freeeがマネーフォワードを提訴、勘定科目の自動仕訳特許侵害で

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注目を集めるFintech業界だが、スタートアップ企業が競合スタートアップ企業を提訴するというニュースが飛び込んできた。

クラウド会計を提供するfreeeが、同じく家計簿やクラウド会計を展開するマネーフォワードに対して特許権侵害を理由とした「MFクラウド会計」の差止請求訴訟を東京地方裁判所に提起したとことが明らかになった。freeeはマネーフォワードと協議を行ったものの進展が見られなかったことから止むを得ず今回の提訴に至ったとしている。

ここで問題となっている特許はfreee創業者で代表取締役の佐々木大輔氏らが2013年10月に出願して2014年3月に登録(成立)された、勘定科目の自動仕訳に関する特許「第5503795号」だ(参考リンク)。

この特許は「会計処理装置、会計処理方法及び会計処理プログラム」と名付けられたもので請求範囲は広い。まず各種金融機関やクレジットカード会社などからスクレイピングしてきた取引情報について、そこに含まれる文字列などから対応テーブルに基いて仕訳項目を自動判別する機能が含まれる。ほかに、中小企業や個人利用者の利用実体に即した機能についても言及がある。具体的には、企業会計の原則である「発生主義」について、個人事業主などでは時期的制約が緩やかであるという実情に沿ったプログラムを提供するとしている。freeeは2016年に入ってからもAIを用いた精度の高い自動仕訳機能で特許を取得したとしていて、TechCrunch Japanでも6月に記事にしている。一方マネーフォワードは8月末に「機械学習を活用した勘定科目提案機能」を発表している。

freeeは「企業が多くの試行錯誤を経ながら取り組んだ技術開発の成果は正当に保護され、尊重されるべきであり、スタートアップ業界においても各社が独自技術の開発に注力し、ユーザー便益を最大化するサービ スが淀みなく生まれていく環境を整えていく必要」とコメントしている。

具体的にどの機能や、特許の請求範囲が侵害であるとしているのか現時点では不明だ。マネーフォワード側は「特許侵害の事実はないと考えています。裁判の手続きの中で明らかにしていきたい」としている。

freee、マネーフォワードともそれぞれ累計約約52億円、約48億円と大型資金調達をして急成長しているとはいえ訴訟はリソースを食う。クラウド会計サービス市場を牽引してきたスタートアップ企業2社による訴訟は業界で波紋を呼びそうだ。

【追記】2社で「協議を行った」というfreee側の主張について、マネーフォワード側は「協議の日程候補をご連絡いただきましたが直近であったため、別途当社から日程をお送りいたしました。弊社からの候補日を取り合っていただけず、その後訴状が届き本件訴訟へと至っております」とコメントしている。一方、TechCrunch Japanからfreeeに対して具体的な「協議」の時期や回数、方法、協議参加者について問い合わせたところ、「代理人を介しての協議となります」との回答を得た。

個人事業主の開業届けに必要な書類を出力する「開業 freee」——青色申告を手軽に

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クラウド会計ソフト「freee(フリー)」を手がけるfreee。同社は2015年5月、会社設立に必要な書類を出力できる無料ツール「会社設立 freee」を無料公開したことで話題を集めた。そんなfreeeが10月10日、今度は個人事業主向けに、開業に必要な書類を出力できる無料ツール「開業 freee」を公開した。こちらも利用は無料となっている。

開業 freeeでは、個人事業主が開業するために必要な「開業・廃業等届出書」「青色申告承認申請書(青色申告を行う場合)」「青色事業専従者給与に関する届出書(家族に給与を支払うか、家族への給与を経費にする場合)」「給与支払事務所等の開設届出(給与を支払う場合)」「源泉所得税に納期の特例の承認に関する申請書(給与を支払う場合)」の5つの書類について、サイト上の質問に回答していくことで出力することが可能だ。なお不動産業や旅行業などはそれぞれ業種ごとに別途届出が必要になるため、そのための書類は用意する必要がある。またサイト上でジャパンネット銀行の口座開設も可能なほか、クラウド会計ソフト・freeeも1カ月無料で提供する。

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開業により青色申告で控除を受けられるように

会社設立と個人事業主の開業には大きく異なる点がある。それは、会社設立であれば登記は必須だが、個人事業主は開業を税務署に届けることが必須ではないということだ。ではそこにはどういう違いが生じるのか? それは年1回行われる確定申告にある。

確定申告では(1)青色申告(65万円控除)、(2)青色申告(10万円控除)、(3)白色申告——のいずれかの申告方法を選択することになるが、手間のかかる青色申告のほうがより大きな額の控除を受けられる。月収20万円の場合、白色申告と青色申告(65万円控除)では年間で15万円以上納税額が変わるケースもあるという(シミュレーション結果は開業 freee上でも確認できる)。

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青色申告を行う(青色申告承認申請書を提出する)ためには開業の届出が必須になるのだが、freeeが独自にアンケートをとったところ、個人事業主の約3割は青色申告承認申請書を提出しておらず、そのうち約6割は提出しないことについて「特に理由はない」と回答しているという。つまり、「制度の構造が理解されず確定申告時のメリットを最大限受けられていない」(freee)のだそうだ。また、開業届の準備から提出までの期間を調査したところ平均11.2日、その後に提出する「青色申告承認申請書」については平均9.3日で、忙しい開業のタイミングで大きな負荷になっているのは事実のようだ。

開業 freeeではそういった開業届の手間を削減するほか、確定申告時に必要となる複式簿記で記帳したはクラウド会計ソフト・freeeで作成できるというわけだ。同社が会社設立 freeeを提供した際にも、設立したばかりの企業を囲い込む意図があるのではないかと報じたが、このサービスも個人事業主に利便性を提供すると同時に、彼らを囲い込むためのうまい施策となりそうだ。

クラウド会計ソフトのfreeeがAIによる自動仕訳の特許を取得、ラボも開設

左からfreee執行役員プロダクトマネージャーの坂本登史文氏とfreee CTOの横路隆氏

左からfreee執行役員プロダクトマネージャーの坂本登史文氏とfreee CTOの横路隆氏

様々な領域で利用に向けた研究の進む人工知能(AI)。FinTechの領域もその例外ではない。クラウド会計ソフト「freee」などを提供するfreeeは6月27日、自動仕訳に関するAI技術の特許を取得したことを発表。同時に、AIによるバックオフィス業務効率化をすすめる「スモールビジネスAIラボ」を創設した。今週中にもクラウド会計ソフトにAIを用いた自動仕訳機能を提供する。

クラウド会計ソフトfreeeは、銀行口座やクレジットカードなどと連携し、出入金を自動で取得、勘定科目を仕訳してくれるというもの。このデータをもとにして帳簿や決算書を作ったり、請求書や見積書を作ったりできる。

データは銀行口座などと自動で同期されるとは言え、勘定科目については当初キーワード単位でのルールで仕訳を行っていた。1つの例だが、「さくらインターネット」や「インターネットイニシアティブ」といったクラウド・インフラ企業への支払いが「インターネット」というキーワードをもとに「通信費」として仕訳される一方、本来ほかの勘定科目に仕訳すべき内容も「●●インターネット」という名称がついていた場合、「通信費」となってしまっていた。これを防ぐには、結局のところ、最終的に人間が勘定科目を確認・選択する必要があった。

AIを用いた自動仕訳機能のイメージ

AIを用いた自動仕訳機能のイメージ

だが仕訳登録AIを導入するより最適な勘定科目を推測できるようになるという。AIは学習エンジンを搭載しており、利用ユーザーが増えれば増えるほどにその精度は高まるのが特徴だ。開発を担当したfreee執行役員プロダクトマネージャーの坂本登史文氏によると、その精度は現在70%弱。今後は数カ月のベータ版運用を経て、90%程度まで精度を引き上げていく予定だという。

freeeのスタッフは現在200人以上。エンジニアの10%はラボのメンバーとしてAI関連の開発に従事しているという。デジタルインファクトの調査やMM総研の調査によると、freeeはクラウド会計、給与計算でシェア1位だという(とは言えそもそもクラウド化率が会計で11.1%、給与計算で12.5%という数字だ)。freee CTOの横路隆氏はこの数字を挙げて、「(freeeには)個人事業主や中小企業のデータが集まっている。このデータを利用すればイノベーションを起こせる余地はまだまだある。また我々は会社設立から会計、給与計算までの機能を提供している。パッケージされた業務システムを1つ1つ最適化するのでなく、すべてのサービスを1つのデータとして最適化できることは強み」と語る。

今後ラボでは、AIをもとにした不正データの検知や、チャットサポートの自動化、消し込み作業の支援といった経理作業の効率化に向けた機能を提供していく。また将来的には資金繰りのシミュレーションや経営分析など、経営意思決定の支援に向けた機能を提供していく。

クラウド会計のfreeeがFinTechファンドなどから10億円を調達、年間の調達額は45億円に

freee代表取締役の佐々木大輔氏

クラウド会計ソフト「freee」をはじめ、クラウド給与計算ソフト、会社設立支援ツールなどを提供するfreeeは12月28日、SBIホールディングス傘下のSBIインベストメントが運用する「FinTechファンド」などを引受先とした合計10億円の第三者割り当てを実施したことをあきらかにした。同社の2015年の資金調達額は8月の調達とあわせて45億円。同社の発表によると、未上場企業においては年内で最大の額になるという。

freee代表取締役の佐々木大輔氏

freee代表取締役の佐々木大輔氏

クラウド会計ソフトのfreeeはこれまで40万件以上の事業所が利用。12月には三菱東京UFJ銀行やみずほ銀行など11の銀行との協業も発表している。これはfreeeのユーザーである中小企業や個人事業主の会計データを、ユーザーに許諾を得た銀行が閲覧できるようになるというもの。今後銀行側では、会計データを与信にした融資など、新たな金融サービスを企画・検討していくという。

またfreeeは12月16日にメディア向けの説明会を開催しているが、その際には、現状のfreeeはまだサービスの第1段階であると説明。今後は、会計事務所向けに、経営判断のためのレポーティング機能や分析機能、マーケティング機能などを提供していく。

その説明会の際に同社が強調していたのが、「10年後になくなる職業として公認会計士が挙げられているが、そうはならない」ということ。

多くの職業が今後コンピューターで置き換えられるとした2013年のオックスフォード大学のレポートでは、人工知能の発展により10年後には会計士の仕事がなくなるとも言われている。だが今後、企業のリアルタイムな経営パートナーになっていくことで、「なくなる職業」にはならないというのがfreeeの主張だ。freeeをはじめとする会計ソフトは、毎月ではなく、リアルタイムにレポートを閲覧できる。このリアルタイムな数字をもとに、素早い経営判断を支援していくことが求められているのだと。前述の機能強化は、この方針に沿ったもの。具体的なスケジュールは未定だが、2016年中にも順次新機能が提供される見込みだ。

freeeの今後のプロダクト開発について

freeeの今後のプロダクト開発について

freeeが35億円の資金調達ースモールビジネスを支えるプラットフォームを目指す

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クラウド会計ソフト freee(フリー)」などのスモールビジネス向けサービスを運営するfreeeがシリコンバレーの大手ベンチャーキャピタル DCM、リクルートホールディングス、ジャパン・コインベスト投資事業有限責任組合を割当先として、総額35億円の第三者割当増資を発表した。2012年7月の創業以来の累積資金調達額は、52億円超となる。なお、freeeのバリュエーションは投資後で300億円程度と見られる。

freeeは、2013年3月より中小企業・個人事業主向けに、確定申告や会計、経理業務を自動化する「クラウド会計ソフト freee」の運営を開始。2015年8月現在の登録事業者数は38万を超えているという。また2014年5月より「クラウド給与計算ソフト freee」、2015年6月より「会社設立 freee」などの運営も開始している。

マイナンバー制度にも対応

今回の資金調達をもとに、増加している法人顧客向けの更なるサービス提供を行い、スモールビジネスを支えるプラットフォームを目指す。2016年1月のマイナンバー制度開始、電子帳簿保存法の改定(一定条件を満たせば、領収書をスキャナ保管、原本の廃棄が可能となる)などの制度改正に対応するサービスを予定しており、すでに「マイナンバー管理 freee」の事前登録がホームページ上で開始されている。月額980円での提供予定で、「クラウド給与計算ソフト freee」を利用している場合は無料になるそうだ。

マイナンバー制度について簡単に説明すると、社会保障、税金などの行政手続において、国民一人一人に割り振られた番号が用いられることになる。ここでメリットやデメリットに言及する気はないが、これによって企業は雇用保険や健康保険・厚生年金保険関係の書類へマイナンバーの記載が求められることとなり、個人情報の安全管理措置はもちろん、収集、管理システムの対応などが必要となる。「マイナンバー管理 freee」は、従業員のマイナンバーの収集、管理から廃棄まで対応している。まだ詳しい情報は聞けなかったが、従業員はスマホアプリからマイナンバーを登録することが可能で、セキュリティは暗号化通信、保存に加えて、ファイアウォールの設置(コンピュータネットワークの安全を維持するソフトウェア)、侵入検知、脆弱性テストなどを行い、安全管理措置に対応する。

領収書のスキャナ保管

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「クラウド会計ソフト freee」は、現在すでにファイルボックス(領収書や請求書などの書類を用いた新しい経理処理の機能)で、領収書の読み取り機能は提供している。電子帳簿保存法規制緩和に伴い、すでにある機能をグレードアップさせつつ、法の要件(変更履歴の管理やタイムスタンプの付与)に対応させる。サービスは年内に提供開始を予定しているそうだ。

「会社設立 freee」は全自動で会社設立に必要な書類をすべて出力できる無料ツール

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会社設立の手続きは想像以上に時間がかかるものである。

例えば、会社のルールをまとめた定款をはじめとする各種書類。ネットや本を見ながら苦労して作っても、不備があれば役所に突き返される。各種書類に同じ情報を何度も記載するのも面倒。そんな非効率な起業環境を改善するツールが「会社設立 freee(フリー)」だ。わずか5分で会社設立に必要な書類が出力できることをうたう。クラウド会計ソフトのfreeeが本日、無料で公開した。

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案内通りに入力するだけで、会社設立に必要な各種書類を自動で作成。一度の入力で、必要な書類や手続きに情報を再利用するので、同じ情報を何度も入力する手間もない。

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役所ごとに提出すべき書類や捺印箇所を手続きの段階ごとに指示。各役所に持っていく持ち物リストも教えてくれるので、役所で再提出を命じられる憂き目を避けられそうだ。

