Appleの重大なSSLバグ, iOSに次いでOS Xも修復完了

Appleはここ数日、iOSとOS X製品に存在したSSLの欠陥のため、セキュリティの大きな脅威に直面した。iOSのバグは金曜日(米国時間2/21)の午後、iOS 7.0.6へのアップデートで修復され、iPhoneとiPadとiPod touchは安全になった。しかしOS X 10.9のMacはそのまま放置され、今日(米国時間2/25)になってv10.9.2へのアップデートにより修復された。アップデートがまだの人は、お急ぎあれ。

そのSSLのバグは、SSL/TLS認証プロトコルのAppleによる実装中にあった余計な “goto”命令が原因で、そのためiOSやOS X製品に行き来する、暗号化されているはずの送信されるデータは、暗号化されてない状態になる。この脆弱性を悪用するハッカーは容易に中間者攻撃を仕掛けて、パスワードなどのログイン情報を横取りできる。

ハッカーとセキュリティの専門家たちは、この欠陥は本当に”重大な悪用が可能“であり、2013年の10月以前から存在していたことをすぐに見抜き、ささいな問題では済まされなくなった。まだアップデートしていないユーザは、ブラウザはSafariでなくChromeかFirefoxを使うようにし、またハッカーにねらわれやすい大きな公開ネットワーク(とくに暗号化機能のないもの)への接続を避けるべきだ。

ただし、最良の対策は、今のOS X v10.9が載っているMacをすべて、早急に、上記のv10.9.2にアップデートすることだ。静観とか、様子見は許されない。

このリリースではFaceTime Audioという大物が加わったので、iCloudのコンタクトを音声オンリーで呼び出せる。FaceTime通信プロトコルのAudio部分は、この前iOS製品に実装されたものなので、これからはAppleのモバイルデバイス間だけでなくAppleのデスクトップ機とも音声通話ができるようになる。

以下は、v10.9.2アップデートの詳細を記述したプレスリリースの全文だ:
[以下、英文ママ]

About the update
The OS X Mavericks v10.9.2 Update is recommended for all OS X Mavericks users. It improves the stability, compatibility, and security of your Mac. This update:

Adds the ability to make and receive FaceTime audio calls
Adds call waiting support for FaceTime audio and video calls
Adds the ability to block incoming iMessages from individual senders
Includes general improvements to the stability and compatibility of Mail
Improves the accuracy of unread counts in Mail
Resolves an issue that prevented Mail from receiving new messages from certain providers
Improves AutoFill compatibility in Safari
Fixes an issue that may cause audio distortion on certain Macs
Improves reliability when connecting to a file server using SMB2
Fixes an issue that may cause VPN connections to disconnect
Improves VoiceOver navigation in Mail and Finder
Improves VoiceOver reliability when navigating websites
Improves compatibility with Gmail Archive mailboxes
Includes improvements to Gmail labels
Improves Safari browsing and Software Update installation when using an authenticated web proxy
Fixes an issue that could cause the Mac App Store to offer updates for apps that are already up to date
Improves the reliability of diskless NetBoot service in OS X Server
Fixes braille driver support for specific HandyTech displays
Resolves an issue when using Safe Boot with some systems
Improves ExpressCard compatibility for some MacBook Pro 2010 models
Resolves an issue which prevented printing to printers shared by Windows XP
Resolves an issue with Keychain that could cause repeated prompts to unlock the Local Items keychain
Fixes an issue that could prevent certain preference panes from opening in System Preferences
Fixes an issue that may prevent migration from completing while in Setup Assistant

イラスト: Bryce Durbin

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Androidの2013年の世界のスマートフォンの市場シェアは79%-成長率は62%で過去最低

Strategy Analyticsは先ほど2013年のスマートフォンのOS別シェアを発表し、「本年はAndroidの年だった」と評した。同社は昨日(米国時間1/25)メーカー別のモバイル・デバイスのレポートを発表している。

Strategy Analyticsによれば、2013年の世界のスマートフォンのOS別シェアでGoogleのAndroidプラットフォームは79%を占めたという。世界全体でのスマートフォンの販売台数は9億9000万台でそのうち7億8120万台がAndroidだった。これは新記録だという。

なお、別のアナリスト、IDCも昨日、独自にスマートフォンの市場シェアを発表している。これによると2013年の販売台数は10億台を突破したとしている(どちらが正しいか判断できないが、1000万台の差は大きい)。

Androidの販売台数は新記録だったが、成長率は一時ほどではなくなっていることがデータからはっきりした。レポートは2013年のAndroidの成長率は62%で、これは過去最低だったと述べている。また2014年の成長率はさらに低下すると予測している。

「われわれは2014年には市場の飽和によってAndroidの成長率はさらに低下するものと予想する。Androidの成長が鈍化すれば MicrosoftとFirefoxも本格的に攻勢をかけてくるはずだ」とStrategy Analyticsの幹部、Neil Mawstonはコメントしている。

Androidプラットフォームの拡大の減速は現在Googleが低価格Androidデバイスの機能強化に力を注いでいる理由を説明するかもしれない。GoogleがMotorolaのMoto Gシリーズのように低価格でありながら高機能な端末を投入したのは、同じ価格帯のライバル、Windows Phoneの撃退を図っているのだろう。

またGoogleがAndroidを自動車その他の新分野に幅広い応用していくことに力を入れているのも市場の飽和への対策だろう。モノのインターネットのNest、ロボットのBoston Dynamics、人工知能のDeepMindなどを矢継ぎ早に買収したのもその現れだ。

しかしスマートフォン市場に関する限り、Androidはライバルに抜きん出たリーダーだ。2013年にAppleのiOSデバイスは1億5340万台が販売され、市場シェアは16%だった。これは2012年の19%から大きく落ち込んでいる(ただしスマートフォン市場は全体として拡大しているのでシェアが落ちてもAppleは実売台数では依然として成長している)。

MicrosoftのWindows Phoneは3位をしっかり確保した。このプラットフォームは3570万台が販売され4%の市場シェアとなった。このうち3000万台がNokia Lumiaシリーズで、MicrosoftがNokiaのモバイル事業部を買収した理由を明確に示している。Windows Phoneビジネスは事実上Nokiaのモバイル・ビジネスと同じものだった。

;しかしWindows Phoneは低価機と高級機ではまだ勢いを得るまでに至っていない。Strategy Analyticsの上級アナリスト、Linda Suiは「この点を改善することが2014年のMicrosoftの課題となるだろう」とコメントしている。

BlackBerry OS、Firefox OSその他のプラットフォームはすべて合計してシェアは2%、販売台数は1980万台だった。 これはWindowsPhoneの4%とくらべてさほどかけ離れてはいない。2014年にもMicrosoftが銅メダルを家に持ち帰るためには新CEOの努力が求められることになりそうだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


iOS 7ベータ3で、Appleは円形ボタンを多用、電話、電源オフ画面も変更

Appleはモバイル用オペレーティングシステムiOS 7のインターフェースを、未だにいじり続けているようだ。今日リリースされたiOS 7.1ベータ3がそれを示している。この最新アップデートで、Appleは電話のキーパッド、着信画面、および電源オフ画面を改訂し、以前四角形だったボタンを円形に変えている。他にも、壁紙設定オプションの追加、Facetime、メッセージ、および電話アイコンのグラデーション変更などが見られる。

この最新ビルドの前に、11月のリリースと先月出たばかりのbeta 2があった。これらは、キーボードの暗色オプションの廃止など、些細なUI変更が中心だった。今日のリリースで ― 少なくともiOS 7のビジュアル全体にある程度慣れている消費者から見て ― 最も目に付くのは、iPhoneの中でもとりわけ頻繁に使う画面のビジュアル変更だ。

