コーヒー豆サブスク「PostCoffee」運営のPOST COFFEEが資金調達、ポップアップストア開催

コーヒー豆サブスク「PostCoffee」運営のPOST COFFEEが資金調達、ポップアップストア開催

コーヒー豆のサブスクリプションサービス「PostCoffee」運営のPOST COFFEEは12月1日、第三者割当増資による資金調達を2020年11月に実施したと発表した。引受先は、丸井グループ子会社D2C&Co.、三井住友海上キャピタ(MSIVC2020V投資事業有限責任組合)、サムライインキュベート(Samurai Incubate Fund 6号投資事業有限責任組合)、既存株主のセレス。

また同社は、コーヒーボックスのカスタマイズを体験し購入できるポップアップストア(期間限定ストア)の開催を明らかにした。開設場所は渋谷MODI(渋谷モディ) 1F。期間は12月12日~15日。

  • 場所:渋谷MODI(渋谷モディ)1F 〒150-0041 東京都渋谷区神南1-21-3
  • 日時:2020年12月12日~15日
  • 営業時間:11時〜20時

今回の資金調達により、資本業務提携を行ったD2C&Co.をはじめパートナー企業との連携、コーヒーやRTD(Ready To Drink。購入後すぐ飲める飲料)製品の生産・製造体制の強化、マイクロロースターと消費者を結ぶプラットフォームの構築、エンジニア、マネージャークラスの人材採用などを加速し、企業価値を向上させる。

またD2C&Co.との資本業務提携により、渋谷モディでのポップアップストア出店を皮切りに、全国のリアル店舗でも新しいコーヒー体験を提供し、オンラインとオフラインがシームレスにちながったユーザー体験の構築を目指す。

PostCoffeeは、コーヒーの定期便サービス。「ライフスタイルを進化させる」をミッションに、「毎日のコーヒーを、もっと美味しく、スマートに」をビジョンとして、おいしいコーヒーとの出会い、新しいコーヒーライフを提供している。

同サービスでは、10個の質問からなるコーヒー診断により、約15万通りの組み合わせからライフスタイルに合ったコーヒー3種類・淹れ方・頻度・価格を提案。

ユーザー専用のコーヒーボックスとして、診断から導き出された3種類のコーヒー、カスタマイズした砂糖・粉末ミルク・フィルターなどのセットを1ヵ月ごと(または2週間ごと)に送付する。コーヒーがなくなってしまった場合は、追加での注文も可能という。欲しいコーヒーを選んで購入(1280円/150g)すると、最短翌日で届けるという。

2020年2月より正式にサービスを開始したところ、ベータ版(2019年3月〜2020年1月)と比較し、半年で会員登録数が10倍に成長したという。またリリースしてからのコーヒー診断が行われた回数が累計10万回を突破。コロナ禍でのテレワーク推進や巣篭もり消費の影響もあり、自宅でコーヒーを淹れる生活をスタートする方が増えているそうだ。

コーヒー豆サブスク「PostCoffee」運営のPOST COFFEEが資金調達、ポップアップストア開催

今回開催のポップアップストアでは、コーヒー診断をもとに顧客それぞれに合わせたオリジナルのコーヒーボックスを作り、プロのバリスタのレクチャーで試飲や抽出を体験できる(体験には事前予約が必要)。プロのバリスタとコミュニケーションを取ることで、さらなる好みの探求が可能という。

コーヒー豆サブスク「PostCoffee」運営のPOST COFFEEが資金調達、ポップアップストア開催

この際に、PostCoffeeが常時揃えている約30種類のコーヒー豆の中から、自分に合ったコーヒー3種類をセットにしたボックスを作り、持ち帰ることができる。ポップアップストア限定のPostCoffeeオリジナルマグカップ、グラス、おすすめコーヒー3種類のコーヒーボックスなども購入できる(物販は予約不要)。

コーヒー豆サブスク「PostCoffee」運営のPOST COFFEEが資金調達、ポップアップストア開催

コーヒーボックス作成体験(要予約)

  • 予約サイト:「PostCoffee Offline Popup Store 体験予約」で予約
  • 料金:1名あたり税抜1980円。1つの予約につき、2名まで来店可能。代表者のみ事前決済を行い、別途1名は当日店舗で決済
  • 体験時間:45分程度

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カテゴリー:フードテック
タグ:コーヒーサブスクリプション(用語)資金調達(用語)D2C(用語)POST COFFEEPostCoffee日本(国・地域)

東大・仏国立研究所発スタートアップのコーピー、AI運用・品質管理プラットフォーム「CONFIDE」をプレローンチ

東京大学・フランス国立情報学自動制御研究所(Inria)発のAIスタートアップであるコーピーは8月6日​、ドメイン特化AIの運用・品質管理を簡単に実現可能にするサービス「CONFIDE」(コンファイド)をプレローンチした。あわせて最先端技術を用いた包括的なAI開発・運用コンサルティングの提供も開始しる。さらに、DEEPCORE、Deep30、その他の金融機関から合計1億円強の資金調達も発表した。今回調達した資金は、人材強化と「CONFIDE」の正式版ローンチ、事業者への導入のために投下する計画だ。

CONFIDEは、製造業における外観検査AIや、自動走行における物体検知AIなどの領域(ドメイン)に特化したAI。12月に正式版をローンチ予定で、現在CONFIDEを用いたAIの運用・品質管理を試してみたい企業やCONFIDEを用いたサービスの共同開発を希望するパートナー企業を募集中だ。

