スターバックスのモバイル支払いサービス、Apple Payを微差でリード(米国内)

誰もができるだけ早くコーヒーを飲みたがっている。Starbucks は独自のモバイル支払いサービスを2011年にスタートし、モバイル支払いユーザーの数ではApple Pay、Google Pay、Samsung Payを上回っている。今日(米国時間5/22)のeMarketerの最新レポートが報じた。しかし、StarbucksとApple Payとの差はごくわずかだ —— 2017年に同サービスの米国内ユーザーは2070万人で、対するApple Payは1970万人だった。その差は今年も小さいままで、Starbucksが2340万人、Apple Payの利用者は2200万人だ。

Starbucksのモバイル支払いが広く普及している理由は、このバーコードベースの支払いシステムが提供するスピードと利便性だけではない —— 支払いサービスが店への愛着と結びついているからであり、Starbucksアプリは顧客がカード残高と “star rewards” の確認と管理をする場になっている。さらにStarbucksには、全店舗を通じて一貫した支払いシステムを提供しているという強みがある —— 消費者はこの店でモバイル支払いサービスを利用できるかどうかを考える必要がない。使えることがわかっているからだ。

他の近接型モバイル支払いサービスにその特徴はない。Apple PayやGoogle Payのような「タップで支払い」に対応した支払い端末をもっていない店はまだ多い。

eMarketerの予測によると、14歳以上米国ユーザー2340万人が、半年に1度以上Starbucksアプリを使って店頭支払いをしているのに対して、Apple Payは2200万人、Google Payは1110万人、Samsung Payは990万人だ。

これらの数値は2022年まで世界中で増え続けるが、ランキングは変わらないだろう —— その頃Starbucksには2980万人、Apple Payには2750万人のユーザーがいる。

ただしこの予測は、最近Apple Payが、iMessageで友達に送金できるようになったことの影響を勘定に入れていないものと思われる。iMessage経由で受け取ったお金は、iPhoneのウォレット内のApple Pay Cashカードに追加され、アプリ内やオンラインだけでなく小売店でも使用できる。最大規模のメッセージングサービスに組み込まれたこの統合支払いサービスは、これまで使ったことのなかったユーザーが、Apple Payを採用するきっかけになるだろう。

ちなみに、どのサービスが多く使われているかは、そのサービスが提供されてからどれだけ経過したかとも相関がある。

Apple PayはSamsungやGoogle Payより前に提供を開始し、現在米国内販売業者の半数以上で利用できる。Google Payはそこまで普及していないがAndroidにプレインストールされていることが成長を後押しするだろう。Samsung Payはユーザー数では最低だが、採用している店舗数は一番多いとeMarketerは言っている。

eMarketerの最新レポートで注目すべきなのは各支払いサービスのランキングだけではない。

アナリストらによると、今年は14歳以上の米国スマートフォンユーザーの25%以上が半年に1回以上モバイル支払いサービスを利用する初めての年になるという。モバイル支払いのユーザー数は2018年末までに14.5%増えて5500万人になると同社は推定している。

しかし、ユーザー数は増えても上位4サービスのシェアは今後数年間に減少すると見られている。それは他の新しい支払いサービスとの競争が増えるためであり、その中には店舗自身のサービスも含まれる。

「販売業者が独自の支払いアプリを作るケースは益々増えている。自分たちのユーザーに関する貴重なデータを収集できるからだ。ポイントや得点をつけて顧客ロイヤルティーを高めることもできる」とeMarketerの予測アナリスト、Cindy Liuは言う。

eMarketerの予測(有料記事)は第三者のデータに基づいており、Forrester、Juniper Research、およびCrone Consultingの米国モバイル支払いユーザーに関するデータを利用している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Android PayはGoogle Payに生まれ変わる――利用も開発も非常にシンプル

先月TechCrunchが報じたとおり、Googleは各種の支払ツールをGoogle Payという単一のブランドに統合した。しかしAndroidでは、アプリとしてAndroid Payが残っていた。

この状態は今日(米国時間2/20)から変わる。GoogleはGoogle Pay for Androidを発表した。これによりAndroid PayはGoogle Payにアップデートされた。旧Android Payになかった機能も追加されており、Googleでは新しいGoogle Payが現実店舗でもインターネットでも広く利用されることを期待している。

これに加えてGoogle はGoogle ウォレット・アプリに支払いの請求、受け取りができる新しい機能を加え、Google Pay Sendと名付けた。ただしアメリカとイギリスのユーザーは近くGoogle Payアプリそのもので請求、支払いができるようになる。新しいユーザーはGoogle Payアプリを今日からダウンロードできる。既存のAndroid Payユーザーは数日中にアップデートを受け取ることになる。

一見したところ新しいGoogle PayアプリはAndroid Pay のデザインを変更しただけに見える。新しいデザインは従来に比べてGoogleのマテリアルデザインのガイドラインに近いものとなっている。 機能についてはさほど新しいものは見当たらない。ただし新しい機能で特に目立つ点は、ユーザーが所在する付近のGoogle Payで支払いができる店舗がホームスクリーンに表示されるようになったことだ。店舗のリストはユーザー別にカスタマイズされる。ユーザーの所在地の周辺で過去にGoogle Payで支払をした店舗が優先表示される。またホームスクリーンで最近の支払の一覧を見ることができる。またアプリに店舗の顧客カードを追加する機能もある。


Googleの支払管理プロダクト担当副社長、Pali Bhatは私のインタビューに対して、「われわれのチームはオンラインであれ現実店舗であれ、Google Payを使いやすいアプリにすることを目標とした。ユーザーが使い方に迷うなどのフリクションを最小限にすることに全力を挙げた」と述べた。つまり、Googleが提携している銀行、アメリカならBank of America、ポーランドならMbankなどのスマートフォン・アプリ中からGoogle Payをすぐにセットアップできる。いちいち別アプリとしてインストールしなくとも、オンラインでも店舗でもGoogle Payを使って支払いができる、という。

同様にサードパーティーのスマートフォン・アプリやウェブサイトがGoogle Payを利用したいと考えた場合、デベロッパーはアクセスしてきたユーザーがGoogle Payを利用可能であるかGoogle APIを通じて簡単にチェックすることができる(Google Payを通じて決済する場合でもデベロッパーはStripe やBraintreeといった既存支払プラットームを経由する)。

Bhatによれば「われわれは支払処理そのものを実行するわけではないので、デベロッパーがGoogle Payを利用するためのAPIはこの上なくシンプルなものになっている。Google Payはセキュリティーを十分に確保した上で認証情報その他必要な情報を実際に支払処理を行うプラットームに取り次ぐ。 DoorDash、Airbnb、Hotel Tonightその他の有力サービスがすでにGoogle Payの利用を開始している」ということだ。

画像: Bryce Durbin/TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

米ウェルズ・ファーゴ、Apple PayとAndroid Payの現金引き出しに対応

米銀行大手のWells Fargoは、スマートフォンまたはスマートウォッチを使って全米1万3000台のATMで現金を引き出せるようにするとついさきほど発表したMacRumorsによると、同銀行はApple Pay、Android Pay、およびSamsung Payに対応する。現在5000台のATMがNFC支払いシステムに対応済みで、それ以外は後日対応する。

TechCrunchは1月末にBank of AmericaとWells Fargoの両行がATMネットワークにApple Payを追加する計画であることを報じた。Bank of Americaは昨年夏 からカードレスATMの導入を開始しており、Apple Pay、Android Pay、Samsung Pay、およびMicrosoft Walletに対応した。

Wells Fargoも同じ戦略で、ただしMicrosoft Walletを除外しているが、誰も気にしないだろう。カード取引にクレジットカードを使っている顧客は、デビットカードを持ち歩かなくてすむので便利になる。

NFCリーダーにスマホをかざし、指紋認証をした後さらにPIN(暗証番号)を入力しないと現金は引き出せない。

古い携帯電話を使っている人も、Wells Fargoアプリを使ってデビットカード無しで現金を引き出せる。登録を済ませると8桁の一時利用コードが発行されてプラスチック製カードの代わりになる。

これで、CitibankとChaseが将来Apple PayとAndroid Payに対応することになるか注目だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Android Payが日本でも可利用に、まず楽天とパートナー

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Android Payが継続している国際展開の一環として今日(米国時間12/12)は、日本でローンチした。それは、Appleのモバイル決済サービスが日本に上陸してからほぼ6週間後になる。

Googleは楽天とパートナーし、楽天のEdy決済システムでAndroid Payを動かす。そのシステムは、Family Mart, Lawson, McDonald’s, Dominosなど国内の47万箇所あまりで使える。また楽天のSuper Pointsをはじめ、ポイント・サービスもサポートされる。

Googleによると、同社の計画では今後、FeliCa Networks(SonyによるRFIDスマートカードシステム)との提携に努力し、さらにそのほかのeMoneyサービスや、従来型の決済企業(Visa, Mastercard, 三菱東京UFJ銀行など)のサポートも推進していく。

今Android Payが使える国は、アメリカ, イギリス, アイルランド, ポーランド, シンガポール, オーストラリア, 香港, 日本, そしてニュージーランドだ。サポートされるデバイスはAndroid Kitkat 4.4以上の機種、そこにモバイルのウォレットアプリをダウンロードできる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google、スマートフォンをポケットに入れたまま支払いができるPOSシステムの実験開始

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今日(米国時間3/2)、Googleは今までより簡単に店舗で支払いができるパイロット・プログラムを開始した。ユーザーはポケットのスマートフォンをいちいち取り出す必要がないという。

このプログラムはHands Freeと呼ばれる。アプリはAndroid版とiOS版がある。基本的には支払い能力があるスマートフォンとPOSレジをスマートフォンの各種センサー〔Bluetooth、Wifiなど〕を用いて接続するというものだ。POSレジは顧客がスマートフォンを持っていることを最初から認識しており、顧客は支払いを行うときにHands Freeを用いる。実験はサンフランシスコ南部の店舗で今日から開始された。

Googleの上級プロダクト・マネージャーのPali Bhatは「これまで店舗での支払いには面倒な点が多かった」と述べた。

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ユーザーが店に入ると専用POSレジはモニター・エリア内に新たなスマートフォンが存在することを認識する。システムはあらかじめHands Freeに関連づけられたクレジットカードからの支払いの準備をする。ユーザーは店のキャッシャーにI’ll pay with Googleと言い、同時に姓名の頭文字を告げる。キャッシャーがそれを打ち込むだけで支払いは完了だ。なおキャッシャーが支払いを行うのが本人かどうかどうか確認する手段も提供される〔専用POSレジにはカメラが装備されており、顧客の写真がGoogleプロフィールと一致するか判定する〕。【略】

どこかで聞いたことがあるシステムだと感じた読者もいるだろう。スマートフォンをポケットから出さずに支払いを行うシステムのパイオニアはSquareだった。Squareの場合はスマートフォンを携帯した顧客が入店したことを認識するためにジオフェンシング・テクノロジーが用いられていたが、Bhatは「Googleの実験はこの点では異なる」と述べた。しかし基本的な原理は同じだ。目的は支払い手続きをできる限り簡便にすることにある。ただしGoogleはSquareのシステムの真似をしているわけではない。Googleは非常に真剣だが、これを普及させるとなると、いかにGoogleであっても相当の難事業だろう。

一方ではAndroidとApple Payが非常によく似ていることを考えると、Appleが Googleの方式に追随するかも関心がもたれる。Squareのシステムは必ずしも成功とはいなかったが、Googleの例を見ると、実装に問題がなければ、こうしたシステムにも一定のニーズがあるらしい。

ただし普及には2つの困難な側面がある。一つはまず店舗を説得して対応POSレジを設置させねばならない。次に支払いに利用するユーザーを増やさねばならない。GoogleにはPOSレジのメーカーがAndroidスマートフォンとの接続に利用できるAPIがある〔ので前者は比較的容易だが〕、ユーザーのスケールアップは困難な事業となるだろう。【略】

Googleでは今回のプログラムは「あくまで実験だ」としている。サンフランシスコ南部地区限定なのはそのためだ。Googleの目的はこうしたシステムに対するユーザーのフィードバック収集にあるという。実験には同地区のマクドナルドとパパ・ジョンズ・ピザのチェーン店が参加している。

〔日本版〕この実験はAndroid Payとは独立のもので、Hands Freeに別個にクレジットカード情報を入力し、支払いの関連付けを行う必要がある。ユーザーはAndroid版とiOS版アプリが利用できる。専用サイトのFAQに作動方法などについての詳しい解説がある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+