通話に関連する画面は大きく変わら、キーパッドと通話中画面の下部には、それぞれグリーンと赤の丸いボタンが配置されている。電話がかかってきた時の「拒否」と「応答」のボタンも円形になり、「後で通知」と「メッセージ」のオプションは、すぐ上の小さな白いボタンになっている。

iClarified.comの好意により、電話アプリ画面のビフォー/アフターを見ることができる。

「スライドで電源オフ」画面も改訂され、ボタンを右にスライドすると画面が暗くなるようになった。

細かい変更としては、壁紙選択のモーション・オン/オフ設定や、メッセージ、Facetime、電話アイコンのグリーンアイコンのグラデーションが暗めになったこと、リピートおよびシャッフルボタンの変更、パックスペースとシフトのハイライトの変更、キーボードの文字が太くなったことなどがある。この他、初期設定アシスタント中のiCloudアカウント設定に関連するバグや、ミュージックアプリでオーディオブックを再生する際の問題などが修正されているが、iMessageを初めて送信する時に失敗することがある等、他の問題が起きる場合もある。

もちろん、Appleが7.1を公開するにあたって多くの人々が望んでいるは、バックエンドの改善だ。今でもユーザーはフリーズや時には再起動するバグに悩まされている。最近、Google VenturesのMG Siegler(TechCrunch寄稿者で、長年のAppleコラムニストでもある)は、個人ブログでこれらの問題を列挙し、今のiOS 7は「水準に達していない」と言っている。

7.1では、これらのバグがいくつかでも修正されるかもしれない。発生する頻度の高さ ― 少なくとも一部のユーザーでは、私を含め ― を考えると、できるだけ早い時期の公開が望まれる。

画像提供:9to5mac.com; iClarified.com

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


iOS 7版ジェイルブレイクが公開

Evasi0nと名乗るiOSプログラマー集団が、最新iPhone/iPod/iPadオペレーティンシステム、iOS 7.0.4をジェイルブレイクした。ジェイルブレイクすることによってユーザーは、自家製ソフトウェアをインストールしたり、Cydiaソフトウェア・リポジトリの未承認アプリを実行することが可能になる。

ジェイルブレイクに必要な時間は「5分」で、WindowsまたはOS Xで動作する。9to5macのユーザーたちは、このジェイルブレイクの登場が早すぎることに動揺を見せている ― 多くの人たちは、近々出るであろうメジャーアップデートの7.1を含め、今後いくつかのリリースで動かなくなることを心配している。殆どの報告によるとこのジェイルブレイクは、iOS 7.xをサポートするデバイスで問題なく動作している。

今回のリリースは、iOS 7版ジェイルブレイクが収益化目当てのサードパーティーにこっそりを売られたらしい、という不安が噂されていた直後であることも興味深い。伝統的に殆どのジェイルブレイクは無料だが、たとえわずかの期間でも有料サイトで提供されていれば、非常に実入りの良い話だっただろう。もはやそれはなくなった。

あらゆるジェイルブレイクと同じく、次の言葉を肝に命じておくように。「備えよ常に!」。データのバックアップを取り、うまくいかなかった時には文鎮化したiPhoneに数時間費やす覚悟をしておくこと。過去数年と比べて手順はかなり改善されているが、バグの可能性はある。もうひとつ、これはジェイルブレイクであってSIMアンロックではないことを忘れないこと。キャリアを変更することはできない。自家製ソフトウェアをインストールできるたけだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Apple、iOS 7普及率を74%と発表。AppStoreの利用データによる

先ほどAppleは、iOS App Storeのデベロッパーサイトを更新し、iOSのバージョン別割合を発表した。今やiOS 7は最大勢力となり、iOSデバイス利用者の74%が、9月にiPhone 5s、5cと共にリリースされたこの大改訂版を使っている。

iOS 7の利用は10月から10%上昇しており、これは全OS要素のビジュアルが変わるなど劇的な変更のあったアップデートとしては、注目すべき伸びだ。さらに注目すくべきは、22%のアクティブApp StoreユーザーがiOS 6を使っていることで、合計96%のiOSユーザーがわずか最新2世代のOSを走らせていることになる。未だにバージョンの断片化の著しいAndroidとは対照的だ。

こうした牽引力はデベロッパーにとって朗報だ。少ない労力でアクティブiOSユーザーの大半をターゲットにできる。しかもiOS 7の場合、旧バージョンとの違いがあまりにも大きいため、ほぼ全員近くがこの新しい大集団に入ってくれることは、ことさら重要だ。

外部調査会社も類似の数字を示しており、Chitikaの最新調査によると、北米地域のiPhoneおよびiPadトラフィックの70%がiOS 7から来ている。この導入速度は半年をかけて83%に到達したiOS 6の時よりも早い。これでiOS 7のみを対照にしたアプリも、ユーザー層が制限されることを心配する必要はなさそうだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


App Store内検索で、いつの間にかスペルミス補正機能が実装されていた

AppleのApp Storeで使われている検索エンジンが進化して、タイポなどがあっても正しい(意図する)検索結果を戻してくれるようになったそうだ。また、名前は覚えていてもどこにスペースが入るのかを忘れてしまったような場合でも、だいたいにおいて目的のアプリケーションを探しだしてくれるようになったようだ。たとえば最近人気の「QuizUp」だと、以前は「Quiz Up」ではヒットしなかったが、これでも検索できるようになっている。

情報元によると、この検索エンジン機能の変更は、しばらく前に行われたものであるとのことだ。

アプリケーションにちょっと変わった名前を付けてしまった場合でも、今回の変更によりきっとダウンロードが増えていくことだろう。これまでは検索で絶対に出てくることのなかったものも、いろいろな検索結果の中に表示されるようになった。

「アプリケーションのパブリッシャーにとっては非常に良いニュースです。Appleにとっても、いろいろなアプリケーションを提示できるというのは良いことであるはずです」と、モバイルアプリケーションを開発しているFiksuのChef Strategy OfficerであるCraig Palliは言っている。

今回の変更はGoogle Playとの比較の意味でも、重要なものであるといえる。Google Playの方はずっと前からスペルチェック的機能を備えていたのだ。App StoreのSEOファームであるSearchManが、2つのアプリケーションストアで、たとえば「Calendar」を「Calender」と綴ってしまった場合の検索結果について調査を行っていた。この調査によると、Google Playの方が、100倍も多い検索結果を表示していたとのことだ。Appleの方は、キーワードでわざわざミススペルを登録してあるアプリケーションしか検索できなかった。

SearchManはいろいろなスペルミスを使って調査を行っている(こちらの資料の8ページ目がわかりやすい)。少なくともこれまでのところは、Google Playの方がはるかに上手にタイポなどのスペルミスにも対応していたようなのだ。

SearchManのCEOであるNiren Hiroは、同様の調査を2013年11月24日にも行った。すると必ずしもミススペルに寛容になったわけではないと思えるケースもありながら、しかし多くのケースで、より多くのアプリケーションが検索できるようになっているようなのだ(下の表を参照)。

過去においては、たとえば「news」を「newz」と綴ってしまうと、検索結果で9つのアプリケーションしか表示されなかった。また「camara」の場合は862件の検索結果しか表示されなかった。こうした部分では、最近行われた変更により、検索結果表示数は大いに改善したということができる。どうやらAppleは、スペルミスの検索結果をだいたい2200件ほど見つけ出して結果を戻すという処理を行うことにしたようだ。そのせいで「shoping」や「pocker」などのスペルミスについては、これまでよりも少ない検索結果しか戻さなくなってもいる。スペルミスを予定してキーワードに登録しているものを拾ってくるのではなく、まず検索語を補正してから2200件程度を上限にヒットする結果を引っ張ってきているようだ。

今回の変更により、確かにこれまでは見つけられなかったアプリケーションを見つけられるように、あるいはこれまでよりも素早く目的のアプリケーションに辿り着けるようになったことだろう。実はこうしたスペルミスによる検索というのは、全体からみるとごく少数のものであったため、これまで対応を見送られてきたということであったようだ。

App Storeのオプティマイズサービスを行っているStraplyのファウンダーであるGeorge Lawrenceは、iOSアプリケーションストアに入力された「Angry Birds」をミススペルした検索文字列についての調査を行っている。

