YouTubeの音楽ストリーミングサービスの供用国が12増えたが日本はまだ

YouTubeの音楽ストリーミングサービスの市場が新たに12か国増え、また有料音楽ビデオサービスは、17の市場で提供されることになった。

YouTubeのCEO Susan Wojcickiは、2月に、市場拡張の最終目標は100か国 、と大風呂敷を広げた。

YouTubeの最初の市場は、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、韓国だった。今日(米国時間6/18)新たに加わったのは、オーストリア、カナダ、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、ノルウェー、ロシア、スペイン、スウェーデン、そしてイギリスだ。

YouTubeがその有料会員制サービスの体系を改定したのは5月で、これによりYouTube Musicという有料または機能に制限のある無料サービスがGoogle Play Musicをリプレースし、また音楽ビデオストリーミングYouTube Premium(前YouTube Red)が発表された。

YouTubeの新しいアプリ(Android)(iOS)Webプレーヤーも加わり、サービスの構造改革が行われた。新しい機能として、動的カスタムリコメンデーションや多様な検索オプション(歌詞や一般的な説明で検索できる)、そしてさまざまなジャンルやムードやアクティビティ(活動)に対応する“数千の”プレイリストが用意された。

YouTube Musicは、ビデオなし、オーディオのみだが、アメリカの月額会費が$9.99(ファミリープランは$14.99)で、SpotifyやApple Musicとの競合を意識している。一方YouTube Premiumはビデオサービスで、リプレースされたYouTube Redより2ドル高い$11.99、ファミリープランなら$17.99だ。最初の3か月はプロモーション期間とされ、無料だ。

YouTube Premiumは広告なし、であるだけでなく、バックグラウンド機能やダウンロード機能がある。会員はYouTube Originalsの番組やムービーにもアクセスできる。

アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、…これらの国々でYouTube RedやGoogle Play Music…ファミリープランを含む…の会員だった人は、自動的に現状料金でYouTube Premiumにアクセスできるようになる。

そのほかの国で Google Play Musicの会員だった人は、その国が対象市場になり次第、現状料金で自動的にYouTube Music Premiumにアクセスできるようになる。音楽やプレイリストへのアクセスは、Google Play Musicのときと何も変わらない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Pandoraの有料プランにファミリープランが登場、プレイリストの個人化なども遅まきながら導入

Pandoraが、その有料サービスのファミリーバージョンを立ち上げた。月額14ドル99セントで6名までが、有料版にアクセスできる(個人では9ドル99セントだった)。この新しい会費制は、とくに発表や宣伝もなく静かに始まったが、今朝(米国時間5/28)、Android Policeが見つけた

これによりPandoraは、少なくとも料金的にはSpotify PremiumやApple Musicと肩を並べる。6名まで月額14ドル99セント、というファミリープランがあるところも、同じだ。PandoraのPremium Familyは、年額では164ドル98セントになる。

Pandoraのファミリー有料会員制には、通常の有料機能のほかに、家族一人々々の音楽の好みに基づく、個人化されたプレイリストOur Soundtrackがある。Pandoraの個人化プレイリストは、先週、展開されたが、それは、Spotifyの人気機能を真似するべく、今年初めに発表されたものだ。

有料制の機能には、オンデマンドの聴取やプレイリストの作成、ダウンロードしてオフラインで聴く、スキップやリプレイは無制限、良い音質、広告なし、などもある。

画像クレジット: Pandora

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Apple、アーティストが楽曲の再生数と購入数を追跡できるダッシュボードを提供

今日(米国時間1/22)AppleはApple Music用の新しいダッシュボードを公開し、アーティストがファンの再生や購買の傾向を追跡し、自分の楽曲に関する様々な分析データを見られるようにした。Appleから独占情報を入手したBillboardが報じた。ダッシュボードはApple Music for Artistsと呼ばれ、現在一部のベータユーザーのみに公開されており、今春一般公開される予定だ。

この動きがSpotify対抗であることは明らかだ。昨年来Spotifyはアーティスト向けのサービスを次々と提供してきた。

昨年4月にSpotifyは同サービスのアーティスト向けダッシュボードのベータ版を正式公開し、ストリーミングの概要と分析の表示、プロフィールの管理などを可能にした。10月には、アーティスト専用アプリを公開し、ニューリリースのリアルタイムデータを含む類似のデータを提供した。また同じ月に、RISEと呼ばれる新進アーティストのプログラムも発表した

Pandoraにもアーティスト向けのダッシュボードがあり、ファンとつながるためのツールを提供して、短い音声メッセージを利用したり、ニューリリースやライブイベント、チケット販売などの情報を届けている。

当然Appleは追いつく必要があった。

Appleの新しいダッシュボードの特長は、ストリーミングと購入の両方を詳細に追跡できることだ。

ダッシュボードには2015年にApple Musicがスタートして以来の再生回数、放送回数、楽曲購入数、およびアルバム購入数が表示される。Insightパネルには、特定楽曲のオールタイム再生回数や購入数などのマイルストーンが掲載される。

また世界地図をクリックすると、楽曲が再生されている場所やユーザー層を都市レベルまで見ることができる(Apple MusicとiTunesが提供されている115カ国をクリックできる)。これはアーティストがツアーやライブの計画を立てるのに役立つ。

Appleはこのダッシュボードの一般公開に先立ち、フィードバックを返してくれるベータユーザーを対象にテストを開始する。Apple Music for Artistsは、今春Appleの数百万のアーティストに向けて公開される。

もちろん現時点でアーティストがApple Musicのダッシュボードだけを使うことは考えにくい。Spotifyが音楽トレンドをリードし、同サービスのプレイリストに載ることがアーティストのキャリアーになるという現状を踏まえると、まずはアーティストが自分の楽曲の動向を追跡するために最初にチェックする場所の一つになるのだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

音楽サービスは“個人化”ブーム、Google Play Musicが新譜紹介プレイリストNew Release Radioを開始

今や数が多くなった音楽ストリーミングサービスは、音楽をオンデマンドで提供するだけでは顧客の心をつかむことができなくなった。新曲を見つける機能が必要だし、リコメンデーションもしなければならない。プレイリストの選曲に人気がある点でSpotifyは確かに市場のリーダーだが、Apple MusicやGoogle Play Musicをはじめ、ライバルたちも負けてはいない。今週はそのGPMが、自分たちでキュレートしたミックス、New Release Radioの提供を開始した。GPMはそれについて、各リスナーの好みに合わせた選曲だ、と言っている。

この機能は4月に、Samsungとのグローバルなパートナーシップでテストされた。当時のGoogleは、Samsungのスマートフォンやタブレットの新機種の上ではGPMをデフォルトの音楽プレーヤーにするつもりだった。Samsung自身のMilk Musicの、アメリカにおける閉鎖を引き継いで。

GoogleはそれによってSamsungのユーザーからのフィードバックを集めることができ、その成果としてこのたび、Google Play Musicの全ユーザーにNew Release Radioを提供できることになった。

個人化されたミックスには、好きなアーチストの新曲を紹介する機能もある。というか、Googleが、こいつはこれが好きだと信じたアーチストのね。この、ラジオ放送の形をしているサービスは、機械学習の技術を利用して過去二週間のニューシングルやニューアルバムから曲を拾う。同社の発表によれば、その際、ユーザーのGPMでの視聴履歴や、もっと幅広い音楽の好みを参考にする。

このようにエンドユーザーの好みに合わせて音楽サービスを個人化する能力は、たしかに今日のストリーミング音楽の市場競争で優位に立つための重要な要素であり、とくにSpotifyが、その能力に秀でている。そのDiscover Weeklyプレイリストは、初期における強力な差別化要因となり、昨年の総リスナー数は4000万に達した。その後Spotifyはその勢いに乗って、ユーザーが好むと思われる新譜の提案、Release Radarなどの、個人化プロダクトを展開した。Radarは昨年の夏だったが、同じ年の秋には、お気に入り曲とリコメンデーションを組み合わせたDaily Mixが登場した。

Apple Musicもプレイリストの個人化には熱心で、“My New Music Mix”や“My Favorites Mix”などを立て続けにリリースし、いちばん最近では、チル(chill)系の曲だけを集めたプレイリストの提供を開始した。

GoogleのNew Release Radioは無料のラジオリスナーにも提供され、そのときそのときの新曲によって継続的にアップデートされていく、とGoogleは言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ダンスミュージックの無料ストリーミングサービスBeatportは音楽を売るための巧妙な仕掛け

世界中のDJたちが自分がかける音楽を買っているBeatportで、無料で聴けるのは2分間のサンプルに限られていた。そのBeatportが、無料無制限のストリーミングを開始し、販促を強化しようとしている。ダンスミュージックの無料ストリーミングサービスは今日(米国時間2/23)から、招待制の非公開ベータを始めるが、本誌TechCrunchはその前にちょいと試してみることができた。

2003年に創業されたBeatportのストアは、DJが自分が使うための電子音楽をHiFiでダウンロードできる。最近ではDJたちとそのファンのためのソーシャルネットワークにもなり、また、リミックスを作るためのステム曲のステム==リミックスのための部材)を見つけるためのプラットホームにもなっている。電子ダンス音楽(electronic dance music, EDM)のコングロマリットSFXに2013年に買収されてから、不採算部門を切り捨てるためのレイオフを何度か行った

今Beatportは、プロダクトの全面的なオーバーホールに力を入れている。音楽ストアBeatportはBeatport Proになり、Newsは前と同じく電子音楽の人気作家/奏者のアップデートやインタビュー、ビデオなどを提供、今準備中のShowsは、今後のコンサートの予定をスキャンしてカレンダーを作れる。

新しく始まるストリーミングサービスは、単純にBeatportと呼ばれる。初期ユーザとして招待されたい人は、ここで申し込む

そのWebインタフェイスは、音楽を閲覧して見つけることに特化し、知ってる曲の検索や再生の機能はない。ホームページには、特集アーチスト、チャート上位者、テーマ別のプレイリスト、編集者のお気に入り、クラブミュージックの名作、などがある。お気に入りマークをつけた曲は、まとめられてあなたのプロフィールに載る。

どの曲もすぐにストリーミングされ、全曲をBeatportの埋め込みプレーヤーで聴ける。ほかのサイトへ行っても曲は鳴り続ける。ひとつの曲をかけるたびに、その曲が載っているチャートやプレイリスト、アルバムなどもキューに並ぶから、これまでのストリーミングサービスのビッグな欠点がなくなっている…そして、沈黙(音無し)の時間というものがない。

なお、Beatport Proには曲の完全なジャンル別リストがあるが、無料ストリーミングサービスではジャンル分けは簡単なものしかない。だから、DJのための選曲ツールとしてはやや使いづらいだろう。

でもBeatportは、全体としてスムーズですっきりしている。競合サイトによくある、中途半端に機能山盛りにするよりも、必要最小限主義を貫いている。意外にもv1インタフェイスで使えるし、そのジャンルもうまく捕捉する。

Beatportのカタログには、Spotifyで見つからないものもたくさんある。クレジットのはっきりしないトラックやリミックスなどもある。だからSpotifyのような完全に合法的なアプリと、SoundCloudなどのごたごたしたサービスの、法的には灰色(グレーゾーン)の、リミックスなどのロングテールの両者を、橋渡ししている。

BeatportのストリーミングサービスからBeatport Proのストアへすぐに行って、曲を買う(ダウンロードする)こともできる。つまりストリーミングサービスは、売上につなげるための陳列棚だ。無料で、しかも、広告もない。いわゆる、ロスリーダーである。今の世界でDJたちは、身銭を切って音楽を買う貴重なる少数民族だから、だいじにしてやらないと、いけないのだ。ビットレートが低い(HiFiではない)から、そのままクラブ/ディスコなどで鳴らすのには向いていない。

Beatportのサンプル〜曲発見機能を利用している電子音楽のミュージシャンはとても多い。音楽というものは、全曲聴いて感動したからお金を出して買う、というパターンが多いから、無料の場面でも、短いサンプルよりは全曲提供が正解である。Beatportの新しいストリーミングサービスは、大衆受けする必要はない。DJにとって曲を見つけるためのベストの場であれば、それで十分だ。Beatportは、スタートアップとしてはとてもうまいやり方で、「有料」と「無料」を調和させている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))