AuroraSat-1は当初、宇宙輸送事業者であるMomentus(モメンタス)によって、2021年初めにSpace X (スペースX)のFalcon 9(ファルコン9)ロケットを使ったライドシェア・ミッションで飛ぶ予定だった。しかし、Momentusが米連邦航空局の承認を得られなかったため、その飛行は中止された。
人工衛星用の電気推進機構を開発しているOrbion Space Technology(オービオン・スペース・テクノロジー)は、シリーズBラウンドで2000万ドル(約22億1000万円)を調達した。同社はこの資金で「Aurora(オーロラ)」推進システムの生産能力を拡大すると述べている。
ミシガン州を拠点とするOrbion Space Technologyは、小型・中型衛星用のホール効果プラズマスラスラスターを製造している。スラスターは、人工衛星(または宇宙ステーションのように軌道を維持する必要のある宇宙物体)の寿命が尽きるまで、軌道高度の調整、衝突の回避、軌道離脱のために使用される。ホールスラスターは、磁界を利用して推進剤を電離させ、プラズマを生成する。
Orbion Space Technologyは2019年8月に、920万ドル(約10億2000万円)のシリーズA資金を調達した。その時以来、同社は米国の宇宙システムの回復力をテストしている米国防総省との研究パートナーシップを確保している。2020年9月には、小型衛星の製造を手がけるBlue Canyon Technologies(ブルー・キャニオン・テクノロジーズ)との契約も獲得した。
今回の資金調達は、米国とインドのベンチャーキャピタルであるInventus Capital Partners(インベンタス・キャピタル・パートナーズ)が主導し、Material Impact(マテリアル・インパクト)、Beringea(ベリンジア)、Wakestream Ventures(ウェイクストリーム・ベンチャーズ)が加わった。
「宇宙開発は変化しています」と、Inventus Capital Partnersの投資家であるKanwal Rekhi(カンワル・レキ)氏は声明の中で述べている。「PCがメインフレームに取って代わったように、大型衛星は多数の超小型衛星に取って代わられようとしています。Orbionはこれらの超小型衛星に、より正確な軌道に入り、より長く留まるための機動性を提供しています」。
最初の衛星は、2022年後半にSpaceX(スペースX)のFalcon 9(ファルコン9)ロケットでLoft Orbitalと組み地球低軌道に向かう予定だ。このミッションは、約1年前に心臓発作で他界したHydrosatの前CEOであるJakob van Zyl(ヤコブ・ファン・ジル)氏にちなんで名付けられた。衛星打ち上げというと華やかさが増すようだが、フォッセル氏は同社が「コンテンツ企業であり、データ企業であることが第一」と強調している。