デジタル通貨のプロフェッショナルを定義する

[筆者: David Berger]

編集者注記: David BergerがCEOをしているDigital Currency Council(DCC)は、Bitcoinに関する教育訓練や検定試験、資格証明を提供している団体で、弁護士や会計士、金融の専門家などで構成されている。ここは、コミュニティのメンバーやブロックチェーンへのアクセスも提供している。

新しい産業が発展すると、新しい職業が生まれる。そして、重要な産業において一般人と専門家とのあいだの情報や知識の格差が大きいときには、それらの専門家を客観的に定義して検定するための、組織的なプロセスが必要になる。このプロセスは当の産業の成功のために欠かせないだけではなく、努力してその道の専門家になった人たちの成功のためにも重要だ。

デジタル通貨の経済は新しい知識集合を必要とし、また、個人がその知識を獲得してそのことを証明できる方法も必要だ。エコシステムの成熟と成長は、それに依存している。

DCCは最近までの数か月をかけて、デジタル通貨のプロフェッショナルに必要な中核的能力を定義し(下表)、個人がそういう能力を持つためのオンラインの教育カリキュラムと、能力を検定するための試験を作ってきた。

必要な能力の定義と並んで重要なのは、中核的ではないと見なされる能力を排除することだった。高いレベルの定義が必要ではあるが、これからデジタル通貨の専門的能力を身につけようとする人びとによく分かる定義でもなければならない。したがって中核的能力は専門的能力のあくまでもベースラインであり、今後の実際の仕事の中で身につく、理想的で高度な能力の定義ではない。

そのため、中核的能力を定義するにあたっては、経験と今後の継続的な教育によって身につく専門的能力を排除することにした。

必要とされる知識は永久不変ではなく、産業の変化成長とともに変わっていく。それゆえ、他の産業と同じくデジタル通貨のプロフェッショナルにおいても、全キャリアを通じての継続的教育が必要である。

ここで提案するのは、ある職業分野の排他的なカテゴリーではない。むしろそれは、今後の、弁護士や会計士やコンプライアンスの専門家や、金融関連のアドバイザー、企業コンサルタント、情報技術の専門家などなどからの介入により、肉をつけていくべき、最小限の定義だ。

製鉄工は産業革命とともに生まれた。鉄道技士はその後の繁栄社会から生まれた。宇宙飛行士は宇宙の時代から生まれた。そしてITのプロフェッショナルは情報化時代から生まれた。今日のデジタル通貨のプロフェッショナルは、数学と透明性が定義する新たな効率性とアクセス性と全員の利益をもたらす、分散的デジタル貨幣の時代から生まれようとしている。

デジタル通貨は次の時代の人類の進歩を定義する。デジタル通貨のプロフェッショナルは、そんな時代のさまざまな成果を作り出す。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


超巨大なBitcoinマインの内部を見る

Bitcoinのマイニングはきれいな仕事ではない。専用のサーバが大量に要るし、文字通り専用でほかのタスクは動かせないし、冷却用に強力なファンやエアコンが要る。しかし、そんな大型サーバラックが何千も並んでいる光景は、‘きれいでない’を通り越して、もはや醜い。

Motherboardが提供している下のビデオは、中国のLiaoning Province(遼寧省)にあるbitcoinマイン(mine, 鉱山)を取材している。大きな廃工場を利用し、その中では蛇の巣のように大量のワイヤが群をなし、強力な…人が近づくと吸い込まれるという…ファンが回っている。巨大なサーバファームだが、あらゆるスペースにサーバとケーブルがあるでけで、極端に無駄がない。

このサーバファームは全ブロックチェーンの3%を管理している。超難解な問題にこんなに多くの計算機資源が投じられ、何千台ものマシンが一斉に動いている。でもそれらは、bitcoinのトランザクションのごく一部を扱っているだけなのだ。

 

〔訳注: 上のカット写真とこのビデオに写っているサーバファームとは、まったく関係ありません。こんな参考記事もあります。〕

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Bitcoin送金サービスの起業入門

[筆者: Luis Buenaventura]

編集者注記: Luis Buenaventuraは、bitcoinの送金サービスを行っているRebit.phのファウンダでプロダクト担当。同社のオーナー企業はフィリピンのSatoshi Citadel Industriesだ。

国際的な送金業務の扱い額の総額は年間4300億ドルと言われているが、bitcoinがこの産業に与える影響についてはさまざまな議論がある。しかし暗号通貨の最大のメリットは、言うまでもなく、お金を送ることをメールと同じぐらい簡単にできることにある。

そのことが新興市場にもたらす効果は、とてつもなく大きい。たとえば、この市場を構成する国々がbitcoinの利用で実現する送金手数料の節約額は、それらの国の教育予算の額よりも多い。しかし、こんな大言壮語以上に重要なのは、まだほとんど未整備に近いbitcoin送金サービスの、実践的な実装だ。

数字

弊社はフィリピンで操業しているローカルな零細企業だが、フィリピンそのものは送金の額が世界で三番目に大きい国だ*。その額は2013年が260億ドル、2014年の推計が275億ドルで、毎年着実に10億から20億ドルぐらいずつ増加している。フィリピンに次ぐメキシコは2013年に230億ドルを送金したが、最近は合衆国の住宅市場の低迷により減少している。〔*: フィリピンは国外への出稼ぎ労働者がとても多く、出稼ぎ先から本国の家族など宛てに送金される。〕

メキシコとフィリピンは共に、アメリカ合衆国が最大の送金元国だが、全送金額の98%が合衆国からというメキシコに対し、フィリピンでは合衆国からの比率が30%強にすぎない。

詳しく言うと、合衆国からとされている送金額のうち10億ドル近くは、実際に合衆国からの送金ではなく、中東からの送金が合衆国にあるフィリピンのノストロ銀行勘定を経由して送られてきたものだ。250万あまりのフィリピン人が、そのための口座を保有している。さらに今では、カナダ、マレーシア、オーストラリア、日本、イギリスなど世界のおよそ40か国に、それぞれ1万人あまりのフィリピン人の銀行口座がある。

そこで、正確に言うと、メキシコはメキシコ合衆国間という単一の送金回廊に依存しているのに対し、フィリピン人は複数の国の複数の回廊に依存している。送金総額三位、四位のフィリピン、メキシコに対し、一位、二位はそれぞれインド(710億ドル)と中国(640億ドル)だが、この二国の送金状況もフィリピンに似ている。

前提

弊社のような小さなbitcoinスタートアップが、Western UnionやMoneyGram、あるいはRemitlyをすら打ち負かすことは不可能だが、市場の小さな特定部分に対して魅力的なサービスを提供していくことはできる。よく言われるようにスタートアップは、“問題を自分が解決できる最小の問題に絞り込む”ことが重要だ。

また、現時点では通貨としてのbitcoinは市場性があまり良くないため(Bitreserveは別として)、短時間決済というその利点にのみ注目すべきだ。多くのスタートアップは、複数の国に支社支店を持ったり、複数の国で事業を展開するために必要な法的要件や規制へのコンプライアンスを達成することが困難だ。しかしbitcoinが、そんな状況を飛び越えさせてくれる。

そして、送金を頻繁に行う移民〜出稼ぎ労働者などは、暗号通貨にもブロックチェーンにも、そして未来の金融革命にも無関心な人が多いと思われるが、簡単に迅速、安価に送金ができるサービスには関心を示すだろう。

以上を前提とした場合、どんなbitcoin送金ビジネスを構築すべきだろうか?

レシピ

フィリピンのRebit(弊社)やインドネシアのArtaBit、アフリカのBitPesaなどを、“ラストマイルの”*bitcoin送金サービスと呼ぼう。これらのサービスは海外からbitcoinを受け取って、ペソやディナールやシリングに換え、それを国内のさまざまな送金方法を使ってサービスの受益者に引き渡す。受益者は、そのお金がbitcoinで送られてきたことを知る必要はない。でも送金者が安い送金方法を使ったことは、察するだろう。お金を受け取る人はbitcoinの市場価格の変動リスクとは無縁だ。リスクにはサービス側が完全に対応する。〔*: ラストマイル, last-mile, エンドユーザに至近、エンドユーザに接している部分。エンドユーザまでの最後の1マイル。〕

こっちはラストマイルに特化しているので、ほかの国々のbitcoin起業家たちを招待することによって、非公式の回廊が築かれる。香港の顧客は香港ドルをbitcoinに変換してラストマイルサービスへ送りたい、と考える…香港現地の起業家はそのためのサービスを提供することによって、ほどほどの利益を得ることができる。

実は、こういうことはすでに、自然に起こりつつある。香港のBitsparkや合衆国のAlign Commerceなどを初期の例とする“オンランプ”(入り口)企業は、その国の法定通貨を窓口で受け取り、そのキャッシュをバックエンドでbitcoinに変換、そしてそれをフィリピンやインドネシななどなどのオフランプ(出口)〜ラストマイルへ送金する。

こんな地味なサービスのどこが“金融革命”だ?!、と思われるかもしれない。でも、ここで起きていることをよーく見てみよう。世界各国の小企業には、海外との正式なパートナーシップもないし、相互契約も信用関係もない。しかしそんな企業でも、自分たちの顧客のために、国境をまたぐ決済をリアルタイムでできるのだ。これまでそれは、ACH、SWIFT、PayPalといった中央集権的な仲介サービス(コストの高いサービス)がなければ不可能だった。

しかしこのように説明してしまうと、あまりにも単純な過程に見えるだろう。銀行の人ならすぐに、“HKD -> BTC -> PHP”(フィリピンペソ)を理解する。それは現在の標準である“HKD -> USD -> PHP”と何ら変わらない。ドルが、もっと身軽で現代的な通貨に変わっただけだ。

しかし実際には、ここにはもっといろいろな側面がある。

仕組み

基本的には、bitcoin送金スタートアップは要するにブローカーだ。

オンランプ(on-ramps)の事業では、大量のbitcoinにアクセスしてそれらを買わなければならない。bitcoinをオンデマンドで買うことが、変動リスクを避けるための唯一の方法だ。過去12か月の動向が実証しているのは、暗号通貨を備蓄することは健全な金融戦略ではない、ということだ。

ローカルに預金もできて手数料の安い取引所の存在が重要だ。合衆国ではCoinbaseとCircleが筆頭、ヨーロッパではBitstampとKraken、オーストラリアではCoinjarとIndependent Reserve、シンガポールはItbit、中東にはIgot、などなどがある。

オフランプ〜ラストマイルでは、bitcoinを法定通貨で買ってくれるバイヤーが、十分な数必要だ。bitcoinの相場が右上がりならそれは簡単に実現するが、ここ数年は逆方向に動いている。

毎日の送金額が数百BTC(500以下)ぐらいで、顧客に恵まれているブローカーなら、手早い店頭売りで、小さな利益をあげられる。あるいは、とんとんぐらいにはなる。しかしもっと大きな額を扱うようになると、自動化売買ボットで国際的な取引所と対話し、変動リスクを避ける必要がある。

多くの場合、オフランプの方がずっと難しい。オンランプは、良い銀行があり、bitcoinの流動性も良い先進国で営まれることが多いが、オフランプは往々にして、bitcoinのコミュニティが成熟していない国で必要とされる。でも根性のある人にとっては、これは問題というよりも機会だろう。なぜなら、ラストマイルの送金サービスは今後最大の成長が望める分野だからだ。今すでにフィリピンとインドネシアだけでも、50以上の司法単位(≒国)から送金を受け取っている。そういう個々の内向き回廊がオンライン化されるたびに、bitcoinの流入量も急増する。

またオフランプサービスは、その国のさまざまな送金方法に接続する必要がある。たとえばフィリピンは、ATMよりも質屋の数が多い。だから質屋の方が銀行よりも換金の場所として頻繁に利用される。インドネシアでは、銀行と郵便局の組み合わせが、人びとの好む方法のようだ。

インドには、地方の隅々にまで浸透しているハワラ(hawala)という非公式の送金システムがあるので、現金化は宝石店でも旅行代理店でもどこでもできる。インドのbitcoin送金ビジネスが今後、ハワラのブローカー的になるのか、それとも銀行や郵便局のようなフォーマルな形になるのか、見守っていたい。

法律

送金ビジネスは“Money Transfer Operator”(送金–または振替–事業者)に分類され、免許制になっている国が多い。免許取得の費用は国によってまちまちで、合衆国では州別の免許制なので50州全部取ろうと思ったらおよそ50万ドルの出費を覚悟しなければならない。CoinXは、自社の免許取得の現状を誇らしげにホームページのトップに置いている。そのほかの国を見ると、安いのは一部のASEAN諸国の数万ドル、対して中東は100〜200万ドルだ。

マネーロンダリング対策や顧客確認要件は国によって少しずつ違い、またそういう法律に適合するためのコンプライアンス費用が、エンドユーザが払う料金を左右することもある。顧客確認(KYC, Know-Your-Customer)を、クラウドサービスとして提供しているところもあり、それらの料金はかなりリーズナブルだから、コスト的に使いやすい(IdentityMindはbitcoinスタートアップにも力を入れている)。KYCの要件は、厳しい国、緩い国、いろいろだから、担当のお役所に相談するのがいちばんだ。

私たちは今、マラソンのスタートラインに立っている。そしてそのゴールには、全世界で420億ドルの送金手数料の節約がある。

どの国にも、お互いゆるやかに結びついて、互いにあらゆる面で相互運用性のあるbitcoin送金ブローカーたちがいることを、想像してみよう。そのそれぞれが、グローバルなネットワークの上でオンランプとオフランプ両方のサービスを提供しているなら、それはまさに、大型化して完全にリブートしたハワラだ。

そのために、これまでのような中央集権的な仲介業は要らない。各企業が自律的で、bitcoinによる決済をリアルタイムで行う。それでもWestern Unionはなくならないだろうが、bitcoinが無視できない存在になることは確実だ。

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Bitcoinのブロックチェーンに便利なメタデータ層をつけて多様なアプリケーションを可能にするColu

暗号通貨Bitcoinを支えるブロックチェーンという技術は、現実世界のいろんなトランザクションにより高いレベルの信頼性をもたらすプラットホームとして、かなり前から投資家が注目してきた。

テルアビブのColuは、そのヴィジョンを現実化するプラットホームを、開発しようとしている。Coluが提供するAPIを使ってデベロッパは、カラードコイン(colored coins,証書性通貨)とBitcoin 2.0のインフラストラクチャにアクセスして、新しい分散アプリケーションを作ることができる。

ColuのCEOで協同ファウンダのAmos Meiriはこう語る: “ブロックチェーンはいわば、この惑星上の誰とでも共有しているGoogleのスプレッドシートみたいなものだ”。そのスプレッドシートに誰もがアクセスでき、そしてそのシート(bitcoinの台帳)の変更(書き換え)を承認する手段を誰もが持つことによって、トランザクションにより高い信頼性とセキュリティ*がもたらされる機会が作られる。〔*: 原理的に、本人性詐称が起こりえない。〕

Coluがやることは、bitcoinの基本的なトランザクションの上に、取引された通貨量だけでないメタデータの層を作ることだ。すると、Coluを利用して作ったアプリケーションは、単なる仮想通貨だけでなく、鍵やチケットや役職や行為など、現実世界のいろんなものでブロックチェーンベースのトランザクションを承認できるようになる。

“この、bitcoinでセキュリティを確保されたプラットホームにより、これまでネットでの買い物をためらっていた層も安心してeコマースなどを利用できるようになる”、とMeiriは語る。

すでに、Coluのプラットホームを利用してトランザクションの部分にbitcoinを統合しているアプリケーションデベロッパが数名いる。

この技術の開発を加速し、またアプリケーションデベロッパたちの利用促進を図るためにColuは、イスラエルのVC Alephと合衆国のSpark Capitalが率いるラウンドにより、250万ドルの資金を調達した。

Coluはいわゆる、bitcoin 2.0 technology(bitcoin 2.0テクノロジ)の最新の例だ。この技術はbitcoinの、単なる仮想通貨を超えた用途を開拓しようとしている。

Meiriは語る: “Coluの目標は、ブロックチェーンの能力を利用して、あらゆるものへのアクセスを安全にすることだ。オンラインの買い物も、別荘のドアも、車のドアロックも。その用途はきわめて多様だが、ブロックチェーンの確認とセキュリティの能力があれば、何でも可能だ”。

Meiriと彼のチームは、それまで、カラードコイン(colored coins)の開発に関わっていた。その経験が、Coluの技術のベースになっている。

Culuの開発プラットホームはまだベータだが、2015年の第二四半期には一般公開でリリースされる予定、という。

昨年Bitcoinの価値は下落を続けたが、それにも関わらずその技術の継続的成熟と、bitcoinを利用する消費者の数の増加は着実に続いている。

今週は、CoinBaseが7500万ドルという巨額の資金を調達し、合衆国で初めての、州公認のBitcoin取引所をローンチした。

本誌のライターJon Russellが、昨日の記事で書いている:

先週、ニューヨーク証券取引所とUSAAを投資家に加えた同社は、Wall Street Journalの記事中で、ニューヨークやカリフォルニアなど重要な地域も含めて全米の半数の州から“州の規制下での営業”を認められた、と述べている。とくにニューヨーク州は、州の規制を受け入れないかぎり営業をさせない、と強硬に主張していた

Coinbaseはすでに、世界の19か国で取引所サービスを提供しており、これまで合衆国国内での営業許可や承認を得るのに5か月かかった、と言っている。ユーザは、同社の営業が許可されている州内でないと同社のサービスにサインアップできない。今、そのほかの州でも許可を得るべく、継続的に努力が行われている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Coinbaseが州の規制に基づく”合法的な”Bitcoin取引所を営業開始

7500万ドルという巨額の資金調達を終えたばかりのbitcoin決済企業Coinbaseが、今週から合衆国で初めての、公的規制の下(もと)でのbitcoin取引所を開設する、と発表した。

先週、ニューヨーク証券取引所とUSAAを投資家に加えた同社は、Wall Street Journalの記事中で、ニューヨークやカリフォルニアなど重要な地域も含めて全米の半数の州から“州の規制下での営業”を認められた、と述べている。とくにニューヨーク州は、州の規制を受け入れないかぎり営業をさせない、と強硬に主張していた

Coinbaseはすでに、世界の19か国で取引所サービスを提供しており、これまで合衆国国内での営業許可や承認を得るのに5か月かかった、と言っている。ユーザは、同社の営業が許可されている州内でないと同社のサービスにサインアップできない。今、そのほかの州でも許可を得るべく、継続的に努力が行われている。

Coinbaseのサービスを利用して取引を行った場合、Coinbaseが0.5%の手数料を取るが、新規ユーザはサービスの使い方に慣れるまでの最初の2か月間、無料だ。

合衆国におけるbitcoinの合法性は、これまでずっと不明確だったが、今回のCoinbaseの新たな位置づけ…州の規制下に入る…により、明確化のめどが立ってきたと言える。

違法な品物なども扱う闇市場Silk Roadに警察の手が入ったため、そこでの決済に多く使われていたbitcoinに対する世間の悪評もやや薄らいだが、しかしそれでも、そのデジタル通貨としての不確実性は、一般大衆の心から消えていない。今月185ドルまで落ち込んだbitcoinの価格は、263ドルまで持ち直しているが、2013年には1000ドルを超えていたのだ。現時点で安定に達しているのか、それも定かではない。

CoinbaseのCEO Brian Armstrongは、途上国市場におけるbitcoinの可能性を探求したい、2015年内にはサービスの対象エリアを30カ国に拡大したい、と言っている。

大型小売企業が相次いでユーザになるなど、2014年はCoinbaseにとってビッグな年だった。今ではOverstockやDell、Square、Mozilla、Wikipediaなどがbitcoinによる支払や寄付を認めている。

P.S.: 本誌TechCrunchは、bitcoinに関するポッドキャストを始めた。実はその最新のテーマも、Coinbaseと同社の7500万ドルの資金調達なのだ。

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2014年にうちが乗らなかった大物投資機会はBitcoinサーバと国産エネルギー

[筆者: Tom Carter]

編集者注記: Tom CarterはサンフランシスコのFountain Partnersのファウンダでマネージングパートナー。同社は、創業期、成長期、および拡張期の企業に、主に機器設備購入のための資金を投融資している。

