Google Clipsはウェラブルなスマートカメラ――予想外の新製品に驚きの声

今日(米国時間10/4)のハードウェア・イベンドでGooglekは誰も予想していなかった新製品を発表した。これはClipsと呼ばれる小型カメラだが、普通の意味でのカメラではない。何を写すかは基本的にClips側が決める。ユーザーが普通のカメラやスマートフォンを取り出す前に何かが起きてしまうことはよくある。Clipsはそういうときにユーザーに代わって価値ある瞬間の記録を残すことを手助けするのだという。

またClipsはMotion Photosと呼ばれる映像を記録する。これはGoogleが開発した新しいフォーマットで、ある瞬間だけでなくその前後の動きも記録される。AppleのLive Photosに似ているが、Motion Photosでは音声は記録されない。しかしカメラ内にスマート認識機能を備えている。またネットワーク接続は一切必用とせずスタンドアローンですべての機能が実行できる。つまり撮った写真をいつの間にかネットに拡散してしまうといった事態を防げる。撮影された内容を見るにはスマートフォンなどに接続する。

このカメラはしばらく前から市場に出ているNarrative Clipのようなライフログ・カメラに似ているが、ひとひねり加えられている。Google Clipsは機械学習を利用し、ユーザー、家族、友人、ペットなど特定の対象を認識して重要な場面を記録する。つまり子供やペットがおもいがけずかわいらしい仕草をしたのを見逃さないわけだ。Clipsにはその名のとおりクリップが付属していて、なんであれこのクリップで挟めるものに取り付けることができる〔CMビデオでは小麦粉の袋に挟んでいる〕。

Clipsには16GBのメモリーが内蔵されており、1回の充電で3時間分のMotion Photosが記録できる。またレンズが何かの影になってしまった場合は人工知能が事態を認識してスマートフォンにそのことを通知してくる。カメラの画角は130度と広く、Gorilla Glass 3ガラスで保護されている。USB-Cポート、Wi-Fi Direct、Bluetooth LEで外部と接続可能だ。毎秒15フレームで撮影するが、自動的に対象に焦点が合ってブレの少ない鮮明なショットを選択する。

価格は249ドルが予定されている。Googleはなぜか撮像素子のピクセル数などのスペックを明かしていない。

さらに取材中…

〔日本版〕Googleのアメリカ・サイトでは紹介されているものの、出荷スケジュールなどは不明。日本のGoogleストアにはまだ記載がない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

iPhoneのLive Photoを誰もがWebブラウザー上で再生できるJavaScriptをAppleがリリース、まずご自分のWebサイトから

AppleのLive Photosは楽しい。多くの場合、ふつうのスチル写真にない意外な瞬間を捉えることができる。でもそれらは、スマートフォンとそのアプリの中から外には出られない。それらがWeb上に出回ることは、とくにデスクトップのWebブラウザーの場合、ごく稀だ。

Tumblrは昨年、この壁をすこし破り、WebアプリケーションにLive Photosを加え、それをするためのツールも公開した。でも、Apple公認の方法はまだどこにもなかった。

それが今朝(米国時間4/20)秘かに変わり、AppleはデベロッパーポータルのアップデートでLivePhotosKitというツールをリリースした。それは、ユーザーのWebサイトにLive Photoの再生機能を持たせるJavaScriptのAPIだ。

本誌TechCrunchはまだそれを加えていない。GIFよりずっと良いWebMもまだだから、ここではまあまあのGIFをご覧いただこう(上図)。実例は、ここで見られる。

なかなか良くできている、と思うけど、Appleの実例を見るかぎり、Web上でLive Photoを再生する方法が、よく分からない。

単純なクリックとか、画像上のホバリングとか、画面のスクロールで、再生をトリガ(起動)できないかな?

