぎる”

Hampton Creekが作っている植物性の卵”Just Mayo”が、今週から1ドルショップ〔≒100円ショップ〕Dollar Treeでも買えるようになり、まずそれはサンフランシスコ都心の9万平方フィートのお店に登場する。それだけでなく同社はこのほど、Googleの中心的なデータサイエンティストDan Zigmondをスカウトした。その理由は?食品産業の全体をかきまぜる(スクランブルする)ためだ。

Zigmondは過去8年間、YouTubeとGoogle Mapsで複雑なデータと格闘してきた。彼がこれからやりたいのは、Hampton Creekで世界最大の植物のデータベースを作ることだ。そしてそれが結果的に、アメリカ人の食生活に大きな変革をもたらす、と彼は考えている。そこで、まず…

Google Mapsのスペシャリストとアメリカ人の肥満と何の関係があるのか?

Googleの本職のデータサイエンティストとマヨネーズ会社が“アメリカ的食生活”(Standard American Diet, SAD)を変える、といっても、ぴんとこない人が多いと思われるが、Hampton CreekのCEO Josh Tetrickによると、Zigmondにはそれができる、という。“Danは膨大な量のデータを分析して、そこからいろんなリアルな関連性を見つけ出す天才だ”。彼の言う“リアルな関連性”とは、そのデータベースを見るとどの植物がわれわれの惑星上に起きている変化に影響を及ぼしているのかが分かる、という意味だ。

私たちは、ジャンクフードを食べ過ぎている。もっと、植物を摂らないとだめだ! 最新のUSDAの調査〔合衆国農務省〕によると、アメリカ人は畜肉、精製穀物、そして不健康な脂肪の摂り過ぎだ。

アメリカ人の肉類の消費量は減っている、という研究データもあるが、でも世界全体では肉の消費は増えている。それは世界人口の底辺部分の栄養状態が良くなり、世界の経済が良くなりつつあることの兆しでもあるが、しかし同時にそれは、環境への負荷と健康被害が増大していることを意味している。 アメリカなど先進国の畜産業も、この点では威張れない。Wired誌の上記の記事が描いている動物虐待やアニマルライト(animal rights, 動物の権利)の問題をしばし忘れるとしても、われわれのハンバーガーの中にある1/4ポンドのビーフパティを作るために5〜6ポンドのコーンと52ガロンの水と、1000BTU以上の化石燃料が必要であることを、考えてみよう。

コーンや大豆製品の過剰消費がアメリカ人のウェストラインを大幅に増やしている。健康的な有機栽培の果物よりも、精製食品や加工食品の方が安いから、そうなるのかもしれない。20世紀前半の大恐慌時に制定された合衆国農業法は、農家によるコーンや大豆など特定作物の増産を奨励している。この法は、りんごではなく、ポテトチップやキャンディーバーの味方だ。

肥満と低所得との相関性は、否定できない事実だ。スーパーで安く買える食品はカロリーばかり高く、全体的な栄養価は低い。そういう食品は、農業法が奨励しているコーンや大豆が原料であることが多い。合衆国では成人の1/3が肥満だから、およそ1億あまりの人びとが糖尿病や心臓病の高いリスクを抱えている。2008年には、国民の年間の医療費の合計が1470億ドルという天文学的な額に達した!

世界最大の植物のデータベースを、こういった問題の解決に資する形で作ることは、けっして容易ではない。世界中の既知の植物種は870万以上ある。種(species)の下の変種(variety)のレベルで数えると、その数はもっと膨大だ。

世界最大の植物データベースと世界的飢餓との関係

国連の食糧農業機構(Food and Agriculture Organization, FAO)によると、毎晩飢えてる状態で床につく人は10億人以上いる。人間が家畜に与えている食糧の量は、この人たちが食べている量よりも多い。多くの土地を、家畜のための食糧ではなく人間の食糧のために使えば、途上国の人たちも主食となる食糧を、安く豊富に手に入れることができる。

工場的農業は食糧生産の大企業による独占や寡占状態を作り出し、大量の廃棄物と、主に除草剤による土壌汚染と、労働者たちの低賃金労働と、抗生物質が効かない病原を作り出し医療費高騰の原因にもなっている。Hampton Creekがこのデータベースの効用として構想しているのは、世界各国の農家や農業行政担当者たちの植物知識の増大と詳細化により、新たな換金作物がたくさん見つかり、農業地域における作物種生態系の多様化、すなわち自然環境の健康化をもたらし、ひいては地球全体の環境を良くしていくことだ。今のアメリカの農業のような大規模単作(膨大な土地面積がコーンならコーンだけとか)とは、対極の姿だ。そうなれば多様な農作物の低コストで健康的な栽培が可能になり、世界中の農家が家族を養えるようになり、小規模農家のコミュニティが栄え、しかも、消費者の健康にも貢献する。

データを読み解く

同社の研究チームは、これまでに4000種の植物を調べ、Hampton Creekの今の製品に適した粘稠度、味、および低費用性を備えた13種を選び出した。Tetrickはこう言う: “卵をスクランブルするんじゃなくて、植物をスクランブルして、正しい性質をもった種を探した”。

Hampton Creekは主にマヨネーズで知られているが、卵抜きクッキーの生地も売っている。近く、スクランブルエッグの味のするスクランブルピー(pea, 豆)も売り出す予定だ。 Tetrickによれば、その世界最大の植物データベースがあれば、今のような卵代替製品だけでなく、もっと製品を多様化できる。たとえば、砂糖の摂取量を減らすことのできるおいしい甘味料も、まだ市場に出ていないさまざまな植物から作れる。

同社のもう一つの目的は、安価に買えて日常的に常食できる食品を提供することだ。しかもそれの栽培〜生産が地球の環境に貢献するものでなければならない。“今回100円ショップに出したのも、そのためだ。うちのおやじなんかが、いつでも気軽に、何も考えずに買えなければ、いくら健康的とか言っても意味ないからね”、とTetrickは言う。“今のような、値段の高い健康食品は、多くの人の健康に貢献していない”。

データを売る

Zigmondを招いて世界最大の植物データベースを作ることになれば、Hampton Creekは、植物の食品適性に関する膨大で詳細な知識を入手することになる。だから今後の製品開発においても、断然有利だ。直接の商品化適性だけでなく、ほかの動物や環境への影響についても、分かるようになる。

たとえば今のTetrickは、カナダ黄色豆のある変種が、同社の植物卵に合った物理性を持っていることを、知っている。つまりその豆は、粘稠度が同社の製品に合っているのだ。でも、そんな豆の存在をたまたま知るのではなく、世界中の種からいろいろ見つけ出すことは、今の同社にもできない。カナダ黄色豆だけでも、変種は2000種類以上あるのだ。

すべての植物の食物(食品)適性について、網羅的な知識が得られるようになると、より安くて、より安全で、より健康的な製品を作りやすくなる。大企業が大金を投じてそんな知識を取得するのではなく、それは世界中のどんな農家でもアクセスできる情報でなければ意味がない。Tetrickはすでに、いくつかの食品大企業と、そのデータベースのライセンスについて話し合いを始めている。

“どこかの大企業がうちに10億ドルを出して、そのデータベースの権利を買い取ろうとしても、ノーと言うだろう”。同社の研究資金はすでに3000万ドルを、Bill Gates FoundationやFounders Fund、Google Venturesなどから得ている。現在の同社は、すでに経営が黒字だ。 同社の”Just Mayo”製品は、全米のWhole Foods、Safeway、Costco、それに今度からはDollar Treeで売られている。

中でもとくにDollar Treeが、“うちのおやじでも気軽に買える”という意味で、同社のねらいにぴったり合っている。Tetrickが、大手食品企業に対して情報を積極的に開示しているのも、健康的な食品の安価な日常化大衆化が彼の中心的なビジョンだからだ。Tetrickはその植物データベースに、日常的な食品に含まれている植物のデータも入れたい、と考えている。今のように、健康と財布を秤にかけながら健康食品を買うのではなく、究極的にはすべての食品が安価で健康的な食品になるために、その網羅的悉皆的な植物データベースが、全農業、そして全食品産業のために、役立つだろう。“世界を変えるほどでっかいものを作りたいんだ”、というTetrickと、そしてZigmondは、どちらもそれにぴったりの役柄だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