昨年はベンチャーの分野で企業の信用リスクを評価したり引き受けたりを、めしのたねにしている者にとって、おもしろい年だった。AirbnbやUberやWhatsappなどが示した明確な商業的成功は、すでに肥沃で、人によってはバブルっぽいとも言われる合衆国のベンチャーキャピタルとシード段階のエクイティマーケットに、さらなる刺激を与えた。非公開企業への投融資を扱うマーケットでは、弊社Fountain Partnersもこのマーケットの一員だが、リスクという点でいちばんおもしろい分野が、bitcoinのマイニングとクラウドホスティング、モバイルメッセージサービス、合衆国産のエネルギー、そして大麻だった。

大麻/マリファナ
コロラド州とワシントン州では、マリファナのレクリエーション的使用が合法化され、ビジネスとしての大麻の生産と販売が急伸した。しかし投資の件数は非常に少ない。わが社Fountain Partnersでも、他社同様、連邦法が認めていない大麻ビジネスへの投融資は“ノー”と言わざるをえない。

エネルギー
国産エネルギーは、すでに多くの企業が相当な売上を達成しているから、安易な投資先だ。しかしまだ、石油も天然ガスも、今後の生産や需給に関する情報量が少なすぎて、思い切った投資はやりにくい。

職場も住居もサンフランシスコにある人間は、電気カーの普及の進展を毎日のように目にしている。その光景も、やはり、今後の石油関連の大きな投資をためらわせるに十分だ。むしろ、電気カーなら投資したくなるだろう。

モバイルメッセージング
2014年には、モバイルメッセージングシステムを評価するにあたり、次のように問うた: “ユーザ数9000万は、FacebookでもSnapchatでもInstagramでもない閉じたコミュニケーションシステムの臨界質量と考えてよいのか?” そして、“各ハンドセットメーカーのメッセージングシステムは広く使われるようになるのか?” 

クラウドホスティング
メッセージングに比べると、クラウドホスティングの方が、投機的リスクは少ない。企業が広く利用しているし、売上も安定しているからだ。しかしこの業態にも、今後の“供給過剰”というリスク懸念は残る。

マイニングとbitcoinの真実
しかし、あらゆる投資分野の中で、Fountain Partnersの立場から言っていちばん胸騒ぎがしたのは、bitcoinのマイニングを果たして投資家として支援すべきか?すべきでないか?、という問いだった。

2014年に弊社は、bitcoinのマイニングに向けて設計され最適化されているサーバの製造企業への数百万ドルの投資、という魅力的なお話をいただいたことがある。bitcoinをマイニングするために必要な専用のハードウェア、という新しい業態があること、それらの企業は、自分のためまたは、マイニングをしたがっているほかの企業のためにサービスとしてマイニングを行うこと、などをわれわれは知った。この、降って湧いた機会を評価するために、次のような疑問を掲げた:

  • bitcoinとブロックチェーンの技術はなぜ重要なのか、その効用は何か?
  • bitcoinの使用を取り巻く規制環境はどうなっているのか?
  • bitcoinの需給環境はどうなっていて、今後どう進化するのか?

それは、投資に関する正しい決定を、最小限の時間内に下さなければならない、という、ある種楽しめる案件でもあった。しかしbitcoinのマイニングに関しては、通常の投資案件以上に、調べること、理解すべきことが多かった。Satoshi Nakamotoのホワイトペーパーも読んだが、最終的には、実際に投資をするためには、以下の仮定項目が概ね真であると信じられなければならない、という結論に達した:

  • bitcoinのエコシステムは法による保護や規制がなくても効用があり、政府はその使用を今後とも妨害しない、
  • bitcoinの採用が十分な量にすでに達しているか、または今後達する見込みがある、
  • そのシステムは十分なハッキング耐性があり、また詐欺に対する保険の市場が今後発達する、そして
  • bitcoinを作るシステムは悪用できない。

以上が真であることに確信を持てたら、次の、需給関連の疑問に進んで、bitcoinのマイニングというサービスの経済性を評価できる。

そのきわめて低レベルの流動性と価格により、bitcoinのマイニングが儲からないことは自明だった。bitcoinの価格動向にはいろんなシナリオがありえるが、われわれの投資先のサーバやマイニング努力の価値が、そのほかの意欲的で資金状態の良い市場参加者によって継続的かつ急速に侵食されることは、容易に想像できる。

案件調査を開始した直後にある筋が、中国政府がbitcoinのマイニングに手を染め、しかも今後そのシェアを拡大するつもりだ、と言ってきた。国営マイニングではなく、民間への電気やサーバの費用の補助、という形でそれは行われる。しかし中国の補助政策があろうとなかろうと、ハードウェアや、何らかのハードウェア/ソフトウェアの組み合わせが今後進歩して、今のハードウェアが陳腐化することは想像に難くない。

Satoshiのホワイトペーパーには マイニングシステムの健全性は、“必ず誠実なノードがCPUパワーの大半をコントロールすること”、という条件に依存する、と書かれている。マイニングとトランザクションのパワーを一般大衆が手にするものになるのか、それは分からないが、可能ではある。

人間には、最新のものに飛びつきたいという心の偏りが自然にあり、bitcoinの成長を支援することに貢献したい、という強い気持ちもある。しかしもちろん、もっとセキュアな金銭的トランザクションであってほしい、と誰もが願う。法定通貨にも良からぬ操作や価値の低下があるときにはある。しかしそれでも、われわれはサーバへの投資を遠慮することにした。マイニングビジネスに固有のリスクがあるだけでなく、bitcoinのマイニングに使われるそのサーバがあまりにも専用機なので、それらを普遍的な価値(売買価値)のある資産として取り立てることができない。その点に、幻滅した。

われわれが投資を断わってから、bitcoinの価格の急落があり、bitcoin取引所Bitstampにおける不運なハッキングがあった。しかしそれでも、bitcoinのサーバへの投資を検討する機会は、今後のいろいろなブロックチェーンの実装やbitcoinの進化などをめぐって、われわれの心をワクワクさせた。2015年は、今の金融技術企業たちが、これまで築いた中核的な基盤の上でさらに成長し、2014年の不調な資金調達活動を恥じ入らせるような成果を上げるだろう。

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ブロックチェーンを利用する多様なアプリケーションのためのインフラやAPIを提供するBlockCypherが多方面からシード資金を獲得

Bitcoinの公開台帳、ブロックチェーンの利用を、どんなアプリケーションにも容易に導入できるためのサービスを提供するBlockCypherが、初めての資金調達として310万ドルを獲得した。

そのタイミングはたまたま、昨年来Bitcoinの価格が急落を続けてきた時期と一致する。そのため、市場の人気はいまいちだった。

しかしBitcoinの急落がBlockCypherに大きく影響することはないだろう。協同ファウンダのCatheryne Nicholsonによれば、同社の技術はどんな暗号通貨でも利用できるからだ。

Nicholsonは曰く、“うちがやってるのは要するにブロックチェーンのためのWebサービス、つまりブロックチェーンのアプリケーションを作るデベロッパのためのソフトウェア的インフラストラクチャであり、それが、アプリケーションの構築やモニタリング、セキュリティの確保などを支え、それらを容易にする”。

つまりBlockCypherを利用するデベロッパは、ゼロ地点から始める必要がない。カリフォルニア州サンマテオで創業された同社は、Nicholsonと協同ファウンダMatthieu Riouのそれまでの仕事から生まれた。

“うちはワレットというものを初めてインストールした企業の一つだけど、暗号通貨に関してはいろんな人たちがもっといろんなことに取り組んでいるはずだ、といつも考えていた。うちのワレットはとても使いづらかったから、それを何とかすることから始めるべきだ、と悟った。それが、インフラストラクチャの方に手を染めるきっかけになった”、そうNicholsonは語る。

同社の技術を使うと、デベロッパは暗号通貨のワレットを一日足らずで作れる。“うちはマルチシグネチャのAPIや決済のAPIを提供しているから、デベロッパはそれらを利用すればよいので楽だ。自分で作らなくてもよい。デベロッパは、アプリケーションの層だけ作ればよい。インフラは、うちが提供する”。

その最初のアプリケーションでは同社は、Bitcoinの処理に要するトランザクションの時間を短くする方法を考えた。そしてそのために、ブロックチェーンがトランザクションを承認するかを事前に予測判断するツールを作った。

Nicholsonはさらに述べる: “実際のデータスループットに対応したマイクロペイメントができるようになれば、そのとき初めてWebビジネスの収益化の未来を築くいろんなイノベーションが可能になる。したがって、アプリケーションの種類や数も爆発的に多くなる。収益化が足かせになっている現状は、決して、多様なWebビジネスが本格的に花咲いている状態とは言えない”。

Bitcoinのブロックチェーン上に起きていることを分析し洞察するCoinalyticsのような企業や、アジアの最速トランザクションプロセッサと呼ばれるシンガポールのBitcoin取引所CoinHako、それにフィリピンの送金サービスPalarinなどが、そういった新しいアプリケーションの先駆けだ。

“完全に信じているのは、決済や金融はそういう膨大な種類のアプリケーションの、氷山の一角にすぎないこと。うちを利用してヘルスケアの記録のためのレジストリを作っているデベロッパもいる。彼らはブロックチェーン上にハッシュの置き場を設けている。分散ホスティングを構築しているスタートアップは、それによってアルゼンチンの内陸部にあるサーバでも利用できる。ブロックチェーン上に法律文書を置くアプリケーションを、スリランカの人たちが作っている”。

Nicholsonの興奮した話しぶりは、人を惹きつける。Draper一族の三代にわたるVCの資金も、彼女の企業に吸い寄せられた。

このラウンドのそのほかの投資家は、Foundation Capital、New Enterprise Associates、Yahoo!の創業者Jerry YangのAME Cloud Ventures、Upside Partnership、Streamlined Ventures、そしてFenox Ventureだ。

Tim Draperの娘で通称Valley GirlのJesse Draper、それに通称Mrs.Brook ByersのShawn Byersも、このラウンドで投資した。

Valley Girl VenturesのCEO Jesse Draperはこう言う: “女性の起業家に投資をすることが、テクノロジ世界の女性人口を増やす最良の方法だ。女の子たちが、自分の役割モデルとして女性のファウンダを知ったら、彼女らもファウンダになる。BlockCypherが今ブロックチェーンでやってることは、世界を変える。それには、女性も関与すべきだ”。

実のところ、ブロックチェーンの技術は、今後暗号通貨にできるいろんなことの、道を切り開く先陣部隊だ。Foundation CapitalのがゼネラルパートナーCharles Moldowは、そういう言い方をする。

彼はこう言っている: “Bitcoinでいちばん将来性に富んでいる技術が、ブロックチェーン関連の部分だ。その上で今後、数々の重要なイノベーションが起こっていくが、BlockCypherは、それのエキスパートなのだ”。

BlockCypherにはさらに、Ben NarasinとTriplePoint Capital、YahooのCFO Ken Goldman、WSO2のCEO Sanjiva Weerawarana、VoyLét Capital、Granite Ventures、Boost VC、500 Startups、Crypto Currency Partners、Michael Liou、ヒップホップのアーチストNasなども投資している。Nasはどうやら、自分を代表するものとして、死んだ大統領以上のものを、探しているようだ。

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Mt.Goxの元CEOがドラッグの闇サイトSilk Roadの黒幕だった、という説が法廷に登場

この記事のタイトルを見て“えっ?”と思った人は多いだろう。Silk Roadの頭目といわれるRoss Ulbrichtは実は、このサイトの実のオーナーではなかった。Ulbrichtの弁護士によると、作者はMark Karpelesという人物で、昨年2月になんとなくお芝居めいた崩壊を遂げたBitcoin取引所Mt. Goxの、のちに失脚したトップだった男だ。

Motherboardの記事によると、そのことをついに認めたときのUlbrichtは、微笑んでいたそうだ。

Ulbrichtの弁護士Joshua Dratelは今日の法廷で、KarpelesががUlbrichtに罪を着せた、という説を主張したいようだ。.

Dratelは、“Silk RoadはBitcoinの価値を高めるための道具として作られ、Bitcoinとは一見関係のないサイトを作ってBitcoinの価値を操作しようとした”、と、国土安全保障省のエージェントJared DerYeghiayanのメールを読み上げながら言った。

DerYeghiayanは自分の証拠が強力であると信じ、2013年5月のKarpelesのメールを調べる許可を得ようとさえした。

裁判は今、判事Katherine Forrestにより休廷されている。彼女は、“被告らは午後おそくまでかけて、KarpelesがDread Pirate RobertsないしDread Pirate Roberts(DPR, Silk Roadの頭目の俗称)である、という絵を描こうとしていた。しかし彼らのその説は、作り物めいている”、と述べた。

Bitcoinはこれまでずっと、きわめて小さなグループがコントロールしてきたし、Silk Roadの全盛期においてもそうだった。しかし、あのKarpeles、完全に崩壊したBitcoin取引所の、どじなCEOが、ドラッグの巣窟の親玉だったって? それは、あまりにも、それらしすぎる話だから、Ulbrichtの裁判がますますおもしろくなるだけだ。

[ツイート訳: 弁護士の作戦はMt.GoxのMark Karpelesなどを本当のDPRに仕立てることのようだ。]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


今年のCESではBitcoinのブースは空だった…一般消費者への普及はまだまだ遠い先

 

よく知られているbitcoin取引所Bitstampは、ハッカーの犯行により500万ドル相当の暗号通貨を失ったが、先週のCESにはいなかったことが、かえって目立つ。ブースはあったが、同社とは別の出版社が雑誌をほそぼそと展示しているでけで、ほかは、何もない。ブースを空にした同社の連中は、ホテルに缶詰になってサービスの再開に備えていたそうだ。それは、金曜日(米国時間1/9)のことだった。

しかし彼らの苦労にもかかわらず、今年のCESではbitcoinへの関心も人気も盛り上がらなかった。木曜日(米国時間1/8)の午後になっても多くの人びとが、bitcoin ATMのデモや、この通貨で何かを買うこと、bitcoinをマインするときのコツを聞くこと、などを求めて展示会場を捜しまくっていた。

そのたびにここでは、“くそっ”の言葉が聞こえた。bitcoinをマインするために、独自に水力発電を使っている人の噂も、流れてきた。

Bitstampの19000bitcoinの被害は、Mt Goxの被害のでかさには及ばないけど、bitcoinに対する世間のイメージを損ない、その市場は今もずっと不安定だ。たしかに、すごく有望な技術ではあるが、多くの消費者の受け取り方としては、不安感や不審感が優勢だ。

CESのbitcoinブースで私は、Bitcoin業界の大物たちと話をした。一般消費者への普及に努力しているCircleや、企業やeコマース向けにbitcoinのPayPal化を目指しているBitpay、bitcoin ATMのRobocoin、bitcoin取引所Krakenなどだ。 KrakenはBitstampの被害と関連して、Mt Goxの一件を調べ、できるかぎりお金を取り戻す方法を研究している。でもまだ、その進捗に関する情報はない。最近やっと、着手したばかりだから。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Bitcoinが年明けから低迷

2015年はbitcoinにとって厳しい始まり方をした。この暗号通貨は2013年後期のピーク以降、急落を続け、今では300ドル以下に戻している。Blockchain.infoが計算したbitcoinの総取引額も、このところ落ち込んでいる。

価格の低迷に対する説明はいろいろあるが、bitcoin支持者たちのコミュニティも、意見が分かれている。取引量の減少は、Coinbaseのデータを見るかぎり、買方(かいかた)の関心の短期的な低下を示すのかもしれない。でも、それが新年の初頭に起きる理由はよく分からない。

下図のチャートは、上が価格:

そして下が取引量だ:

もちろん、bitcoinの強気筋は依然健在だ。

bitcoinの価格の短期的な高下(こうげ)はそれほど大きな問題ではないが、大型のマイナーたちは影響を受けるだろう。むしろ意外なのは、取引総量の急速な下降だ。2014年の大勢は、対ドル価格が乱高下しても総取引量は増える、という説だった。総取引量はbitcoinの重要な指標と見なされている。それが大きければ、bitcoinというコンセプトが破綻していない証(あかし)だからだ。

しかし、価格と取引量の両方の指標が不調だから、このデジタル貨幣のファンたちもそろそろ、その未来について再検討することになるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Bitcoin 2.0とユーザ体験のトークン化

[筆者: Lisa Cheng]

編集者注記: Lisa ChengはVANBEXのファウンダで、同社はデジタル通貨とブロックチェーンプロトコル、および分散化技術に特化したマーケティングとリサーチの企業だ。

Bitcoinはまだ市場開発の初期段階だ。しかしわれわれは今、進化の次のステップのために必要なデータの集積を、徐々に実現しつつある。そのために私は、Bitcoinと、Bitcoinのブロックチェーン技術関連の仕事をこれまで継続し、アプリケーションとネットワークとユーザが均質に融合して、自律的で持続可能な宇宙を維持している未来の実現に向けて、貢献してきたつもりだ。

持続可能な技術によるこの未来の環境は分散的であり、リソースは循環性を持ち、さまざまな距離と、さまざまな依存関係にまたがって広がる。そしてそのベースとなるユーザは、さまざまなプラットホームやアプリケーションとのダイレクトな対話を通じて、自分の技術的ニーズを実現していく。このような次世代の進化相を、私は“ユーザ体験のトークン化”(tokenizing the user experience)と呼んでいる。

この進化を進めるトークンはBitcoin 2.0のエコシステムの一環であり、Bitcoinのブロックチェーンを使って作られる。それらはブロックチェーンのプロトコルのメタレイヤ(メタ層)に所在するから、“メタコイン”(metacoins)とも呼べる。Bitcoinコミュニティのメンバーの中には、それらがアプリケーション固有であるため、“アプリケーションコイン”(app coins)と呼ぶ人たちもいる。

MaidsafeStorjFactomなどは、分散アプリケーションと分散インフラストラクチャを暗号化トークンでサポートできることを示した最初の例だ。ブロックチェーンのオープンで透明な台帳を利用することに加えて、暗号通貨を使ってこれらのメタコインを作るプロジェクトは、グローバルな規模でトークンを容易に記録、利用追跡、および配布できる。すなわちどんな時点においても、プロジェクトはどれだけのトークンが使われているか、どのアドレスがそれらを保持しているか、どこがそれらの起源かを確認できる。それは新しい形のユーザとの対話であり、そこではトークンが、プロジェクトへの市場の関心や、ユーザの活動そのものを表現する。

セキュリティを確保するためにBitcoinは、一連のアルゴリズムを使って開発され、そのアルゴリズムはBitcoinやトークンを含むすべての暗号通貨に、情報が数学の法則に即していることを確認する能力を与える。オンラインのコマースでは、従来の決済方法が簡単に贋造されるため、本人性の確認がとくに重要であり、しかもそれが迅速容易であることが求められる。暗号通貨の利用は、それ自体が商業的対話の新しい形であり、マネーの贋造はそこに存在しえない。

このモデルは、国境や領土や言語を超えた多様なシステムの分散ネットワークを作るときに真価を発揮する。そしてネットワークトークンへのこのアプローチはまだ新しいので、トークンモデルを利用するプロジェクトが今後ますます登場し、新しい革新的なアイデアを数多く持ち込むだろう。そこで最近では、イデオロギーとコインが結びついているような政治的モデルのブロックチェーンを追求するプロジェクトも、現れている。

Storjのトークンは、同社のクラウドネットワーク上のストレージスペースを買うために使われている。逆に言えばユーザも、自分の余分なコンピュータのハードディスクスペースを、DriveShare(Storjネットワークのアプリケーションパート)に貸し出して、これらのトークンを稼げる。トークンはすべてほかのユーザへ転送可能であり、しかも、どのトランザクションでも追跡できる。トークンそれ自身のトランザクションのフローに基づいて、Storjのチームは、ユーザによるネットワークの使われ方を判断し、ユーザの活動に基づいてネットワークリソースの最適配分をすることができる。

ネットワークアクセストークンというコンセプトは古くからあり、いまでもRSAの形でセキュリティアクセスのために日々使われている。それはソフトウェアの購入者にライセンスキーとして与えられたり、ゲームのコードを事前に購入したゲーマーに配布されたりしている。それらはユーザのアクセスを許すための標準的な認証方法であり、ネットワークの許可証を与え、本人性を証明する。このような形での暗号化の利用は、ソフトウェア企業が従来から使ってきた購入証明にイミュータブル(immutable, 不可変)のトークンを組み合わせる。それによってアプリケーションは、円滑なユーザとの対話を積極的に進められるようになる。

ここで重要なのは、ブロックチェーン上のトークンからローンチするプロジェクトが、分散化とオープンソースによる開発と透明性を助長することだ。実質的にトークンは分散ネットワーク全体にわたって利用され、ユーザは複数のシステムやアプリケーションにまたがってコインを稼得/支出できるようになる。そのアドバンテージは、それが検証可能で贋作不可能なデータであることだ。このような、証明可能で転送可能なトークンはネットワーク資産のひとつの形としての価値があり、ユーザ間の交換/取引や、コモディティとしての稼得が可能だ。

オープンソースのプロジェクトがブロックチェーンを使う独自のトークンを発行するようになると、分散アプリケーション開発の新時代が訪れる。そこではシステム全体が自分自身の資産により稼働され、それによってネットワーク全体を保護し活力を与える。このようにしてトークンを利用するプロジェクトの開発は、ユーザ獲得とライセンシングの過程を自分が保有することからの利益を得る。クレジットカード処理の失敗や、銀行送金の遅れ、詐欺的なトランザクション、といったサードパーティの問題が、ユーザベースの成長の障害になることは、もはやない。

Satoshi Nakamotoという別名を持つ作者が書いていたように、Bitcoinは、フォールトトレラント(過失を許容する)なロギングによる分散システムと、グローバルに一貫性/無矛盾性のあるシーケンシングという特徴を持つ。Bitcoinのオリジナルのペーパーを書いた当人は予想していなかったと思うが、ブロックチェーンは、草の根のアプリケーション開発をサポートできるスケーラビリティと分散化のモデルとして提示されるようになったのだ。

このシステムによってわれわれは、ユーザの信頼がトークンで運ばれる様相を目撃している。それは通貨としてのBitcoinの理解を、プラットホームとしてのBitcoinとブロックチェーンへと連れて行く。暗号通貨の利用は単純なピアツーピアのトランザクションを超えて、検証可能なデータの積極利用へ向かう分散化のモデルに進化する。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


小型環境センサーのCubeSensors、70万ドルを「ビットコイン」にて調達

今やビットコインの姿はどこにでも現れるようになってきている(見えないが)。そして当然の流れながら、ファンディングにも利用されるようになった。スロベニアのハードウェア系スタートアップで、小さな環境センサーを開発するCubeSensorsがシードラウンドにて70万ドルを調達した。資金調達自体はよくある話だが、これが暗号通過(ビットコイン)により為されたのだ。出資したのはビットコインの最大規模の取引所であるBitstampのファウンダーだ。

今回の出資をうけ、CubeSensorsでは支払い手段としてビットコインも受け付けるようにするとのこと。まずはスロベニア国内で対応するそうだ。現在のところプロダクト(Cubes)は売り切れの状態ではあるが、今回の調達資金も投入して、次の生産をすすめていくことにしているようだ。

BitstampのファウンダーはNejc KodričおよびDamijan Merlakだ。現在はイギリスに拠点をおくが、もともとはスロベニアで起業した。

CubeSensorsは2年間にわたって自己資金での運営を続けてきた。数ヶ月前に売りだしたセンサー(Cubes)はすぐに売り切れた。1月に行ったTechCrunchハードウェア・バトルフィールドにも登場した。ビットコインにより出資を行うという話は、まだあまり聞いたことがない。2つのスロベニア(発の)企業がビットコインを通じて協力しあうというのは、なかなか面白い話だ。双方ともに、ビットコインが多いに気に入ってもいるのだろう。

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(翻訳:Maeda, H


ATMや1秒送金サービスも チャンスをうかがう国内ビットコインスタートアップ

ビットコインと聞くと、国内ではビットコイン取引所のMt.Goxにまつわる騒動を思い浮かべる読者も多いのではないだろうか。どうしてもネガティブなイメージがつきがちだが、関係者からは、「Mt.Goxの騒動はあくまで同社のシステムに由来する問題であり、ビットコイン全体の問題とは別だ」という声が聞こえてくる。その意見を裏付けるかのように、ビットコインは国内外を問わずに注目を集め続けている。では日本での動向はどのようになっているのか。

東京にはビットコインATMが登場

5月末には、米国製ビットコインATMの「Robocoin(ロボコイン)」が西麻布のVerandaと六本木のPink Cowという飲食店に設置された。Robocoinは、運転免許証スキャナー、手のひら静脈認証、顔写真撮影といった本人確認機能を備えるビットコインのATMだ。あらかじめデジタルウォレットを作成していれば、円紙幣でビットコインを購入したり、ビットコインを売却して、円紙幣を受け取ることが可能だという。

西麻布にRobocoinを設置したのは、2014年4月に設立したばかりの長崎のビットチェック。同社代表取締役の峰松浩樹氏は、これまでに長崎でシステム開発やビットコインの採掘(計算によってビットコインを得る作業)を手がけてきたという。

ビットコイン販売所のbitFlyerは国内VC2社から資金調達

時を同じくして5月末、国内のスタートアップであるbitFlyerが、ビットコインのオンライン販売所「bitFlyer」を公開した。bitFlyerは、買い手の希望する金額にマッチする売り手がビットコインを販売する取引の場となる「取引所」とは異なり、外貨への交換のように、固定価格でビットコインの売買ができる「販売所」となっている。これまでビットコインの取引所はあったが、販売所を提供するのは日本では初だそうだ。

bitFlyerを利用するには、同社のアカウントを作成する必要がある。手数料は2800円だが、現在は無料化している。アカウント作成に際しては、個人情報や銀行口座を登録したのち、同口座からbitFlyerの指定する口座に実際に入金をするなどして、本人確認を徹底している。

またbitFlyerでは、直近にも「bitWire」と呼ぶ送金機能を提供する予定だ。通常ビットコインを送金する場合、認証までに少なくとも10分、長ければ1時間ほどかかるそうだ。だがそんなに時間がかかってしまうのであれば、通常の店舗では利用が難しい。実際に海外での利用実態としては、認証を待たずにビットコインでの決済を受け付けるケースもあったそうだ。だが将来的に、認証途中に利用者が店舗を去ってしまって「認証できない(支払われない)」となって問題になるかもしれない。しかしbitWireを利用すれば、(仕組みについては教えてもらえなかったが)その処理を約1秒で終わらせることができるのだそうだ。

bitFlyerは2014年1月の設立。代表取締役の加納裕三氏は、以前に外資系投資銀行でトレーダーを務めていた人物。グノシー共同代表を務める木村新司氏は加納氏の古い友人だとのことで、創業時に個人投資家として出資している。

同社は6月6日、国内のベンチャーキャピタル2社(非公開)から約1億2000万円の資金を調達している。「ユーザーのビットコインは(取引時以外)コールドウォレット(ネットワークに繋がっていないデジタルウォレット)に保管しているので物理的に安全な措置をとっている。しかし万が一のトラブルに遭っても対応ができるような、信用できる状況を作りたい。今後はセキュリティにも注力する」(加納氏)

関連事業者への投資も進むが、まずは利用環境の拡大に期待

実は国内ベンチャーキャピタルが、bitFlyer以外のビットコイン関連サービスへの投資を予定しているという話も聞いているし、まだまだプレーヤーは増えてきそうだ。だが一方で、ビットコインを利用できる環境はまだまだ少なく、直近では投機目的の利用者が多くを占めている状況。また、ビットコイン自体を懐疑的に見る人間も多いのが実情だ。加納氏も「bitWireを提供することで手軽な送金を実現して、利用機会を増やしたい」といった話をしてくれたが、まずは安全に利用できる環境がどれだけできるかが普及のカギになりそうだ。


SEC、Bitcoin関連のリスクをリストアップして投資家に警告

アメリカのSEC(連邦証券取引委員会)は以前からBitcoinの大ファンではないことが知られていたが、今日(米国時間5/7)、Bitcoinに関連して生じ得るリスクを長いリストにして発表した。なかなかインパクトのある文書だ。

SECはまずBitcoinが「通貨のように利用される」ことを述べた後、IRS(内国歳入庁)の「Bitcoinは通貨ではなく資産であり、その売買の損益は課税対象となる」という決定を引用した。これは実際、大きな暗雲だ

SECはまたBitcoin関連の投資に不利益になるような政府の規制が実施される可能性を挙げた。Bitcoinは法定通貨ではないので、アメリカあるいは外国政府はその利用、換金を禁止することができる。現に中国では厳しい規制が行われた

もっともSECの挙げた注意点の多くは「強引な売り込み営業、無免許業者に注意せよ」というようなもので、Bitcoinに限らずどんな投資にも当てはまる。しかしBitcoinに特徴的な問題も指摘されている。SECはMt.Gox問題を名指しで指摘している。

最近、Mt. Goxという日本のBitcoin取引所が破綻した。ハッカーが数千万ドル相当のBitcoinを盗み去ったと言われている。Mt. Goxはその結果、破産を申し立てた。同取引所のユーザーの多くは預け資産のほとんどを失った。

SECがBitcoinに潜在する大きな危険を正しく認識していることに注目すべきだろう。もっともBitcoinに好意的なベンチャーキャピタリストのSean Percivalの見解は少し異なっている。

(SECのBitcoin文書:長すぎて読んでない。とにかくスーパー・リスクがあるからスーパー楽しいんだ!)

ま、これにも一理ある。

ILLUSTRATION BY BRYCE DURBIN

〔日本版:SEC文書にはBitcoin投資と称するポンジ詐欺や誇大広告などの最近の例が挙げられている。〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


BitcoinユーザはOpenSSLのHeartbleedバグについて何を知るべきか

Bitcoinのウォレットやオンラインのウォレット、取引所などを使っている人にとってHeartbleedは、きわめて現実的で深刻な問題だ。しかし幸運にも、パニックは数日で収まり、比較的簡単な対策があることが分かってきた。

まず第一に、Bitcoinの転送に用いられているBitcoinのcoreプロトコルそのものは影響を受けない。

CryptocoinsNewsのVenzen Khaosanは、こう書いている:

“Bitcoin CoreのクライアントはOpenSSLの脆弱性対策として0.9.1にアップグレードされるが、coreのデベロッパたちは、BitcoinプロトコルそのものはHeartbleedバグの影響を受けない、と強調している”。

しかし取引所の多くは、念のために一部のサービスを停止している。昨日Bitstampは、同社のサーバへのHeartbleedの影響を調べる際、“認証と登録、ログイン、および仮想通貨のすべての引き出し機能”を遮断した。DDOS対抗サービスIncapsulaは、安全のために同社のサーバをアップデートした。Bitstampはその後、すべての機能をリスタートした。ハッカーがHeartbleedを悪用すると、サーバ上のメールアドレス、キー、ログイン情報などをすべて盗むことができる。

BitcurexBlockchain.infoなども、そのサービスにパッチをあててアップデートした、といわれている。

自分のマシンにウォレットのある人は、どうか。少々のアップデートが望ましい。 Bitcoin Coreのニューバージョン0.9.1が出たばかりだが、それはウォレットのセキュリティが改良されている。ユーザのOpenSSLはopenssl 1.0.1g以降のバージョンであること。それはBitcoin-Qt(Bitcoin Core)のHelp->Debugウィンドウで分かる。Multibitなど、アップデートしていないところは、元々影響のないサイトだが、暗号化とパスワードによってあなたのBitcoinを守ることは重要だ。

まとめると、あなたのBitcoinに触れるものはすべてアップデートすること。対策状態を公表していない取引所は使わないこと。OpenSSLのこのバグが存在するようになってから今日までの2年間で、あなたのユーザネームやパスワードが絶対に無事だったという保証はないから、Bitcoinのデータも含めて、何もかも変えること。あなたのオンライン生活の細部をちょっと知っただけで、ウォレットに侵入できるハッカーも、きっといる。

Bitcoin FoundationのMike Hearnはこう書いている:

“影響は拡大しないと期待している。主要サイトはアップグレード後にSSLキーをローテートしなければならないだろう。ウォレットの秘密鍵は、このバグの影響が及ばない別のサーバプロセスに置かれているところが多い。ただし、一部の不注意なサイトで盗難事件が起きたとしても、それは意外ではない”。

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被害は甚大ではなかったが、しかし完全に安心とも言えないのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Mt.Goxが”古いフォーマットの”デジタルウォレットに20万BTCを見つける

倒産したオンライン通貨取引サービスMt.Goxによると、同社はデジタルウォレットに20万ビットコインがあることを確認した。CEO Mark Karpelesの申告によると、現在の交換レートで1億1800万ドルに相当するその通貨は、Mt.Goxが以前使っていて、今では空であると思われていた、“古いフォーマットのウォレット”のうちの一つに見つかった。

それらのウォレットは、今月Mt.Goxが東京地裁に民事再生手続きを申請したあとに 再スキャンされた。見つかったその20万ビットコインは、オフラインのウォレットへ移された。Coindeskによると、これらが発見されたのは、Mt.Goxがかつて取り扱い、その後今日まで休眠していた大量のBitcoinを、blockchainへ移動し始めたときである。.

回復された20万ビットコインによりMt.Goxの総喪失額は65万ビットコインに縮小するが、顧客は債権者とみなされないため、Mt.Goxが資産の売却を決めても一銭も受け取れない。Fortune誌も報じているように、Bitcoinを失ったMt.Goxのほとんどの顧客にとって、いくらかでも自分のお金を取り戻す方法は、訴訟しかない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))