特徴は、同社が研究を続けてきたXAI/QAAI技術を導入して精度を高めている点。なお、XAI(eXplainable AI)とはAIの判断根拠を説明可能にする技術の総称、QAAI(Quality Assurable AI)はAI​システムに特化した品質検証技術と品質保証プロセスを指す。同社は、AI品質保証研究を専門とする国立情報学研究所のの石川冬樹氏とXAI研究の第一人者である原 聡氏を技術顧問に迎えている。

新たに開始するコンサルティング業務は、すでに運用しているAIシステムや予算をかけて開発したもののPoCで終わってしまっていたAIシステムなどに対する品質検証サービス。QAAI技術を用いて網羅的に品質検証を行うことで、どこに品質的な課題があるのかあぶり出し、どのように改善していけばいいか提案する。

同社は「現在本格的に導入されているAIシステムは、リコメンデーションやOCRのような特定領域や特定技術、非ミッションクリティカルな領域や機械学習による不確かさの影響が少ない領域や技術に限られており、ほとんどのケースでは、PoCより先に進んでいない」と感じており、「特にシステムの判断ミスが人命を脅かす危機に直結する領域や、社会的、経営的危機に直結する領域においては、機械学習を含むAIシステムがほとんど本導入に至っていないのが現状」との認識から、同社のXAI/QAAI技術を用いてこれらを解決することを目指している。なお、XAI/QAAI技術の詳細については同社の技術顧問を務める石川氏が公開している資料を参照してほしい。

月額1480円からのコーヒーサブスク「PostCoffee」は“自分に合った”コーヒーが定期的に届く

何も考えずに、自分が美味しいと感じるコーヒーを常に飲んでいたい——もしあなたがそんな願望を持つコーヒー愛好家なら、本日2月6日に正式公開された「PostCoffee」をチェックしてみるといいかもしれない。

このスペシャルティコーヒーのサブスクリプションサービスは、Web上で10個の質問に応えるだけで「自分に合った3種類のコーヒー豆」をピックアップし、特製のコーヒーボックスに入れて定期的に自宅まで届けてくれる。「時間をかけて選ぶのは面倒だけど、味にはこだわりたいしマンネリ化も避けたい」というユーザーとは特に相性が良いだろう。

コーヒーのラインナップは30種類以上。PostCoffeeを象徴するブレンド1種と、その他は単一の農園で栽培されたシングルオリジンから構成される。スペシャルティコーヒーのシングルオリジンでの種類数は国内最大級の品揃えになるとのことだ。

10個の質問に答えれば自分に合ったコーヒーを提案

PostCoffeeでコーヒーを頼みたいユーザーは、まずオンライン上で「コーヒー診断」を行う。

ライフスタイルや嗜好に関する10個の質問に答えていくと各ユーザーのコーヒーライフを診断。コーヒー豆3種類に加えて、オススメの淹れ方やオプション(砂糖や粉末ミルク)などをカスタイズして提案してくれる。

質問の内容は「オープンしたばかりのアイスクリーム屋でどんなフレーバーを選ぶか」「1週間の休暇をどこで過ごすか」といったように、一見コーヒーとはあまり関係のなさそうなものも多い。ただそこにも明確な狙いがあるという。

「これまでも業界内でコーヒーの味を科学する取り組みは行われてきたが、すごく嗜好性が強い飲み物なので、どんなに美味しくても人によっては気に入らなかったりする。それを踏まえてコーヒーの味を科学するというよりは、個人の嗜好性やライフスタイルを科学することでコーヒーの好みを導き出すというアプローチを取っている」(下村氏)

自分向けにカスタマイズされたコーヒー豆はオプションやフィルターをセットにしたコーヒーボックスとして定期的に自宅に届く。3種類のコーヒー豆をそれぞれ3杯分 (計約140g)ずつが基本となるが、コーヒーを頻繁に飲むような人の場合は5杯分に変更することも可能。頻度も1ヵ月ごと、または2週間ごとで選べる。

月額料金は1480円からとなっていて、オプションの内容や量、頻度によって変わる仕組み。飲んだコーヒーについてフィードバックをすることで、次回以降届くコーヒーをどんどん自分好みのものにアップデートできるのが特徴だ。また各コーヒー豆は単品で購入することもでき(1280円/150g)、最短で翌日にポストへ投函してくれる。

もともとPostCoffeeはオンデマンド型のコーヒー豆ECアプリとして2019年3月にスタート。当初からサブスクモデルのマンスリープランを提供していたものの、コーヒー診断の仕組みなどもなく、シンプルなプロダクトだった。

正式版の提供にあたっては、ベータ版から蓄積してきたデータやユーザーインタビューの結果を基に開発したパーソナライズ機能を搭載。コーヒー豆の種類も拡充した上で、各ユーザーが自分に合ったコーヒーライフを発見できるサービスを目指した。

「『たくさんの選択肢の中から自分に合ったものを探すのは大変だけど、一方でマンネリ化はしたくない』『コーヒーが無くなった時には、すぐに届けてくれる仕組みが欲しい』といったユーザーさんの声をミートアップなどで耳にする機会が多かった。無思考型のUXとも言われるように、自分でわざわざ考えなくても美味しいコーヒーが定期的に自宅へ届く体験を作っていきたい」(下村氏)

目黒にサービス体験型のリアル店舗をオープン

今回PostCoffeeでは正式版のリリースと合わせて、東京都目黒区の目黒通り沿いに焙煎所を併設したオフライン店舗を開設したことも明かしている(一般オープンは2月10日から)。

このリアル店舗ではコーヒー診断をした上でバリスタと一緒にコーヒーの試飲や飲み比べ、ハンドドリップによる抽出などを無料で体験できる。いわゆるサービス体験型の店舗のため、イートインやテイクアウトはなし。PostCoffeeが気に入った場合は診断結果を基にその場でサブスクをスタートすることができ、1回目のコーヒーボックスはそのまま持ち帰ることも可能だ。

店舗ではバリスタと一緒に自身のカルテ(診断結果)を見れるなど、既存ユーザーでも楽しめる要素を取り入れてるそう。PostCoffeeではオンラインだけでなくオフラインの体験も改善しながら、サービスの拡大を目指していく計画だ。

POST COFFEEは2018年9月の設立。昨年10月にはセレス、朝日メディアラボベンチャーズ、インキュベイトファンド、スタディーズから総額約5000万円の資金調達を実施している。

シンプルでポータブルな真空抽出式コーヒーメーカー「FrankOne」

FrankOne(フランクワン)は、、クラウドファンディングのキャンペーンに成功して販売が開始されたコーヒーメーカーだ。私は、この発売ほやほやのファンキーなガジェットを試す機会に恵まれた。普段使っているプアオーバーや大きなコーヒーマシンに取って代わることはないが、素早く1杯のコーヒーを淹れてくれる気の利いたポータブルなやつだ。

これをデザインしたEduardo Umaña(エデュアルド・ウマーナ)氏は、1年と少し前にこのデバイスを私に売り込みに来て、私はその真空抽出方式に魅了された。驚くべきことに、今に至るまで、コロンビアでコーヒーメーカーを作った人はいなかった。FrankOneの名称は、コロンビアで初めてコーヒーの貿易を行ったフランク・デ・パウラ・サンタンデルにちなんでいる。しかし、本当にこれは使えるのだろうか?

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私はFrankOneを自宅で数回試してみた。多少の不安はあったが、実際にいろいろなシチュエーションで使えるコーヒーマシンであることがわかった。

使い方は極めて簡単。上から挽いた豆を入れて、お湯を注ぎ(熱湯は禁物!)、ちょっとかき混ぜて、お好みに応じて30〜50秒後にボタンを押す。するとポンプが起動して、水をメッシュフィルターから下のカラフェに押し出す。とっても早くて間違えようがない。

出来上がったコーヒーはうまい。言わせてもらえば、ちょっと軽いか。しかし、豆の挽き具合や蒸らす時間を変えて調整できる。底によく沈殿物が見られるが、フレンチプのカップに残るカスほどではない。

バッテリー式で、最大200杯まで淹れられるし、充電も簡単。そして完全防水なので洗うのも楽だ。ディスポーザー付きの流しならなお簡単だろう。コーヒーかすを捨てて水でゆすぎ、さっと拭いておしまい。ディスポーザーがない場合はちょっとだけ手間がかかるが、そもそも手間のかからないものなんてある?

私は、キャンプでさっと簡単に1杯淹れるのにいいだろうと考えた。普段私はフレンチプレスを使うのだが、ドリップを使うこともある。どちらにも良いところと制約がある。FrankOneは、プアオーバーのようにドリッパーの脇に立っていなければならなかったり、フレンチプレスのように使った後で分解して洗うとといった手間がない。

さらにウマーナ氏が教えてくれたのだが、水出しに最適なのだそうだ。他にも水出しができる器具はたくさんあるが、ウマーナ氏は「FrankOneならごく短時間で奇跡を起こす」と断言していた。1時間どころか4分だ。私は試していない。なぜなら、水出しコーヒーは私にとってはビターなチョコレートミルクの味だからだ。しかし、もし彼の言うことが事実でなかったとしたら、これほど何度も進言してくるはずがないと私は率直に思う。

私が感じたところでは、3つの短所がある。1つ目は、FrankOneはシリコンのOリングで周囲を密閉しなければならないため、付属のガラス製カラフェを使わなければならない点だ。私が持っている中でいちばん大きいマグカップも使えなかった。付属のカラフェは魅力的だし頑丈なので、これについて不満はないのだが、これを割ったり、なくしてしまったときには代替品を探すことになる。

2つ目は、たくさん淹れられない点だ。カラフェに刻まれている上限のラインは300〜350ml程度。コーヒーショップのトールサイズぐらいだ。私にはちょうどいい。これはみんなの分を淹れるためのものではなく、あくまでも一人分用なのだ。

関連記事:スマホ・NFCと連携してプアオーバーコーヒーを自動化するGeesaa

私は少し前にGeesaaのレビュー記事を書いた。クールなデバイスだが、とても複雑でかなり場所も取る。もしそれを友人にプレゼントするとしたら、相手にアプリをダウンロードさせて、私が会得した最良の使い方を教えて、私のレシピをシェアするといった手間がかかる。Geesaaには、ソーシャルネットワークが付いてくるのだ。

こちらは、ずっとずっと簡単だ。コンパクトだしすぐに使える。コーヒーメーカーを超えようとは思わないクラシックな方法に代わる優れた製品だ。120ドルとちょっと高価だが、考えてみればひと月のコーヒー代はそんなものではないか。

ところで、決済のときにディスカウントコード「TC」を入力すれば10%オフになる。後からキャッシュバックとかではない。ウマーナはいいヤツだ!

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(翻訳:金井哲夫)

月額1280円のコーヒーサブスク「PostCoffee」が5000万円調達、自分に合ったコーヒーが見つかる機能強化へ

コーヒーのサブスクリプションサービス「PostCoffee」を運営するPOST COFFEEは10月1日、セレス、朝日メディアラボベンチャーズ、インキュベイトファンド、スタディーズより総額約5000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。

PostCoffeeはスペシャルティコーヒー(品質の良いコーヒー)を自宅で気軽に楽しめるサービスだ。

現在はエチオピアやケニア、コロンビアなど世界各国から厳選した10種類のシングルオリジンにオリジナルブレンドを加えた全11種のコーヒー豆を用意。これをアプリ上から手軽に注文できる形で提供する。

各パッケージは約10杯分に相当する150gで一律1280円。ユーザーは注文時に豆のままか挽いたものかを選ぶ。

豆が無くなりそうなタイミングに合わせて「アプリからワンタップ」で注文できるのが特徴。最短で翌日ポストに投函されるので不在時でも心配はない。個別で購入することもできるが1280円からの月額会員になると送料が無料になるほか、登録後に3種のコーヒーを飲み比べられるスターターキットを無料で試せる。

このキットではオリジナルドリッパー、3種のコーヒー豆(各1杯ずつ)、ペーパーフィルターがセットになっているのでマグカップとお湯を用意するだけでOK。2週間のトライアル期間が設けられているから、スペシャリティコーヒーを楽しんでみたい人はここから始めるのもありだろう。

POST COFFEEで代表を務める下村氏は、同社を立ち上げる前に渋谷区富ヶ谷でコーヒースタンドをオープンし、2年半ほどバリスタを兼務していたという珍しい経歴の持ち主だ。

近年日本でもブルーボトルコーヒーの上陸などで「サードウェーブコーヒー」の注目度が増しつつあるが、スペシャリティコーヒーの流通量はまだ限定的。下村氏によると販売チャネルが限られるため、都内でも手に入れにくい状況だという。

「質の高いコーヒーとユーザーの距離を最大限縮めることが目標だ。コーヒーはそもそも種類が多く、生産地や焙煎度合いによっても味が異なり、自分に合ったものを選ぶのも大変。まずは手に入りにくいスペシャリティコーヒーをワンタップで、オンデマンドで注文できる仕組みから始めた。ゆくゆくはユーザーの好みとテイストのデータを基に1人1人に合ったコーヒーを提供できるようにしていく」(下村氏)

3月のサービスローンチから約半年、現在のアプリダウンロード数は数千件。徐々にではあるけれど、コーヒー好きのユーザーを中心に有料会員として継続的にPostCoffeeを活用する人も増えてきた。

下村氏の話ではユーザーからのフィードバックなども踏まえて年内を目処に大型のアップデートを加えた新バージョンをリリースする計画。今回の資金調達もそれに向けた人材採用や環境整備が主な目的だという。

「パーソナライズ」機能で個々に合ったコーヒーライフを提案へ

POST COFFEEは2018年9月の設立。創業者の下村氏はもともと兄弟でデジタルクリエイティブスタジオを立ち上げ、デザイナー兼エンジニアとして16年にわたり同社を経営してきた。

スタートアップにCTOとして参画した経験もあるなどテック業界での経験が豊富な一方で、上述したように2年半ほどコーヒースタンドのバリスタを務めコーヒーの知見もある。

PostCoffeeを作った理由の1つは「実際にローカルコーヒー店を経営する中で、その商圏の狭さを経験したから」。そもそも日本ではあまり広がっていないスペシャリティコーヒーをもっと多くの人が楽しめるように、「場所問わずスマホがあれば簡単に良質なコーヒーを手に入れられる仕組み」を作ることからチャレンジを始めた。

左からPOST COFFEE代表取締役の下村領氏、取締役の下村祐太朗氏

今後PostCoffeeではさまざまなアップデートを行っていく予定だが、キーワードは「コーヒーのパーソナライズ」だ。

ライフスタイルやユーザーの好み、好きな食べ物などの質問に応えることで、コーヒーの淹れ方からコーヒー豆の種類、頻度、量、価格といった様々な要素をパーソナライズした上で提供。飲んだコーヒーのフィードバックを繰り返していけば自宅に届くコーヒーもより最適化されていくという。

「(ライフスタイルや好きなスイーツなど)コーヒーに直接関係ない部分も含めて好みを把握し、個々にあったコーヒーを提供する。ユーザー自身が必ずしも直接豆を選ばなくていいような仕組みを作ることでハードルを下げ、より多くの人にスペシャリティコーヒーを楽しんでもらいたい」(下村氏)

ローンチ時から「AIバリスタ」機能についても言及していたが、まずは第一ステップとしてチャットボットのような形で対話しながらコーヒーのパーソナライズを行う。コーヒー豆の種類も30種ほどに増やす予定で、料金もライトなものを追加していくとのことだ。

並行してWeb版とAndroid版の開発も進めていく方針(現在はiOS版のみ)。コーヒー豆については直接農園から手配したものをユーザーにダイレクトに届ける「D2Cモデルのコーヒーブランド」にも取り組むほか、オフライン店舗や新しい焙煎所の開設、リアルなイベントの実施などにも着手する。

「現在はシェアロースターを使って焙煎しているが、今後自分たちで焙煎機を導入して独自の焙煎場を立ち上げる予定だ。近い将来ユーザーが立ち寄れるオープンな場所を開設したいと考えていて、新しい味を体験したり、コーヒーについての理解を深めたりできるような空間を目指す」(下村氏)

コーヒー焙煎機のサブスクBellwether Coffeeが42億円超を調達

より良いコーヒーの生産に向けて小売業界では軍拡競争が続いている、その中のスタートアップの1つ、Bellwether Coffee(ベルウェザーコーヒー)は、小売業者たちが最善の豆を売ることができるようにするソリューションを持っていると考えている。

バークレーに本社を置くこのビジネスは 米国時間9月4日、DBL Partners、ならびにSolarCityの共同創業者であるPeter Rive(ピーター・ライブ)氏とLyndon Rive(リンドン・ライブ)氏が主導する、4000万ドル(約42億円)のシリーズB資金調達を発表した。このラウンドによって、昨夏に行われた1000万ドルのシリーズAを含め、資金調達総額は5600万ドル(約59億8360万円)となった。

