Googleのストリートビューが今度はカナダの北極地区を徒歩で撮影

ご存じのようにGoogleのストリートビューのチームはこれまでその技術を、なるべく小さくそしてなるべくモバイルにしてきた。とくにそうしてきたのは、Google Mapsのために人が画像を撮る部分だ。今日(米国時間3/20)チームは、カナダの北極行政区にあるNunavut(ヌナヴート準州)での現場画像を共有した。

グランドキャニオンの場合と違って、ここではTrekkerを背負って歩く人はGoogleの社員ではない。その人はNunavutの住民Chris Kallukで、彼はNunavut TunngavikというNPOで働いている。今そこは、Googleと協力して画像を集め、カナダ北極地区のより詳細な地図を作ろうとしている。

オリンピックのときにはストリートビューのチームはスノーモービルを工夫して使ったが、Trekkerも氷点下で使えるように作られている。カナダ北極地区では1年うち8か月が氷点下だ。Kallukはブログでこう説明している: “ここでは冬が日常です。実際にここに来てみないと、この言葉の意味は理解できないと思います”。

Kallukは次のような文章で、カナダにおける初めてのTrekkerによる遠征旅行を記している:

ストリートビューの画像を撮るためのバックパックを背負ってフロービシャー湾へ徒歩で向かった。そこは風がいちばん強くて、そのために海の氷が山のように盛り上がっている。そり犬を家の外につないだまま出かけるのだが、キャンキャン鳴いて連れて行けとせがんでいる。イヌイットの職人たちの何千年という歴史のある伝統技術が作ったイグルーは、ぜひ撮らなければならない。

カナダ北部の正確な地図を作るためにGoogleの連中は、昨年の8月にケンブリッジ湾のぼくの家に来た。そしてその秋の旅の画像を公開した。でも今回のIqaluit(イカリット)への旅では、Google Mapsのチームが零下30度以下という冬の北極を初めて体験することになる。

KallukとGoogle MapsのプロジェクトリードRaleigh Seamsterは、バックパックで写真を撮るだけでなく、イカリットの住民に写真や情報を集める目的を説明しなければならない。とくに彼らは住民にMap Makerについて説明し、誰もがGoogle Mapsの制作やアップデートに参加できるのだ、と説いた。

Googleは地球上の至るところの画像と情報を集めようとしているから、まだ誰も知らない自分だけのお気に入りの場所を、彼らに教えてやることもできる。GoogleのストリートビューとMapsが作ったツールを使うと、誰もがコロンブスになり、自分と数人の友だちしか知らなかった場所すら、情報化できるのだ。

“これは、犬ぞり隊の先導犬になったような気分だよね”、とKallukは言う。Nunavutをまだ訪れたことのない人にとっては、Googleのストリートビューがそこへ行く初体験になる。その画像はまだ公開されていないが、でもグランドキャニオンの9500枚の写真から類推すると、きっとまた、すごい画像が見られることだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


YouTubeの月間ユーザ数が10億を突破

今日(米国時間3/20)YouTubeが、月間ユーザ数10億に達したと発表した。実に、途方もない数字だ。YouTubeは、アホらしいビデオや、おもしろいビデオや、重要なビデオを見るために誰もが行く場所だが、10億は全国ネットのテレビ局にとっても夢の数字だ。

YouTubeにとって嬉しいのは、広告収入のアップだ。広告料金は広告を見る目玉の数に比例している。YouTubeに群がるのは広告スポンサーだけでなく、新人のミュージシャンたちもここに殺到して、人気も不人気もYouTube上の関心から芽生えて育つ

このとてつもない成長を支えたのは、あらゆるデバイスにおける可利用性だが、“ジェネレーションC”*と呼ばれる世代の増加も大きい。彼らはキュレーション(curation)という行為が大好きで、政治や漫画など、自分の関心に即した大量のビデオを長時間、次々と見ていくのだ。〔*: CはConnection, Creation, Community, Curation。curationは本来、コンテンツを精選して一つのテーマのもとに編纂整列する行為。典型的には美術館の展示企画者。〕

YouTube自身はこのマイルストーンについてこう言っている:

これまでの8年間、みなさまはYouTubeで世界中のビデオを見て、共有し、愛されました。何万名ものパートナーの方々がチャネルを作り、それらが熱心なファンのためのビジネスになりました。広告を出される方は気づいておられますが、Ad Age誌の上位100ブランドのすべてが、YouTube上でキャンペーンをしておられます。そして今日、わたくしどもは新しいマイルストーンを発表いたします。YouTubeの1か月のユニークユーザ数が10億を超えました。

コンテンツの制作は、ますます易しくなっている。今では、どんなモバイルデバイスからでも、ほんの数分でビデオをアップロードできる。YouTube自身も、ビデオのアップロードをさらに容易にするアプリCaptureを最近発表したほどだ。

YouTubeは10億という数字を、次のように説明している:

10億人の人たちがYouTubeを見ているところを、実際に想像できますか?
- インターネット上にいる人のほぼ二人に一人はYouTubeを訪れています。
- YouTubeの月間視聴者数はスーパーボウルの観衆の約10倍です。
- YouTubeが国なら、中国、インドに次いで三番目に大きな国です。
- PSYやMadonnaは満員のMadison Square Gardenで公演を20万回行わなければなりません。たいへんな数のGangnam Styleです!

