通信品位法230条の撤廃を引き合いに出し、トランプ大統領が国防予算案に拒否権を行使

前回の脅し(未訳記事)に続き、トランプ大統領は、7億4000万ドル(約766億円)の米国国防権限法案(NDAA)、すなわち年間の国防予算を定める主要法案に、拒否権を行使した。

トランプ大統領は今月初めのツイートで、セクション230(通信品位法230条)を「撤廃」する規定が入らない限り、NDAAを潰すつもりだと述べた。セクション230は重要な、そしてこれまであまり知られていなかったインターネットに関する法律で、今年の大統領選で敗北する前から、トランプ大統領が標的としていた。

「第230条の非常に危険な国家安全保障上のリスクを撤廃しなければ、我々の諜報活動は事実上不可能になるでしょう。逐一我々が何をしているか、すべて筒抜けになってしまうからです」と、トランプ大統領は拒否権に関する声明(米国大統領府公式サイト)で述べた。大統領が何を意味していたのか、あるいは国防権限法案を中国とロシアへの”贈り物”だと批判する中、何について言及していたのかは不明だ。

セクション230は、米国から “ビッグテック”への責任保護の贈り物(アメリカの企業だけに与えられる企業助成!)であり、私たちの国家安全保障と選挙の完全性に対する深刻な脅威です。私たちがそれを許すならば、私たちの国は決して安全でも安心でもありません…」

トランプ大統領はその決定の中で、セクション230の廃止を求める「超党派の声」を引用した。議会ではNDAAが圧倒的な超党派の支持を得ており、また、無関係な軍事費法案の中でセクション230の改革が真剣に検討されたことがなかったという事実にもかかわらず。

また、セクション230は「オンラインで外国の偽情報の拡散を促進する」ことから、過去に懸念を表明してきた脅威であると、これまで度々オンラインで危険な偽情報を拡散してきた大統領は主張している。

セクション230は、法律家や州、連邦政府が、テック業界における最も巨大で最も強力ないくつかの企業を抑制するために大きく動いたことで、2020年に注目を集めた。この法律は、インターネット企業がホストするコンテンツに対する責任からインターネット企業を保護するもので、大小のインターネット企業が長年にわたってオンラインビジネスを成長させるための扉を開いたと広く評価されている。

トランプ大統領は、自分のコンテンツを監視するテックプラットフォームに影響力を及ぼしたいと考え、今年前半にこのセクション230、そしてテック企業の中でも特にTwitter(未訳記事)を標的にした。5月には、大統領はテック企業の責任回避を攻撃する異例の、しかしほとんど効力のない大統領令(未訳記事)に署名。「編集、ブラックリスト、シャドウバンという選択を行う際、Twitterの選択は純粋かつ単純に、編集者としての決定である」と、大統領はこの命令に署名した際に述べている。

セクション230とNDAAに関するトランプ大統領の立場は、決して特に筋道の立ったものではなかった。NDAAは巨大な法案であり、多くの異質な事項を巻き込んだ種類のものではあるが、セクション230を廃止するためにそれを変更することは、まったく検討されていなかった。また、大統領がこだわるような、この法案の不評を言い立てることも難しい。NDAAは戦闘のみならず軍の多くの部分に資金を提供するもので、今年の法案には軍隊のための賃上げとベトナム退役軍人のための追加の健康支援が含まれている。

同様に、セクション230に関するトランプ大統領の見解は、共和党の他の多くの議員と比較しても、極端である。セクション230の変更を支持する向きは両党にあるが、議会では何を変更する必要があるかについての同意には程遠く、超党派の改革努力が続いている。来年に議会がどのような改革を行うにしても、セクション230を完全に撤廃するという結論に達する可能性は非常に低い。

大統領の拒否権行使を無効化するために、下院は月曜日に招集される予定だ。拒否権を覆すためには両院の3分の2以上の賛成が必要となる。下院は今月初め、共和党議員の大多数からの幅広い支持を含め、355対78票でNDAAを承認した。上院は12月11日、同様に党派を超えて84対13の賛成票を投じて法案を大統領に提出した。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

米大統領のTwitterアカウントは政権交代後にフォロワーなしから再スタート

この国(米国)では、激しい選挙戦の末にも、大統領府が平和的に権力を移譲することが長年続いているが、ある事情からこの伝統が2021年1月20日にも続くかどうか、多くの人が疑問を抱いている。現職の大統領は、声高に抗議しているものの、法的手段を講じても失敗した場合には退陣することに同意(The Washington Post記事)している(現時点では、それが確実だと思われる)。

だが、パスワードの平和的な移譲を指導している憲法は、もちろんどこにもない。不思議なことに、この国の先人たちはTwitter(ツイッター)というものを予測する先見の明を持っていなかったのだ。トランプ氏が大統領府を去る際に、彼のアカウントがどうなるのか、Twitterはすでに概説している。すなわち、彼は政治的人物であることにともなう保護を失うのだ。

TwitterのJack Dorsey(ジャック・ドーシー)CEOは、2020年11月の議会公聴会でこれを指摘した。「アカウントが世界のリーダーではなくなった場合、その特定のポリシーは適用されなくなります」という。しかし、次期大統領はどうなるのだろうか?バイデン氏への移行はどうなるのだろうか?そしてトランプ氏がほのめかしているように、@Potusの公式アカウントを快く手放さなかった場合、どうなるのだろうか?

トランプ政権は、@POTUSと@WhiteHouseのTwitterアカウントとフォロワーを次期大統領に移譲することを拒否したため、バイデン氏はゼロからスタートしなければならないとのこと。2016年のオバマ政権からの好意的意思表示とは反対に。

彼はこの選挙の結果を受け入れようとはしていないし、特に3300万人のフォロワー(確かに、トランプ氏のメインアカウントの半分以下だが)を持つプラットフォームを喜んで手放すようなタイプではない。

Twitterのコミュニケーションおよび政府・ニュース担当チームのNick Pacilio(ニック・パシリオ)氏は、この問題について「Twitterはホワイトハウスのアカウント移譲に関連する多くの面について、バイデン移行チームと継続的な協議を行っています」とTechCrunchに声明を出している。

同社は、おそらく当然ながら直接質問には答えていないが、The Wall Street Journal紙が指摘するように、次期政権チームとの連携は十数個のアカウントを移譲する際の問題をすべて回避する簡単な方法だ。報じられているように既存のツイートは削除され、次期政権のツイートはゼロからスタートすることになる。現職大統領のフィードの分極化した性質を考えれば、バイデン・チームにとってそれは結局、好ましいことだ。

バイデン氏のデジタルディレクター(The Hill記事)によると、大統領とホワイトハウスのアカウントはフォロワー数がゼロにリセットされ、オバマ前大統領からトランプ現大統領に移行した際とは異なるという。ドナルド・トランプ氏の個人的なTwitterアカウントは、すでに1人の著名なフォロワーを失っている。今週初め、ジャック・ドーシーCEOは、バイデン氏やKamala Harris(カマラ・ハリス)次期副大統領を含む他の著名な政治家とともに、現大統領をアンフォローした(Daily News記事)。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

TwitterがAPI機能を拡張、開発者は公開された会話の追跡が可能に

Twitter(ツイッター)は、最近設計を見直したTwitter APIのアップデートにより、開発者コミュニティに新機能を提供している。拡張されたAPI v2エンドポイントのコレクションに新たに加わった機能では、自分のツイートに誰が返信できるかを指定できるなど、これまで以上にTwittterの新しい会話コントロールをアプリ開発者がサポートできるようになった。他にも開発者が、特定のアカウントのツイートやあるアカウントにメンションしたツイートを追跡したり、特定のユーザーをフォローしているアカウントのリストを取得したりできるエンドポイントが追加された。

これらの新しいエンドポイントは、2020年6月に最初に導入された(未訳記事)開発者向けAPIのバージョン2で、Twitterが行っている改良に続くものだ。このAPIは2012年以来初めて見直されたが、その目的は投票、固定ツイート表示、スパムフィルタリングなど、以前のバージョンに欠けていた機能を含めることであり、同時に検索やストリームフィルタリングなどの分野にも改善が施されている。

しかし、TwitterのAPIに関する作業はまだ進行中であり、エンドポイントの追加や階層化されたアクセスプランのさらなる細分化が行われている。

今回のリリースでは、Twitterは2020年初めに導入された新しい会話への参加方法に向けたサポートを追加した。この機能は、ユーザーが自分のツイートに返信できる人を選択できる(未訳記事)ようにするものだ。Twitterでは、ユーザーは全員に返信を許可するか、フォローしている人だけに返信を制限するか、「@アカウント」で指定した人だけに返信を制限するかを選ぶことができる。この会話コントロールが、新しいAPIでは「reply_settings」と呼ばれるTweetオブジェクトのフィールドを介して、部分的にサポートされることになった。この追加により、開発者は会話の返信設定がツイートに設定されているかどうか、設定されていれば誰が返信できるかを知ることができるようになる。しかし、Twitterはまだこれらのフィールドのサポートを記述していない。「将来的に」そうなると述べているだけだ。