肥満の犯人である飲み物をチェックする電脳コップVessyl

あなたは、痩せる努力をしたけど効果がなかった、という経験をしたことある? 言われたとおり、お肉もチーズもパンも減らして、とっても健康的になったけど、体重は1ポンドも減らなかった、なんて。そうなる犯人は、飲み物であることが多い。そもそも、飲み物がカロリー源であることを自覚しない人が多いし、だから毎日飲み物から何カロリー摂っているかなんて、誰も考えない。

というわけで、Vessylが登場する。CEOで協同ファウンダのJustin Leeは、7年間の研究開発の成果として、飲み物用の電脳コップを作った。それは、あなたが消費した飲み物の量だけでなく、その飲み物に含まれていたカロリーも計測する。

この、センサをたくさん搭載したコップは、その中身を分子レベルで測定し、マックフルーリーと水とコーヒーとワイン、などなどの違いを教えてくれる。私はシロップも試してみたけど、まあはんぱじゃなかったわね。

〔ここにスライドが表示されない場合は、原文を見てください。〕

Vessylにはカロリーの測定のほかに、Prymeと呼ばれるユニークな機能がある。これはユーザの一日の水分摂取量(補水量)とエネルギーレベルを測る。コップの側面のLEDが、水の摂取量が足りないとか、ちょっと冷たいものを飲んでもよい、などと教えてくれる。

VessylのデザインにはYves Beharも関わった。彼のことは、聞いたことがあるだろう。Jawbone UpやJamBoxのデザインにも加わり、現代を代表するデザイナーの一人だ。

Vessylを作っている会社Mark Oneの今後のプランは、コップだけでなく、お皿、お椀、ワイングラスなどなど、食器一式をすべて電脳化することだ。 そして家族全員を測定する。今のところは、Vessylの売り込みで手一杯だが。

Vessylの予約価格は99ドル、発売後には199ドルになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Sprig、ランチ配送サービスを本格稼働。SpoonRocketと真っ向勝負へ

グルメな腹ペコさんはもっとたくさんいるはずだと考えたSprigが、ディナー配送に加えてランチ配送も開始した。以前の記事でもお伝えした通りだ。月曜日から金曜日まで、サンフランシスコ東部エリア限定でランチサービスのソフトローンチとなった。これにより、Sprigは、こちらもランチおよびディナーの配送サービスを行っているSpoonRocketと真っ向からぶつかるサービスを提供することとなった。この分野は、これからもいろいろな動きがあるのではないかと注目しているところだ。

ランチ配送サービスでは、たいていのレストランよりも安価でヘルシーなランチメニューを、温かくておいしいままに配達してくれる。SprigおよびSpoonRocketの双方ともに、メニューを絞って大量の数を作り、そして車に積み込んでサービスエリアをあちこち巡回しているのだ。こうして、いつでも配送先の近くにいるという状況を作り出している。SprigないしSpoonRocketのサイトやアプリケーションからオーダーすると、直ちに品物を届けてくれる。

Sprigの共同ファウンダー兼CEOのGagan Biyani曰く「良い物を直ちに」というのが基本方針であるとのこと。SprigとSpoonRocketは競合関係にあるわけだが、家庭における食習慣に変革をもたらすことができるかという意味では協力しあっていく関係にあるともいえる。自炊、テイクアウト、そして通常のデリバリーに、少品種ながらも即時配達してくれるサービスを根付かせることができるかがキーとなる。Biyani曰く、消費者はこれまでの選択肢に決して満足しているわけではなかったのだとのこと。それでサービスを立ち上げたわけだ。その目論見はいまのところあたっており、Yelpでは5つ星のレーティングを受けている。

SpoonRocketとの比較でみた場合、Sprigは配送時間がやや長めで、料金も高い。ただ、その分だけハイクオリティなものを提供している。ランチの提供は月曜日から金曜日の午前11時から午後2時までで、フィナンシャル地区、SoMA、ミッションベイ、そしてドッグパッチを対象としている。郵便番号でいうと94103、94104、94105、94107、94108、94111、および94158のエリアとなる。ディナー配送エリアよりも狭い範囲でのサービス提供開始となっている。

Sprigが提供しているメニューはサンドイッチ、トルティーヤラップ、そしてサラダなどの日替わりメニューで、少なくともそのうちひとつはベジタリアンメニューで、またグルテンフリーのものも用意される。料金は9ドルほどで、ここに2ドルの配送料が加わる。今日のメニューをみてみると、ステーキとマンチェゴチーズのサンドイッチ、チキンのバルサミコソースサンドイッチ、オレンジとファッロを使ったビーツサラダとなっている。TechCrunchのライターであるRyan Lawlerはメニューを早速試してみていた。サンドイッチもサラダもおいしく、量もたっぷりだとの感想だった。

SprigおよびSpoonRocketの双方ともに、この1ヵ月以内に1000万ドル程度の資金調達ラウンドを実施している。サプライチェーンを整理して、市場拡大を行って「食事版Uber」(Uber For Meals)を目指していくことになる。Biyaniによると開発、デザイン、マーケティング関連などの採用活動も積極的に行っているとのこと。そんな中、もっとも難しいのがやはり物流面なのだそうだ。「素材を選び、調理を行い、そして迅速かつ効率的な配送が必要となりますが、そのそれぞれにも、そして全体の流れにも困難さがつきまといます」と言っている。

「いつでも健康的でおいしい食事を提供しようというのがサービスの目的です」とBiyaniは述べる。「いつでも」ということは、もしかして朝食配送なども行おうと考えているのだろうか。「朝食デリバリーの良い方法が見つかれば、そちらにも手を伸ばすかもしれませんね」と、笑いながら応えていた。

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(翻訳:Maeda, H


ディナーのみだったSprigもランチ配送に参入。サンフランシスコ・ランチ配送戦争の勃発か?!

ランチ配送サービスを行っているSpoonRocketに、競合サービスが登場してくることとなりそうだ。現在は夕食のみのデリバリーを行っているSprigがマーケットに参入してくるようなのだ。この話をしてくれた人によると、現在Sprigは日々1000食の配送を行っているとのこと。2週間前にシリーズAにて1000万ドルを調達し、消費者の胃袋をターゲットとしたサービスを直ちに拡大していく戦略のようだ。

この情報を受けて、SprigのCEO兼共同ファウンダーのGagan Biyaniに電話をかけてみた。Biyaniもランチデリバリーへの参入を認め、現在は配送に関わる詳細を詰めているところだとのことだった。ほとんどの準備は整っているが、実際に動き出すぎりぎりまで、詳細を詰めていくことにしているとのこと。

実のところ、こうした食事配送を行う各種サービスには、かなり興味を持っている。内容も面白さもUberやLyftを思い起こさせる。

両者ともにオーダーは簡単だ。SprigないしSpoonRocketのアプリケーションを起動して、表示される料理からオーダーするものを選ぶ。

SpoonRocketの方は8ドル(プラス税)で、サンフランシスコおよびイーストベイエリアに配送してくれる。配送にかかる時間は10分ほどだ。価格は安く届けるのにかかる時間も短いが、料理はときに固かったり、ぱさついている感じがすることもある。

Sprigの方は(現在提供している夕食の話だが)料理の価格が10ドルで、配送費が2ドルとなっている。サンフランシスコのほぼ全域を対象地域としており、平均18分でオーダーした料理が届く(もちろんもっと長くかかることもある)。食事のクオリティはなかなかのもので、ボリュームもたっぷりだ。

SpoonRocketでの配送時間について、これまでの最高記録はなんと3分だ。自分でピーナツバター付きの食パンを用意するよりもはやいくらいの時間だ。レストランにいくよりもはるかに安上がりで、あっという間に空腹を満たしてくれるのは本当にすごいことだと思う。

時々、あまりにもお腹が空いてしまって、、ランチやディナーに出かけようにも、ともかく何かをお腹に入れなければ動き出すことすらできないことがある。こんなとき、SpoonRocketがとても役に立つ。しかしちょっと余裕があって、そしておいしいものが食べたいというときならSprigを使いたい。これからはランチタイムにもSprigが使えるようになる。

Sprigはこれまでにベータテストも完了し、参入準備もほぼ整っているらしい。ランチの提供時間は、月曜日から金曜日の11時から14時を予定しているそうだ。もちろん、まだ変更の可能性はある。ディナーについては現在月曜日から木曜日の17時30分から21時30分の間で提供しており、これに加える形でランチサービスを開始することになる。これまでのところ、サンフランシスコに8つの配送センターをかかえるまでになっており、1日に1000食をデリバリーしている。CraigslistSprigのサイトにて、ランチに対応するための人材を募集しているところだ。

今のところSprigとSpoonRocketの双方ともに、サービスとして完全に定着したという段階にはない。しかも提供地域がサンフランシスコ限定だ。Sprigは3月にGreylockの主導で1000万ドルを調達し、そしてSpoonRocketの方もFoundation CapitalおよびGeneral Catalystによる1000万ドルのラウンドを完了したところだ。双方ともに、ロジスティクス面の強化をはかり、そして顧客を拡大し、サービスを定着させたいと狙っているところだ。

今後はUberとLyft間で繰り広げられ、サンフランシスコにおけるサービス価格を押し下げることとなった価格競争のような状況になることも考えられる。激しい戦いの末、みんながお腹いっぱいで大満足というような話になればめでたしめでたしなのかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


シェフによるおすすめレストラン情報を提供するChefs Feed、Android版の提供を開始

どこかおいしい食事のできる店を見つけたいのだが、Yelp上での評価などが信用出来ないと感じているとしよう。そんなときは、どうすれば良いだろう。そんなときは、お腹をすかせたプロの料理人が食事する店を教えてもらえば良いのではなかろうか。以前も紹介したChefs Feedは、まさにそうした目的で開発されたアプリケーションだ。料理のことを最もよく知っている人々からの情報を提供しようとしているわけだ。

数年前にiOSアプリケーションをリリースして、そしてついにAndroid版のリリースに至った。また、ビジネス展開をさらに強力に進めるため、Zinioの共同ファウンダー兼CEOであったRich MaggiottoをCEOとして招請した。

Chefs Feedを設立したのはSteveとJaredのRivera兄弟だ。レストラン業界での広報業務などを経験した後、そこで培ったシェフたちとのネットワークを活かして、おいしい店の情報を蓄えていった。そうして集まった情報や繋がりを活かしたいと考えるうち、Chefs Feedのアイデアが生まれたのだ。シェフたちが持つ情報をシェアするためのプラットフォームを作ってみようと思い立ったわけだ。

現在、Chefs Feedには1000名以上のシェフが参加し、いろいろなレコメンド情報を提供してくれているそうだ。そうした情報提供の見返りとして、シェフは利用者達と直接にコミュニケーション行うことができ、自分の店や、おすすめメニューなどについての情報を流すことが出来る。シェフと利用者の間にはこれまでに2300万の「コネクション」が生じ、それをきっかけとして、100万回以上のレストラン訪問の機会が生まれているのだとのこと。

今回、Android版をリリースしたことで、さらに多くの利用者を獲得するチャンスを得たことになる。

デジタルニューススタンドサービスのZinioを立ち上げたMaggiotoは、CEOとして優秀な人材の獲得やビジネス面での成長戦略を進めていくこととなる。ビジネスとしては、広告、スポンサーシップ、そして利用者ないしはシェフに関するアクション分析の提供などを行っている。

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(翻訳:Maeda, H


「牛」のためのウェアラブルを提供するSilent Herdsman、300万ポンドを追加調達

「ウェアラブル」が人間だけを対象にしていると思ったら大間違いだ。すべての個体に強制的に着用させることのできる家畜マーケットにおいてこそ、「ウェアラブル」が一層有効に機能するという面もある。

そんなところに着目したのがイギリスのスタートアップであるSilent Herdsmanだ。首輪型のウェアラブルデバイスにて、牛の特徴的な行動を通じて発情期などを感知し、酪農家や畜産農家での管理をより効率的に行えるようにするものだ。

このSilent Herdsmanが、より多くの顧客獲得ならびに成長速度のアップを目指して300万ポンドの資金を調達した。現在はイギリスおよびヨーロッパにて「数百戸」の農場で利用されていて、稼働中の首輪型デバイスの数は「数万台」であるとのこと。

Silent Herdsmanは、2010年にこのデバイスを開発したストラック大学研究室からのスピンアウトで設立されたスタートアップだ。(当時はEmbedded Technology Solutionsという直接的な名前だった)。研究室では2006年から2009年にかけて、Scottish Enterpriseが資金を拠出するファンドからの475万ポンドの資金を得て研究を行ってきていた。

今回の300万ポンドはScottish Equity Partners(SEP)が主導する投資シンジケートおよびAlbion Ventures、Scottish Investment Bank、そしてScottish Enterpriseの投資部門などが出資したものだ。

Silent Herdsmanによると、調達資金は海外での市場拡大および、デバイスの機能向上のために活用していくとのこと。

動作の仕組みは、行動をモニタリングする首輪型デバイスと、特許技術を盛り込んだ分析ソフトウェアを組み合わせて、発情状態などの確認を行うというものだ。首輪型デバイスにて特定の状況が検知されれば、その情報がワイヤレスで基地局デバイスに送られ、そこから農場の担当者(スマートフォンやデスクトップ機)に情報がリレーされる。

飼っている牛全体の管理を容易にし、さらに個々の牛の行動に基づいた適切な行動をより迅速に行えるようにしようとして開発された技術だ。Silent Herdsmanによると健康管理がより効率的に行えるようになり、ミルクの生産量なども増加し、すぐに技術投資分を上回る利益をあげられるようになるとのこと。

SEPのパートナーであるStuart Patersonは、今回の投資にあたり次のように述べている。「現在、世界中には10億頭の家畜牛がいます。そのうち3400万頭がEUおよびアメリカで飼育されています。世界が豊かになり、そして畜産製品への需要は高まる傾向があり、飼育される牛の頭数も拡大傾向にあるのです。こうした傾向の中、Silent Herdsmanにとってのビジネスチャンスは年間で10億ドル以上となっているのです」。

「さらに、Silent Herdsmanの技術を活用すれば、世界的な問題のひとつである食料生産の効率性を向上させることにも繋がります。Silent Herdsmanはイギリス国内のみならず、国際的にもマーケットを広げつつあり、SEPとしてはその流れをお手伝いしたいと考えたのです」。

Albion VenturesのパートナーであるRobert Whitby-Smithも次のように述べている。「Silent Herdsmanの今後の成長プランをサポートする機会を得ることができて大変嬉しく思っています。動物の健康管理関連市場はさらなる成長が見込める分野で、Silent Herdsmanは、独自の特許技術を活用して市場を大きく広げていくことでしょう」。

Silent Herdsmanは現在、イギリス、中国、ニュージーランド、メキシコ、およびヨーロッパなどで特許を取得している。

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(翻訳:Maeda, H


会費隔月45ドルで世界各地のグルメが送られてくるTry The World

あなたに世界をお見せしましょう, 輝く, きらめく, そして華麗な.”—A Whole New World “I can show you the world, shining, shimmering splendid.”

…と、魔法の絨毯に乗らなくても、隔月で45ドル払ってTry The Worldの会員になると、世界各国の美味を収めたグルメボックスがあなたの家に送られてくる。

みんな、もっとたくさん旅行をしたいと思っていても、お金と時間と体力がそれを許さない。でも、世界旅行の楽しさの少なくとも一部は、家にいながらにして経験できるのだ。それは、各国のおみやげを買って友だちや家族に見せびらかすこと。Try The Worldを利用して。

協同ファウンダのDavid Foultは曰く、“われわれはいろんな国の人たちを知っているから、各国の最良の品物を選んで送ってもらえる。だからTry The Worldボックスを開けるたびに、五感を満足させる本物の楽しい経験を味わっていただける。将来的にはTry The Worldを旅行する人たちのコミュニティにして、世界各地の珍しい体験を共有できる場にしたい”。