10億という数字がすごいだけでなく、それはすべての世代をカバーしている。YouTubeを買うというGoogleの判断は、大正解だった

今となっては16億5000万ドルはタダに等しい。GoogleがYouTube上で広告のビューワを稼ぐための目玉単価が、いったいいくらになるか、ヒマな人は計算(というか概算)してみよう(これもやはりタダ同然だ)。

[写真出典: iJustine]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Facebookページでコメントへの返信が可能に。スレッドの優先表示も

Facebookは、Facebookページおよび有名人のプロフィールに、ファンや読者との対話を促進するための新機能として「返信」を提供する。これまでFacebookページでは記事にコメントを付けることはできたが、コメントに返信することはページ管理者にもできなかった。Facebookは昨年11月以来この新機能をテストしてきたが、情報筋によると7月の一般公開に先立ち、3月25日にオプトイン方式で公開するらしい。

送られてきた新機能のスクリーンショットはこれだ。

同時に提供予定の新機能には、これもベータテスト中のアクティブスレッドの優先表示がある。これは、アルゴリズムを使って最もアクティブなスレッドをコメントのトップに表示するものだ。

返信とアルゴリズムによる並べ替えは、どこでも利用できわけではない。Facebookページの記事と、フォロワー1万人以上のプロフィールだけで、個人アカウントでは利用できない。また、当面モバイルでは使えないが、将来的にグラフAPIおよびモバイルにも返信が採用される予定だ。

返信機能は、既にFacebookのコメントプラグインには導入済みで、サードパーティーのサイトで利用できる(TechCrucnchでも以前は使ってた)。しかし、Facebookサイトで提供されるのは初めてだ。

返信機能を導入する最大の理由は、Facebookページの管理者が、個々のコメントに直接対応ができ、他のユーザーにもどの会話がいちばんアクティブかがわかるようにことだ。これはコメントによる会話の質を向上させるだけでなく、ページの書き込み全体のエンゲージメントを高める効果がある。Facebookにとって、宣伝費の使い方を決める重要なデータであるユーザー滞留時間を定量化する手段として、エンゲージメントは今も重要な指標だ。

Facebookは、ページ管理者に対して新しい返信機能を3月25日からオプトインで提供し、7月10から一般公開する。

Facebookが配布しているFAQには、会話スレッドのしくみが簡単に書かれており、これを見ると単に返信のいちばん多いコメントを上にするのではなく、ユーザーのソーシャル関係や好みに応じて順位付けされるようだ。

「各ユーザーのつながり方によって表示が変わることもある」とFacebookは書いている。例えば、ある読者がたまたま特定のスレッド中の人知っていれば、その読者にはそのスレッドがトップに表示される。これは読者がそのスレッドに参加したいだろうとFacebookが予想するからだ。

これとは別に、いいね!や返信の多い記事にも重みが付けられる。逆に、スパムのフラグが付けられたスレッドやコメントの順位は下がる。Facebookは、スパム常習者のコメントを「ランクダウン」させることもあると言っている。

しかし、これからはモバイルが中心だと高らかに宣言している会社としては、返信に関して少々一貫性を欠くことになりそうだ。

返信は当初モバイルでは機能しないので、iOSとAndroidの専用アプリでは、返信も通常のコメントとして表示される。グラフAPI経由で表示されるスレッドについても同様だ。これは、サードパーティーのページ管理アプリも返信を書けないため、不利を強いられることを意味している。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Google Keep―Google+と連携してソーシャル化すればPinterestとEvernoteの有力ライバルになる可能性

今日(米国時間3/20)、Googleはとうとうノート・アプリのKeepを正式公開した。うっかり早まって一時公開してまた削除するなど先週どたばたを演じた後だったが、このアプリはメモやリスト、写真その他さまざまな情報を即座に安全なクラウドに保管できるサービスだ。

ちょっと試してみて気づいたのだが、Keepは簡単にPinterest風のレイアウトで利用することができる〔入力窓右側からギャラリー表示を選択する〕。KeepとPinterestの差はPinterestがソーシャルだという点だ。Pinterestはもちろん唯一のソーシャル・ブックマークではないが、この種のものとして消費者にもっとも好まれているサービスの1つだ。するとこの点はGoogle Keepにも当てはまるかもしれない。

Googleはその気になれば一瞬でKeepをソーシャル化できる。Google+に接続するだけでよいからだ。ウェブでユーザーが関心を抱いたページ、特にGoogle検索で発見ししたページをKeepでブックマークし、即座に友だちと共有できるとなればPinterestそっくりだ。

Keepについてのネット上の議論は主としてEvernoteのライバルになるかという点を巡って戦わされているが、 私はもっと大きな枠組みでKeepの影響を考えるべきと思う。

以下のスクリーンショットのようにKeepのデザインはPinterestに似ている。

こちらがPinterestだ。

たしかに今のところKeepの機能は写真、メモ、リストを保存することに限られているが、ユーザーはなんであれウェブに保存したコンテンツを友だちと共有したがる。たとえ、家族はごく親しい友だちといった狭い範囲にしてもだ。現在Keepにはこの機能は欠けている。しかしDrive やYouTubeなどGoogleの他のサービスと同様、いずれKeepにもソーシャル化が及んでくると予想しても見当外れではないだろう。

Google+のソーシャル機能は個人のメモやブックマークの共有にも容易に適用できる。ラリー・ペイジがCEOに就任して以後、Googleが発表する新製品は必ずさらに大規模な枠組みの一部だったことを考えれば、Keepが今後ずっと現在のようなバニラ状態でいるとは考えにくい。さらにGoogle Readerが広く一般ユーザーのものになることに失敗した点も考える必要があるだろう。Readerの機能を将来Keepが引き継ぐことになる可能性もある。

もちろんKeepはスタートしたばかりであり、Googleはすでにブログで発表した以上の情報を明かそうとはしない。しかしこのサービスはいろいろな理由から綿密な検討に値する。Googleの場合、見えているのは常に氷山の一角なのだ。

[写真:Flickr]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


また一歩消滅へ:Google、トップメニューからReaderのリンクを削除中

Googleは7月1日にGoogle Readerを閉鎖するが、相当数の人々がこれに不満を持っていると言っても言い過ぎではない。今日(米国時間3/20)Googleは、ほぼすべての中核サービスで上端を飾っているあの黒いメニューバーからリンクを外し、Google Readerはまた一歩消滅に近づいた。もちろんGoogle Readerそのものは、現時点で利用可能だ。

今のところリンクが外れたのはGmailだけのようだ。他のGoogle製品(Reader自身を含む)とメインの検索ページにはまだ残っているが、Twitterやその他のサイトでの反応を見ると、多くのReaderユーザーにとってここが主たる入口だったことは明らかだ。あらゆるGoogleメニューからReaderの名前が一切なくなるのも時間の問題だろう。そもそもこの手の変更がGoogleの全サイトに伝わるまでには常に時間がかかるものだ。

不思議なことに、Googleは今でもReaderに新しいユーザーを迎え入れているが、これもコードに大きな変更を加えられる人間が開発チームに残っていないだけなのかもしれない。
GoogleはReader閉鎖の発表以来一切無駄な時間を使っていない。CEO Larry Pageが発表した直後、GoogleはPlay Storeから公式アプリを削除しており、近々同様の現象を見ることになるに違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi)


GoogleがEvernote風のなんでもノートするサービス、Keepのウェブ版とAndroidアプリを正式公開

一瞬現れてすぐ消えたノート・アプリ、Google Keepが正式公開の運びとなった。Googleはプロモーションビデオ入りのブログ記事でKeepをお披露目した。同時にAndroidアプリもGoogle Playストアに登場した(Android 4.0以降)。

「Keepはペンや紙なしに頭に浮かんだことや関心を抱いたことをすばやくメモするためのツールだ」とソフトウェア・エンジニアのKatherine Kuanはブログ記事で説明している。このアプリはキーボード入力以外にも音声メモを文字に書き起こす機能を備えている〔日本語にも対応〕。記録はウェブに同期されるので、後でコンピュータで開いて自由に処理できる。

Androidアプリはホームスクリーンから簡単にメモを作成したり呼び出したりできる。Android 4.2以降の場合、ロックスクリーンから直接アクセスできる機能も利用できる。アプリのインターフェイスは非常にシンプルで作成したメモがタイル状に配置される。個々のメモにポストイットのような背景色をつけたり、ドラッグアンドドロップで自由に配置を変えたりできる。。

KeepはどうしてもEvernoteを思い起こさせる。ユーザーがすばやくメモを取り、その他関心を抱いたさまざまな情報をすばやくクラウドに保存できるようにするサービスでEvernoteは有名ブランドとなっている。現在のEvernoteのプロダクトはKeepよりはるかに多機能で、サポートするプラットフォームもはるかに多い。しかしGoogleがこの分野に参入してきたことは注目だ。もっともEvernoteが急速な成功を収めたのはその昔、GoogleがNotebookサービスを閉鎖した空白に助けられた面もあるということを考えると少々皮肉な展開だ。

Googleは「将来はGoogleドライブから直接Keepのノートを作成、閲覧できるようにする」と言っている。そうなればGoogle Driveの多くのユーザーがKeepを使うことになるだろう。

さらに取材中…

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Samsung Galaxyシリーズにもロックスクリーンからパスワードなしで通話できるバグあり

iOS 6のロックスクリーンにバグがあったことは記憶に新しい。iPhoneを手にした侵入者がいくつか巧妙な指の動きをするとパスワードを入力せずに通話をしたりいくつかの重要なアプリを起動できたりすることが発見された。昨日(米国時間3/19)、Appleは急きょiOSをアップデートしてこの問題を修正した

しかし同様のバグはSamsungのAndroidスマートフォンにも発見されている。

Terence Edenによれば、パスワード、PINその他の手段で画面をロックしていても、ハッカーがダイアラーその他のウィジェットにアクセスできる欠陥があるという。

iOSの場合と同様、Samsungのセキュリティーのバグも、緊急通話ダイアラーに関連しているようだ。緊急通話ダイアラーを利用した場合、画面を閉じる前に短時間だがハッカーが他のアプリを起動したり通話したりするチャンスがあるという。Edenは2月にこの欠陥を発見し、Samsungに報告した。Edenは「修正がリリースされるまで公表を差し控えてもよい」と申し出たが、Samsungは提案を受け入れなかったという。

Edenはこれより前に、やはり緊急通話ダイアラーに関連するバグを発見している。これはスクリーンのある場所を同時に押すことでホームスクリーンにアクセスが可能になるというものだ。2つのバグは密接に関連しているものとみられる。Samsungはこれらのバグを認識しており、修正作業に取り組んでいるという。

これらのセキュリティー問題は他のAndroid OS搭載機では報告されておらず、SamsungがカスタマイズしたAndroid 4.1.2特有の問題とみられる。バグが確認されているのはGalaxyNote II、Galaxy S IIIだが、他のAndroid搭載デバイスにも存在している可能性がある。われわれはこの点についてSamsungに問い合わせているが、まだ回答がない。

Edenはこちらにハッキングの詳しい方法を掲載している。この記事によれば、現在バグを回避する方法はROMの交換しかないという。これはあまり現実的な方法とはいえない。

GalaxyシリーズはSamsungのベストセラー製品だから、読者の中にもユーザーは多いことだろう。Androidのセキュリティー問題はこちらに詳しい

[via SlashGear]

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Amazonが[Send to Kindle](コンテンツをKindleへ送る)ボタンをローンチ

Amazonが今日(米国時間3/19)、[Send to Kindle]ボタンをローンチした*。これはWebデベロッパWordPressのブロガーたちが使う小さなウィジェットで、ユーザがこれを押すとコンテンツがKindleリーダーやアプリに保存される。今このボタンがすでに載っているのは、The Washington PostTIMEBoing Boingの記事だ。〔*: 小さな[k]の字だけがあるボタン。たとえばこの記事。〕

Amazonの[Send to Kindle]スイート(アプリケーションとブラウザプラグイン)は昨年ローンチし、そのGoogle Chromeエクステンションには[Send to Kindle]ボタンがあった。それはPocketやInstapaperのようなコンテンツクリップサービスに代わって使われるもので、Kindleの上でeブック以外のものが読める仕組みだ:

[Send to Kindle]ボタンを使ってコンテンツをあなたのKindleに送り、あとで都合の良いときに読めるようになります。一度送れば、あなたのKindleデバイスやiPhone, iPad, Android(携帯とタブレット)の無料のKindleアプリで、いつでもどこでも読めるようになります。あなたの目にとまったWebサイトやブログを、あとで探す苦労がなくなります。あなたのKindleを開けば、すべてのコンテンツがそこにあります。[Send to Kindle]ボタンは、Webから集めたコンテンツをお仕事や学校の宿題、趣味などで活用するためにも、便利に使えます。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


新種のボットネット「カメレオン」は、広告主に毎月600万ドルの損害を与えている

ボットネット。セキュリティー研究者にとってそれはまるでヒュドラーのようだ。凶暴な頭を1つ切り落とすたびに、切り口からまた2つ生えてくる。

つい〈一月〉前、MicrosoftとSymantecは、大量のBamitalボットネットを何とか退治したと発表した。Bamitalは偽クリックを生成して年間100万ドルもの金額を詐取したと言われている。今回出現したばかりの新種はどうなのか? 600万ドル。毎月。

ロンドン拠点のセキュリティー調査・トラフィック分析会社のSpider.ioは、このボットネットを2012年12月以来追跡している。様々な方法で身を隠すことからこれを”Chameleon”[カメレオン]と名付け、厄介な生き物の行動に関するデータを公開した。

  • “Chameleon”はおよそ12万台のコンピューターを支配していると思われる
  • ターゲットはWindowsパソコンのみと思われる
  • これまでの多くのボットネットと異なり、Chameleonはテキスト広告だけでなくグラフィックやFlashの広告も偽クリックする
  • このボットネットは月間約90億インプレッションを偽造し、約0.02%という見過ごしやすいクリック率で広告をクリックしている。
  • 感染したパソコンの約95%は家庭のパソコンである(例えばおばあちゃんの古いDell機)
  • このボットネットは毎月90億回の広告ビューから、1000ビュー当たり0.69ドルを稼いでいると推定され、これは実際には人間のいないビューに対して600万ドルが支払われたことを意味している。

膨大な数字だけでは不足とばかりに、Chameleonは検出や退治を困難にするいくつかの技を隠し持っている。無人でページをサーフィンする際、ページ内でマウスをあちこち動かす。このためロボット風の不審な動きを監視する不正検出システムから逃れやすい。訪問者ごとに常に複数の並行セッションを走らせ、スレーブセッションがクラッシュするとすぐ自動的にリスタートする。

Spider.ioによると、Chameleonは202箇所のウェブサイトを主な活動場所にしている。どの202箇所かは公開されていない。恐らく、それらのサイトのどれかあるいは全部が、実際にはそうでなくても、グルであることを暗示することになるためと思われる。これを使って利益を得られる(あるいは、ただ自分の技術力を誇示するため巧妙なボットネットを書く)〈誰でも〉に、仕掛人である可能性がある。

幸いSpider.ioは、最もアクティブな感染パソコン5000台と同社が呼ぶリストを解明した。しかし残念ながら、120,000から増え続ける中の5000である。SYMANTECよ、われらを救いたまえ。

[写真提供:D. Richard Hipp on Flickr under creative commons]

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(翻訳:Nob Takahashi)


元Adobe CTOでクラウドの導師ケビン・リンチが、Appleの技術担当VPに

Adobe CTOのKevin LynchがAppleに移った。AppleはiPhoneからFlashを疎外しこの技術の衰退を早めたであろうことで知られている。Adobeが本誌に対して正式に認めた。かつてLynchは、Adobeの公式ブログでFlashを強く擁護する記事を書いたが、最近はAdobeを未来へと導くことに専念し、過去について語ることはなかった。

Lynchは近年Adobeのクリエイティブクラウド立ち上げと推進に尽力してきた。クリエイティブクラウド(および同じくLynchが開発を率いたマーケティングクラウド)は、Adobeがパッケージ販売からクラウド主体のSaaS型商品へと移行する上で鍵となるサービスだ。Lynchのおかげで、Adobeはクラウド中心の会社への移行を、同様の遷移を試みるどの会社よりも早く成功したと言ってもいい。

Appleは、クラウドが同社ユーザーにとって世界の中心になると明言しており、2011年WWDCのキーノートで発表したiCloudは、Appleエコシステムのまさに中心となるものだ。iCloudは情報やメディアをあらゆるデバイス利用可能にしてiOSとOS Xを結びつけることにある程度の成果を得た。しかし、他の面は必ずしもうまくいっていない。iCloud、iTunes Matchなどクラウドベース製品の性能に関するAppleに対する苦情は多くシステムダウンも稀ではない。

Appleのインターネットソフトウェア・サービス担当SVPのEddy Cueは、現在iCloudの責任者で、その前身でさらに不評をかっていたMobileMe時代からの担当者だ。Cueは、iTunes、App StoreからSiri、マップ、iAdにいたるまで数多くのApple製品を見ている。このためCueがiCloudの定常的問題を解決するために、定評あるクラウドサービスのベテランの力を借りることは十分に考えられる。

Lynchは、Adobeのマルチプラットフォーム開発および迅速な製品デザインに対する強い関与についても責任を負っていた。モバイル端末用にフル機能の製品を要求するユーザーの声に答えて、Photoshop Touch for iPadや、最近さらにiPhone版も発売したのは、Lynchの力によるものだ。

AllThingsDのJohn PaczkowskiとCNBCのJohn Forttの報道によると、LynchはAppleの技術担当SVP Bob Mansfield直属の技術担当VPに就任すると見られている。Mansfieldの専門分野はワイヤレスと半導体技術だが、役職上社内で多くの権限を持っている。LynchのAdobeでのソフトウェア経験は、Mansfieldのチームと直接一致しないように見えるが、Mansfieldは昨年引退を撤回した際、「将来の商品開発」を手伝うために会社に留まったと言われている。Appleはハードウェア製品とソフトウェア製品を隔離することの会社なので、全デバイス横断で使えるクラウドを強く推進するためには、所属に関わらず推進役にはLynchが有力な候補者になるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Adobe、CTOを失ってもQ1決算は予測を突破:売上10億ドル、クリエイティブクラウド有償利用者50万人

先ほどAdobeは2013年第1四半期の決算を発表し、アナリストの予測を概ね上回った。同期の総売上は10.1億ドル、1株当たりGAAP利益は0.12ドル、非GAAPは0.35ドルで、アナリスト予測の、売上9.86億ドル、1株当たり非GAAP利益 0.31ドルを上回った。非GAAPベースの経常利益は2.407億ドル、純利益は1.779億ドルだった。

Kevin Lynch、Adobeを去る(Appleへ?)

しかし、Adobeの決算報告発表と同時に、SEC提出資料によると、同社で長期間CTOを務めたKevin Lynchが、「新しいチャンスを追求する」ために3月22日付で会社を去ることがわかった。噂によると、行き先はAppleで、もし本当なら常にAppleに対してFlashを揺護し、Appleの囲い込み政策を19世紀の鉄道になぞらえた同氏だけに興味深い行動だ。

クリエイティブクラウドの利用者は約50万人

しかし、今日最も重要な発表は、同社の財務状況よりも、クリエイティブクラウドの有償利用者数が47万9000人に達したことだろう。前四半期から15万3000人の増加だ。さらにAdobeは、クリエイティブクラウドの無料およびトライアル利用者が200万人いることも発表した。

「今四半期に購読者数47.9万人を達成し、現在は50万人を越えていることを大変喜んでいる。この勢いに乗って、今年度末までに125万人という当初の目標に向かって進んでいきたい」とAdobe CEPのShantanu Narayenが発表資料で言った(決算会見で使用したPDF

これもAdobeにとって戦略商品であるAdobeマーケティングクラウドは、四半期売上2.154億ドル、前年比20%増を記録した。通年では25%の売上増を見込んでいる。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Googleドライブ向けリアルタイムAPIが登場―ドライブを利用したリアルタイム共同作業アプリの開発が可能に

Googleは先ほど、Google Drive Realtime APIリリースした。デベロッパーはこの新しいツールを利用してGoogleドライブと同様のリアルタイム共同作業のユーザー体験を自らのアプリに取り入れることができるようになる。

Googleによれば、このAPIはネットワーク・コミュニケーション、ストレージ、同期のコンフリクトの解決その他共同作業におけるさままざな問題を処理するので、デベロッパーはアプリ本来の機能の開発に専念できるという。Googleは共同作業コード・エディターのNeutron Drive、プロジェクト・スケジュール・ツールのGantter、ダイアグラム・ツールのdraw.ioという3種類のデベロッパー向け有力ツールと提携してAPIのテストと改良を行ったという。

このAPIの能力をデモするためにGoogleはルービックキューブ・ゲームを作った。またAPIの作動をテストできるDrive Realtime API Playgroundも用意されている。デベロッパーはRealtime APIを実際に利用する際にはこちらで登録する必要がある。

GoogleによればこのAPIはマップ、リスト、文字列、JSONValueなど一般的なデータ・オブジェクトの共同作業版を提供し、自動的に同期を行い、編集結果をオジェクトに格納する。またデベロッパーはカスタム・オブジェクトを追加することができる。

APIが共同作業相手の存在をモニタしているので、デベロッパーは共同作業者がログイン、ログアウトしたり、ドキュメントに変更を加えたりしたときに他のユーザーに対してその旨を通知するようにできる。

Google Driveと同様、Realtime APIもシステムの基盤として用いられているoperational transformation (OT)のおかげで編集結果は即座にローカルのドキュメントに反映される。そのため遅いネットワークに接続している場合でもローカルのアプリの反応は速いままだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Evernote Food、FoursquareやOpenTableと連携、レシピ共有など新機能も多数

Evernote Foodがリリースされてから1年になる。今日(米国時間3/19)、レストランや料理の情報を共有するこのモバイル・アプリがアップデートされた。 OpenTableによる予約、Foursquareによる格付け、レシピの共有がサポートされるなど大きく機能が強化された。

今回のアップデートは昨年12月のEvernote Food 2.0のリリースで iPadの大きいスクリーンに初めて対応したのに続くものだ。これまでもこのアプリにレシピを記録することはできたが、検索はできなかった。今回、Punchforkとの提携のおかげで料理名、素材、ブログ名などで検索ができるようになった。

またクリップしたレシピをFacebook、Twitter、メールを通じて共有できるようになった

しかし今回のアップデートの目玉はOpenTableとの連携だろう。ユーザーはEvernote Foodでレストランを見つけることができるだけでなく、アプリ内から直接予約ができるようになった。またFoursquareのレストラン評価機能とも連携した。

その他のアップデートとしてはiOSの写真アルバムがサポートされ、写真のアッププロードが高速になった。また日本語と中国語のレシピについてパートナーと提携して検索、閲覧ができるようになった。〔日本語版はE・レシピ、シェフごはん、BIGLOBE Kirei Style、楽天レシピと提携〕

2011年の12月に登場したときにはEvernote Foodは「Evernoteを使ってこんなこともできる」というデモ製品のような雰囲気だったが、 同じころ発表されたEvernoteの連絡相手管理アプリHelloと同様、その後着実に改良されきた。

Foodの場合、Evernoteはレシピ検索など関連機能をゼロから自作せず、既存の業界リーダーと提携する道を選んだのは賢明だろう。そうして逆にこれらの飲食関連の情報サービスのハブとしてEvernote Foodを位置づけていこうとしているものとおもわれる。