最終的には、このような機能によってサードパーティ製アプリが、Twitter.comやTwitter自身のネイティブアプリによるファーストパーティのユーザー体験に近づくことができるかもしれない。それはまた、ソーシャルメディアマネージャーが返信できるツイートのみを取得するソーシャルリスニングアプリを開発するのに役立つかもしれない、とSocialOpinionsの開発者であるJamie Maguire(ジェイミー・マグワイア)氏はTwitterの投稿で指摘している。Twitterはまた、それが●公共の会話で何が起こっているかを調べている学術研究者の役に立つ可能性があることを示唆している。

この機能はv2で完全に導入されるとTwitterは述べている。

エンドポイントのもう1つのセットである、ユーザーのツイートタイムラインとユーザーのメンションタイムラインは、特定のTwitterユーザーによって投稿された、または特定のTwitterユーザーにメンションした一連のツイートを返す。これらのエンドポイントは、start_timeとend_timeのパラメーターを指定し、特定の時間帯のツイートを収集するために使用することができる。これにより、開発者や研究者が特定のアカウントを分析することが容易になるとTwitterは述べている。

Twitterの指摘によると、これらのエンドポイントは、カスタマーサポートやブランド分析、Twitterユーザーの感情を時間の経過とともに測定するツールなどの分野で利用できるため、このAPIの最初のバージョンでは最も多く利用されたエンドポイントの2つだったという。

開始時には、開発者は1回につき最大100ツイートまでリクエストすることができる。ユーザーのツイートタイムラインのエンドポイントは直近のツイート3200件に制限され、ユーザーのメンションタイムラインは直近のツイート800件に制限される。どちらも「スタンダード・ベーシック」アクセスの月間ツイート数の上限50万件にカウントされる。この制限は恒久的なものではない。Twitterは、2021年の早い時期にTwitter API v2でスタンダードのプロダクトトラックに、より高度な「Elevated」アクセスを提供する予定だと以前に述べており(Twitterブログ)、企業はここで無料のベータ版にサインアップすることができる。

これらは、Twitter API v2のアーリーアクセスで利用可能だ。

またTwitterは今週、開発者が特定の人物をフォローしているアカウントのリストを取得したり、誰かがフォローしているアカウントのリストを取得したりできる2つの新しい「フォローズルックアップ」エンドポイントをアーリーアクセスで導入した。これらは、ネットワーク分析の目的や、情報や誤報の拡散を調べるために、Twitter上のアカウントがどのようにリンクされているかを理解したい開発者がよく利用するものだ。

開発者たちは、アカウントデータを調べるために、追加の呼び出しをしなくても、アカウントの関係性に関する豊富な情報を引き出せるようにしたいとTwitterに要請してきた。これらのエンドポイントを使用することで、開発者は以前のバージョンのTwitter APIのように何度も呼び出す必要がなく、1回のリクエストでアカウントのフォローに関するプロフィール情報を取得できるようになる。

これらのエンドポイントは、アカウントのフォローやアンフォロー、アカウントのブロックやミュートを可能にするエンドポイントと一緒に使用されることが多い。しかし、この機能はまだ利用できない。

Twitterは今回、APIの変更や更新についてより透明性を高めることを約束しているが、過去のことを思えば、開発者はこのプラットフォーム上で構築することについてまだ警戒しているかもしれない。Twitterは過去数年の間に、何度もTwitterアプリを作っている開発者の支援を突然打ち切ったり(未訳記事)、パートナーへのアクセスを遮断したり(未訳記事)、開発者会議をキャンセルすることもあった。これらの動きは簡単には忘れられない。

Twitterは先週末、ツイートフォーラムでAPIの変更を発表していた。同社の長期的な開発者向けプラットフォームのロードマップはこちらでも公開されている。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Twitterボットと追悼ユーザーが2021年に「新しいアカウントタイプ」に

Twitter(ツイッター)は、一般からのフィードバック募集を経て、2021年に導入が予定されている新しい認証プログラムの計画にいくつか調整を施した。同社は2017年に認証プログラムを一時休止(未訳記事)し、それ以来プラットフォームがユーザーに示すべき情報や、青い認証バッジ、さらに今後について、いくつかの側面を再考していたようだ。

間もなく導入される認証プログラムの大きな変更の1つとして、Twitterはボットやその他の自動化されたアカウントを区別する方法を追加する計画だ。

「自動アカウントであることが明確にされていないと人々に混乱をきたす可能性があります」と、同社はブログ記事で書いている。「2021年には、何がボットで何がボットではないのかを人々にわかりやすくするために、自動化されたアカウントと人間が実行しているアカウントを区別するための新しいアカウントタイプを構築する予定です」。

もちろん、すべてのボットが良いボットというわけではない(CU Boulder Today記事)が、自動化されたアカウントはTwitter初期の頃からプラットフォーム上で繁栄しており、いくつかのボットは最も便利で、奇抜で、そうでなくても愛されるツイートの発信源となっている。

また、Twitterは亡くなったユーザーのアカウントの扱い方についても改善に取り組んでおり、2021年には追悼アカウントの導入を計画しているという。同社によると、追悼アカウントは、ボットと同様、通常のユーザーとは異なる「新しいアカウントタイプ」になるという。このアイデアは、Twitteの政治家ラベルと同じ精神から生まれたもので、ユーザーについてひと目でわかる文脈情報を提供しようするものだ。

新しい認証プログラムに関する2万2000件以上のフィードバックを考慮に入れた結果、Twitterは、以前の考え方を「厳しすぎる」として、プロフィールの自己紹介やバナー画像の表示を要件から外すことにした。また、認証の対象となるカテゴリーのいくつかを再定義し、「スポーツ」のカテゴリーを拡大して「eスポーツ」を含むようにしたり、「エンターテインメント」のカテゴリーにデジタルコンテンツ制作者を明確に含めるための言及を加えたりした。

Twitteはまた科学者、学者、宗教家のための認証カテゴリーの追加を求める多くの提案を受けたようだ。現在これらの認証ユーザーは「活動家、主催者、その他の影響力のある個人」というカテゴリーで一緒にされている。

認証申請者は、特定のカテゴリーを選択し、参照リンクやその他の申請を裏付ける資料を提供する必要がある。また、新たにウェブやアプリのアカウント設定ページから、自分で申請が行えるようになる。

Twitteは、認証プログラムが凍結されてから3年を経た2021年1月20日より、新しい認証ポリシーの施行を開始する予定だ。一般からの認証申し込みの受け付けがいつ再開されるのか、同社は明言していないものの、それほど長く待たされることはないようで、近日中にさらなる詳細を共有する予定だという。また、同日よりツイッターは運用の痕跡がない認証アカウントや、新しい基準を満たしていない「不完全なアカウント」の一掃を開始する予定だ。

この調整が施されたポリシーにおいては、完全な認証アカウントおよび認証の資格があるアカウントは、確認済みの電子メールアドレスもしくは電話番号が入力されており、プロフィール画像とプロフィール名が表示されていなければならない。現在は認証済みでもこれらの基準を満たしていないユーザーには、必要な変更の通知が送られ、1月20日までに変更する必要がある。

Twitteの新しいポリシーはまた、プラットフォームのルールに「深刻なまたは度重なる違反行為」があった場合、アカウントの認証を剥奪する同社の権利も提示している。

新しいポリシーは、会社がルールを破るユーザーに対して明確な道筋を築くことができることを示しているように聞こえるが、それは最終的にはポリシーの明文化ではなく、強制執行というかたちで施行されるだろう。

「違反行為による認証済みバッジのはく奪は、今後も引き続き、個別のケースごとに審査します。ルール違反による強制措置と認証との関係性については、2021年中に改善を図る予定です」とTwitterはブログの投稿に書いている。

Twitterは2017年11月、Jason Kessler(ジェイソン・ケスラー)の認証(Daily Beast記事)を決定したことに対する世間の反発を受けて、認証プログラムを一時停止した(Twitter投稿)。ケスラーはバージニア州シャーロッツビルで、ネオナチと白人至上主義者を集めた悪名高い「Unite the Right (ユナイト・ザ・ライト)」イベントを組織し、最終的には平和的なデモ抗議者を1人死亡させた。同社は2020年の米国大統領選挙に関する会話の清廉さを保つことに、より多くのリソースを向けることを決定したため、認証プログラムの休止は翌年まで延長された。

中間選挙と米国大統領選挙が終わり、Twitteは認証プロセスとそれがプラットフォーム上のユーザーにとって何を象徴するのかを再考する努力に戻ってきた。同社はまた、嫌がらせ、暴言、誤報を抑えられる可能性がある新機能の実験も進めている。

Twitterは最近、誤報の拡散を遅らせるための努力として、リツイートする際のプロセスに摩擦を加えたが、大統領選の後で元に戻した(Twitter投稿)。Twitterが行っている最新のテストは、ユーザーがフォローしていない人に返信すると、共通する関心事やプロフィールの自己紹介が表示されるというもの。

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Twitterが音声によるソーシャルネットワーク機能「Space」のベータテストを開始

2020年11月、Twitter(ツイッター)は、音声専用のチャットルームという新しいソーシャルエクスペリエンスのテストを同プラットフォームで間もなく行うと発表していた(未訳記事)。ときどき論争の的となる(Clubhouseサイト)スタートアップClubhouse(クラブハウス)のサービスに類似したものだ。「Twitter Spaces(ツイッター・スペーセズ)」と名付けられたその機能のプライベートベータテストが、いよいよ始まる。テスト期間中にこの製品を使用できるのは、主に社会的少数派の人たちから選ばれた一部のユーザーだとツイッターは話している。

先月、同社が説明したとおり、こうしたスペースを快適に思う人たちの安全を確保することが、極めて重要になる。それは大変に難しい課題だ。特に言論の自由を過剰に重視するあまり、そうした言動が嫌がらせ、いじめ、キャンセルカルチャーを招く恐れがあるという訴えを抑圧してしまっている場合ですら、検閲を求める叫びを制限してしまっていると一部の人たちが指摘するツイッターのような企業にはなおさらだ。

音声によるソーシャルネットワーキングは、まだ比較的新しいコンセプトではあるものの、現段階でのプライベートなモバイルソーシャル「スペース」では、モデレーションが難しいことがすでにわかっている。

Clubhouseも、いまだ招待者のみを対象としたテスト段階にあるが、モデレーションの失敗にまつわる看過できない事故がいくつか起きている。ニューヨーク・タイムズの記者に対するハラスメント(The Verge記事)や、反ユダヤ主義者を声高に主張する会話(The Verge記事)などだ。このサービスは、まだ一般公開されていない。

ツイッターのテストでは、ユーザーの安全と安心を揺るがす問題の対処法が発見されることが期待されている。

ベータテストではiOS版が使われ、ホストが内容を管理する形の2名から数名の会話に参加する機会がユーザーに与えられる。

画像クレジット:Twitter

Spaces(スペース)を作る方法は2つあるとツイッターは話している。画面右下のツイート作成ボタンを長押しするか、右スワイプしてFleet作成画面にすると開設できる。

スペースのホストはDM、ツイートのリンク、リンクのシェアを通じてメンバーを招待できる。テストが開始されると、招待された人は誰でも参加できるようになるが、誰が発言するかはホストが決めることができる。ホスト用の会話内容の管理オプションは、今後増える予定だ。

このテストでは100点、挙手、拳、ピースサイン、ウェーブなどの新しい絵文字、通報とブロックのためのツール、「非常に初期段階」の自動筆記機能、スペースでツイートをシェアする機能などが追加される。これらの機能の多くは、鷹の目を持つリバースエンジニアであるJane Manchun Wong(ジェーン・マンチャン・ウォン)氏(Twitter投稿)が先月すでに発見していた。しかし本日、ツイッターはベータテスト開始と同時にこれらが使えるようになると認めた。

同社は、スペースに関する話題を専用のTwitterアカウント@TwitterSpacesでツイートしていく予定だ。

ベータテストの対象となるのは200人程度で、数週間以内にiOS版として開始されるとツイッターはいっている。

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(翻訳:金井哲夫)

Twitterが新型コロナワクチンに関する陰謀論の削除をユーザーに求める

新型コロナウイルス(COVID-19)のワクチン接種が始まったばかりだが、Twitter(ツイッター)はワクチン接種を躊躇させる可能性のある陰謀論を排除する取り組みを強化する。

新たに拡大されたルール(Twitterブログ)では、予防接種を受けることの副作用に関するデマ情報、ワクチンは必要ないと主張する誤解を招くツイート、新型コロナウイルスワクチンは「意図的に集団に害を及ぼす、または集団をコントロールするために使用される」と主張する陰謀論に適用される。ツイッターの新しいポリシーは12月21日に施行される。

ツイッターはこれらのカテゴリのいずれかに該当するツイートをしたユーザーに対し、再度ツイートする前にコンテンツを削除するよう求める。削除の基準を満たさないワクチンに関する誤った情報に対処するため、ツイッターは「根拠のないウワサ、論争された主張、およびワクチンに関する不完全または文脈外の情報」に、2021年初めから警告ラベルを表示し始めるとしている。これらのツイートは非表示にされ、エンゲージメントが制限され、公衆衛生に関する情報ラベルが添付されている可能性がある。

ツイッターは有害な可能性が最も高い誤報の削除を優先すると述べており、米TechCrunchはツイッターに、その決定はツイートがどれだけ露出されているか、あるいはコンテンツの性質に基づいて行われるのかを質問している。新しいポリシーは、自動化と人間のモデレーションというハイブリッドなアプローチとして実施される。

パンデミックの初期にツイッターは新型コロナウイルスの誤報に特化した一連の新しいコンテンツポリシーを作成したが、それは始まりにすぎなかった。ウイルスがどのようにして感染したのかについての偽情報や、潜在的に有害な誤情報が当時の大きな懸念事項であったが、同社の新しいポリシーのアップデートは、オンライン上の誤情報が多くの人々をワクチンの拒否に導く可能性があるという懸念に対処するものである。

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

動画ライブ配信アプリ「Periscope」の2021年3月末終了をTwitterが発表

先日の報道を受け、Periscope(ペリスコープ)は2021年3月に単体アプリとしての運営を終了することが、米国時間12月15日に発表された。Twitter(ツイッター)に属する同社は、同日投稿された公開書簡(Periscopeリリース)の中で、現在の運営を「持続不可能」と言及。近年の利用率の低下をその要因として挙げている。

「現在の状態のままにしておくことは、現および旧Periscopeコミュニティやツイッターにとって、正しいことではない」 と、同社では指摘している。

2015年にこのライブストリーミングアプリを買収したツイッターは、ここ数カ月の間に独自の動画配信機能を構築してきた。これによって単体アプリとしてのPeriscopeの機能は不必要なものになっていた。先週、ツイッターアプリのコードから見つかったある行は、最終的にPeriscopeが閉鎖されることを示唆しているように思われた。しかし当時、ツイッターはこれに関するコメントを拒否していた。

Periscopeはまだ創業間もない頃、ツイッターが競合他社であるMeerkat(ミーアキャト)の急速な成長に対処の必要性を感じて買収した。もちろん、ライブ動画の分野は近年飛躍的に進化しており、最終的にそのような機能を直接ツイッターのネイティブなアプリに組み込むことは最も理にかなっている。しかし、ライブストリーミングが成長しても、Periscopeのスタンドアロンアプリとしての地位は数年前から低下していたと同社は指摘している。

このようなことはもっと早くに起こっていたかもしれなかったと、同社では付け加えているが、最悪の年は彼らの計画を狂わせた。「2020年の出来事のためにプロジェクトの優先順位の変更を余儀なくされていなかったら、おそらくもっと早くこの決断をしていたでしょう」とツイッターは説明している。

モバイルアプリ関連調査会社のSensor Towerによれば、PeriscopeはApp StoreとGoogle Playを含め、これまでに約1億100万件のインストール数を記録しているという。また「2019年1月から12月14日までの1年間で、Periscopeは世界的に約680万件のインストールを記録しており、前年同期の約730万件から7%減となっている」ことも、同調査会社はTechCrunchに語った。

Periscopeは2021年3月に各アプリストアから削除され、次のソフトウェアアップデートで新しいアカウントを作成する機能が無効になる。ツイッターでシェアされた既存のブロードキャストは、リプレイとしてそのアプリ上に残る。また、同社は3月にすべてがなくなる前に、ユーザーにコンテンツのアーカイブをダウンロードする機能を提供している。

関連記事:Twitterアプリのコード内からライブ配信アプリPeriscopeの閉鎖案内を発見

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Snapchatでツイートの直接共有可能に、Twitterは他SNSとの連携拡大に期待

Twitter(ツイッター)はSnapと連携し、ネイティブに統合してツイートをSnapchatで共有できるようにする。これにより両社は、ユーザーが単にスクリーンショットを共有するのではなく、もっとインタラクティブに埋め込むことを狙っている。

この機能は、ツイッターユーザーがスマートフォン上でSnapchatにもログインしていれば利用できるようになる。特定のツイートの共有ボタンをタップし、Snapchatのアイコンからコメントをつけるなどして、友人に送ったりストーリーで共有したりすることができる。この機能は公開アカウントのツイートでのみ動作し、非公開アカウントのツイートでは利用できない。

この機能は現在iOSで公開が始まっており、Androidでの統合は「今後まもなく」開始する。

画像クレジット:Snap

SnapchatやInstagram、Facebook(フェイスブック)、Redditのコンテンツの多くはツイッターに端を発していることを考えると、この機能が企業としてのツイッターのあり方に深く統合されるのは驚きだ。ツイートをウェブに埋め込む機能はこれまでもずっとあり、拡散したい人はツイートを自分のストーリーに埋め込むことができたが、ソーシャルメディアでの共有に関するツイッターの戦略は追跡も収益化もできないスクリーンショットに留まっていた。

今回の統合はツイッターにとっては手間のかからないプロダクト展開で、ツイッターユーザーでない人たちにも同社のコンテンツを直接楽しんでもらうことができるようになるだろう。ツイッターはこのようなことをマーケティングキャンペーンで何年も漠然とほのめかしていたが、ここにきて他社のプラットフォームと直接統合するアプローチを取り始めた。

最近ツイッターはストーリー機能であるフリートを公開したことで、これまでツイッターのプラットフォームを使ったことのない人をSnapから新たにユーザーとして迎え入れるために機能を増やすことができると気づいたようだ。

実際のところ、ソーシャルメディアのチャンネル間の統合はそれほど多くない。画面の録画やスクリーンショットは、あるプラットフォームのストーリーを他のプラットフォームに伝えようとすると不完全なものになってしまう。今回の統合は、SnapのSnap Kit APIとCreative Kitと呼ばれる機能のアップデートによって可能となった。SnapによればSpotify、Reddit、SoundCloud、Sendit、YOLO、GOATもそれぞれのアプリからコンテンツをSnapchatに共有できる統合機能をすでに開発したという。

ツイッターは将来的にこの機能を他のプラットフォームにも広げることについて否定しなかった。

ツイッターの広報はTechCrunchに対して「今回のSnapとの合意は、この機能に限定したものです。我々は他のプラットフォームとも連携して、ツイートをもっと幅広く共有できるようにしたいと考えています。我々はこれをきっかけとして多くの統合が実現するよう願っています」と述べた。

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タグ:TwitterSnapchatSNS

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Kaori Koyama)

Twitterアプリのコード内からライブ配信アプリPeriscopeの閉鎖案内を発見

このところTwitter(ツィッター)はビデオに熱心だ。Twitter Liveを作ったり、最近ではFleets(未訳記事)を立ち上げたりして、ユーザーがその短い意見とリンクと写真と一緒にもっと多くの動画を共有できるように努めてきた。しかしその過程で同社は、そのほかの大きなサービスをスリム化していたようだ。Twitterアプリのコードをよく見ると、大好評でローンチしたビデオのライブ配信アプリPeriscope(ペリスコープ)は引退へ向かっているように思われる。

具体的な日程などはまだわからないが、名探偵のデベロッパーであるJane Machun Wong(ジェーン・マチュン・ウォン)がTwitterアプリのコード内に見つけたある行には、Periscopeの閉鎖案内へのリンクがある。ただし、そのリンク先にはまだ何もない。

Jane Machun Wong:Twitterアプリの中で見つけたテキストによると、Periscopeの今後のバージョンには閉鎖案内があり、ユーザーをそのアプリに関するFAQページへを案内する。

「Persicopeの現在のバージョンのコードにはこのような閉鎖への言及はない」とウォン氏は説明している。同氏によると「2つのアプリが同じコードを共有しているので、Twitterが所有する2つのアプリの統合で、そのテキストが上図スクリーンショットのようなTwitterのコードに紛れ込んだのではないか」とのこと。同氏が見つけたことに対するTwitterの反応が判明次第、この記事をアップデート予定だ。

もし、これでPeriscopeが引退になるのなら5年の生涯を閉じることになる。Twitterは、Periscopeを立ち上げ前に買収(未訳記事)。この件はTechCrunchが特ダネで報じた。この買収はTwitterのビデオ、中でも特にライブのビデオに力を入れていく動きの一部だった。当時その動きは、彼らが何を考え、何をしていたにせよ、Twitterがメディア企業と「市民ジャーナリスト」と、自分の言葉を広く発言したい人々のための独自のプラットホームになっていくことを意味していた。

当時のTwitterはまた、2015年当時の人気アプリだったMeerkat(ミーアキャト)のバイラル成長を抑えようとしていた(未訳記事)。しかし、長期的には競合にならなかった。最終的にMeerkatは、Periscopeの影響や大衆的人気を集められなかったためにサービスを終了したからだ。その後、Meerkatの開発メンバーは対話的ビデオチャットアプリHousepartyを開発して再起したが、Fortniteの開発元であるEpic Gamesが注目し買収した(未訳記事)。

一方Periscopeは、立ち上げ時からTwitterの一部として別の道を進んだ。Periscopeは独立のアプリであり続けたが、そのチームと特に創業者のKayvon Beykpour(ケイボン・ベイクポウ)氏は、Twitterの製品開発の中核メンバーになった(未訳記事)。

Periscopeのアプリとしての中心的な部分は「Twitter Live powered by Periscope」になり、APIアクセス(未訳記事)やその他の機能が増えた(未訳記事)。TwitterはPeriscopeよりもTwitter Liveのコンテンツを宣伝しており、@TwitterLiveをフォローするとこのライブ配信機能を使っている人や組織のハイライトを見ることができる。Twitterはライブ配信機能は、ライブ配信が中心のスタンドアロンアプリではなく、メインプラットフォームの組み込み機能として提供されている。この流れはInstagramやFacebookなどの主要ソーシャルアプリが辿った道だ。

Periscopeは、独立したブランド、そしてアプリとしてゆっくりと死を迎えつつあるが、これは特に新しい話ではない。2016年末にTechCrunchでEditor-At-Largeを務めるJosh Constine(ジョシュ・コンスティ)が、Periscopeは沈みつつある(未訳記事)という記事を書いた。

一方でPeriscopeが順調であるというデータもある。AppAnnieのランキングは、ほとんどの市場で本質的にトップ100のソーシャルネットワーキングアプリの中に入っている。現在のアプリストアの大きさを考えると悪い数字ではない。しかし全体のランキングを見ると、Periscopeは主要な市場では知名度が低すぎるのだ。結局Periscopeの人気があまり伸びなかったのは、オーナーであるTwitterのサービスの人気が大きすぎたためでなく、ビデオの人気の中心がTikTokのようなスタイルに変わってきたからだ。

TikTok効果といえば、今年に入って中国ByteDanceが所有するこの人気アプリが国家安全保障上の利益をめぐる規制上の苦境に陥った時、TwitterがTikTokを買収するかもしれない企業(The Wall Street Jounal記事)して報道された(結局はいまでもByteDanceがそのまま運営しているが)。ここでTwitterのTikTokへの関心の理由として、Vineを葬ったことへの後悔(Gizmode記事)を挙げないわけにはいかない。

Vineは、2012年にTwitterが買収した人気のショートビデオアプリ(未訳記事)だ。しばらくは好調でバイラルな人気も獲得した(未訳記事)。しかし2016年にVineのサービスは閉鎖され、TwitterのビデオへのフォーカスはPeriscopeへ移った。

振り返ってみると、TwitterがVineを保持し、サービスを構築するための努力と投資を惜しまなければ「何ができたのか」と疑問に思った人がたくさんいるはずだ。また、初期のタイミングでTwitterが買収しなかった場合に何がが起こったかもしれない。しかし、それはまた別の話だ。

もしPeriscopeがこのまま沈んでいくことになったとしたら、それはまた疑問を抱かざるを得ない。いったい何が起こっているのだろうか?つまるところ、Twitterのアプリ内にライブビデオ機能があっても主役にはなれない。ByteDanceのTikTokようなショートムービーサービスが誕生したように、ライブビデオが今後の主流になるのではと考えずにはいられない。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Twitterがスクリーン共有ソーシャルアプリのSquadを買収

米国時間12月11日、Twitterはスクリーン共有ソーシャルアプリのSquad(スクワッド)を買収することを発表し、そのチームがTwitterの仲間入りをすることを発表した。Twitterが私たちに伝えたところでは、Squadの共同創業者であるCEOのEsther Crawford(エスター・クロフォード)氏とCTOのEthan Sutin(イーサン・スーティン)氏をはじめとするチーム全員が、Twitterのデザイン、エンジニアリング、製品部門に合流する。クロフォード氏は特に、自身が対話領域で製品をリードすることになると述べている。

だが取り込まれないのは、実際のSquadアプリそのものだ。Squadアプリとはユーザーにモバイルやデスクトップ上のスクリーンを共有させ、同時にビデオチャットも行うことを可能にするアプリだった。この機能は企業のプレゼンのユースケースを越えて、友人同士の間にユースケースを見つけようとしたものだ。アプリは明日(米国時間12月12日)シャットダウンされるとTwitterはいう。これは、主に十代の女の子たちで構成されたそのユーザーベースには歓迎されないサプライズだ。

Twitterは、取引の詳細な条件を開示することを拒否した。

画像はTwitterより

このアプリの機能そのものは、Twitterのサービスに自然に適合可能だと思われるが、Twitterはどの技術が取引の一部として取り込まれるのかについては、何も語っていない。これまでもTwitterは、コアのTwitterアプリの外に、別のアプリ機能を持つことには熱心ではなかった。悪名高いVineのシャットダウンは、ユーザーを混乱させたが、そうしたユーザーたちは後にTikTokに集まった者も多い。Vineはアメリカのソーシャルメディア企業にとって素晴らしい成功談であり、おそらく最大の機会損失の1つだった。一方、主に長年にわたって苦しい運営を続けてきたPeriscope(ペリスコープ)は、アプリシャットダウンが近いことを示唆するアプリのコードが発見されたことから考えると、非常に危うい立場にあるようだ。

これまでSquadは、特にSnap(スナップ)と密接に連携していて、同社のSnap Kit開発者ツールの多くをいち早く採用していた。特にSnap KitアプリがSnapchatのユーザーグラフと密接に結びついていることを考えると、Snapの開発者ツールを大量に使用して開発していたことで、Squadの技術をTwitterのインフラに移植する作業はより難しくなったことだろう。

SquadはFirst Round、Y Combinator、betaworks、Halogen Ventures、元TechCrunch編集者Alexia BonatsosのDream Machine、その他多数の投資家から720万ドル(約7億5000万円)のVC資金を調達してきた。2020年のSquadは、丁度よい時期に丁度よい場所にいた。パンデミックが最初に発生したとき、CEOのエスター・クロフォード氏はTechCrunchに対して、そのアプリの利用率が1100%急増したと語った。

その際にクロフォード氏は、ソーシャルアプリが新しい高みに到達することで、しばしば発生するように見える深い落とし穴を避けながら、現代のソーシャルアプリをスケーリングするという課題について長く語った。昨年のTechCrunchが行ったインタビューの中で、彼女のチームは「自分たちがしたことの中の最高のものから学ぼうとしており、くだらないものは排除しようとしています」と語っていた。

また Medium(メディウム)の投稿の中では、クロフォード氏は彼女のスタートアップのエグジットを、投資家たちにより多様な企業家たちを支援するように促すための絶好の機会とみなしている。

「私たちのエグジットが、投資家のみなさまに対して、多様なチームにより多くの資金を投入するように説得できる材料となることを願っています。なぜならこうした成功のひとつひとつが、私たちのように歴史的に資本不足に苦しみ過小評価されてきた起業家たちへの投資が間違っていないということを証明しているからです」と、クロフォード氏はMediumの投稿の中に書いている。「女性や有色人種に投資して下さい。損はさせません」。

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タグ:Twitter、Squad

画像クレジット:Squad
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(翻訳:sako)

タイムラインにプロモツイートが溢れていると一部Twitterユーザーが不満を漏らす

Twitter(ツイッター)のタイムラインは現在、一部のユーザー向けの広告であふれており、プロモツイートの配信に問題があるようだ。プロモツイート、つまり広告主がより広く宣伝するために課金する通常のツイートは、通常ユーザーのタイムラインの上部に一度だけ表示され、他のツイートと同様にタイムラインにてスクロールされる。しかし最近では、プロモツイートの頻度が増加している。ユーザーの中(Twitter投稿)には、4〜6ツイートごとに表示されると報告する人もいる。また他からも、プロモツイートを複数回見たと報告している。

これはツイッターの広告システムに何らかの問題があることを示している。同社はプロモツイートがユーザーのタイムラインにあまり頻繁に登場せず、エンドユーザーをターゲットとして関連性のあるものにしようとしているからだ。

ツイッターのビジネス版ウェブサイトは「我々はプロモツイートの表示方法について熟慮しており、人々が1日に表示されるプロモツイートの数については控え目である」と説明している。

しかし他のツイートのほとんどが広告だったり、しばしば繰り返される広告であれば明らかにおかしい。

ツイッターによると、この変更は不具合ではなく意図的なものだという。

同社広報担当者は「私たちは定期的に広告の変更を実験している。当社は常に革新とテストを行っており、今後も学びながら適応していきます」と述べている。

ツイッターは@TwitterSupport@Twitter@TwitterComms@TwitterMktgなどの一般向けのアカウントを通じてこのバグへの対応を公式に行っていないため、どのプラットフォームや地域でどのくらいのユーザーが影響を受けているのかは明らかになっていない。しかし米国および海外のユーザーからの苦情は、「ホーム」と「最近のツイート」の両方のタイムラインで確認されている。

アップデートや情報が不足しているため、ツイッターユーザーの中には広告主のアカウントをミュートしたりブロックしたりして、プロモツイートの流入に対処している人もいる。広告主はブロックされたユーザーに再びアクセスすることができなくなるため、影響が継続する可能性がある。

ツイッターにコメントを求めたところ、この問題について調査中だという。新たな情報が入り次第、続報をお届けする予定だ。

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

Twitterがプロトタイプアプリ「twttr」の一般ユーザー向けテストを終了

Twitter(ツイッター)は、2019年より新機能のプロトタイプとして公開していた実験的なアプリ「twttr」を終了する(Twitter投稿)。このアプリは2019年1月のCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)で最初に発表され(未訳記事)、同年3月にテスター向けに配布が開始された(未訳記事)。その主な目的は、スレッド会話のための新しいデザイン(未訳記事)を試すことにあり、リプライのツリー化、ラベルの適用、応答の色分けなどが実験的に導入されていた。これらのいくつかはテストされた後、最終的にツイッターの機能として採用され(未訳記事)、そしてtwttrアプリは役目を終えることになった。

公の場でデザインするアイデアは、ツイッターの興味深い実験だった。

ほとんどの企業は新しいアイデアについてフィードバックを得るために、まず社内でベータテストを開始し、その後に一般ユーザーの数パーセントを対象とした小規模なA / Bテストを実施する。ツイッターはtwttrというプロトタイプ版アプリを公開し、もっと早い段階の開発プロセスに実際にユーザーを招待して参加させた。

twttrのコンセプトは、ツイッターのプロダクトマネジメント部でディレクターを務めていたSara Beykpour(サラ・ベイクプール)氏が主導していた。当時はSara Haider(サラハ・イダー)氏。彼女はツイッタープロダクトリーダーのKayvon Beykpour(ケイボン・ベイクプール)氏と結婚して姓が変わった。

しかしサラは2019年、社内で新しい役割に踏み出すことを発表し、ツイッターにおける会話方法の変更を担当する新しいプロダクトディレクターにはSuzanne Xie(スザンヌ・シェ)氏が就任した。彼女はツイッターがLightwell(ライトウェル)を買収したことから入社した人物だ。

twttrの開発は、シェ氏が就任した頃には止まっていたようだ。twttrが利用する「TestFlight(テストフライト)」と呼ばれるApple(アップル)のベータテスト用ユーザーベースに、重要なアップデートがリリースされなくなっていたからだからだ。そしてシェ氏はこの秋、Stripeへ転職するためにツイッターを去った(Twitter投稿)。

現在、ほとんど使われていないアプリを維持することは、もはや同社にとって意味がないのだろう。

ツイッターは米国時間12月4日、正式にtwttrを終了する計画を発表(Twitter投稿)。ツイッター本体で行われている会話に関連する新しいテストに取り組むために、twttrを終了すると述べている。終了は即時行われる。twttrアプリは、まだそれがインストールされていれば機能するかもしれないが、TestFlightのビルドが26日で期限切れになると、そうではなくなる可能性がある。

twttrには、現時点で多くの熱心なユーザーがいたとは思えない。特にこのプロトタイプアプリには、ツイッターに導入された「トピック」や「フリート」のような新しい機能が欠けているたえ、もはやテストのために新しい実験が提供されているとはいえなかった。また、もともとtwttrでテストが始まった、ラインでつなぐスレッド形式のリプライ表示も停止される(Twitter投稿)ことになった。

しかしツイッターは、将来いつか再びtwttrが使用される可能性を排除していない。広報担当者は、新製品をテストするための将来的な計画に向けて、同社が「twttrのための潜在的な次のステップを模索している」と述べている。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

TwitterがついにハードウェアセキュリティキーをiPhoneとAndroidでもサポート

Twitter(ツイッター)は米国時間12月2日、ハードウェアセキュリティキーで保護されたアカウントでiPhoneとAndroid端末にログインできるようになったことを発表した。

ソーシャルメディアの巨人は2018年にハードウェアセキュリティキーのサポートを開始し、テキストメッセージやアプリによるコード生成といった二要素認証の代わりに、アカウントの物理的セキュリティ障壁を新たに追加した。

セキュリティキーはキーホルダーにつけられる小ささながら、ログインする時にユーザーがキーを挿入しなければならなくすることで、ある種のアカウントハッキングをほぼ不可能にする。これは地球の裏側にいる誰かが、たとえあなたのユーザー名とパスワードを知っていても、アカウントに容易に侵入できないことを意味している。

しかし技術的制約(Twitter投稿)のために、セキュリティキーで保護されたアカウントは、パソコンでのみログイン可能で、モバイル機器からは入れなかった。

ツイッターは2019年にWebAuthnプロトコルに切り替える(Twitterブログ)ことで頭痛の一部を解決し、ハードウェアセキュリティキーのサポートを他のデバイスやブラウザーに拡張する道を開いた。

これでツイッターアカウントにセキュリティキーを設定している人は誰でも、同じキーを使って自分のモバイル端末にログインできるようになった(現在さまざまなデバイスで利用できるセキュリティキーがYubiKeysGoogleのTitanキー(未訳記事)をはじめ山ほど発売されている。

以前からツイッターは(他の会社も)ジャーナリスト、政治家、政府関係者などの著名人アカウントに対して、一部の高度な攻撃を防ぐためにセキュリティキーを使うことを推奨してきた。ツイッターは、二要素認証(およびセキュリティキー)の設定方法をここで説明している。

2020年7月に、ツイッターでは同社の内部ネットワークにハッカーが侵入し、「管理」ツールを悪用してジャックした著名人アカウントから暗号通貨詐欺を拡散したサイバーアタックを繰り返さないために、社員にハードウェアセキュリティキーを導入した。

事件を受けツイッターは、Rinki Sethi(リンキ・セティ)氏を新設の最高情報セキュリティ責任者として迎え、有名なハッカーである通称Mudge(未訳記事)ことPeiter Zatk(ペイター・ザットク)氏を同社のセキュリティ責任者に登用している。

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カテゴリー:セキュリティ
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画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Twitterが音声会話サービスAudio Spacesのテスト開始、文字起こし、話者の制限、報告機能あり

11月中旬にTwitter(ツイッター)は、オーディオSNSであるClubhouseのライバルとなるAudio Spacesのテストをまもなく始めると発表した(未訳記事)。Audio Spacesは、ツイッターユーザーが専用のスペースに集まって他の人とライブで会話をするプロダクトだ。同社は発表時にこのプロダクトのスクリーンショットを何点か公開したが、動作の仕様はほとんど明らかにしなかった。ここにきてリバースエンジニアのJane Manchun Wong(ジェーン・マンチュン・ウォン)氏(Twitter投稿)がAudio Spacesの機能をもう少し詳しく探り、公表した(Twitter投稿)。

ウォン氏はツイッターアプリのプライベートベータ版を使って、Audio Spacesの動作や機能のスクリーンショットを撮った。もちろん、同氏が明らかにした機能は正式に公開される前に変更される可能性があるが、ツイッターが現時点でこのプロダクトをどう考えているかがうかがえる。

スクリーンショットを見ると、現在ツイートで利用できるのと同じような会話のコントロール機能(未訳記事)をAudio Spacesでも利用できるようだ。ユーザーはスペースを参加したい人全員に公開したり、フォローしている人のみ、あるいは招待した特定の人のみに限定したりすることができる。

ユーザーが自分のスペースに他の人を招待する方法はいくつかある。ダイレクトメッセージやツイートの投稿の他、リンクをコピーしてさまざまなところで共有することもできる。

スペースに参加するときは、ノイズを防ぐためにマイクが無効になる。会話の進行に応じて、参加者は「100点」や手のひら、こぶし、Vサイン、手を振るサインなどの絵文字で反応できる。

スペースを設けた人は、発言できる人をいつでも変更可能だ。アプリ内のメニューから話者の管理、その他の設定、ルールの閲覧ができ、さらにフィードバックを共有したりスペースを報告する機能もある。

画像クレジット:Jane Manchun Wong

このメニューを見ると、Audio Spacesにチャットの文字起こしが含まれていることに目が行く。これは他のオーディオチャットルームサービスとの差別化になる機能だ。表向きはアクセシビリティのための機能だが、きちんとした礼儀正しい会話の実現にも役立つはずだ。ユーザーは自分の話した言葉が書き留められていると意識するからだ。

文字起こしは、プライベートチャットルームモデルにつきものの問題を解決することになるかもしれない。プライベートチャットでのライブの会話で節度を守るのは難しいという問題だ。たとえばClubhouseは招待制のベータ版だが、それにもかかわらず節度を欠く問題がすでにいろいろ発生している。ニューヨークタイムズの記者が受けたハラスメントに関する問題(THE VERGE記事)や、反ユダヤ主義が話し合われたこと(THE VERGE記事)などだ。

長年プラットフォームの乱用と格闘しているツイッターが、オンラインでのソーシャル活動として音声という実証されていない新しい形式を使うテストに適した場かどうか、疑問があった。

画像クレジット:Jane Manchun Wong

ツイッターがオーディオチャットルームの節度をどう守ろうとするかは明らかでなかったが、文字起こし機能は有害な発言を抑止するかもしれない。またアプリ内のレポート機能も、そうした問題をもっと直接的に解決する手段になるだろう。ユーザーが「このスペースを報告」を選択すると、自傷、暴力、性的な内容、子供の安全、個人情報、虐待行為などのカテゴリーに関して報告をすることができる。

Audio Spacesはプライベートベータなので、テスターは「フィードバックを共有」から@TwitterSpacesのアカウントにダイレクトメッセージを送ることもできる。

ウォン氏は、アプリのコードを探ったところAudio SpacesはバックエンドにPeriscopeを使っているとも指摘している。

ツイッターは以前、Audio Spacesを少人数のユーザーに対して公開すると述べていた。ツイッターのスタッフプロダクトデザイナーであるMaya Gold Patterson(マヤ・ゴールド・パターソン)氏は11月に報道関係者に対してAudio Spacesを説明した際に、テストユーザーには「女性や少数集団の背景を持つ人など、プラットフォームの乱用や悪意によって不当に影響を受けやすい人」を含むと話していた。

ツイッターの広報にコメントを求めたところ「パブリックベータ開始に向けて、Spacesについて今後詳しくお知らせする予定です」との回答を得た。

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タグ:ツイッター

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(翻訳:Kaori Koyama)

24時間経ち消えたはずのTwitterフリートを後から見ることができるバグが判明

Twitterもようやく 、ユーザーが消えるコンテンツの投稿を試せるソーシャルメディアとなった。TwitterがFleets(フリート)と呼ぶその機能は、モバイルユーザーが写真や動画にテキストを加えて、24時間後に消える短いストーリー(未訳記事)を投稿できるようにする機能だ。

しかし、あるバグによってフリートが適切に削除されず、24時間の期限が切れたあとでも、ずっとアクセス可能になっていた。このバグの詳細は、機能提供開始から1週間も経たない米国時間11月21日に、一連のツイートとして投稿された。

このバグによって、ユーザーのフリートが読まれたことも、誰によってそれが行われたのかも通知されることなく、誰でもユーザーのフリートにアクセスしダウンロードできることができる。つまり、このバグを悪用することで有効期限が切れた後に、ユーザーのフリートがアーカイブされる可能性があるのだ。

このためには開発者APIを介してTwitterのバックエンドシステムと対話するように設計されたアプリを使用する。返されるのは、サーバからのフリートのリストだ。各フリートには独自のダイレクトURLがあり、それをブラウザで開くと、画像またはビデオとしてフリートがロードされる。しかし、24時間経過した後でも、サーバーはTwitterアプリのビューからすでに消えているへのリンクを返すのだ。

Twitterに対して問い合わせを行ったところ、広報担当者は現在修正中だと回答した。「一部のフリートのメディアURLが、技術的な回避手段を通じて、24時間経過後もアクセスできてしまうバグの存在は認知しています。私たちは修正に取り組んでいて、ほどなく修正版が公開される筈です」。

Twitterは、この修正によってフリートが正しく期限切れになることを認め、それでも個別のフリートは最大30日間はサーバーから削除しないと述べた。さらにあるフリートがルール違反を犯していた場合には、そのフリートをさらに長期間保存するだろうとも語った。私たちも、期限が切れた後でも、まだ直接 URLを使ってフリートを読み込むことができることを確認した。

フリートは慎重に。

Google、Facebook、Twitterが新たな検閲法でパキスタンから撤退すると脅迫

​Facebook(フェイスブック)、Google(グーグル)、Twitter(ツイッター)といった世界的なインターネット企業は団結し、南アジアのパキスタンがデジタルコンテンツを検閲する包括的な権限を規制当局に付与したことを受けて、同国を離れると脅している。

​今週初め、パキスタンのImran Khan(イムラン・カーン)首相は、政府に害を与え、政府への脅迫や不満を引き起こす、あるいはその他の方法で同国の統治、安全保障、防衛を害するデジタルコンテンツを削除・遮断する権限を、パキスタンの通信局に与えた。

テック企業は​Asia Internet Coalition(AIC)という団体を通じて、パキスタンのインターネット企業を対象とした新法の適用範囲に「不安を感じている」と語っている。AICはフェイスブック、グーグル、ツイッターに加えて、Apple(アップル)、Amazon(アマゾン)、LinkedIn、SAP、Expedia Group、Yahoo、Airbnb、Grab、Rakuten、Booking.com、Line、Cloudflareを代表している。

