AndroidではWhatsAppのチャット記録をほかのアプリから読める

これはどちらかというとAndroidのセキュリティの問題だが、DoubleThinkのCTOでコンサルタントでもあるBas Bosschertが、WhatsAppの暗号化システムに脆弱性を見つけた。これにより、ほかのアプリからユーザのチャットの会話をすべて読むことができる。

WhatsAppのチャットにアクセスするやり方を投稿したBosschertは、昨日(米国時間3/11)のAndroidの大幅なアップデートのあとにも、その脆弱性が残っていることを確認した。

その概要はこうだ:

WhatsApp for Androidは会話をデバイス本体のSDカードに保存するが、機器本体へのアクセスを許可されているアプリならそれにアクセスできる(デバイスへの完全なアクセスの可/不可はアプリごとにユーザが指定できる)。これはWhatsAppの側のセキュリティの欠陥というよりも、Androidのインフラの問題だ。

悪質なアプリはそこからさらに、WhatsAppの会話データベースにアクセスできる。上級ユーザなら、これはハッキングではなくてAndroidのデータ隔離システムの問題だと気づくだろう。

Bosschertはこの欠陥をテストするアプリを作ったが、それは、ユーザがかわいらしいアプリロード画面をぼけーっと見ている間に、データベースにファイルをアップロードする。

最近のリリースでWhatsAppはデータベースを暗号化するようになったので、SQLiteなどでは開けなくなったが、しかしBosschertによると、その暗号は自作の簡単なPythonスクリプトで解読できるそうだ。

そのやり方の詳細がここに載っている。

Facebookは今やWhatsAppのオーナーだから、今後数か月以内にはそのセキュリティを改良するだろう。でもそうなるとなおさら、Android自体の問題が際立つ。

Androidでは、多くのアプリがデフォルトではスマートフォン本体への完全なアクセスを許容されており、だからほかのアプリのデータでもアクセスしてどこかへアップロードできる。

これに対してAppleでは、アプリxyzはアプリxyzのデータにしかアクセスできない。だから悪質なデベロッパがダミーのアプリを作って、ほかのアプリのデータを読む、ということはできない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


WhatsAppのダウン後24時間でLineの新規登録ユーザ数(アメリカ/ヨーロッパ)が200万(通常の5倍)を記録

【抄訳】

最大のライバルがFacebookに190億ドルで売れたら、そいつを踏み台にしてでも、騒ぎに乗じて自分を売り出す好機だ。

モバイルメッセージングのプラットホームLineは、WhatsAppのライバルでとくに日本で人気があるが、こちらもグローバルな成長をねらっている。同社の主張によると、最近のWhatsAppの210分のサービス停止の直後24時間で、新たな登録ユーザが200万に達した。

WhatsApp自身も、買収のニュースの直後に新規ユーザが急増してダウンしたのだが、それに対しLINE Euro-AmericasのCEO Jeanie Hanは次のような、WhatsAppへの批判も込めた声明を発表した: “弊社の成長戦略には、ネットワークトラフィックの計画外かつ予想外の増加にも対応できる強力なネットワークを提供することがつねに含まれている”。

“弊社は安全でセキュアなプラットホームを、ユーザがそれをもっとも必要とするときに稼働できる形で提供できることを、誇りとする”、と彼女は敵の不幸を当てこするかのように述べている。

Lineによると、主要市場であるアジアを除いた北米、南米、およびヨーロッパ地区では、一日の新規登録ユーザ数200万は、通常ペース(約40万/日)の約5倍である。

Lineが11月に発表した数字によると、グローバルな登録ユーザ数は3億、今年の達成目標は5億である。最新の登録ユーザ数は3.6億だが、いわゆる月間アクティブユーザ数をLineはこれまで公表していない。対してWhatsAppは最近の月間アクティブユーザ数が4.65億で、一日のアクティブユーザ数は3.3億である。FacebookのMark Zuckerbergは、先日のMobile World Congressにおけるキーノートで、このサービスのアクティブユーザ数は遠からず10億に達する、と述べた。

【後略】

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ドイツ人が大挙してWhatsAppからThreemaへ移行: Facebookの一員になったのでプライバシーが心配

スイスのThreemaは、こうなることを予想しなかっただろう。Süddeutsche紙によると、Threemaのユーザ数は過去24時間で倍増した。今ではドイツのApp Storeで有料部門のトップだ。Threemaが売り物にしている機能は、本格的なエンドツーエンド(end-to-end)の暗号化だ。このサービスのユーザになったドイツ人は、もう二度と、Facebookがオーナーになったあのアプリを使いたいと思わないだろう。

同社のWebサイトは曰く: “今人気の高いメッセージングアプリの多くは、暗号化をしていると称するものですら、外部からメッセージを読むことができる。Threemaでは、サーバを実際に動かしているわれわれ自身ですら、どんなことをしても、あなたのメッセージを読むことはできない”。

WhatsAppもセキュリティの重視を約束しているが、過去にセキュリティホールが見つかったこともある。今ではもちろん、190億ドルで買われてFacebookのものだが、そのFacebookは所詮、広告で稼いでいる企業にすぎない。

Facebookは、WhatsAppブランドの温存を約束している。だから、Facebookの広告をベースとするビジネスモデルには組み込まれず、独立を維持するはずだ。でもドイツのユーザにとっては、約束だけでは十分でない。

ドイツのWhatsAppユーザは約3000万人おり、WhatsAppのヨーロッパ市場の先頭に立っている。この、WhatsAppにとって欠かせないマーケットリーダーに、ユーザ離れの大雪崩(なだれ)が起きようとしているのだ。

Threemaは社員が三人しかいないので、急増したサポートリクエストに圧倒されている。アプリのルックスや使い勝手はWhatsAppに酷似しているが、同社のサービスはサーバのアドミンすら、暗号の鍵を持っていないからメッセージを読むことができない。

ドイツのシュレースヴィヒ-ホルシュタイン州政府のデータ保護コミッショナーThilo Weichertは、WhatsAppが買収されたことによってデータ保護の問題が生ずる、と言っている: “Facebookには何でも見える。何でも筒抜けだ。そしてWhatsApp alsoにも、何でも見える”…彼は地元紙でこう述べている。Weichertは人びとに、利用するサービスは慎重に選べ、とアドバイスしている。しかしそう思っているのは、政府の高官だけではない。1ドル99セント払って新たにThreemaのユーザになった20万人の、80%はドイツの住民だ。

ドイツの首相Angela Merkelの携帯電話は、長年、合衆国の諜報機関から盗聴されていた。今のドイツ人にとっては、プライバシーの侵犯がとても身近で現実的な杞憂だ。これからのWhatsAppは、プライバシー問題にそれほど敏感になってしまっているドイツ人を安心させなければならない。Facebookの傘下であろうがなかろうが、うちのプライバシー保護は完璧、とドイツ人に対して証明する必要があるのだ。

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FacebookのWhatsApp買収、最大の勝者はSequoia。持ち分の価値は30億ドルに

今日(米国時間2/19)Facebookは、190億ドルでWhatsAppを買収したことを発表した。5年間に4.5億人のアクティブユーザーを集めたWhatsAppが大いに賞賛されるのは当然だ。しかし、純粋なベンチャー視点で見ると、この買収はSequoia CapitalおよびパートナーのJim Goetzにとって、またも莫大な成功だった。

アップデート:さらに情報源をあたった結果、WhatsAppの資金調達の歴史とSequiaのかかわりに関する状況がわかった。

WhatsAppが公表している資金調達は、Sequoiaがリードした800万ドルのシリーズAのみだが、同社はその後2度の調達を行っており、未報告の5000万ドルシリーズCラウンドもその一つだ。Sequoiaは両方の追加調達をリードし、数年に渡ってWhatsAppに計約6000万ドルを投資した。その結果総持株は10%台後半まで積み上がったと私は聞いている。

この買収は、ベンチャー資金を受けた企業として史上最大であり、単一ベンチャー利益としても間違いなく今年最大だ。

今日のブログ記事でGoetzは、WhatsAppのファウンダーらと仕事ができたことを光栄に思うと書いている。「それは素晴らしい旅であり、才能がありながら日の目を見なかった若者たちの揺ぎない信念と型破りな働きが、シリコンバレー精神の手本になったことをこの上なく喜んでいる」。

もちろんWhatsAppは、Facebookに買収される前にSequoiaが投資した初めての会社ではない ― Instagramの5000万ドル調達ラウンドを同社が買われるほんの数日前にリードしたのもSequoiaだった。しかし、今回が圧倒的に最大だ。

SequoiaがWhatsAppの20%を保有していると仮定すると、今やその持ち分は現金および株式で30億ドルの価値になる。この買収だけで、初期のWhatsAppへの投資の元になった13億ドルのファンドが、2倍以上になって戻り、同社に対する投資額で考えれば50倍以上の利益となる。

取引発表から数時間後のインタビューで、Goetzは同アプリの国際的アピールを強調した。シリコンバレーでの知名度は低いものの、アプリは全世界のユーザーから莫大な支持を得ている。

「スペインかブラジルに行くと、人口の大部分がWhatsAppで1日に複数回会話している」とGoetzは言った。彼はアプリが米国でも知られるようになることを期待していると言い、現在5億人近いユーザーがいて、遠くない将来10億人に到達するだろうと宣言した。

ユーザー数の伸びと共にエンゲージメントも最大だとGoetzは信じている。そして、WhatsAppが利益を上げている ― しかも数年にわたって ― という事実。「われわれがシリーズAで投資した時、彼らはすでに所得税を払っていた。あの段階の会社としては稀なことだ」と彼は言った。

それはSequioaにとって巨大な成功であると共にく、WhatsAppの買収は奇妙な形でFacebook CEO、Mark Zuckerbergが仕掛けた有名な悪ふざけに対するSequoiaのリベンジと考えることができる。その昔Zuckerbergは、パジャマ姿でSequoiaにWirehogを売り込みに行き、それはSequoiaのパートナー、Michael Moritzが、かつてPlaxoのSean Parkerに対してとった態度への腹いせだと言われている。

驚いたことに、なんとSequoiaはFacebookに投資したことがない。

しかし結局のところSequoiaは、ソーシャルネットワークの巨人で山ほど儲けたようだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


FacebookがWhatsAppを買収した190億ドルを、いろいろ比較してみた

つい先ほとFacebookはWhatsAppを買収したことを発表した。月間アクティブ4.5億人世界的メッセージングプラットフォームで買収金額は190億ドルだった。これは、2001年にHPがCompaqを250億ドルで買収して以来、最大級のIT系買収だ。

つまり、2011年の開業以来比較すれば貧弱ともいえる800万ドルを調達してきたWhatsAppが、今や200億ドル近い価値になったことを意味している。

古き良き日を思い出してほしい。あの誰もが仰天した10億ドルのInstagram買収や、LenovoがMotorola Mobilityを29億ドル買ったことを。

単純な時代だった。

190億ドルのいう金額は、われわれの頭で考えるにはあまりにも大きすぎるので、他のあきれるほど価値のある物、会社、人物と比較してみることにした。

友よ、お楽しみあれ。

190億ドルとは・・・

  • BlackBerryの時価総額の4倍
  • Fordの時価総額の約1/3
  • GroupOnの時価総額の2.8倍
  • Gapの時価総額とほぼ同じ
  • Sonyの時価総額よりやや多い(約10%)
  • Deltaの時価総額の約3/4
  • Mark Cuban、7.5人
  • HPの時価総額のほぼ正確に1/3
  • 原子力潜水艦2隻
  • Twitterの時価総額の62%
  • バージン・ギャラクティックの宇宙旅行7万6000回
  • Sprintの時価総額の約60%
  • Instagramの買収25回

上記の数値は以下のデータに基づいて計算した。買収金額は総額190億ドル相当。これには締結後従業員に与えられる制限付株式を含む。他社の時価総額はGoogle Financeの終値による ― 時間外取引は考慮せず。このようにしてわれわれは、比較対象の公正市場価値と今回の買収総額を比較した。

画像:Shutterstockの写真を元に構成

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


FacebookがWhatsAppに190億ドル注ぎ込んだ理由:ヨーロッパと発展途上市場参入のため

【本稿はJosh ConstineとKim Mai Cutlerの共同執筆】

月間ユーザー4.5億人、新規登録者1日100万人のWhatsAppには、Facebookが国際モバイルメッセージング競争で追い付くためには、あまりにも水をあけられすぎていた。本誌が昨年作った上のグラフを見ればわかる。Facebookは、海外におけるモバイルソーシャルネットワークの要になることを諦めるか、金を頼んでWhatAppがこれ以上大きくなる前に買収するかしかなかった。そして後者を選んだ

Facebookは数週間前の収支会見で、11月に改訂したMessengerアプリの利用が70%増加し、送信メッセージ数も増えていると話した。しかし、その殆どは米国とカナダであると思われる。そこはメッセージングアプリ戦争がまだ決着をみていない。

世界的に見ると、Facebookはメッセンジャー祭りに出遅れついる。Facebookが参入したのは、2011年にBelugaを買収した後のことであり、当時はSMSが極端に弱かったグループメッセージに力点を置いていた。

WhatsAppは2009年、身軽ですっきりして早いモバイルメッセージアプリという正しい焦点と共に登場した。そして、世界のメッセージング市場が驚くほど断片化していた時、WhatsAppは主要な存在を勝ち取ることに成功した ― Facebook Messengerのいない場所で(上のグラフ参照)。

パソコンベースのソーシャルネットワークと異なり、モバイルメッセージングには突出した市場リーダーがいない。それでもWhatsAppは、米国以外のヨーロッパ、インドにおいて完全に市場を支配している。

[アップデート:WhatsAppはいくつかの主要発展途上市場で、Facebookよりはるかに人気が高いことを、Jana Mobileが実施してThe Information(有料サイト)が発表した小規模な調査によるデータが示している。インド、ブラジル、メキシコで、最もよく利用するメッセージングアプリにWhatsAppと答えた回答者は、Facebookと比べて12~64倍だった。いずれもFacebookが必要としている大量ユーザーを抱える大国である。]

またFacebookにとって、例えば中国のメガ巨人Tencentが世界消費者製品として期待するWeChatのような、一部のアジアのライバルを買収することも不可能だ。

このため、WhatsAppがFacebookにとって戦略的興味の対象であったことは明らかで、両社が時折話し合っていたことをわれわれは知っている。

上のマップはOnavoのデータを元にしている。イスラエル拠点の会社で、Facebookが・・・競合情報収集のために買収した。昨年10月にFacebookがOnavoを1億ドル以上で買収したため、それ以降アクティブ利用データは入手できていない。唯一外部者が見ることのできるデータは、アプリストアのランキングだが、これはダウンロード数を示唆するだけで現在の利用量はわからない。

では何が去年起こったのか? WhatsAppは、発展途上市場でFacebookのはるか先を行き、追い付くことが不可能なところまできた。Mark Zuckerbergは今日の投稿で、同アプリがユーザー10億人を達成しようとしていると言っている。

われわれは、Facebookが2~3年前からWhatsApp買収に興味を示していたことを聞いている。2012年に本誌は、FacebookがWhatsAppと買収交渉中であると報じた。しかしこの1年間で、FacebookはWhatsAppとそのチームを手に入れるために必要な額をいくらであっても払うしかないことが明らかになった。

そして、Facebookの問題の答は、結局190億ドルになった。

どうやらこれが、Jan KoumとSequoia Capital(かつてZuckが嫌がらせをしたファンド)の出資者たちが手を打った経緯のようだ。これ以上少しでも待てば、数字は大きくなるばかりだったに違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Facebook、メッセージングサービスのWhatsAppを190億ドルで買収。独立運用を継続

Facebookは、メッセージングアプリの巨人、WhatsAppを現金および株式160億ドルで買収した。規制当局への提出資料による。取引内容は、Facebook株120億ドル、現金40億ドルに加え、従業員引き止めのためにさらに30億ドルがRSU(制限付株)で支払わられる。

同取引には契約解除料が設定されており、もし規制監査で承認されたかった場合、Facebookは現金10億ドルおよび株式10億ドルを支払わなければならない。

Facebookは、公式ブログで買収の背景を詳しく説明している。記事には、WhatsAppが今後も独立運用を継続しブランドも維持すると書かれている。WhatsAppの共同ファウンダー・CEOのJan KoumはFacebookの取締役に就任する。

Facebookによると、WhatsAppの月間アクティブユーザー数(MAU)は4.5億人を越えており、その70%が毎日利用している。さらにFacebookは、WhatsAppのメッセージ量は、全世界通信業界のSMSの通信量に迫っており、毎日100万人ずつユーザーが増えているという驚きの数字を発表した。

「WhatsAppは、10億人の人々をつなぐ道中にいる。この節目に達するサービスには驚くほどの価値がある」と、Facebookのファウンダー・CEO、Mark Zuckerbergが声明で語った。
「WhatsAppは世界中にあらゆる選択肢を持っていた」と、Zuckerbergは自身のFacebookページへの投稿に書いた。「だから彼らがわれわれを選んだことに私は感動した。FacebookとWhatsAppが一緒に何かをすること、すばらしい新モバイルサービスを作って人々がつながるための選択肢をさらに増やすことを楽しみにしている。Janのとは以前から知り合いで、世界をオープンでつながったものにする、というビジョンを共有していることもわかっていた。JanがFacebook取締役会に加わり、私と共にFacebookとWhatsAppの未来を作ることに同意してくれたことを、ことさら喜んでいる。」

WhatsAppの共同ファウンダー・CEO、Jan Koumは、「WhatsAppの極めて高いユーザーエンゲージメントと急成長は、われわれが提供するシンプルかつ強力で即時性のあるメッセージ能力が後押ししている」と語った。

Facebookは、今回のWhatsAppとの取引の進め方について、Instagramとの取引を手本にしたことを具体的に明かした。

Facebookは、独立志向の起業家が会社を作り、独自の方針を決め、成長に集中しながら、Facebookの専門知識、リソース、スケールの恩恵に預かることのできる環境を育んでいる。このアプローチはInstagramで非常にうまく働いており、WhatsAppも同じように運営するつもりだ。WhatsAppのブランドは維持される。同社の本社はカリフォルニア州マウンテンビューに残り、Jan KoumはFacebookの取締役会に加わる。WhatsAppの中核メッセージングサービスと、Facebookの既存アプリであるMessengerは、引き続き独立アプリとして動作する。

WhatsAppの公式ブログで、Koumが詳細を説明している。

私たちのユーザーにとって変わることは、何もない。

WhatsAppは今後も自主的に、独立して運営していく。今後もわずかな費用でサービスを楽しんでいただける。これからもWhatsAppは、世界のどこにいても、どのスマートフォンを使っていても使い続けることができる。そして、会話が広告に邪魔されることは一切ないことも約束する。もし、われわれの会社を定義づける基本原理やビジョン、サービスに関して妥協する必要があったなら、両社の提携はあり得なかった。

「広告無し」に関する指摘は興味深い。明らかにそれはFacebookがメインプラットフォーム ― そして今Instagram ― を収益化する主要な方法だ。WhatsAppは、定期使用料金も維持する。金額は最初の1年経過以降、1ユーザー当たり「年間1ドル」だ。

WhatsAppの投資家であるSequoiaも、この買収に関していくつか情報を掲載している。具体的には、その非常に高い評価額について。Sequoiaは、WhatsAppaには技術者が32名しかいないことを指摘している ― 技術者1名あたりユーザー数は1400万人。同サービスは7つのプラットフォームで1日当たり500億メッセージを処理している。

上の画像は、Koumが自分のデスクの前に貼っているメモで、この会社の目標が「集中できるメッセージング体験」であることを説明している。SequoiaのJim Goetsは、ファウンダーであるKoumが共産主義国で育ったことが、彼のWhatsApp開発方法に影響を与えていると語る。

「Janの子供時代は、盗聴や録音をされないコミュニケーションの価値を彼に教えた。16歳の時に生活保護で暮らす移民として米国に来た時、ロシアとウクライナの家族と連絡を取り続けたいという強い動機付けが彼に生まれた。Janが、良き師Brianと共にYahooで数年間働いた後WhatsAppを作り始めた時、彼の頭の中はそのことで一杯だった」とGoetzは言う。

Goetsはさらに、4.5億人というユーザー数と、マーケティングに費した金額は文字通り「0ドル」であり、広報担当者やマーケターも雇っていないことを明かした。その成長は、すべてユーザーから来ている。

WhatsAppは全体で50人程度の従業員しか雇っていない。技術者32名ということは、技術者1人当たり5億ドルの計算になる。

現在Facebookは、モバイル日間アクティブユーザー(DAU)5.56億人を謳っているが、WhatsApp単独ですでにその半数を越える3.5億人のDAUを持つ。FacebookがWhatsAppを買う理由で一つはっきりしているのは、その全世界の広がりだ ― 1枚の非常に説得力あるグラフが示している。TechCrunchは、FacebookとWhatsAppの間で不成功に終った買収交渉があったことを、2012年終り頃に聞いている。

Facebookは現在、時間外取引で株価を下げている

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


メッセージングアプリは新しいタイプのソーシャルネットワーク。米国外で急成長

テク系スタートアップの現状に対する、投資家Chamath Palihapitiyaの懐疑的コメント(Snapchatに関する辛辣なコメントを含む)は、先週行われた本誌主催のDisrupt NYで多くの議論を呼んだ。私が舞台裏でSequoia CapitalのパートナーAaref Hilalyをインタビューした際にも、Palihapitiyaの意見はHilalyのメッセージアプリに対するコメントの呼び水となった。Sequoiaが投資しているWhatsAppも話題に上った:

かなり大きい変化が起きている。WhatsAppのような会社はわれわれにソーシャルネットワークを再考させる。例えば、真のソーシャルグラフとは何か? 連絡を取り合って一緒に時間を過ごす人々のことなのか、それともFacebookの殆ど知らない100人のことなのか。前者であることは明確であり、それを掴んでいるのがWhatsAppのようなモバイルメッセージングアプリだとわれわれは考えている。

続けてHilalyはWhatsAppの成長(1日のメッセージが200億件と言われている)とデザインを賛美したが、他にも、特に海外に目を向けると良くやっている会社が多いと付け加えた。利用状況には世代ギャップがあるのではと尋ねたところ(私が年をとりすぎているかという質問でもある)、Hilaryは「世代と地理的」隔りがあると答えた。

「多くのメッセージングアプリは米国外で牽引力を持っている。米国内でも人気だが、外国では人々がメッセージングアプリに〈依存〉している。世代、地理両方の要因が、他の大きなトレンドと比べて世界が気付くのを遅らせていると思う」

ビデオでは、Hilalyがスタートアップ世界からベンチャーキャピタルに移ったことや、Sequoiaとの関わりについてもを聞くことができる。

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(翻訳:Nob Takahashi)


「WhatsAppの月間アクティブ・ユーザーは2億人超、Twitterより大きい」とCEOが発表―毎日受信80億通、発信120億通

スマートフォン向けメッセンジャーのWhatsAppのCEO、Jan Koumが今日(米国時間4/16)、ニューヨークで開催中のAllThingsD Dive Into Mobileカンファレンスに登壇し、「われわれのアプリは月刊アクティブ・ユーザー数でTwitterを抜いた」と語った。ただし「2億人以上」というだけで具体的な数字は明らかにしなかった。

Koumはまたこのアプリが毎日受信するメッセージは80億通、発信するメッセージは120億通だと述べた〔原文には「1200万通」とあるが誤植〕。 Whatsappのエンジニアは50人で、常勤エンジニア1人あたりのアクティブのユーザーの数としてはあらゆるテクノロジー企業中で最高だという。

Twitterは去年の12月に、月間アクティブ・ユーザー数を2億人と発表している。一方、WhatsAppは今年の1月に毎日70億通のメッセージを受信していると発表した。この2つの数字を比べるのはリンゴとミカンを比べるようなきらいがあった。しかし最近の調査によると、若い世代はFacebookやTwitterなど既成のソーシャル・ツールに関心を失いつつあり、代わりにWhatsAppのようなリアルタイム・メディアが人気を得ている。

Koumは「最近、年間料金0.99の有料化に踏み切ったにもかかわらず、ユーザー数やユーザーの活動に落ち込みは一切見られなかった」と述べた。つまり現在のところWhatsAppはユーザー数、ユーザー活動、売上すべてが増大するという理想的な状態にある。Koumは「買収提案を受け入れることはまったく考えていない」と断言した。この状況ではそれも当然だろう。〔日本語Android版、日本語iOS版

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+