このハードウェアとソフトウェアの複合ビジネスは、ハイテクかつゼロエミッションのコーヒー焙煎機を製造している。この焙煎機は、カフェや食料品店、大学キャンパス、その他人がコーヒーを買う場所ならどこにでも設置できるようにデザインされている。7万5000ドル(約800万円)での買い切りか、月額1000ドル(約10万7000円)で焙煎機を手に入れると、コーヒー豆のオンライン市場にアクセスすることができる。目標は、各コーヒーショップに自身の豆を焙煎する力を与えることで、これまで焙煎済みの豆を高い価格で世界中のカフェに卸売してきた中間業者たちを排除することだ。

「エチオピアの農場からカフェや顧客の手元に置かれた焙煎機へと繋がれたコーヒー体験を作り上げたいと考えているのです」とTechCrunchに語るのは、BellwetherのCEOであるNathan Gilliland(ネイサン・ギリランド)氏だ。

およそ140社の顧客を抱えるBellwetherは、ベンチャーキャピタルの資金を投入して製造能力と顧客対応チームを拡大する予定だ。同スタートアップは、2019年に売上を6倍に伸ばして海外進出の野心もまた解き放った。来年には東南アジアと欧州での立ち上げを予定している。

ギリランド氏は、同社の成長を支えているのは、現在起こっている大きな動きだと言う。それは顧客がより高い品質のコーヒーを求める「コーヒーのプレミアム化」だ。

「ワインでそれが起きるのを見ましたし、クラフトビールでもそれが起きました」と彼は言う。「昔はバドライトを飲んでいたのに、今はクラフトビールを飲んでいるのです。ハイエンドの食料品店ではこうした製品の販売に力が入っていることがわかります。これがカテゴリのプレミアム化です」。

「30年前には、誰もがフォルジャーズ(Folgers、コーヒー豆業者)のコーヒーを飲んでいましたが、80年代にはスターバックス(Starbucks)がコーヒーの概念を変えました。そしてブルーボトル(Blue Bottle)が次の一歩を踏み出したというのが今の状況です」と彼は付け加えた。

Bellwetherは2013年にリカルド・ロペス(Ricardo Lopez)氏によって創業された。同社はまた、FusionX、Congruent Ventures、Coffee Bell、Tandem Capital、Spindrift Equities、XN Ventures、Balius Partners、そしてHardware Clubによって支援されている。

[原文へ]

(翻訳:sako)

スマホ・NFCと連携してプアオーバーコーヒーを自動化するGeesaa

プアオーバーコーヒー(上から注ぐ、ハンドドリップとほぼ同じ意味)を淹れるのが、私のほぼ毎朝の心和む儀式となっている。しかし、ときにはキッチンでバタバタせずに1杯のコーヒーを飲みたいと思うこともある。そこでGeesaaだ。現在、Kickstarterで資金を集めているこの新ガジェットは、そんな私の望みを叶えてくれる。だが、ぜひとも手に入れたいものになるには、まだまだ道のりが遠い。

私は、ローテク、ハイテクを問わず、新しいコーヒーの淹れ方に興味がある。なので、Kickstarterキャンペーンを開始する前に、彼らからGeesaaを試してほしいと申し出があったとき、喜んで引き受けた(現時点で、彼らはすでに目標金額を達成している)。私は1台のプロトタイプを借りて、この数週間、毎日ではないが使ってみた。

Geesaaは、伝統的なドリップ方法を進化させた、ニューウェーブのコーヒーメーカーだ。ハンドドリップに近い味を目指している。つまり、お湯の温度を慎重に調子し、コーヒーの粉に穴を開けてしまったり、かき混ぜてしまわないように優しく、しかもハンドドリップのときと同じパターンを描いてお湯を注ぐというものだ(Automaticaも同様のアイデアのマシンだったが、悲しいかな目標額に達しなかった)。

いろいろなメーカーが、いろいろな方式でこれを実践しているので、Geesaaが唯一のマシンというわけではないが、そのメカニズムは独特に見える。小さなシャワーヘッドで粉の上にお湯を一定間隔で垂らしたり、渦巻き状にお湯の流れをコントロールするのではなく、Geesaaはカラフェ(フィルターをセットする容器)自体を回転させ、その上から動くヘッドでお湯を注ぐ。

こうすることで、結果的に、多くのバリスタがやっているように渦巻き状にお湯を注ぐことができる。バリスタは、粉を均等に蒸して、均等に攪拌し、抽出液が薄くなりすぎないように気を配る(おいしそうでしょ?)。Geesaaは、正しくセッティングしさえすれば、まさにそれをやってくれるのだ。

今どきのガジェットらしく、このコーヒーマシンもチップとメモリーが内蔵されているという点で「スマート」に出来ているのだが、スマートなのはその程度だ。そのシステムでは、いろいろな「レシピ」を選択できる。Geesaaは第二のビジネスモデルとして、正確に計量したコーヒーのパケットをユーザーに販売する予定なのだが、レシピはそれに対応する。パケットにはNFCカードが付属することになっていて、それをマシンに近づけると、適切な設定で抽出が開始される。

たしかにいいアイデアだが、家庭よりもホテルなどに向いているようだ。私はアプリを使うほうがいい。ちょっとばかり複雑になるが、驚くほど豊富な変数を操作して、オリジナルのレシピが作れる。お湯の温度、お湯を注ぐ「ステージ」の間隔、渦巻きパターンの幅、お湯を出す割合など、いろいろカスタマイズできる。

