端末データを子どもの見守りに利用、FULLERとKDDIがサービスを共同開発

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スマートフォンアプリの解析サービス「App Ape」などを提供するスタートアップのFULLERは1月28日、KDDIと子ども向けのスマホサーポートサービスを共同開発したことを明らかにした。

FULLERではアプリ解析サービスと並行して、おもに10代後半〜20代をターゲットにした端末管理アプリなどを提供している。今回共同開発したサービスのベースとなる「スマホスピタル」は2015年5月のリリース。スマホ依存症の予防・改善のために、ユーザーがスマホの利用状況を確認できるAndroid端末向けアプリだ。

ユーザーの所持アプリなどの情報をもとにユーザーの「スマホタイプ」を診断。年代性別ごとの平均と利用状況を比較できる。また電池を消耗している起動中アプリの確認や停止といったバッテリー管理機能も備える。日本のほか韓国でも利用されており、ユーザー数は10万人以上となっている。

一方のKDDIでは、子どもの安全なスマホ利用に向けてスマホ利用時間やアプリの制限、電話帳登録の制限、防犯ブザーと連動する位置情報取得、不適切な言葉の入力を警告するあんしん文字入力といった機能を備える子ども向け端末「miraie」を2015年1月より提供している。今回、そのmiraieの機能を追加すべく、スマホスピタルをベースにしたスマホサポートサービスを共同で開発するに至ったのだという。

「miraie」

「miraie」

「KDDIでは『子どものスマホ利用』を1つの(研究の)テーマとしていた。またFULLERとしても端末の利用データを子供の見守りに使えないかという構想があった。そこでVCなどの支援もあって、タイミングよくお声がけいただき、共同開発に至った」(FULLER代表取締役の渋谷修太氏)

FULLERによると、3月以降は順次他キャリアのユーザー向けにも機能を提供していく予定。今後の展開については「Google Playがそもそも13歳以上でしか使えないため、そこの世代にニーズがあるのかを利用状況を見て検討したい」(渋谷氏)

グローバルな出張の多いビジネスマン/ウーマンよ喜べ、日本でもApple SIMが使えるようになった

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iPadのユーザが加入キャリアを変えるためのSIMカードApple SIMが、KDDIとのパートナーにより日本でもローンチした。AppleのWebサイトによると日本語〕、このカードは日本ではKDDIのモバイルネットワークauをサポートする(出典: AppleInsider)。

適用機種はiPadのWi-Fi + Cellularモデル、Apple SIMは主に旅行者の便宜のために提供されている(今のところ世界90か国のセルラーデータプランをサポート)。多くの国がGigSkyとのパートナーシップによるもので、この企業は多くの国のデータプランを提供している。AppleがApple SIMで同社とパートナーしたのは今年の6月だ。それまではApple SIMは、AT&TやEE、Sprint、T Mobileとのパートナーシップにより、合衆国とイギリスでのみ利用できた。

Apple SIMのWebページによると、アジア太平洋地区の対応国、インド、バングラデシュ、カンボジア、日本の中で、東アジア地区は日本だけだ。最近は地球上のほとんどの国が旅行者にとって重要だが、Apple SIMの可利用性はそれらの国のキャリアとAppleとのパートナーシップの如何にかかっている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

モバイルポータル「Syn.」参画のスケールアウト・nanapi・ビットセラーが合併、新会社は「Supership」に

supership2014年10月にKDDIが主導して立ち上げたモバイルインターネット向けの新ポータル構想「Syn.」。昨年11月には僕らのイベント「TechCrunch Tokyo 2014」でもその詳細を聞くことができたし、参画企業のサイト・アプリにはSyn.の独自メニューが付くなどしていたのだけれども、発表から1年が経過して1つ大きな動きがあったようだ。

Syn.に参画し、KDDI傘下となっているスケールアウト、nanapi、ビットセラーの3社は、11月1日(予定)を効力発生日として合併することを明らかにした。新会社名は「Supership株式会社」となる。新会社の代表には、KDDIにおけるSyn.構想の立役者であり、Syn.ホールディングスおよびビットセラーの代表取締役を務める森岡康一氏が就任する。

今後は各社で展開していた広告、インターネットサービス、プラットフォーム事業等の事業基盤を活用。「すべてが相互につながる『よりよい世界』を実現する」という理念のもとで新サービスを提供するとしている。具体的なサービスについては現時点では明らかにされていない。また、各社で提供するサービスについては、引き続き利用できる。

