「スケールするために経営陣が必要」シリコンバレーの投資家イラッド・ギル氏に聞くスタートアップアドバイス[前編]

シリコンバレーの起業家で投資家のElad Gil(イラッド・ギル)氏

2021年3月18日、シリコンバレーの起業家で投資家であるElad Gil(イラッド・ギル)氏の著書「High Growth Handbook」の日本語版である「爆速成長マネジメント」(日経BP)が発売となった。

著者のギル氏は投資家やアドバイザーとして、Airbnb(エアビーアンドビー)、Coinbase(コインベース)、Pinterest(ピンタレスト)、Square(スクエア)、Stripe(ストライプ)など世界でも有数のテック企業に関わっている。起業家としての経験も豊富だ。2013年から2016年12月までColor Genomics(カラージェノミクス)の共同創業者兼CEOを務め、現在は会長に就任。カラージェノミクスの創業前はTwitter(ツイッター)でコーポレート戦略バイスプレジデントやM&A 、事業開発チームの担当を務めた。ツイッターに参画したのは、共同創業者兼CEOを務めていたMixer Labs(ミキサーラボ)がツイッターに買収されたことがきっかけだった。それ以前は、グーグルに在籍し、モバイルチームの立ち上げなどに関わった。

「爆速成長マネジメント」はギル氏の知見と、シリコンバレーで活躍する投資家、起業家たちとのインタビューを多数収録し、レイターステージのスタートアップが直面する資金調達やマネジメントの課題に対する具体的な対応策が学べる1冊となっている。

今回、私は本書の翻訳に関わった縁で、ギル氏をインタビューする機会を得た。インタビューは2021年4月15日にClubhouse(クラブハウス)上で行い、本書を共訳した翻訳者で連続起業家の浅枝大志氏と日経BPの担当編集者である中川ヒロミ氏も参加した(各人から記事化の了承を得ている)。今回のインタビュー記事は前編と後編に分け、前編は数多くのスタートアップと関わってきたギル氏が指摘するスタートアップが陥りやすい落とし穴とその回避策について、後編は今後のスタートアップ業界の動向についてまとめている。記事はギル氏の発言通りに翻訳しているが、分かりやすさと簡潔さのために多少編集を加えている。

起業家へのアドバイス

はじめに、本書を書くことになったきっかけについて教えてください。

ギル氏:アーリーステージファウンダー向けのアドバイスはたくさんありますが、急激に成長しているスタートアップ向けのものはあまりありません。その理由は、スタートアップの多くは急激な成長する段階まで到達しないからです。ほとんどのスタートアップは失敗します。なので、レイターステージのスタートアップやファウンダーからよくある質問に対する答えと、スタートアップがスケールするための戦術をまとめようとしたのが始まりです。

もともと本ではなくブログ記事をまとめたスタンドアローンのウェブサイトを作る予定でした。けれど、サイトをローンチする数日前に、ストライプの創業者の1人であるJohn Collison(ジョン・コリソン)に見せたところ、「本として出版した方がいいんじゃないか」と言われ、Stripe Press(ストラププレス)(注釈:ストライプの出版事業)から出すことになりました。

本書には起業家向けのアドバイスが多く載っていますが、初めて起業する人は特に何に注意すべきでしょうか?

ギル氏:アーリーステージの会社はレイターステージの会社とは状況が大きく異なるので、ステージごとに気をつけたい点は違います。アーリーステージの優先事項の1つは、プロダクトマーケットフィットに到達することで、これを達成するのは非常に難しいでしょう。2つ目は、共同創業者と喧嘩しないで会社をうまく回すことです。これも非常に難しい場合があります。この2つを達成できれば、第一歩が踏み出せるはずです。

レイターステージに入ると、より多くのことを達成するためにどのように組織を作ってスケールさせるか、ユーザーのニーズにどう対応するか、海外展開、M&Aなど、注力すべき点が変わっていきます。これらを突き詰めると、やるべきことは、社員全員に明確な方向性を示すこと、その方向性を追求するために必要な資金を確保すること、磐石な経営陣を揃えることの3つであると言えます。経営陣が揃えば、会社が小さかった頃には着手できなかったことができるようになります。

CEOが間違えやすい、ミスしやすいのはどういうところでしょうか?

ギル氏:これはCEOの過去の経験によると思います。例えば、初めて起業したCEOと2回目のCEOを比べると、つまり事業をスケールさせたことがある人とない人という意味ですが、2回目のCEOはかなり早い段階から強力な経営陣を揃え始めます。けれど、初めての起業家はそれを疑問に思うでしょう。なぜ上層部ばかり強化するのか、なぜそんなに多くのVP(バイスプレジデント)が必要なのかと。しかし、一度急激なスケールを経験していると、経営陣を揃えることがいかに重要かが分かります。これが1つ目です。

初めての起業家がよく間違える2つ目のポイントは、最初のプロダクトをマーケットに投入した後のイノベーションの頻度についてです。一般的に、早くから2つ目のプロダクトを開発してノベーションを起こせる会社は、その後も継続してイノベーションが起こせます。一方でイノベーションが遅い会社は、2回目のイノベーションがなかなか起こせません。具体例として、ストライプは決済やローンに関わるプロダクトを次々と出しているのに対して、eBay(イーベイ)はいまだに2つ目のプロダクトを出せていません。

3つ目はSaaSやB2Bの分野に特化した話にはなりますが、プロダクトやエンジニアリングを重視するファウンダーは、営業チームを作ることを後回しにしてしまいがちという点です。ボトムアップのグロースや顧客獲得にばかり注力してしまうと、より大きな法人契約を獲得するチャンスを逃してしまいます。例えば、slack(スラック)は法人営業のチームを早くから追加してこなかったため、Microsoft(マイクロソフト)のような会社との戦いで苦戦を強いられています。

「経営陣の構築」「イノベーションの頻度」「営業の採用」と初めての起業家が間違えやすい点を3つ指摘していましたが、これらを回避するにはどうすればいいでしょうか。

ギル氏:経営陣を採用するところに関しては「スケールするために経営陣が必要」というマインドセットに変える必要があります。

営業チームについては、営業を採用することに対しての恐怖心を脇に置くことです。先日、営業を雇うのに抵抗を感じる理由についてのブログ記事を読んだのですが、その理由はたいてい、企業文化に合わないのではないかとか、営業チームを整える準備ができていなのではないかとかいう不安やボトムアップでの顧客獲得しかしたくないという感情的な理由がほとんどであると指摘していました。これに関しては率直に言って、そうした感情を振り切り、実行するしかありません。慣れないことをやるということですが、慣れないことをやるのが大抵の場合、最良の施策なのです。

「イノベーションの頻度」についてはどうでしょうか?

ギル氏:これにはいくつかポイントがあると思っています。会社の初期の段階では事業に注力し、コアプロダクトの再現性があるかしっかり確かめなければなりません。それはつまり、1000万ドル(約11億円)から3000万ドル(約32億円)ほどの収益があり、SaaS企業ならマーケットアプローチの方法を確立していて、コアビジネスをスケールさせるために社内にマネジメント層の基盤ができているか確認するということです。まずはコアビジネスがうまく回っている状態にすることが先決です。

2つ目は、新規事業のためにいくらか独立したリソースを用意することです。新規事業にはリーダーとなる人材やエンジニア、その他社内のリソースが必要になります。また全社員に「この新規事業は会社にとって重要で注力する価値がある」と納得してもらわねばなりません。なぜなら、社内のコアビジネスに携わる人は、リソースがあるなら自分たちのところに投入してほしいと考えるからです。彼らはコアビジネスをスケールさせる中で手薄になっている部分があると感じているでしょう。そのため彼らは会社が新しい事業を始めるのに対して疑問を持ちます。優先順位と組織内での線引きを明確にし、新規事業を作ることが会社にとって重要であると社員に分かってもらうようにしなければなりません。

CEOとして成長する方法

CEOはさまざまな問題に対処しなければなりませんが、CEOとして成長するためにはどのようなことができますか。CEO仲間を作ること、VCからアドバイスをもらうことなどが考えられますが、何が一番有効でしょうか。

ギル氏:私の知っている中で、うまくファウンダーとして、あるいはCEOとして活躍している人は、いくつかのことをしています。

1つは、CEOのネットワークを作っています。同じステージの会社のCEO、あるいは自分の会社より2年先を進んでいる会社のCEOとのネットワークを作っています。2年先の相手は、自分たちの抱える問題に共感でき、タイムリーで今の状況に合った良いアドバイスができます。5年、10年離れていると、劇的に状況が変わっていることがあるのです。

2つ目は、自分の会社とはまったく違うビジネスをしている人と話をしています。例えば、大規模な売上のある非上場のファミリービジネスのCEOの話を聞きに行くようなことです。何十億ドル(何千億円)規模の売上のある会社に話を聞きに行き、どうやって会社を運営しているのか、どうような報酬体系を採用しているのか、問題が発生した時はどのように対処しているのかなどを聞いています。優秀なCEOは成功の原則を普段とは違う場所で探し、自分のビジネスにも適用できそうなアイデアを学んだり、抽出したりしようとしています。

自分と近い分野で動いているCEO仲間から学ぶことに加え、まったく違う分野だけれど、とてもすばらしい成果を出している人から学ぶこと。この2つを組み合わせるのが良いのでしょう。

アドバイスという点でVCに期待できることはありますか。

ギル氏:VCは役に立つことはありますが、そのVCによります。その人が誰で、どんな経験を持っているのか、その人から何を学びたいのかによるということです。例えば、会社の上場に関わってきた経験が多いVCの取締役がいれば、その人から会社を上場させる方法について優れたアドバイスが聞けるでしょう。一方で、会社のオペレーションに関わったことのないVCもいます。その人は経営の戦術的なところでいくらか助けになってくれるかもしれませんが、毎日のオペレーションで役立つアドバイスはあまり期待できないかもしれません。

VCは基本的にアドバイス、ガバナンス、資金の3つを提供するものと考えています。お金は比較的どこからでも調達できます。ガバナンスに関しては、経験があって信用できる人を探すのがいいでしょう。アドバイスは、会社のステージとどんな事業をしているのかによります。アーリーステージでは的確なアドバイスができる人でも、レイターステージの会社には良いアドバイスができない人もいるということです。会社が成功するまでには10年くらいかかるので、その間に経営陣をどう進化させていくかをしっかり考えるべきでしょう。

【編集部】後編は4月21日午前9時に公開予定

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ビットコインを筆頭に暗号資産市場が急降下

Bitcoin(ビットコイン)を筆頭に暗号資産(仮想通貨)の価格は米国時間4月23日の金曜日も下落を続け、同通貨の価格は2021年3月初旬以来初めて5万ドル(約540万円)を下回った。

ビットコインは前週比で約20%、先週初めの史上最高値である約6万5000ドル(約700万円)からは約30%下落した。ビットコインの時価総額は1兆ドル(約110兆円)を下回っている。Ethereum(イーサリアム)は米国時間4月22日に史上最高値を記録したが、その後に市場全体が回復したたため13%の下落となり、下落幅はそれほど大きくなかった。

また、多くのアルトコインも打撃を受けている。Dogecoinは先週末に急上昇した後、今週の猛烈な上昇を帳消しにし、価格がほぼ半減した。XRPは前週比で35%減、Stellarは30%減、Polkadotは25%減となっている。

Coinmarketcapは全体として、過去24時間で世界の暗号市場が約10%縮小したと推定している。

暗号資産の価格は過去数カ月にわたって上昇してきたが、先週は価格上昇を修正する明確な兆候が見られた。しかし多くの人は、Joe Biden(ジョー・バイデン)大統領がキャピタルゲイン税の引き上げを調整したというニュースが、市場の下落の最も明白な理由であると考えている。投資家はルールの遡及適用によって、自分の利益に影響が出ないことを願ってキャッシュアウトしている。

先週に直接上場したCoinbase(コインベース)は今週に株価を約10%下げたが、金曜日の日中取引ではほとんど影響を受けなかった。

ここ7日間でのBitcoinの価格(グラフ作成:CoinMarketCap)

関連記事:バイデン政権はいかに仮想通貨規制に取り組むのか

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画像クレジット:Dan Kitwood / Getty Images

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(文:Lucas Matney、翻訳:塚本直樹 / Twitter

数百億円台のAIラウンドがあってもおかしくない理由

スタートアップとマーケットの週刊ニュースレター「The TechCrunch Exchange」へようこそ。

準備OK?ここではお金の話、スタートアップの話、IPOの噂話などをお伝えする。

先週、Scale AI(スケールAI)が3億2500万ドル(約353億5000万円)のシリーズE調達を行った。TechCrunchも書いたように、この会社はデータラベリングの分野で活躍している。そして、ここ数年は資金調達にも大いに力を入れてきた。2019年にTechCrunchは、同社の当時22歳のCEOが1億ドル(約109億円)のラウンドを組んだことを記事にしている。そして2020年12月には約35億ドル(約3807億3000万円)の評価額で1億5500万ドル(約168億6000万円)を調達した。今では70億ドル(約7兆6000億円)以上の価値がある。

すごい話だよね?さて、先週初めにわかったのだが、どうやら2021年は、AIスタートアップにとって、全般的にとんでもない年になっているようだ。PitchBookのデータによれば、2021年の初めから4月12日までに、米国でのAIスタートアップの取引は442件、金額にして116億5000万ドル(約1兆2672億9000万円)に達している。そして、最近発表されたMicrosoftによるNuance AI(ニュアンスAI)の買収は、さらにこうした事象を加速させるかもしれない。

Sapphire VenturesのJai Das(ジェイ・ダス)氏に、AIベンチャー市場についての意見を、The Exchangeに寄せてもらった。同氏は、この分野の第1四半期における競争状況に対する、私たちからの質問に対し、第1四半期における「AI/MLスタートアップへの投資活動は、絶対にトチ狂っていますね」と答えた。

ダス氏によれば「AI / MLスタートアップは、日常的に一流のVCファームから5、6通の条件規定書を受け取っていますし、ARR(年間経常収益)の150~250倍の資金調達ができています」とのことだ。

このことを少し考えて欲しい。2020年私たちは、公開ソフトウェア企業が新たな高みに達したのを目にしてきたが、たとえ積極的なスタートアップのラウンドであったとしても、上の数字は非常に大きなものだ。経常収益が100万ドル(約1億1000万円)に過ぎないAIに特化したスタートアップが、25億ドル(約2719億5000万円)の評価を受けることを想像してみて欲しい。なんてこった。

しかし、AI投資のペースはどうだろうか?聞くところでは、多くのスタートアップで、ラウンド開始から終了までの時間に対する短縮に次ぐ短縮が行われているという。ダス氏は、この状況を説明するために「ほとんどの企業は、投資が実際に行われるはるか前にデューデリジェンスを完了しています」とメールで述べている。つまり「投資を行う時点ではもはやデューデリジェンスを行う必要がない」ということだ。

それって本当に意味があるのだろうか?もしラウンドが先制的なものならば、事前に徹底調査をしなければならない(これはダス氏が後ほどコメントで強調したことだ)。そうでなければ、盲目的に投資したり、動きの速い他の企業に取引を先取りされてしまうことになる。

今週のThe Exchangeでは、国内のベンチャーキャピタル市場についても、シード案件やニュースで話題になるような超レイトステージ投資に焦点を当てつつ掘り下げてみた。アーリーステージのベンチャー投資に関するコメントとして、EYの米国Venture Capital責任者であるJeff Grabow(ジェフ・グラボウ)氏からのコメントが寄せられた。

そのプレシード、シード、ポストシードについてのコメントの中で、私たちの注意を特に引くものがあった。予測に関するものだ。グラボウ氏は次のように語る。

2021年第1四半期のプレシード資金調達は、例年と比較すると好調でした。現在利用可能な資金が豊富で、技術的なソリューションで新市場を開拓できる、投資可能なテーマが数多くあることから、全体的な環境は引き続き堅調に推移すると考えています。このことから新型コロイナウイルス後の環境は、バラ色に描かれています。

これは私たちの社内での予測と同じだ。2021年第1四半期は、少なくとも米国のベンチャーキャピタル活動は非常に活発だったため(近々、海外事情も伝わってくるだろう)、2021年は多くの点で記録的な年になると思われる。大きく減速する傾向もみられないので、記録は更新されることだろう。そしてグラボウ氏もこうして新型コロナウイルスの流行が終了した後のベンチャー環境が、かなり魅力的なものになることを、はっきりと予想している。