Appleの実例の場合は、画像の右上にある[LIVE]のマークの上をマウスがホバリングすると再生が始まる。分かれば簡単だけど、ぼくなんか最初のしばらくは、Appleのサイトがフリーズしちゃったのか、と思った。

このAPIのAppleのドキュメンテーションは、モバイルも含めて、主なブラウザーのほとんどでうまくいく、と言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

TumblrでApple Live Photoの再生が可能に、ライブラリもオープンソースで公開

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Tumblrは本日、ウェブ上でAppleのLive Photosのサポートを開始した。同時に他のウェブ開発者が同じことを行なえるツールも公開している。同社は、任意のウェブサイトでLive Photosの公開を可能にするオープンソースのJavaScriptライブラリ「Laphs」 ‐ 正式名称「Live Anywhere Photos」 ‐ をリリースした。ウェブ上のLive Photoを実際に動かすには、クリックしてそのまま押し続ければ良い。モバイルでも同様だ。

AppleのLivePhotosは、iPhone6sと6s Plusから導入されたファイルフォーマットだ。静止画と短い動画を組み合わせたもので、ユニークな再生体験を生み出している。ウェブ上でこの効果を再生するために、TumblrはユーザーがiOSデバイスからLive Photoを投稿した際に、静止画(,jpeg)と動画(.mov)の両方のコピーを受け取る。そして、すべてのブラウザで正常に再生できるように、.movファイルを.mp4ファイルに変換するのだ。

その後Tumblrは、そのLaphsソリューションを用いて、.jpegと.mp4ファイルを組み合わせてLive Photoの効果を再構成し、Live PhotoをTumblerのウェブ上で再生する。

実はTumblrは既に、Live Photosを初期のうちから取り込んでいた。iPhoneの3Dタッチ対応スクリーンを使用して、押すと動く静止画を表示していたのだ。そして押せば画像は動き出して、あなたの写真にハリーポッターのような感覚を与えてくれる。

Live Photosは、Tumblrで絶大な人気があるGIFに似ているため、モバイル上での新しいフォーマットのサポートに素早く動いたのだ。実際、それはそれを実現した最初のサードパーティサービスとなった – 結局Facebookには数週間Google Photosには数ヶ月先行することになったのだ。またそれは、モバイル上のGIF Maker機能を用いて、Live PhotoをGIFに変換することもサポートしていた。。

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今やLaphsを使って、TumblrはLive Photosの更なる利用を自身のサイトを超えて推進して行くことが可能になった。そして、同社はAndroidにもLive Photoを持ち込むと言っている。

Tumblrのサイト上のLive Photoは、おなじみの同心円のLive Photoのアイコンが表示される。これは、当該画像の左上に表示される。

たとえば、このTumblrの新機能についてのアナウンス記事の中でLive Photoの例を見ることができる。動きのあるLive Photoを表示するには、ただマウスでクリックしてそのまま押し続けていれば良い。

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(翻訳:Sako)

Motion StillはiOSのライブフォトの手ブレを補正して見やすいアニメにするGoogleアプリ

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Appleのライブフォトはなかなか独創的な発明だ。ライブフォト・モードを選んでもいつもどおり普通に写真を撮れる。しかしiOSが自動的に前後のシーンを撮影しているので、タップするとアニメになって動き出す。

驚くべき仕組みで、ときおり道で宝石を拾うような幸運に恵まれることもある。しかしたいていの場合、ブレがひどく、意味不明なアニメになるため利用度合はそれほど高くなかった。

Googleは先ほど、この点を修正するアプリをリリースした。

Motion Stills〔動く静止画〕と名付けられたアプリは、ほぼiOSのライブフォト専用だ。GoogleはYouTubeなどで積んだビデオ技術をアプリに投入しており、ブレ放題のアニメを見やすく安定させるなどの驚べき効果を瞬時に発揮させることに成功した。

  • ブレがひど過ぎるフレームを除外する。またユーザーがスマートフォンをポケットに戻そうとする間に写ってしまったフレームも判別する。
  • 背景、前景に何が写っているかを認識し、別個に安定させる(納屋の後ろに山なみが撮影されているような場合、それぞれのブレは視差効果のため大きく異なる。下のGIFアニメを参照)
  • ループ表示に適した開始点、終了点を探す。
  • 広く共有できる GIFファイルを作成する