またSyn.ホールディングスでは同日、あわせてアップベイダー、Socketを子会社化したことも明らかにしている。

家庭用アシスタント・ロボット、Jiboが日本へも―電通V、KDDI他からアジア展開のために1100万ドルを調達

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日本でSoftBankの家庭用ロボット、Pepperが販売開始されてから2ヶ月で、もうひとつ家庭用ロボットがアジア市場にお目見することが発表された。ボストンに本拠を置くJibo は昨日(米国時間8/5)、戦略的投資のためのラウンドで1100万ドルを調達したことを発表した。この資金は日本、中国、台湾、韓国への進出のために用いられるという。

JiboはIndiegogoで家庭用スマート・アシスタントのプロジェクトとして登場した。このクラウド・ファンディングは10万ドルの目標をはるかに超える370万ドルを集める大成功となった。Jiboは今年1月にRRE Venturesから2530万ドルの資金調達を行い、さらに一段と規模を拡大した。

今回の1100万ドルの資金調達は1月のシリーズAラウンドの拡張ラウンドで、投資家には日本の電通ベンチャーズ、KDDI始め、Acer(台湾)、NetPosa(中国)、LG Uplus(韓国)などが含まれる。今回の資金はこれらの東アジア市場におけるJiboの販売とマーケティングのために用いられる。

昨年われわれはJiboのプロトタイプを試す機会があった。家庭用アシスタント・ロボットとしておそらく世界でもっとも高機能で高価なPepperとは異なり、Jiboはまだフル機能版が完成していない。1年前に試したプロトタイプはある程度のコミュニケーションが図れて、ダンスができるだけだった。それはそれで楽しいが予約価格の749ドルを正当化するほどの完成度ではなかった。

Jiboによれば、完成版には、日程のリマインダー、出前の注文、写真やビデオの撮影、メールの送信や読み上げ、IoTデバイスのコントロール、子供の教育など多様な機能が満載されるということだ。Pepperと同様、人間的で親しみやすいUIが搭載され、高齢者の生活を助けるのにも役に立つという。

このキュートなJiboのファウンダーで、MIT出身のCynthia BreazealはデベロッパーがJibo用に独自のアプリを開発できるようSDKを提供している。この戦略が成功すればJiboのユーザーは購入後も次々に新しい機能を利用できるようになるだろう。SoftBankは先月、企業向けのPepperを発表したが、今のところJiboにはビジネス向けのバージョンの開発計画はない。

JiboはEUや中国を含む45ヵ国に出荷されたが、デベロッパー版も一般消費者版も現在は売り切れとなっている。新しいデベロッパー向けバージョンはこの秋に出荷開始の予定だ。Indiegogoの出資者が最初の製品を受け取るのは早くてこの冬だろう。

Indiegogoのキャンペーン終了後に予約した顧客向けの出荷は2016年の春になるものと思われる。そういう次第でPepperのお友達が市場に現れるまでにはまだかなりの時間がある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

KDDIがライフネット生命と資本業務提携、金融領域サービスを拡大

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先週、ECサイト運営のルクサを子会社化したばかりのKDDI。今度はライフネット生命保険との資本・業務提携を発表した。

ライフネット生命では、監督官庁(金融庁)の認可を経て5月中にもKDDIを割当先とする第三者割当増資を実施する。KDDIはライフネット生命が発行する普通株式800万株 (議決権ベースで15.95%) を30億4000万円で取得する予定。KDDIでは「ライフネット生命はこれまでどおり経営の独立性を維持・確保しながら、さらなる成長を目指す」としている。

KDDIは、プリペイド型決済サービスの「au WALLET」や三菱東京UFJ銀行と共同出資して展開するネット銀行の「じぶん銀行」など、IDサービス「au ID」を起点とした金融事業領域のサービスを展開している。

今回の提携では、「au WALLETやau IDを起点として金融ビジネスをさらに推進し、金融事業領域での事業拡大を目指すとともに、auの商品・サービスと融合した従来にない新たな金融サービスを提供する」としている。

ライフネット生命は、ネット専業でスタートした生命保険会社。設立は2006年で、2012年3月には東証マザーズに上場している。

KDDIがECサイトLUXA運営のルクサを子会社化——商品調達力に期待

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KDDIは4月14日、セレクト・アウトレット型ECサイト「LUXA(ルクサ)」を運営するルクサの発行済株式の取得について、同社の株主と合意したと発表した。取得額や株式の割合等は非公開となっているが、株式取得後はKDDIの連結子会社となる予定だ。

ルクサは、人材サービスを手がけるビズリーチの一事業として2010年8月にスタート。当初はいわゆる“グルーポン系“のフラッシュマーケティングの手法を用いたECが乱立していた時期だったが、ルクサはそこで飲食店やエステサロンへの焼き畑農業的な営業をかけることよりも、メーカーや問屋との関係作りに注力していたと聞く。例えば食料品や飲料であれば賞味期限があるし、家電であれば型落ちしていくわけだが、そういった商品を取り扱ういわばアウトレットモールのような立ち位置を作っていたそうだ。

KDDIでは、2013年9月にグローバル・ブレインと運営する「KDDI Open Innovation Fund」を通じてルクサに対して出資。auスマートパス会員向けにサービスを提供するなどの提携を進めてきた。またルクサは、2014年に立ち上げたスマートフォンポータル構想の「Syn.」にも参画した。

KDDIでは「今回の資本関係強化により、これまで以上に両社の持つ様々な資産を最大限活用し、新たなショッピング体験をお客様に提案していきます」とコメントしているが、KDDIに聞いたところだと、「一番期待しているのはルクサの商品調達力」だそう。今後はルクサ上だけにとどまらず、広い範囲でサービスを連携していくとのことだ。

「ムゲンブックス」はAmazonや書店で買える紙の本を無料で出版できる


ブログを書くように執筆した原稿を、紙の本として出版できるウェブサービス「∞books(ムゲンブックス)」が始まった。売れた分だけオンデマンド印刷する仕組みで、出版にかかる費用は無料。著者の印税は10%。できあがった本は、Amazonや全国の書店から買える。

専用の入力画面でタイトルと本文を入力するだけで、紙の本の出版に必要な目次やページ番号、文字組みなどを自動的に設定してくれる。完成した本にはISBNが付与され、出版社である「デザインエッグ」を通じて出版する。

ムゲンブックスは、KDDIが手がけるベンチャー育成プログラム「KDDI∞Labo」第7期プログラム採択案件。代表を務める佐田幸宏氏はかつて、4980円で紙の本が出版できる「MyISBN」を開発し、リリース1年半で250タイトルの本を出版している。

MyISBNは、PDFファイルをアップロードするだけで本を作れるのが特徴。しかし、一般ユーザーの中には、PDFを作成するのが技術的に難しい人も多かったと、佐田氏は振り返る。「文字を打つだけで出版できるムゲンブックスは、技術的なハードルをほぼゼロにした」。

出版社の「お墨付き」がなくても本を出すニーズは?

著者としては無料で出版できるのは魅力だけれど、表紙のデザインや文章の編集、誤字脱字のチェックなどは、全部自ら行う必要がある。ぼくには、知名度の高い出版社の「お墨付き」がなくても、紙の本にしたい需要がどれくらいあるのかは未知数に思える。

ムゲンブックスははどんなユーザーを想定しているのか? 佐田氏によれば、大きくわけて2つのターゲット層があると言う。

1つ目は、ニッチなノウハウを持つコミュニティだ。MyISDNでは、マシジミを飼うための本や、ライフルの弾道学について書いた本が好評だったといい、ムゲンブックスでも、一定のファンがいるコミュニティに出版需要があると見ている。

2つ目は、自分の想いや記憶を残したいと考える、50歳以上のユーザーを想定している。こうした層は自費出版を通じて本を出したりするが、費用は数十万円から数百万円と高いことから、無料で出版できることをアピールしていけるのかもしれない。

ムゲンブックスを通じて出版した本


非・検索女子を狙い始めたファッションアプリ「iQON」、講談社と資本業務提携

20〜30代のオシャレに敏感な女性をターゲットにしたファッションアプリ「iQON」を運営するVASILY。10月にはKDDIから推定10億円以上の出資を受け、同月25日から全国でテレビCMを開始した。これまで広告を使わずグロースハックによる「地上戦」でユーザーを集めてきた同社だが、メディアを活用する「空中戦」にシフトし、今までリーチできなかった「非・検索女子」を獲得しようとしている。28日には講談社と資本業務提携し、女性誌のコンテンツ配信で連携する。講談社の出資額は非公表だが、関係者によれば約1億円という。

iQONは提携する60以上のECサイトのファッションアイテムを、ユーザーが自由に組み合わせてコーディネートを投稿できるサービス。ユーザー数は150万人に上り、今まで投稿されたコーデは130万件。ユーザーはコーデの中からお気に入りの商品を提携先のECサイトで購入できる。

iQON経由のECサイトの月間売上は「10億円目前」(VASILY金山裕樹代表取締役)といい、最も売れているECサイトは「月間2億円以上」。提携ECサイトから支払われる手数料(比率は非公表)や、ブランドと実施するコーデ企画の広告料が、iQONの収益の大半を占める。10月27日にはネイティブ広告「iQON AD」を導入し、新たな収益源とする考えだ。

iQON初となるテレビCMでは、コアターゲットと想定する「ITへ興味が低いユーザー」の獲得を狙うと金山さん。IT感度の高いファッション好きの女性だけでなく、地方都市のイオンモールで余暇を過ごすような若い女性も囲い込もうとしているのだろう。「これまでのユーザーはApp Storeで自発的に検索してくれる人たち。今まではグロースハックでユーザーを集められたが、今後の数百万人はそれだけでは無理。どんどん一般化していかないとダメだと思っている」。

テレビCMは4種類のクリエイティブを用意し、各地域で獲得したユーザーを分単位で集計。クリエイティブごとのユーザー獲得数を比較し、何時何分に流したCMの効果があったかを検証するなど、「PDCAのサイクルを詰めまくっている」。テレビCMに投じる金額は「数億円」に上るという。

KDDIポータル構想の意味は?

KDDIは10月16日、iQONやnanapi、はてな、@cosmeなど12社13サービスで構成する「Syn.alliance(シンドットアライアンス)」構想を発表した。KDDIによれば、全てのサービスが入り口となる「中心のないポータル」を構築するという。新鮮味があるのだかないのだかわからない構想だが、要は13サービスに各アプリやサービスのリンクを掲載して、お互いに回遊させようとしているらしい。

iQONにとってSyn.allianceはどんな意味があるのか? この点について尋ねると、金山さんは「アプリを自分で探さないようなマス層にリーチできるのが大きい」と答える。「自分に合うアプリを積極的に探す人は全体で見ればわずか。そんな状況にあって、いつもnanapiを見ているようなユーザーがiQONを目にしてくれれば、検索では届かなかったユーザーに見つけてもらえる」。

講談社との提携を皮切りに他の出版社とも提携へ

10月28日には、講談社とスマホ分野での資本業務提携について合意。「ViVi」を中心とした講談社との女性誌と連携し、スマホに最適化したコンテンツを一部有料で配信していく。iQONより女性誌の公式アプリやウェブサイトへネイティブ広告を配信し、女性誌コンテンツのアドネットワーク化を推進することも視野に入れている。

講談社はニュースアプリ「NewsPicks」を運営するユーザーベースに投資したり、写真共有SNS「Snapeee」を運営するマインドパレットへの出資を通じて「ViVi」や「with」に掲載するファッション写真を配信するなど、スマホ展開を模索してきた。スマホ向けコンテンツの配信に強みを持つVASILYとの提携で、女性誌のスマホシフトやマネタイズを強化する。

一方、iQONは講談社との提携を皮切りに、女性誌を扱う他の出版社との提携を視野に入れている。また、アジアでも人気の女性誌を持つ講談社との提携は、「そう遠くない未来に実現する」(金山さん)というiQONのアジア進出の布石にもなっていそうだ。


KDDIが”入り口のない”新ポータル構想「Syn.」を発表–13サービスと提携し共通メニューを搭載

既報の通りKDDIが、11の事業会社と組んでスマートフォン時代の新しいポータルの創出を目指す。同社は10月16日より「Syn.alliance(シンドットアライアンス)」と銘打った事業者連合体を設立することをあきらかにした。

これまでPCを中心としたインターネットでは、Yahoo!に代表されるポータルサイトが文字通りの玄関口、サービスの入り口になっていた。だがスマートフォンでは各社のサービスはアプリとなり、その連携は取れているとは言えない状況だ。これに対してKDDIでは「Syn.(シンドット)」と呼ぶ構想を唱える。これは、中心となるポータルサイトに依存するのではなく、すべてのサービスがシームレスに繋がる、言わば「入り口のないポータル」による新しいインターネット体験を指すのだという。

その第1弾として、KDDIでは「Syn.menu(シンドットメニュー)」「Syn.ad(シンドットアド)」の展開を開始する。

Syn.menuは、連携するスマートフォン向けサイトとアプリに提供する共通のサイドメニューだ。これによって、各サイト・アプリから別のサイト・アプリへの回遊が可能になる。10月15日時点では、11社13種類のサービスがアライアンスに参加する。各分野とサービス、企業名は以下の通り。なお全サービスで合計4100万ユーザー(重複含む)を抱えているという。KDDIでは今後20種類程度までサービスを拡大し、1年間で1億ユーザーを目指す。

・ビューティ「@cosme」アイスタイル

・ゲーム情報「ゲームギフト」AppBoadCast

・天気「ウェザーニュース」ウェザーニュース

・ニュース「報道ヘッドライン」A3(KDDI)

・カレンダー「ジョルテ」ジョルテ

・音楽「音楽ナタリー」ナターシャ

・コミック「コミックナタリー」ナターシャ

・ノウハウ「nanapi」nanapi

・地図・交通「NAVITIME」ナビタイムジャパン

・ブックマーク「はてなブックマーク」はてな

・ファッション「iQON」VASILY

・ランキング「Qrank」ビットセラー

・タイムセール「LUXA」ルクサ

Syn.menuは、Syn.allianceに参加する各サイト・アプリの更新情報を通知する「Syn.notification」という機能を搭載する。またメニューの上部にはSyn.adと呼ぶ広告が掲載される。Syn.adの収益は、Syn.allianceの参加企業でレベニューシェアされる。Syn.adは、先日KDDIの直接子会社になることが発表されたばかりのスケールアウトによって運営される。

なお今回、KDDIではSyn.allianceのメンバーに対して総額120億円の出資(子会社化含む)を実施したと発表している。すでに発表されているAppBroadCastやルクサ(いずれもKDDI Open Innovation Fundからの出資)やナターシャの子会社化のほか、新たにnanapiやビットセラーへの出資(子会社化)を明らかにしている。またVASILYおよびジョルテが実施する第三者割当増資を引き受けた。VASILYへの出資額や評価額は非公開だが、10億円以上の調達になるという。ビットセラーは今後Syn.menuのプラットフォーム開発を担当する。

なお前述のスケールアウト、ビットセラーの代表には元Facebook Japan副代表でKDDI新規ビジネス推進本部担当部長の森岡康一氏が就任しており、同氏のもとでSyn.構想に関わるサービスが実行されることになる。


KDDI、スマホ向けに新ポータル構想–nanapiとビットセラーを買収、VASILYに出資

KDDIは、スマートフォン時代の新しいポータルの創出を目指すとして11の事業者との提携を行う。すでに一部報道がなされているが、10月16日に会見を開いて詳細を発表する。

第1弾の取り組みとして、提携する事業者が手がけるスマートフォン向けサイトおよびスマートフォンアプリに共通のサイドメニューを月内にも導入する。これにより、各サイト・アプリから別のサイト・アプリへのシームレスな回遊が可能になる。またメニュー上部に広告を掲載し、提携各社でレベニューシェアする予定。提携するのはウェザーニューズやアイスタイル、ナビタイムジャパンなど。全サービスの合計ユーザー数は約4100万人(重複含む)。今後は提携事業者を拡大し、1年後1億ユーザーを目指す。

またこちらも一部で報道ずみだが、提携する事業者の買収や出資も実施している。nanapiおよびビットセラーについては買収し子会社化(ビットセラーの買収は3月)しているほか、VASILYに対しては出資を実施している。こちらの出資額は非公開だが、関係者によると10億円以上の金額だという。詳細については会見の内容とあわせて紹介する。


ランサーズがKDDIと手がけるのは「IT」と「非IT」をつなぐクラウドソーシング

オンラインで不特定多数の人に業務を発注できるクラウドソーシング。その多くはデザインやプログラミング、ライティングなどオンラインに閉じた業務がほとんどだ。

その取り組みをオフラインの業務まで拡大するのが、4月7日よりランサーズとKDDIが取り組む「ランサーズプレイス」だ。

このランサーズプレイスでは、工事や引っ越し、印刷など、リアル領域の業務をクラウドソーシングで展開する。すでに、KDDIの法人向けプログラム「KDDIまとめてオフィス」を展開する営業部隊が、顧客企業向けにランサー(受注者)としての登録を案内。ランサーズにてその申し込みをアクティブ化しているという。また同時に、発注者としてのニーズをヒアリングしている。今後は個人、法人を問わずに受注者の登録を拡大していく。当面はベータ版として運用し、10月にも本サービスを開始する。2014年度10万件の案件掲載を目指す。

「クラウドソーシングの本質的な価値はネットで完結すること。つまりITありきだった。そのため非ITの領域にはリーチできなかったが、そこにリーチできるようになるのが強み」——ランサーズ代表取締役の秋好陽介氏は今回の取り組みについてこのように語る。

KDDIの法人営業としては、顧客企業からの細かなニーズのすべてをサービスとして自社で提供することが難しい。そんな課題に対して顧客同士をクラウドソーシングでマッチングすることで解決したいというニーズもあったそうだ。

また同時にランサーズでも「たとえばこれまでランサーズでデザインを作っても、それをプリントする印刷会社までをつなげることができなかった」(秋好氏)というように、ITと非ITをつなぐソリューションがないままで、この溝を埋めたいという思いがあったという。

「リアル」ゆえの課題も

ただ一方で課題もある。KDDIまとめてオフィスの顧客企業には、ITリテラシーのあまり高くない中小企業も少なくない。秋好氏からは、KDDIの営業部隊に対して「クラウドソーシングとは何か」というところを理解してもらうまでにも時間がかかったという話も聞いた。そういう環境で、果たしてクラウドソーシングをどこまで利用してもらえるのだろうか。実際、KDDIの営業部隊が顧客からもらった紙の申し込み資料をランサーズがアクティベーションする時点でも説明が必要なケースが多々あるという話も聞いた。

しかしランサーズビジネス開発部の小口展永氏によると、クローズドベータ版の段階で、都市部については比較的ユーザーが集まっており、地方でも徐々に成功事例が出てきているという。「中小企業ではアウトソーシングができないと思っていた人が多い」(小口氏)とのことなので、潜在的なニーズをいかに顕在化できるかという点こそが成長の課題になってきそうだ。


GunosyにKDDIが推定12億円の大型出資–社外取締役に元Facebook森岡氏

先日からスタートアップ界隈で話題になっていたニュースアプリ「Gunosy」開発元であるGunosyの大型調達。これまで資本準備金を含めて4億3758万円だった資本金が、2014年に入っていつの間にやら16億3758万円に変わっており、その差額12億円の増資がなされていたというものだ。

詳細が明らかにされていなかったこの大型調達が、ついに発表された。また、今回の出資はKDDIがグローバル・ブレインとともに手がけるコーポレートベンチャーファンド「KDDI Open Innovation Fund」ではなく、KDDI本体からの投資である。なお、Gunosyのバリュエーションは投資後で80億円程度と見られる。

また、今回の調達にあわせる形で、元Facebook日本副代表で現在はKDDI新規ビジネス推進本部 ビジネス統括部 担当部長を務める森岡康一氏が、1月にGunosyの社外取締役に就任している。


贅沢体験を提供するECサイトのLUXAとKDDIが3.3億円の資本業務提携

高価な食品や化粧品、家電から歌舞伎座や高級ホテル宿泊付きの旅行といった体験などをおトクな価格で提供するECサイト「LUXA(ルクサ)」がKDDI Open Innovation Fundから3億3,000万円を調達した。これまでにルクサはジャフコから2010年11月、今年3月に合計10億円を調達している。

今回調達した資金は主にオペレーション上の人員、広告・マーケティング、スマートフォンのユーザービリティ向上・インフラ強化に充てるようだ。LUXAの会員数は現在45万人で、今年3月の35万人から約7カ月で10万人ほど増えている。

ルクサはKDDIと資本提携だけでなく、お互いのサービスでも提携を積極的に行う。スマホの普及により、どのサービスでもモバイルからのアクセスが日に日に増しているが、LUXAも例外ではなく2012年1月には8%だったスマホ経由の売上が今では35%にまで増えている。売上金額でいうと11倍になるそうだ。今年3月には2012年1月と比較してスマホ経由の売上が6倍だと言っていたから、この半年でさらにスマホシフトが進んでいることがわかる。

 

LUXAは冒頭で述べたおトクな体験をタイムセール形式で提供している。だから、通勤時間やちょっとした休憩時間にチェックするユーザーが多く、スマホとの相性が良いのだとルクサ代表取締役会長の南壮一郎氏はいう。実際に時間帯別の購入比率を見てみると、朝と夕方の通勤時間ではスマホ経由の購入がPC経由のそれを上回っているし、一番活発なお昼時でもスマホとPCが同等になっている。今後はさらにスマホ経由の売上が増加してくるのだろう。

KDDI Open Innovation Fundは注力領域の1つにコマースを選んでおり、これまでにOrigamiやMONOCOといったスタートアップにも出資している。KDDIはこれらのサービスと共に新しいショッピング体験を提供したいという。その1つがLUXAとなるのだが、LUXAとの具体的な提携案としてはauスマートパスに特設ページを開設したり、auのサービスである「タイムライン」にプレミアム商品を提供することなどが決まっている。他にもauのキャリア決済、au IDなどをLUXAは使用するようだ。

今後はスマホでのユーザビリティ向上といった機能面はもちろん、スマホ経由の売上はPCに比べて若い女性が多いことから、この層に向けた商品群も強化していきたいという。ちなみに、今回の提携を記念してスクウェア・エニックスの社食ツアーがプレゼントされている。


日本のKDDI、boundioを閉鎖してTwilioと提携

2012年4月、KDDIウェブコミュニケーションズ(日本第2位の通信会社KDDIの子会社)は、boundioを立ち上げた。デベロッパーが電話回線を利用してサービス(単純なコールセンター等)を構築するためのサービスで、言うなればあまりすごくないTwilioだった。

1年後、同社はboundioを閉鎖し、これを・・・何とTwilioで置き換えた。

本誌は同社とTwilioの提携を昨年10月に報じたが、それがライバル製品にとって何を意味するのか当時は明確にはわからなかった。今日(米国時間4/16)日本で行われたプレスイベントで、同社はboundioの新規登録を中止し、既存のboundioユーザー全員をTwilioのプラットフォームに移行することを発表した。

私はこの手のB2B関連の提携にはおよそ疎い方なのだが、実際これはTwilioにとってものすごく大きい。理由はこうだ。

  • Josh Constineが昨年10月に指摘したように(またGrouponが中国進出直後に気付いたように)、アジアへの進出は〈難事〉だ。いや、〈本当に〉難しい。ビジネスカルチャーは尊敬と信用に基づいている。製品を翻訳してプレスリリースを出して終り、というわけにはいかない。KDDIのような大物と組むことはTwilioに信用を与え、支社を構える必要すらなくなる。
  • 日本の大企業の殆どはすでにKDDIと取引きがある。Twilioを直接使うためには、これらの大企業が新たな取引先としてTwilioを承認する必要がある。KDDIはすでに必要な関係を築いているので、Twilioは準備の整っている大量の潜在顧客を直ちに引き継ぐことができる。

ちなみにboundioは、通信キャリアの作ったソフトウェアが閉鎖された数多い例の一つにつぎない。

WAC — AT&T、Verizon、China Mobile、Sprint、その他がジョイントで立ち上げた「統一オープンプラットフォーム」 — は、ゲートを出る前につまづいた. Orangeは、先月静かにAPIサービスを打ち切り、TelefonicaのBlueViaのような話はいくらでもある。

デベロッパーは、避けられるのであれば通信キャリアーとは仕事をしたがらないようだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


KDDIのインキュベーション、∞Labo 第4期生採択チーム発表 – 新たにHTML5枠も追加

kddi ∞ Labo 4th

本日、KDDIが運営するインキュベーション、∞Laboの第4期プログラムに参加する7チームが発表された。今回から新たにHTML5枠が設けられた。さらに、KDDIの社内から2チームも参加することが発表された。

KDDI∞Laboについては本誌で何度か取り上げているが、内容としては社内・社外アドバイザーによるメンタリングやオフィス・開発環境などが3カ月間提供されるプログラムだ。

それでは第4期参加チームをご紹介しよう。

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平均年齢22歳の学生中心のWe-bが開発するのは青春時代をもう一度迎えるためのSNSだ。学校のような体験をもう一度することで新しい友達を作ることを目指している。サービスに生年月日を登録すると、同い年の男女10人でクラスが作成される。このクラスは同世代からランダムに選ばれるので、学校に通っていた時と同じように新しい出会いがある。

このクラスは1カ月限定で、その間にコミュニケーションを取り、友達を増やそうというものだ。サービス内では1日に1つお題が出され(中学の時に流行ったものは?など)、それについて会話を発展させていく。

社会人になると、同業者の仕事の繋がりでしか出会いの場がない人は多く友達を作る機会が減る。これを学校の体験を再度提供することで解決しようとしている。

事前登録者は3日間で2000人を越えたというので、ニーズはそれなりにあるのかもしれない。

KawaiiMuseumJPN

日本から世界に通用するキャラクターを増やすというビジョンの基、Facebookページでかわいいキャラクターの写真を投稿しているのがKawaiiMuseumJPNだ。Tokyo Otaku Modeをイメージしてもうとわかりやすい。すでにFacebookページには361万の「いいね!」がついており8カ月でこの数字を達成した(Tokyo Otaku Modeは現在1,103万いいね!)。

今後はFacebookページの運用だけではなく、キャラクターコンテンツを流通させるためのプラットフォームを開発し、ECサイトから収益を上げる予定だという。

また、ECサイトの他にキャラクターグッズを扱っている実店舗への集客を支援するサービスの開発も考えているそうだ。

Canvas Creator

今期から新設されたHTML5枠での採択となったCanvas CreatorはHTML5のWebアプリをGUIでデザインするためのツールだ。コードを書くことなくWebアプリをデザインでき、パワーポイントのように簡単にオブジェクトを配置できる点がウリのサービスだ。

HTML5を利用したWebアプリはまだ少ない。その原因はネイティブアプリよりもデザインの開発が難しいことにあるという。Webアプリは主にHTML、CSS、JavaScriptを用いるがCSSは元々PCで表示することを前提として作られたため、モバイルのデザインには適していない点が多いと代表取締役の宮崎航氏はいう。

GUIでWebアプリをデザインするツールといえば、AdobeのMuseなどが有名だが、これもCSSでレイアウトを作成するためスマホ向けには向いていないそうだ。

デモはまだ見ていないが、Webアプリに関しては賛否両論なだけにクオリティーの高い完成品に期待したい。

mygrow.jp

mygrowは教育向けのサービスで、生徒の成長を記録・共有するためのものだ。このサービスを運営するのはLife is Tech!というスタートアップで2年半前から教育に関する事業を展開してきた。主に中高生向けのIT教育のキャンプを開催し、パソコンやものづくりに興味を持つ学生達を支援してきたという。

キャンプの開催回数が増えてくると、最初は30人だったものも前回は300人規模になり、個人個人に適した教育が難しくなってしまった。この問題を解決するために生徒の成果を記録として残し、可視化することで特徴や能力を把握しようという。

TRAPRO

学生枠で採択されたのが社会問題を解決するためのプラットフォーム、TRAPROだ。少子化や地球温暖化など社会問題は日に日に増えていくが、これらが解決されることは少ない。だが、なぜ社会問題は解決しないのだろうか。それは問題が自分に関係しない、身近に感じられない、問題に対して何ができるかわからないことが原因ではないかと代表の安倍敏樹氏はいう。

社会問題には、感心が持てないこと、社会問題の情報が一括化されていないこと、現地に行くすべがないこと、この3つの障壁があるという。TRAPROでは、ユーザーが気になる社会問題をサービス上に投稿し、賛同する支持者を募る。支持者が集ったら、問題に関連するNPOに持ちかけたり実際の活動を行う。

社会問題を解決するためのプラットフォームが存在することで、これまで何もアクションを起こせないでいた人達が出会い、問題の解決に繋がる行動への導線を構築する。

すでに原発の現状を見に行く活動では30人が集まり、1人5万円を払い福島に150万円の貢献をしたそうだ。

以上が外部から参加した第4期採択チームだ。

この他に1週間の献立を1秒で作ってくれる「1Week Recipe Matching」、カップルのデートをより充実させるためのイチャイチャサービス「いちゃつい」の2チームがKDDI社内から参加している。

今回採択された少人数制SNSのClass、教育サービスであり行動を記録するmygrow.jpは第3期採択チームと比較するとクローズドSNSのClose、SNSのログをまとめるLogTown、学習支援プラットフォームのmana.boとシナジーがあるように思える。

KDDI∞Laboから明示的にサービス内容についての基準は発表されていないが、少人数制SNS、ログを残すサービス、教育系に関してはやや力を入れているのかもしれない。