気に入ったレシピが1、2個しか出来ないのが普通だろうが、お客さんが来たときや、新しいコーヒーを試すときや、新しいグラインダーを買ったときなど、いろいろ実験したり調整できるところが有り難い。私もやってみたが、付属のカラフェの替わりに、今持っているコーンとマグカップを使うこともできる。またコーンをメッシュ式やその他の方式のものに替えても大丈夫だ。サイズがだいたい合っていれば使える。純正のカラフェやコーヒーじゃないと弾かれる、みたいなチップは埋め込まれていない。

ちなみに、名前の由来は不明だ。起動すると、小さな画面に「Coffee Dancer」と表示される。英語名はこっちのほうがGeesaaよりもわかりやすいと思うのだが。まあ、いいか。

うまくいくときは、うまくいく。しかし、ヤカンとコーンを使ってハンドドリップするときには起こり得ない、厄介な問題も少なくない。ただ、デバイスもソフトウェアも、テスト段階のプロトタイプであることを考慮してほしい(第3世代だけど、まだまだ)。

ひとつ気になったのは、全体的にお湯の温度が低めだということだ。最高に設定しても摂氏97度だ。もっと高くなければいけないはずだ。内蔵のレシピを使って淹れたコーヒーは、ホットではなくて、ぬるい。おそらく、アームの中を通って空気に触れることで温度が下がるのだろう。小さな水滴になることを考えると、これは決して見過ごせない問題だ。そのため、コーヒーの粉に到達するまで、適切な温度が保たれないようだ。ヤカンから注ぐときは、いつだって最高に熱いお湯が出せる(最高に熱いコーヒーがお好みでない人もいるだろうが、熱すぎるより、ぬるすぎるほうが問題だ)。

付属のフィルターを使い切ってしまったので、うちにあったゴールドのコーンを使ってみたが、うまくいった

搭載されているインターフェイスも、制約が大きい。小さなダイヤルが1つと、2行表示の液晶パネルしかない。一生出会わないであろうコーヒー品種のレシピが、あらかじめ大量に保存されている(本当のコーヒー愛好家が、1回分に小分けされた挽いた豆なんて買うだろうか)。またアプリは、味に関する感想やニュース、有り難がる人はほとんどいないであろう事柄を記入するいろいろな画面で満ちあふれている。レシピを使うと、一応、マシンからそれらの情報を呼び出すことができる。

一度、抽出が始まってからカラフェが中心からずれて置かれているのに気がついたことがある。それを直すと、回転台は停止し、それっきり動かなくなった。また、抽出中にヘッドが動かなくなり、コーンからお湯が溢れそうになるまで、粉の中心に穴を開け続けたこともある(もちろん、不具合が起きたときは、いつでもマシンを止めて再スタートできる)。

しかし、きちんと動くときは、常に安定してうまいコーヒーを淹れてくれる。しかも、私がカップ1杯分を手で淹れるより、ずっと早い。

見た目は美しい。モダンで素直なデザインだ。ただし、BodumやRatioに見られるような優美さはには欠ける。

白もある。つまり、白物家電ってわけ

本体はかなり大きい。ベースの回転部分やその他の部品を防水しなければいけないのはわかるが、必要以上に大きく感じさせる。幅は30cm、奥行きは20cmを超える面積で、高さが30cm近くある。これはかなり嵩張る。私が持っている他のどのコーヒーマシンよりも大きい。

Geesaaは、複雑すぎるデジタルインターフェイスを背負ってはいるものの、優れたコーヒー抽出法だと私は思う。正直なところ、機械式のダイヤルがいくつか備わっていればうれしかった。ひとつは温度調節用、ひとつは湯量、そして入れ方の選択用(最初にブルーミングして45分後に休むといった設定が一度にできるなど)もあっていい。渦巻きの幅を調整するダイヤルも欲しいかも。

それになにより、700ドル(現在のプレッジ額)は死ぬほど高い(訳注:予定販売価格は1000ドル)。キャンペーンページに書かれた宣伝文句はあまり正確ではない。Bonnavitaのような上等なコーヒーメーカーでも150ドル出せば買える。もちろん、もっと安くて優れたマシンはたくさんある。

700ドルという価格、その機能、そしてコーヒーをパケットにして販売するというサイドビジネスを考えると、これは一般のコーヒー愛好家が自宅で所有するより、ブティックホテルの客室か、お洒落なオフィスのキッチンに相応しい。このマシンの試用は楽しめた。しかし、その大きなサイズと複雑さから、これは、私が長年愛してきた、ほんの1杯だけコーヒーを淹れるというミニマルな楽しみのアンチテーゼのように思える。とは言え、この風変わりな新しいコーヒー抽出法の登場は喜ばしい。興味があれば、まだKickstarterキャンペーンは来週あたりまで続くはずなので、バックしてはどうだろう。

[原文へ]

(翻訳:金井哲夫)

スマート秤がコーヒー好きの悩みを解消、焙煎したての豆をなくなる前に自動補充

あなたも、月に一度くらいは、コーヒー豆を切らしたことに後から気付いて、大きなため息をもらしたことがあるだろう。Bottomlessは、Y Combinatorの最新バッチに含まれる200を超えるスタートアップの1つで、カフェイン中毒者向けのソリューションを提供するもの。

共同創立者のMichael Mayer氏によれば、まだ確定ではないものの、36ドルの年会費を払い、ブレンドの種類の応じて毎回11.29ドルを払えば、コーヒー豆のストックが底をつく前に、Bottomlessが自動的に補給してくれる。どうやって?このスタートアップは、インターネットに接続された秤(はかり)をメンバーに無料で配る。メンバーは自分のコーヒー豆の袋をその上に置いておく。Bottomlessの秤が袋の重さを監視して、顧客のコーヒー豆が残り少なくなると、あらかじめ選んである種類の煎りたてのコーヒー豆を、なくなる前に配達してくれる。

よっしゃ、これでもうコーヒーを切らすことはない!

Mayer氏とLiana Herrera氏の夫妻が2016年にシアトルで設立したBottomlessは、Nike.comの元デベロッパーだったMayer氏が情熱を持って始めたもの。Bottomlessが十分な数の顧客を確保し、二人がこのプロジェクトにフルタイムで取り組んでも大丈夫と分かるまで、Herrera氏はシステム実装の専門家として働き続けた。それは2018年のことだった。何カ月か後、2回目の応募で、彼らはY Combinatorのアクセラレータプログラムへの参加を認められた。

Bttomlessのスマート秤

今日、Bottomlessには約400人の顧客がいる。さらにFour BarrelやPhilz Coffeeなどとも配給契約を結んでいる。YCが個々のスタートアップに提供する15万ドルの投資を含め、Bottomlessは、サンフランシスコやシアトル地区のエンジェル投資家から、プレシードラウンドをすでに獲得していた。

YCのためにサンフランシスコに引っ越す前は、Bottomlessの創立者夫婦はシアトルの自宅で無我夢中で働いていた。

「私たちはずっと、アパートに置いた3Dプリンターを使ってプロトタイプを作っていました。はんだ付けもアパートの中でやりました」と、Mayer氏はTechCrunchに語った。「私たちは、自分たちの住まいを、新しい製造工場に変えたわけです。そこらじゅうゴミだらけで、大騒ぎでした。それでもなんとか自分たちの手で、150個の製品を、指に火傷しながらはんだ付けして組み立てたのです」。

長期的な目標は、ペットフード、石鹸、シャンプーなど、いろいろな家庭用品の補充プロセスを自動化することだ。彼らの課題は、顧客の自宅に複数のスマート秤を置いてもらうこと。それは、デジタルアシスタントに指示して、Amazonにコーヒーや石鹸を注文するのとは違うのだ。

Amazonは最近、商品をセルフオーダーできる貼り付けタイプのIoTデバイス、ダッシュボタンを廃止したことを発表した。そのデバイスは、Google HomeやAmazon Alexaが流行りだす前の2015年に発売された。

それでも、なぜキッチンにスマート秤を設置するのか。デジタルアシスタントに、補給を依頼するのではだめなのか?Mayer氏によれば、コーヒー豆の品質が、競争力を保つ秘訣なのだという。

「私たちの最も熱心な顧客の中には、都会からかなり遠く離れた郊外に住んでいる人もいます。彼らは本当に新鮮なコーヒー豆が欲しいのです」とMayer氏は言う。「市街の中心部から20、30分も離れたところに住んでいたら、焙煎したてのコーヒー豆を手に入れる方法はないでしょう?」。

「サンフランシスコやシアトルのような都市なら、レストランがあちこちにあるので、煎りたてのコーヒー豆も簡単に手に入れることができると思うでしょ?」と、彼は続ける。「それは間違いないでしょう。でも、コーヒー豆の残りが少なくなってきたとき、買い足すのに最適な日を覚えておくのには、ちょっと気を使わなければならないのです」。

Mayer氏とHerrera氏は、自らをコーヒーの専門家だとは考えていない。現在、コーヒーの聖地とみなされているシアトルで、基本的に消費者に直売するコーヒー市場を運営しているにもかかわらずだ。

「私はポートランド出身で、ポートランドの人はコーヒーについて詳しいのです」と、Mayer氏は言う。「私は自分では、自分のことを熱心なコーヒー愛飲家だとか、コーヒー通だとか考えたことは、まったくありませんでした。とはいえ、そこらにいる一般的な米国人と比べれば、私はポートランド出身者らしく、よくコーヒーを飲む方だと思います。私がこの仕事を始める前に知っていたのは、コーヒー豆は新鮮なほど良い、ということだけです。本当にそれだけ」。

Bottomlessは現在、ベータユーザーとして顧客を募集している。このチームは来週、YC Demo Daysで投資家にプレゼンする予定だ。

画像クレジット:Bottomless

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Spinnが素敵なコーヒーメーカーのプレオーダーを開始

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5月に開催されたDisrupt NYのBattlefieldで、私たちは非常にクールなハードウェアスタートアップに出会う喜びを味わった。それは私の心(と口)に迫るコーヒー業界で、新しい波を探っていた。そして今、Spinnのハイテクコーヒーメーカーのプレオーダーが可能になった。もし5月に興味を惹かれていたならば、自分のための1台の注文を行うチャンスだ。

覚えていない人のために説明すると、Spinnのマシンは完全な自己完結型で、豆を適切な細かさまで挽き、次に水を沸かして、回転するシリンダを使って挽かれた豆から正しい圧力で抽出を行う。これで素晴らしいコーヒーのできあがり。そして抽出済のコーヒーの粉の始末もとても簡単だ。

オリジナルの記事により詳しい解説がある、また彼らの新しいビデオでマシンの最新の外見を見ることができる、それによればマシンにはタッチコントロールが付き、アプリなしでもコーヒーを入れることができるようになっている。

購入に際しては3つのパッケージの中から選択する必要がある:基本的な機能がすべて含まれ、50ドル分のコーヒークーポンのついたオリジナルモデルは299ドル;オリジナルモデルに加えてカラフェと更に50ドル分のコーヒークーポンの付いたオリジナルプラスモデルが399ドル;そしてより大きなコーヒー豆入れとミルク泡立て器、更に合計200ドル分のコーヒークーポンの付いたオリジナルプロが599ドルだ。出荷は2017年の半ばになるということなので、残念ながら今度のクリスマスシーズンには間に合わない。