もしこのメッセージに聞き覚えがあるのなら、それは初めてではないためだ。テック大手は、今年、2020年2月にカーン首相によって提出された新しい法律に対して懸念を表明している。

今年の初めにパキスタン政府がこの提出した後、同団体は撤退すると脅しをかけていたが、その動きによって同国は後退し、市民社会やテック系企業との広範かつ広範な協議プロセスを約束した(The New York Times記事)。

AICは米国時間11月19日の声明の中でこのような協議は行われなかったとし、AICのメンバーはこの法律が施行されているパキスタンで活動できない、と繰り返している。

「厳格なデータのローカリゼーションを求めるこの法律は、人々が自由で開かれたインターネットにアクセスする能力を損ない、パキスタンのデジタル経済を世界から閉め出してしまうことになるだろう。PTAの権限が拡大し、ソーシャルメディア企業にプライバシーや表現の自由に関する確立された人権規範への侵害を強制できるようになるのを見るとぞっとする」とAICは声明で述べている。

​また、AICは「この規則は、AICのメンバーがパキスタンのユーザーや企業にサービスを提供することを極めて困難にするだろう。パキスタンが技術投資の魅力的な投資先になりたいと考え、デジタルトランスフォーメーションという目標を実現したいのであれば、私たちは政府に対して、インターネットの利点を保護し、人々を危険から守る、実用的で明確なルールについて産業界と協力するよう強く求める」と述べている。

​この新たな法律の下では、パキスタン当局からの通知から24時間以内に違法コンテンツをプラットフォームから削除またはブロックしなかったテック企業に対して、最高314万ドル(約3億3000万円)の罰金が科せられる。​また、隣国のインドも同様の規制を提出しているが、ほとんど、あるいはまったく反発を受けていない。パキスタンは現在、これらの企業に同国内にオフィスを構えるよう求めている。

​パキスタンはここ数カ月の間、インターネット上の不適切なコンテンツを取り締まっている。2020年初めには​人気モバイルゲーム「PUBG Mobile」を禁止し、10月には一時的にTikTokをブロックした

​パキスタンやインドのような国は、テック企業の利益にほとんど貢献していない。​しかし、近年いくつかの保護主義的な法律を提出してきたインドは、その規模の大きさのために、世界のテック企業からの大きな反発をほぼ受けていない。現在、​パキスタンには約7500万人のインターネットユーザーがいる。

対照的に、インドはグーグルとフェイスブックユーザーにとって最大のマーケットだ。​「シリコンバレーの企業がインドに来るのは。MAU(月間アクティブユーザー数)ファームだからだ」と、ベテラン起業家のKunal Shah(クナル・シャー)氏は2018年のカンファレンスで語っている。

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画像クレジット:AAMIR QURESHI / AFP / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

トランプ氏は大統領でなくなるとTwitterの保護特権を失う

Twitter(ツイッター)は、Donald Trump(ドナルド・トランプ)氏が一般ユーザーと同じルールで縛られていないことをさまざまな場面で認めてきた。この大統領特権によってトランプ氏は、通常の人であれば、はるか昔にプラットフォームから追放されていたであろうコメントを投稿し続けることが許されてきた。

最近になって同サービスは、誤情報、偽情報のテキストの下あるいはテキストを隠すように警告ラベルを付加することで調整を図ろうとしている。米国時間11月3日の投票日に備え、ツイッターはこうしたラベルを猛烈な速さで付けていた。ラベル貼りのペースはその後いくらか減速したが、トランプ氏の書き込みが選挙結果を巡る虚偽あるいは誤解を招く主張の一斉射撃に転じたことで、監視チームは引き続き同氏の数多くのツイートにラベル付けを行っている。

11月17日の議会公聴会で、ツイッターの責任者であるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は、トランプ氏が「ホワイトハウスを離れたら」保護対象でなくなることを繰り返し述べた。「もし1つのアカウントが突然世界のリーダーのものでなくなったら、あの特別なポリシーは消滅します」とドーシー氏は述べている。

これが正確に意味するところはもちろんまだ不明であり、共和党指導者らによると、少なくともトランプ氏の民間人生活への移行タイミングは確実には決まっていないという。それでも、少なくとも一度、ツイッターが彼のアカウントを現在同様の公開記録として考えなくなれば、トランプ氏がアカウント停止あるいは追放の対象になる可能性は高い。

ソーシャルメディアによる選挙関連投稿の削除

ツイッターはトランプ氏の大統領離任後のアカウントについて、数週間前に次の声明を本誌に伝えている。「当社のサービスの重要な使命は、人々が指導者たちに対して正々堂々と反論し、彼らの責任を追及できる場を提供することです。これを踏まえると、当社のルールに違反するであろう一部のツイートであっても、それを目にする機会を提供することが公共の利益になる場合があります」。

現職の世界的リーダーであっても追放されたり、ツイートを削除されたりした例外は、明らかに度を越したものであり、以下に例を示す。

  • テロの助長
  • 個人に対する明確で直接的な脅迫あるいは暴力(ただし状況による。著名人同士の直接のやりとり、あるいは政治および外交政策問題に関する解説は強制措置の対象にならない可能性が高い)
  • 個人情報の投稿、例えば自宅住所や非公開の電話番号など
  • 本人の許可なく作成または配布された個人的な写真またはビデオを投稿すること
  • 児童の性的虐待に関わる行動
  • 自傷行為を推奨あるいは助長すること

ドーシー氏による公聴会での指摘によれば、トランプ氏は(理論的には)大統領を退任した時一連の保護を失うことになる。

関連記事:TwitterとFacebookのSNSに対する考え方の違いが最新テック公聴会で鮮明に

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画像クレジット:Alex Wong / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

TwitterとFacebookのSNSに対する考え方の違いが最新テック公聴会で鮮明に

先日のテック企業公聴会は、絵に描いたような対比の構図だった。公聴会の間、建前上はソーシャルメディアと2020年の選挙に関する話題(未訳記事)から逸れないよう努めていた議員たちと、思いついたことをただ話す人たちとの対比だ。

また、過去と現在との対比もあった。ソーシャルメディア企業はこれまで、米国通信品位法230条の改正の試みを、放射性物質であるかのように嫌ってきた。ところがいまは協力する側に回り、会話から無視されることがなくなった。

だがとりわけ目立ったのは、バーチャル証言台に立った2人の人物の対比だった。論点のすり替えが得意なFacebook(フェイスブック)の最高責任者は、そのサービスについては過剰に、しかし内容は乏しく語るという戦法に終始した。口数少ないTwitter(ツイッター)のビジネス仙人は、魔法使いのような顎髭もさることながら、この事態に対応する準備を整えていたように見えた。

米国時間11月17日、米国上院司法委員会議長のLindsey Graham(リンゼイ・グラハム)上院議員は、事前に示していた公聴会の目的は、並べ立てられた不満の数々を反映するものではないことを示唆し、そうした意向を早々に破棄して、両CEOにそれぞれのプラットフォームの常習性を示すものを見たことがあるかと尋ねた。

Zuckerberg(ザッカーバーグ)氏は、あの特徴的な自己弁護の構えで、その分野での調査は「決定的」なものではないと答えた。

「私たちの製品が常習性を持つことを、私たちは決して望んでいません」とザッカーバーグ氏は、行動科学者(The Guardian記事)、フェイスブックからの離反者(The Guardian記事)、同社製品に関する常識的な見解(Vice記事)に反して述べた。そして「人々には、そこに意義を感じて使って欲しい」と付け加え、それがフェイスブックの手口だと訴える「世間の誹謗ネタや誤情報」を非難した。この応答は、タバコ産業大手企業の公聴会で用いられたシナリオに沿ってビッグテックも対応しているという、一部の議員の主張に見事にはまっている。

同じ質問に対して、Dorsey(ドーシー)氏はそれほど不誠実ではなかった。「すべてにいえることですが、こうしたツールは常習性をもたらす可能性があり、私たちはそこに気づき、認識すべきだと強く感じます」とドーシー氏は答えた。彼の供述は、ソーシャルメディアが現代人の行動習慣をどこまで変化させたかについて言及を避けるものともとれるが、結果として、ツイッターのプラットフォームとしての健全性とユーザーの中毒に冒された脳にとっては、よい傾向だ。

ABC News Live
リンゼイ・グラハム上院議員「あなたのプラットフォームに常習性があることを示す証拠はありますか?」
ザッカーバーグ氏「ほとんどの調査で、大半の人々はこれらのサービスに常習性を感じていないことが示されています」
ドーシー氏「これらのツールが常習性をもたらす可能性があると強く感じます」

2人のCEOは、それぞれのアルゴリズムに関する質問でも、はっきりと態度が分かれた。

Amy Klobuchar(エイミー・クロブシャー)上院議員が、ソーシャルプラットフォームは、ユーザーが何を見ているかを判別する各社のアルゴリズム関連事項の透明性を高めるべきかと尋ねると、ドーシー氏は、ユーザーが管理するかたちで透明性を高めるべきだと提案した。「望ましい対策は、アルゴリズムをオフにできる、あるいは別のアルゴリズムを選べるといった選択肢を増やすことで、人々が自身の体験へのアルゴリズムの影響を確認できるようにすることだと思います」とドーシー氏は述べた。

ドーシー氏はさらに、ユーザーがランキングのアルゴリズムを自分の必要性に応じて選べるサードパーティーの「マーケットプレイス」のようなものを通じて、そうしたツイッターのオプションを拡大できると示唆した。

一方、ザッカーバーグ氏は、そのような考え方を汚い物であるかのごとくに遠ざけ、代わりに現在のフェイスブックがサードパーティーに依頼しているファクトチェックプログラム(フェイスブックが提示するファクトチェックは非常に控えめであることは別として)と、同社が削除した規約違反コンテンツの総数を記したコミュニティー標準報告書を自賛した。フェイスブックのアルゴリズムはブラックボックスであり、その中に閉じ込められたユーザーは、どうすることもできない(当然のことながら、このブラックボックスが広告収入を生み出す)。

それとは対照的に、ツイッターはオープン化を約束している。完全なかたちではないが、少なくとも新鮮だ。同社はそのプラットフォームのポリシーに関する決定を、ある意味、生きたドキュメントとして扱っている。間違いを認め、常に学び修正することを重視しつつ、注目度の高い決定については、ほぼリアルタイムでツイートして更新を伝えている。

ツイッターの実験的アプローチの一例を示そう。同社は、米国の選挙当日まで、ワンクリックでのリツイートを全面的に停止していた。ユーザーが反射的に行動しないよう願い、選挙に関連する誤情報の拡散を鈍化させるのが狙いだ。この変更は、ツイッターがそのプラットフォームの摩擦力を高めようと行ってきた新しい実験の一環でもある。ツイッターではさらに、特に性質の悪い誤情報やツイート(一部はトランプ大統領から発せられている)を隠したり、シェアの制限も行っている。フェイスブックは「ラベル(未訳記事)」に固執している。現状では、それが内容を審査していることを示す必要最低限のポーズだ。

ドーシー氏の企業は、いまだに嫌がらせや、思考停止を招く陰謀論や、いまでは死に体となった大統領による米国民主主義の破壊を目論む活動などの横行に悩んでいる。しかし少なくともツイッターは、改善を望む気持ちからプラットフォームの方向性を正す可能性を含む変化に対して、オープンであるように感じられる。

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画像クレジット:Photo By Bill Clark-Pool/Getty Images / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

Twitter版ストーリーズ機能の「フリート」が高負荷に苦戦

Twitter(ツイッター)の新しいストーリーズ機能、「Fleets(フリート)」は重い負荷に苦しんでいるようだ。米国時間11月17日に全世界のツイッターユーザーに公開(未訳記事)されたFleetsは、ツイッターアプリのトップに表示され、ユーザーは24時間で消滅する短命コンテンツを投稿できるとともに、他のユーザーのFleetsも読むことができる。しかし、ユーザー需要と新機能への好奇心が新機能の性能に影響を与えているらしい。多くのツイッターユーザーがFleetsの反応の悪さを訴えている。ユーザー中にはツイッターアプリがクラッシュすると報告している(Twitter投稿)人もいる。

ツイッターはTechCrunchに、一部のユーザーに影響を与えている問題が起きていることを認め、現在修正中であることを伝えた。

もしあなたが影響を受けている1人なら、Fleetsでタップやスワイプしたとき、画面が一時的にフリーズしたり著しく遅くなったりする。一見スマホの問題かと思うかもしれないが、ツイッターアプリだけだ。

すでに多くのユーザーが自分たちの体験している問題についてツイッターに苦情を伝えている。新たにFleets機能の入ったアップデートをしたところ、アプリを使えなくなったと指摘する声が多い。

画像クレジット:Twitterのスクリーンショット

画像クレジット:Twitterのスクリーンショット

Fleetsのユーザー需要によってツイッターが困っているという事実は、おそらく成功の初期兆候だろう。もしユーザーがツイッター版ストーリーズに関心を示さなければ、Fleetsを試すためにアプリをアップデートしようとも思わなかっただろう。あるいは、タイムラインのトップに並んだストーリーズを無視して、いつもどおりにアプリを使うだろう。

しかしFleetsはクラッシュしているだけでなく、本稿執筆時点でツイッターのトレンドワード1位であり、ストーリーズフォーマットの元祖であるSnapchat(スナップチャット)は2位だ。ユーザーはツイッターとSnapchatのストーリーズをツイートで比較している。そしてもちろん、ツイッターが編集ボタンの代わりにこのストーリーズ機能を作ったことに不満を訴えている。

ちなみに、「Stories(ストーリーズ)」という単語自身もトレンドワードの4位に入っていて、「App Store」は18位だ。後者はユーザーが他のユーザーに向けて、Fleets機能を使うためにツイッターのアップデートをApp Storeでダウンロードするように、と教えるツイートで使われている。

Fail Whale(ツイッターのクジラ)がダウンしたツイッター画面を占有していた日々からずいぶん時間が過ぎた。ここ数年、ツイッターは驚くほど安定したサービスになった。同プラットフォーム上で配信されるリアルタイムコンテンツの数や、世界のリーダーたちが利用していることを踏まえるとなおさらだ。しかしFleetsによって、ツイッターは再び苦闘しているようであり、新機能の影響がいつまで続くのかもはっきりしていない。

ツイッターは一部のユーザーがFleetsで問題が起きていることも、いつサービスが安定する見込みなのかも、まだ公開の場で表明していない。

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マーク・ザッカーバーグ氏とジャック・ドーシー氏が再び米国議会に召喚、今回は選挙について

迫りくる召喚の脅威屈した後、テック界最大級の巨人2人が再び議会で厳しい追及を受ける。

米国時間11月16日、上院司法委員会はTwitter(ツイッター)のJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏とFacebook(フェイスブック)のMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏を召喚し、再び数時間にわたるであろうさまざまな苦情の放映を主催する。このラウンドでは、共和党議員らが公聴会を開き、「検閲、抑圧、および2020年選挙」についてテック界の大物2人に圧をかける。公聴会は選挙前に予定されていたもので、両プラットフォームが、次期大統領となったJoe Biden(ジョー・バイデン)氏と息子のHunter Biden(ハンター・バイデン)氏を巡るウクライナ疑惑を示唆すると称するリーク情報を掲載したNew York Postのあやしげな記事(未訳記事)の配信を制限する決定を下したことがきっかけだったと思われる。

もし前回の公聴会が何かの兆候であるなら、そしておそらくそうなるだろう。17日のテック vs 議会の対決は、議題に関する2大テックプラットフォームCEOのためというよりも、議員らのさまざまなお気に入りの議題に対する超党派の独り言によって強調された反保守的バイアスに対する、共和党員らによる現在進行中の不満に関する広範囲な苦情処理の場になりそうだ。2020年10月に上院商業委員会で開かれた公聴会は通信品位法230条改訂に関するものであることが明確に示されていたが、差し迫った政策問題はほとんど議題に上がらなかった(未訳記事)。

17日は選挙後初めてのソーシャルメディア経営者が議会登場となることから、対立する政治情勢の戦いも期待できる。一方は、テクノロジーやメディアによる不当な非難を受けながら、いまだになんとか大統領候補でいるトランプ大統領。もう1つ(こちらが本物)は、選挙で圧勝したがその勝利はいまも ソーシャルメディアの誤情報にまみれている(未訳記事)次期大統領ジョー・バイデン氏。後者のシナリオは、ツイッターとフェイスブックが、迫りくる選挙後の陰謀論を統制するために編み出したさまざまな特別ツールや規則の存在にも関わらず演じられてきた。

上院司法委員会は、トランプ批判者転じて大統領に選挙の敗北を認めないよう強く勧めている共和党のLindsey Graham(リンゼー・グラハム)上院議員が率いている。裏切って選挙結果の現実を認識した共和党Ben Sasse(ベン・サス)上院議員も、ザッカーバーグ氏とドーシー氏に質問する機会を得ている。委員会の民主党議員には、上院議員のCory Booker(コリー・ブッカー)氏、Amy Klobuchar(エイミー・クロブシャー)氏、そして今や次期副大統領のKamala Harris(カマラ・ハリス)氏ら、2020年指名候補者がずらりと顔を並べているが、政権移行手続きの最中で出席する可能性は低い。

17日の進行をその目で確かめたい人は、委員会の専用ページまたはC-SPANで11月17日太平洋標準時午前7時(11月18日午前0時)から、公聴会をライブで見られる。そうでない人は(見ることをおすすめもしないが)、終了後にTechCrunchでレポートをまとめる予定だ。しかし、最後に1つ疑問が残る。YouTube(ユーチューブ)のCEOであるSusan Wojcicki(スーザン・ウォジスキ)はどうやって巻き込まれずにすんでいるのだろうか?

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