シボレーの小型EVは電池セルの化学物質変更で走行距離400km超え

EPAの検査によると、2020年型全電動ハッチバックChevy Bolt EV(シェビー・ボルトEV)の走行距離は417kmとなり、前年より9%アップした。

同社は走行距離を上げるために、バッテリーパックではなく電池に使用する化学物質を改良した。スポークスパーソンによると、このGMカーはバッテリーのセルを増やしていないし、バッテリーパックも変えていない。また車の構造中へのバッテリーの据え付け方式も前と同じある。

むしろ、Chevrolet(シボレー)のバッテリー技術チームが取り組んだのは、同社が「セルの化学物質の抜本的な変更」と呼ぶ取り組みだ。セルの化学物質を変えることによってセルの電極のエネルギーを上げ、同じサイズと構造のバッテリーで走行距離を延ばすことに成功した。

これによって2020年型Chevy Boltは韓国のKia Niro(キア・ニロ)の385kmを抜き、ほぼ標準仕様のTesla Model 3の386kmを上回った。ただしModel 3のロングレンジバージョンは499kmであり、またHyundai Kona EV(ヒュンダイ・コナEV)の415kmよりは2km長いだけだ。このグループの中では後方にいるNissan Leaf Plus(日産リーフ・プラス)は、1回の充電で364km走行する。

ビッグニュースではないかもしれないが、この今後の市場で伸びるに違いない小型EVのグループの中で、走行距離が383kmから417kmに延びたことは、シボレーにとって大きい。今年の売上にも好影響を与えるだろう。

GMの中では、SUVやトラックに比べてEVは影が薄い。でもシボレーの車種間での食い合いはあるので、その中で強いハッチバックのコンパクトカーは捨てられない。

GMは2017年に2万3297台のChevy Bolt EVを売った。この車種の発売初年度だ。しかしその次の年は22%落ちて1万8019台だった。でも今年の前半は、また持ち直した。

この2020年型は新色が2種ある。年内にはディーラーの店頭に並ぶだろう。納車費用などを含めて基本価格は3万7495ドル(約395万円)だ。実際には、これに税金やディーラー手数料などが加わる。

画像クレジット:GM

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

米国の電気自動車の新規登録台数は昨年の2倍となる20万8000台

IHS Markitの分析によれば、米国で電気自動車が占める割合は自動車市場全体から見ればまだ小さいものの、着実に増え始めているという。

IHSが米国時間4月15日に発表したところによると、2018年に米国では20万8000台の電気自動車が新規登録された。これは2017年の2倍以上にあたる。

電気自動車の成長は、ZEV(ゼロエミッション車)プログラムに署名しているカリフォルニア州などの10州に集中している。カリフォルニア州は最初にZEVプログラムの実施を開始した州で、州の規制により自動車メーカーは電気自動車と電気トラックを販売しなくてはならない。コネチカット州、メイン州、メリーランド州、マサチューセッツ州、ニュージャージー州、ニューヨーク州、オレゴン州、ロードアイランド州、バーモント州もZEVプログラムに署名している。

カリフォルニア州の2018年の電気自動車の新規登録は95,000台で、米国全体のほぼ46%にあたるとIHSは述べている。米国で登録されている電気自動車のうちカリフォルニア州が59%を占めている。

今後2年間で市場に登場する電気自動車はさらに増え、すでに購入しているオーナーも電気自動車を使い続けると考えられることから、登録台数も増えると予想される。

最近のIHS Markitの分析では、2020年には米国で35万台以上の電気自動車の新車が販売されると見られている。これは米国全体の2%にあたる。2025年までに販売台数は1100万台以上、シェア7%と予想されている。

Inside EVsの推計によると、今年これまでに米国で最も売れた電気自動車はテスラModel 3で、これにシボレー・ボルトEV、テスラModel X、テスラModel S、日産リーフが続く。キアのNiro EVやヒュンダイのKona EVなど、新しい電気自動車も市場に登場している、あるいは今後数カ月以内に登場する予定だ。スタートアップのRivianは2020年に生産を開始する見込みだ。

IHS Markitの自動車関連アナリストのDevin Lindsay氏は発表の中で「電気自動車の急速な普及は、今後10年間に予想される成長の始まりだ。テスラModel 3など比較的成功しているモデルは市場で成熟しているが、ほかの歴史の長い自動車メーカーはこれまでのように電気自動車を1モデルだけ出すのではなく、電気自動車のプラットフォームで複数のモデルを出すようになるだろう」と述べている。

IHSの分析では、2018年第4四半期中に市場に戻った新規の電気自動車オーナー全体のうちほぼ55%が電気自動車をもう1台取得(購入またはリース)していて、これは直前の四半期の42%よりも増えているという。

Image Credits:Tesla

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(翻訳:Kaori Koyama)

なんとLEGOで実物大シボレー・トラックを製作、新作ムービーも3月公開へ

なんとLEGOブロックでシボレー・シルバラードを作ってしまったチームがあった。出来上がったトラックは実物大で、シボレーと2月に公開される新しいLEGO Movie[日本では3.29公開] のCMのためだという。 素材には子供向け大型おもちゃ用のDuploブロックを使っているようだ。映画ではこのブロックは宇宙から来たことになっている。

ともあれ、LEGOのシルバラード2019は全高180センチ、自重1.5トンという大物だ。組立てられたのはコネティカットのLEGO Master Builders作業場で、使われたLEGOは33万4544ピース。組立には18人で延べ2000時間かかったという。シボレーでは「われわれの車がLEGOで実物大で組立られたのはこれが初めて」だと保証している。

ビデオは30秒程度の短いものだが、18人のモデラーがコンピューター・モデリングを使って一糸乱れず協力して作業しているところは見ものだ。


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滑川海彦@Facebook Google+

クリスマスイブにシボレーのオーナーは車内でサンタを追跡できる

北米航空防衛司令部(NORAD)は60年以上にわたってクリスマスイブに世界中でサンタクロースの進行状況を追跡している。 政府の閉鎖さえもNORADの年に一度のミッション完了を妨げることはない。

そして、General Motorsもこの毎年の慣習に一枚加わる。

12月24日、同社のChevroletブランド車種、Traverse、Tahoe SUV、Silveradoトラック、およびCruzeセダンでOnStar ボタンを押すと、サンタの居場所がリアルタイムでわかる。OnStarプランが有効なChevroletオーナーに限り、青いOnStarボタンでSanta Updateをリクエストしてサンタの現在位置を知ることができる。

この位置情報サービスはNORADの公式サンタ位置データを利用している。Santa Updateは米国東海岸時刻12月24日午前6時から12月25日午前5時までリクエストできる。Santa Updateリクエストの要求量増加に備えて、サポート体制を強化しているとGMは言っている。

「毎年何千ものSanta Updateリクエストがある」とChevroletのサポートを担当するコンタクトセンター運用ディレクターのStacey Unoldは言う。「これはChevroletオーナーにとって、テクノロジーを利用してサンタの旅に関する重要な情報を家族と共有し、クリスマス気分を広める楽しい方法だ」

ChevroletとOnStarは、米国内でSanta Updateが一回押されるたびにアメリカ赤十字社に1ドル寄付する計画だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

シボレーの燃料電池式軍用トラック「ZH2」は、電源モジュール化のテストケース

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排出ゼロ燃料電池技術の追究を続けるChevroletが、燃料電池自動車Colorado ZH2を米陸軍に提供する。燃料電池独自の利点が実世界の軍事活動で実用になるかどうかを検証するためだ。

ZH2はシボレーが消費者向けに販売している中型ピックアップColoradoの改訂版で、フレームは全地型での利用に合わせて特別に設計されている。エンジンルームも、燃料電池ベースのパワートレインに合わせて変更されており、軍事利用向けに独自の利点をもつとGMは言っている。

米国陸軍のテストは、様々な状況下での燃料電池の優位性を評価することが主目的であり、「ほぼ無音の走行」「音・熱の特徴の減少」「全速度での高い回転トルク」「あらゆる走行条件下での低燃費」および「副産物である水の現場での利用」等を調べる。

日常の言葉で表せば、陸軍が調べているのは、燃料電池のおかげで音が小さく低温で、機器にも人間にも検出されにくいか、燃料電池式電気駆動系の主要な特徴である高トルクの連続使用のおかげで勾配に強く牽引力のある車になっているかどうかだ。

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テスト車に動力を供給する水素燃料電池は、現場機器や野営地の電力供給源としても期待されており、人里離れた奥地で役立つことは間違いない。さらに燃料電池の副産物として生成されるのは水は、長期の遠隔地移動では貴重な物資だ。

「10年ほど前にテストを始めたことの一つが、この電力取り出し可能な動力源だった」とGMのGlobal Fuel Cell Activitiesのエグゼクティブ・ディレクター、Charlie Freeseがインタビューで話した。「コンセントのない場所で車を使うときも、キャンプに行った時も、あるいはこうした軍事環境でも、連続で25 kW、ピーク時で50 kWの電力を取り出せる能力は、この燃料電池システムのすばらしい特徴だ」

しかし、こうした環境で燃料電池を使用することの長期的利点のひとつは、電力源の柔軟性だ ― 全く同じ燃料電池発電システムが米国海軍の無人潜水艦の試行にも使われている。長期的に、部隊を横断して多くの軍用車両で共通の電力源を使用することの利点が見えてくる。現地で部品を交換できることは規模の経済性による利点があるだけでなく、作戦要員と支援要員の訓練の共通化も可能になる。

「現地で支援する際に、豊富な予備部品を持っているところを想像してほしい。違っているかもしれないが、海軍の兵站部が陸軍の予備部品をすぐに供給できるとは思えない。しかしこの燃料電池技術ではまさにそれが可能になる」とFreeseは説明した。

GMは、Colorado ZH2を米国陸軍戦車研究開発技術センターと共同開発した。契約を取ってから今日発表したコンセプトを生み出すまでに1年とかからなかった。GM社内での製造準備は来年始めまで続き、その後陸軍に納入され1年間の現地試験が行われる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook