マイクロソフトのOneDriveパーソナルVaultが日本でも利用可能に

2019年6月Microsoft(マイクロソフト)はOneDriveに新たなセキュリティレイヤーを追加した。この機能はOneDrive Personal Vaultという名前で、ユーザーは2段階認証、指紋認証や顔認証、またメールやSMS、Microsoft Authenticatorで送信されるPINコードまたはワンタイムコードでファイルを保護することができる。ただし公開当初は、この機能を利用できるのは一部の国に限られていた。米国時間9月30日に全世界への公開が始まり、加えて新しいストレージプランも開始された。

【訳注】OneDriveの日本語環境では「パーソナルVault」と「個人用Vault」の名称が混在しているが、本稿では「パーソナル Vault」と表記する。

マイクロソフトは、当初はオーストラリア、ニュージーランド、カナダでパーソナルVaultを公開するが、年末までには全世界のOneDriveユーザーが利用できるようにすると発表していた。

今回の範囲拡大はぎりぎり9月末で、当初の予定より少し早まったことになる。

OneDriveユーザーは誰でもパーソナルVaultを利用できるが、一部に制限がある。

OneDriveを無償、またはOneDriveのみの100GBストレージプランで利用しているユーザーは、パーソナル Vaultに最大3つのファイルを保存できる。Office 365サブスクリプション利用者は、ストレージ容量いっぱいまでいくつでもファイルをパーソナルVaultに保存できる。

認証の強化がパーソナルVaultの重要なセールスポイントだが、ほかにもセキュリティ保護機能がある。「Scan and Shoot」(スキャンと撮影)は、モバイルデバイスで書類や写真を撮影し、デバイス上のカメラロールなどではなく、直接パーソナル Vaultに保存する機能だ。また、パーソナルVaultは非アクティブ状態が20分続くと自動でファイルをロックし、意図せずファイルを共有してしまうことを防ぐ。また自動でファイルをWindows 10 PCのドライブ内にあるBitLockerで暗号化された領域に同期する。

マイクロソフトは、パーソナルVaultを全世界で公開するのと同時に、OneDriveの新しいストレージプランと、PCのバックアップやダークモードも公開した。

Office 365サブスクリプション利用者のストレージプランは、月額224円で200GBずつ追加できる。

PCのバックアップは、Windows PCの「ドキュメント」「画像」「デスクトップ」フォルダーをOneDriveにバックアップする機能だ。ライバルであるDropboxやGoogle Driveのデスクトップアプリなどと似ている。このオプションは、Windows 7、8、10のPCで利用できる。 Windows 10では、Windowsのセットアップやアップデート時にこの機能を使うかどうかを選択できる。

そしてOneDriveは、iOS 13のダークモードに対応した。

パーソナル Vaultは全世界ですでに公開されている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

マイクロソフトがOneDriveのセキュリティレイヤーを発表

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間6月25日、 オンラインファイルサービスのOneDriveの最上位に位置し、ファイルを保管する新しいセキュリティレイヤーとなるOneDrive Personal Vaultを発表した。

セキュリティ機能により、これらのファイルにアクセスするにはMicrosoft AuthenticatorやPINコードやワンタイムコードを含んだメール、SMS(これは最も安全な方法とはいえないが)、Window Hello互換デバイス、指紋認証、顔認証といった強力な認証や2段階認証を利用する必要がある。

さらにマイクロソフトは、月額1.99ドルのスタンドアロンOneDrive購読プランの容量を50GBから100GBへと拡大した。なお、無料プランでもPersonal Vaultは利用できるが、保存できるファイルの個数が制限される。

Personal Vault はOneDriveのウェブ版、Windows 10版、マイクロソフトのモバイルアプリにより提供される。今後はオーストラリア、ニュージーランド、カナダのユーザーへと提供され、年末までにはすべてのOneDriveユーザーが使用できるようになる。

デフォルトでは、OneDriveに転送されるファイルはすべて暗号化される。基本的にPersonal Vaultはオプションの機能として加わる。OneDriveアプリでは、これらは特別なPersonal Vaultフォルダとして表示され、最も重要あるいは機密性の高い情報を含むファイル(財務記録など)を保存するために使用できる。

Windows 10搭載PCでは、Personal VaultはローカルドライブにBitlockerで暗号化された領域を確保し、Personal Vaultファイルを同期できる。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

HTML5はこれからのWindowsか?、普遍的なアプリケーションの普遍的な開発/利用ベースとして

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[筆者: Paul Stannard](SmartDrawのCEO)

1990年代の初めには、MS-DOSからWindowsへという重要な移行が起きた。MS-DOS上の人気アプリケーション、Lotus 123やWordPerfectなどは、この地殻変動に対応できず、市場から姿を消した。Microsoft WordとExcel for WindowsがLotusやWordPerfectの座を奪い、ワードプロセッサーと表計算ソフトの分野でトップになった。ソフトウェアのそのほかの分野でも、同様の移行が生じた。

1990年5月にWindows 3.0がリリースされたとき、その革命が始まった。それは、5年という短い期間に、世界中の企業の、何百万台ものコンピューターで、DOSのプロンプトをアイコンやマウスで置換した。

Windows 1.0がリリースされたのは1985年だったが、アプリケーションメモリの640Kという制約と、とても遅いプロセッサーのため、本格的なアプリケーションをその上で使うのは無理だった。Windows 3.0がメモリ640Kの壁を破り、Intelの80386プロセッサーがスピードの限界を上げてから、ついにゲームが始まった。

WindowsのUIと、640Kという拘束衣が破られたことにより、オペレーティングシステムやユーザーインタフェイスだけでなく、日常的に使われるアプリケーションにも新しいスタンダードが生まれ、そして広まった。

Webブラウザーの中で動き、データをクラウドに保存するクラウドベースのアプリケーションは、今多くの人が使っているデスクトップ環境を大きく上回る利点を持ち、同様の移行を起こすだろうか? 実は、クラウドベースのアプリケーションの到来と、30年前のWindowsの到来は、互いに似ている点が少なくない。

クラウドベースのアプリケーションのアドバンテージ

私はごく最近、クラウドベースのアプリケーションを使い始めたばかりだが、たちまちファンになった! この川を渡ってしまったら、もう戻る気にはならない。どうしてか? 自分のアプリケーションとそのデータを、どんなコンピューターやどんなデバイスからでも、そしていつ何時(なんどき)でも使える。それは、ものすごく便利だ。これまでは、自分のメールを見るためには会社へ行って自分のコンピューターの前に座り、そのコンピューターの上にあるメールソフトを起動する必要があった。私も15年前までは、そんなサラリーマン生活をしていた。クラウドベースのアプリケーションがなければ、ドキュメントの操作に関しても同じだ。

HTML5が強力なアプリケーションをブラウザーに持ち込む

クラウドベースのアプリケーションのアドバンテージがそこまで強力なのに、なぜ私は、始めるのが遅かったのか? 同じ理由で、Windows 3.0の前には誰もWindowsアプリケーションを使わなかったのだ。それらは、ごみだった! 初期のWebアプリケーションは、それらがリプレースしようとしているデスクトップアプリケーションのコピーのようなものだった。Google DocstとGoogle Sheetsが最初無料だったのは、WordやExcelにはかなわないからだ。

HTML5はスタンダードを提供する … それにより高度なアプリケーションの構築が可能になり投資の対象にもなる。

しかし、昨年あたりから状況が変わってきた。1990年にWindows 3.0がWindowsへの移行の契機になったように、HTML5スタンダードの採用が広まり2014年には公的な規格がリリースされたことにより、それと同じような革命が始まっている。今では、デスクトップアプリケーション並に強力なWebアプリケーションを、書くことが可能だ。Microsoft Wordのブラウザーベースのバージョンは、ルックスも動作もWindowsバージョンと酷似している。

HTML5はHTMLとCSSとJavaScriptにスタンダードを提供する … それにより高度なアプリケーションの構築が可能になり、十分に投資の対象にもなる。

それはファイルへの普遍的なアクセスだけではない

ドキュメントにどんなデバイスからでもアクセスできるだけなら、アプリケーションの出番はない。Dropboxは、ファイルを複数のデスクトップPCでシンクする(同期化する)ソリューションを提供し、その後ほかのデバイスでもそれができるようになった。Dropboxは、アプリケーションを特定しない。ファイルを読むアプリケーションが、ユーザーのデバイスにあるだけでよい。たとえば職場でWordのファイルを保存し、家の自分のコンピューターの上のWordでそのファイルを開けばよい。

Microsoftの、Officeのアップデートも、これと似たやり方だ。そのOneDriveと呼ばれるプロダクトはDropboxに似ていて、Office 365の有料会員になるとOfficeのネイティブアプリケーションを複数のコンピューターにインストールできる。基本機能だけのOfficeアプリケーションなら、今ではWindows, Mac, iPad, それにAndroidにもある。Office自体にもクラウドベースのバージョンがあって、それはブラウザーの中で動く。無料だけど、ネイティブアプリケーションの機能の一部がない。

クラウドベースのアプリケーションのアドバンテージがそこまで強力なのに、なぜ私は、始めるのが遅かったのか?

どのデバイスからでもファイルにアクセスできることは、アプリケーションがブラウザーで動かずに各機の上にあることを擁護する理由になるだろうか? それとも、それはまだ道半ばか? 私の個人的な考えとしては、それは道半ばだ。アプリケーションがどのマシンの上にもインストールされていなければならないことは、“どんなデバイスからでも”というクラウドのアドバンテージを大きく制約している。自分のコンピューターにそのアプリケーションがない人と、そのドキュメントを共有しなければならない場合、困ったことになる。だから今の、データはクラウド、アプリケーションはネイティブ、というハイブリッドな形は、いずれ、データもアプリケーションもクラウド、という形に変わり、ますます多くの人がそのメリットを享受するだろう。

クラウドベースのアプリケーションの採用で世界が一変するか?

WindowsやMacのデスクトップからクラウドベースのファイルシステムへの移行は、25年前のWindowsの採用と同じぐらい、急速に進むだろう。機能が完全に揃ったアプリケーションをブラウザベースのアプリケーションとして提供しないソフトウェアベンダ、ブラウザーバージョンはごく一部の機能しかない、というベンダは、市場を失うおそれがある。

MicrosoftのWord, Excel, PowerPoint, それにOutlookを、OneDrive+Office 365という形で提供するやり方は、まさに上記のやり方だが、その、ネイティブプラットホームにこだわるやり方は、そのうち限界にぶつかるはずだ。

でも、そのほかのアプリケーションが、その隙(すき)に乗ずるかもしれない。人気の高いんグラフィクスアプリケーションのVisionやPhotoshopも、完全な移行を成し遂げていない。Accessなど単純なファイルマネージャーも、やはりそうだ。

デスクトップからクラウドベースのアプリケーションへの移行はしたがって、デベロッパーにすばらしい機会を提供し、マーケットシェアをこれまでのマーケットリーダーたちから奪っていくだろう。それは、落ちこぼれになりたくないと願っている今現在の勝者にとって、深刻な脅威にもなる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Microsoft、Office 365のユーザーにOneDriveストレージを容量無制限で提供

今日(米国時間10/27)、MicrosoftはすべてのOffice 365アカウントに対して容量無制限のOneDriveストレージを提供すると発表した。現在、Office 365に付随するOneDriveの容量は1TBに制限されているが、この制限が取り払われる。Office 365の契約者はストレージがすべて無料となるわけだ。

これは大いに歓迎すべき決定だが、特に驚きというほどでもない。Microsoftはクラウド生産性サービスのOffice 365の価値を高める努力を続けており、ストレージの無料化は非常に有効な策だ。無料のストレージ容量というのは魅力を作る重要な要素であり、多ければ多いほど良いことは言うまでもない。.

いずれにせよクラウドストレージの単位あたり料金はここ何年も限りなくゼロに向かって低下し続けている。有料サービスであるOffice 365に付随するストレージの無料化は本当の無料化の一歩手前といえるだろう。巨大プラットフォームがそのユーザーすべてに無料かつ無制限のストレージを提供することで無料化レースは終了する。今のところMicrosoftやBoxは有料で無制限のストレージを提供する段階に来ている。

Office 365はMicrosoftにとって成功だった。Microsoftはソフトウェア販売という古びたビジネスモデルからSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)への移転を加速するためにさらに努力を重ねているところだ。

Microsoftの発表の重要部分:

今後、Office 365のすべての顧客に対して一切の追加料金なしにOneDriveに無制限のストレージ容量を提供する。このサービスは今日からOffice 365 Home、 Personal、Universityの顧客に提供される。[...]OneDrive for Businessの顧客についてはここ数日のうちにOffice 365のロードマップでストレージ容量の無制限化が告知される。First Releaseの顧客については、他の数多くの改良とともに2015年に入ってから提供の予定。

つい最近までクラウド・ストレージがギガバイト単位で料金を徴収していたことを覚えているだろうか? なんと馬鹿げた時代だったことか!

画像:FLICKR USER ROBERT SCOBLE UNDER CC BY 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


今やPCのストレージは最初からクラウドが主体、HPのChromebook 14とHP Streamにその傾向を見る

今朝(米国時間8/18)発表されたのは、Windows 8.1を載せたHPの新型ラップトップHP Streamのスペック一覧で、予価は199ドルとなっている。MicrosoftがChromebookの対抗機種と位置づけている製品で、後者は今、低価格機種のシェアを少しずつ食っている。

MicrosoftはWindows搭載機に価格競争力を持たせるため、小型でしかも低価格のマシン向けにWindowsの価格を下げた。HP Streamも、それに当てはまる。

StreamとHPの14インチChromebookの詳しい比較記事を、Paul Thurrottが書いている

ぼくが今日言いたいのは、GoogleとMicrosoftは低価格のPCを使ってクラウドストレージのシェア競争をしている、ということだ。 Chromebook 14では、100ギガバイトのGoogle Cloud Storageを2年間使える。Windows 8.1を載せたStreamには、Microsoft OneDriveの100ギガバイトがつく。

どちらも100ギガバイトのストレージの正規の使用料は月間1.99ドルだから、2年では約50ドルだ。しかし両社とも、自分たちのプラットホームを載せたコンピュータをより魅力的にするためのコストを、価格に反映させない気だ。

その状況はまた、クラウドストレージの料金が急速にゼロに近づきつつあることを、裏書している。100ギガバイトのストレージを無料で提供することには、それを餌として得られるであろう、いろいろな、小さな収益や売上への期待がある。広告収入とか。

Streamの最小仕様ではストレージが32ギガバイトと小さいが、ほかにクラウドストレージの100ギガバイトがあるのだから、それほど貧しくはない。製品上のストレージを小さくすれば、マシンの原価は下がる。

いずれも、消費者にとってはメリットだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Microsoftは無料クラウドストレージの容量を倍増して15GBに、Officeユーザは1TB

無料で容量無制限のクラウドストレージがトレンドになりつつあるが、このバスに乗り遅れたくないMicrosoftは今朝(米国時間6/23)、OneDriveサービスの無料アカウントの容量を15ギガバイトにアップした。その前が7ギガバイトだから、倍以上だ。

併せて同社は、すべてのOffice 365ユーザのストレージの大きさを1テラバイトにした。OfficeでなくOneDriveで容量を増やしたい人は、100ギガバイトが月額1.99ドル、200ギガが3.99ドルだ(後者は、これまで月額11.49ドル)。

もっとわかりやすく言うと、Microsoftは無料で提供するストレージの容量を大幅に増加、そしてOfficeの会員ユーザは、これまでの契約容量とは無関係に全員、実質的にほぼ無制限のクラウドストレージを(それ自体は無料で)使えるのだ。

単独ユーザのためのOffice 365 Personalは月額料金が6.99ドルだが、ストレージは1テラバイト使える。複数ユーザで使える’Home’アカウントは月額9.99ドルだが、最大5人までのユーザが、一人につき1テラバイトを使える。というわけで有料アカウントのストレージ単価(GBあたり)は、ものすごく安くなった。

といっても、誰も驚かないだろうが、おもしろことはおもしろい。いわゆる今のプラットホーム戦争においては、ストレージは重要な戦略兵器だ。前にも書いたことがあるが、ファイルは自分が保存されている場所で編集されることを好む。だからクラウドファイルを制するものはエディティングツールも制する。Microsoftの唯一最大のエディティングツールがOfficeだから、そのためにもクラウドストレージが重要だ。

Dropbox、Box、iCloud Drive、Amazon Drive、Google Driveなどなども、今やMicrosoftの競合相手だ。彼らからユーザを奪うためには、無料アカウントと有料アカウントの両方で、思い切った大盤振る舞いが必要である。

しかし無料の15ギガバイトは十分ではない。Boxは今年の初めに50ギガを提供した。だからMicrosoftの容量拡大は、今後も断続的に続くのだろう。そして、大容量のストレージが無料ならユーザは相対的にOfficeの会費を安く感じる、15ギガバイトはそこへ導くための一時的なつなぎとめ策、という賭け方なのかもしれない。

でも、Google Trendのチャート(下図)によれば、消費者のマインドシェアにおいてMicrosoftは、ライバルたちの後塵を拝しているのだ。

だからこそなおさら、同社はアグレッシブにならざるをえない。マインド(心)のシェアだけでなく、クラウドストレージのシェアを伸ばすためにも。

しかし、今日の動きは同社にとってとりあえず有益だとは思うが、Microsoftほどのお金持ちなら、もっともっと破天荒な策がありうるのではないか。

画像: FLICKR/NICOLAS RAYMOND; CC BY 2.0のライセンスによる(画像はトリミングした)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


クラウドストレージ戦争激化―Microsoft、企業向けOneDriveの容量を25GBからなんと1TBに

クラウドストレージ市場で競争の武器となるのは容量だが、単位容量あたりの料金は今や急速にゼロに近づいている。

Microsoftは企業向けクラウドストレージのOneDrive for Businessについて、これまで1ユーザー当たり25GBだったストレージを1TBと40倍にアップすることを発表した

Microsoftは公式ブログで「十分な競争力がない」とDropboxとBoxをそれと分かる形で批判した。

〔クラウ共有サービスに〕一般ユーザー市場からスタートして最近企業向け市場に参入してきた一部のプロバイダーは、エンタープライズで必要とされるサービスのレベルにまだ十分な理解がない。エンタープライズに特化したプロバイダーも存在するが、提供するサービスの範囲が極めて狭い。急速に変化する企業ニーズに的確、広汎に対応できるサービスのプロバイダはほとんど存在しない。

Dropboxは企業向け市場に力を入れ始めているが、Microsoftは当然ながらこれを放っておけない。実際Dropboxの最近の企業向けプロダクトは非常に良くデザインされている(しかしまだ十分でないという意見もある)。

クラウドストレージのビジネス面は非常に複雑だ。私はBoxのS-1上場申請書についての記事でこう書いた。

財務的圧力は多数のライバルとの競争によってギガバイト当たり単価が急速に低下することによって増大している。Google やMicrosoftのような資金力のある巨大企業が競って料金を引き下げる中、Boxの利益率も低下せざるを得ない。GoogleやMicrosoftが提供するサービスの内容はBoxとは異なる。しかし共同作業機能と編集ツールを含まないクラウドストレージも、クラウドストレージを含まない共同作業機能と編集ツールも、もはや競争力がないというのが新しい現実だ。

Microsoftはとうとうギガバイト当たり単価を事実上ゼロにしてしまった。つまりストレージの提供そのものではビジネスにならない。これはDropboxやBoxのように長年ストレージ容量に課金してきたビジネスモデルにとっては厳しい状況だ。

GoogleとYahooも大幅にストレージ単価を引き下げている。YahooはFlickrで1TBの容量を無料提供している。Googleも最近クラウドストレージの料金を引き下げた

DropboxとBoxはこれに対処しなければならない。また事実、懸命に対処の努力をしている。Microsoftはこの市場を他所ものに明け渡すわけにはいかない。それは急速にクラウド化しつつあるOfficeビジネスの将来を危うくすることになるからだ。Microsoftはエンタープライズ・クラウドストレージ市場を守りぬく決意を固めているはずだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Microsoft、予定通りにSkyDriveをOneDriveに名称変更

SkyDriveは死んだ。死んだがすぐにOneDriveとなって生まれ変わった。Microsoftは1月、イギリスのペイTVプロバイダーのBSkyBとの間で起こったSkyDriveという名称を巡る商標紛争をうけて、同社の運営するストレージサービスの名称を変更する予定だとアナウンスしていた。そしてそれがついに現実となり、ウェブサイト、モバイルアプリケーション、およびデスクトップアプリケーションにて、利用するサービスの名前がOneDriveというものに変更されたわけだ。

尚、これにともなってMicrosoftは、Dropboxによるものにそっくりな紹介プログラムの提供も開始した。自分の提供したリンクから誰かがサインアップすると、ストレージの容量が500MB増加するようになっているのだ。最大10人を紹介して、5GBまで無料で増加させることができる。また、Windows、iOS、あるいはAndroidから、自動での写真アップロードオプションをオンにすると3GBの無料ストレージを取得することができる。

いまや、さまざまなビッグネームからもクラウドストレージサービスが提供されるようになってきており、個人利用者は非常に安価でクラウドスペースを利用することができるようになっている。言うまでもないだろうが、GoogleはGoogle Driveを提供しており、AppleはiCloud、MicrosoftはOneDriveを提供している。各社ともアプリケーション、全体的な機能、そしてもちろんマーケティング戦略にて差別化をはかろうと懸命になっている。

ちなみにMicrosoftのコアプロダクトであるOffice 2013やWindows 8.1からは、まだクラウドスペースの名称がSkyDriveとなっている。もちろんこれもすぐに変更されることとなるのだろう。

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(翻訳:Maeda, H