ドローン市場の先駆者Parrot、ブレイクのきっかけは音声処理だった


スタートアップ業界に関する日本最大のイベント「TechCrunch Tokyo 2014」では、多数のプログラムが開催された。テックトレンドのセッションの中で注目されたのが、無人飛行デバイス、いわゆるドローンについての講演。

現在注目の市場であるドローンは本誌でも連日記事が登場しているが、今回は開催前の予告記事でも紹介されたように、ドローン市場の先駆者であり、代表的メーカーであるParrotから、JPAC地域担当バイス・プレジデント兼マネージング・ディレクターのクリス・ロバーツ(Chris Roberts)氏が登壇。これまで日本ではあまり知られていなかった、同社がドローンに参入した意外なきっかけやドローンの可能性に関して語った。

音声処理から出発し、Bluetooth機器、そしてドローンへ

Chris氏はまず、同社の沿革とともに、なぜドローンを手がけたのかを紹介。パリに本社を構えるParrotは、もともと音声を中心としたデジタル信号処理を手がけるメーカーとして出発。90年代前半にBluetooth製品を手がけたことで、音声処理とも関わりが深いオーディオやマルチメディア系の製品、そして自動車関連機器に手を広げる。

とくに自動車関連機器では、同社が得意とする音声処理とBluetoothを活かしたハンズフリー技術を使った機器で支持を得て、多くのOEM先を獲得した。

現在Parrotの事業は大きく分けて3ライン(上図参照)となっており、1つがこの自動車関連機器という。残りの2ラインは、コンシューマー用のBluetooth接続オーディオ機器や、スマートフォン用ヘッドセットが1つ。これを同社は「Connected Objects」と表現している。

ここでChris氏は、Connected Objects分野での最新製品として、ノイズキャンセリング搭載Bluetoothヘッドフォン「Zik 2.0」と、Wireless Plant Monitorとジャンル名の付いた新製品「Flower Power」を紹介。後者は植物の脇に刺し、太陽光量や外気温、肥料濃度、土の湿度をモニターできる。つまり園芸に関連した機器となるわけだが、これは同社にとっても新ジャンルであり、大きく期待していると紹介した。

「ドローンはBluetoothで何が繋がるか、という発想から生まれた」

そして最後の1ラインがドローンとなる。ここでまずは「なぜドローンをビジネスとして手がけようと思ったか?」という点から紹介。「弊社のビジネスにおいて、ドローンは他のジャンルとの繋がりがないのでは? と言われるが、実はテクノロジーでは繋がっている」とChris氏は語る。とくに大きなトピックはBluetoothレシーバーの小型化。つまり同社にとってドローンはBluetoothで繋がる機器としての位置づけがあったという。「Bluetoothでどんなものが繋がるか、インスピレーションした結果だ」。

続けてそうした取り組みを証明するかのように、2005年に社内で開発していたというBluetooth接続のカメラ搭載ラジコンカー、プロジェクト名「BTT」(Bluetooth Toyの略)の試作機を紹介。Chris氏は当時、Parrot創業者のHenri Seydoux氏に「これは車だが、いつか飛ばしてみせる」と紹介されたという。つまり、当時からドローンの構想はできており、テクノロジーが整うのを待っていたということだ。

本格的な開発は2006年に決定したが、当時は社内でも、非常にクレイジーな計画と思われたとChris氏。実は当時の視点では、本体よりもむしろ手頃なコントロールデバイスがないほうが問題だったという。Bluetooth接続機器はヘッドセットやフィーチャーフォンが主流だったためだ。「しかし、2007年にiPhoneが登場し、続いてiOSアプリの開発が可能になった。突然イネーブラーとなりうる技術が登場した」。

ここから3年間の紆余曲折があったが、同社は2010年に初代「AR.Drone」を発売。開発にあたっては、安定した飛行で有利なクアッドコプター形状としながらも、さらに安定性を重視。「14歳の女性でも安定して飛ばせることを目標に、私たちのDSP技術をドローンの姿勢制御に応用した。OSにはLinuxを用いており、ファームウェアと合わせた機体制御には我々ならではのノウハウが多数盛り込まれている」と紹介した。

ここで実際に壇上で、現行製品であるAR.Drone 2.0をデモ飛行。機体自体を垂直方向に数回転させるアクロバット飛行テクニック「Flip」を含めて所狭しと壇上を飛行させ、実際の安定性を印象づけた。

プロ用ドローンの市場は順調に拡大

続けて、AR.Droneより小型となるクアッドコプタータイプの新製品「Rolling Spider」と、ジャンプ可能な走行型ドローン「Jumping Sumo」、さらに年末発売予定となるAR.Droneの第3世代「BEBOP Drone」を紹介。

前者2モデルはすでに発売しているが、BEBOPは未発売の製品。180度という超広角撮影が可能で、かつ3軸の角度制御が可能、さらにブレ補正も強力になったカメラをはじめ、Wi-Fiによる接続とオプションの専用コントローラーやVRヘッドセットへの対応などを「従来機に比べても大きく進化している。私たち自身も楽しみにしている製品」とアピールした。

続いて、プロ用ドローンの市場について紹介。農業分野や鉱山調査をはじめとする広大な土地状態の目視検査や、3Dマッピングによる地図データ製作といった精密測量用途での需要が増している点を強調した。

同社が買収したプロ用ドローンメーカー、Senseflyの次世代製品「eXom」についても紹介。eXomは高度な超音波センサーを備えたことで精密な障害物測定が可能となり、狭い箇所や複雑な地形下での飛行安定性が向上。さらにカメラの画質も向上しているという。

最後にChris氏は「時間が数分ありますので、BEBOP Droneのデモ飛行をお見せしましょう。日本では初めてです」と発言し、試作機のフライトを披露して観客を再び沸かせ、セッションはクローズ。「ハイテクとは楽しめるものでなければならない」(Chris氏)というParrotの姿勢が強く打ち出されたセッションとなった。


中国(も)、対ドローン・レーザー兵器を開発

中国が対ドローンのレーザー兵器を開発したようだ。半径2km以内を低空で飛行するドローンを撃ち落とす能力があるのだとのこと。

新華社が伝えるところによると、このシステムはChina Academy of Engineering Physics (CAEP)と共同で作り上げたものであるとのこと。小型ドローンであれば、ロックオンして5秒以内に撃墜できるのだそうだ。

対ドローン兵器としてレーザーを用いるのは、銃やヘリコプターで応戦するよりも、精確に排除するためなのだそうだ。30台以上のドローンを相手にテストしてみたところ、100%の作戦成功率を誇っているのだとのこと。

兵器はトラックに設置して移動式で利用することもできるのだそうだ。都市部で開催される重大イベントのセキュリティ対策に利用できるのだとしている。

撃墜できるドローンの最大サイズがどの程度なのかといった詳細な情報は公開されていない。ただ、高度500m以下でかつ50m/s以下の速度である必要があるようだ。より大きなドローンにも、そして対応可能距離なども広げたものを開発中であるとCAEPは言っている。

ドローンの価格は低下する一方であり、誰でも(どのような組織でも)利用できるようになりつつある。レーザー防御システムは、そのような時代背景の中で考案され構築されたものなのだそうだ。テロリストや、公衆に対する暴力行為を企図する組織も、さまざまな情報を入手して実際に攻撃をしかけることができる時代になっている。そのような相手に対し、適切な防御手段を持っている必要があると考えているわけだ。

なお、フランス電力会社(EDF)も、先月に未確認のドローンが7つの原子力発電施設の上を飛行していたとして調査を開始したのだとのこと。ドローンをコントロールしていたのが誰かについてはまだ明らかになっていない。しかしいずれにせよ、原子力発電施設のような重要施設に対するアプローチ手段が、広がってきていることは間違いない。

ちなみに米軍も対ドローン・レーザーを開発中だ。下のビデオではボーイングによるものを紹介している。ミサイル迎撃などを予定していた高出力レーザー兵器が、対ドローン兵器として用いられつつあるようだ。

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(翻訳:Maeda, H


シルク・ドゥ・ソレイユがドローンと共に生み出す世界

シルク・ドゥ・ソレイユは、主に「人間の身体」を強調するパフォーマンスで有名だろう。そのシルク・ドゥ・ソレイユだが、最先端のテックについてもパフォーマンスへの取り込みを考えているようだ。

チューリッヒ大学およびカナダのプロダクションであるVerity Studiosと協力し、ドローンの編隊をランプシェードのようにして扱う作品をクリエーターズ・ワークショップにて発表した。詳細はビデオを見てみて欲しい。

個人的には、ここ数年で何度かシルク・ドゥ・ソレイユを鑑賞した。毎回、少なくともひとつはどのようにして実現しているのかがわからないパフォーマンスがある。ここにステージや、あるいは観客の上なども自在に飛び回ることのできるアクターが加われば、これまで以上に不思議世界が現前することになるのかもしれない。

下に紹介するのはメイキングおよび解説映像だ。上に掲載した完成版とあわせてお楽しみいただきたい。

[via BoingBoing]

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(翻訳:Maeda, H


写真撮影スタジオのライティングを無人機(ドローン)にやらせてプロカメラマンの生産性を大幅アップ

MITで行われている研究は大胆不敵で、人をあっと言わせるものが多い。この、無人機の編隊を使った写真撮影用の自動照明装置も、その例外ではない。プロトタイプは8月に行われる、「グラフィクスと視覚化と画像処理におけるコンピュータ利用の美学」(Computational Aesthetics in Graphics, Visualization and Imaging)に関する国際シンポジウムでデモされるが、それは軽量の無人機を一機だけ使ってバックライティング(逆光照明)を作り出し、被写体の縁(ふち)の部分の光を強調する。

初期のシステムでは、写真家が照明が及ぶ範囲(幅)を指定すると、無人機が適切な位置に空中停止して適切な照明を作り出す。また、照明==無人機の三次元の位置を、写真家はリアルタイムで調節できる。そしてまた、位置調整を、人間などの被写体の動きに自動的に合わせることもできる。これにより、ライティングの微妙な変化による大きな写真的効果を作り出すことができる。

設計者の一人Manohar Srikanthによると、無人機をコントロールするコンピュータに毎秒20回の撮影をさせることにより、これまで写真家自身が(==カメラが)あちこち動いて検討していた構図の決定を、より効率的にできるようになる。コンピュータが撮ったそれらの写真はカメラのメモリには保存されず、コンピュータのストレージに保存される。量が多いためカメラ本体への保存は無理だ。

このシステムの将来のバージョンでは、複数の無人機をコーディネートしながら飛ばし、より複雑な照明効果を作り出す。複数の照明器具のセッティングは、いわゆる‘組み合わせ’の数が膨大なので、人間が手作業でやると、膨大な試行時間を費やした挙句、最高の美を得るためには天才的な勘の助けを借りなければならない。それを複数の無人機の編隊と、それらに対するコーデネイションプログラムがやれば、相当な費用と時間を節約できる。プロの写真家たちの、生産性も上がるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


GoProを搭載してユーザーを自動追尾飛行するドローン、AirDogとHexo+がKickstarterに登場

AirDogをご紹介しよう。GoProを搭載して自律飛行するアクションスポーツ撮影用ドローンだ。

現在ホームメードのアクション・スポーツビデオの多くは、GoProのようなアクションをカメラをストラップなどでユーザーの体などにくくりつけて撮影されている。その結果、動画はほとんどが一人称視点になってしまう。しかし最近普及が著しいドローン・テクノロジーを使えば、これまでプロしか可能でなかった空撮が可能になる。

この問題に対するラトビアのスタートアップ、Helico Aerospace IndustriesのソリューションがAirDogだ。今日(米国時間6/16)、この完全自動飛行が可能なアクションスポーツ撮影用ドローンがKickstarterでクラウド・ファンディングを開始した。

Helicoのファウンダー、Edgars Rozentalsは「“GoProはアクションスポーツ・ビデオに革命を起こした。しかし一人称視点の動画ばかりでは、たとえばサーファーが乗っている波が実際どのくらい巨大なのかは十分に伝えられない。しかしたとえドローンを使っても空撮にはリモコン飛行の技術をもった写真家の協力が必要で、おそろしく金がかかった」と開発の動機を語った。

GoProを搭載するリモコン・ヘリならこれまでにも開発されている。しかしAirDogがユニークなのは完全自動飛行できる点だ。ユーザーはAirLeashという腕時計タイプのコントローラーを装着するだけでよい。するとAirDogはAirLeashを自動的に追尾する〔leashは犬などの引き綱の意味〕。離陸も着陸も自動だ。飛行中はジャイロ安定化テクノロジーにより、ユーザーを常にフレーム内に捉え続けるという。

念のために申し添えると、私はまだこのデバイスをテストしていないしライブのデモも見ていない。しかしスペックとしてはすばらしいものだ。

Rozentalsによれば、AirDogは折りたたみ式でバックパックに収納してどこにでも持ち運べる。組み立てたらユーザーはAirLeashを腕ないいヘルメットに装着してボタンを押すだけでよい。するとAirDogは望みの高度、アングルを保ってユーザーを自動的に追尾飛行するという。

GoProはアクション・スポーツ・カメラという巨大な市場を創造した。Helicoはこの大きな波に乗ろうとしている。

ただしAirDogはやはりその高機能に見合う価格となっている。最初100人のアーリーバード枠が995ドルからだ。

ドローンの重量は1.7 kg、AirLeashとの通信には長距離Bluetoothを利用し、スピードは時速64km、飛行時間は10分から15分。23ノット(秒速12m)までの風で運用できる。

AirDogの出荷までには1年ほどかかるもよう。

アップデート:なお昨夜はKickstarterでHexo+というGoPro搭載自動飛行ドローンのプロジェクトもスタートしていた。こちらはすでに目標額を達成。

〔日本版〕Hexo+はスマートフォンアプリから撮影アングル、距離を簡単に指定できる。。最高速度は70km、飛行時間は15分程度。MAVLINKプロトコルでユーザーのスマートフォンと通信して自動追尾する。ジャンプ系スポーツの場合は軌道を予測して追尾する機能がある。 現在のプレッジ価格はは599ドルから。Hexo+の方が高機能かつ開発も進んでいる印象。

下にHexo+のデモビデオをエンベッドした。すでにライブのデモが行われている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ドローン+Oculus Rift+頭の動きに連動するカメラ=空を自由に飛び回る!

ドローンに2台のカメラを取り付けて、その画像をOculus Riftに送るというのは楽しいに違いない。ただ、そうした試みは既にある。それでは、このアイデアをさらに進めてみよう。Oculus Riftを装着した人の動きに応じて、ドローンに取り付けたカメラも動くようにするのだ。

この仕組みを使えば、自分自身がドローンとなり空を飛ぶ。目の前に空からの風景がリアルタイムで表示されるのだ。顔を動かせば、それに応じて視界も動く。

これはかなりスゴイ。アイデアだけでも「なるほど!」と言いたくなるが、既に実機も製作されている。下のデモをご覧あれ。

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(翻訳:Maeda, H


Google、Facebookも狙っていたと噂の長時間滞空ドローンのTitan Aerospaceを買収

なかなかドラマチックな展開となった。Wall Street Journalによれば、Googleは高空に長時間滞空するドローンのTitan Aerospaceを買収した。

このスタートアップは最近、Facebookが買収のターゲットにしているという噂が流れていた(こちらはTechCrunchの記事)。Googleの買収の詳細は明らかになっていないが、Facebookはこの発表の直前にTitan Aerospaceのライバルでイギリスのスタートアップ、Ascentaをインターネット接続網の世界的展開のために買収している。

AscentaとTitan Aerospaceは共に大気圏上層に長時間滞空できるドローンの開発を目的としている。これによって世界のどんな辺鄙な場所にも安価なインターネット接続を提供しようという計画だ。WSJによれば、GoogleはTitanAerospaceのテクノロジーとノウハウをProject Loonに利用するという。Googleが取り組んでいるこのプロジェクトは高空を漂う気球によってインターネット接続を提供しようというものとされている。

しかしProject LoonだけがTitanのどローンの使い道ではないはずだ。このドローンを使えばリアルタイムで地表の高精細度画像を得られるから、マップの強化に大きな効果がある。「災害救援や環境保護にも役立つだろう」とGoogleの広報担当はWSJに語った。しかしやはり最大の目的は、Facebookもそうだが、これまでインターネットが普及していなかった地域への高速接続網の提供だ。両社とも世界指折りの大企業になったことに安住せず、新たな帝国づくりに熱意を燃やしている。

GoogleやFacebookのような大企業に買収されるというエグジットがTitanのようなスタートアップにとって現実的でもあれば有利でもあるという点についてはわれわれのSarahPerez記者がTitanがベンチャーキャピタリストの強い関心を呼ぶという記事で説明している。Titanの大型ドローンは6万5000フィート(20km)上空を太陽電池を動力にして3年にわたって飛び続けることができるようにすることが目標だ。しかし最近開発に必要な巨額の資金の調達が難しくなっていると報じられていた。

Googleも最近、Project Loonで利用する予定のプロトタイプの気球が驚くほど短期間で地球を一周することを実証するデモに成功している。しかしインターネット接続を提供する上で、操縦可能で災害救援などの緊急事態にも対応できるドローンの方が何かと便利であることは否めない。 気球とドローンの双方を利用するハイブリッドシステムも研究されているかもしれない。

Titan Aerospaceは、Googleのロボット・テクノロジー関連企業の買収の最新の例でもある。 Googleはこれまでロボット事業の新たな総責任者、Andy Rubinの指揮のもと、Boston Dynamicsはじめ7社の有望なロボット企業を買収している。 Googleのロボット事業に対するビジョンは謎めいた部分が多いが、Titanの場合は目的がはっきりしている珍しい例といえるだろう。

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AR DroneのParrotが、超小型MiniDroneとジャンプする転がりロポット、Sumoを発表

フランスのBluetooth会社転じてドローン・メーカーのParrotが、CES 2014に新しいハードウェアをいくつか持ち込んだ。全く新しいスマートフォン制御によるロボットだ。一つは、転がってジャンプするSumo、もう一つはMiniDrone、同社AR Droneの超小型バージョンで、空中を飛び、転がり、天井や壁を這い回る。

このMiniDroneは並外れて小さく、フルサイズのAR Droneの1/10ほどのサイズしかないので持ち歩きは非常に簡単だ。もしそうしたければ、ポケットに入れても問題はない。小型化を優先するためにカメラは取り除かれたが、取り外し可能な車輪がついたので地上を転がることができる — あるいは、アクロバティックに壁や天井を走りまわることも。


Sumoは、2輪の地上専用ユニットで、大型のAR Drone同様カメラを搭載し、足を内蔵しているので、かなりの急停止や空中80センチまでのジャンプも可能だ。その苦楽浮沈のライフスタイルに耐えるべく作りは少々頑強で、最近発表されたSphero 2Bを少し思い出させる。

MiniDrone、Sumo共に正確な出荷日は不明だが、CEOのHenri Seydouxによると「近日」発売される予定で価格はまだ決まっていない。私はSeydouxに、2つのデザインがどうやって生まれたのか、ユーザーのリクエストやフィードバックによるものなのかを尋ねたところ、どちらもParrotが思いついたもので、それは「面白いことがしたかった」からだと言っていた。

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(翻訳:Nob Takahashi)


ドローン・ヘリはもはやオモチャではない―UVS Aviaはクアドコプターを遭難者捜索や原子炉監視などのために開発

自律飛行クアドコプターに関する商業的関心は世界中で拡大中だ。最近もAirwareがAndreessen Horowitzから1070万ドルのベンチャー資金を調達しているし、AngelPadが投資するDroneDeployも話題のスタートアップだ。この分野にはベンチャー投資家と起業家が殺到しつつある。

このトレンドは世界の反対側でも起きている。ロシアのUVS Aviaは原子力炉や核廃棄物処理場の監視、遭難者の捜索などに利用できるハイエンドのマイクロ・ドローンの開発を行なっている。

このクアドコプターは重量1kgで、高度100m以上を1時間にわたって飛行できる。価格はさすがに4万ドルもするが、これはロシアの税制によって本体価格とほとんど同額の税金がかかるためと、販売ターゲットとして官庁、軍などを想定しているためだ。ホビー向けの市販クアドコプターは数百ドルしかしないが、15分くらいしか飛べない。これまでにUVS Aviaは数十機の販売に成功しているという。

この機体には赤外線カメラ、暗視カメラを装備できる。また原子炉や放射性廃棄物処理場の上空を飛ぶ場合は放射線防護装置を取り付けられる。

「ホビー向け製品の重量はだいたい100gだ。こちらは1kgだから桁が違う。すべての機能が優れているし、はるかに強固だ」とCIOのMaxim Shaposhnikovは言う。

「こうしたハードウェアはやがて値下がりすることになるが、そうなったときにものをいうのは優れたソフトウェアだ。軍用も含めて多くのドローンは人間が操縦する。しかしわれわれは完全な自律飛行を目指している。最終的には自動的に再充電しながら何ヶ月も飛行できるようにしたい」とShaposhnikovは述べた。

さらにもう一つ開発中のソフトウェア機能は、ドローン相互のコミュニケーションだ。「やがて100機以上のドローンがネットワークを作ってひとつの都市全体を完全に自動でモニタできるようになる」とShaposhnikovは言う。「この業界では皆同じ考えだと思うが、5年後にはドローンの機体価格は大幅に値下がりしているだろう。5時間くらい連続飛行できる新しいバッテリーも開発されているだろう。すべてが進歩する中で差別化のカギとなるのはやはりソフトウェアだ」。

UVS Aviraは非公開のエンジェル投資家から300万ユーロを調達している。

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アフガニスタンの英軍地上部隊が10cm x 2.5cmの無人ヘリを実戦投入

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英軍地上部隊は長さ10cm、幅2.5cmのミニ監視ドローンをアフガニスタンで実戦テスト中だ。「武装勢力の発砲地点を探索したり、開けた場所を横断する際に事前に危険の有無をチェックしたりするのに実に効果的なツールだ」と Christopher Petherbridge 軍曹が語っている

このBlack Hornet Nanoは見たところまったくもってオモチャのヘリだが、最高時速35kmで30分飛行することができる。遠隔操作の最大距離は800mほどだ。イギリスに本拠を置くMarlborough Communicationsは英国防省から2000万ポンド(3100万ドル)の契約を得てこの無人ヘリを160機供給した。

ヘリ自体を開発したのはノルウェーのProx Dynamicsで、事前のプログラムによりGPS情報を利用して自律飛行可能だ。

そのうちBlack Hornet Nanoが市販されたらクリスマスのプレゼントとして大人気になると思うがどうだろう?

〔こちらの記事には鮮明な写真あり。〕

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