Lawrenceによると正しいスペルで検索されたのが98.48%とほとんで、いずれのスペルミスも1%にも見たない頻度なのだとのこと。「Angery birds」が0.46%で、「angri birds」が0.37%、そして「angry blrds」が0.32%などとなっている。統計に数値として出てくるスペルミスは5つのみであったようだ。

「スペルミスないしタイプミスというのは、必ず発生するものです。しかしその量は非常に少なく、これに対応していくのは、なかなか難しい問題であるようです」と述べる。「ミススペルによる検索量は四捨五入すれば0%と丸められてしまうようなものなのです」。

但し、こうしたスペルミスが非常に少ないものであるとはいえ、ロングテール戦略的視点に立てば、こうしたものに対応することはアプリケーションストアのみならず、あらゆる検索エンジンにとって重要なものであるといえる。Googleは、その出自からもアプリケーションストアにおいて、こうしたロングテール戦略を充実させてきていた。2014年が間近に迫った今になって、Appleもようやくこうした方向の強化を始めたわけだ。

いずれにせよ、今回の改造はほとんどのiOS開発者にとって好ましいものと受け入れられるものとなるだろう。スペルミスを期待して妙な名前のドメインを用意していたサイバースクワッターにとっては悲しむべきアップデートだと言えるかもしれない。

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(翻訳:Maeda, H


Android vs. iOS, アプリはどっちから先に作る/売り出すべきか

“AndroidとiOS、どっちを先にやるか?”という、スタートアップにとって永遠の問いは、ますます難問になってきた。Androidのマーケットシェアが80%を超えた、というニュースがあったからだ。でも、経営者や非技術系のファウンダはさておき、かんじんのデベロッパ! デベロッパ!は、この対立をどう考えているのか? どちらが、デベロッパの人生にとって有利か?

実はぼくも、デベロッパの一人だ。本誌の記事(や小説)を書いていないときは、ぼくはHappyFunCorpのソフトウェアエンジニアだ。世界でもっとも良い名前のコンサルタント企業であり、Webサイトだ(クリックしてみて)。最近は管理職的な仕事が多くなっているが、プログラミングを忘れたくないので、ちょっとした個人的なプロジェクトをAndroid用とiOS用両方を作って、それをオープンソースにした。以下はそのときの経験に基づく、両プラットホームの比較論だ。

ぼく自身の経歴としては、これまで数多くのAndroidアプリとiOSアプリを作ってきた。仕事と、個人的なプロジェクトの両方だ。たとえば、ぼくの好きなニュースアグリゲータScanvine用に作ったネイティブクライアントは、ソーシャルメディア上で異様に広く共有されている記事を見つける。そのソースコードはGithubにあり: (Android | iOS) 、アプリ本体もダウンロードできる: (Google Play | App Store)。

比較論を始める前に、Xamarinのクロスプラットホームな開発ツールに言及しておくべきだろう。ぼく自身も、もしも自分がC#プログラマで、JavaやObjective-Cを知らない人間だったら、モバイルアプリの開発のためには、これを選んでいたと思う。

それにまた、今回のプロジェクトは、商用製品ではなくて、個人的に楽しむためのプログラミングだ。だから、テスト用のコードがない。だからiOSのハイゼンバグは、今でも手作業で調べている。サードパーティのライブラリも、gitのサブモジュールにせずに、ファイルをコピペしている。今は直したけど、Androidのビルドでレイアウトファイルにバグがあって、タブレットがクラッシュしたこともある。

では、前置きはこれぐらいにして、二頭の馬たちのゲートを開こう。さあ、走れ!

環境

コードをテキストファイルに書いて、コマンドラインでビルドすることは、今でも可能だがしかし統合開発環境(integrated development environment, IDE)を使った方が生産性は高い。

AppleはXcodeだ。使っていて楽しいし、すっきりしてるし(ごたごたの逆)、速いし、強力だし、出しゃばらないヘルプが良い。AppleはiOSのアプリやデバイスを厳しく管理するために、奇妙で独特なコンパイラと、被害妄想的な証明/プロファイリングの仕組みを持っているが、それらはXcodeの快適な外見の下に隠されている。デバッガはシームレスだし、シミュレータは速くて応答性が良い。

Androidは、ほぼ標準のIDEがEclipse + Androidプラグインだが、こいつが厄介者だ。遅い、ぎくしゃくしている、分かりにくい、そしてときにはまったく不可解。レイアウトが悪い、不必要に複雑、そして混乱。デバッガーがドジなので、ぼくはログファイルを見ながらデバッグをしている。Xcodeのデバッガは、まさに、頼りになるデバッガだ。Androidのエミュレータもひどくて、立ち上げに数分かかるし、Android Debug Bridgeに接続できないことが、とても多い。

ツイート訳: [Androidの仮想デバイスを使って開発している人なんかいるの? なんで、立ち上げに10分もかかるんだよ?]

そこでGoogleは、独自のIDE Android Studioを提供するつもりでいるが、しかし:

Android Studioは現在、初期的なプレビューバージョン(early access preview)です。まだ不完全な機能や未実装の機能があり、バグもあります。未完成の製品を使いたくない方は、代わりにADT Bundle(Eclipse + ADTプラグイン)をお使いください。

GoogleがAndroid Studioを鋭意開発中なのはよろしいが、ぼくが最初のAndroid携帯を買ってからほぼ5年になるのに、まともな開発環境がまだないとは、どーゆーこっちゃ?

勝者: 大差でiOS。


構成

上で述べたように、Xcodeの外見はすっきりシームレスだが、その下にはObjective-Cという、70年代のプログラミングの恐怖を彷彿とさせる怪獣が眠っている。おおげさかもしれないが、そう言いたくなる。マクロ、ヘッダファイル、プロジェクト、ターゲット、スキーム、そしてビルドのコンフィギュレーション(構成)。ビルドの設定だけでも、うんざりしてくる。不可解なリンカエラーが出ると、絶望あるのみ。そして、こんな発見: “あら、きみのサードパーティコードはARCをサポートしていないの? じゃあフラグ-fno-objc-arcを加えるんだよ。簡単だろ?”。

Androidではマニフェストファイルが一つあるだけで、アプリのビルドはEclipse が完全にやってくれる(正常時は)。ファイルを保存したらビルドは自動的に行われる。パーミッションの構成ミスでアプリが動かないときに出るエラーメッセージは、もっと分かりやすくしてほしいが、それはそんなに重大な問題ではない。とにかく、ビルドのための構成はAndroidの方が概してシンプル、そしてエレガントだ。

勝者: Android。


UXデザイン

勝者は当然Apple、とみなさんお思いだろう。Interface Builderを使うと、きれいなユーザインタフェイスを簡単に手早く指定できる。でもぼく的には、Interface Builderを使えば使うほど、嫌いになった。ここでもまた、構成が面倒なのだ。最初は単純で楽ちんでも、その後のアプリの進化とともに、世界はぐちゃぐちゃになっていく。とくに、Appleが1年前に加えた、マルチスクリーンのStoryboardsは、すごーく、好きくないね。

Androidのビジュアルツールもまあまあだが、それについて、あまり言うべきことはない。なにしろAndroidは製品の種類が多様で画面サイズもまちまちだから、UIをそのすべてに正しく対応させるために、レイアウトの指定をXMLファイルで書く(AppleのAuto Layoutも、今後のiOS製品の画面の多様さに対応するための仕掛けだろう)。なお、Androidではアイコンパックが提供されているが、iOSではIcons8のようなサードパーティ製品を使うか、または自作する。

意外にも‘Apple圧勝’とはいかなかった。ちょっと奇妙な結果ではある。しかし、iOSは幸運にも製品種類がとても少ないから、デベロッパの苦労も少ない。それにiOSのデフォルトのUI部品は、デザインがおおむね美しい。この二点で、iOSが有利だ。

勝者: iOS。


言語

AndroidのアプリはJavaで書く。iOSのアプリはObjective-Cで書く。その例外は、Xamarin(前述)を使うとき。ただしツールによってはマイナーな例外があるし、PhoneGapのようなネイティブ/Webのハイブリッドもある。しかし一般的には、AndroidはJava、iOSはObjective-Cでネイティブアプリを書く。

ぼくがプログラミングをやり始めたときの言語がJavaだったから、最初はObjective-Cに馴染めなかった。とくに、書く量が多すぎる、と思った。

Javaなら:
String s2 = s1.replace(“abc”,”xyz”);

Objective-Cでは:
NSString *s2 = [s1 stringByReplacingOccurrencesOfString:@"abc" withString:@"xyz"];

でも、その後だんだんとObjective-Cが大好きになった。Javaよりもクリーンな、良い言語だ。Objective-Cにはブロックブロック構文〕があり、Javaにはない。Objective-Cにはカテゴリーカテゴリ〕があり、Javaにはない。Javaでは大量の例外処理(try/catch節)を義務的に書かなければならないが、Objective-Cにはそれがない。

Javaにも、良い点はある。たとえばスタックトレースが良くできているので、散発的な(起きたり起きなかったりする)バグの原因を見つけやすい。2年前までは、ガーベッジコレクションではAndroidが断然優位だった。今ではiOSにautomatic reference counting(ARC(前述))があるので、Javaの優位は薄れた(ただし古いサードパーティのツールはARCをサポートしていないのでXCodeの構成で苦労しないといけない)。この点でJavaの優位はなくなったので、勝者はObjective-Cで決まりだ。

勝者: iOS.


API

AndroidもiOSもライブラリの規模は大きく、その内容は互いに似ている。電話機能、ネットワークアクセス、多様なViewオブジェクト…その中にはブラウザそのものとも言える強力なWebViewがある。実際の仕事は、コントローラの中で行う…iOSではViewController、AndroidではActivity。

iOSにあってAndroidにないものは、一連の機能集、フレームワークだ。たとえばiOSの強力なCore Dataフレームワークに相当するものは、Androidにない。またiOSのAPIの方がよりクリーンでありシステムとしての設計も良い。ぼくのアプリでは、iOSの場合、これこれ、二つのかなりシンプルなクラスが仕事の大半を行うが、Androidではこれこれこれ、計三つのクラスが同じことをする。そしてこれらは、10個近い内部クラスや無名クラスを使用している。結局のところ、iOSのCollectionViewControllerの方がAndroidのListAdapterよりも使いやすい。

あまり客観性はないが、ぼくのこのアプリの自作コードはiOS版が1596行、Android版が2109行だ(Java + XML)。32%もの差がある。

勝者: iOS.


インターネット

今ではほとんどのアプリが、スタンドアロンのプログラムではなく、多かれ少なかれインターネットに依存している。だからここでは、それほどまでに重要なインターネット機能を比較しよう。インターネットに関して、ツールやAPIは両プラットホームとも、たいへん多い。どちらも、互いによく似たWebViewsがあるので、どのアプリにも完全なブラウザウィンドウを置くことができる。

ネットワークへの接続は基本的にバックグラウンドで動く処理であり、アプリの本流の邪魔をしない。しかし、このようなマルチスレディング(multithreading, 処理の多重化並列化)は難しい。Androidが提供しているAsyncTaskクラスは、大きいが良い仕事をする。今オンラインかどうかをとても容易に判定できるための、便利な方法もある。iOSにも同様の機能はあるが、どれもかなり低レベルで、不満足なものだ。

しかしながら、オープンソースのライブラリがたくさんあるから、それらを使えば苦労はない。ぼくはAFNetworkingを使ったが、作者が言ってるとおりの、良質なフレームワークだ。Webのリクエストが完了したら動かしてほしいコードのブロックを、渡すだけだ。ブロック構文(前述)のないJavaでは、それはできない。

勝者: ネイティブではAndroid、サードパーティのライブラリも含めるとiOS。


共有

アプリから容易にFacebookやTwitterやEvernoteなどで共有できるか? AndroidにはIntentという強力なアプリ間コミュニケーションシステムが前からあるから、第一ラウンドでAndroidのノックアウト勝ちだ、とぼくは思った。一般的に言っても、複数のアプリ間のデータ共有機能は、Androidの方が優れている。

でも、きわめてふつうの共有機能では、Appleもかなり追いついている。というか、これは読者ご自身が判断していただきたい。ぼくのアプリScanvineの、Androidの共有コードはこれ、iOSのコードはこれだ。iOSのコードがやや長いのは、Google Analyticsでちょっと余計なことをしているためだ。こいつは、直したい。

勝者: 引き分け。


分裂

こいつは、簡単。AndroidはこうiOSはこう。証明終。Googleがおもしろい統一策を実装中だから、この話題は再訪の価値があるかもしれない。

勝者: iOS.


発表

Androidアプリは、世の中に発表することが、うそみたいにやさしい。Eclipseには便利なアプリ登録ウィザードがある。どのデバイスでも動くAPKファイルを、あなたは作った(はず)。それを、メールしてもよい、Webサイトに載せてもよい、Google Playにアップロードしたらたちまち、全世界があなたの市場になる。最高にシンプルだ。インストール時のログデータとクラッシュ報告を見る。スタックトレースを見れば、問題のコードがどこか分かる。すぐにバグフィクスして再びアップロードすればよい。

Appleのアプリは、発表が悪夢だ。頭の良いぼくの友人は、iOSアプリを開発するときは通常のスケジュールに最低でも1日足せ、とアドバイスする。証明とか配布プロファイルと苦戦するための時間だ。何度やっても、それにXCodeの最新バージョンがどんなにそのための努力をしていても、それはつねに、でっかい苦労だ。TestFlightがあるから、ややましだが、アプリのテストも厳しい。そしてAppleの”iTunes Connect”WebサイトとGoogle PlayのDeveloper Console(デベロッパコンソール)は、Ford Pinto vs. Teslaだ。クラッシュレポートがもらえたら、ついてる方。だいたい、ろくな情報は得られない。彼らの、デベロッパに対する恣意的な態度は、こうなったら楽しむしかない。そしてAppleのUXのひどさに、感嘆するのだ。

勝者: 大差でAndroid。


そして優勝は…

僅差でiOSだ。Androidにも良い点はあるが、良いiOSアプリを書くことと、良いAndroidアプリを書くことを比べると、前者の方が相当にやさしい。今でも。それにAndroidユーザはお金持ちで周囲への影響力もあるから、大ウケをねらうスタートアップは、最初にiOS、Androidは後で、で行くのが理にかなっている。Android Studio IDEは、差をやや縮めるかもしれないが、まだ横並びにはならないだろう。

(なお、ぼくの日常のメインの携帯はNexus 4だ。しかも、すごく満足している。)

画像クレジット: Jennifer Stolzer, DeviantArt

〔訳注: この記事はコメントが166もあり(日本時間11月19日18時現在)、参考になるコメントも多いので、この記事をより相対的に読むためにはコメントも読むことをおすすめします(Twitter上の関連ツイートは961件あります)。以下に、今はEclipseじゃなくてIntellij、という正論を書いていると思われるコメントを一つだけ訳出(抄訳)しておきます(GoogleのAndroid StudioはIntellij(の無料版)がベースです)。〕

<コメント訳開始>
ちょいと、こいつは露骨に偏った記事だよ。詳しく書いてる時間がないから、Eclipseが標準IDE説を、ここでは取り上げよう。前からJavaをやってる人なら、Intellijを知ってるだろう(Android Studioはまだバグが多くてだめだけど)。GoogleがEclipseを見捨てたのも、当然だ。Androidデベロッパも、だいぶ前から、すでにIntellijを使ってる人が多い。また、エミュレータはとっくに誰も使っていない。あまりにも、ひどいから。今はほとんどの人が、デバイスそのもの、またはx86エミュレータ、またはGenymotionなどを使っている。今更一体誰がSamsung Realityなんか検討するの?
【後略】— from kpgalligan
<コメント訳終了>

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


速報:iOS 7のアップデート率は予想を上回るハイペース―初日で35%を記録

Appleは画期的な新OS、iOS 7を昨日(米国時間3/18)東部標準時で午後1時ころ公開した。アクセスの殺到によるサーバーのエラーで当初かなり待たされるユーザーも多かったが、結局驚くべき数のアップデートが実行されたようだ。