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データはすべてクラウド上に保存するので、PCだけでなくスマートフォンやタブレットからも利用できる。freeeの佐々木大輔社長は、「スマホでの表示に完全対応しているので、スタバでも5分で必要な書類が作れる」と使い勝手の良さをアピールする。

そのほかに有料のオプション機能として、すでに入力した情報を転記してジャパンネット銀行の口座を開設したり、ハンコヤドットコムで会社実印を注文することが可能。官報に掲載すると1回約6万円かかる公告を年間1000円で利用できる「freee 電子公告」なども提供する。

スマホにも最適化している

スマホにも最適化している

設立したての企業を囲い込む「ゆりかご戦略」

専門知識がない人にとって、会社設立の手続きは本やネットで調べて自力でやるか、行政書士などの専門家に依頼するケースが多い。freeeが会社設立経験者500人を対象に実施した調査によれば、会社設立手続きに要した期間は平均24.2日、費用は平均11万2000円と、多くの時間とコストがかかっていた。

世界銀行が昨年10月に発表した年次報告書「Doing Business 2015」によれば、“起業環境の良さ”で日本は世界83位。この数字は「手続き数」「かかる日数」「コスト 」「最低限必要な資本金」をもとに算出したものだが、会社設立 freeeを使えば「かかる日数」と「コスト」が改善し、現在の順位を45位にまで押し上げられると、佐々木氏は言う。

freeeの佐々木大輔社長

freeeの佐々木大輔社長

「実は僕が起業した時も、法務省のサイトを見ながら定款を作って、行政書士にチェックしてもらっていました。それでも役所に提出する書類が足りなかったり、押印を忘れて受理されず、法務局を何往復かしたことも……。会社設立 freeeは起業環境を圧倒的に改善できる。日本の開業率を現状の5%から10%にできると思っています。」

会社設立 freeeを無償提供するのは、本業のクラウド会計ソフト「freee」を利用してもらうためだ。設立手続きが完了すると、自動でfreeeのアカウントが作成されるので、希望に応じて設立当初からクラウド会計ソフトを導入できる。freeeを導入しているのは、創業間もない事業者が多いというデータもあることから、いわば「ゆりかご」状態の企業を囲い込もういうことなのだろう。

freeeはクラウド完結型社会を目指す、e-Gov API初対応の新サービス投入へ

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政府がe-Gov(電子政府)のAPIを公開する動きに合わせて、労働保険の更新手続きをクラウド会計ソフトのfreee上で完結する機能を公開する。年に1度行う労働保険の更新に必要な申告書を自動作成し、申告書の提出から保険料の振り込みまでの手続きがfreee上で完結することになる。

現状の労働保険更新の手続きは、1年分の給与支払い額から保険料を計算→申告書へ転記→申告書を郵送・承認通知を紙で受け取る→保険料を銀行で振り込む、という流れ。これらの手続きが、freee上で完結することになる。5月後半にリリース予定で、freeeの佐々木大輔社長は「e-Gov APIを利用した初のプロダクトになる」と話している。

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今年はe-GovのAPI公開に加えて、国民に番号を割り当てて行政手続きに活用するマイナンバー制度、電子帳簿保存法改定など、政府が電子化に向けて動き出す。freeeは、今までクラウド上で完結できなかった手続きや、紙での管理がクラウド上で完結できると見ていて、「クラウド完結型社会」を実現するサービスを続々と投入する予定だ。

今年度中に公開予定のサービスは以下の通り。

  • freee上での電子帳簿保存法対応
  • 法人・税理士向けマイナンバー管理サポート
  • 法人番号を取引先情報として管理
  • 給与支払・経費精算連携機能

これらのサービスによって例えば、従業員を採用する際に必要だった面倒な手続きまでもがfreeeで完結する、と佐々木氏は意気込む。「これまでは労働基準監督署や税務署、年金事務所、区役所、健康保険組合を回らなければならなかった。自分もかつては自転車でこれらの場所を回っていたが、こうしたすべてのバックオフィス業務をfreeeで済むようにしたい」。

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短期的なIPOよりもユニコーンクラブ入りを

freeeは2013年3月のサービスを開始。簿記の専門知識がなくても使えることをうたい、リリース2年で導入事業者は30万件を突破した。これまでに累計17億5000万円の資金調達を実施している。そろそろIPOが期待されそうだが、佐々木氏は短期的なIPOは考えていないと語る。

「日本のスタートアップは短期的にIPOを目指すのが通常とされるが、海外に目を向けると時価総額1000億円以上の『ユニコーンクラブ』が多い。(freeeと同じ)海外のクラウドサービスは時価総額1000億円規模でIPOしているが、私達もそのモデルを目指す。」

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全自動クラウド青色申告ソフト「freee (フリー)」が 24 時間限定で 15% オフ !!

ちょうど導入を検討していたタイミングだったので、この機会に買ってみます。 セールの対象は個人事業主向けの 2 年版。 元々は 20,000 円なのですが、これが 15% OFF で 17,000 円です。とても嬉しい。 […]

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会計ソフトの勢力図じわり変化、家電量販店でクラウドが台頭しはじめる

毎年、確定申告シーズンになると家電量販店は会計ソフトを推し始める。ほとんどの店舗は、会計ソフト最大手・弥生の「やよいの青色会計」をプッシュするのが通例だけど、今年はちょっと様子が違う。ヨドバシカメラの全店では、マネーフォワードのクラウドサービス「MFクラウド確定申告」のパッケージ版に最も売り場を割いている。

パッケージ版は「マネーフォワード確定申告(青色申告・白色申告)」という名称。クラウド版のMFクラウド確定申告はウェブ経由で登録・利用するサービスだが、パッケージ版は12カ月間の利用権が付いたプロダクトキーと操作マニュアルを同梱している。

影の立役者はソースネクスト

弥生は会計ソフトの国内シェア72%、ユーザー数128万人を抱える。その規模を考えると大海の一滴のような変化ではあるが、ソフト売り場の勢力図を塗り替えるのに一役買ったのは、家電量販店に太い販売チャネルを持つソースネクストだ。マネーフォワードは2014年12月に15億円の資金調達を実施していて、その引受先の1社がソースネクスト。さっそく両者の相乗効果があらわれた形だ。ヨドバシカメラはソースネクストの大株主でもある。

ヨドバシカメラでは1月8日、特設コーナーでパッケージ版の販売を開始。ビックカメラの一部店舗でも、やよいの青色会計に次ぐ、売り場スペースを設けている。マネーフォワードは売上本数を公表していないが、辻氏は「1月に露出拡大したおかげで前月比で20倍に急増した。これから確定申告シーズンが本格化するので、昨年比で50倍以上に達する勢い」と鼻息が荒い。

ヨドバシカメラは札幌から博多まで、全国で20店舗を構える。特設コーナーでパッケージ版を販売するにあたっては、営業やマーケティングだけでなく、エンジニアや人事、財務を担当する責任者まで、マネーフォワードの社員総出で全店舗を訪問。ソフト売り場の店員に対して、デモを交えながら従来のパッケージ製品とは異なる点を説明して回ったのだという。

マネーフォワードが手がけるクラウド会計サービスの利用者は12万人。同社はこれまでユーザー数を明かしていなかったが、正式サービス開始から約1年を経て、2月6日に初めて公表した。一方、2013年4月に提供開始した競合のfreeeは2月4日、ユーザー数が20万件に到達したことを発表。両社とも順調に伸びていて、会計ソフトのクラウド化がますます進みそうだ。


「freee」ユーザーが10万到達、会計ソフト初心者に刺さって成長

専門知識不要で使えることをうたうクラウド会計ソフト「freee」の登録事業者数が、7月6日時点で10万件を突破した。2013年3月のサービス開始から1年4カ月で到達した。ユーザー調査によれば、freee導入前に使っていた会計ソフトは「ない」という人が39%、「Excelなどで代用していた」という人が14%、「税理士にお願いしていたなど」が13%と、全体の66%が初めての会計ソフトとしてfreeeを選んでいるのだという。ユーザーが過去に確定申告や決算をした回数では「0回」が36%、「1回」が20%となっていて、会計ソフト初心者や創業間もない事業者を取り込んで成長しているようだ。

freeeは確定申告や会計・経理業務を自動化するクラウド会計ソフト。銀行やクレジットカードなど1600以上の金融機関から入出金データを自動取得したり、学習機能で仕訳のルールを作成することができる。freeeを導入する事業者の従業員数を見てみると、1人が64%、2人が15%、3〜5人が13%と、5人以下の事業者が主なユーザー。業種別では飲食や小売り、理容・美容などの店舗が38%となっている。

2014年4月のWindows XPのサポート期間終了や消費税増税に伴い、インストール型の会計ソフトから乗り換えるユーザーが増え、2014年以降はユーザー登録のペースが年末の5倍に達する勢いで伸びている、というのは以前もお伝えしたが、最近では連携先のモバイル決済サービス「Square」や無料POSレジアプリ「Airレジ」経由でfreeeに登録するユーザーが増えているそうだ。

国内のクラウド会計の分野では、SMBやスタートアップを取り込む2強のfreeeとマネーフォワードが手がける「MFクラウド会計(旧:Money Forward for BUSINESS)」、それに会計事務所のようなプロ向けとして「A-SaaS」がある。これに対して、100万以上の登録ユーザーを抱えるパッケージ型ソフトの弥生は7月7日、銀行口座やクレジットカードなどの取り引きデータを自動仕分けし、弥生シリーズのソフトに取り込む「YAYOI SMART CONNECT」を発表。今秋にはクラウド版「やよいの青色申告 オンライン」を開始するなど、freeeやMFクラウド会計を意識したかのような動きも見せている。


大手Web企業→スタートアップの流れが来る? クラウド会計「freee」にex-Googlerが続々ジョイン

日本のスタートアップ業界でex-Googler(GoogleのOB/OG)の存在感が高まってきている。今年4月にローンチしたクラウド予約システム「Coubic(クービック)」を手がける倉岡寛氏、5月に東証マザーズに上場したDSP事業のフリークアウトを設立した佐藤裕介氏は、どちらもGoogle出身。クラウド会計ソフト「freee」を運営する佐々木大輔氏もその1人だ。TechCrunch Japanでは5月、「大企業を飛び出してスタートアップの世界に飛び込んだ理由」というテーマでイベントを開催したのだが、その際に佐々木氏が「海外のex-Googlerは起業したり、スタートアップにジョインするのが普通の選択肢」と語っていたのが印象的だった。そのfreeeにex-Googlerが続々とジョインしている。

2013年9月には、日本の中小企業向けマーケティングで「みんなのビジネスオンライン」のプロジェクト立ち上げから推進までを統括していた東後澄人氏が取締役として就任。今年2月には、Google日本語入力のUXなどを担当していた関口聡介氏が加わった。そして今日、2003年にGoogle Japanの17番目の社員として入社し、中小企業向けの広告営業チームを立ち上げた野澤俊通氏が執行役員に就任した。野澤氏はGoogle時代、フリークアウト佐藤氏の上司でもあった人物だ。

佐々木氏によれば、野澤氏は「中小企業向けのオンラインセールス・サポートチームのマネジメントのプロ」。Googleはかつて、「プロダクトがよければすべての問題を解決するというような思想の組織」だったというが、「野澤さんは、人がスケーラブルなサービス提供をする価値を実証してきた」と高く評価している。同氏の加入によって今後は、新規や既存ユーザー向けのサポートといった「人の手を含めた」サービスを強化する狙いだ。

冒頭で紹介した弊誌イベントには、リクルートを経てA/BテストのKAIZEN platformを創業した須藤憲司氏もご登場いただいたが、同社には2014年2月、元Google Japanの小川淳氏がカントリーマネージャーとして加入したほか、グリーおよびGREE Internationalでゲームやアドテクノロジー分野のプロダクトマネジメントを手がけた瀧野諭吾氏が参画している。

いわゆる大企業というのと違うのかもしれないけど、Googleのようなテックジャイアントからスタートアップという流れは来ているのかもしれない。


5月29日開催 KAIZEN、freee、みんなのウェディングに起業の理由を聞く

以前に告知したとおり、いよいよTechCrunch School第4回が5月29日午後6時から東京・秋葉原(末広町)にて開催される。参加申し込みの受け付けは間もなく終了となるので、興味のある読者は是非とも遊びに来て頂きたい。

1月から開催中のイベントTechCrunch Schoolでは、これまで起業やグロースハック、PRをテーマにしたイベントを開催してきた。今回は「大企業を飛び出してスタートアップの世界に飛び込んだ理由」をテーマに、これまで勤めていた企業から飛び出してスタートアップした起業家たちにその思いや、チームの作り方、働き方について聞く。勤めている企業から飛び出してスタートアップを立ち上げたい人、スタートアップに参加したい人、またそんな人たちと出会いたいスタートアップの人事担当者などに是非とも参加してほしいと思っている。

ゲストスピーカーとして登壇頂くのは、KAIZEN Platformの共同創業者でCEOの須藤憲司氏、freee代表取締役の佐々木大輔氏、みんなのウェディング代表取締役社長の飯尾慶介氏の3人。

それぞれ、リクルート、Google、ディー・エヌ・エー出身の3人に、大企業とスタートアップの違いや、過去の経験の生かし方、信頼できる仲間の集め方などを聞いていきたい。須藤氏は起業から1年もたたずに大型調達を実現。海外進出を進めている。佐々木氏もサービス開始から約1年で7万字業者が利用するまでに成長した。飯尾氏は、DeNAのスピンオフから3年半でマザーズ上場を達成した。それぞれの成長の理由も聞いていきたい。

パネルディスカッションに関しては、会場でのみ聞ける「オフレコタイム」を設ける予定だ。プレゼンテーションの模様は記事や動画でも紹介する予定だが、会場に来て頂いた人たちに限定して、登壇頂く起業家の生の声を届けたい。

今回は1人3000円の有料イベントとなる。要望のあった当日券の販売も用意しているが、こちらは3500円となっている。19時半以降の交流会では食事とドリンクも用意するので、是非お申し込み頂ければと思う。

TechCrunch School #4
起業志望者注目!
「大企業から飛び出してスタートアップの世界に飛び込んだ理由」
【開催日時】 5月29日(木) 17時半開場、18時開始
【会場】 東京・末広町 3331 Arts Chiyoda 3331 Arts Chiyoda地図
【定員】 100名程度
【参加費】 3000円
【参加資格】 起業を志す、もしくはスタートアップに興味のある大〜中小企業の社員および、学生の方。スタートアップへの参画を希望する人材と出会いたいスタートアップの起業家、CxO、人事担当者
【ハッシュタグ】#tcschool
【主催】 AOLオンラインジャパン
【内容】
18:00〜18:05 TechCrunch Japan挨拶
18:05〜18:50 講演セッション
須藤憲司氏(KAIZEN Platform共同創業者・CEO)
佐々木大輔氏(freee 代表取締役)
飯尾慶介氏(みんなのウェディング 代表取締役社長)
18:50〜19:30 パネルセッション「僕らが大企業を飛び出してスタートアップの世界に飛び込んだ理由」
パネラー:
須藤憲司氏(KAIZEN Platform共同創業者・CEO)
佐々木大輔氏(freee 代表取締役)
飯尾慶介氏(みんなのウェディング 代表取締役社長)
西村賢(TechCrunch Japan編集長)
19:40〜21:00 懇親会(アルコール、軽食も出ます)
【申し込み】イベントページから事前登録必須
【事務局連絡先】tips@techcrunch.jp

1クリックで給与計算、専門知識いらずのクラウド会計「freee」に新機能


5〜30人の従業員を抱える中小企業の85%は給与事務を社内で手作業で処理していて、そのうち半数は経営者自らが作業をしている――。クラウド会計ソフトのfreee(フリー)が中小企業の経営者300人を対象にしたアンケートで明らかになった。freeeによると、給与計算にかかる時間は従業員1人あたり平均月28分かかっていて、経営者の大きな負担になっていると指摘する。そんな給与関連事務が1クリックで完了するという「クラウド給与計算ソフトfreee」のベータ版が5月19日にリリースされた。毎月、それなりの時間と労力を費やして給与計算ソフトやExcelを使っている中小企業に向けたサービスだ。

従来の給与計算ソフトは、給与計算や税務などの知識が必要だったり、給与明細などの書類を紙で管理することが前提だった。そのため、必要な情報を探して給与関連事務が完了するまでには、多くの時間とコストがかかっていたと、freeeは指摘する。こうした給与計算ソフトを使っていない企業の中には、ガイドブックを片手に電卓を打ちながら給与を計算して、さらに給与明細を印刷して封入して従業員に手渡しをする――といった光景が毎月繰り広げられている。

これに対してクラウド給与計算ソフトfreeeは、給与の知識がほとんどなくても使えるのが特徴。従業員自身が勤怠情報を入力すれば、あとは自動で給与額の計算、給与明細の発行・配布、社会保険や年金などの支払いに関する書類が1クリックで作成できる。

例えば、税金や社会保険料の計算は複雑なことに加え、法改正があるためミスが起きやすいところだが、freeeでは、入力された給与情報をもとに自動的に計算する。法改正で税率・保険料率が変更する場合にも、クラウドサービスであることから自動的に対応することが可能で、ソフトの買い替えやアップデートも不要というわけだ。このほかにも、計算された給与や税金・保険料は「クラウド会計ソフトfreee」に取引として自動で反映されるため、給与計算の結果を会計データとして転記する手間を省くことができる。

現時点では無料のベータ版として一部機能のみが提供されていて、以下の機能は今後追加される予定だ。

 ・従業員が給与計算に必要な基礎情報や勤務時間を直接入力する
 ・給与明細をオンラインで確認する
 ・所得税計算高計算書や源泉徴収票を自動作成する

今年後半にリリースする正式版では、従業員3人分までの給与計算が可能な基本プランが月額1980円、従業員1人追加するごとに月額300円がかかる予定。クラウド会計ソフトfreeeと同じアカウントで給与計算ソフトfreeeも利用できる。すでに7万事業者が導入しているクラウド会計ソフトと同様に、従業員30人以下のスモールビジネスを対象にクラウド給与計算ソフトを普及させる考えだという。


データ自動取得で火花を散らすクラウド会計、freeeとマネーフォワードが立て続けにレジ勢と提携

簿記の知識がなくても確定申告や会計処理を可能にするクラウド型会計ソフト。国内ではfreeeマネーフォワードの2社が競合。どちらも顧客となる中小企業や個人事業主を取り込むために、機能強化を図りつつ、銀行やクレジットカード、ECサイトなど各種サービスのデータを自動取得するための提携を進めている。こうした施策の一環として、freeeが19日にリクルートライフスタイルの無料POSレジアプリ「Airレジ」、マネーフォワードが20日にスマートフォンやタブレットを使った決済サービス「Coiney(コイニー)」との提携を発表した。

freeeとAirレジの提携は、Airレジを利用する店舗の売上データを自動でfreeeに取り込めるようにするもの。Airレジで集計した売上のデータは1日1回、freeeに自動で取り込まれ、freee上で複式簿記の仕訳として反映される。現金だけでなく、クレジットカードやリクルートポイントでの支払いも区別して自動で取り込めるようになっている。従来のレジを使った場合、レジに売上データが入っていても、日々の締め作業でレシートを再度印刷し、会計ソフトにその内容を手入力する作業が必要だった。

マネーフォワードとCoineyの提携は、Coineyを導入している店舗の売上データを毎日マネーフォワードに取り込むことで、マネーフォワードへの売上データの手入力を省けるようにするもの。クラウド型会計ソフトでスマホ向け決済と提携するのは国内初といい、Square楽天スマートペイPaypal Hereといった同様のサービスともデータ連携に向けて協議を進めているそうだ。

マネーフォワードは2月17日、ECサイト構築サービス「BASE」、タブレット型POSシステム「EC-Orange POS」、クラウドソーシングサービス「クラウドワークス」とのデータ連携を開始。現時点では銀行1351サイト、クレジットカード51サイト、電子マネー6サイト、通販2サイトなど合計1420サイトから、自動的に売上データを取得することが可能となっている。

3月25日には、マネーフォワードにメールで請求書を送信する機能を追加する。これまでも請求書PDFをダウンロードすることは可能だったが、メール送信機能によって請求書を相手が受け取ったかどうか確認できるようになる。

freeeは、元グーグル社員の佐々木大輔氏が2012年7月に設立。2013年3月のサービス開始から1年で6万以上の事業者が利用しており、特に2014年以降はユーザー登録のペースが年末の5倍に達する勢いなのだという。その背景には、4月にWindows XPのサポート期間が終了し、インストール型の会計ソフトから乗り換るユーザーが増えていることや、消費税率の変更によって既存アプリのアップデートの波が来ていることがあるそうだ。

一方のマネーフォワードは、ソニーやマネックス証券に勤めていた辻庸介氏が2012年5月に設立。もともとは、銀行やクレジットカードなどの複数口座を一括で管理し、入出金情報を自動入力してくれる家計簿・資産管理サービス「マネーフォワード」を手がけていたが、2013年11月にクラウド会計ソフト事業にも参入。2014年1月の正式ローンチ時には、月額料金をfreeeの980円より低い800円に設定するなど攻勢をかけている。現在の利用者数は「数万人」だという。


TC Tokyoスタートアップバトル出場サービス – 全自動会計ソフトのfreeeがリリース

freee logo

昨年11月に開催されたTechCrunch Tokyoスタートアップバトルに出場してくれたCFOが全自動クラウド型会計ソフトfreeeのリリースを発表した。このサービスは従来の面倒な経理業務をクラウド上で行ってくれるサービスだ。

本誌では昨年12月にはシリコンバレーのベンチャーキャピタルDCMから5,000万円の資金を調達した際にも取り上げているが、ロゴのイメージが大幅に変更されたので気づかない方も居るかもしれない。特徴的だった雲の上で足を組んだおじさんのロゴは廃止され、素早いイメージのツバメに変更された。

freeeは既存の会計サービスと最終目標は同じだが、仕組みが興味深い。ユーザーの銀行やクレジットカードのWeb口座をfreeeと同期し、入出金明細を取得することでデータを解析してくれる。

解析したデータは自動的に仕訳してくれるので、Web上に履歴が残っているものならばほとんど自分で作業をする必要はない。例えば、明細に「タクシー」という単語が入っていれば、「旅費交通費」に紐づけるように単語ごとに適切な仕訳をしてくれるそうだ。

もちろん、明細によっては的確に仕訳されないこともあるだろう。CFO代表取締役の佐々木大輔氏によると、ベータ版運用時にはクライアントにもよるが、精度は7割から8割程度だったという(銀行よりもクレジットカードの方が詳しく記載されているので、クレジットカードの方が精度は高くなる)。

8割程の精度があれば、かなり経理業務の負担が軽減される。しかし、Web口座をサービスと連携することには抵抗を持つユーザーは多いだろう。そのためfreeeはこの課題をクリアしなければならない。

この点に関してはfreeeは個人情報の取扱いにおいて一定基準の安全性を確保している証拠であるTRUTe(トラストイー)による認証を取得してあるし、データ自体はファイアーウォールで遮断された場所に保存されてあるので安心して欲しいと佐々木氏はいう。

それでも、ユーザーの中には最初はWeb口座を連携せずにCSVでファイルをアップロードし、仕訳をする企業もあるだろう。だが、何度も繰り返し利用するうちにfreeeの利便性が不安に勝ち、最終的にはWeb口座を連携してくれると考えているそうだ。

総務省によると日本の中小企業における平成24年度のクラウドサービス利用率は17パーセント(米国は54パーセント)であり、佐々木氏によると、クラウド型の会計ソフトとなると利用率1パーセント程度だという。

米国ではクラウドサービス利用率54パーセントのうち、ある一定の割合は会計ソフトも含まれているというので、日本でも浸透するのは時間の問題かもしれない。

今後の展開としては、請求書の作成や管理機能、APIの提供、ネイティブアプリの開発などを予定している。

freeeは本日から6月末までは全て無料で利用でき、その後はフリーミアムモデル(無料、月額980円、1,980円)で提供される。