Y Combinatorで育った女性プロフェッショナルのためのネットワークLeapがElphaと改名して独立

Y Combinatorが開発した女性のネットワーキンググループLeapがついに、Elphaという新しい名前でひとり立ちした。

Cadran CowansageとAbadesi Osunsade、そしてKuan Luoの三名が創業したElphaは、テクノロジー産業で働くプロフェッショナルの女性のためのネットワークで、女性が孤立せず互いに結びつけるためのさまざまなコンテンツやリソースへのアクセスを提供する。そのブログポストでCowansageは、女性を重視する企業に関する情報へのアクセスも提供していく、と言っている。

ElphaのアイデアをCowansageは長年温めてきたが、2017年にY Combinatorの支援でローンチできた。Cowansageによると、Leapは最初、夜と週末だけのプロジェクトだったが、今では7500名のアクティブメンバーがいる。協同ファウンダーのAbadesiとKuanのうち、Leapグループの最初のコミュニティリードになったAbadesiはProduct Hunt出身で、テクノロジー業界のインクルージョンにフォーカスしたHustle Crewのファウンダーでもある。

元ニューヨーカーのKuanはスタートアップ世界のベテランで、ニューヨークのデータベース企業Cockroach Labsでデザインチームを率いていた。テクノロジー業界の女性リーダーたちのために退職後の生活プランをコンサルするFor The Womenの、アーキテクトでもある。

同社はもはやY Combinatorの系列企業ではないが、その冬季クラスを受講し、またYCからの投資も受けている。Cowansageによると、それはYC支援企業の標準的な形で、15万ドルの投資でYCが7%のオーナーシップを取る、という形だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Product Huntが通知がうるさくないテックニュースダイジェストアプリSipをリリース

「私たちは注意をひこうとうるさく通知するアプリケーションを増やそうと思ったわけではありません」と、Product HuntのCEOであるRyan Hooverは語る。ということで、新しいニュースや通知を垂れ流し続けるのではなく、本日(米国時間2月22日)Product Huntは、iOSAndroid向けにハイテク業界ニュースレターアプリSipをリリースした。Sipは、その日の目立ったニュースをTwitterのモーメント風のスライドショーにまとめて、(米国東部標準時の)午後5時に静かに配布する。

説明、解説ツイート、ニュースソースへのリンク、Product Huntのページ、そして世論調査などを束ねて、Sipは長々とした記事の代わりにひとくちサイズの情報を提供するものだ。例えば2018年の最もイノベーティブな企業の記事や、イーロン・マスクが火炎放射器を売ったこと、あるいはUberの新しいバスキラーといったニュースを、Sipを通して知ることができる。

「私たちの最終目標は、Product Huntがアピールしそうなのにまだ使って貰えていない人たちに対して、毎日チェックしたくなるような体験を提供することです」とHooverは説明する。これは2016年にAngelListに2000万ドルで買収された同スタートアップの、収益ドライバーというよりは、基本的にユーザー拡大の仕掛けである。「今年の初めにコミュニティで発表したように、私たちは収益性の強化を目指しています。様々な取り組みを通じて大きな進歩を遂げることができましたが、今のところSipはその一つではありません。私たちはユーザーベースの拡大に集中しているので、Sipを短期間のうちにマネタイズする計画はないのです」。

Facebookが意図的にフィード上に流れてくるニュースの量を減らし、Twitterはボットとトロールで溢れかえり、Google Readerがなくなってしまった今、人びとは世界のニュースに追いつくための、より良い方法を必要としている。HooverはProduct Huntを、まず第一にコミュニティでありながら「常にニュースを配信する役割も果たす」Redditのようなものとして捉えている。

よって、ここに更に力を入れることで、新しい利用者層を獲得することができるだろう。現時点では、最新のペータテスト、ハッカソンプロジェクト、Chrome拡張そして新規スタートアップを知るために、皆が皆このサイトに引き寄せられているわけではない。しかし、ハイテク業界の巨人たちや、ソーシャルメディア、そして最もホットな最新のアプリに関するトップニュースの数々は、多くの人たちにとって必読のものになっている。Sipは、Product HuntページのQ&Aを通してニュースを掘り起こすよりも、ユーザーを呼び込むことのできるゲートウェイになる可能性がある。

