Google Driveが非Googleファイルのオフライン利用をベータテスト

Google Driveのオフライン機能が強化される。現在ユーザーはGoogle Chromeを使って、ドキュメント、スプレッドシート、およびスライドのファイルをオフラインで利用できる。火曜日(米国時間6/25)、同社はオフライン機能をGoogle以外のファイルフォーマットにも拡張するベータ版を公開すると発表した。PDF、画像、Microsoft Office文書などがオフラインで使えるようになる。

このベータテストは「Google Drive Offline for Binary Content Beta」と呼ばれ、G SuiteドメインでDrive File Streamを有効にしている管理者だけに公開される。ドキュメント、スプレッドシート、およびスライドのオフライン機能のアルファテストに参加していた管理者は自動的にベータテストに参加できる。

現在は限定ベータだが、新機能のバグがとれて安定すれば、G Suiteユーザーだけでなく、一般向けGoogle Driveでも公開されるはずだ。

オフライン機能が有効になると、ファイルのプレビューが可能になるだけでなく、非Googleファイルを右クリックして、Microsoft Officeなどのネイティブアプリケーションを使って開くことができる。

ChromeOSは現在未対応だが、将来は対応するとGoogleは言っている。

ベータテストされる新機能は、Google Driveの抱える、企業ユーザーにとって特に重要な、問題に対応しようとするものだ。職場にはGoogle形式以外のファイルがたくさんあり、その多くはオフラインで容易に扱える必要がある。出張先で通信環境が悪い場合にはなおさらだ。現在は、Google Driveのファイルをオフラインストレージと同期したり、ダウンロードすればオフラインでも利用できる。デスクトップ・クライアント・アプリを使ってオフラインアクセスすることも可能だ。

Google Driveのライバル、Dropboxは、エンタープライズ・コラボレーション・ワークスペースに向かって着々と前進している。ユーザーはG Suiteのショートカットを使ってアプリを起動したり、Zoom、Slackなどと統合したりできる。Dropboxは単なるファイルストレージ・プラットフォームではなく、職場のポータルになろうとしている。

G Suiteは未だにMicrosoft Officeを打ち負かしていない。ビジネス向けOffice 365には現在1.8億人の月間アクティブユーザーがいる(Googleによると2018年末のG Suiteのクライアント数は500万社)。個人向けサービスでは、iCloud DriveがmacOSの最新バージョンでアップデートされ、ファイルだけでなくフォルダー共有ができるようになる。Google DriveやDropboxのユーザー移行させるためには必要とされていた機能だ

一般公開の時期についてはGoogleは何も言っていない。

Android Policeが最初のこのベータテストを発見した。さらに同誌は、これがChromeのみの機能であるという制限を大きな問題であると指摘している。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アリババが中国最大の家具販売会社に約700億円を投資

アリババグループ(阿里巴巴集団、Alibaba Group)が、中国最大の家具小売業者の1つであるレッドスターマカリン(红星美凯龙、Red Star Macalline)の約43.6億人民元(約700億円)ぶんの転換社債を購入した。転換後にはレッドスターマカリンの株式の10%をアリババに与えることになる。開示情報によれば、香港証券取引所で公開されているレッドスターマカリンの株式の3.7%もアリババが購入したことが示されている。

レッドスターマカリンは、中国全土に約300のショッピングモールと364のホームセンターを運営しており、自社の在庫品の販売や、インテリアのコンサルテーションや建築などのサービスの提供に加えて小売業者たちにスペースを貸し出している。同社はアリババと協力しながら、その実店舗を改善し、同時にアリババの電子商取引チャンネルを活用する予定だ。

この投資は、レッドスターマカリンがアリババのライバルであるテンセント(腾讯、Tencent)との間で、デジタルマーケティングの提携を発表した6カ月後に行われた。TechCrunchはこのアリババとの新しい取引が、以前の提携にどのような影響を及ぼすのかを、アリババとテンセントの両者に問い合わせている。