もちろん、多くのプレオーダーキャンペーンと同様に、その後の価格は躊躇いを感じるほどのものに上昇する。最初に用意された5000台のユニットの残数はあまり多くないが、程なくより多くの台数が追加される筈だ。

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(翻訳:Sako)

Blue Bottle Coffeeが新たな大型投資ラウンドを計画中か

LOS ANGELES, CA. - MARCH 12, 2014:  Blue Bottle Coffee shot in the Los Angeles Times Studio an item from the Natural Products show in Ananheim that Mary will talk about on March 12, 2014.  (Photo by Anne Cusack/Los Angeles Times via Getty Images)

サンフランシスコのコーヒー戦争が再燃している!

情報筋によれば、昨年の7500万ドルにおよぶ大型資金調達から、1年わずかしか経っていないにも関わらず、Blue Bottleが新たな大型ラウンドを計画しているようだ。調達額については分かっていないが、コーヒーに対するシリコンバレーの投資家の大きな(そしてときに不思議な)興味を考慮すると、前回に近いか、同等レベルの金額に達しても驚きではない。シリコンバレー、そしてサンフランシスコのコーヒー愛には際限がなく、その熱は投資家にも飛び火しているようで、何千万ドルという資金がBlue Bottle CoffeeやPhilzといった会社に流れ込んでいる。

ということで、ここは何よりもコーヒーを優先させよう!コーヒー!コーヒー!コーヒー!

シリコンバレーは、数々の一風変わった投資で知られている。投資先のビジネスは、オルタナティブフードの生産から宇宙探査までさまざまで、コーヒーも決してその例外ではない。しかし、そこにはちゃんとした裏付けがある。コーヒー市場の規模は巨大かつ、800億ドルのバリュエーションを誇るスターバックスという、ほぼ完璧な比較対象が存在するのだ。どんなコーヒー関連企業も、市場のほんの一部を獲得できれば、ユニコーン企業の仲間入りを果たすことができる。そしてもちろん、そのような企業を買収しようと考える企業も同時に存在する。

それでは、ここでコーヒービジネス関連の最近行われた大型ラウンドを見てみよう。

私たちの理解では、上記にSightglass Coffeeがこれまでに調達した資金は含まれていない。(同社には、Square CEOのJack Dorseyが投資しており、ベイエリア界隈では、このことがよく知られている)

また、Blue Bottleは、アメリカ中で精力的に店舗の数を増やしている。店舗の様子も、ブルックリンから近く(以前)流行っていたWilliamsburgのエリアにあるロースター兼コーヒー店から、サンフランシスコのダウンタウンにあるアップルストア風のもの(ここのワッフルはとても美味しい)までさまざまだ。スターバックスが営業している場所では、競合するコーヒー店がうまくやっていける余地が当然ある。特に、スターバックスよりも良いコーヒーや、少なくともより良いエクスペリエンスが提供できるならばなおさらだ。

スターバックスも一般消費者の視点から見るとユニークな立場にある。というのもスターバックスは、会社として大きく成長した結果、一般投資家からその動向をいちいちチェックされてしまうようになったのだ。そしてそんな中でも結果を残すことを求められている。そのため、もしかしたら原料となるコーヒー豆にそのしわ寄せが来ている可能性がある。一方で、Blue Bottleはその高単価を背景に、良質なコーヒー豆を使用できるほか、より良いサプライチェーンを(今無いとすれば)構築しているというイメージを与えることができる。

しかし、Blue Bottleも新たな収入源の発掘を行っており、コーヒー豆のほかにも、ニューオリンズスタイルのアイスコーヒー(小学校の頃の給食に出てきたような可愛らしい牛乳パックに入っている)やコールドブリューコーヒーを販売している。Sightglassも、Ritualのような新興コーヒー企業と同様にコーヒー豆の販売を行っている。このような動きを背景に、コーヒー市場(少なくともサンフランシスコ・ベイエリアのコーヒー市場)は驚くほど競争が激化しており、広く知られるようになるまでには、強く後押ししてくれる、流行に敏感な人が何人かいなければいけない。

(もしかしたら、読者の方には流行に敏感ではないものの、一押しのコーヒー店があるかもしれないが…)

Blue Bottleのケースで言えば、店舗の数を増やすうちに、最終的には海外市場に目を向けざるをえなくなるだろう。これまでにBlue Bottleは、コーヒー好きの間では確固たるブランドを築いてきたものの、今後はカフェイン狂の都市部の消費者以外にも、自分たちがスターバックスより優れていると説得していかなければならない。海外市場の中でも特に、コーヒーが日常的な飲み物と捉えられ、良いワインや食べ物のような職人の手によって作られたものだとは思われていないような地域では、そのプロセスはより困難を極める。

結局のところ、コーヒー市場は、企業が新たに参入するにはなかなか悪くない市場のようだ。実際、スターバックスのサイズだけを考えてみても、世界中にコーヒー豆や関連製品を販売する、こだわりのコーヒー店やロースターを複数社支えるくらいの市場規模である。課題となるのは、どのように店舗・物流網を拡大していくかということで、そのためにはもちろん多大な資本が必要となる。

最終的にコーヒー戦争は、私たち消費者にとってはもちろん良いことだ。コーヒー自体素晴らしいものだし、競争激化でより良いコーヒーを楽しめるようになる。

Blue BottleとSightglassの担当者に、本件に関してコメントを求めたが、回答は得られていない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter