2021年10月、William Shatner(ウィリアム・シャトナー)氏は、史上最高齢で宇宙に飛び立った人物となった。その彼の旅が、Amazonプライムのドキュメンタリー番組「Shatner in Space」になることが決まった。「スタートレック」の俳優として知られる同氏が、ポップカルチャーカンファレンス「CCXP Worlds」のバーチャルパネルで自らこのニュースを明らかにしたと、Deadlineが報じた。
Blue Originがこうしたペースで打ち上げを行っていることは、特に搭乗券が高価なことを考えると、ものすごいことだ。6人の搭乗となったことで、Blue Originはおそらく利益率を向上させ、その結果、この後に続く人たちにはもう少し手頃価格の座席が提供されるかもしれないが、それでも非常に贅沢なものであることは間違いない。
Blue OriginのNew Shepardは、乗客を宇宙の端まで連れて行き、準軌道上の滞在となるが、数分間の無重力状態と比類のない地球の眺めを提供する。その後、カプセルはパラシュートで減速して西テキサスの砂漠に着陸する。
Blue Origin(ブルーオリジン)がNASA(米航空宇宙局)を相手取って起こした有人着陸システム(HLS)に関する訴訟が先週判事によって却下されたこと、中国の宇宙開発計画が進展していることが、米国時間11月9日に行われたNASAのアルテミス計画に関するブリーフィングで、NASA関係者が最も気にかけていたことだった。
Blue Originは、HLSをSpaceX(スペースX)に発注したNASAの決定について、米会計検査院への申し立てに失敗した後、8月にHLSの発注をめぐってNASAを提訴した。同社は、NASAによる提案の評価が「違法かつ不適切」であると主張し、他の抗議活動でも単一の契約を結んだことが反競争的であると述べていた。
Blue Origin(ブルー・オリジン)、SpaceX(スペースX)、Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)が商業打ち上げに成功したことで、正式に宇宙旅行の新時代が到来した。しかし、ロケットやスペースプレーンを使って人々を宇宙に連れて行くことを計画しているこれらの企業とは異なり、2年前に設立されたSpace Perspective(スペース・パースペクティブ)という企業は、別の方法を採っている。
Space Perspectiveは、すでに475件の予約を集めており、顧客は1万ドル(約114万円)から2万5千ドル(約285万円)の保証金(搭乗を希望する時期がどれだけ早いかによって異なる)を支払うことでその予約を確保している。最終的に支払う費用の総額は、1人当たり12万5000ドル(約1430万円)となる予定だ。
Space Perspectiveは、夫婦で共同CEOを務めるJane Poynter(ジェーン・ポインター)氏とTaber MacCallum(テーバー・マッカラム)氏によって設立された。2人は、閉鎖空間で地球の状態を再現するという野心的で風変わりなプロジェクト「Biosphere 2(バイオスフィア2)」のクルーだった。その後、彼らは宇宙飛行士の生命維持装置を開発するParagon Space Development Corporation(パラゴン・スペース・ディベロップメント・コーポレーション)と、リモートセンシング用の成層圏気球を開発するWorld View Enterprises(ワールド・ヴュー・エンタープライゼス)を設立した。2021年10月初めには、World Viewも、2024年までに成層圏へ気球で行く旅を提供すると発表した。こちらの料金は5万ドル(約570万円)とさらにお手頃だ。
Blue Originは宇宙旅行市場において、今夏に独自の有人飛行を成功させたRichard Branson(リチャード・ブランソン)氏のVirgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)の他、9月にInspiration4のクルーを3日間の旅で宇宙に運んだSpaceX(スペースX)などの競合他社との競争に直面している。
Blue Origin(ブルーオリジン)は、初の有人ロケットを軌道に乗せることに成功してからわずか3カ月、米国時間10月13日に再び打ち上げを行う準備を整えた。今回は、Blue Originの創業者兼CEOであるJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏の代わりに、最高齢での宇宙飛行を目指す90歳のWilliam Shatner(ウィリアム・シャトナー)氏が搭乗する予定だ。
NS-18ミッションは、テキサス州西部のバン・ホーン近郊にある同社の広大な発射施設「Launch Site One(ローンチ・サイト・ワン)」から離陸する予定だ。クルーは、同社のNew Shepardロケットに搭乗する。当初、打ち上げは米国時間10月12日に予定されていたが、米国時間10月10日、強風が予想されることからBlue Originのミッションオペレーションは、1日延期することを決定している。
NS-18ミッションのクルーを紹介しよう。
William Shatner(ウィリアム・シャトナー):「Star Trek(スタートレック)」のジェームズ・T・カーク船長を演じたことで知られる俳優
Blue Origin(ブルーオリジン)の次の搭乗者リストには、テレビや映画の中での宇宙探検のベテラン、William Shatner(ウィリアム・シャトナー)氏と、Blue OriginのNew Shepard(ニューシェパード)ミッション&フライトオペレーション担当副社長を務めるAudrey Powers(オードリー・パワーズ)氏が含まれる。すでに発表されていたChris Boshuizen(クリス・ボシュイゼン)博士とGlen de Vries(グレン・デフリース)氏にこの2人が加わることで、10月12日に予定されている打ち上げの4人のクルーが出そろった。
同社は9月下旬から10月上旬にかけて、同社の広大なSpaceport America施設から、ロケット搭載のスペースプレーン「VSS Unity」の23回目のフライトとなる同社初の商業ミッションを実施する予定だ。このフライトには、イタリア空軍とイタリア学術会議(CNR、Consiglio Nazionale delle Ricerche)から3名のクルーが搭乗する予定だ。それぞれの座席のために支払われた購入金額は公開されていない。また、Virgin Galacticのスタッフも1名搭乗する。
Blue Originは、NASAが2社と契約するだけの十分な資金がないとの結論に至った後に、入札内容を修正する時間が与えられなかった、と主張した。「要件変更についてNASAが意思疎通を図らなかったことにより、Blue Originは明らかに先入観をもたれました」と同社は申し立てに書いている。「Blue Originは提案したアプローチを修正し、NASAの予算に見合う額に減額し、そして(あるいは)スケジュールの代替を提案する、いくつかのアクションを取ることができたはずです」。
ベゾス氏はそして、テキサス州ヴァンホーン市に感謝し、Blue Originが同市に「へこみ」を作ったことを認め(「made a dent」が「効果、影響を与えた」という意味であることからのおやじギャグ)、続いて、Amazonの全従業員と何百万人もの顧客に感謝した。「まじめな話、この費用を支払ったのはあなた方です」。
Blue Origin(ブルーオリジン)は米国7月20日、同社創業者のJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏を含む4人を宇宙に送るという初の有人飛行を成功させた。何十億ドル(何千億円)という投資、何十回というテスト打ち上げ、超大富豪の創業者間でのささいな喧嘩の結果、今月、2021年7月初めのVirgin Galacticの打ち上げ成功とともにNew Shepardの偉業は間違いなく宇宙旅行の新時代の幕開けを告げている。
かなり報道映えするものだった。ミッションは、テキサス州の小さな町バンホーンから30マイル(約48km)北にあるBlue Originの広大で秘密の施設であるLaunch Site Oneで実行された。打ち上げに先立ち、このイベントのためにやってきた見物客でバンホーンとその周辺の町のすべてのホテルは数日前から満室となった。その一方で、大勢の地元民や米国民、そしてオンライン視聴者(あなたも含め)が米国中部標準時間午前2時半からプレスサイトに群がった。早朝は雨が降るとの予報にもかかわらず、天候は晴れで、万事ほぼ順調に進んだ。
ベゾス氏、同氏の弟マーク氏、18歳の学生Oliver Daemen(オリバー・デーメン)氏、そして航空パイオニアでMercury 13のベテランであるWally Funk(ウォリー・ファンク)氏の4人のクルーはトレーニングセンターから登場し、Rivianの電動SUVであるR1Sで打ち上げ45分前に打ち上げパッドに到着した(ベゾス氏は前回のテストの後に着陸サイトまでRivianのR1Tピックアップトラックを運転した。AmazonはRivianにかなりの額を投資している)。4人のクルーは打ち上げタワーに上り、RSS First Stepと命名されたカプセルに乗り込む前に隣接するシェルターで短い休息をとった。
デーメン氏は、オークションにかけられた初の有人フライトの座席を2800万ドル(約31億円)で獲得した匿名の落札者がスケジュールの都合により搭乗を辞退しなければならなくなった後に搭乗メンバーに加わった。オランダのプライベートエクイティファームSomerset Capital PartnersのCEOであるデーメン氏の父親が2番目に高い額をオークションで提示したとCNBCは報じた。宇宙旅行者として、18歳のデーメン氏は史上最年少、82歳のファンク氏は史上最高齢だ。
From the beginning, New Shepard was designed to fly above the Kármán line so none of our astronauts have an asterisk next to their name. For 96% of the world’s population, space begins 100 km up at the internationally recognized Kármán line. pic.twitter.com/QRoufBIrUJ
Blue Originにとって今回のフライトは始まりに過ぎない。宇宙飛行販売担当ディレクターのAriane Cornell(アリアン・コーネル)氏は7月18日にあったミッション前ブリーフィングで「今後行われる打ち上げに申し込んでいる(同社の)未来の顧客の多くと連絡を取っている」と話した。同社は2021年さらに2つの飛行を実施する意向であり、CEOのBob Smith(ボブ・スミス)氏は2回目のNew Shepard有人飛行が9月か10月に実施されると想定している、とコーネル氏は付け加えた。