アリババのHome Timesは、2017年後半にオープンした小売チェーンで、レッドスターマカリンのモールや、オンライン運営で何ができるかを調査中である。Home Timesはオフラインからオンラインへの小売りを重視しているチェーンだ。顧客は対象の詳細情報を得るために、店頭で商品のスキャンを行うことができ、Alipayで支払いが可能である。また商品が自宅の中でどのように見えるかを買い物客に示すための大型のスクリーンも置かれている。またこうした顧客の購買行動は、アリババのB2C電子商取引サイトであるTmallで使用される。さまざまな場所の店舗に追加する商品を選択し、在庫管理をより効率的にするためだ。

[原文へ]

(翻訳:sako)

AWSのAppSyncでアプリケーションのオフライン利用が可能に

【抄訳】
Webホスティングサービスの王者の勝利を誇示するような大集会が、今年もラスベガスで行われている。そのAmazon Web Servicesのデベロッパーカンファレンスre:Inventでは今日(米国時間11/28)、このサービスがホストしているアプリケーションをオフラインでも使える新しい機能、AppSyncが発表された。

今朝発表された同社のブログ記事が、この新しいサービスの概要を説明している。

その記事によると、AWS AppSyncは、完全に管理されたサーバーレスのGraphQLサービスで、デバイスがオフラインでもリアルタイムのデータクェリを可能にする。そして接続が可利用になればローカルデータをシンクする。

Amazon技術のエヴァンジェリストのようなTara Walkerの、少々分かりづらいブログ記事によると、GraphQLはデータクェリ言語で、リアルタイムのデータ取り出しとクェリの動的実行を行うサーバーサイドのランタイムだ。

クライアントアプリケーションを作るときにはGraphQLはアプリケーションレイヤで動き、スキーマを定義するためのタイプシステムを提供する、と上記のWalkerは言っている。

そしてこれらのスキーマが、データに対する操作の仕方とデータの構造をコントロールするスペックになる。GraphQLはまた、多くのプログラミング言語やライブラリがサポートしている宣言的プログラミングモデルで動作する(これもWalkerより)。

以上でよく理解できた方は、ぼくよりも優秀だ。でもなにしろ、Walkerは、AppSyncについてこのように書いているのだ。

デベロッパーはスキーマを作って、GraphQLで開発するAPIのタイプと能力を定義し、“Resolver”ファンクションに結びつける。スキーマは既存のデータソースに基づいていてもよいし、あるいはAppSyncがスキーマの定義に基づいて自動的にテーブルを作ることもできる。

デベロッパーは、バックエンドのデータソースに関する知識がなくても、GraphQLの機能を利用してデータの発見(データディスカバリ)ができる(これは便利だ)。

Walkerは、さらにこう説明している:

【後略】

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

GoogleのNearby Connections APIを使えば近くのAndroid機同士でオフラインのネットワーキングができる

Googleが今日(米国時間7/31)、互いに近くにいるAndroid機/Androidアプリ同士がオフラインでもコミュニケーションできる、というAPIを一般公開した。Googleが挙げているいろんなユースケースの中には、(1)ホテルの部屋が来客を感知してその人に合った室温や音楽を提供する、(2)近くにいるデバイス同士でアドレス帳を合体する、などがある。

この技術はNearby Connections API(近傍接続API, NCA)と呼ばれ、最初のうちはメディアのオフライン共有や、ネット接続の不安定な地域における災害警報などの用途に使われるようだ。

このNearby Connections APIをGoogleはかなり前から作っていて、APIは2015年に初めて発表された。そのときは、テレビを使ってやってるゲームのセカンドスクリーン(第二画面)としてモバイルデバイスを利用する、というユースケースが紹介された。

そして今年のGoogleのデベロッパーカンファレンスI/Oでは、このAPIのアップデートが紹介された。

(Nearby Connections APIの説明は24:15あたり)

近くのデバイスとの近傍接続には、Wi-FiやBluetooth LE、Classic Bluetoothなどが利用される。そのとき使える電波はアプリ自身が選び、また、新たな電波が使えるようになったら、その検出もできる。デベロッパーがそのためのコードを書く必要はない。