われわれは各種の調査をできるだけ広くあたってiOS 7の公開開始から24時間のアップデート率の推測を試みた。どうやらiOS 7へのアップデートはきわめて急速に行われつつあるようだ。Chitikaによれば、iOS 7デバイスは今や北アメリカのトラフィックの18%以上を占めるという。これはiOS 6の初日のアップデート率を上回る。この調査はアメリカとカナダのデバイスによる3億ページビューをモニタしており、iOS 6のアップデートの初日のトラフィックのシェアに比べて、今回のiOS 7の場合は3%ポイント上回っているという。

モバイル・ウェブ・アナリティクスのMixpanelはiOS 7のシェアの変化をリアルタイムで観察し、同社のサービスにアクセスするユーザーのiOSデバイスのうちiOS 7のシェアが最初の24時間で35%に達したと発表した。Mixpanelによると、多くのユーザーが公開直後にアップデートを行った(ローンチ後10時間以内に22%)という。Mixpanelは今後24時間以内にiOS 7のトラフィックがiOS 6を追い越すものと予測している。これに対してAndroidではJelly Bean(の全バージョン)が、公開後450日も経つのに、まだ57%しか普及していない。

モバイルとタブレットの最適化ソリューションを提供するOnswipeもプラットフォーム別のシェアのモニタしており、カバー範囲には100万のユニークなiOSデバイスが含まれる。この調査によると、すでに31.27%のデバイスにすでにiOS7%が搭載されている。 iPhoneが34.04%、iPadが26.12%とiPhoneのアップデート率がわずかに上回っている。

私の取材に対して、OnswipeのCEO、Jason BaptisteはiOS 7について「これほどアップデート率が高い理由は、いわば新型のデバイスを無料で入手できる(ほど大幅なアップデートだった)からだろう」と語った。【中略】

結局、インターフェイスデザインの一新をはじめとする大胆な改良がiOS 7のアップデート率を鈍らせることはまったくなかった。そうなるかもしれないという予測は杞憂に終わったといえる。まだ1日目を終えたばかりだが、すでにトレンドは明白だ。

(Matthew Panzarinoが協力した)

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


AppleがiOS 7を一般公開―次の注目はユーザーのアップデート率

映画「イージー・ライダー」ではないが「エンジンをかけてハイウェイをぶっとばす」ときがやってきた。いや、つまり先ほどAppleから画期的な新OS、iOS 7が公開されたところだ。iPhone 4以降、iPad 2以降、iPad mini、第5世代のiPod touchにインストールが可能だ。

ここで大きな注目が集まっているのは、ユーザーがiOS 7にアップデートする速度だ。これほど大幅ではないOSのマイナー・アップデートの場合、ユーザーの移行は非常に急速だった。

Chitikaの調査によれば、iOS 6.1、6.12はどちらもアメリカ、カナダで非常に急速な移行率を示した。また世界的にみてもこれまでAppleのiOSデバイスのユーザーが新OSをインストールするスピードは速かったが、iOS 7の場合はいろいろな面で過去のOSアップデートとは事情が異なる。

iOS 7ではほとんどすべてが変えられた。まずルック&フィールが根本的に変化した。ナビゲーションから各種機能まですべてが改良の対象になっている。私も以前の記事で指摘したが、ほとんどの変化は実際に改良になっているものの、ユーザーがiOS 7に慣れるには少々時間がかかるだろう。

アップデートをスタートするには設定メニューで一般 >ソフトウェア・アップデートを開くか iTunesをインストールしたパソコンに接続する。 Appleのサーバーには膨大な負荷がかかることが予想されるので、ダウンロードが始まるまでに少々時間がかかるかもしれない。エラーがあっても根気よく再試行を続けること。

AppleがiOSをアップデートするつど、ユーザーの移行カーブは注目されてきたが、今回は特に強い関心が注がれている。テクノロジーに強くない友だちや親類を持っている人は、iOS7の変化に驚いて助言を求める電話がひんぱんにかかってくる覚悟をしておいたほうがいい。iOSのユーザビリティは今回大きく向上しているので、当初の驚きがすぎれば大きな問題はないだろう。またAppleがiBookstoreで公開しているアップデートのガイドを教えてやってもよい。

われわれはiOS 7の移行率についていつもの情報源が発表を行うのを待っている。情報が入り次第アップデートしていく。

〔日本版〕Engadget Japanのアップル iOS 7提供開始。iPhone 4 / iPad 2以降とiPad mini、iPod touch(5代目)対応も参照

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


AppleのCoreTextのバグでiOS 6とOS X 10.8のアプリがクラッシュ

【抄訳】

AppleのiOS 6とOS X 10.8AのレンダリングエンジンCoreTextのバグのため、どのアプリもアラビア語の文字列を表示しようとすると、すぐにクラッシュする。このバグを露呈する文字列は昨日発見され、ハッキングやプログラミング関連のコミュニティに広まり、Twitterにも登場した。それを自分のタイムラインで見てもTwitterはクラッシュする。

バグの影響を受けるのはiOS 6とOS X 10.8の上のアプリで、OS X 10.9 MavericksとiOS 7のベータリリースは無事だ。だから、これらの文字が引き起こすバグが何であれ、レンダリングエンジンの次のバージョンではすでに直っている。しかし今でもiOS 6を使っている人は、救われない。

CoreTextのバグなので、このフォントフレームワークにアクセスしてテキストを表示するアプリはどれでも被害を受ける。WebKitもCoreTextを使っているので、SafariなどWebKitを使っているアプリケーションもやられる。

下の画像は、その文字列を示している。文字列そのものはここに引用しない(当然ながら)。バグをどうしても体験したい人は、上のツイートを探してほしい。リンクはお教えしない。なお、TweetbotはCoreTextを使ってるはずなのに無事だった。

【中略】

Facebookはすでに対策をとり、この文字列の投稿を禁じている。投稿しようとすると、あなたのポストにはセキュリティの脆弱性が含まれている、というエラーメッセージが出る。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Twitter、初心者にも分かりやすいようUIをアップデート―会話を今までと逆に「時間順」に表示

【抄訳】Twitterは先ほど会話のタイムライン表示の順序をひっくり返した。通常のタイムラインの表示は今までどおり「最新のツイートがトップ」のままだが、ツイートにリンクされた会話については「いちばん古い返信がトップ」に表示される。

リンク・ツイートは青い縦線で関連していることが表示され、全体がボックスの中に収まっている。このアップデートで会話を追ってストーリーを読み取ることがTwitterに慣れない初心者にも容易になった。しかしこのアップデートの理由は単にそれだけではなく、もっと深いところにある。つまり会話をより人間的にして、Twitterらしさを薄めることを狙ったのだろう。

会話で最新の返信が最後に表示される新しいUIはTwitter.comだけではなく、iPhoneとAndroidアプリにも導入されている。

下に会話を拡張表示したサンプルを掲載しておく(オリジナル・ツイートをクリックないしタップしないと返信はすべて表示されない)。

右端のタイムスタンプを見ると、従来とは逆に上から下へだんだん新しくなっていくのが分かる。時間の順序で会話を読めるこのやり方の方が話の流れを理解しやすいと私自身も感じた。

Twitterのコミュニケーション方式は、サードパーティーのデベロッパーがイニシアチブを取って@記号によるメンションやRTなど独特の機能が追加されるにつれて、初心者には理解が難しいものになってきた。

そうした追加機能がなければTwitterの魅力は半減するだろう。しかしTwitterが開かれたメディア企業を目指すなら、新しいユーザーにも容易に理解できるようにUIを改良する配慮が必要になってくる。

とはいえ、新しい会話ビューは長年のユーザーの間に賛否の議論を巻き起こしているようだ。たとえばあるツイートに返信があるとオリジナルのツイートと関連する会話が全て一括してタイムラインで上に押し上げられる。たしかに会話の流れは理解しやすくなったが、逆にタイムラインの流れは把握しにくくなったという意見も出ている。つまりTwitterは個別の会話の理解を、タイムライン全体の把握より優先したのだろう。

新UIについてもうひとつ付け加えると、ツイートを拡張表示しない状態では従来通り、フォローしている相手のツイートだけが表示される。しかし会話を拡張すると、フォローしていない相手からの返信も含めてすべての会話が表示される。【後略】

画像: John Verive /CC Flickr

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スマートフォンの売上台数がついにフィーチャーフォンを抜く(2013 4-6月期)…Androidの支配はいよいよ強力

調査会社のGartnerがスマートフォン市場に関する最新の報告書を発表し、その2013Q2の数字によると、ついに避けられない事態が訪れた。スマートフォンの売上がフィーチャーフォンの売上を始めて上回ったのだ(全世界ベースで台数ベース)。ここ数年Androidが一貫してダムフォン(dumbphones)の首を締め上げてきたが、いよいよ市場の転換点に到達したようだ。

Gartnerによると、世界のスマートフォンの売上は2013Q2で前年同期を46.5%上回り、2億2500万台となった。対してフィーチャーフォンは21%減少し2億1000万台であった。スマートフォンの増加率がとくに著しいのは、アジア太平洋地域(74.1%) 、ラテンアメリカ(55.7%)、および東部ヨーロッパ(31.6%)だが、そのほかのすべての地域でも増加している。IDCの最近の市場データでは、AndroidがQ2の全世界市場でシェア80%に接近している。このGoogle起源のモバイルOSは明らかに、昨日(きのう)までのフィーチャーフォンユーザを食って伸びている。

スマートフォンのグローバルな成長はどの企業にとっても上げ潮になっているが、とりわけ好調なのが今やAppleを抜いてマーケットリーダーであるSamsungだ。このGartnerの報告書では、Samsungのシェアは全市場の1/3近く、31.7%となり、2012Q2の29.7%よりも拡大した(下表)。AppleのiPhoneは台数では伸びたがシェアは2012Q2の18.8%から2013Q2では14.2%に落ちた。市場の底辺をねらってiPhoneの低価格機を出すというのも、当然の動きだ。iPhoneの販売台数は2013Q2で前年同期比10.2%増加したが、同じ時期のスマートフォン全体の増加率(前述46.5%)には及ばない。

SamsungとApple以外では、アジアの3社(LG, Lenove, ZTE)がそれぞれシェア4~5%のレベルで3位争いをしている(下表)。Lenovoは、Lephoneという機種が中国で人気なのだ。

Gartnerによると、Appleの平均販売価格(average selling price(ASP))はQ2にかなり落ち込み、2007年のiPhoneのローンチ以来最低となった。それはiPhone 4の売れ行きが強含みだったためで、これまた、量確保のためには廉価版iPhoneを出す、という動機につながる。もちろんそうなればASPはさらに落ちるが、市場の成長を今引っ張っているのは低価格機だからAppleも背に腹は変えられない。

この件に関してGartnerのアナリストAnshul Guptaは、“Appleに必要なのは新しい旗艦機であり、単純に低価格機を出すのはむしろリスクが大きい”、と述べている。“その低価格機はiPhone 4と横並びで300~400ドル程度になると思われるが、それは今のiPhone 4以上に、Apple全機種間の共食い現象を激化させるだけに終わるだろう。いくら現行旗艦機のお買い得な兄弟機を気取っても、結局は安価な新製品というマーケティングに傾いてしまうのではないか”。

もうひとつ2013Q2で注目すべきは、MicrosoftのWindows Phoneが始めてBlackBerryを抜き、プラットホーム(モバイルOS)として3位に躍り出たことだ(下表)。2010年にWindows Phoneがローンチしたとき、Steve BallmerとNokiaのCEO Stephen Elopは、スマートフォン業界に第三のエコシステムを作る、と意欲を述べた。エコシステムと呼ぶにはまだ勢いが足りないようだが、とりあえず売上では3位を確保した。

2013Q2でWindows Phoneのグローバルマーケットシェアは3.3%(2012Q2は2.6%なので↑)、対して悩めるBlackBerry OSは2.7%(2012Q2は5.2%なので↓)だった。Guptaはこう記す: “Microsoftは本四半期で台数とシェアを伸ばしたが、これからより多くのユーザにアピールしていくためにはアプリデベロッパの関心を育むことが重要である”。

プラットホーム~OSのシェアとしては、Android+iOSでグローバルマーケットシェア93.2%を占める。デベロッパがこの二つのプラットホームを優先するのは当然であり、それ以外のプラットホームに力を向けるためには特別のインセンティブが必要だ。下表のように、Androidのシェアは79%と驚異的であり、前年同期の64.2%から大きく伸びたのも、やはりフィーチャーフォンからの乗り換え層をさらったからだ。

フィーチャーフォンの低下はNokiaにとって悪いニュースだ。同社のスマートフォンは実質、Windows Phoneという名の負け犬だし、主力のビジネスは今でもフィーチャーフォンだ。Nokiaは2013Q2に6100万台のフィーチャーフォンを出荷したが、前年同期の8300万台よりは落ち込んだ。しかしそんなNokiaも、スマートフォンでは機種~価格帯の多様化により善戦している。NokiaのWindows Phone機Lumiaの売上は、Gartnerによると、前年同期比で112.7%増加した(倍増以上)。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ベータテストサービスTestFlightが扱ったアプリ40万に達す, 大吉と出た買収効果

モバイルアプリのベータテストをやってくれるTestFlightが、着実に伸びており、とくに最近90日では、同プラットホームにアップロードされる新作アプリの量が大幅に増えた。TestFlightは今ではオーナー企業がBurstlyだが、扱ったアプリの総数が40万に達した。40万がどれだけすごいかというと、それはiTunes Storeのアクティブなアプリの半数に近い。しかもそのうちの15万あまりが、過去3か月以内に来たものだ。

TestFlightの過去3か月のこれまでの記録は、3月に発表された10万だった。Androidアプリは、5月にSDKがベータでローンチされて以来今日までで1500本となる。しかし今ではベータを脱しているので、今後はAndroidデベロッパの全員が利用できることになり、急増が期待される。

iOSバージョンは完全に改作され、効率と安定性が上がった。とりわけゲームのパフォーマンスが向上し、クラッシュデータも漏れなく集められるようになった。改作されたクラッシュ報告では、各問題に“解決済み”のマークを付けられ、さらにクラッシュにまつわる状況を、デベロッパのための参考情報として、より詳細に書けるようになった。またアプリのパフォーマンス分析とクラッシュ報告が一体化され、ユーザ保持率(リテンション)やユーザのフローに対する、クラッシュの影響が分かるようになった。

昨年3月にBurstlyに買収されたTestFlightは、その後もFlightPathなどの新製品を発表、Android対応化、SkyRocketによるモバイルデベロッパのための収益化オプションなど、積極的に業容を拡張してきた。買収がチームのやる気に火を付けた例である、と協同ファウンダのBen Satterfieldは説明する。

彼は買収の時点で本誌のJosh Constineに、“TestFlightは立派な製品だと思うが、買収されなかったら全員、それと心中していたかもしれない。でも今では、朝起きるたびにもっと大きなことを構想できるようになった”、と買収効果について説明している。

同社の最近の急激な伸びは、買収から1年あまり経った今、その効果が大きく花開いている姿を示している。

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有料アプリますます減少–2010年は80%が無料, 2013年は90%に

モバイルのアプリケーションはますます無料が多くなる、という傾向が続いている。アプリの市場を分析しているFlurryの最新レポートは、およそ35万本のモバイルアプリケーションを調べた結果として、iOSのアプリは2010年から2012年にかけて約80から84%が無料、2013年には一挙に90%が無料、と報じている。

無料のアプリに売上がない、という意味ではない。広告やアプリ内購入、そのアプリの有料バージョン(広告がない、など)、などで収益を得ているアプリも少なくない。ちなみに、広告のないバージョンへのアップグレード費用は通常、99セントとか1ドル99セントという額だ。

ただし、有料バージョンに乗り換えるユーザはあまり多くない。レポートを書いたFlurryのアナリストMary Ellen Gordonは、“広告がないことやコンテンツが高品質であることよりも、無料であることが好まれている”、と説明している。

また、ほかの調査報告書などでも言われていることだが、今回のレポートもやはり、AndroidのユーザはiOSのユーザよりもモバイルアプリにお金を払いたがらないことを指摘している。無料製品を含めた2013年4月のアプリの平均価格は、Androidが6セント、iPhoneが19セント、iPadが50セントだった。

Flurryの推定では、iPadのユーザは高収入なのでお金を払ってでもアプリを買う。しかし実は、それがすべてではない。iPadの初期には、画面が大きいのだからアプリのお値段も高い、という市場の動向だった。iPadの初期採用者は高所得者だった、あるいは、iPadアプリは開発に多くの時間を要する、といった事情があったのかもしれない。いずれにしても、そういった初期の価格政策が、iPadがタブレット市場の首位に立ち、大衆的に普及した今日でも、そのまま持続しているのだ。

デベロッパの多くが、iOSとAndroidの両プラットホームでアプリを無料にする動機は何だろう? Flurryによるとそれは、デベロッパ界隈におけるA/Bテストや価格に関する実験の結果だ。そういう一連の事前的な市場調査の結果として、有料はノー、という結果をデベロッパたちは得ている。有料にすると、そのお値段が99セントでも、需要はガタ落ちになるのだ。

モバイルアプリは、テレビやラジオやインターネットのようなものになりつつある、とレポートは結論している。広告は嫌でも、それが無料の代償なら我慢するのだ。テレビにもラジオにもインターネットにも、電話をすれば(クリックすれば)買える、という売上発生経路があるように、アプリにはアプリ内購入というものがある。人気上位のアプリでは、これの売上額が非常に大きい。この夏のぶっちぎり大ヒットCandy Crush Sagaは、一日の売上が60万ドルを超えている、と言われる。

しかし、市場に新規参入したデベロッパがアプリストアの上位に食い込むことは、ますます難しくなっている。今年の初めにDistimoが公表したデータは、iPhoneの上位パブリッシャー中わずか2%が新人、Google Playストアではわずか3%、と言っている。アプリの製作というビジネスは、長期的に見てなかなか厳しい。アプリ内購入で稼ぐためには、その前に、アプリがたくさんダウンロードされなければならない。そしてまさにそのことが、今ますます難しくなっている

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


iOS、モバイル広告のシェア拡大。AT&TはiPhoneの王座陥落(Velti調べ)

AppleのiOSは、モバイル広告の市場シェアを一段と確固たるものにした。モバイル広告会社のVeltiが報告した。同社によるとAppleのシェアは2012年5月の59%から2013年5月には64%へと増え、新たなインプレッションの大部分をiPhone 5が獲得している。iPhone 5のシェアはこの1年間で7.4ポイント増え、iPadも3.7ポイントを加えたが、iPod touchは大きく後退した。

しかしiPhone全体では15%成長し、これは旧モデルのおかげで結果的にiOS全体の数字を押し上げた。AppleがiPod touchの不調を補う以上にシェアを伸ばしたのは、iPad miniのおかげだ。Samsungもシェアを伸ばしたが、ライバルAppleとは比較にならない。今後数ヵ月間市場は不安定になるとVeltiは予測しているが、これは9月に発売が噂される新しいiPhoneを期待しての買い控えによるものだ。もはやこれ年中行事となっており、モバイル広告におけるAppleの長期的支配には、さほど影響を与えないことを数字が示している。

もう一つ、iPhoneに大量の広告を送り込んでいるキャリアにも大きな変化が起きている。具体的にはかつて支配していたAT&TはVerizonにその地位を明け渡した。これはキャリア業界にとってはビッグニュースだ。Sprintも2012年5月よりシェアを落としているとVeltiは言う。T-Mobileのシェアはほんのわずかだが、データは5月までしかカバーしていないので、同社の新サービス “UnCarrier” の利用者が増えれば変わってくる可能性がある。

昨今多くのモバイルアプリを支えている広告を自分はあまり見たくない、という人たちに残念なニュースがある。広告主はより大きな広告ユニットへと切り換え、小さなものを捨てつつある。Veltiの分析によると、フルスクリーンの侵入型広告、および300 x 250、728 x 90の広告サイズが揃って伸びている一方で、iPhoneの320 x 50広告は利用が減っている。モバイル広告にとって大きいことは良いことのようだ。少なくとも広告主たちはそのように学習している。

モバイル広告レースに勝つことは、デベロッパーにとって極めて重要な指標であるモバイルアプリの利用と売上で優位を続けるAppleにとって、重要な鍵だ。これはiPhoneを消費者にとってふさわしい商品にするためのサイクルの一部でもあるので、Appleはリードを広げたことを喜んでいるに違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Androidの進撃止まらず―EU主要国と中国で70%以上、アメリカで52%を獲得(Kantar調べ)

今日(米国時間7/1)、Kantar Worldpanelは世界のスマートフォン市場に関するレポートを発表した。その分析によれば、過去3ヶ月、Androidベースのスマートフォンはヨーロッパの主要市場(イギリス、ドイツ、フランス、イタリー、スペイン)で70%以上のシェアを占めたという。また世界市場でも同様のシェア拡大が続いている。この成功の最大の原動力はやはりSamsungであるようだ。ヨーロッパでのスマートフォン販売の半数をSamsungが占めている。

ヨーロッパ主要5カ国の市場における70.4%という占有率は昨年に比べて10%ポイントも伸びている(2012年3月から5月までの四半期におけるシェアは61.3%)。ヨーロッパだけでなく、今や世界最大のスマートフォン市場となった中国でも傾向は同様で、70%以上がAndroidベースとなっている。

ただしKantarのレポートでは、Androidの内訳が不明だ。Google Playや課金サービス、広告配信などGoogleのエコシステムをサポートするデバイスの割合などの詳細が判明すればアップデートするつもりだ。

今回のKantarのレポートで興味ある点は、ヨーロッパでは必ずしもSamsungが一人勝ちしているとはいえないことだろう。たとえばイギリスでは(スマーフォンの浸透率は65%)Sonyの新しいXperia Zが健闘している。KantarのPaul MooreによればXperiaの購入者の38%はSamsungからの乗り換え組で、多くはGalaxy S2のオーナーだったという。

もちろん一つの国の市場で成功したからといってSonyが復活したというのは早すぎるだろう。KantarによればイギリスでSamsungAppleの79%に次いで2位の59%という高いブランド忠実度を持っているという。

アメリカでもAndroidはスマートフォン市場の52%(3月には49.3%)を占めて首位だが、Appleも最近のT-Mobileとの提携が功を奏して3.5%ポイント、シェアを伸ばし、41.9%とした。

下位のOSに関しては、BlackBerryが4%ポイント近くシェアを落とし、この四半期のシェアはわずか0.7%に低迷した。BB10による巻き返しはならなかったようだ。一時はスマートフォンのリーダーだったBlackBerryだが、もはやNokiaが販売中止を決定したSymbian程度にしか売れていない。一方、Windows Phoneは0.9%ポイント増加して4.6%にたどり着いた。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


批判や悪評の多いiOS 7のアイコン, しかし一般ユーザには圧倒的に好評

iOS 7は、ブログや評論家やTwitter上などでは好悪両様の評価をされているが、でもInput Factoryが作ったモバイルの集票ツールPolarで行った消費者調査によると、一般ユーザにはきわめて好評である。たとえばシステムアイコンの好感度では、およそ2対1でiOS 7の方がiOS 6よりも好まれている(回答者総数46401)。

これらの数値はWWDCで発表されたiOS 7のすべてのアイコンに集まった票の総数を表しているが、おもしろいのは、単にiOS 7のアイコンが好きというだけでなく、こっちを選ぶという強い選好度を表していることだ。たとえば電話のアイコン(上図)では、80%がiOS 7を選び、残る20%が旧デザインを選んでいる。メッセージアプリのアイコンにいたっては、84%対16%でiOS 7の圧勝だ。

iOS 6はリマインダ、Safari、ゲームセンター、カメラ、電卓などでは勝っているが、でもそれらのiOS 7との差はいずれも微差だ。

iOS 7はまだ出てから間もないし、これまではOSの新バージョンに採用された新機軸に関しては賛否の分裂があった。FacebookのWebサイトやモバイルアプリの小規模なデザイン変更も、大騒ぎを巻き起こしたが、しかしFacebook上のユーザのエンゲージメントやユーザ数の増加率に、そのことが負の影響を及ぼすことはなかった。

今後もiOS 7のUIのデザイン、とくにアイコンをめぐっては、当分のあいだ激しい論争が続くだろう。でも今回の調査結果が示すのは、一般ユーザの多くが感じていることと、少数のうるさい連中の意見や批判とは、それぞれ別世界のものであることだ。Polarで投票した人たちの多くは、新デザインを断固支持しているようだ。今後もっと大規模で本格的な消費者調査をやっても、彼ら一般消費者に意見や感想を表現する機会を与えた場合の結果は、今回のPolarの結果とほぼ同じになるだろう、とぼくは感じる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ミニタイムマシン登場―Heardは5分前の会話を録音できるiOSアプリ

すでに起きてしまったことが録音できたらよかったのにと思った経験は誰にもあるだろう。子供が始めてしゃべったとき。「重要な書類だ。10分以内にここに送れ」と上司に命じられたメールアドレス。そういう音声を後から自由に呼び出せたら便利だ。

iOSの新しいアプリ、Heardはそれを実現しようとする。Heardはユーザーの周囲の音声を常時録音し、バッファーに最近の5分を保存する。

ユーザーがHeardを立ち上げるとiPhoneのマイクを通じてただちに録音が始まる。そのまま録音を続けただけではでは膨大なゴミ情報の山ができてしまうので、Heardは直近の5分だけをバッファに録音し、あふれた分は自動的に消去される。

ユーザーが何かを記録しておく必要があると気づいたら、アプリのボタンを1回タップするだけでよい。最新の5分の音声が保存され、バッファはクリアされる。。Heardはバックグラウンドでも録音を続ける。この場合にはRECORDINGという赤いバナーが画面のトップに表示される。

保存された録音は一部を切り出して名前やタグを付けてメールに添付したりFacebookで共有したりできる。

Heardは先週末にローンチされたばかりで、現在フリーミアム・モデルをテスト中だ。無料版のアプリは過去12秒分を録音できる。あまり長い時間ではないがアプリの動作の理解するには十分だ。アプリ内から1.99ドルを支払うとバッファ容量を拡大するアプリが購入できる。

ただしアメリカの一部の州では録音の対象全員の承諾を得ずに会話を録音すると面倒な法律問題に巻き込まれる恐れがある。

HeardはApp Storeで無料で公開中だ。

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iOS 7、古いiPhoneやiPadは取り残される

iOS 7はこの秋iPhoneにやってくる。しかし、WWDCで発表された機能のすべてを使えるのはiPhone 5とiPod touchだけだ。iPhone 4と4Sユーザーが手にするのは新しいルックスと機能の一部だけだ。iPhone 3GS以前の旧モデルのことは忘れること。そこではiOS 6のスキューモーフィックな世界が永遠に続く。

下の表にある通り、AirDropはiPad 4、iPad miniを含む最新機種だけが利用できる。iPhone 4Sはカメラのフィルターを欠いているが、iPhone 4共々、写真アプリではフィルターが使える。

今日発表された中で唯一Appleに収益をもたらす機能であるiTunes Radioは、iOS 7互換の全機種で利用できる。

これらの機能の一部はiPadでも利用できる ― ただし初代iPadを除く。これはiOS 6のままだ[*]。iPad 2はSiriのアップデートとiTunes Radioだけ。写真のフィルターはiPad 3以降で使える。しかし、iPad 4とiPad miniですら、カメラのパノラマやフィルター機能はない。
[* 訳注:初代iPadはiOS 5までなのでiOS 6さえも使えない。iPhone 3GはiOS 4まで]

もちろんこれは、進化における残念な副作用であり、取り残される機種が出るのは当然だ。

AppleとGoogleは、最新OSで旧機種をサポートすることに関して、称賛すべき行動をとっている。iOS 7を含め、殆どの場合制限の理由はハードウェアに直結している。ハードウェアが新機能に全く対応していないか、ユーザー体験の質を維持できる水準にない場合だけだ。

とりわけAppleは、他社以上にユーザー体験を損わない場合にのみ機能を提供することにこだわる。Siriが登場した時、AppleはiPhone 4Sよりハード性能の低い1年前のiPhone 4に音声入力を提供しなかった。

Microsoftは、Windows Phone 8が当時の現行端末を サポートしないと発表して人気を下げた。旧ユーザーはWindows Phone 8のUI要素の一部を使用できたが、性能改善を支える新機能群は提供されなかった。しかし、新OSは当時の機種にないハードウェアを必要としていた。進歩は時に痛みを伴う。

iOS 7が今年の秋に公開される時、ハッカーやプログラマーたちは、欠けている機能を旧機種に移植すべく最大の努力を払うに違いない。もっとも、それが起こらなくても、あなたのiPhoneにない機能を持つアプリが存在する可能性は高い・・・なぜなら、元々Appleが盗んだものなのだから。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Appleは、そろそろユーザーを大人扱いしてもいい頃だ

Appleはもうわれわれを大人扱いしてもいい。この会社がiOSでスマートフォンに革命を起こしたことに疑いの余地はない。しかし、iOSが年を重ねるにつれ、そのユーザーも年を重ね、初めてのスマートフォンユーザーは減っている。この、コンピューターをポケットにというアイデア自身が新しいものだった頃は、ユーザーの自由を奪っていたのもわかる。しかし、Appleがスキューモーフィックなデザインから、抽象化を高めたフラットデザインへとiOS 7で移行しようとしているのと同じように、オペレーティングシステムをどう使いたいかに関して、もう少しユーザーを信用し、権限を与えるべきではないだろうか。

実際Appleは、Facebook Homeのようなものを許したことがない(あれはいずれにせよ醜悪たが)。しかし、そろそろAppleも、一部でもいいからデフォルトをApplアプリからサードパーティーのサービスに切り換えることをユーザーに許してもいいだろう。

その典型例はもちろんSafariだ。GoogleのChromeやOpera、その他ライバルブラウザーの多くは、様々な面でSafariより優れている。Goolge、Operaのいずれも、プロキシーサービスによってユーザーに通信費の負担を軽減させようとしている(ChromeではAndroidのベータ版で始まったばかり)。Appleも近々同じ機能を提供するのかもしれないが、ユーザーが標準ブラウザーを選択できてもいいはずだ。すでにGoogleは、Gmail for iOS等の自社アプリから、可能な場合にはiOSユーザーをChromeに転送しているが、殆どのアプリはこれをやっていないため、ブラウザーを切り替えても意味がない。

同じことはAppleマップにも言える。これは、標準のiOSアプリがライバルより劣っている例の最たるものだが、Yelpをはじめとする人気アプリが常に開くマップは今でもこれだ。マップはスタンドアロンで使いたいだろうから、乗り換えは多少楽だが、それでも本来不必要な手間だ。

アプリ以外では、そろそろAppleがサードパーティー製キーボードを許してくれると嬉しい。実際、標準のiOSキーボードは少々古くなってきた。いずれAppleも、(Googleと同じように)Swypeを真似てスワイプ型キーボードを作るに違いないが、選択の自由に関しても何かあってしかるべきだ。

私にはあのささやきが聞こえる:「だったらAndroidにすればいいじゃないか?」 真実はと言えば、おそらく私はそうする。長い間のトレードオフは、〈すばらしいユーザー体験(iOS)〉対〈よりオープンなシステム(Google)〉だった。今やGoogleのユーザー体験は事実上Appleと変わらず、サービスはずっと優れている。今Appleが決断すべきは、システムを封鎖し続けて体験を一人占めにするのか、あるいは、少しでもオープンにして、少しでもユーザーの選択肢を増やすかだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)