今回のアップデートと同時に今月初旬に同社が発表したサーバへの侵入に関連して、ユーザーはパスワードのリセットを求められている。

アプリはすでに Apple App Storeでダウンロード可能だ。〔iOS 6.0以降が必要〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Google、 画像検索でGifアニメを正式サポート、「落ちるネコ」も簡単に探せるようになった

ネットの住民はGIFアニメが大好きだ。一部のファンは会話をもっぱらGIFアニメに頼っているほどだ。

しかしこれまで望みのGIFを検索するのは非常に難しかった。Tumblrや今までのGoogle検索はGIF探しには十分ではない。そこでGoogleは「ネコが椅子から転げ落ちる」たぐいの傑作GIFを探しやすくするよう検索サービスを改良することに決めた。

Googleは GIFアニメのフィルターを順次公開中だ。検索キーワードを入力した後、「検索ツール」ボタンをクリックして“Animated”を選択するだけでよい〔訳者の環境では日本語版、英語版ともまだ表示されず〕。するとアニメーション画像のみが検索結果として表示される。また今回さらに「背景が透明」な画像を検索するフィルタも追加された。画像をユーザーがカスタマイズしたいときに便利だ。

GoogleのAnimatedフィルタを利用してアニンメーション画像を検索するとこういう表示になる。

真面目な話、これまでGoogleでGIFアニメを探そうとすると非常に面倒だった。私は “cat falling gif のように文字列で検索をしてきた。結果に含まれるのはアニメ画像だけではないからやっかいだ。

画像をクリックするとアニメのプレビューが見られる。

サンキュー、Google.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


MozillaがFirefoxのデベロッパツールの充実に注力: ブラウザ内エディタ, Firebugの統合, ネットワークパネルなどなど

先週、MozillaのテクノロジエヴァンジェリストPaul RougetがWebデベロッパたちに、Firefoxの開発ツールとして何が欲しいか、という質問をTwitterやHackerNewsで投げかけた。そのフィードバックに基づいてFirefoxのDevToolsチームは、今後のFirefoxの安定版に盛り込むべき新作または改良版のデベロッパ機能の数々を構想し、それらのプロトタイプ作りに取り組んできた。

Rougetが書いた記事によると、リクエストでもっとも多かったのは、ブラウザ内でコードを書けて、そしてエディタやIDE(統合開発環境)からブラウザをコントロールできることだ。このリクエストに対してチームは今、二つのやり方を検討している。DevToolsのチームは人気の高いSublime TextエディタとFirefoxに本来あるリモート機能を利用するライブエディティングの概念実証を作った。しかしMozillaはそのほかに、Firefoxの中にエディタを置くことも検討している。

Mozillaがブラウザ上のエディタを考えたのは、これが初めてではない。2009年にMozillaは、Bespinというものに取り組んだ。それがのちにSkywriterになったが、このプロジェクトは今休眠している。しかしCSSとHTMLによるエディタThimbleは、Mozillaが再び取り組んでおり、RougetはDevToolsの作品がエディタのメインのような書き方をしているものの、ブラウザ上のテキストエディタに関してはMozilla本体にも相当な経験と知識があることは確かだ。

デベロッパたちのもう一つのリクエストは、Chrome的Firebug的なネットワークパネルとタイムラインだ。チームはすでに、Webアプリケーションがネットワークをどのように使っているかを容易に見るためのツールの、プロトタイプを開発した。

Firefoxのチームは、ブラウザの互換性の向上にも取り組んでいる。Rougetによると、現状は“FirebugのユーザにとってFirefoxのDevToolsは邪魔者”という状況なので、それを何とかするためにMozillaは、コンテキストメニューの”inspect”メニューをディスエーブルにできるようにする。またFirebugをDevToolsのボックスに統合する方法も検討中だ。

そのほかにチームが今取り組んでいるのは、ブラウザの右側にドックツールを置けること(Firefox Nightlyではすでに実装)、CoffeeScriptのサポート、最小化したCSSとJavaScriptファイルのデバッグ、ページ上のリペイントされた部分が分かること(これもFirefox Nightlyにはある)。

Rougetによれば、チームはそのほかの機能にも取り組んでいる(イベント結合の視覚化、オフラインのストレージツール、擬似要素の検査、など)。

以上はどれも、すぐに実現するというものではなく、プロトタイプを脱するのに数か月かかりそうなのもある。でもデベロッパにとっては、こうやってMozillaがデベロッパツールの改良に励み、競合に負けまいとしている姿は大歓迎だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


TC Tokyoスタートアップバトル出場サービス – 全自動会計ソフトのfreeeがリリース

freee logo

昨年11月に開催されたTechCrunch Tokyoスタートアップバトルに出場してくれたCFOが全自動クラウド型会計ソフトfreeeのリリースを発表した。このサービスは従来の面倒な経理業務をクラウド上で行ってくれるサービスだ。

本誌では昨年12月にはシリコンバレーのベンチャーキャピタルDCMから5,000万円の資金を調達した際にも取り上げているが、ロゴのイメージが大幅に変更されたので気づかない方も居るかもしれない。特徴的だった雲の上で足を組んだおじさんのロゴは廃止され、素早いイメージのツバメに変更された。

freeeは既存の会計サービスと最終目標は同じだが、仕組みが興味深い。ユーザーの銀行やクレジットカードのWeb口座をfreeeと同期し、入出金明細を取得することでデータを解析してくれる。

解析したデータは自動的に仕訳してくれるので、Web上に履歴が残っているものならばほとんど自分で作業をする必要はない。例えば、明細に「タクシー」という単語が入っていれば、「旅費交通費」に紐づけるように単語ごとに適切な仕訳をしてくれるそうだ。

もちろん、明細によっては的確に仕訳されないこともあるだろう。CFO代表取締役の佐々木大輔氏によると、ベータ版運用時にはクライアントにもよるが、精度は7割から8割程度だったという(銀行よりもクレジットカードの方が詳しく記載されているので、クレジットカードの方が精度は高くなる)。

8割程の精度があれば、かなり経理業務の負担が軽減される。しかし、Web口座をサービスと連携することには抵抗を持つユーザーは多いだろう。そのためfreeeはこの課題をクリアしなければならない。

この点に関してはfreeeは個人情報の取扱いにおいて一定基準の安全性を確保している証拠であるTRUTe(トラストイー)による認証を取得してあるし、データ自体はファイアーウォールで遮断された場所に保存されてあるので安心して欲しいと佐々木氏はいう。

それでも、ユーザーの中には最初はWeb口座を連携せずにCSVでファイルをアップロードし、仕訳をする企業もあるだろう。だが、何度も繰り返し利用するうちにfreeeの利便性が不安に勝ち、最終的にはWeb口座を連携してくれると考えているそうだ。

総務省によると日本の中小企業における平成24年度のクラウドサービス利用率は17パーセント(米国は54パーセント)であり、佐々木氏によると、クラウド型の会計ソフトとなると利用率1パーセント程度だという。

米国ではクラウドサービス利用率54パーセントのうち、ある一定の割合は会計ソフトも含まれているというので、日本でも浸透するのは時間の問題かもしれない。

今後の展開としては、請求書の作成や管理機能、APIの提供、ネイティブアプリの開発などを予定している。

freeeは本日から6月末までは全て無料で利用でき、その後はフリーミアムモデル(無料、月額980円、1,980円)で提供される。

 


Google Nexus 10のコマーシャルは複数ユーザ制を強調

Googleは最近、テレビコマーシャルが快調で、とくにガジェット類(ハードウェア製品)が良い。今日から放映されている同社のiPadキラー対抗機種Nexus 10の最新コマーシャルは、子どもができたことを知った若いカップルの生活に、このWiFiオンリーの製品をうまく絡ませている。

このコマーシャルは、Nexus 10の何を売り込んでいるのか? マルチユーザのAndroid機であること。そうだ、Googleの競合上のアドバンテージは、このデバイスを誰かと共有できることだ。それだけ? まあ、とにかくコマーシャルを見てみよう:

iPadに”子どもモード”や”ゲストモード“を作れ、という話は前からある。でも、自分のとってもパーソナルなデバイスを、うちにいるちっちゃな手に触らせたいと、みんな思うだろうか? ブログの記事や、良くできのテレビコマーシャルだけのお話かもしれない。しかし実際には、自分のタブレットを家族の誰かにも使わせたい、という人は多いのだ。

マルチアカウントの良い点は、ログイン直後に各人が、すぐに自分のホーム画面とアプリを見られる/使えることだ。Googleのシンク機能はとても良くできているから、そこらに複数のデバイスがあって、どれを使っても同じ画面が見られる。しかもNexus 10は399ドルと安い。

今のGoogleは相当本気でモバイルし、タブレットしているから、問題はそのセールスポイントだ。上のビデオでは、Google Play、映画を見る、Google Nowで検索、Google+でHangoutsする、本を読む、などが出てくる。GoogleのデバイスとGoogleのサービスがセットだ。

Appleのコマーシャルのような、ひねりやおもしろさはない。アドバンテージを訴求し、iOSより良いところを強調する。同じ土俵では勝負にならないから、少しずつ小味を効かせる。今回は、デバイスをほかの人と共有できます編だ。iPadみたいに、ポルノだらけのタブを人に見られる心配がない。ぼくの場合、それはないのだけれどね。あんまり。

このGoogleの10インチタブレットは今年のI/Oカンファレンスでどんなアップグレードが発表されるかな? ぼくの場合、唯一の問題は、自分の家以外の場所では使い途がないこと。Nexus 10は完璧…にはほど遠い。iPadより良いか? それは個人の好みによる。しかしGoogleとしては、こうやって、‘それにしかない’機能をこつこつと訴えていくしかない。賢明なやり方だね。

〔Nexus 10で複数のユーザを作る…そのやり方。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


低所得者向けクラウドファンディングのKiva、開始7年で借入人100万人、融資額4億ドルを突破

2005年以来、少額融資者と低所得借用人を引き合わせてきたNPO、Kiva.orgが、借入人100万人を達成したと発表した。クラウドファンディングで途上国を中心とする65ヵ国にわたって融資された総額は、4億ドルに上る。融資は主として個人による経済活動を支援するもので、他の資金調達手段が困難な起業家精神あるベンチャーの支持を通じて、貧困を軽減しようとしている。授業料支払い等教育目的の融資も支援している。

Kivaの融資人から成るコミュニティーも100万人に節目に近づいており、現在90万人が登録されている。この人たちによって毎週150万ドル以上のクラウドファンディングが行われている。Kivaプラットフォームの運用1年目には、年間融資額わずか50万ドルだったことを考えると、目覚ましい成長だ。

Kivaによると、同プラットフォームでの融資返済率は98.9%。融資金が返済されると、貸し手はこの資金を繰り返し何度でも再融資ができる。希望すれば引き出すことも可能。

「この7年間は驚きの旅だった」とKivaの共同ファウダー・CEOのMatt Flanneryが声明で語った。「いちかばちかやってみることの価値を、世界に証明してくれた100万人の借り手たちに感謝している。Kivaがあるのはみなさんのおかげだ」

「Kivaの基本的な考え方は、その人がお向いに住んでいようと海外にいようと、可能性を認識して支援することにある。自分自身や他人の中にある可能性を認識した時、それが貸し手としてであれ借り手としてであれ、そこには大きな力が生まれる」とKivaの共同ファウンダー・プレジデントのPremal Shahが声明で語った。

昨日(米国時間3/17)Guardianが報じたオックスフォード大学による最新の研究によると、2013年に「多次元」貧困状態で生活している人々は計16億人いるが、世界で最も貧困な人々の一部は、「有意に貧困度が低く」なりつつあり、ルワンダ、ネパール、バングラディシュ、ガーナ、タンザニア、カンボジア、ボリビア等の国々では貧困の減少が報告されている。同研究は貧困指数を算出するために10種類の指標を用いた。具体的には、栄養、幼児死亡、就学年数、就学率、炊事用燃料、水、衛生、電気器具、および床。

同研究によると、最貧困者10億人の住む100ヵ国のうち、大部分が南アジアであり、インドが半数近く(40%)、サハラ以南のアフリカが約1/3(33%)を占める。また、最貧困10億人の約1/10(9.5%)は収入が中流の上クラスの先進国に住む人々であることもわかった。

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(翻訳:Nob Takahashi)


中国Googleの元トップKaifu Leeが政府に削除されたツイートを数えてグラフ化

元Google ChinaトップKaifu Leeは、TencentとSinaで彼のWeiboポストが検閲され削除された回数を記録し、このほど、その8か月ぶんをグラフにして公開した。

毒舌の投資家でもある彼は最近、自分のツイートを消される回数が増えた。なにしろ当局が隠したいと思っている、上海の河口に13000頭の豚の死骸が流れ着いた件とか、中国全国人民代表大会における指導者任命の経緯などを、彼は議論しているからだ。中国政府は二つの大手マイクロブログサービスTencentとSinaに頻繁に介入して、検閲キーワードのあるポストをぞうきんで床の汚れを拭くようにせっせと拭き取っている。

このグラフには、こんなツイートが付いている:

私のWeiboの削除(リンクをクリック)。最低は私の“3日間の沈黙”、そして最高は、最近2週間のtwitter.com/kaifulee/statu…

— Kai-Fu Lee (@kaifulee) 2013年3月18日

Kaifu Leeは先月の3日間、SinaとTencentのWeiboポストを拒否された。国営検索エンジンJikeを批判したからだ。彼にはTwitterのフォロワーが約100万いるが、Sina Weiboの3000万やTencent Weiboのファン数2400万に比べると小さい。

(出典: techinasia.com)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ブラウザ上で電子回路の設計とシミュレーションができるCircuitLab, 一周年で月間ユーザ7万を突破

電子回路設計/シミュレーションサービスCircuitLabは、立ち上げから1周年を迎え、月間のアクティブユーザ数70000にまで成長した。今Y Combinatorの2013冬のクラスで勉強している同社は、単純に計算すると6秒に一回ずつ回路シミュレーションを動かしていることになる。電子工学系のサイトがこのように大成功している理由は、ツールが基本的に無料であることと、教育用のツールとしてとてもよくできているからだろう。また、最近増えているハードウェア系のスタートアップが、プロダクトの企画設計段階で十分利用できるツールでもある。

CircuitLabの強みは、電子回路の設計をその最初の第一歩から支援できるところにある。そのために協同ファウンダのMike RobbinsとHumberto EvansはCircuitLabを、回路図を描いてシミュレートすることが、マニュアルを一冊も読まずに、そして難解でユーザアンフレンドリーなレガシーのデスクトップアプリケーションを使わずに、Web上だけでできるようにした。だからCircuitLabでは複数のエンジニアがそれぞれ異なるマシンやブラウザを使っていても、シミュレーションなどの共同作業ができる。これまでのPSpice、Multisim、LTSpiceなどのツールでは、それは不可能だった。

CircuitLabのツールのオープンな性格は、その初期から、教育機関や研究機関の関心を惹いた。無料でもあるので、教師は教室で自分の生徒/学生たちに使わせ、その場でシミュレーションをさせられる。彼らが教室に持ってくるマシンは、メーカーや機種を限定されない(ブラウザがあってWebにアクセスできればそれでよい)。EvansとRobbinsは電話インタビューで、教育方面に口コミで広まりつつあると言ったが、それには生徒/学生間の口コミ(リコメンデーション)も含まれるようだ。

“うちの最大のユーザは教育機関だ。学校や大学で、これまで使われていたデスクトップソフトを駆逐しつつあるようだ”、とRobbinsは説明する。“教師たちの最大の問題は、Macを持ち込む生徒/学生が多いのに古いツールはWindowsオンリーで、それらよりもさらに古いヘンなソフトすらある。今や学生/生徒たちがめいめい、違うソフトを使っていることが、教える側の悩みのタネだったのだ”。

CircuitLabにとっては、一人の教師に気に入られると一挙にユーザが数十名増えるというメリットがある。今、大学で電子工学を専攻した学生が一人前になるまで5年はかかるから、今の世代の学生たちが次世代の学生にCircuitLabをすすめる効果もある。しかしRobbinsによると、CircuitLabの使われ方はもっと多彩だ。大規模な製品では、それぞれの部品が個々に設計〜シミュレートされることもある(たとえば電源回路とメインボード)。Robbinsによると、どんなタイプの回路でも設計〜シミュレーションできることが、CircuitLabに強みの一つだ。

CircuitLabは最近、二社と提携を結んだ。ひとつはElectronics.StackExchange.com、ここでは組み込みシステムの回路設計とシミュレーションに利用されている。もうひとつはEE TimesとEDNの発行者、これらは電子回路設計の専門誌として指導的な存在だ。このような健全な提携関係とYCのサポートにより、同社の今の立ち位置は非常に良好だ。

類似サービスとしてUpverterなどがあるが、しかしEvansとRobbinsによると、CircuitLabが対応するのはあくまでも設計の初期段階のみ。だからこの世界には今後もっと多様な競争関係や補完関係があるべきである、と。たしかにこの世界では、既存の有力ツールは過去10〜20年間ほとんど変化も進化もしていないのだから、若いスタートアップたちによってもっと本格的で大々的な世代交代が起きてもよさそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))