「Sipは実験です」とHooverは私に語る。「このアプリは私たちのチームのChadがデザインして作成したもので、Product Hunt todayに必ずしも掲載される必要のない、様々なタイプのコンテンツとストーリーを、目にするチャンスを提供してくれます」既に3000人がSipのベータ版にサインアップしている。このアプリは、伝統的なテックサイトとその電子メール、Twitterや他のソーシャルアプリからのコンスタントな流れ、Ha​​cker Noonのような様々なニュースレター、そしてFeedlyやFlipboardのようなリーダーアプリと競争しなければならない。しかしSipは、ニュースをひとくち大のサイズにすることで、差別化をしている。

Produnt Huntは、より若く気まぐれな技術者たちを、利用者の中核に引きつける方法を探し続ける必要がある。2013年にニュースレターとして始まったこのスタートアップが、最も話題になったのは2014年と、2015年にAndreessen主導のラウンドで700万ドルを調達し、Y Combinatorに受け入れらたときだった。同社がサンフランシスコで開催したパーティは伝説となった、その時は1000人以上の人びとが店の周りのブロックを取り巻いたからだ。

TechCrunch Disrupt SF 2014に登壇したProduct Hunt CEOのRyan Hoover(左)

何年もの間、そのサイトで毎日新製品の大衆人気ランキングを掲載し続けてきたが、AngelListがProduct Huntを買収して以来、疲労が入り込んできたようだ。よく整理されてはいるものの、権威あるテクノロジー業界の大人たちが関わることによって、Product Huntはそのクールさの一部を失った。昨年は、スタートアップたちが自社の製品をリリースすることを助けるShipを立ち上げ、Ask Product Huntというレコメンデーション機能も発表した。Hoover自身も彼自身による300万ドルのエンジェルファンドであるWeekend Fundを設立した。しかし、Product Huntの輝きは衰えている。これまでよりさらに華やかな場所で開催されたものの、この冬のProduct Huntパーティーではドアの外に続く列を見ることはなかった。彼らは招待状有無のチェックさえしていなかった。

次世代のProduct Huntユーザーたちは、携帯電話が身近な存在であるため、絶え間ない通知によって喜んだりはしないだろう。その代わりに、流れを断ち切らない、より注意深い技術の利用に重きを置くように見える。Sipはそうした人たちにアピールすることができる。「私の電話は通知のせいでしばしば温かくなるのです」とHooverは言う。「多くのアプリ作者は、1日を通して数多くのプッシュ通知や歓迎されていないテキストメッセージでユーザーたちを圧倒しています。私たちはこの混乱にSipを加えたいとは思っていません」。

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(翻訳:sako)

ゲイツ、ザック、ベゾスらがVillage Globalを支援――スタートアップ育成のシード・ファンドがスタート

Y Combinator出身のスタートアップ紹介サイト、Product Huntの社員1号、Erik Torenbergは有望なスタートアップを見つけて世界に紹介するだけでなく、自ら投資しようとしている。今日(米国時間9/26)、静かにスタートしたVillage Globalは、シード資金とプレ・シード資金を最初期段階のスタートアップに投資することを目的とするベンチャーファンドだ。

このファンドは起業家に資金を提供するだけでなく、起業家と世界的に有名なメンターとを結びつけようとしている。Facebookのマーク・ザッカーバーグ、Amazonのジェフ・ベゾス、LinkedInのリード・ホフマン、Googleのエリック・シュミット、Yahooのマリッサ・メイヤー、Microsoftのビル・ゲイツといったスーパースターがリミッテッド・パートナー(LP)として、またアドバイザーとしてVillage Globalに加わっている。

Village Globalのパッケージ、Erik Torenberg

SEC〔アメリカ証券取引委員会〕の規則によりベンチャーキャピタリストは資金調達中のファンドについて公に論ずることを禁じられているためTorenbergはわれわれの取材に答えることを控えた。Village Global自体はファンドの規模について明らかにしなかったものの、同社が規則に従って6月にSECへ提出した書類をTechCrunchが調べところによれば、調達目標とする金額は5000万ドルだ。ただし、資金調達が完了していないため、実際に集まった資金の総額はまだ分からない。

上に挙げた以外にも前ニューヨーク市長、マイク・ブルームバーグ、VMWareのファウンダー、ダイアン・グリーン、DisneyのCEO、ボブ・アイガーなど数多くの著名人がこのファンドに加わろうとしている。皆大富豪だから、目的は利益ではなさそうだ。Village Globalは事業を紹介するリリースで「こうしたイノベーターたちはスタートアップ・ゲームへの関心を失っていない。彼らは自らの企業運営の経験からさまざまな知恵を起業家に伝えたいと考えている。同時に次世代の起業家たちとの交流を通して新たな洞察を得ようとしている」と書いている。

実際、ここに名前を挙げたテクノロジー界の巨人たちがVillage Globalに信頼を置く理由は、TorenbergがProduct Huntを通じて「草の根」的に次世代の起業家を熟知しているからだろう。

ホフマンと共著でスタートアップの戦略の教科書、スタートアップ シリコンバレー流成功する自己実現の秘訣(日経BP)(The Startup of You)を書いた後、ホフマンの側近としてLinkedInに加わったベン・カスノーカがVillage Globalのチームに加わった。またパートナーには IACの事業開発担当幹部、500 StartupsのIR部門の責任者、Queensbridgeのパートナーを歴任したAdam Corey、Cheggの最高ビジネス責任者、Harvard Business Schoolの客員起業家、Anne Dwane、SuccessFactorsの前副社長でCanaanのパートナー、Ross Fubiniなどが含まれる。

最初期のスタートアップへの投資を目的とするため、Village Globalはさほど巨額の資金を集めたりAndreessen HorowitzやGV(以前のGoogle Ventures)のような大規模な組織なしに意味のある影響を与えることができる。人材獲得や組織のデザインの面でも負担が軽いはずだ。その代わり、Village Globalはテクノロジー界のスターをアドバイザーとして網羅しようとしている。 【略】

Village Globalでは一般のベンチャーキャピタルのように少数の中心的メンバーがすべての投資の決定を行うのではなく、幅広いスカウトのネットワークを通じて行おうとしている。この「スカウト・ネットワーク」のリーダーにはYouTubeのVRの責任者、Erin Teague、Quoraの副社長、Sarah Smith、Dropboxの社員1号、Aston Motes、Target、Hilton、 Verizon[TechCrunchの親会社]の取締役を務めるMel Healeyなどがいる。

Village Globalのビジネスモデルはスタートアップの起業は投資家にとって二極化―大成功を収めるかゼロになるかで、その中間が少ない―という現実を前提としている。Village Globalはスタートアップのスカウトに有利な条件を示しているが、これはいくつかの大成功ですべての投資の元を取ろうという戦略だろう。

上場や買収などにより現金化に成功し資産を築いたファウンダーなど富裕な個人が続々と初期段階のスタートアップへの投資に参入してくる現状なのでこの分野は今後激しい競争にさらされるはずだ。しかし幅広いネットワークとテクノロジー界のスターをメンターに擁することでVillage Globalから次のユニコーン〔企業価値10億ドル以上のスタートアップ〕が生まれるなら、健全なエコシステムを築くことができるだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

「最新のアプリ? ほとんど使っていないよ(笑)」Product Hunt創業者が来日講演

今年もいよいよスタートアップ業界最大のイベント「TechCrunch Tokyo 2014」が始まった。国内外のキーパーソンや注目のスタートアップが集結し、11月18日から2日間にわたってさまざまなテーマの講演やパネルディスカッションを繰り広げる。

有名どころではシリコンバレーのスタートアップ界隈で最も注目されている情報サイト「Product Hunt」の創業者、Ryan Hoover氏が来日中だ。Product Huntはテクノロジー関連プロダクトのためのソーシャルニュースサイトといった位置づけのサービスで、すでにY Combinator、Google Venturesなどから計700万ドルを調達した注目株だ。

TechCrunch Tokyo 2014のオープニングセッションでは、そんなHoover氏に「シリコンバレーで次に来るアプリ・サービスは?」というテーマで、元TechCrunch記者のSerkan Toto氏が切り込んだ。

一番のお気に入りは「Instacart」

まず気になるのは、Product Huntのようなサイトを運営するHoover氏が、日々どんなサービス・アプリを利用しているかである。すると同氏が一番に挙げたのが「Instacart」だった。

Instacartは食品をはじめとした日用品を当日配送してくれるサービスである。シリコンバレーの住まいには近所にスーパーマーケットがないため、こういったサービスが重宝するようだ。

「時間の節約にもなる。実際、年をとるにつれて、こういった便利なサービスが好きになってきた。配送にかかるプラスアルファのお金もそんなに問題ない。10代の頃だったら気にしたと思うけどね」(Hoover氏)

Toto氏も同じような用途で楽天市場を使っているという。「重い水とかは運びたくないからECで注文している。日本だと楽天がInstacartに近いかもしれないが、食品関係の即日配達はないかもしれない」と話す。

ちなみにHoover氏は当然のようにTwitterも利用しているが、お気に入りのクライアントアプリはデスクトップ版「Tweetdeck」だそうだ。

 

「常時50〜60サービスは見てるけど、ほとんど使ってない」

最近、驚愕したサービス、あるいはスタートアップはあるか? との質問にはあっさりと「ない」と答えた。「いろいろな製品を常時50〜60は見ている。トレンドとかインスピレーションを受けるが、とはいえ、ほとんど使っていないよ(笑)」とぶっちゃけた。

でも興味を持ったのは、Snapchatの新サービスである「Snapcash」だという。すぐに消えてしまう写真共有サービスとして知られるSnapchatが個人間の送金をサポートしたものだが、「非常に面白い」とHoover氏は評価した。

もう1つ、「Refresh」というアプリにも注目だという。1年半ほど前にリリースされたアプリだ。「Refreshはカレンダーと紐付いて、誰にいつ会うのかといった情報を取得し、その人のバックグランドを送ってくれる。これで(出会う際の)心の準備をしている」とその用途を紹介した。

似たようなGmailの拡張機能に「apportive」というものがあるとToto氏が補足。こちらはLinekedInから相手の情報をピックアップしてくるサービスのようだ。

シリコンバレーの「Next Big Thing」は何だろうか。Hoover氏ならきっと何かに気づいているのではないか?とToto氏が問いかけたが、「その答えを持っていたら、こんな仕事をしていない(笑)」とあっさりかわされた。

特殊な用途にフォーカスせよ

それでも見解として語ってくれたのは次のようなことだ。「クリエイティビティのあるスタートアップは人々の行動パターンを変えようとしている。それが一般人に理解してもらえるか、根付くかはすごく難しい。スナップチャットがいい例で、あのサービスはすでに確実な写真共有の方法が確立されていると理解した上で始まった。もともとあったユーザー行動を研究し、その中でも特殊なユースケースにフォーカスしたことで生まれた」

要は「“あれもこれも”はもうダメだ」ということ。「狙いを定めたユーザー行動の、特定のユースケースにフォーカスしていくのがとても大事だ」とHoover氏は主張した。そういった流れがいま起きている。

「いまアプリは“分散化”しつつある。大企業もスタートアップも特定のユースケース、あるいはエクスペリエンスにあわせて細かいアプリを複数出すようになった。Facebookも別ブランドで「SlingShot」などのアプリを提供している。Pathもメッセージに特化した「Path Talk」を出した。分散化がトレンドかもしれない」(Hoover氏)

Toto氏は日本の無料通話・メッセージアプリ「LINE」を例に挙げた。「LINEは無料通話とメッセージを提供するマザーアプリだけではなくて、ゲームアプリ、Eコマースアプリ、ニュースアプリなどを次々に公開している」と紹介すると、Hoover氏もLINEの動きは認識しており、「分散化」の一例とみなしていた。

 

日本の起業家にアドバイス「あまりクリエイティブになるな」

Toto氏からHoover氏に最後の質問。米国に進出したいという起業家がいたとして、何かアドバイスをもらえないだろうか?

それについては「自分も学んでいるところ。まず文化的な壁がある」と語った。「キャッチコピーなどをそのまま翻訳しても意味がない。それが我々が日本に出るときにも同じ壁にぶつかるだろう。とにかく文化を学ぶ必要があるということ。それはどこでも同じことだ」と非常に謙虚に語った。

さらに「あまりクリエイティブになるな」と釘を刺した。どういうことかというと、まずは「自分のアイデアが本当に受け入れられるのか」にフォーカスすべきだという。

「あなたのアイデアがどの程度の関心を集めるかをまずは計測して、徐々に拡大していくこと。いまやサービス開発の時間はどんどん短縮されている。まずは小さなプロダクトを作って、どういうユースケースに対応するのかを明確にすることだ」(Hoover氏)


テクプロダクトのためのソーシャルニュースサイトProduct Huntは良い製品を下支えする機会均等の場

Product Huntはまだ小規模な実験だが、テクノロジの世界でプロダクト方面の仕事をしている人たちのあいだで、このところ話題が盛り上がっている。まあ、テクプロダクトのRedditとか、プロダクトのローンチをめぐるHacker Newsと呼べるかもしれないが、でも、どちらもProduct Huntの本当の本質をついてはいない。

Product HuntのファウンダRyan Hooverはこう語る: “最初はぼくの友人たちとシリコンバレーの起業家たちで始めたんだ。日常の会話の中で、よく新製品が話題になる。‘今日ローンチしたあのプロダクト見た?’とかね。それはバレーの井戸端会議の定番の話題だが、かんじんのネット上には、新製品について雑談する場がなかった”。

Product Huntは2013年の11月に、リンクを共有するLinky Dinkのメーリングリストとしてスタートした。Hooverが新製品を指すリンク集を編纂して、それを友だちと共有した。毎日、その日のリンク集というメールがやってくる。それは、こんなメールが果たして一般的に必要とされているかを試すためのMVP(Minimum Viable Product)みたいなもんだった。だから、絶対にスケールしないものの完璧な見本でもあった。

“たった20分で作り、二人の投資家、友だち、そしてプロダクト関連の知人たちに送った。そして、クールなプロダクトを見つけたら教えてね、と書いた”。

昨日なんか、Andreessen Horowitzの連中がたくさんうちに登録したよ

— Ryan Hoover

そのMLのメンバーはわずか200名ほどだったが、フィードバックはとてもポジティブだった。そこでHooverは感謝祭の休日にNathan Bashawとタッグを組み、v1を作った。Bashawはすべてをわずか5日で仕上げた。Hooverは少人数のアーリーアドプターを招待して、改良のためのフィードバックをもらった。それから1週間後に、Product Huntは一般公開のWebサイトになった。

その後、活発なユーザと熱心な読者が徐々に増えていった。Hooverのねらいは前と同じで、Product Huntはクールなプロダクトについて誰よりも早く知りたい人たちのためのコミュニティだ。BufferのDailyBarkBuddyNotifyrも、すべて、テクノロジ系のブログに載る前にProduct Huntに登場した。次のSnapchatや次のAirbnbとも呼べる、今後の大物プロダクトが、続々と、真っ先にこのクラウドソースなサイトに現れるか、それが楽しみだけどね。

Product Huntは見た目もなりふりもRedditやHacker News、あるいは前のDiggにとてもよく似ている。リンクを投稿する。それらをLike(親指アップ)する。コメントも書く。すっきりとしたデザインで無限スクロール、そしてAlgoliaによるリアルタイムの検索。でも、仕掛けが一つある。

一日がプロダクトごとに分かれていて、それらのリーダーボード(ハイスコア表)みたいなものができあがる。たとえば、5月2日のトップは誰だったでしょうか? PredictionIOでした。この方式では、すべてのプロダクトにざっと目を通しやすいし、毎日訪れるのが楽しみになる。Hacker NewsやRedditにようにリンクのリストがたえず変わっていかないから、読みやすい。影響力はあるが忙しい、という人も、短時間で簡単にその日のプロダクトを展望できる。

VCのパートナーたちも、数百名がProduct Huntの登録会員だ。ただしVCには信号送出効果という厄介なものがあるから、彼らはコメントやLike(や親指アップ)を控える傾向がある。毎日のようにProduct Huntを読んでいるパートナーは、Greylock PartnersやSV Angel、Redpoint Ventures、そしてBetaworksの連中だ。Y Combinatorや500 Startupsの人たちも、読んでいる。著名なエンジェルたちも会員だそうだ。本誌TechCrunchのライターの中にも、熱心な会員が何人かいる。

“昨日(きのう)なんか、Andreessen Horowitzの連中がたくさんうちに登録したよ”、とHooverは言った。

Product Huntには新しいMLもあり、会員は数万名いる。まだプロダクトをハントしてくるハンターの方は人が少ないが、でもみんな、すごく活発だ。ぼくが本誌の記事でNotifyrを取り上げたときなんか、コメントはProduct Huntの話ばかりが多くて、かんじんの、Joost van Dijkが開発してiPhoneの通知をMacに送る、クールなかわいいアプリのことが、そっちのけになってた。

今HooverはProduct Huntにフルタイムでかかわっている。ほかに、パートタイムのデベロッパが3名、パートタイムのデザイナーが1名いる。彼が愛してやまない小さなプロジェクトは、徐々に会社っぽくなりつつある。プロダクトやVCなどの業界人だけでなく、今では一般のユーザも、Product Huntの記事を読んでプロダクトの評価を決める人が増えてるらしい。そう語る起業家が、今は多い。

“Product Huntは、プロダクトやスタートアップたちにとっての機会の地平を、格差の大きい峻険な光景から、もっとなだらかで機会均等に近いものに変えつつある”、とHooverは言う。“Notifyrを作ったオランダの無名のガキがProduct Huntのコミュニティから220ものLike(親指アップ)をもらうんだから、すごいよ。今は、App Storeのランクを上げるためなら金を使ってもよい、というデベロッパが多い。自己努力でヴァイラルなネットワークを広げているデベロッパもいる。Product Huntでは、そのどちらも要らない”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))