会員登録をして、最初に受け取るのはフランスのパリのボックスだ。

中には、パリの旅行案内、プレイリスト、映画案内、詩集、などが入っている。品物の説明カードもある。それらは、製塩職人たちの手作り塩Fleur De Sel、栗で作ったパン用ペーストClément Faugier、塩味のバターキャラメルMadame Goudig、ホットチョコレート用パウダーチョコLes Confitures A L’Ancienne、紅茶Palais Des Thés、ヌガーChabert & Guillot、ジャムConfitures Alain Milliatなどだ。

[ここにスライドが表示されない場合は原文を見てください。]

映画や音楽などの文化情報が入っているので、食べ物だけがそっけなく入っているのと違ってユーザは、今パリにいたら夜はどこへ行こうかな、などと夢想にふけることができる。私の希望としては、Platedみたいに、フランス料理の完全な夕食メニューを自作できる材料セットがあると、もっといいな。

パリの次は東京、リオ、等々と続くのだ。

Try The Worldは2013年に、Googleのニューヨーク支社で行われたアクセラレータプログラムIncubateNYCから生まれた。9月にアルファでローンチした同社は、過去4か月で“数千”のボックスを売った。今同社は、シード資金を調達中だ。

このように、おもしろいものを入れたボックスを会員制で届けるサービスは、ほかにもいろいろある。セックス玩具、ひげそり、食品、そして今回は世界旅行だ。

これぞまさに、a whole new worldよ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


植物原料の”卵”を作るHampton Creekが早くもシリーズB, $23Mを調達

美味しくてお値段も手頃な純菜食系の食品を作る、というHampton Creek Foodsのミッションに、投資家たちは投資機会としての魅力を感じているようだ。同社はこのほど、シリーズBで2300万ドルを調達した。

このラウンドを率いたのは香港の実業家Li Ka-shingの投資企業Horizons Venturesで、これにJerry YangとAME Cloud Ventures、Ali/Hadi Partovi、GoogleのJessica Powell、Scott Banister、Ash Patelらが参加した。シリーズAで投資したKhosla VenturesとCollaborative Fund、Kat Taylor、そしてTom SteyersのEagle Cliffも、このラウンドに加わった。

Liは、この投資の発表声明の中で、次のように述べている: “テクノロジは、より良き未来を築くために誰もが共有できるオプションを増やしてくれる。増加する世界の人口を支えるためには、これまでよりも効率の良い、環境親和性に富む、そして良質で安価な選択肢を選ぶ必要がある”。

この言葉が意味しているように、Hampton Creekが自らの製品で置換しようとしている重要な食品の一つが卵だ。ぼくは1年ほど前に同社を訪ねて、植物を使った代替食品の開発とテストを行うラボを見せてもらったことがある。そして、下のビデオでお分かりのように、ぼくの舌は、本物の卵を使ったクッキーと、同社の代替卵を使ったクッキーを、正しく見分ける…味わい分ける…ことができなかった。というか両者は、味も風味も食感もほとんど同じだった。

同社で広報を担当しているMorgan Oliveiraは、年商などの数字は明かさなかったが、彼女によると同社は今、6社のFortune 500企業に製品を収める交渉を進めている。たとえばThe Hampton Creek社のWebサイトによると、Whole Foodsはすでに、同社のマヨネーズJust Mayoを扱っている。また来月は新製品としてEat the Dough(生地を食べよう)シリーズを発売、秋にはJust Scramble(スクランブルしよう)製品を発売する予定だ。

本誌はHampton Creekを、今スタートアップとVCの世界に食生活の革命に対する関心が育ちつつあることの例として取り上げた。Beyond Meatなども、その例の一つだ。Oliveiraは、そういう動向が今ある理由について、こう述べた:

今多くの人たちが、自分たちが追求している価値と、自分たちの毎日の食生活とのあいだに、ミスマッチがあることに気づきつつある。今人びとは、多くの食品が、環境と人間と動物を害する方法で作られていることを、知り始めている。また、そのやり方が、持続可能なモデルではないことにも、感づき始めている。また弊社Hampton Creekは、健康的な食品がつねに高価で入手の不便な選択肢であることを問題と見なし、この状況を変えることを会社のミッションとしている。

同社はこれまでに、合計3000万ドルの資金を調達した。

この記事には新たに、Li Ka-shingの声明文からの引用を加えた。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))