ということで、記録は更新されるだろう。問題はその大きさがどれくらいになるのかということだ。

Coinbaseの直接上場に関するその他の情報

終わった話をあれこれいうつもりはないが、Coinbase(コインベース)の直接上場について、いくつか情報を追加しておこう。

消費者向け取引アプリRobinhood(ロビンフッド)の、ライバルであるPublic.com(パブリックコム)が、The Exchangeに対して、Coinbaseの株式に対する小口取引の関心がどれほどのものだったかを教えてくれた。いつもの広報担当者であるMo(モー)氏によれば、米国時間4月14日、Coinbaseは取引数で「公開されている全銘柄の中で最も人気があった」という。そしてさらに特筆すべきは、同じ日に「(投稿数で計測した)ソーシャルアクティビティが前日に比べて70%増加した」ことだ。

消費者トレーディングのブームがいつまで続くかはわからないが、これはかなりすばらしい指標値だ。

また、Similarweb(シミラーウェブ)は、2021年1月のcoinbase.comへのアクセス数が8640万件に達したことなどの、いくつかのデータを紹介している。いやあ、こいつはすごい。また、この月は新規訪問者数が再訪問者数を上回っている。このデータは、Coinbaseが第1四半期に大きな結果を出した理由を説明している。ということで現在の疑問は、こうした強気の動きを維持できるのかどうか、あるいは率直に言って、特に暗号資産の取引に対する消費者の関心が、株式取引のブームよりも長持ちするかどうかという点だ。

先週ポッドキャストなどでも何度か話題に出た、CoinbaseのシリーズDを主導した投資家のTom Loverro(トム・ラベロ)氏は「私たちはまだ暗号資産の第2ラウンドに立ったに過ぎません」と語っている。ということで、これらの話題は何度も何度も繰り返し出てくるだろう。ということでもう1度。

その他のことなど

さて記事の文字数の目標に達することができるように、先週のIPO市場に関するメモをいくつか。

まず、AppLovin(アプラビン)のIPOは計画どおりには進まなかった。モバイルアプリケーションに特化したハイテク企業の同社は、範囲の中央値である1株あたり80ドル(約8702円)という控えめな価格がついた後、最初の2日間の取引で価値が下落した。金曜(米国時間4月16日)終了時点では、1株あたり61ドル(約6636円)になった。

The Exchangeは、AppLovin社のCFOであるHerald Chen(ヘラルド・チェン)氏に、IPO当日にインタビューを行った。チェン氏との会話からは、上場したことで買収をより加速できるのではないかと感じることができた。流動性のある株式を所有しているということは、これまで以上に買収されやすくなったということだ。またS-1ファイリングによれば、AppLovin社は、他の企業を買収し、そのビジネスプロセスを実行して、収益を得ることができると主張している。

もしそれが実現できるなら、公開市場から同社に対する見方は少し厳し過ぎるかもしれない。現在の状況下で、ソフトウェア会社がIPO後に苦労しているのを見るのは少し奇妙なことだ。

また、チェン氏はThe Exchangeに対し、公開に先立つ会社説明会の際にマルチクラスの株式構造(株式に議決権などの差をつけること)についての反発は見られなかったと語っている。マルチクラス株式の悪影響については、同僚のRon Millerと一緒に書いたことがある。チェン氏は、たとえ議決権の異なる複数クラスの株式を保有していても、1人の人間が会社を完全にコントロールすることはできないと述べている。率直に言って、それが問題なのだが。

AppLovinの取引には注目して行くつもりだ(その数字に関する以前の記事はこちら)。

最後に。自動運転トラック会社のTuSimple(トゥーシンプル)が先週上場し、Similarwebが上場を申請した。また、UiPath(ユーアイパス)が価格帯を引き上げるか否かといった、幅広いIPO市場の動向にも注目している。私たちはその点について予測を行っている

そして週の終わりになって、Squarespace(スクエアスペース)がS-1(上場目論見書)を公開した。記事はこちら、続報も予定している。

ではまた。

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タグ:The TechCrunch ExchangeAI機械学習Coinbase新規上場資金調達

画像クレジット:Nigel Sussman

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:sako)

【インタビュー】「ブロックチェーンとそのテックは政治から切り離すべき」元米通貨監督庁長官が語る可能性

Brian Brooks(ブライアン・ブルックス)氏は若い頃、生活費や教育費をクレジットで借りて賄った。今の同氏があるのはそのような信用貸しをする消費者向け金融サービスのおかげである。

ブルックス氏はコロラド州の小さな町の出身だ。この町は、経済を牽引していた唯一の製鉄所が閉鎖されて大きな打撃を受けた。数年後、彼が14才のときに父親が他界し「まっとうな人生」を送りたいなら自身で道を切り開くしかないと悟った。彼は大学とロースクールに行くために学費を稼ぎ、8%という高金利で10万ドル(約1100万円)以上の学費ローンを受けた。

彼はこの経験について苦々しく思うどころか、チャンスを得られたことに対して感謝している。

「クレジットがあれば、現金を出す余裕がないときでも、欲しいものを手に入れられる」とブルックス氏はいう。

その後同氏は、世界最大のデジタル通貨プラットフォームとなった時価総額数十億ドル(数千億円)のシリコンバレー発スタートアップCoinbase(コインベース)の最高法務責任者(CLO)を務めた。ブロックチェーンと暗号資産(仮想通貨)は、同氏が常に心にとめている目標である「ファイナンシャル・インクルージョン(金融包摂)」を推し進めるための大きな潜在力を秘めた技術だ。

2020年5月、ブルックス氏は民間企業から公的機関へと移り、連邦通貨監督庁(OCC)長官代理の職に就いた。連邦通貨監督庁での在職期間は短かったが、そこでさまざまな経験をする。具体的には、当時法制化に関してさまざまな論争があった銀行設立免許、暗号資産、融資に関する法律の制定に尽力した。そして2021年1月、同氏は同職を辞任し、民間企業に戻ることになった。

2021年3月、ブルックス氏はデータ共有スタートアップSpring Labs(スプリング・ラブズ)に初代独立取締役として就任した。同氏は実は5年前にSpring Labsのアイデアを最初に思いついたグループの一員だったため、今回の就任はさまざまなキャリアを一巡してスタートに戻るかたちとなった。

同氏のSpring Labsでの目的は、革新的なマインドセットと、フィンテック企業が一変させようとしている旧態依然たる銀行システムに関する知識の両方を持つ同氏の経験を業務に活かすことだ。銀行システムの運営に実際に携わったことのある同氏は「何が問題なのかをよく理解している」と確信している。

「すばらしいアイデアを持ってはいるものの、自分たちが改善しようとしている分野の専門知識が不足しているテック企業が本当に多いと思う。私の場合、銀行とクレジット基盤システム運営組織の内部でかなりの期間キャリアを積んだため、改善する必要がある部分を明確に把握している。それは、安全面と匿名のデータ共有だ」と同氏はいう。

民間企業に戻ること、ブロックチェーンでファイナンシャル・インクルージョンを実現できる理由、政治をテクノロジーから切り離す必要があると考える理由について、同氏に聞いた。

このインタビューはわかりやすくするために編集されている。

TC:Spring Labsの業務について教えてください。

ブルックス氏:Spring Labsの目的は、ブロックチェーンを使って、データのネットワーク効果を強化することです。これにより、従来の信用調査システムでは排除されてしまう人たちの 弁済能力を信用調査機関等が予測できるようになります。すべてのブロックチェーンがオープンソースのノードネットワークであることを考えると、これはブロックチェーンが持つすばらしい潜在性の1つだと思います。

このネットワークに接続できるデータソースの数が増えるほど、利用者の弁済能力を査定するための環境が強化されます。Spring Labsが成功して規模が十分に拡大すれば、40億~50億人の人たちをクレジットシステムから排除せずに済むようになります。十分なデータがあるため、特定の個人について、信用リスクが低く、クレジットカードを発行しても問題ないと予測できるようになるからです。住宅ローンやクレジットカードの有無は関係ありません。当社の中核となる使命は、より多くの人たちがクレジットカードを使えるようにすることです。

TC:豊富なデータというのは、家賃を滞納せずに支払っているとかそういうことでしょうか。

ブルックス氏:はい、そういったことです。例えば、銀行の口座で繰り返される入出金に関する情報などもそうですし、サブクスリプション料の支払い、定期的に発生する支払い、資産や所得に関する情報などもそうです。これらはすべて、その人の信用リスクの判断材料になります。

TC:なるほど。同じような使命を掲げた他のスタートアップに関する記事をいくつか書いたことがあります。

ブルックス氏:ええ。ただ、私がここ4~5年、暗号資産とブロックチェーンに関する仕事に多くの時間を費やしてきたのは、分散ネットワークの方が、例えば米国のすべての家主に登録してもらって、家賃の支払い状況を追跡できるデータ共有サービスを提供するよりも、常に多くのデータを収集できるという考え方が基盤にあるからです。つまり、家賃の支払いは信用リスクを判断する点で確かに良い材料になりますが、他にも数百に及ぶ適切な判断材料があるということです。

クルマの所有者であれば、クレジットで購入したかどうかは弁済可能性に関する適切な判断材料です。近隣の不動産価格が上がっているか下がっているかといった情報も、良い判断材料になります。重要なのは、データの種類にとらわれず、特定の判断材料の有無に関係なく、どのような人でも査定できる豊富なデータ環境を生成することです。将来のクレジット支払い状況を予測するデータ要素もあります。こうしたデータは精緻化され、ネットワーク上にあらゆるデータが構築されていきます。これはいわばSpring Labsの秘密兵器とも言えるものです。

TC:OCCの在職期間中に成し遂げた最も大きな仕事は何ですか。

ブルックス氏:OCCを運営していたときに2つの規制を法制化しました。1つは「貸付時の利率を有効とする(Valid When Made)」ルール、もう1つは「真の貸し手(True Lender)ルール」と呼ばれるルールです。これらのルールの目的は透明性を強化することです。

私が在職中に行ったもう1つの仕事は、Anchorage(アンカレジ)という暗号資産企業に最初の設立許可を与えたことです。また、暗号資産の取り扱いが許可される銀行に関するガイダンスも作成しました。このガイダンスは、この1年で暗号資産の採用が促進されたことと大きな関係があると思っています。

暗号資産世界で最大の課題の1つは、暗号資産で取引している人が、暗号資産を使ってテロリストへの送金や資金洗浄を行っていないことを確認することです。これが問題となるのは、暗号資産は銀行による制限を受けることなく(銀行を介さずに)直接取り引きできるためです。通常、小切手を切ると、銀行のシステムの中で受取人について確認が行われ、その人物が何かのブラックリストに掲載されていないかチェックされます。現金を使用する場合は、現金取引報告書に記入する必要があります。しかし、暗号資産の場合はそのようなチェックはありません。ブロックチェーンによる検証の話に戻りますが、Spring Labsが構築した仕組みの1つは、政府も含め、取引を処理する人が「このビットコイン取引の送信先が誰であるかを確認できない」と言えるようにするソリューションです。

Spring Labsのソリューションを使えば、相手を特定できなくても、相手が悪意のある人物ではないことを確認できます。Spring Labsではデータを匿名化するため、相手の氏名は分かりません。しかし、当社のブロックチェーンには大量の個人識別情報が登録されているため、相手が安全かどうかは判断できます。しかも、通常ブロックチェーン上で保証される匿名性の基本原則に違反することもありません。匿名化データ共有の実現がフィンテック業界で最も重要なブレークスルーの1つであると言われる所以です。

TC:相手に悪意があるかどうかをどのようにして見分けるのですか。

ブルックス氏:ブロックチェーンの本人確認では、大量のデータに基づいて確率的判断を下します。そのため、例えばあなたがVladimir Putin(ウラジミール・プーチン)ではないことを確実に判定することはできません。ですが、あなたは、昨日パロアルトのスターバックスでラテを買った人であるとか、Netflixのサブスクリプション料を23カ月間支払い続けている人であるといったことは分かるわけです。確率的判断を下すというのは、あなたが何らかの違法行為に関わっている可能性が統計的に低いという判断ができるようにする、ということです。実はこの方法は、公的な機関のリストにあなたが掲載されているかどうかを調べるよりも、正確である確率がはるかに高いことが分かっています。公的機関のリストでは、タイポやミススペル、ときには、名前の姓と名が逆になっているなど、さまざまな間違いが含まれている場合があります。

TC:ある創業者が「今の若い世代は銀行システムに対して不信感を持っている。彼らがこうした新しいデジタルソリューションやネオバンクといったものを受け入れる理由もそこにある」と話していました。若い世代が銀行システムに対して不信感を持っているというこの指摘についてどう思いますか。

ブルックス氏:若い世代に限らず、もっと上の年代の人でも銀行に対して不信感を持っている人はたくさんいると思います。金融危機を体験した人なら誰しもそうした感覚を持っているでしょう。個人的に、銀行システムは、システムとしては強力で人々の信頼に値すると思っています。私がかつて率いていたOCCやその他の機関には数千人の経験豊富なプロフェッショナルたちがいて、銀行の安全性、確実性、コンプライアンスを毎日のようにチェックしているからです。間違いや違法行為があれば、リアルタイムで指摘されます。その点は確信があります。

しかし問題があります。これは金融の特性ですが、例えば、5年前にクレジットカードの返済遅延があるため、一定期間、融資を受ける際の利子率が大幅に高くなるといったことが起こります。こうしたことは、クレジット管理会社や銀行業務の本質的な部分であり、多くの人、特に若者が疎外感を覚える理由でもあります。

例えば、あなたが、2020年パンデミックの最中に大学を卒業したばかりの若者だとします。仕事も見つからず、信用(弁済能力)もないため、車を買ったり、クレジットカードを作るのも困難な状態です。こうなると、銀行システム全体があなたを何らかの方法で排除するために存在していると感じるようになります。このような銀行システムに不快感を覚える一方で、あなたでもクレジットを利用できる(銀行を介さない)直接融資プラットフォームや分散型ファイナンスプラットフォームの存在を知ると、当然ながらそのようなフィンテックに目を向けるようになります。フィンテックは、従来の銀行システムが残した(差別的な)ギャップを埋めるために存在しているのです。

銀行は信頼できますが、銀行のサービスを利用できるのは社会の6~7割くらいの人たちです。若者、低所得者、マイノリティ、移民といった人たちが銀行を利用しようとすると、大きなギャップに悩まされることになります。それこそ我々が改善しようとしている点です。銀行はこの国の標準層にサービスを提供するために存在しており、フィンテックは市場の意欲をうまくコントロールして、標準層から除外された人たちに向けたサービスを構築しています。

フィンテックが政治的論争の的にされた理由が理解できないと私が言っているのはそのためです。フィンテックを巡って戦いが起こっているようですが、これが一体どこから起こったのかよく分かりません。ある種の超党派の戦いのようです。少し前の話になりますが、米下院金融サービス委員会議長Maxine Waters(マキシン・ウォーターズ)氏がバイデン政権の移行チームに送った手紙を見ると、新政権への要望がいろいろ書かれているのですが、その中に旧政権がフィンテックに対して行った政策をすべて白紙に戻すこと、というのがあります。これを読んで私は「なぜ」と思いました。確かに、旧政権ではいくらか政治的な措置も行ってきたことは分かっていますが「Stripe(ストライプ)に銀行設立認可を与えるべきだと思う」という発言がなぜ政治的なのでしょうか。この発言のどの部分が政治的なのでしょう。Stripeは大規模な金融仲介サービスに従事している会社であり、銀行設立免許というのはまさにそうした企業に与えるものです。これのどこが政治的なのでしょうか。ここから、銀行設立認可や、先ほど触れた真の貸し手ルールへと話は拡大していきます。

TC:フィンテックが政治的論争の的になった背景について説明していただけますか。

ブルックス氏:どうやら、フィンテックを気に入らない人たちがいるようなのです。とりわけ民主党員に多いようです。私の前職の後任に特定の候補者がいたのですが、フィンテックについて肯定的な発言をしたために就任を拒否されたようです。これもそういう背景があったからだと考えられます。フィンテックの本質は、銀行システムからまともなサービスが受けられない人たちを救うことですよね。

例えば、米国人が本当に化石燃料を禁止すべきだと思っているなら、そうすべきです。政治家はそれを法制化し、それが人々が望んでいたものと違っていたら責任を持って対処するべきです。誰に融資するかの判断を、銀行のCEOが社会の代表として行うというのは望ましくありません。テクノロジーから政治を切り離す必要があります。

我々はみな、さまざまなことを行っていますが、それが隣近所で評判が良い行動なのかどうか、あるいは銀行の頭取に高く評価されて信用評価の向上につながっているかどうかといったことはまったくわかりません。自分が共和党員であるがために地元の銀行の頭取に住宅ローンを拒否されているように感じることなど起きてはならないのです。

TC:この国でファイナンシャル・インクルージョンを実現するというあなたの願望は、ご自分が大人になるまでの経験と関係があるのかもしれないという記事を読みました。その辺りについてお話しいただいてもよろしいでしょうか。

ブルックス氏:かまいませんよ。私がクレジットで借り入れをして若い頃の生活費や教育資金を調達したというのは秘密でも何でもありません。私は小さな町で育ちました。この話をするときはいつも、私の人生に大きな影響を与えた2つの悲劇についての話になります。悲しい言い方になりますが、私が子どもの頃にこの町は「死んでしまった」のです。私は幼少期をコロラドの活気のある工場都市で過ごしました。町はきれいで、鉄鋼労働者の組合が組織されていたため高い雇用水準を維持していました。すばらしい時代でした。ところが私が11才か12才の頃、工場が閉鎖され、突然、活気のある愛すべき小さな町は2桁台の高失業率を記録するまでになってしまったのです。最悪でしたし本当に悲しい思いをしました。

その2年後、父が他界しました。ですから、町が死んだ後すぐ、父も亡くなったのです。まっとうな人生を送るつもりなら、16才になったらすぐに仕事を見つける必要がありました。また、大学とロースクールへ行くための高額な学費も借りる必要がありました。これは公言していることですが、この学費は国の補助利率では借りることができませんでした。当時、所得税に基づいて学生ローンが減免されることはなかったため、数十万ドルの学生ローンを8%の利子で返済しなければなりませんでした。それでも、ローンが組めるだけでありがたかったのです。

そのため、私はクレジットで支払うことを悪いことだと思っている人たちとは違います。さまざまな研究によると、クレジットの利用額が多いほど貧困は少なくなることが分かっています。ツイッターなどでこのような発言をすると、政治に関心のある人から「いやそうじゃない。クレジットの利用額が多いほど借金が増えるのだ」という反応がありますが、これに対して私は次のように返します。「それは意味が分かりませんね。クレジットと借金は同じことでしょう。私が言いたいのは、クレジットを利用すれば、現金がなくて支払えない場合でも欲しいものを手に入れることができるということです。教育費、起業資金、住宅購入資金など、あらゆるものにクレジットが使えます」。

私は、実際、こうしたものすべてにクレジットを利用してきた人間として、他の人も自分でリスクを負うことができるようにすべきだという道徳的で偉そうなエリート主義的な立場は取りません。私は8%の利子というリスクを引き受けた結果、今の人生を手に入れることができました。ですから、そのようなリスクを負うべきではないなどと他の人に伝えることが私の義務だとは思いません。私はクレジットの利用を大いに勧めたいと思っています。クレジット利用額が大きいほど社会は良くなると信じています。フィンテックには、銀行システムからまともなサービスが提供されない人たちに然るべきサービスを提供できる可能性が十分にあります。私は、分散ネットワークによって(金融システムの利用者に対する)こうした差別の一部が解消されると考えています。

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タグ:暗号資産Coinbase金融包摂Spring Labsインタビュー

画像クレジット:Bryce Durbin

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(文:Mary Ann Azevedo、翻訳:Dragonfly)

暗号資産取引所Coinbaseが上場、初値は381ドル、時価総額は一時11.3兆円超

米国時間4月14日、直接上場したCoinbase(コインベース)の取引が始まった。基準価額250ドルだったCoinbase株の初値は1株当たり381ドルと約52%上昇した。この時点のCoinbaseの時価総額は完全希薄化ベースで996億ドル(約10兆8230億円)だった。本稿執筆時点でCoinbaseはさらに値上がりして1株あたり400ドルを超え、時価総額は1040億ドル(約11兆3040億円)を超えた。

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Coinbaseが直接上場の基準価額を1株あたり250ドルとし時価総額7兆円超に跳ね上がる

Coinbaseの基準価額に基づく時価総額は完全希薄化ベースで653億ドル(約7兆960億円)だった。

Coinbaseの市場デビューは、拡大する暗号資産(仮想通貨)経済を追い風に大きな期待を受け、莫大な価値を生み出している。同社の非上場企業時代には未公開株投資家らが資産を投じ企業価値は最大80億ドル(約8700億円)に上った。

同社の新たな価値は以前の数字を小さく見せるものであり、長年の出資者への大きなリターンを暗示している。今日からは一般投資家も同社の株式に手を出すことが可能になり、多くの人々がその権利を行使しようとしている。TechCrunchはこの上場について読者に尋ねた。取引開始前の調査結果は暗号資産ユニコーン株の行方を示す逆指標となっている。

Coinbaseに1株当り250ドルより多く払うか少なく払うか?

Coinbaseの前途は興味深い。同社は豊富な資産を有し、直近の四半期で莫大な利益を上げた。しかしCoinbaseは、暗号資産の価格水準とその結果による取引規模の影響と切り離し、Bitcoinなどの価値が下落した際の成長と収入の後退に耐えられる未来をまだ描いていない。

しかし暗号資産信者にとって、Coinbaseの上場は勝利だ。従来型取引所での伝統的企業上場が暗号化経済の記念すべき瞬間である、というのは皮肉だが、何ごとも段階的に進んでいくものだ。おそらく次の主要暗号資産企業の市場デビューは、分散型取引所で起きるだろう。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Coinbase新規上場暗号資産

画像クレジット:Steve Jennings / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nob Takahashi / facebook

Coinbaseが直接上場の基準価額を1株あたり250ドルとし時価総額7兆円超に跳ね上がる

米国最大の暗号資産取引所であるCoinbaseが、その直接上場の基準価額を1株あたり250ドルに設定した。最新のSEC提出書類によると、同社の完全希釈後の株数は2億6130万株で、評価額は653億ドル(約7兆1110億円)になる。同社の最新のS-1/A文書による単純株数196,760,122(1億9676万余)では、Coinbaseの価値は492億ドル(約5超3580億円)とやや細くなる。

どちらの株数を使って計算しても同社の価値は、2018年の80億ドル(約8710億円)を大きく上回る。

同社の直接上場基準価額の発表直後には「もっと安くてもいい」という声が多かった。Coinbaseは新株発行で株を売ってはいないため、その株価が急上昇してもベンチャーキャピタルから責められることはないが、でも設定した基準価額が、同社の価値の保守的すぎる予想に対する反応なら、ややユーモラスではある。

いずれにしても、同社の非上場時からの投資者にとっては大当たりだ。およそ4年前の2017年には、CrunchbaseのデータによるとCoinbaseの価値はわずかに16億ドル(約1740億円)だ。そのときのラウンドの投資家や、もちろんもっと初期からの資金調達に対しては、1株250ドルの株価はそのときの彼らの出資額の約40倍に相当する。

Coinbaseの直接上場は、同社が2021年第1四半期決算報告の初見を発表したときギアがトップに入った。そのときTechCrunchは、同社の最近の成長は驚異的で、売上は2020第4四半期の5億8510万ドル(約640億円)から、2021年の最初の3カ月は18億ドル(約1960億円)にスケールした、と報じた。その新しい数字は、すでにホットな企業の上場デビューにさらに火をつけた。

今度のCoinbaseがどれぐらいから始まり、どこまで企業価値が高くなるか、この際、賭けてみよう。すごい見せ場になるだろう。

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カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Coinbase新規上場暗号資産

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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上場間近のCoinbase、絶好調の2021年第1四半期決算を読み解く

一般向け暗号資産取引プラットフォームであるCoinbaseの2021年第1四半期決算が発表されたが、成長ぶりは著しく同時に着実に利益を出していることが判明している。

Coinbaseの今回の2021年第1四半期の速報値の発表直接上場を4月14日に控えたタイミングで行われた。同社は巨大な資金力があり、知名度も高いため新株を発行して一括売り出すという伝統的な方法ではなく、直接上場という新しい方式を採用する。

関連記事:Coinbaseが4月14日に直接上場へ、4月6日に最新の財務情報発表予定

我々は今回の発表でCoinbaseが明らかにした最新の数字を2021年の2月25日に公開されたS-1上場申請書の数値と比較して検討した。

  • MTU(月間トランザクション利用ユーザー)は 610万人で2020年末の280万人から大きく成長している。
  • プラットフォーム上の暗号資産は2230億ドル(約2兆4400億円)。2020年末は903億ドル(約9800億円)だった。
  • 取引高は3350億ドル(約3兆6600億円)。2020年末は1931億ドル(約2兆1100億円)。
  • 収入は18億ドル(約2000億円)。2020第4四半期は5億8510万ドル(約640億円)だった。
  • 純利益は「約7億3000万ドルから8億ドル(約800億円から880億円)」で、2020年第4四半期の1億7880万ドル(約200億円)から増加。
  • 調整後のEBITDAは「約11億ドル(約1200億円)」で、2020年第4四半期の2億8770万ドル(約320億円)から増加。

2020年第4四半期から2021年第1四半期までのCoinbaseの成長は極めて大きいため対前年比はあまり意味がない。たとえば2020年第1四半期の収入は1億9060万ドル(約208億8000万円)で2021年第1四半期の10分の1強だった。2021年第1四半期の同社の調整後利益だけでも前年同期の5倍以上だ。

こうした数字は同社が(近づいているとする)1000億ドル(約10兆1000億円)ないしそれを超える会社評価額の根拠を固めるものとなるかもしれない。

Coinbaseはプレスリリースでいくつかの警告を述べている。暗号資産の価値は「短期間で大きく変動するため、四半期末ごとの状態の代わりにサイクル全体の平均を測定する」という。同社はまた、将来暗号資産取引が減少しても投資が現象、停滞することはない述べた。

MTU、取引総額、これにともなう取引収入は現在、将来ともにBitcoinの価格、暗号資産価値の急激な変動により変動する。このため将来の収入の予測は非常に困難であり、四半期ごとの収益性に影響を及ぼす。支出面では、Bitcoin価格が下落する時期があり得ることを認識しているが、そうした時期にも投資を最優先する。これは会社規模をスケールさせることが使命の達成のために必須であり、この業界自体、発展の初期段階にあると我々が信じているからだ。(強調はTechCrunch)

簡単にいえば、収入が減少した場合、短期的に投資家の期待に沿うのではなく、収益性を犠牲にしても将来に向けた企業規模の拡大を優先するということだ。Coinbaseはこの点、投資家へのメッセージを明確にしている。「Coinsbaseは投資家の意を迎えるために四半期ごとの業績を調整しない。そういうことを期待しているなら我々の株を買うべきでない」ということだろう。

将来に関して、Coinbaseは2021年通期の業績についてガイダンスを示している。同社は3つのシナリオを提示した。1つ目は「暗号資産価の時価が増大し、暗号資産価格の変動がが中程度から高程度」という想定だ。この場合はMTU700万人と推定している。第2は「暗号資産時価総額は横ばい、価格変動は低~中程度」の場合で、550万MTU、3つ目は「2018年に見られたような大幅な暗号時価総額の減少が起き、その後の暗号資産価格の変動は低水準」の場合で年間400万MTUを想定している。

しかし、最高のシナリオでも610万から700万MTUを提示しているからといって同社が成長の停滞を予想しているわけではない。同社はリリースの中で「機関投資家による収入」というセクションで「2021年には、機Coinbaseの四半期はばかばかしいほど上出来だったが、これは同社のみにとどまるものではなく、暗号資産ビジネス全体がそうだった。関投資家の関心が高まり、取引手数料およびカストディフィーの収益が意味のあるレベルに拡大する」と予想している。つまりCoinbaseの株を買うことはBitcoinその他の暗号資産の先行きに賭けることとほぼ同義となる。というわけで4月14日はおもしろいことになりそうだ。

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タグ:Coinbase暗号資産新規上場

画像クレジット:Steve Jennings / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:滑川海彦@Facebook

Coinbaseが4月14日に直接上場へ、4月6日に最新の財務情報発表予定

米国時間4月1日に米国の代表的な仮想通貨取引プラットフォームの1つ、Coinbaseは「4月14日に直接上場を行う」と発表した。また同社は別のリリースで、4月6日の取引終了後に財務情報のアップデートを行うとしている。

Coinbaseの上場が迫ってきたのは市場にとって非常に興味深いタイミングだ。ハイテクスタートアップ企業には需要の低下を懸念して株式公開を延期するものも出ていたが、Coinbaseは株式公開に突進している。その理由の1つは、伝統的な新株発行による株式公開に付きものの売出し価格設定を行わないこととにもあるだろう。この直接上場方式では明示的価格設定による新株売出しを行わず、単に基準価格を示すだけで発行済株式が取引所で売買できるようにする。

関連記事:急成長中の仮想通貨取引所Coinbaseが上場申請

Coinbaseが取引開始前に新しい財務情報を発表するというのは興味あると同時に、ありふれた行動でもある。というのもTechCrunchは株式公開を目指す民間企業がこういうタイミングで財務情報を公開した前例を思い出せない。

しかし多くの企業が最初の申請から実際の上場までかなりの時間が経過した場合、S-1申請書で発表した情報を更新することはよくあることだ。つまりCoinbaseが「2021年第1四半期の実績(推定)」と「2021年の財務見通しを提供する」と決めたことはそう珍しい行動ではない。

公表予定の情報はCoinbaseの上場後の取引価格で影響を与えるだけでなく、特に仮想通貨の分野の場合、一般投資家の小口取引がどの程度の割合を占めるかにも洞察を与える。今日の市場では複数のスタートアップでは取引利益によって総収入の重要な部分を生み出している。最新情報の公開は歓迎されるだろう。

Coinbaseの上場後のティッカーシンボルは「COIN」となる。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Coinbase新規上場

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:滑川海彦@Facebook

急成長中の仮想通貨取引所Coinbaseが上場申請

米国時間2月25日午前、仮想通貨取引所のCoinbase(コインベース)がS-1申請書を提出した。同社は直接上場を想定している。同社の株式公開は、Bitcoin(ビットコイン)をはじめとするブロックチェーン資産を巡る最近の活動、物議を醸している政治との関わり民間取引市場における企業価値急騰のためもあって、大きな注目を集めている。

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Coinbaseの財務状況は2019年から2020にかけて急速に成長している。しかも、調整前収支でも利益を上げた。一般に急成長中のテック企業は、調整後利益などのより見栄えのする数値を使いたがる傾向がある。

2019年、Coinbaseは売上5億3370万ドル(約565億6000万円)で3040万ドル(約32億2000万円)の損失だった。2020年には、売上12億8000万ドル(約1356億5000万円)に対して1億2750万ドル(約135億1000万円)の純利益を計上した。

この仮想通貨ユニコーンは2020年に139%以上成長し、2019年の結果から大きく改善した。この会社の規模と成長は、なぜ非上場市場で1000億ドル(約10兆5960億円)もの価値をつける投資家がいるのかを理解する上で役に立つだろう。

Coinbaseの売上は変化が激しい。2020年第1四半期に1億9060万ドル(約202億円)だった売上が第2四半期には1億8640万ドル(約197億5000万円)に下がった。その後Coinbaseの売上は加速され、2020年第3四半期は3億1540万ドル(約334億2000万円)、第4四半期は5億8510万ドル(約619億9000万円)だった。

Coinbaseが、直接上場に向けて前進している理由は単純だ。つい最近最高の四半期を終えたところだからだ。

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その並外れた第4四半期に、Coinbaseの経常利益は2億2660万ドル(約240億1000万円)、純利益は1億7680万ドル(約187億3000万円)だった。これは過去の四半期と比べて質の高い収益性の改善であり、魅力的な年末収支を会社にもたらした。

仮想通貨取引所であるCoinbaseは、売上のほとんどを取引手数料から得ている。Coinbaseには他に、比較すると地味な「サブスクリプションとサービス」売上カテゴリーがあり、2020年第4四半期の売上は2070万ドル(約21億9000万円)前後だった。

さらにCoinbaseは、営業キャッシュフローが2019年のマイナスから2020年は驚くべきプラスに転じた。ただし、Coinbaseが2020年生み出したプラスの営業キャッシュフロー30億ドル(約3718億5000万円)のうち「27億ドル(約2860億9000万円)は仮受保管ファンドの手数料に関わる現金」によるものなので、それを差し引けば理解可能な規模になる。

以上が初見の感想だが、Coinbaseは急成長中で利益を上げ直接上場に向けて準備万端整っているユニコーンだ。今投資家たちの頭にあるのは、歴史的に流動的な仮想通貨に対する市場の関心を反映しているCoinbaseの売上成長をどう評価するかだけだ。

カテゴリー:フィンテック
タグ:Coinbase新規上場仮想通貨

画像クレジット:Steve Jennings / Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:Nob Takahashi / facebook

ビットコインが初めて5万ドルの壁を突破、Coinbaseの直接上場が迫る

米国時間2月16日、Bitcoin(ビットコイン)が初めて5万ドル(約530万円)の大台を突破した。ピーク時の価格は5万500ドル(約535万5000円)強だった。

世界で最もよく知られている仮想通貨であるBitcoinの価格は、仮想通貨業界における消費者の関心と、ブロックチェーンベースの資産の取引活動における合理的な代理であることを歴史的に証明してきた。Bitcoinの価格は最高値以降下降しており、本稿執筆時の価値は4万9000ドル(約519万5800円)強となっている。

Bitcoinは2021年に入って急騰しており、2021年初めの3万ドル(約318万1100円)台から最近の5万ドル(約530万1900円)の節目まで上昇し、66%前後の高騰となった。1年前には1万ドル(約106万円)前後だったBitcoinは、400%上昇したことになる。

投資家や他の分散型トークンの信者にとっては幸運なことに、評価額の上昇を享受しているのはBitcoinだけではない。CoinMarketCapによると、最も高く評価されているブロックチェーン資産の1つであるCardanoは先週に約27%上昇し、時価総額は270億ドル(約2兆8600億円)の大台に近づいている。

急成長する仮想通貨市場に関連した企業は、Bitcoin価格の上昇にともないブームを享受している可能性がある。取引活動や消費者の関心はBitcoinの価格とともに上昇する傾向があり、Coinbaseのような企業は取引活動や消費者の利用から利益を得ていることから、2021年は力強くスタートを切ることができた。

Coinbaseは株式公開を申請しており、近日中での直接上場を目指している

関連記事:暗号資産取引所Coinbaseが直接上場

何がBitcoinや他の暗号通貨の価格を短期的に上昇させているのだろうか?市場が過熱している中で、正確に指摘するのは難しい。ただ1つ言えることは、ほぼすべての暗号通貨が最高値を更新しているのなら、Bitcoinも同様なのではないだろうか。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Bitcoin仮想通貨Coinbase

画像クレジット:Getty Images

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(文:Alex Wilhelm、翻訳:塚本直樹 / Twitter)

暗号資産取引所Coinbaseが直接上場

Coinbase(コインベース)は米国時間1月28日のブログで、直接上場により株式公開を計画していると発表した。

この仮想通貨取引所は2012年に設立され、ユーザーはBitcoin(ビットコイン)やEthereum(イーサリアム)のような分散型トークンの売買ができる。同社は非公開企業として5億4000万ドル(約564億3000万円)以上の資金を調達している。

2020年12月、Coinbaseは内密にS-1をSECに提出していたと発表した。

一般的にはまだその財務状況を確認されていないが、IPOプロセスからオプトアウトしたことがわかっている。最近、直接上場は人気となっており、しばらくのテック系IPO上場初日の暴騰ぶりを考えると、Coinbaseのような企業が公開市場への道を選ぶのは驚くに値しない。

この道を選んだのはCoinbaseだけではない。Robloxは2020年後半のIPO市場を観察した後、自社のIPOを延期し、代わりに直接上場を選択した。

直接上場により、企業は新しい株式のブロックを価格設定して売却する必要がなくなるため、従来のIPOの要素をスキップできる。その代わりに企業は、単にその株式を公開するだけで取引に利用できるようになる。もちろんすべての企業が、自分たちが魅力的であると証明するのに十分な知名度があるわけではないため、直接上場企業は新しい一次資本を調達する能力を失う。有名で裕福な企業なら、直接上場が最も魅力的だと感じるかもしれない。

ここ数カ月、テクノロジー企業のIPOには非常に好意的で、投資家たちはいわゆる「デジタルトランスフォーメーション」を支援できるテクノロジー企業を支援しようと躍起になっている。仮想通貨市場が一般公開市場と同じ水準になれば、Coinbaseは取引を開始したときにかなり有利な立場に立つ可能性がある。

消費者の仮想通貨への関心、取引量、Bitcoinの価格には、一般的な相関関係がある。Coinbaseはユーザーの取引から収入を得ているため、最近のBitcoin価格の上昇が同社の業績に貢献したと推測するのも無理がない。

Coinbaseの発表は、ソフトウェア会社のQualtricsが米国時間1月28日に株式を公開したのと合わせて実施された。同社の株価は同日の取引だけで50%近く上昇した。この仮想通貨会社がS-1の公開申請を提出した際には、さらに詳細が発表されることになる。

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:CoinbaseIPO仮想通貨

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(文:Lucas Matney、Alex Wilhelm、翻訳:塚本直樹 / Twitter

苦情が相次ぎCoinbaseがカスタマーエクスペリエンスの向上を約束、ビットコイン人気に追いつかず

Coinbase(コインベース)は問題を抱えている。Bitcoin(ビットコイン)への関心が価格とともに急上昇する中、引っ張りだこになったこの仮想通貨取引所は、気がつくとカスタマーサービスにアクセスできない顧客からの増え続ける怒りの的になっていたのだ。

Twitterをざっと見れば、すぐに話が伝わってくる。同社サービスの動揺したユーザーのひとりは、米国時間1月15日朝にこうわめき散らしていた。「ここ1ヶ月に複数の問題で$$$(大金)損した、いくつも未解決のケースがあるのに応答は0%って??いつ助けてくれるんだ、それとも知らないふりして忘れる方が簡単ってことか。上場して、そう簡単にはいかないぞ。もうすぐ[SEC](米証券取引委員会)に連絡するつもりだ」。

似たような苦情はたくさん(実にたくさん)見つかる。

完全な開示のために加えると、筆者も今週、同社のサポートスタッフに6通以上のメールを送り、10日間で1回ツイートした後、同社のカスタマーサービス業務の詳細を尋ねたが、何の回答も得られなかった。(私は2018年にEther(イーサ)を同プラットフォーム上で1ユニット購入し、2年近く前にロックアウトされていた自分のアカウントにアクセスしたいと思っていた。)

認められる点は、Coinbaseは米国時間15日に声明を発表し、サービスを改善すると約束したことだ。同社のカスタマーサクセス担当副社長であるCasper Sorenson(キャスパー・ソレンソン)氏は、同社のブログで、Coinbaseは「仮想通貨経済への関心が高まっているこの時勢に、より良いカスタマーエクスペリエンスを提供することを約束する」と書いている。 同社によると、これからチームの人員を増やし、(今は驚くほど少ない)セルフサービスのオプションを増やし、「ヘルプセンター」を拡大し、初めての投資家、経験豊富な投資家、そしてその中間のすべての人のためのワンストップショップとして、新しい教育サイト「Coinbase Learn」を立ち上げるという。

おそらく最も意味がある部分は、Coinbaseは今後数ヶ月のうちにCoinbaseの担当者とのライブメッセージングを開始すると言っていることだ。現在、Coinbaseはライブサポートをまったく提供していない。ヘルプサポートの電話回線は、アカウントの凍結を希望するユーザーのみが利用できるようになっており、自動化されている。(顧客への反応が遅いという事実は裏を返せば、規制された銀行と密接に連携しているCoinbaseが、セキュリティ問題に真剣に取り組んでいることと結びつくかもしれない。)

いずれにしても、同社は上場企業としてますます一般化してきたユーザーのためにはるかに多くのことをしなければならないだろう。規制当局が同社の不満な顧客に大きな関心を持つことは間違いないだろうし、そうでなければ既存の顧客や潜在的な顧客をライバルに失うことになるからだ。今では毎日記録的な仮想通貨の取引をしている国際的な決済の巨人PayPalから、Robinhoodのような投資ブローカーまで、選択肢は増え続けている(もう一つのますます主流になってきたオプションは、信託が店頭で公開されているGrayscaleのようなようなデジタル資産運用会社だ)。

この問題への更なる取り組みは、極めて遅い歩みに見える。Coinbaseは、ビットコインの浮き沈みの激しい変動に比例した苦情の急増に対処してきたと思われるが、サンフランシスコで設立されもうすぐ9年になるこの企業にとって、カスタマーサービスは継続的な問題となっていた。

2018年、Mashableは5ヶ月間のFOIAプロセスを経て、SECとカリフォルニア州事業監督局に提出された134ページの苦情を入手し、浮かび上がった実態は「新規投資家に市場を開放しているクリプトカレンシー空間の責任ある当事者ではなく、むしろ自社の成功に圧倒されている準備不足の企業」であったと当時報じている。

米国時間15日、Coinbaseのプロセスがどのように変化したのか、1200人以上の従業員のうち何人がカスタマーサポートに注力しているのか、最新の顧客数を共有できないのか、などの質問を受けたが、現在はSECが義務付けた沈黙期間中であるCoinbaseはコメントを差し控えた。

Crunchbaseによると、Coinbaseはこれまでに5億4730万ドル(約567億3000万円)のベンチャー支援を受けてきた。現在、最新のファンドで最大37億5000万ドル(約3887億4000万円)を調達しているTiger Global Managementは、Coinbaseのもっとも最近のプライベートラウンド、2018年にクローズした3億ドル(約311億円)のシリーズEを主導し、Coinbaseのポストマネー評価額を80億ドル(約8293億円)とした。

同社は昨年9月、創業者兼CEOのBrian Armstrong(ブライアン・アームストロング)氏が、社員が政治的な活動や議論を職場で行うことを公に禁止し、この方針に不快感を抱いた社員に退職金を提示したため、5%以上の社員が退職した。

約60人の従業員がこの申し出に応じたとCoinbase自身が後に明らかにしている。

CoinbaseのIPOは多くの人が待ち望んでいたが、ワシントンD.C.での(政権)変化が、同社や他の取引所に打撃を与える可能性がある。

Coinbaseの前最高法務責任者であるBrian Brooks(ブライアン・ブルックス)氏は昨年夏、通貨会計検査官事務所(OCC)の臨時責任者に任命されたが、彼は他の暗号通貨に配慮した取り組みの中で、銀行が暗号資産カストディアンと提携し、ステーブルコイン(Stablecoin)を使った決済を行うことができると宣言した解釈書や声明を発表した。

これらの手紙や発表がどれだけの重みを持つのか、はっきりとは明かされなかった。先週、ブルックス氏の最新の解釈書簡について質問を受けたFDICは、金融機関がブロックチェーン上のノードとして参加し、支払いを保存または検証することができると述べたが、電子メールでの回答の中で、コメントはないとも答えている。

先週、ブルックス氏の書簡が米国の金融政策の変更を示唆しているかどうかを尋ねられた米財務省は、TechCrunchの取材要請に応じなかった。

いずれにせよ、ブルックス氏の時代は終わった。新政権が誕生し、今週、ブルックス氏は辞任し、後任にはOCCで長いキャリアを持つBlake Paulson(ブレイク・ポールソン)氏が就任する。この交代で、仮想通貨に対するOCCの姿勢がどのように変わるのかという疑問が残る。

一方、SECのトップには元金融規制当局者であり、最近ではM.I.T.で教鞭をとっていたGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)の社員でもあるGary Gensler(ゲイリー・ゲンスラー)氏が指名されると予想されている。また、先月、就任して3年で退任したウォール街の弁護士Jay Clayton(ジェイ・クレイトン)氏よりも、1兆ドル(約104兆円)規模のクリプトカレンシー市場への監視体制が強化されることも期待されている。

関連記事:Coinbaseが米商品先物取引委員会の指導に従い信用取引を中止

カテゴリー:フィンテック
タグ:Coinbase 暗号資産

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(翻訳:Dragonfly)

Coinbaseが米商品先物取引委員会の指導に従い信用取引を中止

Coinbase Proで信用取引を開始してからわずか数カ月後(未訳記事)、同社はこの機能を無効(Coinbaseブログ投稿)にする。信用取引ではレバレッジをかけて取引を行うことができるが、これは双方向で機能し、逆に利益と損失を倍増させる。

太平洋時間11月25日午後2時から、ユーザーは新たな信用取引ができなくなる。既存の信用取引のポジションは、数日から数週間で失効する。これらのポジションの有効期限が切れると、信用取引は永久に無効となる。

Coinbase(コインベース)は米商品先物取引委員会 (CFTC) の指針に従っている。興味深いことに、CFTCは同社の信用取引開始計画をよく知っていた。

Coinbaseによると、CFTCとは定期的に話し合いを持ち、今後の商品やサービスについての注意喚起を行っているという。また、信用取引でも同じことを行っていた。

信用取引はCoinbaseのメインウェブサイトでは利用できなかった。信用取引はCoinbase Proの一部のユーザーに限定されており、利用できるユーザー数には上限が設けられている。

しかしCoinbaseが規制面での方針転換を予想できていたら、信用取引を開始することはなかっただろう。10万人以上のユーザーが待機リストに登録しており、Coinbaseのユーザーからの関心を示している。

しかしCoinbaseは現行の規制に可能な限り準拠しようとしているため、信用取引を終了するしかない。米国で運営されている他の取引所が同社に追随するかどうかが注目される。

カテゴリー:フィンテック
タグ:Coinbase暗号資産
画像クレジット:Chesnot / Getty Images

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

仮想通貨取引所Coinbaseが米国でデビットカード発行へ、Visaと提携

仮想通貨取引所のCoinbase(コインベース)はこの冬、米国でデビットカードの提供を始める。顧客はウェイトリストに登録でき、利用可能になり次第、Coinbase Cardを受け取れる。Coinbaseは同カードをすでに英国と欧州で展開している。

Coinbase CardはVisaを扱う決済端末、オンライン決済インターフェース、ATMで使えるVisaデビットカードだ。ユーザーはモバイルアプリで仮想通貨をいくら使うのかを管理できる。米国では、顧客はサインアップした後すぐにバーチャルのカードを取得し、2週間以内に実物のカードが届く。

店舗で仮想通貨を使うのにユーザーは仮想通貨を換金する必要はない。決済が発生したときにCoinbaseがユーザーに代わって処理する。だからこそ、今後の決済のために使う仮想通貨残高をユーザーがアプリ内で選べるようになっている。

Coinbase CardはUSDCを含め、Coinbaseで現在利用できる多くの仮想通貨に対応する見込みだ。Coinbaseは欧州の顧客向けに別のアプリをリリースしたが、米国ではメインのCoinbaseアプリからデビットカードを管理できるようになる。カードは顧客のCoinbase口座から直接カード代金を引き落とす。顧客は別のウォレットにトークンを移さなくてもいい。

米国では、Coinbase Cardユーザーはポイントも付与される。Stellar Lumensでは4%、Bitcoinでは1%のポイントがもらえると同社はいう。貯まったポイントで1度に1つのリワードが選べ、リワードは定期的に更新される。

欧州と異なり、米国では発行手数料を払う必要はない。しかしいくつかの手数料がある。Coinbaseは2.49%の通貨換金手数料を取る。しかし1つだけ例外がある。USDC残高を使用する際は、デビットカードでのUSDCによる支払いに手数料はない。

通貨換金手数料に加えて、海外決済手数料やATM利用制限もある。しかし一部の顧客は利便性を重視するかもしれない。実在店舗で買い物するとき、デビットカードはビットコインウォレットよりずっと使い勝手がいいのは事実だ。

カテゴリー:フィンテック
タグ:Coinbase仮想通貨Visa

画像クレジット:Coinbase

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(翻訳:Mizoguchi