このAPIで構成されるネットワークには、二つのタイプがある。

ひとつは、中央集権型。たとえばゲームのサーバーや先生が生徒と対話するサーバーがこのNCAを使ってクライアント(ゲーマーや児童生徒)と対話する。もうひとつは、メッシュネットワークを構成してオフラインでチャットやそのほかのグループ活動をする使い方だ。

Googleは今日、このAPIを使ったアプリもいくつか発表した。

その中のThe Weather Channelは、キャリアのデータ通信が十分に使えない状況でメッシュネットワークにより台風などの緊急気象情報を伝え合う。Hotstarは、同様の状況(飛行機、地下鉄など)でメディアを共有する。そしてGameInsightは、近くに仲間のプレーヤーを見つけて完全にオフラインでゲームを進める。

このほか、このAPIを使ったAndroid TVのリモコンで、初期のセットアップが楽になる。また、Androidデバイスをそのセカンドスクリーンとしても使える。

これまで一部のパートナーだけに提供されていたこのAPIは、今日から一般公開される。AndroidのバージョンはJelly Bean以上、インストールされているGoogle Playは11.0以上が必要だ。

そのほかのパイロットアプリも近く公開されるが、それらに関してはまだ具体的な情報がない。またGoogle Playの11.0以上という要件は、現状ではかなり客層を狭めるので、このAPIの採用に乗り気でないデベロッパーもいるそうだ。せっかく、近傍接続を生かしたアプリを作っても、まだユーザー数が少ない、と見込んでいるからだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google検索のAndroidアプリに途切れがちなインターネット接続でも検索できる機能が加わる

google-shop121

インターネットの利用者が初めて世界の人口の半分を超えた今、Googleはそのサービスのアクセス性を改善しようとしている。それは、スペースが限られている安価なデバイスのためにアプリのサイズを小さくする、不安定で薄弱なインターネット接続のためにオフラインサポートを強化する、などの措置だ。

すでにYouTube, Google Maps, Google Translateなどは新興市場向けの機能を盛り込んでいるが、今日はGoogleという企業の旗艦アプリである検索のAndroidアプリに、オフラインで検索できる便利な機能が加わった。

…と言い切ってしまうと言い過ぎで、それは本物のオフライン検索ではなく、Googleが工夫したそれもどきだ。アプリは、オフラインのときでも検索を受け付け、そのクェリを保存し、接続が再開したらただちに結果をユーザーに届ける。Googleのブログ記事によると、地下鉄に乗ってるとか、田舎の山奥にいるなど、一時的にネットワークが使えないときにも、便利に感じるだろう、という。

“データ料金や電池寿命を気になさらないように。この機能は電池を消耗しませんし、検索結果ページの取り出しも素早いから、データ利用への影響はごくわずかです”、だそうだ。

この機能はGoogle検索アプリのAndroidバージョンだけだが、新しいインターネットユーザーが急増している振興市場ではAndroidがメインのオペレーティングシステムなので、妥当かもしれない。iOSバージョンが出るか、いつ出るか、などについてはまだ何も情報はない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

FacebookがPOSシステムと連携、ユーザーの来店と購入までトラックできるように

facebook-in-store-data1

Facebookは広告収入における聖なる杯を見つけた。そして、今回SquareやMarketoといったPOSシステムとパートナーシップを結ぶことで、Facebookの広告を見て、どのくらいのユーザーが購入に至ったかを示すようになる。何も購入しなかったとしてもFacebookはGPS、ビーコン、WiFi、無線信号、携帯電話基地局などの情報と物理店舗の位置を照らし合わせる新機能で、その店舗を訪れたユーザー数が分かるようになる。

このデータがあれば広告主はFacebook広告により資金をつぎ込みやすくなる。Facebookでの広告のビュー数が、来店や購入に結びついたかを正確に示すことができるからだ。まだ物理店舗での売上が90%を占め、オンラインは少ない状況だ。Facebookは広告のビュー数、クリック数といった断片的な指標ではなく、広告が実際にどの程度購入につながったを測定できるよう、業界の進化を促そうとしている。

Offline Conversions API(オフライン・コンバージョンAPI)で、FacebookはGoogleと広告費を巡って競うことができるようになる。Googleは2014年からAdWordsに来店指標を導入し、最近では近くの店舗を示す地図付きの広告商品を出した。Facebookが広告主を惹きつけるには、人気のあるニュースフィードの広告を提供した上で、広告を見ている人が誰で、何に関心があるといったディープデータセットをも提供する必要があるだろう。

Facebookはプライバシーを守るために、データを匿名化して統計処理を行っているが、明確にオプトアウトできる選択肢が用意されていないのは不安な気持ちになる。特定の広告をフィードで表示しないように設定するか、Facebookの位置情報サービスを全部オフにするくらしかできない。この施策に不満を持つ人は、Facebookの他の機能が使えなくなったとしても、位置情報機能を切ってしまうことだろう。

Facebook Purchase Data

これまで広告主は、手元の広告購入と売上の推移の関係を漠然と予想するしかなかった。Facebookとパートナーシップを結んでいるDatalogixといったオフラインの購入データプロバイダーの提供データさえ正確とは言えないものだった。しかし、新たなオフライン・コンバージョンAPIでFacebookは店舗のレジスターやEコマースの売上管理ソフトウェアに直接アクセスし、店舗とオンラインの両方の取引状況をリアルタイムで取得することができる。それに加えデモグラフィックの詳細情報を得ることで、今後打つ広告キャンペーンの効果を上げることもできるようになるだろう。

店舗への来客を促したい広告主向けに、Facebookは新たなStore Locator広告商品も用意した。これは、ユーザーの近くにある企業の物理店舗の位置をカルーセル広告の最後に表示して、ユーザーが目的地への道順を取得できるものだ。Facebookを離れ、慣れないサイトの店舗検索を使用せずとも店舗の住所、営業時間、電話番号、ウェブサイト、各店舗への到着予定時刻がソーシャルネットワーク上で分かる。広告をクリックするとネイティブ地図アプリで目的地までの道順を確認することができる。

STORE LOCATOR

FacebookのMonetization Product Marketing部門でディレクターを務めるMaz Sharafiは「オンライン広告の初期の頃を思い返すと、これが広告主が長らく待っていたことだったと分かります」。

広告主も同意する。アルゼンチンの電化製品の小売店、Fravegaでデジタルマーケティングマネージャーを務めるMariano Tordoは「Fravegaでは、Facebook広告経由のEコマース収益の1ドル毎に対し、実際には物理店舗で2.20ドルを得ていたことが証明されました。新たなソリューションで私たちは、広告投資を最適化し、納得して広告費を増やすることができました」と言う。

フランスの小売店E.Leclercは、彼らが出した広告の1つでは、クリックの12%が7日以内の来店につながっていたという。こういったデータは広告主がFacebook広告をさらに購入する動機となるだろう。

広告主はIBM、Index、Invoca、Lightspeed、LiveRamp、Marketo、Squareらとパートナーを組みAPI経由でオフラインのコンバージョン率を取得するか、あるいはFacebookと直接組むことができる。全てのユーザーが位置情報サービスを常にオンにしている状態ではないので、Facebookはサービスをオンにしている代表サンプルから、広告のビュー人数の何割が広告主の店舗へと足を運んだのかを推定する。

13437781_1556666734636280_723358007_n

位置データはStore Visits(店舗来客)指標として、次の数ヶ月間内にFacebookの広告パフォーマンス・ダッシュボードでの展開が完了した時点から利用できるようになる。FacebookのプロダクトマネージャーSam Englandはこの指標は「ブラックボックスへと通じる窓」と呼ぶ。このデータは、プライバシーの安全のため、匿名化して統計的に処理しているため、広告主は誰が広告を見て、来店して購入したかを特定することはできない。広告キャンペーンでターゲットした中の誰かが来店や購入したということだけだ。

投資対効果の不透明さが、どのプラットフォームでも企業がそれ以上に広告に投資することを躊躇わせる障壁となっていた。テレビ、印刷物、看板では、まるで売上や広告の閲覧数を特定する方法はなく、オンライン広告でもオンラインから直接広告をクリックして、売上につながった場合にしかトラックすることができなかったが、今回のFacebook広告はそれと比べると多くのことが分かるようになる。

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website