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Motion Stillアプリは今のところiOS版だけしかないが、これはライブフォトが事実上iOS専用であることを考えると理にかなっている。もちろんサードパーティーのデベロッパーはAndroidでもライブフォトの機能を再現しようとして各種のアプリを発表しているが、まだこれといった決定版は出ていない。

そのような現状ではあるものの、このアプリの登場はGoogleのエンジニアがますますiOSに興味を深めていることを示すものだ。Googleアプリとしては、5月にリリースされたiOS向けキーボード(ちなみにこのGboardは素晴らしいアプリだ)、に続き、iOS版が先に発表された2番目の例となる。 Gboardは多くの部分をAndroid版から借りていたが、同時にGIF検索や絵文字の提案などAndroid版では未実装の機能も多数備えていた。

GoogleのMotion StillsはiOSのApp Storeで公開ずみ

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、AppleのLive Photos対応を開始

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AppleがiPhone 6sで“Live Photos” をデビューさせてから3ヵ月足らず、ゆっくりだか確実に主要サードパーティーらが統合を進めている。Tumblrがつい数日前に採用…そして今、Live Photosはどこよりも大きい写真共有の怪物からのサポートを受ける:Facebook。

今日(米国時間12/21)午前のアップデートから、FacebookはLive Photosのアップロードと表示機能をiOSアプリで提供開始する。

注意点が一つ。Live Photosはまだかなり新しいため、Facebookは全員同時にはサポートを開始しない。今日の午前からフィードに登場するのを見る人々もいるだろうが、多くのユーザーは新年まで待つことになるだろう。

Live Photosのアップロード方法は通常の静止画像とよく似ているが ― というより〈全く同じ〉 ― 1つだけ追加の手順がある。カメラロールからアップロードする写真がたまたまLive Photo有効だと、右下に “LIVE” ボックスが表れる。タップすればLive Photoとしてアップロードされる。タップしなければ静止画のみが送られる。

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Live Photo 1枚毎にボックスを手動でタップする必要があり、それには正当な理由がある。iPhoneで一旦有効になっていると、本人が殆どあるいは全く意識することなくLive Photosは作られる。機能がオンになっていることさえ忘れている場合もある。加えて、Live Photosにはシャッターボタンを押した「前と後」それぞれ1.5秒間のビデオ〈および〉音声が含まれるので、 うっかり変な ― たぶん公開したくないような ― ものを取り込んでいることが容易に想像できる。1枚毎のオプトインにすることで、存在すら忘れていたものを誤ってアップロードする可能性は減る。

フィードに送られると、Live Photosは標準では静止画としていつも通り表示される。しかし、それぞれの写真の右下には同心円マーク ― Appleがカメラ画面で “Live Photos” の入切を示すのに使用しているアイコンと同じ(写真上右参照) ― が表示される。このマークのある写真を押し続けるとLive Photoの再生が始まる。指を離せば静止状態に戻る。

現在、iPhone 6sおよび6s PlusのみでLive Photosを撮影できる ― しかしFacebookではiOS 9が動いていればどのデバイスでも(即ちiPhone 4S以降)見ることができる。

Live Photosを「何それ、動く写真と音声。それってビデオじゃないの?」と切り捨てるのは簡単だ。そしてそれは間違っていない!しかし、全体像でもない。

人が「ビデオ」と言う時、殆どの場合余分な思考、フレーミング、努力などを伴うものを想像する。3秒間のビデオは、間違いのように感じる。Live Photosは〈おまけ〉のようなものだ ― 受動的に作られ、余分な努力を必要としない。注意深く構図を決めた静止画もそこにはある … しかし、そこに余分なちょっとした可能性が加わる。殆どの場合、Live Photosはバカバカしいかブレている … しかし時々 ― 本当に時々 ― すばらしい何かを取り込んでいる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

iPhoneのLive PhotosがTumblrにやってきた

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もしあなたがTumblrユーザーで、たまたまiPhone 6sか6s Plusを持っていれは、今日はラッキーな日だ。Tumblrチームは、3D TouchとLive Photosの両方に対応したアップデートを公開した

Live Photosのサポートは特別に興味深い。なぜならTumblrではGIFアニメがものすごい早さでシェアや再シェアされるからだ。すばらしいのは、iPhone 6sや6s Plusを持っていなくても見られることだ。もしTwitterがこのフォーマットに対応したら注目だ…Live Photosの採用が急加速するだろう。Appleはこのメディアをシェアする自前のネットワークを持っていないので、カメラロールの外で見られることがあるのか不安だった。やった。その日が来た!

試しにわれらがPanzerのロンドンLive Photoを見られたい(アプリでのみ動く):

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下のアイコンを見てほしい。Tumblrが「同心円超新星アイコン」と呼んでいるものが写真の左上に見える。もしこれがあったら、タッチしよう!

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3D Touchの方は、Tumblrアイコンを押すと検索のショートカットが現れ、かなり便利だ。誰かのTumblrネームまたはアバターを押すと、その人のTumblrのプレビューが表示される。他に今日のTumblr for iOSのアップデートでは、メッセージがいつでも使えるようになり、投稿を友達にメッセージで送れるようになった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Appleが‘Hey Siri’とLive Photoのプライバシー懸念に答える…Googleと対照的な姿勢

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Appleは以前から、セキュリティやプライバシーに関する自社の考えや方針を雄弁に語ってきたが、最近ではそれを営業のツールとして利用する傾向もある。それは、個人情報を外に漏らしたくなければAppleのハードウェアを買え、という単純なメッセージだ。

しかし最近ではAppleのハードウェアの基本機能の中に、個人情報を必要とするものもあるから、ユーザの懸念も増している。たとえば‘Hey Siri’機能は、スマートフォンの電源が入っていなくても勝手に動いている。この、ユーザのやることにいつでも聞き耳を立てている状態は、そのデータの扱われ方に関する疑問を喚起する。Live Photosも、新しい気がかりだ。写真に勝手に、動きと音声が付くのだから。

これらの新しい機能は、Appleのプライバシーの取り扱いに関する疑問に導く。その一部については本誌TechCrunchのNatasha Lomasが今朝(米国時間9/11)の記事に書いている。そしてAppleは、本誌が提出したQ&Aにも答えてくれた。

その情報と、今週あちこちからかき集めた知識を合わせると、Appleの言わんとするところが、よりはっきり分かる。

Live Photos

Live Photosはいわば、iPhoneの新しい画像フォーマットで、通常はふつうの写真に見えるが、それをプッシュすると音声付きの超短編のビデオが再生される(スチルの撮影前の1.5秒+撮影後の1.5秒)。

Live Photosの取り扱われ方は従来のiPhoneの写真とまったく同じで、iCloudに送られるときとiCloud上では暗号化される。

Live Photosはユーザがスチルを撮影する「前」にも動画を記録するから、ユーザがカメラを開いて、しかも画面上部にLiveアイコン(オレンジ色の円)があれば、映像が絶えずバッファに記録されている。Appleによると、この1.5秒の記録はカメラがonのときだけ行われるが、ユーザが実際に写真を撮るまでは、それらの情報は恒久的には保存されない。

Appleの説明では、“Live Photoモードではカメラは記録を行っているが、ユーザがカメラのボタンを実際に押すまでの1.5秒映像をデバイスは保存しない。事前に記録された映像はユーザのデバイスに保存されず、またどこかへ送られることもない”、となっている。〔デバイス上に恒久的に保存されるのは、撮影直前+直後の各1.5秒のみ、ということ。〕

なお、Liveボタンをタップしたときは、スチル撮影後の1.5秒も記録される。

本誌が集めた情報によると、Live Photosは1枚の12メガピクセルの画像に、.movのような動画ファイルを合わせたものだ。iOSはそれらの表示を一緒に行うが、実体としては別々だ。写真を誰か・どこかに送るときは、スチル画像だけを送るという指定ができる。相手がiOS 9を使っていれば、もちろん、動画と一緒にLive Photoとして送れる。その場合の暗号化ファイルの伝送量は、その画像の状態によってさまざまだが、だいたい、12メガピクセルの画像二枚ぶんだそうだ。

Appleは曰く、“弊社はLive Photosのプライバシーとセキュリティを、従来のPhotosやVideosと同様に扱う。それらは、ユーザが意図的にシェアしたりiCloudを利用したりしないかぎり、いかなる場合でも、デバイスを去ることはない”。

Live Photos機能はデフォルトだが、アイコンをタップしてoffにできる。

Hey Siri

次は、‘Hey Siri’機能をonにしていたらプライバシー保護はどうなるか? Live Photosよりもこっちが気になるユーザもいるだろう。Siriは、あなたがその特定のフレーズを言うのを待ち受けているわけだから、終始ユーザに聞き耳を立てていることになり、もしかしてすべての発話が、記録されているのではないか?

Hey Siriはオプション機能なのでiOS 9のセットアップのときにyesと答えれば有効になる。そのまま無視ならnoの意味だ。しかし有効になっていても、録音という行為はいっさい行われない。

Appleは曰く、“この機能がトリガされる前にユーザの発話を記録したり、その情報をAppleに送ることは、いかなる場合にもない”。

録音や送信はしないけれど、Siriはマイクロフォンから拾う音をたえず、ユーザがセットアップときに吹き込んだSiri起動命令と比較している。したがって、語句だけでなく声の質もユーザ本人でなければSiriは起動しない。他人があなたのSiriを起動してしまう心配はない。

だからデバイス上に記録されるのはユーザが最初に吹き込んだ命令だけで、ほかはいっさい、記録〜録音されない。比較もデバイス上で行われるから、発話がどっかのサーバなどに送られることもない。

“Siriが聴取しているオーディオは絶えずフレッシュに上書きされており、ユーザがSiriを起動したときのレスポンスタイムの短縮を可能にしている”、とAppleは述べている。重要なのは、比較がデバイス上でローカルに行われることと、次々と入ってくるオーディオは記録(録音)されずに数秒単位で上書き消去されること、したがって今後の取り出しや利用が不可能なことだ。

しかしSiriがいったん起動したら、Siriに対するその後のコマンドはAppleのサーバへ送られるが、その場合はユーザIDとして一時的な乱数が使われる。本物のApple IDや、そのほかの個人情報(氏名など)は送られない。ただしAppleによる個人情報の利用は、今後のサービスの改善のために、ユーザが質問に答えて‘認める’ことはありえる(この問題はSiriとは無関係)。Siriの場合は、Siriサーバは今お相手しているユーザが誰であるかを知らないし、知る必要もない。

Appleは曰く、“ユーザがSiriをoffにしたら、ユーザのSiri IDに結びついているユーザデータをAppleは削除する。その後またonにしたら、学習過程が最初からすべてやり直しになる”。

Appleとしては、もっと便利で高度な個人化機能をユーザに提供するためにはユーザの個人情報が必要だし、しかしそれと同時に、ユーザのプライバシーは絶対に守らなければならない。その両極端のあいだで、適切なバランスを取ることは、きわめて難しい。Siriの場合は、そのユーザIDをユーザの本物のApple IDと無関係にし、しかも一時的な利用だけにすることで、そのバランスを保とうとしている。

AppleのSiriサーバがユーザの個人情報を入手できたら、Siriはもっと便利になるだろうか? もちろん、なるだろう。Appleのデータサイエンティストたちは、モアベターなサービスをモア快速に提供するために、今の何十倍ものデータを処理しなければならない。そんなときでも、データは匿名化されるから無害だ、と主張はできる。Googleは、Google Nowサービスの改良と、データを広告のターゲティングに利用するために、まさにそれをしている。

しかしAppleは、ユーザのデバイス上のデータをなるべくデバイスの外へ出さないことと、Appleが持っているユーザデータをAppleの外(パートナーなど)へは出さないことに、あくまでもこだわる。Hey SiriやLive Photosのような機能でも、そのきわめて保守的な路線を守らざるを得ないのだ。

そして同社は、クラウドサービスでより高度な機能を提供しようとするたびに、このような質問に答えざるを得ないのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa