Mozillaが「あとで読む系アプリ」のPocketを買収した。買収金額は公表されていない。両者はそれぞれ 彼らのブログに、同時に発表を行った。Pocketは、記事を読む時間がない人のために内容を保存してくれるFirefoxの便利なプラグインの1つとしてスタートし、ブラウザとより密接に統合されるようになって、遂にその公式な一部となった。
Pocketを使えば、ボタンを押して、長い記事をあとで読むために保存することができる。保存されるものからは広告や迷惑な書式は削除される。それは元々Read it Later(あとで読む)という名前で知られていたもので、長い期間に渡って殆ど同じ目的を果すものたち、例えばEvernote、Instapaper、Readability、そして遂にはApple自身のリーディングリストと競合を続けてきた。
Evernoteがそのスコープを広げ、Readabilityがサービスを終える一方で、Pocketはささやかながら継続的にその初期のミッションを達成し続けてきた。調達した資金は合計1450万ドルにのぼり、2015年の初頭にFoundation Capitalによって主導された最新のラウンドCでは、700万ドルを調達している。そしてその数ヵ月後には、Firefoxのプラグイン(またはアドオンでも良いが)の地位から昇格した。よく聞く話だが、2つの若い理想主義的な企業がお互いと過ごす時間を増やし始め、恋の花が咲いたというわけだ。
Mozillaのプレスリリースにはこのように記されている「昨年Firefoxの内での統合に際し、Pocketと緊密な作業を進める中で、私たちは共通のビジョンを分け合い、もっと沢山の協働の可能性を信じることができるようになりました。これが本日(米国時間27日)発表したMozillaへのPocketの参加へとつながりました」。ああ、なんとロマンチックなのだろう!
私はこの契約について、Pocketの創設者Nate Weinerと、Mozillaのチーフビジネス兼法務担当者のDenelle Dixonの両者に話を聞いた。
Weinerは、デフォルトのボタン以上に優れたやりかたで統合する点に関して、モバイルのような様々なプラットフォームにPocketを溶け込ませるためには、まだまだやらなければならないことが沢山あると語った。Dixonによれば、PocketとMozillaは両方とも、すべてのユーザーに相応しい経験を提供するために存在し、それらがプラットフォームやデバイス間で異なるべきではないと考えている。
昨年Pocketは収益化のためのプランの詳細を発表した。基本的にそれは、スポンサーのコンテンツを、興味を持ちそうな人たちに向けて推薦するコンテンツレコメンデーションサービスだった。これはそこそこの成功を収めているので、Mozillaは壊れていないものを修正する計画を特に持ち合わせてはいない。
「彼らがやっていることを続けて欲しいと思っています」とDixonは言った。Pocketによるこれまでのマネタイズアプローチは「常にユーザー第1主義でした」と彼女は指摘した。これはMozillaの使命とも合致するものだ。
「ウェブが健康であるためには、それをサポートするビジネスモデルが必要です」とWeinerは付け加えた。彼はPocketこそがそのためのものだと信じている。
私はPocketがどのように、Mozillaのオープンソースプロジェクトに含まれることになるのかについて尋ねた:それは直ぐに実現されるのか?なんらかの回避ライセンスがあるのか?それはCommodore 64に移植したり、BBS上でホストできるようなものなのか?
残念なことに、私の手書きメモはWeinerからの洞察に溢れた答を読み取るにはあまりにも不十分だ。しかし彼はコードのオープンソース化はなるべく早く進めたいと述べ、その他のことも全て可能性はあると答えた。私のノートの読みやすい部分には「私たちはコミュニティを巻き込みたいのです」と書かれている。
Dixonによれば、Pocketをオープンソース化をするためのライセンス上の問題や、オープンソース化のための様々な問題の精査を、ほどなくMozillaが開始するということだ。とはいえ、彼らは特定の期限について述べることは避けた。
今のところ、Pocketがこの先も、ここ数年と全く同じように動き続けることを期待することはできそうだ。
[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)