ミクシィがエンタメ業界のDX推進ファンド設立、1号ファンドは最大30億円予定

ミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合

ミクシィは8月7日、投資活動を通じ、エンターテインメント業界におけるDXを推進するファンド「ミクシィエンターテインメントファンド1号投資事業有限責任組合」を2020年10月に設立することを取締役会において決議したと発表した。

同ファンドは、ライブエンターテインメント分野でDXを進めるスタートアップ企業などが対象で、ファンドサイズは最大30億円を予定。また今後、同分野に対して1号ファンドを含め最大100億円規模の投資を予定している。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により、スポーツ・音楽・演劇などのライブエンターテインメント分野は深刻な打撃を受けており、現在もコロナ禍前と同じように開催することは困難な状況にある。こうした中で、無観客ライブを実施しネットでの有料配信により収益化を図るなど、テクノロジーを活用した新しい取り組みも行われており、今後さらに、DXによる新たな体験価値の提供が期待されているとしている。

同社は、「エンタメ×テクノロジーの力で、世界のコミュニケーションを豊かに」を中期経営方針に掲げ、エンターテインメント領域での事業成長に注力。この方針の下、同ファンドは投資活動を通じて様々なライブエンターテインメント分野のDXを推進し、投資先との協業などによる同分野での新事業創出を目指す。

同ファンドを通じて、これまでリアルの場でしか楽しめなかったエンターテインメントにテクノロジーの力をかけ合わせ、離れた場所でも楽しめる新たな形を創り出すことで、多くの方に豊かなコミュニケーションを届けるとしている。

また同ファンドの設立に合わせ、ミクシィはエンターテインメント業界のイノベーションを加速させるスタートアップ・スタジオ「Studio ENTRE」に資本参加する。Studio ENTREの支援を受けて新事業を生み出すスタートアップ企業に対しても、同ファンドから投資を行うとともに、ミクシィと投資先スタートアップ企業との協業などによる新事業創出を加速し、さらなる企業価値向上を図る。

Studio ENTREは広義のエンターテインメントビジネスをテクノロジーと掛け合わせて、新規事業を生みだすことをテーマにしたスタートアップ・スタジオ。

音楽、映像、出版、ファッションといった様々なエンタメ領域でのビジネスアイデアを持つイノベーターとともに、事業計画の策定、資金・人材の調達といった新規ビジネスの立ち上げを行う。Studio ENTREは、業界団体とともに音楽業界のDX化を促進するための人材育成セミナーを企画運営する予定。

Studio ENTRE

黒人起業家向けファンド「Black Founders Matter」が初めての投資を実行

「黒人起業家はシリコンバレーで起業するチャンスすら得る前に排除されることがあまりにも多い」とベンチャーキャピタルのBlack Founders Matter(ブラック・ファウンダーズ・マター)を設立したMarceau Michael(マルソー・マイケル)氏はTechCrunchに語った。

「社会正義のための運動をまったく別の角度から見つめることは重要」だと同氏。「黒人が警察に殺されてはならないことも重要だが、それは最低線にすぎない。黒人は今も経済的機会から排除されている」。

だからこそマイケル氏は、黒人起業家に投資するために1000万ドル(約10億6000万円)のファンドを設立するという自分の使命を諦めたことがない。私が同氏と初めて話したのは2018年に彼がこのファンドを発表(未訳記事)したときだった。それ以来同氏はポートランドのVC会社で働いて業界の仕組みを学んだ。ファンドを立ち上げる代わりに黒人起業家向けのインキュベーターを作るというアイデアもあった。しかし彼は「テック業界にはもっと多くの意思決定者が必要だ」という結論に達した。Black Founders Matterは、これまでに約100万ドル(約1億600万円)の資金を集めた。

「今はこのファンドの資金集めに苦労していない」と彼は言う。「はっきり目に見える形になりコントロールできている。話をした投資家たちが、黒人や多様化問題を解決しようとする人たちに投資する私たちの仕事の重要性を理解することで、この社会がよくなっていく」。

しかし「目標を達成できるといつも思えたわけではない」と同氏。今、実現できそうだと感じられるのは、社会で人種差別への注目が高まり、会話が増えたことによるものだ。

「今や全米で話し合われ、人々の心の中にある問題なので、資金は早く集まり、話をした投資家はわれわれのやろうとしていることを理解してくれる」と彼は言う。「素晴らしい仕事をして、利益を生む」
この2つは相反するものではない。我々がBlack Founders Matterを慈善事業だと思っていた投資家は断らなくてはならなかった」。

先月、Black Founders Matterは、Jelani Memory(ジェラニ・メモリー)氏が設立したA Kids Book Aboutという会社に初めての投資を行った。「黒人の命の大切さだけでなく、この国における黒人の生活の質にも注目が集まる今、重要なのはコミュニティーが問題を解決するための手段を提供することだ」とマイケル氏は言う。

それこそが同ファンド初の投資がやったことだ。「A Kids Book Aboutは同社初の人種差別に関する本を10月に出版し、あらゆるコミュニティーの問題解決を支援した」と彼は説明してくれた。Black Founders Matterが投資したのはわずか4万ドル(約422万円)だったが、実はこの数字はラウンドに残された出資枠を表している。マイケル氏によると、メモリーy氏はBlack Founders Matterが出資する余地を作るためにほかの出資者を断ったという。この投資のほかにも、いくつかの会社がファンドのレーダーにかかっているが、まずは投資するためのファンドを集めることが重要だ。

「このベンチャー資金を調達し、この分野で働いた経験のすべてが、忍耐強く、機が熟すまで無理をしないことの訓練だった」とマイケル氏は語る。「そして今は間違いなくその時であり、水門は開けられた。そして我々は誠実かつ公正にこれを実行できる。もはや私は、人々を説得しなければならない立場にいない。我々は厳然たる自信を持って会話できるようになり、絶望の縁から訴える必要はない。我々には選択権があり、これは黒人による起業の未来にとって非常に好ましい兆候である。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

シード期起業家・起業を目指すU25向けのアクセラレータープログラム「Re:Vive」が第1期募集を開始

Re:Vive

Next Edgeは8月6日、シード期の起業家・起業を目指すU25向けのアクセラレータープログラム「Re:Vive」の第1期募集を開始した。募集期間は8月26日までで、採択企業には4ヵ月間のプログラムを提供する。また第1弾連携大学として、立命館RIMIX(立命館大学)の連携が決定済み。

Re:Viveは、関西でスタートアップ的なアイデアで起業を目指す個人、関西のシードスタートアップ起業家向けの産学連携型アクセラレータープログラム。応募条件は、創業前〜設立後1年以内のスタートアップ企業・個人(法人格は問わない)。募集期間は8月26日までで、採択企業には4ヵ月間のプログラムを提供する。

  • プログラム実施期間: 2020年9月〜12月
  • 募集期間: 2020年8月6日〜8月26日
  • 応募条件: 創業前〜設立後1年以内のスタートアップ企業・個人(法人格は問わない)。社会課題に興味を持つU25。スタートアップ的なアイデアを推奨
  • 募集人数(企業数): 20名(社)
  • 応募対象地域: 関西
  • 参加費: 無料
  • 応募方法: Re:Vive応募フォームより応募

応募企業・個人の中から採択した参加者に対しては、パートナー企業・キャピタリスト・起業家コミュニティなどによる定期メンタリング、パートナー企業などによるマーケティング・組織づくり・ファイナンスなどをテーマに参加者限定の毎週講座、進捗報告会や協業マッチングなど各種サポートを提供する。

Re:Viveのパートナー、スポンサー企業との協業やテストマーケティング実施に向けたサポートも実施。事業立ち上げ期にありがちな致命的なミスを犯さないよう、資金調達における事業計画作りやオフィスの選定、シェアオフィスの入居サポート、士業とのマッチングなども行う。

さらに、関西圏の各大学より、活動場所の提供、投融資、人材マッチングなどのバックアップを受け、起業家のさらなる事業推進をハード・ソフト両面でサポートするという。

関西圏の大学・行政で各々実施しているプログラムを一部共催し、コンテンツを共有することで、各プログラムのリソースをより集中させ、効果を最大化していく。従来、個別に行なっていたプログラムや投資検討を一部共通化することで、まずは東京に匹敵する関西のスタートアップ文化の醸成を目指すとしている。

また採択された参加者は、最終イベント「Re:Vive Pitch」では様々なステージで活躍中の起業家、投資家、金融機関を審査員として迎え、事業アイデアのピッチを実施。VCからの投資機会、借り入れにより資金を調達するデット・ファイナンス調達も視野に入れ金融機関目線でのフィードバックも行われるという。

さらに、初期の活動における固定費の削減と、事業推進をサポートするため、プログラム期間中、コワーキングスペースも無償提供される。

名門VCのSequoia CapitalにRevolutの元製品担当者が入社、欧州拠点の2人目のパートナーに

George Robson

シリコンバレーのベンチャーキャピタル(VC)であるSequoia Capital(セコイアキャピタル)は、同じくVCのAccelのロンドンオフィスからLuciana Lixandru(ルシアナ・リキサンドル)氏を採用した後、最近ヨーロッパに拠点を構えた。そして2人目のヨーロッパのパートナーとして、金融スタートアップのRevolutでプロダクトリーダーを務めるGeorge Robson(ジョージ・ロブソン)氏を採用した。同氏のTwitter投稿で判明した。

ロブソン氏は、英国の学生が運営するアクセラレータープログラム「Kickstart London」の共同設立者であり、Morgan Stanley(モルガン・スタンレー)でアナリストとして働いていた経験もある人物だ。先週Twitterで急成長中のSequoia Capitalの欧州事業に参加したことを発表した。

同氏はツイートで「Revolutで世界初の真のグローバル金融スーパーアプリを構築した聡明な頭脳の持ち主たちと3年ほど働いた後、次の行動に移す時が来ました。8月下旬にヨーロッパのパートナーとしてSequoiaに入社することになり、とてもワクワクしています。2つ目のツイートでは、「ヨーロッパにはこれまで以上に多くの機会とイノベーションがある」と続けた。

同氏はRevolutで、ネオバンクの有料銀行口座であるRevolut Premiumのプロダクトオーナーを務めていた。LinkedInには、Revolutのサブスクリプション製品チームに最初に採用された人物と記載されており、製品、エンジニアリング、プロダクトマーケティング、戦略的パートナーシップになど複数の業務を統括していたようだ。そのほか、「Revolut Metal」の立ち上げを含むRevolutのリテールプランや、コンシェルジュ、スマートトラベル、保険、ギフト機能を含む複数のサードパーティとの統合を含むロードマップの作成にも参画した。

ロブソン氏は8月24日に正式にSequoia Capitalに入社し、アーリーおよびグロースステージの企業への投資を担当する。同氏はロンドンに拠点を置き、欧米のVCチームと緊密に連携して業務を進めていく。

