今日(米国時間7/22)、Microsoftはスマートフォンでのメールのやりとりを迅速化するアプリを発表した。このSendは件名などメールの構成要素を大幅に省き、メールをインスタント・メッセージのように利用することを可能にする。ユーザーは数秒で短いメッセージを発信することができる。
モバイルでのメールにインスタント・メッセージのような役割をもたせようという試みはこれが初めてではない。Hopというスタートアップが2013年に同じようなアプリをローンチした。別のスタートアップ、MailTimeも去年の9月のTechCrunch Disruptでメールをメッセージ化するアプリを発表している。
このコンセプトにはそれなりの説得力があるが、これまでの普及状況ははかばかしくない。一般ユーザーはモバイルではメールを使わず、Facebook Messenger、 WhatsApp、iMessageなどのサービスを使うか、単にSMSを使っている。
しかしMicrosoftはメールを利用するショート・メッセージの存在価値はあると主張する。たとえば同僚に「プレゼンはまだ発表しないこと!」とか「10時にチャットしたい」などといったメッセージを送ったり、「今日は会社にいる?」「ノー」というような簡単なやりとりをするような場合だ。
SendはMicrosoft Garageの最新作だ。GarageというのはMicrosoftの社内ベンチャー・プログラムで、社員のチームが自分たちのアイディアを実際の製品にしている。その多くはクロスプラットフォームのモバイル・アプリだ。
Sendは今日iPhone版がリリースされたが、開発は続行中で、近くWindows Phone版とAndroid版がリリースされるという。
現在SendはOffice 365ビジネスのユーザーを対象とした限定公開だが、今後広く一般公開される予定だ。
現在のSendはOffice 365ビジネスあるいは学校メール・システムのユーザーでもっとも頻繁に連絡を取り合っている相手をアプリのホームページに表示する。ユーザーはメッセージを送りたい相手をタップするだけで会話を始めることができる。メッセージの受け手には「後でこちらから連絡します」とか「そちらへ向かっている途中です」などのよく使われる定形文をワンタッチで発信する機能も用意されている。
Sendがこれまでプロダクトより優れているのはこのユーザー・インターフェイスだろう。スマートフォンのユーザーはメールを使っていると意識せず、本当のメッセージ・サービスと同様の感覚で手軽にコミュニケーションができる。
Sendにはメッセージ・サービスと同様、「入力インジケーター」が備えられ、相手が何か入力していることが分かるようになっている。またSendはすべての着信メールを表示するのではなく、このアプリから発信されたメッセージだけを表示する。ユーザーはスパムメールの山に煩わされることがない。この仕組みも使い勝手を大きく高めるものだ。
これまでのメールをメッセージ化するアプリが一般ユーザーを対象としていたのに対して、Sendは企業ユーザーをターゲットとしているのも特長だ。会社がメッセージ・サービスの利用に制限を設けているような場合に、Sendは非常に便利なコミュニケーションのチャンネルとなるかもしれない。
SendはiTunesから無料でダウンロードできる。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)