Pinterestがクリエイター向けファンドへの投資を大幅に追加

競合各社がクリエイターに熱を上げる中、Pinterest(ピンタレスト)は米国時間3月28日、Creator Fundへの当初の投資を大幅に増やし、まだ評価を得ていないクリエイター層に対し現金での支援、広告のクレジット、その他のリソースとして追加で120万ドル(約1億4800万円)を投じると発表した。同社は2021年に50万ドル(約6200万円)のCreator Fundを開始すること、および新しいコンテンツポリシーとクリエイター向けツールを発表していた。ただ、Pinterestが投資を増やしクリエイターとの関わりを強化するものの、Meta(メタ)やYouTube(ユーチューブ)、TikTok(ティックトック)、Snap(スナップ)といったソーシャル大手の大がかりな取り組みに比べると、その規模はまだ小さい。

Pinterestは2021年4月にCreator Fundを発表し、同年秋には米国でクリエイターの報酬としてさらに2000万ドル(約24億6000万円)を投じると発表した。この報酬は「チャレンジ」への参加に対してクリエイターに直接支払われる。ただしこの取り組みはCreator Fundの一環ではないとされている。同社は、Creator Fundは資金と教育の両方のリソースを提供して、まだ評価を得ていない層のクリエイターを支援することに特化していると説明している(TechCrunchの問い合わせに対し、同社は新たに投資する120万ドル[約1億4800万円]のうちどの程度を現金で支援するのかについて明らかにしなかった)。

PinterestはCreator Fundの拡張にともない、四半期ごとに5週間のサイクルをコンテンツのテーマを変えてクリエイターに提供する。テーマはファッションとビューティー、ウェルネス、ライフスタイルとホーム、フードが予定されている。2022年の4サイクルのうち最初のサイクルではファッションとビューティーを取り上げ、このサイクルでは初のブランドパートナーとしてL’Oréal USA(ロレアルUSA)の後援を受ける。Creator Fundの参加者はPinterestが提供するトレーニングを受けられる他、L’Oréal USAから美容業界のインサイトとこの分野における専門家のサポートも提供される。参加するクリエイターは現在募集中だ。

Creator Fundの参加者は、現金での支援と広告クレジット、機材の提供を受け、さらにブランドパートナーになるチャンスやクリエイター向けカンファレンスへの参加、さらにPinterestのプロダクトをいち早く目にする機会もあると同社は述べている。

当初のファンド、そして以前に発表された2000万ドル(約24億6000万円)の報酬よりも大幅に増額されたが、それでもクリエイターに対するPinterestの取り組みは競合に遅れをとっている。

比較のために挙げると、TikTokは2020年に独自のクリエイターファンドを2億ドル(約246億円)で立ち上げたが、向こう3年間で10億ドル(約1230億円)以上にまで拡大するとしている。Metaも10億ドル(約1230億円)のクリエイター向けボーナスプログラムを発表した。YouTubeはTikTokへの対抗策としてYouTubeショートのクリエイター向けとして2021年に1億ドル(約123億円)のファンドを発表したが、過去3年間で合計300億ドル(約3兆6900億円)を超えるクリエイターへの幅広い投資を喧伝している。そしてSnapも最近、TikTokに似たSpotlightのクリエイターに対し、2021年に2億5000万ドル(約307億5000万円)を支払ったと述べた。

これらに対し、Pinterestはクリエイターに対する取り組みを始めたばかりだ。この1年間ほど、同社はそのプラットフォームをインスピレーションやアイデア、販売のための画像のピンボードから、動画や動画に関連する収益化の取り組みを通じてクリエイターのコミュニティに資するものにシフトしようと試みている。2021年5月にはクリエイター向け動画ファースト機能でTikTokとストーリーをミックスしたような「アイデアピン」を正式に発表した。Pinterestユーザーは、BGMやトランジション、さまざまなインタラクティブ要素など他のソーシャルプラットフォームと似たツールでクリエイティブなコンテンツを録画し、編集できる。しかしTikTokの動画とは異なり、Pinterestのアイデアピンは、例えばクリエイターがレシピやDIYの製作過程などを共有するページといった動画以外のコンテンツも組み合わせられるようになっている。

2021年秋にPinterestは、ビデオのピンを簡単にスクロールできる「Watch」タブをアプリに追加した。この取り組みがどの程度効果を上げているかは、今のところ明らかにされていない。The Informationは最近、PinterestはオンラインショッピングプラットフォームのVerishopを買収しようとしたが、Pinterestが買収されると取り沙汰される中で決断は先延ばしになったと報じた。Verishopは買収に乗り気ではなかった。

Pinterestによれば、同社Creator Fundプログラムを修了した参加者は平均で60%フォロワーが増えたという。しかし比較の基準がないので、クリエイターの実際の成果やもっと広い意味でのPinterestへの影響はなかなか理解できない。

Pinterestは、2022年後半には米国以外にもCreator Fundを拡大する計画であるとしている。

画像クレジット:Pinterest

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

【コラム】暗号資産とDeFiを救うのは「内部告発者」だ! 

規制のない暗号資産の世界というのは今や昔の話。蔓延する暗号詐欺と規制を回避する分散型金融(DeFi)の驚異的な成長を受けて、米国の規制当局は暗号資産業界に対して前例のない措置を講じることとした。

このような規制の変化は米国の金融規制における歴史的なパターンを踏襲している。金融の不安定性への懸念よりも自由への欲求の方が強いか、あるいはその逆かによって、規制の強化と緩和の間を行き来するものなのである。

自由市場の暗号愛好家は失望するかもしれないが、協力を惜しまない者には大きなメリットがあるかもしれない。内部の人間が目にした違法行為や不正使用について声を上げれば、規制当局が他の悪質行為者を対象とするため、その間に自分の会社が成功すれば良いのである。

また、例えば内部告発者が勤める会社が改革を拒み、規制当局が行動を起こさざるを得ない場合、内部告発者は多額の報奨金を得られる可能性がある。また、内部告発をしたことによる報復から保護を受けることも可能なのである。

繰り返される歴史

米国の金融規制には、比較的金融規制の少ない時期と、金融不安を是正するために規制を強化する時期という、おなじみのパターンがある。

米国の建国者たちは当初から、金融システムに対する連邦政府の規制の必要性について国立銀行の設立を中心とした議論を繰り広げていた。アンドリュー・ジャクソン(第7代米国大統領)は最終的に国立銀行を廃止し、分散型の銀行システムを採用。その後、自由銀行時代として知られるようになり「ワイルドキャット」と呼ばれる銀行や数十年にわたる金融不安が続いたが、エイブラハム・リンカーンの暗号詐欺で幕を閉じている。

最近では1980年頃から規制緩和の波が押し寄せ、金融革命や金融統合を引き起こしたが、1980年代後半から1990年代前半にかけての緩やかな貯蓄貸付危機という形で金融の不安定性が起きている。この規制緩和の流れは2007年から2008年にかけての大不況で頂点に達し、その後ドッド=フランク・ウォール街改革・消費者保護法の成立により、規制強化へと振り子が戻ってきたわけだ。

この規制パターンは今後、最近までほとんど規制がなかった暗号資産業界でも同様に展開されるようになる。麻薬の売人や脱税者、テロリストの資金源になっているといわれている暗号業界で、アンチマネーロンダリングや本人確認(AML/KYC)の慢性的な失敗を懸念した議員たちが、Bank Secrecy Act(銀行秘密法)を改正し、暗号資産を明確にカバーするようにしたのである。

SEC(米国証券取引委員会)のGary Gensler(ゲーリー・ゲンスラー)委員長は、暗号革命をワイルドキャット銀行の新時代と比較しており、またRipple(リップル)に対する訴訟で有名なように、多くの暗号資産や暗号資産に関連する商品は証券であるとの立場をとっている。元CFTC(商品先物取引委員会)委員のDan Berkowitz(ダン・バーコウィッツ)氏(現SEC顧問弁護士)は、DeFiは完全に違法である可能性があると考えており、財務省は議会に対し、安定した価格を提供するために準備資産に裏付けされたステーブルコインを非銀行が発行することを禁止するよう勧告している

州もその一味となっており、NEXO(ネクソ)Celsius(セルシアス)、BlockFi(ブロックファイ)などの企業が証券や商品を販売する前に州への登録を怠ったとして、州の検事総長が処分を下している。明らかに、暗号資産が規制の監視を受けない時代は終わったのである。

内部告発者が規制やコンプライアンスを導く

暗号業界がこのような反革命に頭を悩ませている一方で、不正や違法行為を政府に報告した内部関係者は大きな利益を得る可能性がある。SEC、CFTC、FinCEN(金融犯罪捜査網)、IRS(米内国歳入庁)などの規制当局は、企業や業界セグメントの運営状況を内部から把握し、不正行為者が投資家や顧客、一般市民に回復不能な損害を与える前に不正行為や違法行為を発見できるようにするための内部告発者を必要としている。

また、内部関係者からの情報により、規制当局は悪質な行為者に的を当てた強制措置やルール作りを実施することができ、暗号資産業界の革新的で価値のある側面を不必要に潰してしまうのを防ぐことができるだろう。

こういった情報と引き換えに、内部告発者は連邦政府のさまざまな内部告発者報奨プログラムから報奨金を得ることができる。ただしこれは、強制措置の執行に役立つ情報を、適切に提出した場合に限られる。

SECCFTCのプログラム、そして今回新たに強化されたAML内部告発プログラムの場合、内部告発者は100万ドル(約1億1500万円)以上の強制措置において最大30%の報奨金を受け取ることができる。これらのプログラムでは、弁護士を介して匿名で情報を提供することで、自分の身元を隠すことも可能だ。

IRSの内部告発プログラムの場合、内部告発者は200万ドル(約2億3000万円)以上の政府回収金のうち最大30%を受け取ることができる。SECとCFTCの内部告発者はこれまでに、なんと1億ドル(約115億円)以上の賞金など、合計10億ドル(約1151億円)以上を受け取っており、またIRSの内部告発者プログラムでも、2007年以来10億ドル(約1151億円)以上の賞金が支払われているという。

しかし、内部告発者が助けているのは政府だけではない。内部告発者たちは、規制の動向や将来の強制措置を予測することで、企業が規制の標的にならないよう導くことができるのである。多くの従業員が警告を発して意思決定者に変更の必要性を知らせることができる立場にいる。内部告発者は、企業が規制当局にノーアクションレター(特定の製品や行動方針を規制当局に承認してもらうもの、または規制に抵触する可能性が低い方法で取引や製品を再構築することを提案するもの)を求めるべきであることを指摘して、潜在的な問題を回避することもできるのである。

すでに違法行為を行っている可能性のある企業であっても、会社の方向性を修正する方法や、会社の行為を是正するために規制当局に働きかける方法について、内部告発者は最も適切な判断を下すことができるのである。

内部告発者の保護

報復行為も十分に起き得るため、内部告発者になるのが恐ろしいと考えるのは当然である。報復行為とは、敵対的な職場環境から解雇まで、さまざまな形で行われるものだ。

そこで、内部告発者を報復から保護するのがサーベンス・オクスリー法ドッド・フランク法2020年マネーロンダリング防止法などの連邦法や州法だ。内部告発者法に基づく救済措置はさまざまだが、報復を受けた従業員が、報復がなかった場合と同じ状況になれるように設計されている。

しかしこういった保護を受けるためには、それが可能な方法で内部告発を行う必要がある。内部告発者は、実際に法律違反があったことを証明する必要はなく、また不正や違法行為があったという事実が正確である必要もない。従業員が懸念を表明することを奨励するために、これらの法律は一般的に、内部告発者が「合理的な信念」を持っている場合、つまり「同じ訓練を受けた同じ事実関係にある合理的な人間なら、この場合雇用者が法律に違反していると考えるだろう」ということを示すことができる場合、報復から保護してくれるのである。

過去10年間に、大規模な内部告発の多くの陪審評決が証明したように、報復を行った雇用者は相当な額の責任を負うことになる。しかし、内部告発報復法の複雑さを考えると、内部告発を考えている従業員は、まず法的アドバイスを求めるのが正解だろう。

内部告発者が救う

暗号資産業界はこれから多くのことを学んでいくのだろう。従来の金融機関は何十年という月日かけて規制に対応してきたが、暗号資産はこれまでコンプライアンスをほとんど気にすることなく運営されてきたのである。

暗号業界の内部告発者が早期に警告を発することで、競争の公平性が確保されるだろう。内部告発者の懸念を真剣に受け止めることで、暗号業界の企業は間もなく直面することになる不可避の強制措置の嵐を回避し、時間、お金、そして心痛を節約できるのだ。

編集部注:本稿の執筆者Alexis Ronickher(アレクシス・ロニッカー)氏は、ワシントンD.C.にある内部告発者と公民権に関する法律事務所Katz, Marshall & Banks LLPのパートナー。内部告発者の弁護を専門としている。Nicolas O’Connor(ニコラス・オコナー)氏はKatz, Marshall & Banks LLPのアソシエイト。

画像クレジット:danijelala / Getty Images

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(文:Alexis Ronickher、Nicolas O’Connor、翻訳:Dragonfly)

ストリーミングに対する公正な支払い実現のために、Tidalがミュージシャンへの直接支払いシステムを構築

先に、Tidal(タイダル)と人気の独立系音楽ディストリビューターであるDistroKid(ディストロキッド)連携し、アーティストへの直接支払いシステムを発表した。Tidalによる今後のより大規模なシフトを予感させる今回のパートナーシップは、1日に何百万ものストリームを得ることのできない世のミュージシャン(要はテイラー・スウィフトやリル・ナズ・Xではない全ミュージシャンである)に資金をより公平に分配できるとされるストリーミングの支払いモデルを実験するためのものである。

Tidalの月額19.99ドル(約2300円)のHiFi Plusプランに加入している場合、月額利用料の最大10%、約2ドル(約230円)が最もよく聴いているアーティストに分配されるシステムで(そのアーティストがDistroKidを利用している場合に限定される)、Apple(アップル)やGoogle(グーグル)のアプリストアのように、仲介金を取るサービスを通じてサブスクリプション料を支払っている場合この割合は減少する。CD Baby(シーディー・ベイビー)、Equity Distribution(エクイティ・ディストリビューション)、Stem(ステム)、Symphonic(シンフォニック)、Tunecore(チューンコア)、Vydia(ヴィディア)などの独立系ディストリビューターとも同様の契約を結んだとTidalはTechCrunchに対して話している。

このモデルは、一般的にアーティストに支持されているユーザー中心型決済システム(UCPS)の一例だ。UCPSを採用しているストリーミングサービスDeezer(ディーザー)によると、このシステムではファンのストリーミングに基づいてアーティストにサブスクリプション料金が分配されるため、個々のファンが好きなアーティストをより直接的かつ透明性をもってサポートすることができるという。Apple Music(アップルミュージック)のような1ストリームあたり約1セント(約1.1円)が支払われるプラットフォームで10曲入りのアルバムを1回聴いたとすると、そのアーティストは10セント(約11 .4円)の収入を得ることになる(ただしこれはディストリビューターやパブリッシャーが取り分を得る前の価格である)。しかし、DeezerやSoundCloud(サウンドクラウド)のようにUCPSを採用したプラットフォームでは、あるユーザーが1カ月に10人のアーティストの10枚のアルバムを聴いたとすると、そのユーザーの月額利用料の一部がその10人のアーティストに分配されることになり、各アーティストは10セント以上の報酬を得ることができる。つまりCDを買うのと同じ原理で、そのCDをどれだけ頻繁に聴くかではなく、そもそも買ったという事実が考慮されるということだ。

TidalがTechCrunchに話してくれたところによると、独立系ディストリビューターとの契約に加え、2022年1月からはHiFi Plusのレイヤーにもある種のUCPSが導入されるという。Tidalはメジャーレーベルとインディーズレーベルを含む100以上のレーベルと協力して、同社が「ファン中心型ロイヤリティプログラム」と呼ぶシステムを開発したと話している。

画像クレジット:Deezer

現在、Apple MusicやSpotify(スポティファイ)などの主要ストリーミングプラットフォームは、総ストリーミング数に応じて金額を分割するプロラタ方式で支払われている。しかし、音楽著作権侵害の危機に対する答えとして始まった音楽ストリーミングサービスの成長は、全体的に見るとミュージシャンにとってあまり有益なものではなかった。現代ミュージシャンの主な収入源はツアーのため、パンデミックの影響で多くのコンサートが中止になった今、ストリーミング配信の支払いの不公平さがより顕著になったのである。

Union of Musicians and Allied Workers(UMAW)は2020年「Justice at Spotify」というキャンペーンを開始した。このキャンペーンではストリーミング大手のSpotifyに対し、UCPSの採用、支払いに関する透明性の向上、1ストリームあたり最低0.01ドル(約1円)の支払いを要求している。UMAWによると、現状では同プラットフォームは1ストリームあたり平均0.0038ドル(約0.4円)を支払っていると推定されているが、Spotify自身はストリームあたりの支払いが意味のある分析値ではないとして、この値を開示していない。

Joey DeFrancesco(ジョーイ・デフランセスコ)氏はUMAWを代表して、TechCrunchに次のように伝えている。「Tidalのユーザー中心型決済システム採用に向けた取り組みは称賛すべきものです。これは2020年に「Justice at Spotify」キャンペーンを開始して以来、私たちが要求してきたシフトであり、DeezerやSoundCloud(サウンドクラウド)ではすでに採用されています。ユーザー中心型は特効薬ではなく、ストリーミングロイヤルティにはより根本的な変化が必要ですが、それでも正しい方向への一歩と言えるでしょう」。

一方Apple Musicは、2021年初めに流出した社内メモによると、1ストリームあたり平均0.01ドル(約1円)を支払っている。Tidalも同様の額を支払っているといわれているが、同社自身は正確な数字を明かしていない。そしてストリーミングリーダー3社の中で最も多くの加入者を抱えるSpotifyは、最も低い金額を支払っている。

Spotifyのユーザーは競合他社のプラットフォームのユーザーよりも多くの音楽をストリーミングしているため、競合他社と比較して1ストリームあたりの支払額が少ないように見えるだけだとSpotifyは指摘している。また、Apple MusicやTidalとは違い、Spotifyは広告で補助された無料版を提供しており、これがストリームあたりの支払額の指標を歪めている可能性があるとしている。

ストリーミング配信の収益はアーティストに直接届くわけではなく、まずアーティストの所属するレコードレーベルやパブリッシャーに分配される。アーティストが1ストリーミングあたりに得られる金額は業界内の契約によって異なるが、UMAWによると、独立系アーティストが米国の国民中央値である1078ドル(約12万3000円)の月額家賃を支払うためには、毎月28万3684回のSpotifyストリームを達成する必要がある。

Spotifyは2018年にDistroKidの少数株を取得しているが、つい数週間前発表された四半期ごとのSECファイリングによると、DistroKidの持分の3分の2を約1億6300万ドル(約185億4000円)で売却したことが明らかになっている。このタイミングでDistroKidが、よりミュージシャンに優しいサービスであるTidalとすぐに契約を結び、UMAWがSpotifyに要求しているポリシーを実行に移したというのは実に興味深い。

しかしSpotifyは、ユーザー中心型決済システムが実際にどれだけアーティストの利益になるのか懐疑的だ。フランスの国立音楽センターの調査によると、上位1万以外のアーティストの場合、年間の支払い額は「せいぜい数ユーロ」しか変わらないという。

Spotifyのウェブサイトには次のように記載されている。「アーティスト、ソングライター、権利者が望むのであれば、我々はユーザー中心モデルへの転換を喜んで行います。しかし、Spotifyが単独でこの決定を下すことはできません。この変更を実行するには、業界の幅広い連携が必要不可欠です」。

UCPSの1バリエーションであるTidalの独立系ディストリビューターとの取引モデルは、確かにアーティストにとってはより有益なものになる可能性があり、最も多くストリーミングされたアーティストに対してユーザー1人あたり毎月2ドルのボーナスを支給すれば、それなりの効果が期待できる。しかし、どのようにしたらストリーミングプラットフォームがビジネスを運営しながらミュージシャンに対して正当な対価を支払うことができ、業界全体に変化をもたらすことができるかは、試行錯誤を繰り返さなければ見極めることができないだろう。

「ストリーミングのサブスクリプションコストが、実際に配信されているアーティストを直接サポートするというのは、正しい方向性への第一歩であり、私自身もTidalユーザーとしてうれしく感じています。とはいえ、月2ドルのボーナスは、1ユーザーにつき1アーティストにしか与えられず、独立したディストリビューター経由で契約したアーティストに対してのみのため、多くのミュージシャンにとって納得できるものではなく、形式的にも感じられます」とUMAWのメンバーであるSadie Dupuis(セイディー・デュピュイ)氏はTechCrunchに話している。デュピュイ氏はSpeedy Ortiz(スピーディ・オーティス)やSad13(サッドサーティーン)といったバンドのフロントを務めている。「一般的に、どの程度の自己配信型アーティストが、月間最もストリーミングされたアーティストの1位になれるのか知りたいところです。また、レーベルから配信されているアーティストは除外されています。彼らも公正なストリーミングロイヤルティを必要としていますし、特にそのロイヤルティの50%以上をレーベルと分割している場合はなおさらです。彼らの楽曲がどう配信されているかに関わらず、このサブスクリプションコスがより多くの音楽関係者に比例して分配されるようになればどんなにすばらしいかと思います」。

画像クレジット:DistroKid

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Dragonfly)

InstagramがTikTokクローン「Reels」への投稿に最高114万円のボーナス、ただし米国内からのみ対象

Instagram(インスタグラム)は、Reels(リール)を投稿して欲しいと真剣に考えている。もし運がよければ、Reelsへの投稿に対して最高1万ドル(約114万円)までの報酬を得ることができる。

TikTokの月間アクティブユーザー数が10億人を突破したことで、YouTubeショート、Snapchat Spotlight(スナップチャット・スポットライト)、Instagram Reels(インスタグラム・リール)などの競合プラットフォームたちが、ユーザーに短編コンテンツを自社のアプリに投稿することを奨励している。YouTubeは「ショート」のために1億ドル(約114億円)のクリエイターファンドを創設し、SnapchatはSpotlightチャレンジへの投稿に賞金を提供し、そしていまInstagramは、月次ボーナスプログラムのReels Play(リール・プレイ)を強化する。

しかし、どのような要素がInstagramからのボーナスの大きさを決定するのかについてははっきりしておらず、Instagramもその懸念を払拭しようとしていない。InstagramはTechCrunchに対し、このプログラムは実験的なものであり、まだ初期段階にあると述べている。しかし、その透明性の低さは、これらのプラットフォームを利用して生計を立てているクリエイターにとっては悩みの種となる。今週、このボーナスプログラムに不具合が発生し、対象となるクリエイターたちに「実際には支払いの対象外でした」と伝えられたことがあった。InstagramはTechCrunchに対し、この不具合は修正されたと述べている。

インスタグラムで5万2000人近くのフォロワーを持つMaddy Corbin(マディー・コービン)氏は、1カ月の間に自分のリールに対して1000ドル(約11万4000円)近くの配当を受けた。しかし彼女は、他のクリエイターに別のオファーが行われていることに気がついた。

「私よりも多くのフォロワーがいるのに、600ドル(約6万8500円)しか稼げない人もいたんです」とコービン氏はTechCrunchに語った。より少ないフォロワー数で、800ドル(約9万1400円)を受け取ったひともいた。「報酬がどのようにして生まれたのかを、もっと知りたいと思います。想像するに、過去のリールの見られ方を参考にしているのではないかと考えていますけど」。

コービン氏の半分にも満たない約2万4千人のInstagramフォロワーを持つあるクリエイターがTechCrunchに語ったところによれば、先月、その月に投稿されたすべてのリールの再生回数が170万回に達した場合に、800ドル近くのボーナスが提供されたという。このボーナスはオールオアナッシングではない。このクリエイターが、ボーナス期間中、意図的に1日1リールを投稿し、149万回の再生回数を獲得したところ、689.90ドル(約7万8800円)の配当を得ることができたという。先月Metaが所有する、Instagramを含むすべてのアプリがサーバーの問題で6時間もオフラインになったときには、彼らは残念な思いをした。

だが、今月Instagramはそのボーナスを一段と高めた。現在このクリエイターは928万回の再生で最大8500ドル(約97万1000円)を手にすることができる。先月のレートよりもペイアウト単価が高く、もちろん10倍以上稼げる可能性もある。このクリエイターによれば、自身が3万2千人のフォロワーを持つTikTok(ティクトック)で得られるものよりも、1回あたりの報酬が高いそうだ。

Instagramのボーナスオファーがどのように計算されているかを判断するのは困難だ。あるRedditユーザーは、1カ月で5800万回以上の閲覧回数で3万5000ドル(約399万8000円)近くの報酬を受けている。Instagramのフォロワー数が800人程度のTwitch(トゥイッチ)ストリーマーのMiguel Lozada(ミゲル・ロザダ)氏は、2万4000人のフォロワーを持つクリエイターと同額の8500ドル(約97万1000円)の報酬を受けた。5万9000人のフォロワーを持つ別のユーザーは、今月は850ドル(約9万7000円)のボーナスを提供されたとTechCrunchに語っている。

InstagramはTechCrunchに対して「より多くのクリエイターに報酬を渡せるように、支払いのテストを続けています。まだ始まったばかりなので変化は続きます」と述べている。「私たちは、できるだけ多くのクリエイターを支援できるように、達成可能でそれなりの収益につながる方法でボーナスをデザインしました。目標は、ボーナスが時間とともによりパーソナライズされていくことです」。

ボーナスプログラムに参加したら、自分のリールが注目されなくなったと感じたと報告するクリエイターもいる。

「ボーナスプログラムに参加した最初の3日間は、1日に40ドル(約4571円)くらい稼げていましたが、1週間後には文字どおり暴落して、1日あたり数セント(数円)から数ドル(数百円)になってしまいました」とコービン氏は語る。「コンテンツの出し方をそれほど変えていないのにこうなったことは、興味深いですね」。

Instagramのサポートページによると、これらのボーナスは「ゆっくりと展開している」とのことで、まだすべてのユーザーが利用できるわけではない。そもそも、これらのボーナスは米国内にしか適用されない。

InstagramがTechCrunchに語ったところによると、これらのプロモーションの対象となるのは、ユーザーが18歳以上で、プラットフォームのパートナーマネタイズポリシーを満たしている必要があるとのことだが、これは少し曖昧だ。このポリシーによれば、クリエイターは「十分なフォロワー数」を維持する必要があるものの、Instagramは何をもって「十分なフォロワー数」とするかを数値化していない。TechCrunchは、フォロワー数が800~5万9000人のクリエイターたちがボーナスを支給されたことは確認している。

また、Instagramは今週、ボーナスプログラムReels Surprise(リール・サプライズ)を発表した。このプログラムでは、米国を拠点とするクリエイターたちが特に感動的で楽しいリールを制作した場合に、毎週最大150人に最大1万ドル(約114万円)の報酬が与えられる。対象となるのは、米国を拠点とする18歳以上のクリエイターで、Instagramのコミュニティガイドラインパートナーのマネタイズポリシーを満たし、1000ビュー以上の既存リールを持ち、まだボーナスを受け取ったことがないことが条件だ。

ユーザーがTikTokのコンテンツを再利用するのを阻止するために、Instagramのアルゴリズムは、他のソーシャルメディアプラットフォームからのウォーターマークがあるコンテンツの評価は引き下げる。しかし、YouTube Shortsは、人気のあるクリエイターを自社のプラットフォームに誘導するために、さらに積極的な戦術をとっている。今週Business Insider(ビジネス・インサイダー)は、一部の人気TikTokプレイヤーが6カ月間で100本のYouTube Shortsを投稿することを条件に5万ドル(約571万2000円)のオファーを受けたと報じた。このプログラムは公開されておらず、YouTubeの1億ドル(約114億円)のShortsファンドとは別のものだ。Business Insiderの取材に応じたタレントのマネージャーによると、クリエイターがYouTubeにショートフィルムを投稿した後、それを他のプラットフォームに再投稿するまでには7日間待たなければならないという。

TikTokは成長を続けているが、Google傘下のYouTubeやMeta傘下のInstagramのような長年の巨人によく対抗している。そうした巨人企業にとっては個々のユーザーの短い動画に1万ドル(約114万円)を投じることは、ビジネス上の大きな出費ではないのだ。

取材協力:Sarah Perez

画像クレジット:Instagram

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(文:Amanda Silberling、翻訳:sako)

米国務省がランサムウェアグループDarkSideの情報提供に対し報奨金約11億円

米国務省は、悪名高いランサムウェアグループDarkSideのリーダーの特定や追跡に役立つ情報提供者に、最高1000万ドル(約11億円)の報奨金を提供し、ランサムウェア対策を強化する。

国務省によると「DarkSide亜種のランサムウェア事件の陰謀に加わったり、または関与しようとした」者の逮捕または有罪判決につながる情報に対しても、500万ドル(約5億6000万円)の報奨金を提供するとのことだ。これは、ランサムウェアグループのメンバーがランサムウェアDarkSideのカスタムバージョンを受け取り、身代金支払いの利益から多額を獲得するという、同グループのアフィリエイトプログラムを考慮してのものだろう。

「報奨金を提供するなかで、米国は世界中のランサムウェア被害者をサイバー犯罪者による搾取から守るというコミットメントを示しています」と国務省はいう。「米国は、ランサムウェア犯罪者を匿っている国が、ランサムウェア被害を受けた企業や組織に進んで正義をもたらすことを期待しています」。

ランサムウェアグループDarkSide指名手配のFBIのポスター(画像クレジット:FBI)

国務省によると、2021年初めにDarkSideがColonial Pipeline(コロニアル・パイプライン)を攻撃し、米東海岸で使用される燃料の45%を運ぶ長さ5500マイル(約8850キロ)のパイプラインを停止させたことを受けて、この懸賞金を開始した。

DarkSideは、サーバーがハッキングされた直後に活動を停止し、その後、BlackMatterというブランドに変更した。BlackMatterは9月に日本の大手テクノロジー会社オリンパスや、米国の食品・農業部門の2社を含む重要インフラとみなされる「複数の」組織を攻撃した。BlackMatterは今週、法執行機関からの圧力を受けて活動を停止するとも発表した。

今回の1000万ドルの報奨金は、国務省の国際組織犯罪報奨プログラム(TOCRP)の枠組みの中で提供される。TOCRPは、国際的な犯罪組織を崩壊させ、解体するための政府の取り組みの一環として、連邦法執行機関のパートナーとともに国務省が管理している。国務省によると、このプログラムが1986年に設立されて以来、1億3500万ドル(約153億円)の報奨金を支払ったという。

BreachQuestのCTOであるJake Wiliams(ジェイク・ウィリアムズ)氏は、国務省の多額の報奨金は、DarkSide以外へも波紋を広げるだろうとTechCrunchに話した。「これほど多額の報奨金があれば、犯罪者たちがお互いに敵対する大きな動機となります。おそらく、DarkSideへの具体的な影響よりも重要なのは、この行為がサービスとしてのランサムウェアのアフィリエイトモデル全体の信頼を損なうことだ。

「これは、法執行機関による最近のREvilへの潜入に乗じた動きで、殊更良いタイミングです。7月に行われたREvilに対する法執行機関の行動は、すでにオペレーターの間で大きな信頼問題を引き起こしていました。今回の動きは、そのくさびをさらに深くし、DarkSide以外にも影響を及ぼすものになるでしょう」。

報奨金は、増大しているランサムウェアの脅威を取り締まるためにバイデン政権が行っている一連の取り組みの中で、最新の動きだ。直近では財務省が、身代金支払いを助長したとしてSuexに制裁を科し、暗号資産(仮想通貨)取引所を取り締まった。

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(文:Carly Page、翻訳:Nariko Mizoguchi

Twitterが「スペース」を強化するためのオーディオクリエイタープログラムSparkを開始

Twitterは、2021年発表したClubhouse(クラブハウス)に似たオーディオルームの「スペース」への投資を強化している。

同社は米国時間10月12日、スペースのための新しいクリエイタープログラムの開始を発表した。このSpark(スパーク)プログラムは、3カ月間のアクセラレータープログラムであり「Twitter上ですばらしいスペースを発見し、金銭的、技術的、マーケティング的なサポートを行う」ことを目的としている。Twitterは、このプログラムに、既存のスペース内のオーディオ番組や未検証の実験を受け入れるとしており、オーディオに興味のあるクリエイターたちに応募を呼びかけている。

関連記事:ツイッターが音声会議「スペース」をフォロワー600人以上のユーザーに公開、チケット、リマインダーなども追加

スペースを発表して以来、Twitterはこのオーディオ機能が、早々に消え去ってしまう単なるテスト機能ではないことを示唆していた。同社は2021年9月、チケット制のスペースの提供をはじめ、ホストが自分のホストするオーディオチャットへのアクセス権を販売することで、オーディオルームを収益化できるようにした。今週は、ホストがスペースを開始する際に、DMを使ってリスナーを招待する方法が追加された。また、専用のスペースタブをより多くのiOSユーザーに展開し、さらに英語以外の言語やAndroidにも拡大する計画だ。

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Sparkプログラムに合格したクリエイターは、3カ月間週に2回オーディオルームを運営することが要求される。Twitterは月に2500ドル(約28万4000円)の報酬を用意する。スペースのパフォーマンスに左右されない定額制となっており、番組を盛り上げるための広告クレジットが毎月付与される。このプログラムにサインオンした人は、ツイートやディスカバリー機能でTwitterのアカウントから宣伝してもらえるというメリットが得られる。

TwitterはSparkプログラムの発表の中で「私たちは、説得力があり、魅力的で、人々を惹きつけてやまないオーディオコンテンツを作るには、大変な努力が必要だということを理解しています」と書き「そして何よりも、私たちは人びとのアイデアとライブソーシャルオーディオの可能性を信じていて、あなたのようなオーディオコンテンツクリエーターの飛躍を支援する機会を見つけたのです」と続けている。

週に2回Twitterの後援でオーディオプロジェクトを作成することに興味のあるTwitterユーザーは、10月22日までこのプログラムに応募できる。合格者には、11月上旬に通知が行われる。

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画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:sako)

フェイスブックがクリエイターを呼び込む約1100億円のボーナス報酬プログラムを発表

Facebook(フェイスブック)は、同社アプリのエコシステムにクリエイターを繋ぎ止めるための新たなボーナスプログラムを通じて、2022年末までに10億ドル(約1100億円)以上をコンテンツクリエイターに支払う計画を発表した。Facebookの創業者兼CEOであるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は、自身のFacebookページで「すばらしいコンテンツを提供してくれるクリエイターに報いる」ための新たな資金調達について初めて公表した。

同社は、FacebookとInstagram(インスタグラム)にまたがる一連の新しいボーナスプログラムを通じてクリエイターに報酬を支払う予定で、これらのプログラムは「季節ごとに変わり、時間をかけて進化、拡大していく」という。このボーナスプログラムは、2021年夏の後半にはInstagramアプリ内に、年内にはFacebookアプリ内に専用ハブが設置される予定だ。

Facebookは、Facebook上でインストリーム広告を有効にして動画を制作しているクリエイターに、最初の新ボーナスを提供する。また同社は、視聴者がストリーマーに投げ銭を送ってファン特典を得ることができる「Stars」システムによるボーナスも拡大していく。動画やゲームのライブストリーミングを行っているクリエイターは、2021年10月までの間、Starsを介して支払いを送った視聴者の数に応じて、毎月ボーナスを受け取ることができる。

なお、Instagramでは独自のボーナスを導入する予定だが、これは最初は招待制となっている。今後数週間のうちに、米国のクリエイターはIGTV広告を有効にすることで、1回きりのボーナスを受け取ることができる。その他のボーナスは、TikTok(ティックトック)の短編動画の成功に対するInstagramの回答であるReels(リール)の作成や、Instagram Live(インスタライブ)で特定のマイルストーンを達成したクリエイターに与えられる。

Facebookがクリエイターへの支払いに乗り出したのは、TikTokと競合するプロダクトを現金でジャンプスタートさせようとする最新の取り組みにすぎない。Snapchat(スナップチャット)は、同社の短編ビデオ製品「Spotlight」で最も人気のあるビデオに毎日100万ドル(約1億1000万円)支給している。YouTubeは、TikTokのクローンである「YouTube ショート」のために、独自に1億ドル(約110億円)の資金を用意している。

TikTok自体も2020年、2億ドル(約220億円)のクリエイターファンドを立ち上げているが、同アプリはあまり心配する必要はなさそうだ(今はまだ)。SensorTowerのデータによると、TikTokは全世界で30億ダウンロードを突破した。これまでこの数字を超えたアプリは、WhatsApp(ワッツアップ)、Messenger(メッセンジャー)、Facebook、Instagramなど、すべてFacebookが所有するアプリだけだった。

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カテゴリー:ネットサービス
タグ:FacebookInstagramクリエイター報酬マーク・ザッカーバーグ

画像クレジット:Getty Images

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Aya Nakazato)