繰り返しになるが、ロブソン氏はSequoia Capitalの欧州初のパートナー採用を経て同社に加わった。一方のリキサンドル氏は、Accelから引き抜かれた人物で、UiPathのシリーズAラウンドをリードしたことでよく知られているほか、Deliveroo、Miro、Tessianなどヨーロッパで成功を収めているスタートアップとともに働いている人物だ。

画像クレジット:YouTube

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(翻訳:TechCrunch Japan)

VC、セレブ、アスリートがLAに女子サッカーチームを設立する構想を発表

数年前、Upfront Ventures(アップフロント・ベンチャーズ)のパートナーKara Nortman(カーラ・ノートマン)氏はNatalie Portman(ナタリー・ポートマン)氏と会い、彼女らの非営利団体 All Raise(オールレイズ)とTime’s Up(タイムズアップ)が協力してなにかできることはないかを話し合ったことがあった。この時ノートマン氏は、後に彼女らがスポーツフランチャイズにおけるパートナーになるとは思ってもみなかった。

現在この2人の女性はAngel City(エンジェル・シティー)の共同創設者として、ベンチャーキャピタル、スポーツ、有名人投資家を率い、Angel Cityの共同創設者でプレジデントのJulie Uhrman(ジュリー・アーマン)氏とともに、2022年春までにNational Women’s Soccer League (ナショナル・ウィメンズ・サッカーリーグ)のチームをロサンゼルス市に設立しようとしている。

これを支援しているのがRedditの共同創設者Alexis Ohanian(アレクシス・オハニアン)氏、彼の妻でテニス界のスーパースター、Serena Williams(セリーナ・ウィリアムズ)氏(および彼らの娘Alexis Olympia Ohanian Jr.(アレクシス・オリンピア・オハニアン・ジュニア)ちゃん)、俳優のUzo Aduba(ウゾ・アドゥバ)氏、America Ferrera(アメリカ・フェレーラ)氏、Jennifer Garner(ジェニファー・ガーナー)氏、Eva Longoria(エヴァ・ロンゴリア)氏、Lily Singh(リリー・シン)氏、および女子サッカー米国元代表のJulie Foudy(ジュリー・ファウディ)氏、Mia Hamm(ミア・ハム)氏、Rachel Buehler(レイチェル・ビューラー)氏、Shannon Boxx(シャノン・ボックス)氏、Amanda Cromwell(アマンダ・クロムウェル)氏、Abby Wambach(アビー・ワンバック)氏、 Lauren Cheney Holiday(ローレン・チェイニー・ホリデイ)氏、そしてソーシャルメディアスタントマンのCasey Neistat(ケーシー・ナイスタット)氏を含む多数の投資家である。

米国では未だにコロナが猛威を振るっている。そのような状況で新しいスポーツリーグを立ち上げるのは良いアイディアに見えないかもしれないが、ノートマン氏は投資を行い、ロサンゼルス市にチームを発足させるという決断はシンプルなものだったと述べた。

「私たちはベンチャーキャピタリストです。私たちは楽観主義者なのです。」とノートマン氏は述べた。

ノートマン氏にとって、Angel Cityのストーリーは生涯を貫くスポーツへの熱意から始まった。ロサンゼルス市に住む熱狂的なスポーツファン一家の中で成長したノートマン氏は、あらゆる地元チームのファンであった。ドジャース、キングス、レイカーズが常にテレビに映っていて、また一家は1999年の女子ワールドカップの試合をローズボールで観戦したこともあった。しかし2015年に女子ワールドカップの試合を見に家族をバンクーバーへ連れて行った時には、ノーマン氏のサッカーへの個人的な思い入れは、サッカーとサッカーの女子選手にもっと注目を集めるにはどうすればよいかという、より一般的な探求に変わっていた。

「その時、そう!私のお金をあなたたちのために使ってもらえないかしら?と思ったの」とノートマン氏は言う。ノートマン氏によると、4年前、大成功を収めた女子代表チームの選手たちはプロのサッカー選手として生計を立てるのに苦労していたらしい。

Image Credits: Angel City

女子代表チームが始めた給与格差の是正を求める戦いは今でも継続中(そして今年はじめに苦境を迎えた)であるが、ノートマン氏とポートマン氏は彼女らへの支援でリーグに新しい動きをもたらすことができるのではないかと考えた。

Time’s UpとAll Raiseによる話し合いの後、2人はサッカーで絆を深めることとなった。「ナタリーは『私の友達をたくさん試合に連れて行くのはどうかしら?私たちも、ジャック・ニコルソンがレイカーズやショウタイムのためにしたようなことを彼女たちのためにできるかもしれないわね』と言ったんです」とノーマン氏。

そこでこの2人の女性は自分の知り合いをサッカーの試合に連れて行くようになり、女子サッカーリーグおよびサッカー全般に勢いをもたらし支持を集め始めた。

ノートマン氏によると、この時に話したことや2019年の女子ワールドカップに先立って開催された代表チームの親善試合を観戦しに行ったことが、後にエクスパンションチームをロサンゼルス市に発足させる話につながっていったという。

「その頃になると、ナタリーは私に『チームを見つけましょうよ』と言うようになりました」とノートマン氏は述べた。そして2人の女性はそれを実行に移した。フランチャイズの買い付けについてリーグと話し合いを行い、投資家グループをまとめ始めたのだ。

「ブランドを構築し、全米で最もサッカーの観戦者が多い町に、世界で最も優秀な選手からなるチームをぜひ発足させたいと思っています。私たちは女性主導のグループを作ることに成功しましたが、同じ方式でこれを実行することができると思います」

ロサンゼルス市にフランチャイズをもたらす契約の金額等の条件は明らかにされていないが、数千万ドルに上ると見られる。それでも、一部の見積もりによると5億ドル(約536億円)以上の価値があるとされるロサンゼルスフットボールクラブのような男子チームの現在の評価額に比べると小さなものだ。

ノートマン氏にとってAngel Cityのようなフランチャイズを運営するのはフルタイムの仕事であったが、彼女はすでにフルタイムの仕事を持っていた。そこで、彼女はグループの統括者を探すべく自らの仕事上のコネクションを利用し、ジュリー・アーマン氏を見出したのだ。

ノートマン氏と同様、ロサンゼルス市で生まれ育ったアーマン氏は、Kleiner Perkins(クレイナ-・パーキンズ)の支援を受けたゲームコンソール会社Ouya(ウーヤー)を立ち上げ、その後Lion’s Gate Entertainment(ライオンズゲートエンターテイメント)およびPlayboy Enterprises(プレイボーイエンターテイメント)でメディア関連の役職に就いていた。ノートマン氏は、ロサンゼルス市の女性投資家、起業家、およびその友人たちがバスケットボールの試合に気軽に参加できるような環境の立ち上げを支援したが、これにアーマン氏が加わっていた、というのも彼女のキャリアと同様に重要なポイントである。

何回か試合を楽しんだ後、ノートマン氏はアーマン氏にAngel Cityの取り組みを主導する役員会に加わってもらうことにし、3人の女性が協力しながらAngel Cityの立ち上げを推進した。

三人の創設者たちそれぞれにとって、現状の改革と地域社会への関与は、ロサンゼルス市で新しいスポーツビジネスを立ち上げるのと同様に重要な意味を持つ。

そこで同グループは、十分なサービスが行き届いていないコミュニティにスポーツ面から支援を行っているLA84 Foundation(LA84財団)と手を組んだ。この非営利団体はAngel Cityのパートナーでもある。

LA84 Foundationのプレジデント兼CEOのRenata Simril(レナタ・シムリル)氏は「2014年に、私たちは Play Equity Fund(プレイ・エクイティ・ファンド)を立ち上げました。これは社会における公正さの問題としてスポーツにおける公平性に焦点をあてた唯一の非営利団体でした」と言う。 「Play Equity Fundは、十分なサービスが行き届いていないコミュニティの人々がスポーツに親しむ機会を広げる取り組みを行っています。こうしたコミュニティには、有色人種、少女、身体的な問題や発達障を持つ人々のコミュニティが含まれます。この素晴らしい女性グループが新しい事業を立ち上げるにあたり、協力関係を持てるのはこれ以上ないほどワクワクすることです。彼女たちは最も支援を必要とする人々のためにプラスの影響を与えようと取り組んでいるのです」

消費者行動の長期的傾向とスポーツ観戦への関心の全体的な低下を考えれば、スポーツフランチャイズを所有することに対する熱意は興味深いものがある。ここ数年、米国における主要スポーツへの関心は衰えて行っている。人口構成が変化し、多くの人々がトーナメントよりもTwitchのストリーミングを見るようになるに連れ、NBAファイナルズ、ワールドシリーズ、スーパーボール、インディ500などのスポーツイベントの観戦者数が低下しているのだ。

ノートマン氏とオバニアン氏は現代テクノロジーに精通する知り合い達を起用し、こうした傾向に歯止めをかけることができると考えている。

「私たちは、現実のスポーツ対eスポーツという2つの対立した図式で考えがちです。[しかし] 私たちはこれをブランドとして考えているのです。例えば、マンチェスターユナイテッドとそのブランドについて考えれば、それがスポーツ以上のものを意味することをおわかりいただけると思います…私たちはサッカーと実際のサッカーの試合を私たちのブランドの1つの表現と考えてはいますが、それが最も重要なことにはならないかもしれません」とノートマン氏は述べた。

しかし、まずなにもよりも重要なのはロサンゼルスコミュニティであり、フランチャイズとその幅広い使命をロサンゼルス市の人々に受け入れてもらうことである。

「今日私たちは、初となる、女性が大多数を占める、女性主導のオーナーシップグループを発表しました。これは素晴らしいことです。プロの女子サッカーチームをロサンゼルス市に発足させるために、この素晴らしい人々からなるグループと協力する機会に恵まれ、本当に興奮しています。私たちは一丸となり、試合に勝てるチームを作ると同時にチームを心から応援してくれる熱心なファン層を作ることを目指しています」とポートマン氏は述べた。「また、私たちはLA84 Foundationとの関係を通じ、ロサンゼルス市の若い人たちがより一層スポーツに親しめるよう取り組み、コミュニティに実質的な影響を与えることができればと考えています。スポーツは楽しみならがら人々に連帯感をもたらすことのできる素晴らしい方法です。またこの取り組みは、私たちのコミュニティおよびプロスポーツの両面で女性アスリートに具体的な変化をもたらす力を持っているのです」。

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カテゴリー:VC / エンジェル

タグ:スポーツ

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(翻訳:Dragonfly)

人気ポッドキャストTwenty Minute VCのホスト、ハリー・ステビングス氏が、番組の人気に乗じてマイクロVCを設立

ポッドキャストが大きなビジネスなりつつある。他の多くのメディアがあのとらえどころの無い尺度であるエンゲージメントの獲得に苦戦している中、ポッドキャストはうまくオーディエンスを惹きつけ維持できるのがその理由の1つだ。今、世界中のスタートアップ投資家たちに人気のシリーズを創ったあるポッドキャストホストが、その勢いを活かして自身でも投資ファンドを設立しようとしている。ロンドンを拠点とするクリエーターでThe Twenty Minute VCのホストであるHarry Stebbings(ハリー・ステビングス)氏は830万ドル(約8億8632万円)のマイクロVCファンドを立ち上げようとしている。20VCという名前のこのファンドは、「tier 1」の共同投資家たちといっしょに米国のさまざまなステージのスタートアップに出資する予定だ。

ステビングス氏は、投資に関する投資家たちとの談話に多くの時間を費やしていて、口で言うだけではなく実際に投資行動を行うのは今回が2度目だ。同氏は、2018年にFred Destin(フレッド・デスティン)氏と共同で設立したStride.vc(ストライド・ヴィーシー)のパートナーでもある(その後、3人目のパートナーPia d’Iribarne(ピア・ディリバルヌ)氏が加わる)。ステビングス氏によると、20VCは通常のVCとは異なるニーズを満たすものだという。従来のファンドはイギリスとフランスへの投資を重視しており、eコマースに変革をもたらす事業者やアーリーステージスタートアップに投資する傾向が強かった(他の投資は一切行わないというわけではないが)。

対照的に、ステビングス氏の新しいファンドは米国を重視していて、典型的なマイクロファンドを形成すると思われるような位置付けだ。マイクロファンドとは、名前のとおり、小規模な投資と一緒に他のスキルも提供することで大きな投資効果を狙うもので、ここ数年でよく使われるようになってきた手法である(「500万ドル(約5億3396万円)程度のマイクロファンドに1つも出資したことがないVCなど聞いたことがない」と以前業界にいた人物が教えてくれた)。

20VCの場合は、会社の構築と成長にステビングス氏自身のスキルセットをセールスポイントとして提供することで、他のVCの投資案件で有利な位置を確保することを狙っている。

典型的な投資規模は10万ドル(約1068万円)から30万ドル(約3204万円)(通常の小切手の額は25万ドル(約2670万円))程度だ。ファンドの正式発表は今日だが、Sequoia(セコイア)、Index(インデックス)、Founders Fund(ファウンダーズファンド)、a16zなどのVCと共同で、すでに12件の出資が完了している(そのうち現時点で株式公開に至ったのはNex Health(ネックス・ヘルス) とSpiketrap(スパイクトラップ)の2件のみ)。

ファンドの名前20VCをポッドキャストの番組名と関連付けたのも意図的だ。ステビングス氏のポッドキャストはテック業界で独自のブランドを形成していて、約20万人の登録者がおり、週2回の番組配信で現在までに計8000万ダウンロードを記録している。また、20VCは、ステビングス氏自身の企業家としての経験だけで成り立っているわけではない。ポッドキャストの出演者や番組を通じて同氏を知っている人たちのネットワークを活用してLPを構成しているのだ。

LPは64人ほどで、Atlassian(アトラシアン)、 Yammer(ヤンマー)(David Sacks(デイビッド・サックス)氏)、Plaid(プレイド)(William Hockney(ウィリアム・ホックニー)氏)、 Superhuman(スーパーヒューマン)、Airtable(エアテーブル)、Calm(カーム)、Cazoo(カズー)、Zenly(ゼンリー)、Alan(アラン)、Spotify(スポティファイ)(Shakil Khan(シャキル・カーン)氏)、Tray.io(トレイ・アイオ)というように、創業者や現幹部および旧幹部が含まれる。GPには、Kleiner(クレイニアー)(Mamoon Hamid(マムーン・ハミド)氏)、 Social Capital(ソーシャル・キャピタル)(Chamath(チャマス)氏)、Thrive(トライブ) (Josh Kushner (ジョッシュ・クシュナー)氏とMiles Grimshaw(マイルズ・グリムショー)氏)、 Atomic(アトミック)、ファウンダーズファンド(Brian Singerman(ブライアン・シンガーマン)氏)、Coatue(コート)、インデックス(Danny Rimer(ダニー・リマー)氏)、True Ventures(トゥルー・ベンチャーズ)(Phil Black(フィル・ブラック)氏)、Beezer Clarkson(ビーザー・クラークソン)氏などが名を連ねる。面白い投資家やスタートアップたちに焦点を当てた人気のポッドキャストをホストしていることが奏功して、ファンド構築のネットワーク作りに良い結果をもたらしているのだ。4週間で定員の3倍を超える申し込みがあったという。

若者のVC

ステビングス氏のスタートアップ投資への参入は、それ自体、典型的なスタートアップストーリーだ。

実は同氏は、ポッドキャストのアイデアを思いつく前からベンチャーキャピタルの世界に興味を持っていたのだが、当時は別の道を目指していて、ロンドン大学キングズカレッジに法学部の学生として在籍していた(英国では大学生としてロースクールに入る)。

「ポッドキャストを始めたのは、何か興味を持てることに、もっとはっきり言えばいくらかお金を稼げることに取り組みたいと思ったからだ」とステビングス氏は言う。同氏の母親は多発性硬化症を患っていて、医療費の支払いに窮していた。それで広告収入で得たお金を母親の医療費の支払いに充てるつもりでポッドキャストを始めることにしたという。

ステビングス氏はテック業界では無名だったが、ゼロから成功するための非常に具体的な計画があったし、いつも笑顔で積極性にあふれていた。

まずは、最初のゲストとしてふさわしい人物を見つけることから始めた。注目と尊敬を集めているが、好人物でもあり、うまくアプローチすればインタビューに応じてくれそうな人物(ステビングス氏に言わせると「もぎとりやすい果実」)を見つける必要があった。

そうして見つかったのがGuy Kawasaki(ガイ・カワサキ)氏だ。ステビングス氏はカワサキ氏からインタビューの同意を取り付けただけでなく、次回の出演者候補として3人を推薦してもらい、その人に何を聞くべきかも尋ねた。そしてその3人からも同じように他の人物を推薦してもらう。このように意図的なネズミ講とでもいうべき方法で人脈を広げていったのだ。

「私は、コンテンツの配布というものを非常に科学的に見ている。できるだけ多くの人たちにコンテンツ作成プロセスに関わってもらいたいと思っている」とステビングス氏は言う。このインタビューは寝室で座った状態で行ったが、最近の同氏のポッドキャストの録音は通常、上記の写真のようにスタジオで行っていると思う。

「20分」という時間枠もステビングス氏の計算に基づいている。同氏は何とか体重を落とそうと必死になっていたとき、Tim Ferriss(ティム・フェリス)氏の4-hour Bodyという方法でやっと数キログラム落とすことができたのだが、以来タイミングの重要さを考えるようになったという。それに、ロンドンの通常の通勤時間は約30分だとわかっていたので、定期的なリスナーになってもらうには20分くらいがちょうどよいと判断したのだ(とはいえ、最近のポッドキャストの多くは20分より長いのだが)。

面白さに惹かれて始めたポッドキャストにステビングス氏が本格的に取り組むようになったのは、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏の妹で自身もテック業界の人間であるArielle Zuckerberg(アリエル・ザッカーバーグ)氏(現在は投資会社コートのパートナー)が番組に出演してからだ。この回の同番組は10万ダウンロードを記録し、あらゆる兆候がThe Twenty Minute VCのさらなる成長の可能性を示していた。ステビングス氏は大学を辞め、ポッドキャストに全力投球するようになる。1学期に入って4週間経った頃だった。

「とにかくVCとこの仕事のすべてが好きだとわかったから。自分の望まない人生を歩むよりも、ポッドキャストに挑戦してみたかった。大きな決断だった。まだ18だったし、当時の私は会社勤めには向いていない人間だったと思う」と同氏は大学を辞めた理由について話してくれた。

母親の医療費に関しては、今でも番組の広告収入でまかなっているという。

「番組の最初と最後に広告が入る。大した額ではないけれど、母の医療費が賄えればそれで十分だ」。

番組もステビングス氏自身も、最悪の状況を逆に活かして成長していく。

ポッドキャストが出現してから何年にもなるが、人気に火が付いたのはここ数年のことだ。携帯電話とアプリがあれば聴ける手軽さが、情報に飢え、マルチタスクが当たり前となった現代社会に自然にマッチした。番組の種類は豊富で、リスナーのあらゆる好みに対応している。それに、聴きたいときにすぐに聴けるという点でラジオのトーク番組より優れている。こうした形態で決まった日時に配信される番組を持っている(ステビングス氏の番組は週2回の配信で、5年間休むことなく続いている)ということは過小評価されるべきではない。

考慮すべき重要な点は他にもある。テクノロジーが現代社会と経済において果たす役割は信じられない勢いで増加している。これは、すでにテック業界で働いている人たちだけでなく、(ステビングス氏のように)これから業界で成功してやるという野心と、あふれんばかりの情熱を持った人たちもポッドキャストの視聴者に含まれることを意味する。

そうした状況を利用して、ベンチャーキャピタルはお金をまさに爆発的に増殖させてきた。テック系の人材がスタートアップの原動力であると信じている者もいるが、そうした人材がスタートアップの原動力としての役割を果たしながら働けるようにするファンドの重要性を強力な証拠を挙げて主張する者もいる。いずれにしても、お金が引き寄せるものはいつでも大きい。

「VCの人気は高まる一方だ。VC20がこの規模にまでなったのもVCが多いに関連していると思う」と同氏は言う。

ステビングス氏自身も、VCにとっての優良な投資先に不可欠な存在だ。ステビングス氏はジャーナリストではない。メディアとテック業界が十分な慎重さと緊張感を持って互いの関係を維持していると思われる時代に、同氏は、個人的な見解を述べる記者として、情報とメッセージの伝達役として、ゲストとの間でフレンドリで友好的な立場を保った。結果として、番組のターゲットであるゲストやリスナーから暖かく受け入れられたようだ。

ステビングス氏は覚えていないかもしれないが、筆者は数年前、ロンドンで開催されたテック系のイベントで彼に初めて会った。彼は本当にうまく立ち回ってよい雰囲気を作っていた。笑顔で話し、すでに知っている出席者も多いため、とてもスムーズに自己紹介を続け、初めて会う人にも顔馴染みのような親密さで接していた。多くの中高年の出席者に混じって彼の若さが際立っていたことを覚えている。

このイベントのことを思い出しながらステビングス氏に尋ねてみた。年配の人たちは自分より若い人間に囲まれてお世辞を言われると気持ちが若返ったり、自身がより重要な人間だと感じることがあるが、ポッドキャストのホストという仕事で成功できたのはまさしくそのせいではと感じたことがあるかと。すると、「というより、年配の人たちと接する環境に身を置いた方が居心地がいいというほうが当たっている」という返事が返ってきた。

「私にとっては、すべてが関係構築の場だ。若くて知り合いも少ないとき、番組を録音する部屋ではいつも50代のように振る舞ってきた。番組を通して最高の友人もできた」と同氏は言う。

皮肉なことに、最近は、同年代の昔の知り合いから連絡がくることがあるという。同氏の強力なネットワークとつながって、自身で起業する予定のテック企業の追い風にしようという目論みだ。

20VCとステビングス氏の冒険の皮肉な側面はこれだけではない。そもそも自身のポッドキャストはすべて一から創り上げたもので、資金は広告収入で調達し、外部からの投資は一切受けていない。つまり、ステビングス氏のケースから得られる教訓は、いかに成長しスケールするかという点だけではない。VCをまったく利用せずにいかにそれを実現するかという点なのだ。

ただ、こうしたケースはまれなため、同氏の手法を一般的な視点で見たときに注目すべきは、出資するだけでなく、プラスアルファでいかに多くのことを提供できるかという点になるだろう。

「シリコンバレーでは誰でもお金は持っているが、新興企業が人間関係とブランドを構築していく成長過程を経験した人はほとんどいない。私なら、事業拡大と顧客獲得に必要なことに関してあらゆるコツと教訓を提供できる。話し方のコツやコンテンツの配布、ブランドの構築方法などについてだ」。

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(翻訳:Dragonfly)

伊藤忠商事がエストニアのベンチャーキャピタルへの出資発表

伊藤忠商事は7月30日、エストニアのベンチャーキャピタルTera Venturesが組成する2号ファンドTera Ventures II Usaldusfondへの出資を発表した。

Tera Venturesは、エストニアにおける「Top European VC」に選出された、政府系ファンドSmartCapを継承する形で2016年に設立。バルト三国を中心とした周辺地域における強いローカルネットワークだけでなく、フィンランドやアメリカにも拠点を抱えている。グローバルな情報収集とともに、地場に根差したスタートアップに出資しているという。

今回のファンドはその2号ファンドとなり、SaaS、リテールテック、デジタルマーケティングなどの分野を投資対象としている。

伊藤忠商事はこれまでにも、米国やイスラエル、中国での有力なベンチャーキャピタルへの出資、また出資先スタートアップとの協業や海外展開支援を実施。直近では乗合システムを提供するVia Transportation, Inc.(Via)への投資、さらに同社システムを日本で提供するVia Mobility Japanへの戦略的事業投資も行っている。

今回のTera Venturesへの出資を通じ、DX分野において新たに世界をリードする期待を集めるバルト三国や北欧諸国での有望なスタートアップとの協業を実現し、国内外での新たなサービス開発や、各社の収益力向上・経済全体の活性化に寄与することを目指すという。

エストニアは、行政手続きが99%オンラインで完結できるなど、世界最先端の電子国家とされる。サイバーセキュリティや暗号化技術などのエンジニアが多く集まるほか、国外の起業家も進出しやすく、Skypeをはじめ多くの革新的企業が誕生している。

Yコンビネーターのデモデーは今回もバーチャルだがライブでストリーミング中継

投資家やファウンダーらのフィードバックを受け、Y Combinator(Yコンビネーター)はリモート世界で行うデモデーの方法を変更する(Y Combinatorリリース)。米国時間7月28日にY Combinatorは、デモデーのバーチャル開催継続を発表したが、事前録画したプレゼンの配信ではなく、プログラム全体をライブでストリーム中継する。

Y Combinatorはメールで、フィードバックには「ファウンダーらはライブのデモデーに向けた準備で生まれる絆を喜んでいる。投資家はファウンダーが自分のビジネスを説明するところを見たい」という声があったことを伝えた。

「我々はライブのデモデーがファウンダーのYC体験にとって重要な部分であると決断した」とY CombinatorのCEO Michael Seibel(マイケル・サイベル)氏がブログに書いている

第31回デモデーはZoomによるライブで行われ、クラスは2日間に分けられる。各社は1分間のプレゼン時間を与えられ、スライドはサマリー1枚のみ。説明やチームの略歴は参加者向けにウェブに掲載される。参加できなかった人のために、録画が週末に公開される。

Y CombinatorはTechCrunchに、プレゼンテーションは西海岸時刻午前9時から正午までで、適宜休憩を挟むと語った。投資家はYC Demo Dayソフトウェアを通じて、過去のデモデーと同じように出資の意志を示したりファウンダーと連絡先を交換したりできる。

何年も前からデモデーの参加を遅らせてきたスタートアップも今回のデモデーでプレゼンを行う。デモデーのプレゼン延期はわりとよくあることで、ファウンダーがVCやテック報道関係者に向けて発表する準備を整えられない時に起きる。リモートの世界では、状況が正常に戻るまで(もちろん、そうなることがあれば)この方法を使うスタートアップもいるだろう。

リモートアクセラレータに参加しているファウンダーにとっては課題が残る。果たして新しい形式で出資を得られるのか?Y Combinatorによると、直近のクラスは新型コロナウイルス(COVID-19)による都市封鎖のためにプログラム全体をリモートで受けた最初の生徒たちだ。

ファウンダーたちがこのアクセラレータシーズンにまつわるあれこれ(未訳記事)を私に話してくれた。ファウンダーの1人であるMichael Vega-Sanz(マイケル・ベガ=サンツ)氏は、初めて参加するファウンダーにはバーチャルではなく物理的なアクセラレータに参加してエネルギーを感じることを勧める、と語った。

「我々もそうだが、競争心の強い人にとって、みんなの前で他の会社が活躍したり褒められたりするのを見るのはよいことだ」と彼はいう。「こういうと自己陶酔的に聞こえるかもしれないが、『絶対成功しなくてはならない』という気持ちになる」。直接競争することなど些細なことに思えるかもしれないが、ファウンダーは投資家と同じく、FOMO(Fear Of Missing Out、取り残されることへの恐れ)と対抗意識の中で成長していく。

Y Combinatorのライブ化は、プレゼン体験に刺激と真剣さをもたらす試みのように見える。Techstarsはパンデミックの初期にライブのバーチャルデモデー(Twitter投稿)を行い、動画サービスのCameoを通じてミュージシャンのIce-T(アイス-T)を登場させて参加ファウンダーたちを祝福した。

YCデモデーは8月24日、25日に開催される。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

関連記事:Without desks and a demo day, are accelerators worth it?(未訳記事)

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

YJキャピタルとEast Venturesの起業家支援プログラム「Code Republic」が第8期スタートアップを募集開始

ヤフーのCVCであるYJキャピタルと、日本や東南アジアでシードラウンドのスタートアップ投資を中心に活動するVCであるEast Venturesは7月29日、共同運営するアクセラレータープログラム「Code Republic」の第8期参加スタートアップ企業の募集を開始した。応募締め切りは2020年9月6日。合否通知は9月上旬、プログラムの開催期間は、2020年10月6日〜2021年2月9日を予定している。

Code Republicは、シード期のスタートアップを対象とした4カ月間の集中プログラム。毎週開催される各種イベントのほか、キャピタリストやアドバイザー、起業家からのフィードバックを交えてアイデアの仮説検証を繰り返し、最短でのPMF(Product/Market Fit)を目指す。同プログラムは2016年に始まり、これまで23社に対して累計10.1億円の投資を実行。また、追加調達率は77%、プログラムを卒業したスタートアップ企業の累計時価総額は161.6億円となっている。

Code Republicではシード期の起業家に対して、事業資金の提供、投資家などとのネットワーク構築、バックオフィスの業務支援、企業運営のノウハウの提供、コミュニティ形成などのサービスを提供。シリーズA調達にに必要な知識を身につけるための勉強会やピッチのブラッシュアップの機会などもある。なお、新型コロナウイルスの蔓延を受けて、今年はオンラインでの活動が中心になる。

Code Republicが求める起業家、起業志望者は以下のとおり。

  • 社会構造・産業構造の革新を目指している
  • 誰よりも対象領域に詳しい
  • データドリブンで意思決定している
  • スピード感を持ってエグゼキューションできる
  • 粘り強く仮説検証を繰り返すことができる

神戸発K.S.ロジャースがスタートアップスタジオ事業、「CTO」と「リモート」がカギ

企業の新規事業や新規サービス開発支援を行うK.S.ロジャースは7月29日、資金提供とともに、技術支援やエンジニア組織の構築支援などを行うスタートアップスタジオ事業の開始を発表。第1弾として、女性の副業サポートプラットフォーム「週末モデル」などを提供するモノクロムへの出資・提携を明らかにした。

CTO経験とリモート活用をカギにスタートアップを支援

K.S.ロジャースは神戸発のスタートアップだ。ソリューションとして、企業のサービス新規開発支援事業、開発チーム構築などを支援するCTOコンサルティング事業、そしてスタートアップ支援事業の3つを提供する。今回のモノクロムとの提携は、3つ目のスタートアップ支援の一環で、スタートアップスタジオの立場で開発ノウハウと資金を投資するというものだ。

ちなみに、K.S.ロジャースは今年4月20日に神戸市が開始した「STOP COVID-19 × #Technology」プログラムに採択されている。これは神戸市が新型コロナウイルスに対抗するソリューションを持つスタートアップを募集し、最短2営業日で一次審査を実施するというプログラムなのだが、K.S.ロジャースでは、ソリューションを神戸市の募集開始からわずか3営業日で提案したそうだ。

K.S.ロジャース代表取締役CEOの民輪一博氏は、複数のスタートアップ参画経験がある人物だ。1社目は京都大学大学院在学中に立ち上げた学生ベンチャーで、CTOとして参画。2社目ではAI系のスタートアップに参画し、その後「そろそろ独立したい」ということで、2017年12月に設立した3社目がK.S.ロジャースである。

独立に当たって、事業イメージが強固にあったわけではないという民輪氏だが、それまでのキャリアを振り返って「CTOを軸として外さない」ことと、自身が神戸在住でリモートでの仕事が中心となっていることから「地方発やリモートでの働き方を世の中に広める」ことを実現するスタートアップを作ろうと考えたそうだ。

K.S.ロジャース代表取締役CEOの民輪一博氏

CTO業務について、民輪氏は「一般に開発を担当するものと捉えられているが、そのほかにも採用や開発の仕組みづくり、エンジニア文化の醸成など業務の幅が広く、事業やプロダクトのPDCAをまわす役割も担っている」と語る。

2社のスタートアップでの経験で、CTOとしてのノウハウが蓄積されていったという民輪氏。スタートアップが設立直後に抱える課題で「ゼロイチの事業立ち上げは非常にパワーがかかるけれども、創業メンバーにそういった経験がない場合が多い」として、自身のノウハウが提供できるのではと考えた。

こうして始まったのが同社のスタートアップ支援事業で、マザーズ上場も果たした企業の初期プロダクトの立て直しなどにも携わったことがあるそうだ。

CTO業務と並んで、同社の事業展開のもう一つのカギとなる「リモートワーク」についても、「スタートアップ支援事業とは親和性が高い」と民輪氏はいう。

「リモートワークを円滑に行うにはスキルが必要。新型コロナで一時的にリモートワークを取り入れるなど、短期ならまだいいが、長期的には課題が顕在化する。一方で、それを乗り越えてリモートワークを取り入れられると採用がしやすくなる。副業も含め、優秀な人材のプールができる。ゼロイチ事業にはエンジニア人材のノウハウや知見が役に立つし、そこへ圧倒的なリソースを充てることが可能になる。実はスタートアップとの掛け合わせの親和性がすごくある」(民輪氏)

CTOとしての支援に加え、資金、組織づくりもサポート

今回K.S.ロジャースが、「ヒト」「モノ」の提供にとどまらず、資金の支援にも踏み込んだのは、スタートアップのサービス成長にとって、さまざまなリソースの提供が必要との結論に至ったからだという。

同社のスタートアップスタジオとしての活動第1弾で出資・提携したモノクロムは、広告・映像の制作に携わる傍ら、自社でもプラットフォームやプロダクトを開発・運営する。そのひとつが「週末モデル」。副業としてモデル活動をする女性と、モデルを探す企業を結ぶキャスティングサービスで、以前TechCrunch Japanでも紹介したことがある。

K.S.ロジャースでは、1年半ほど前からプロダクトについてモノクロムから相談を受け、事業をグロースさせるためにプロダクト面でのアドバイスをしながら、開発も手伝っていたそうだ。

その中で「この事業は堅調に伸びるだろうと肌感で思った」と民輪氏。「副業関連のサービスで、IT人材を対象にしたものは多いが、女性モデルの副業にフォーカスしたものはない。周りにプレイヤーはおらず、ニッチだけどブルーオーシャンだ」(民輪氏)

スタートアップスタジオとしての支援に当たっては、「外部CTOとして参画しつつ、KPI管理など、事業がスケールする仕組みづくりもしっかりサポートしていく」と民輪氏は話している。エンジニア組織のサポートや、採用面、開発のカルチャーづくりについても支援していく。

セールス面の課題解決も含めたパッケージ化を図る

スタートアップスタジオ事業について、民輪氏は「(東証マザーズへの)上場が決まったSun Asteriskが、ベトナムのリソースを活用してデジタル・クリエイティブスタジオとしてやっていることを、僕らはリモートワーク、フリーランス、副業も含めた人材を活用することで広げていきたい」と述べている。

「リモートワークにはコロナは追い風だが、感染症が落ち着けばトレンドも落ち着くだろう。またリモートにはいい面も悪い面もあること、オンサイトで人と会って仕事をする必要もあるということは身に染みて感じるところだ。とはいえ、地方にたくさんいる優秀な人が採用できることで、リモートワークを取り入れた会社は強くなる。そういったエコシステムを将来的に作ることができれば、と考えている」(民輪氏)

長期的には「副業を含めた、セールスネットワークを作って広げようとしている」と民輪氏。「会社としてはB2B、B2B2Cのサービスに出資をしたいと考えている。法人向けのビジネス開拓はスタートアップにとっては課題となるので、そこを解決できるような仕組みを用意したい。プロダクト作り、セールスから、顧客の声を聞いて改善しPDCAを回せるまでの環境を、パッケージ化して提供していきたい」とのことだった。

スタンフォードの大学院生はVCに頼らずクラスメートから投資を受ける

スタンフォード大学がスタートアップ創設者を多く輩出し成功していることは、シリコンバレーでも有名な語り草になっている。スタンフォード卒業生が創設した企業には、Google(グーグル)、Cisco(シスコ)、LinkedIn(リンクトイン)、YouTube(ユーチューブ)、Snapchat(スナップチャット)、Instagram(インスタグラム)、そしてそうこのTechCrunch(テッククランチ)もある。そのためベンチャー投資家は、スタンフォードのビジネススクールを卒業した企業創設者には、米国にある他の大学の出身者よりも多くの資金を日常的に投資(Crunchbase News記事)している。

そこで、自分たちが有利な立場であることをよく理解しているスタンフォードの大学院生のあるグループは、きちんとした投資会社や超大金持ちに頼らず、自分たちでクラスメートに資金提供ができるはずだと考えた。

彼らは、スタンフォードの学生だけで新しいファンドStanford 2020(スタンフォード・トゥエンティー・トゥエンティー)を設立し、学友のベンチャー事業への投資を行うことにした。

発案者は6人の学生。彼らは1年間、Fenwick & West(フェンウィック・アンド・ウェスト)法律事務所と連携して、投資クラブの設立に適した法的枠組みを探し出した。何らかの共有関係を維持している限り、複数の参加者が共同で投資できるというものだ。

Stanford 2020の創設メンバーであり、ベンチャー投資会社NEAの元アソシエイト、Steph Mui(ステフ・ムイ)氏は、シリコンバレーのステータスシンボルの中のエリートと彼女が呼ぶ、ほとんど接触が叶わないエンジェル投資家には頼るまいと、このクラブを立ち上げた。

「特にシリコンバレーでは、地位を確立した人や認められた人だけにそれが許されます。とても特権階級な感じです」と彼女はいう。「クラスの全員が参加できる形でできないか、仲間内で少額の資金を出し合うよりも、もっと利用しやすい形を作れないかと私たちは考えるようになったのです」。

Stanford 2020クラブに参加するためには、最低3000ドル(約31万7000円)の入会金を払う必要がある。利益が出た場合には、出資額に応じたリターンが必ず分配される。今のところ、175名の投資者から150万ドル(約1億5800万円)の資金が集められ、50万ドル(約5280万円)の出資を希望する50人が受け付けを待っている。クラブは「定員オーバー」の状態にあり、返金作業に追われている。

ムイ氏は、クラスの40パーセントがクラブに参加していると見ている。創設メンバーは「役員会メンバー」として定義される。彼らは情熱、多様な経歴、専門的な関心、過去におけるリーダー経験を考慮されて選考されている。

クラブは、ラウンドの規模と評価額に応じて、5万ドル(約530万円)から10万ドル(約1060万円)の投資をスタートアップに対して行う予定でいる。

Stanford 2020の強みは、投資先企業との人間関係によるところが大きいとムイ氏は考えている。つまり成功は、手の届く範囲内にあるということだろう。Cloudflare(クラウドフレア)もRent the Runway(レント・ザ・ランウェイ)もThredUp(スレッドアップ)も、みな同じハーバードビジネススクールの教室で行った課題が発展して生まれた企業だと、CloudflareのCEOであるMatthew Prince(マシュー・プリンス)氏はいう。

「私たちには、元々の強い人間関係があります。資金集めを始める前から、彼らが何に取り組んでいるかを、みんなが知っているのです」とムイ氏は話す。

クラブの参加者つまり仲間たちは、みな深い忠誠心を自覚しているが、その親密性が仲間の企業へ資金提供する際の十分な条件になり得るのかは、これからわかることだ。Stanford 2020は、手数料もキャリーも一切受け取らないが、エクイティは固定される。その点では、シリコンバレーの著名な投資会社のほうがクラスメートより使い勝手がいいかも知れない。

Stanford 2020の構成は、スタンフォード大学が緑豊かな学内の庭に投資するための事業で、2019年に廃止(Silicon Valley Business Journal記事)されたStartX(スタートエックス)と似ている。2013年に設立されたStartXは、大学付属のアクセラレーターを修了したスタートアップならどこでも、株式と交換で投資が受けられるというもので、プロの投資家から50万ドル(約5300万円)の資金を得ていた。

Stanford 2020の構成を見ると、ルールはほぼ同一だ。ムイ氏がTechCrunchに話したところによると、自動的な投資を受けるためにはスタートアップは2つの基準を満たす必要があるという。1つは、共同創設者は同級生であること。もう1つは、評判のよい機関投資家から投資ラウンドで75万ドル(約7900万円)以上を調達することだ。評判がよい会社とは、業界のアドバイザーから彼らに提供されたリストに掲載されている80社をいう。

ルールに基づく自動投資戦略というこのコンセプトには、心配な点もある。創設者の考えが間違っていても、または創設者が悪い人間であっても、基準を満たせば通るのか?

「投資すべきでない悪人や相当に不道徳な人は、私には誰一人思い浮かびません」とムイ氏。「それが、クラスメートだけを対象に投資するという方針のメリットでもあります」。

しかし、スタンフォードの教室から問題のある企業創設者が誕生した場合に備えて、Stanford 2020には拒否投票制度がある。

物事の大きな仕組みの中では、スタンフォード出身のスタートアップは資金調達の面で、他の大学出身者よも有利な立場にある。必死になってファンドを探し求める必要もない。ムイ氏がStanford 2020で抱いている願望に、他の大学でも彼らが1年間かけて(苦労の末に)作り上げた法的枠組みを、そのまま模倣して使えるようにすることだ。

すでにStanford 2020には、スタンフォードの次のクラスや、他スクールの大学院生、学部生からのインバウンドがあるという。現在はクローズしたが、彼女は他のビジネススクールからのニュースを待ち望んでいる。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(翻訳:金井哲夫)

DMM.make AKIBAが東大IPC起業支援プログラムを通じスタートアップを支援

DMM.make AKIBA 東大IPC 1stRound

DMM.comは7月21日、事業課題解決型プラットフォーム「DMM.make AKIBA」がコンソーシアム型インキュベーションプログラム「東大IPC 1stRound」を通じ起業支援を開始したと発表した。

DMM.comは、スタートアップ支援を目的に東大IPC 1stRoundと連携し、採択されたチームに対しDMM.make AKIBA施設を無料で利用できる取り組みを開始する。これにより、採択されたチームは無料で機材を利用しプロダクトを開発したり、ビジネスの拠点として施設を利用したりできるようになる。

DMM.make AKIBAは、今後も教育機関などと連携し支援を広げるとともに、様々なステークホルダーを巻き込んだネットワーク・コミュニティによりオープンイノベーションの推進に取り組むとしている。

DMM.make AKIBA 東大IPC 1stRound

2014年11月開設のDMM.make AKIBAは、ハードウェア開発・試作に必要な最新機材を取り揃えたモノづくりの拠点「Studio」、コワーキングスペースやイベントスペース、会議室として利用できるビジネスの拠点「Base」で構成された、ハードウェア開発をトータルでサポートする総合型のモノづくり施設。

ハードウェア開発用に約5億円を投じた機材と、技術やビジネス面でサポートするスタッフ、さらに24時間利用可能なコワーキングスペースを備えており、新たなモノづくりに挑戦するイノベーターをトータルで支援している。

またDMM.make AKIBAは、スタートアップ150社を含む600社、4000名以上の会員、スポンサー企業、地方自治体、国内外のパートナー機関、ベンチャーキャピタルなどを含む広いネットワーク・コミュニティを形成。施設常駐のコミュニティマネージャーやテックスタッフ、イベントなどを通して事業を加速するパートナーや協業先、切磋琢磨する仲間とも出会えるという。

東大IPC 1stRoundは、東京大学のイノベーションエコシステム拡大を担う「東大IPC」(東京大学協創プラットフォーム開発)が運営する、コンソーシアム型の起業支援プログラム。起業前やシードラウンドの現役学生、卒業生などの東京大学関係のスタートアップに対し、活動資金に加えて、開発リソース・オフィス・ITシステムなど、本格的な事業開始に必要なリソースをハンズオン支援6ヵ月間とともに提供することで事業の垂直立上げを実現。プログラムは年2回開催され、各回約5社を採択している。

2019年より開始した同プログラムでは累計22の団体が採択され、うち12組が1年以内に資金調達に成功している(2020年 6月末現在)。

DMM.make AKIBA 東大IPC 1stRound

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Plug and Play Japanが国内3拠点目を大阪府に開設、「スマートシティ」をテーマにスタートアップ募集

Plug and Play Osaka

グローバル・ベンチャーキャピタル/アクセラレーターのPlug and Play Japanは7月21日、昨年の京都拠点開設に続き、3拠点目となる「Plug and Play Osaka」を大阪府大阪市に開設すると発表した。

Plug and Playは、革新的な技術やアイディアを持つスタートアップを大手企業とともに支援を行う、シリコンバレー本拠のグローバル・ベンチャーキャピタルおよびアクセラレーター。世界33拠点に展開し、日本ではすでに東京と京都の2拠点を構えている。

Plug and Play Osakaは大阪府大阪市のナレッジキャピタル内に開設(大阪府大阪市北区大深町3-1 グランフロント大阪 北館8階)。ファウンディング(創設)アンカーパートナーであるダイキン工業、近鉄グループホールディングス、三菱UFJフィナンシャル・グループ、りそなホールディングス、大林組、電通、エコシステムパートナーの竹中工務店の7社とともに、「スマートシティ」をテーマとしたアクセラレータープログラムを実施する。なおスマートシティとは、都市の抱える諸課題に対して、ICT等の新技術を活用しつつ、計画、整備、管理・運営などマネジメントが行われ、全体最適化が図られる持続可能な都市または地区を指す。

Plug and Play Osaka

Plug and Play Japanは、2025年の大阪・関西万博などの世界的なイベント開催に向けた新しいスマートシティの発展と、うめきた二期や天王寺などの再開発による既存のまちのスマートシティ化の推進に貢献するとしている。

Plug and Play Osakaの1つ目のプログラムは、「スマートシティ」をテーマとして実施。また、この「スマートシティ」に基づいた注力分野は、「Smart Life & Construction」、「Travel & Experiences」、「Urban Mobility & Clean Tech」、「Hospitality & Health」の4つを予定している。締め切りは9月7日予定。

また、大阪府や大阪市、経済産業省近畿経済産業局、ナレッジキャピタルとも連携し、地域を挙げてプログラムを運営していくという。

Plug and Play Osaka

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インキュベイトファンドが機関投資家を中心に過去最大250億円規模の5号ファンドを組成

インキュベイトファンド 5号投資事業有限責任組合

インキュベイトファンド゙は7月20日、インキュベイトファンド5号投資事業有限責任組合を組成し、2020年7月10日に1次募集を完了したと発表した。最終的なファンド総額は過去最大の250億円を予定。

また、2020年5月10日に1号ファンド設立から10周年を迎え、「Zero to Impact」を掲げた初のコーポレートリブランディングを実施。同社初のオウンドメディア「Zero to Impact magazine」をリリースした。

インキュベイトファンドは、第5号となる新ファンドを設立、2020年7月10日に1次募集を完了。最終的なファンド総額は過去最大の250億円予定で、これまでの過去ファンド出資者の他、年金基金・金融機関・政府系機関を中心とした出資者構成となっている。

投資ステージは従来同様創業期が対象。創業者とともにゼロから事業戦略・プロダクト・チームを組成する。5号ファンドでは1社あたり最大で約30億円の投資が可能となり、創業期からPre-IPO期まで一気通貫でスタートアップを支援し、次世代産業の創造に取り組むとしている。

これまでのファンドで確立した投資スタイルをベースに、既存産業変革及び新規産業創出をテーマとして、デジタルトランスフォーメーション・パブリックセクターイノベーション・ディープテックイノベーションの3軸から、従来の業界構造や消費者の生活習慣を一新するシードスタートアップへ集中的に投資活動を行う。

インキュベイトファンド 5号投資事業有限責任組合

またインキュベイトファンドは、「Zero to Impact」を掲げた初のコーポレートリブランディングを実施。起業家やスタートアップの情報発信加速に向け、オウンドメディア「Zero to Imapct magazine」もリリース。「Zero to Impact」実現の中心・主役は起業家であると考え、同メディアも起業家を主役とした発信を中心に行うという。

インキュベイトファンド 5号投資事業有限責任組合

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行政サービスのDXを手がけるグラファーが約2.5億円の資金調達、凸版印刷との業務提携も発表

グラファー 凸版印刷 資金調達

行政サービスのデジタル化を手がけるグラファーは7月16日、第三者割当増資として総額約2.5億円の資金調達を実施した。引受先は既存株主および凸版印刷。また凸版印刷との資本業務提携を発表した。グラファーと凸版印刷のリソースを融合した新たな自治体向け事業を共同で推進し、2021年度中の新サービス開発を目指す。

今回の提携により、グラファーが持つ行政手続きのデジタル化を支援する非対面型SaaSおよびGovTechスタートアップとしての知見と、凸版印刷が持つ窓口申請業務電子化サービス、凸版印刷のデータセンターなどのセキュアビジネスソリューションやBPOソリューションを融合。住民と自治体をシームレスにつなぎ、双方にとって利便性の高い行政手続きの実現を支援する。

グラファー 凸版印刷

グラファーは、スマホなどで質問に答えるだけで自分に必要な手続きが分かる「Graffer 手続きガイド」、行政手続きをスマホで完結できる「Graffer スマート申請」を展開。また凸版印刷は、自治体窓口の業務効率化を支援システム「SpeedEntry Goverment」(スピードエントリーガバメント)を提供している。

行政手続きのデジタル化支援サービスとしては、これらグラファーによる住民向けの行政手続き事前確認・申請サービスと、凸版印刷の窓口業務効率化システムの連携などを視野に、庁内外の行政手続きのデジタル化・シームレス化を共同で推進する。

さらに、グラファーが展開する自治体と住民をつなぐ非対面ソリューションと、凸版印刷が自治体向けに展開するBPOソリューションを連携。住民への通知、申請受付け、審査、給付・発行までをワンストップで対応する、自治体向けの新たな行政事務代行BPOソリューションの提供を目指す。

グラファーは、スマホなどを使用してオンライン上で様々な行政手続きを行えるサービスを自治体向けに展開。これまで神戸市・横浜市などの政令指定都市はじめ、全国19の自治体・政府機関との案件実績がある。全国の自治体で使えるシステムを汎用的に開発しクラウドを通じ提供することで、各自治体の多様な手続きに対応できるサービスを提供。デジタル化による非対面での行政手続きの実現により、住民の利便性向上や行政の業務効率化を推進している。

凸版印刷は、セキュア事業のノウハウを活かし、住宅ローンやクレジットカード、自治体の窓口申請業務の手続きをタブレット上で可能にする窓口申請業務電子化サービス「Speed Entry」(スピードエントリー)シリーズを展開。対面サービスのデジタル化・業務効率化を推進するほか、デジタルを活用したBPOソリューションにより、全国の自治体業務を支援している。

グーグルが世界最後の成長マーケットであるインドに1兆円超を投資

Google(グーグル)は米国時間7月13日、今後5〜7年でインドに100億ドル(約1兆700億円)を投資すると発表した。主要海外マーケットでデジタルサービスの浸透加速サポートを模索する中での動きだ。

グーグルのCEOであるSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏は同日、新設するファンド「Google for India Digitization Fund」を通じてインドに投資すると明らかにした。「株式投資、提携、運用、インフラとエコシステムへの投資などの組み合わせで投資する。インドや同国のデジタル経済の将来に対する我々の確信を反映するものだ」とピチャイ氏はインドにフォーカスした同社の年次イベントでのビデオ会議で述べた。

投資は下記の4つのエリアに焦点を当てる。

  • 全インド国民がヒンディー語やタミル語、パンジャーブ語、その他の言語など自分の言語でアクセスし、情報を得られるようにする
  • インド特有のニーズに応える新たなプロダクトやサービスを構築する
  • デジタルトランスフォーメーションに取り組む企業のサポート
  • 医療や教育、農業など公益性のある分野へのテクノロジーとAIの活用

インドはグーグルにとって鍵を握る海外マーケットだ。同社の検索、YouTube、Androidなどを含む一連のプロダクトやサービスは同国のネット使用者の多くを取り込んできた。インドの人口は13億人となり、おそらく米国や中国の大企業にとって手が付いていない最後の大きな成長マーケットだ。

現在ではインドの5億人以上がネットを、4億5000万台のスマホが使用されている。「インターネットを10億人ものインド人にとってリーズナブルな価格、そして使い勝手のいいものにするためには、すべきことがたくさんある。音声入力の改善、インドで使用されている全言語向けのコンピューティング、新世代の起業家の育成などだ」とインド生まれのピチャイ氏は述べた。

他の米国テック大企業と同様、世界最大のインターネットマーケットであるインドでのグーグルの売上高はわずかなものだ。しかし米国企業、そして中国企業にとってインドにおいては売上高が最優先事項ではないようだ。企業は発展中のマーケットで何億人もの新たなユーザーを探している。

インドでグーグルやAmazon(アマゾン)のライバルとなっているFacebook(フェイスブック)は2020年4月に、インドの6000万もの零細ストアをデジタル化するために、インド最大の通信会社Reliance Jio Platforms(リライアンス・ジオ・プラットフォーム)に57億ドル(約6100億円)を投資した。

インドで最も価値の大きな会社Reliance Industries(リライアンス・インダストリーズ)の子会社で創業4年のReliance Jio Platformsは4月以降、著名な12名もの投資家から157億ドル(約1兆7000億円)超を調達した。

アマゾンのCEOであるJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏は2020年初めにインドを訪問した際、同国に追加で10億ドル(約1100億円)を投資すると述べた。これにより同社のインドでの累計投資額は65億ドル(約7000億円)となる。

グーグルの13日の発表はまた、インドが中国企業を締め出す動きを見せている中でのものだ。インド政府は2020年6月に、中国企業が開発した59のアプリやサービスを禁止した。禁止されたものにはByteDance(バイトダンス)のTikTok、Alibaba Group(アリババグループ)のUC Browser、Tencent(テンセント)のWeChatなどが含まれる。一部の業界人は、この禁止措置で競合相手が減った米国のテック企業はインドでさらに触手を伸ばせる(未訳記事)と確信している。

2020年4月に、Narendra Modi(ナレンドラ・モディ)首相率いるインド政府は、中国を含むインドと国境を接する国からの直接投資に政府の承認を義務付けるよう規則を変更した。

中国の投資家が最大の株主となっているZomato(ゾマト)、Swiggy(スウィギー)、Paytm(ペイティーエム)のようなインドのユニコーン企業数十社にとって、政府の対応は将来の資金調達難を招く可能性が高い。

インドでの足がかり構築は、中国でのビジネスから大方締め出されている米国のテック大企業にとって重要性を増している。2020年7月初めにグーグルは、中国で新たなクラウドサービスを提供する計画をキャンセルしたと述べた。

インドの電子情報技術相のRavi Shankar Prasad(ラヴィ・シャンカール・プラサッド)氏は、グーグルが「インドのデジタルトランスフォーメーションに相当な額を投資をしようと臨機応変に対応している」と述べた。「グーグルがインドのデジタルイノベーションとさらなる機会を創造する必要性を認識していることを嬉しく思う」とも話した。

グーグルはこれまでインドにおいてバンガロール拠点の超ローカル配達サービスのDunzo(ドゥンゾー)を含むひと握りのスタートアップを支援してきた。ファイナンシャル・タイムズ紙は2020年5月に、インド第2位の通信会社Vodafone Idea(ボーダフォン・アイデア)の株式5%取得でグーグルがVodafone Ideaと協議中(未訳記事)だと報じた。

インドグーグルのトップであるSanjay Gupta(サンジャイ・グプタ)氏は、グーグルの新たな100億ドルもの投資がインドにおける未来のプロダクトやサービスを形成する、と述べた。「真のデジタル国家になるという点においてインドと再び深く提携し、サポートする」と話した。

2004年からインドで事業を開始したグーグルが同国でリーチを広げてきた手法の1つが、地元のスマホベンダーとの提携を通じての低価格スマホの生産・販売だ。これらの低価格スマホはタイムリーかつ頻繁にソフトウェアがアップデートされる。

詳細は明らかにしなかったが、グーグルの決済とNext Billion Users構想を担当する副社長Caesar Sengupta(シーザー・セングプタ)氏は「より多くの人が学習し、成長・成功することができるよう、高クオリティ・低コストのスマホを提供する」ことにフォーカスすると述べている。

画像クレジット: Pradeep Gaur/Mint / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

エン・ジャパンが中小企業のDX化に向け100億円規模のスタートアップ投資を発表

エン・ジャパンは7月13日、国内の中堅・中小企業の営業やバックオフィスなどのデジタル化を支援するDXソリューション事業を展開することを発表した。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、テレワークや電子署名などをはじめとするデジタルトランスフォーメーション(DX)のニーズが高まっている一方で、同社の主要顧客である約15万社の中堅・中小企業は資金不足や人材不足で、DX化になかなか踏み切れない状況を打破するのが狙い。

エン・ジャパン単独で顧客のDX化を進めるわけではなく、スタートアップ企業などとの協業によって実現していく点が特徴だ。投資規模は100億円を想定している。なお直近では6月に、経営者マッチングプラットフォーム運営のオンリーストーリーに出資。XTech Ventures(XTech1号投資事業有限責任組合)とともに共同リード投資家を務めた。

同社はテレビCMなどでもおなじみの転職サービスや、Engageなどの採用支援ツールなど、HRテック事業の知名度が高い企業。現在では、入社後のオンボーディングフォローアップサービス、動画面接ツール、タレントマネジメント、EラーニングなどのHR系のサービスを拡充している。

その一方で2020年3月に、外資コンサルタント会社や投資銀行出身のメンバーを中心としたベンチャー、スタートアップ企業とのアライアンス・出資を推進する社長直轄の部署を新設。8月にはITコンサルティングファーム出身者などで構成されるDXソリューションチームの設置も決まっている。

同社社長の鈴木孝二氏は今回のDX事業立ち上げについて「エン・ジャパンは3年前からオンラインセールス課を設け、社内のDX化を進めてきました」と語る。オンラインセールス課の成果やノウハウをを同社の顧客に対してセミナー形式で公開しており「テックドリブンで事業を進めているIT系企業にこういった営業ノウハウは意外にも喜ばれる」とのこと。

また新型コロナウイルスの影響もあり採用事業は一変し、「人をどんどん採用して成長させるだけでなく、さまざななツールを駆使してスタッフを増やさずに事業を成長させたり、守ったりすることも重要になってきた」と同氏。

今回100億円規模の資金をスタートアップに投資することについて鈴木氏は「エン・ジャパンの財務体力を考慮した枠は200億円ぐらいですが、その半分をHR領域以外に投資していきたい」とのこと。オンリーストーリーへの投資で共同リードとなったことからもわかるように「張って当たればいいという出資ではなく、出資比率高めで各スタートアップ企業にコミットしていく」と鈴木氏。HR事業に並ぶ柱として同社は、スタートアップ企業との協業やM&Aなどにより中小企業のDX化を強力に進めていく方針だ。

関連記事:経営者マッチングプラットフォーム運営のオンリーストーリーが約3.45億円を調達

個人が非上場スタートアップに投資できる「CAMPFIRE Angels」、先行登録を受付開始

CAMPFIRE Angels 株式投資型クラウドファンディング

CAMPFIRE傘下のDANベンチャーキャピタルは7月9日、株式投資型クラウドファンディング運営サイト「CAMPFIRE Angels」(キャンプファイヤー エンジェルス)を発表した。従来運営サイトをリニューアルオープンしたもので、2020年8月17日から提供を開始する。

また、7月9日から資金調達を希望する事業会社の募集受付開始と同時に、スタートアップはじめ非上場会社への株式投資を検討されている投資希望者を対象にした、先行登録を開始する。資金調達を希望する事業会社の募集受付ページ、または投資希望者を対象とした先行登録ページにおいて登録が可能。

AMPFIRE Angelsは、非上場会社がサイト上で自社株式の募集を行うことで、個人支援者(エンジェル投資家)から少額ずつ資金調達できる株式投資型クラウドファンディングサービス。登録投資家は、プロによる厳正な審査を通過した未上場株式に投資でき、スマホからスタートアップの株主になれる。

CAMPFIRE Angels 株式投資型クラウドファンディング

日本では、2020年4月施行の改正税法で「エンジェル税制」を拡充。認定業者を通じた株式投資型クラウドファンディングによる投資について、一定の要件を満たす場合、投資家は投資金額の全額または一部を所得から控除できるようになった。なお、DANはエンジェル税制における認定業者として登録されている。

AMPFIRE Angelsは、DANが金融商品取引法に基づき運営を行うほか、CAMPFIREブランドの強みを活かし、アートやファッションなどのカルチャー領域、教育やシェアリングエコノミーなどのtoC領域におけるスタートアップの資金調達を中心にサービスを展開予定。

投資家とのコネクションを得ていないスタートアップにとっては、インターネット上で自社事業をアピールできること、スタートアップ投資に興味や経験のある登録済み個人投資家にアプローチできることが最大のメリットとなっている。

最短1ヵ月で募集を開始できるスピード感、面談から着金まで基本的にオンラインで完結する手軽さ、そして年間1億円までの調達が可能なシード期に最適な本格性を特徴。初めて資金調達に挑戦するスタートアップでも、経営経験者や金融業界出身のファイナンスのプロによるアドバイザリーサポートを活用し、安心して資金調達にのぞめる。

CAMPFIRE Angels 株式投資型クラウドファンディング

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カテゴリー:VC / エンジェル

タグ:クラウドファンディング CAMPFIRE 投資

カラーコスメティクスOEMのトキワが「ビューティーアクセラレータープログラム」参加スタートアップを募集

トキワ ビューティーアクセラレータープログラム

カラーコスメティクス受託製造のトキワは7月8日、ビューティ分野に関わるスタートアップ企業を対象に、業界初の試みとして「ビューティーアクセラレータープログラム」の7⽉15日開始を発表した。最⼤⽀援規模3000万円としている。

同プログラムは、イノベーションを重点においた「ビューティーケア」アクセラレータープログラム。プレシード、シード、アーリーステージを問わず、さらにD2Cを含むビューティケアメーカー・サービス事業者や流通業まで幅広いスタートアップ企業が対象となっている。また一般的なプログラムとは異なり、VC的な要素は持たずに創出したい製品を世の中に生み出す支援を行うことで、継続的な相互の事業発展が可能なパートナーを募集している。

  • テーマ: ∞ infinity
  • 応募テーマ:
    ・よりヒトを輝かせることができる機能と、人体/環境への配慮を両立できる製品開発のコンビネーション
    ・ダイバーシティ&インクルージョン(多様性への理解とサポート)を推進できる製品・サービス
    ・より人々を笑顔にできる幸せを提供できる製品・サービス
    ・次世代に誇れる社会貢献と持続的な商業活動を両立できる製品・サービスの提供
  • 募集期間: 7月15日~9月14日
  • 応募条件: 事業開始準備期から事業開始直後のビューティーケア関連事業のアイデアを有する者
  • 対象: D2Cを含むビューティケアメーカー、サービス事業者や流通業などのスタートアップ企業(プレシード、シード、アーリーステージ)

トキワ ビューティーアクセラレータープログラム

トキワによると、同プロジェクト対象のスタートアップ企業にとって、カラーコスメティクスの商品販売は非常に難易度が高く、世界各国の多様な顧客のニーズに合わせた商品の提供には多色化対応力を確保する必要があるという。またそのため、開発から製造、物流にかかる費用負担も多くなる。

デジタルマーケティングに強みを持ち、D2Cで販路を確保できるとしても、スキンケアのようなリピート性が低いために売り上げ予測は立ちにくく、研究開発、在庫管理のノウハウが強く求められるという。

そこで、カラーコスメに強みを持つトキワがパートナーとして協業。⻑年培ってきたノウハウを元に研究開発から製造・販路開拓までを⼀気通貫でサポートすることで、課題解決のスピードが早まり、ブランドの成⻑を維持できるとしている。

市場潜在価値が高く、実現可能だと判断されるプランに対して、以下のリソースを提供する。

トキワ ビューティーアクセラレータープログラム

  • 数多くのメジャーブランドの商品化に携わってきた50年以上の経験・信頼をベースに、処⽅・容器開発・製造のノウハウはじめ、安全性や品質確認や薬事関連法への対処についてサポート
  • 最⼤3組まで、原材料・容器・実⽣産コストすべてを無償でサポート(上限1万個)することで、1000万円以上のキャッシュフローを創出。事業開始時のリスク軽減、資⾦調達時の信⽤改善に貢献
  • ⼤⼿EC通販サイトなどとのコラボレーションにより、認知拡⼤、流通販路をサポート

トキワは1948年の創業以来、「世界中に美と感動と喜びをお届けする」ことを使命とし、日本のみならず海外の大手ビューティブランドのカラーコスメ受託製造を中核として事業を展開。カラーコスメティクス受託製造では国内シェア25%以上を占め業界1位を誇る。世界9ヵ所に工場を所有し、プレステージからマスブランドまで幅広く世界中のメジャーメイクアップブランドに商品供給を行っている。

2019年、カーライルとの戦略的業務資本提携により第2創業を迎え、さらなる成長基盤を育成するため、TOKIWA Labを設立。

また、中核事業の既存受託製造により持続的な成長を達成しつつ、5~10年後の成長基盤の強化を図るため新規事業へのアプローチとして同プログラムを開始。最終的には、従来通りの⽣産を請け負うだけでなく、⾃社に蓄積されたノウハウを共有し、新興ブランドやスタートアップ企業と共に成長しながら新たな価値を創出し、⽶国やアジアにおいても展開を広げていく予定としている。

プログラミング本で有名なオライリー氏[一獲千金を目指すベンチャー投資は有害無益

Tim O’Reilly(ティム・オライリー)氏には、投資家が投資額の何倍ものリターンを期待して初期段階のスタートアップに賭けるような従来型のVCモデルにダメ出しをするビジネス上の動機がある。アーリーステージのスタートアップに特化したVCであるO’Reilly AlphaTech Ventures(オライリー・アルファテック・ベンチャーズ、OATV)で長年にわたりオライリー氏の投資パートナーとして活動しているBryce Roberts(ブライス・ロバーツ)氏が今、OATVの投資先を選ぶ際にいわゆるハイリスクの企業を避け、すでに収益を上げているが必ずしもブリッツスケール(極めて短期間での爆発的な規模拡大)を目指してはいない会社を米国全土から探し出して投資する方向に意識的に舵を切っているのだ。

しかし、TechCrunchが先週実施したインタビューの中でオライリー氏が語った、純粋に持続可能なビジネスを築こうとする創業者が増える中でベンチャーキャピタルが今のまま投資を続ける意義が薄れ始めている理由は、非常に説得力があるものだった。オライリー氏によると、今のベンチャー業界は、いつか世界を変える可能性を秘めた中小企業を発掘することよりも、富裕層が資産を運用して増やすための金融商品のような感覚で投資を行うことに力を注ぐようになっており、この変化が実際に悪影響を及ぼし始めているという。

今回のインタビューの中から、新規でVC資金調達あるいは追加調達を検討している読者や、VCから出資を断られて綱渡りをするような危機を経験したことがある読者にとって興味深いと思われる部分を以下に抜粋してみた。いずれにしても、42年前に自身もO’Reilly Media(オライリー・メディア)を立ち上げ、今や年間収益が数億ドル規模の企業になるまで成長させた実績を持つオライリー氏の言葉は大いに参考になると思う。

TechCrunch:今年は多くの企業がジューンティーンス(奴隷解放日)を祝いました。これは大きな出来事です。これまでベンチャー業界におけるインクルージョンの推進について多くの議論がなされてきました。実際には、ベンチャー業界のインクルージョンはどの程度まで進んでいる(あるいは進んでいない)のでしょうか。

ティム・オライリー氏:VC、さらにはテック業界全体について言えるのは、この構造的な人種差別の概念は本当に問題だということです。人は「自分は良い価値観を持っているし、悪いことをしたいとも思わない。慈善団体に寄付もしている」、だからそれで十分だと思っていて、問題の根源となっているシステムを修正しようとはしません。

VCが起業家たちを探し出してくるネットワークは今も昔もあまり変わっていません。さらに重要なのは、VCモデルの目標も変わっていないという点です。VC業界には目標があり、それはある特定の財務状態の形をとるのですが、これが本質的に排他的なのです。

なぜそう言えるのですか。

典型的なVCモデルでは、大きく成長する可能性とイグジットできる見込みのある企業を探します。IPOや買収から得られる巨額の財務リターンを求めているからです。すると、創業者は特定のタイプに限定されてしまうのです。私の投資パートナーのブライスは前々回のファンドから、キャッシュフローと収益を確保して持続可能なビジネスを構築しようとするライフスタイル系企業のような、過小評価されている企業を探すことにしたようです。そのような中小企業も、それを創業する起業家も米国から消えてしまいました。VC業界がベンチャー投資を富裕層向けの金融商品のように扱ってきたことがその一因です。

ブライスはある種の「SAFE(将来株式取得略式契約)」を考案しました。ベンチャー企業が十分に収益を上げられるようになったら、創業者は事前に同意された額でそのベンチャー企業をバイアウト(企業売却)できるというものです。ただし、同時に他のオプションも用意されています。一部の創業者はロケットのように電撃的な大成功を収めることがあるからです。しかしこれは、創業者がひたすら走り続けたあげくに使い捨てにされるという意味ではありません。

「持続可能な事業を行う企業を探す」と言って米国全土を探し回ったブライスは最終的に、半分以上が女性創業者、30%が有色人種創業者というポートフォリオを構築することができ、これが素晴らしい投資戦略となってきました。

それは、シリコンバレーの典型的な高度成長VCモデルに該当する企業を経営することはアフリカ系アメリカ人や女性には不可能だ、ということではないですよね。

もちろん、そんなことはありません。そうした人たちも高度成長VCモデルに該当する企業を経営することは可能です。ただ、シリコンバレーの外に目を向けると、本当に大きな人材プールが存在していることに気づきます。シリコンバレーにはある種のブロカルチャー(体育会系的男性優位主義)があり、その文化に馴染めないと(何かしら解決策が見つかる場合もあるとはいえ)、いろいろな障害にぶつかることになります。これが構造的な人種差別です。

先ほどおっしゃった、ネットワークが閉鎖的であるという点についてですが、有名な黒人ベンチャー投資家のCharles Hudson(チャールズ・ハドソン)氏が、従来型VCの多くは日常生活やビジネスライフの中で黒人と付き合いがなく、そのことが投資先の企業を発掘する際に障害となっていると指摘しています。ブライス氏はそうした付き合いに必要な人脈をどのようにして築いたのでしょうか。従来型のVCも今、ブライス氏のように人脈を広げる方法を探っているようですね。

シリコンバレーの地理的な孤立主義を壊すことです。「この特定のプロフィールに一致する企業だけが投資に値する」というシリコンバレービジネスモデルの孤立主義を壊すのです。ブライスはシリコンバレーを出て「有色人種の起業家を探しているんだが」などと言ったわけではありません。そうではなく「米国内のさまざまな場所でさまざまな種類の投資がしたい」と言ったのです。そうしたら、米国が持つ多様性を反映する起業家たちが自然に見つかりました。

われわれが考えなければならないのはその点です。「この壊れたシリコンバレーのビジネスモデルの中に黒人やブラウン人種の創業者を入り込ませるにはどうすればよいのか」ではなく、「彼らのコミュニティでビジネスを成長させるにはどのような機会を提供することが有益なのか、どうすればそれを把握できるのか」ということを考える必要があるのです。

リミテッドパートナー(LP)はこのようなモデルに興味を示していますか。このモデルにはLPの出資に見合う成長を遂げる可能性があるのでしょうか。

この新しいモデルに注力した4号ファンドでは少し苦戦しました。3号ファンドの3分の1の資金しか調達できませんでした。しかし5号ファンドでは、資金調達は大成功すると思います。このモデルの価値が証明されたので投資希望者が殺到しています。

実名は挙げませんが、このポートフォリオには同業種の企業が2社あります。1社は3号ファンドで出資した企業で、従来のシリコンバレー型投資でした。もう1社はシリコンバレーからはるか遠く離れたアイダホ州の会社です。最初の企業には、従来のシードラウンドを経て最終的に25%の持ち分で250万ドル(約2億6900万円)を出資しました。アイダホ州の企業には25%の持ち分で50万ドル(約5386万円)を出資しました。この企業は現在、先ほどのシリコンバレー型投資の企業に比べて2倍の規模まで拡大しており、非常に速いスピードで成長しています。

つまり現状では、従来のシリコンバレー型ベンチャー企業よりもうまくいっているということですね。

先ほども言いましたが、私はシリコンバレー型の投資に長い間幻滅していました。2008年のリーマンショックに向けて暴走していたウォール街を思い出すんです。彼らは「この債務担保証券(CDO)が売れさえすれば、それでよい」と考えます。誰も「これは良い製品なのか」などとは考えていない。

VCが創り出したものの大半は、CDOのような金融商品、つまり資産を増やすための道具です。「この企業は顧客からの収益で生き残っていけるのだろうか」とは考えません。投資案件の要はイグジットが達成できるかどうか、それだけです。そのために利用できる創業者が見つかればそれでよいと考えているのです。例えば、多くの買収が失敗に終わっていますが、VCは満足している。なぜだと思いますか。イグジットは達成できたからです。

しかし、今は非常に短期間で資金が調達されるため、VCはより大きなトラクション(牽引力)を示す必要があります。それでブリッツスケールなどの手法が登場していますね。

ほら、その質問の仕方です。何かがおかしいのですが、気づきませんか。すべてVCのため、なんですよね、VCがトラクションを示す必要がある、と言っている。起業家ではなくてね。

でも、LPはそのトラクションに夢中になっていませんか。LPは即効性のある財務的トラクションを求めていますよね。

そうですね。ですが、VCのリターンはもう40年間も公開市場に追いついていない。宝くじみたいなものです。唯一の確実な勝者はVCです。VCはファンドの資金を回収できなくても、運用報酬を毎年受け取れますからね。

巨額のVC資金が回収されずに終わっています。誰もが一獲千金を狙っているのです。確かに、それができればすばらしいでしょう。でも、めったに起こらないその大勝利のためにあまりにも巨額の投資が行われ、その他の投資に回す資金がなくなってしまっている。社会への利益還元のためではなく、財務リターンを最大化するためにビジネスが組み立てられており、それが社会の構造的不平等につながっています。

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(翻訳:Dragonfly)