Wi-Fiの規格の次のバージョンはWi-Fi 6になる、802.11xxより分かりやすいというが?

Wi-Fiのプロトコルに長年、802.11ab、802.11nなどの、IEEEが定義した耳に心地よい〔皮肉!〕名前をつけてきたWi-Fi Allianceがついに、数字や文字が多すぎると判断して、方針を変えた。どう変えたのか? Wi-Fiの次のバージョンはWi-Fi 6になる。これを好きになれない人は、喘そ・そ・そ息が悪化するだろう。

Wi-Fi AllianceのCEO Edgar Figueroaがプレスリリースで言っている: “20年近くWi-Fiユーザーは、自分のデバイスがWi-Fiの最新規格をサポートしているか知るために、因習的な技術用語を理解する必要があった。このたびWi-Fi 6をご提示できることは、Wi-Fi Allianceにとっても喜びであり、この新しい命名法によって業界とWi-Fiユーザーの両者が、特定のデバイスや接続がサポートしているWi-Fiのジェネレーションを容易に理解できるようになると思われる”。

Wi-Fi 6は実際には802.11axであり、802.11acの改良バージョンだ。その名目上のデータレートは、Wikipediaによると、IEEE 802.11acより“37%高く、細部の修正によりスペクトルの利用効率が良くなったのでユーザースループットは4倍の増加を達成した”。5GHzのストリームを8つと2.4GHzのストリームを4つ同時に流せる。

6に加えてこれからは、802.11acはWi-Fi 5、802.11nはWi-Fi 4と呼ばれることになる。デバイスはジェネレーションで公式に認定され、最初のWi-Fi 6デバイスが登場するのは2019年になる。でも、今からすでに802.11の命名法に別れを告げて、Wi-Fiの混乱に早めに対応した方が良いだろう。

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ダ大の研究者たちがアルミフォイルがWi-Fiルーターの出力を強化/制御できることを発見

ダートマス大学の研究者たちが、3Dプリントで作った形状をアルミフォイルで包んだものが、ワイヤレスの圏域を拡大しWi-Fiのセキュリティを増強することを見つけた。Eurekalertに載ったこのプロジェクトは、Wi-Fiのルーターのアンテナの上やまわりに反射板を置き、ビームを作ってレンジを増し、またその電波が通ってもよい空間を指定できる。

ダートマスの助教授Xia Zhouはこう述べている: “わずか35ドルの投資と、カバー範囲(カバレッジ)の指定により、手作りのワイヤレス反射板が何千ドルもするアンテナよりも、すごいはたらきをする”。

彼らのペーパーの中でZhouと彼の仲間たちはさまざまな形の指向性アンテナをテストし、またソーダ飲料の空き缶をルーターの背後に置いて電波の方向をターゲットに向ける、といった思いつき的なことも試みている。何度かの試行ののち彼らは、いくつかの部屋でWi-Fiの感度を高める形状にたどり着いた。そして次に彼らはその、Wi-Fiのカバー範囲とセキュリティを良くする形状を正確に3DプリントするWiPrintというプログラムを作った。次にすることは、その形状をアルミフォイルで包むだけだ。

チームは、その反射板(リフレクター)が正確な形のビームを作り、Wi-Fiがよく届く空間と、そうでない空間を作り出すことを見つけた。それによって、セキュリティとカバレッジを増すことができる。たとえば、ビームが窓から外へは出て行かないが、近くの部屋では強い、というふうにもできる。

そのソフトウェアはまだリリースされていないが、やっぱりきみのおじいちゃんは正しかったね。アルミフォイルとアンテナは相性が良いのだよ。

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二台のドローンとWi-Fi信号で厚い壁の中の状況を3D画像化できる、Google Tangoも活躍

カリフォルニア大学サンタバーバラ校の研究者Yasamin MostofiとChitra R. Karanamが作ったシステムは、二台のドローンと大きなWi-Fiアンテナと、少々の補間計算によって、厚い壁を透視できる。

このシステムは二台のドローンの共同作業で、片方が構造物へWi-Fiを照射し、他方がその信号を拾う。そして二台はその構造物の周囲を飛びながら、各地点で信号の強度の違いを記録していく。そうすると、その情報から閉じた建物の3Dモデルを作れる。

下のビデオでは、ドローンたちがレンガの構造物の回りのんびりと飛んでいる。彼らにその内部は見えない。電波がレンガを貫通し、壁の向こう側にある別の構造物を通過すると、信号が変わる。何度かそのデータを計測したあとで、ドローンたちは構造物の全体を高い解像度で図像化し始める。

“われわれが提案しているやり方では、無人航空機がWi-Fiの信号だけで壁を3Dで透視し、詳細な画像を作れる”、とMostofiは語る。“利用するのはWi-FiのRSSIだけで、事前の測定などはいっさい行わない。また画像を作るためにオブジェクトを動かす必要もない”。

最初はオブジェクトの2Dのモデルを作ったが、すぐに3Dにアップグレードできた。使用したのはシンプルなWi-FiルーターやGoogle Tangoを実装したタブレットなど、一般市販のデバイスだ。受信側は、Raspberry PiとWi-Fiカードを使っている。二台のドローンは対話しながら自力で行動する。

壁の向こうに見えるものは、映画「プレデター」のような像ではないが、でも災害などの緊急時には、ドアをぶち破らなくても建物の中を知ることができる。研究者たちは、考古学の調査にも使えるはず、と言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

米運輸省、2023年までに全新規車両の「車-車間通信」を義務化

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幹線道路交通安全局 (NHTSA)が最近公開した規定案は、全新規車両にV2V(車-車間)通信機能の塔載を義務付けている。これはまだ正式な要件ではないが、もし2019年(この種の規則でよくある期限)に発効すれば、自動車メーカーは今後数年をかけて自社車両にシステムを組み込み、新車がすべて通信可能にならなければならない2023年までに準備を整えることができる。

規則が要求しているのはシステムを塔載することだけではない。車同士でやり取りするメッセージも標準化している。そしてみんなが期待している通り、規則には山ほどの略語が使われている。路上の各車両は専用狭域通信(DSRC)ユニットを備え、基本安全メッセージ(BSM)を送信する。

BSMは文字通り基本的で、速度、ブレーキ状態、方向等のデータからなる。プライベートな情報はなく、規定案には「NHTSAはプライバシーの懸念を軽減するために一部のデータ要素を意図的に不要としている」と明確に書かれている。システムの目的は全車両が同じ言語を用い短いメッセージをやりとりすることにある。

規定案には、セキュリティーおよびソフトウェアのアップデートを無線で受けられるという要求も盛り込まれている。ただし「消費者の同意があり…適切である場合」だ。さらにNHTSAは、車両のV2Vモジュールと他の通信機能との間にファイアウォールを設置し、ろくでなしが他のシステムをアクセスすることを防いでいる。

これはV2Vが単独で動くという意味ではない。車両は受信した情報を他の車載センサーや緊急自動ブレーキ等の安全システムで利用すべきであることを、規則は明確に謳っている。NHTSAは車両が集団で通信することで、各車のセンサーやDSRCメッセージの能力を越えて助け合うことの利益も強調している。

テクノロジーが既にその方向に進んでいるとき、なぜ公式規則を作る必要があるのか?政府はV2Vテクノロジーが十分速く進展していないと考えているからだ。「政府の行動がなければ、様々な障壁が、将来有望な安全技術が広く普及して多くの利益を生むことを妨げる恐れがある」と規定案に書かれている。

またNHTSAは、生命を救うかもしれないこの安全技術を義務化しなけれは、車の購入者は導入しないかもしれないと指摘する。V2Vから受ける安全の恩恵が、十分多くの人々が買わなければ受けられないなら、消費者は自分も買わないかもしれない。だからNHTSAは全員を安全にしようとしている。好むと好まざるによらず。

V2Vの専門知識がありこの話題について強い意見を持っている人は、2017年4月12日までに規定案に対して意見を述べられる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ニューヨークの地下鉄が通勤客に無料のeブックとWi-Fiを提供

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列車内Wi-Fiのさらなる増設整備を予定しているニューヨーク広域圏交通局(MTA)は、その宣伝も兼ねて、大手出版Penguin Random Houseと提携して、通勤の時間帯にeブックと記事を提供することになった。このプロジェクトは、昨年ロンドンでローンチしたものとほぼ同じである。なおこれは、“列車内コオロギ600匹ばらまき事件”と同列の行為ではないので、誤解しないように〔ジョーク〕。

The Digital Readerによると、クオモ州知事もこのプロジェクトには乗り気だ。“ニューヨークの交通機関は継続的に、乗客のニーズに対応していく必要がある。そしてその重要な部分は、日常生活の不可欠な要素になっているアメニティを提供していくことだ”、と彼は語っている。“地下鉄駅にWi-Fiを導入することは、乗客が通勤時間中にもインターネットに接続できることを意味し、それにより、彼らが友だちや家族に連絡したり、ニュースやエンターテイメントに接したりできるようになる。われわれはそのシステムの現代化に向けて、すでに大きな進歩を達成しており、今度の新しい企画Subway Reads(地下鉄読書)は、乗客に新しいWi-Fi体験を、楽しく提供していく方法になる”。

Transit Wirelessと呼ばれるこの地下鉄Wi-Fiは、乗客にKindle Firesを無料で提供し、それに向けて175篇の短編と、長編作品の章を提供する。地下鉄を降りて地上に出ても、読書を続けられる。

でもなぜ、広域圏交通局は、ここまでして無料のWi-Fiを宣伝する必要があるのだろうか。“Free Wi-Fi”(無料Wi-Fi)というポスターや表示だけで、十分ではないか。でもeブックの提供は立ち上げ記念行事としてはうまいやり方だし、この前の地下鉄内の変人発見(地下鉄内の目立ちたがり屋たち)よりは、ずっとましである〔これもジョーク〕。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Wi-Fiのセットアップが楽しいという、ありえないことをやってのける家庭内ルータLuma

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Wi-fiのセットアップなんて、とても簡単だ〔皮肉〕。まず、家の中にルータを置くスペースを見つける。無線技術の専門家チームに頼んでデッドスポットがないことを確認する(あったら場所を変える)。次にプロのITチームに来てもらってセキュリティやISPのQoSを管理する。終わったら裏庭のパティオで接続を試み、ピクニックテーブルでYouTubeを見れないことを発見する。〔以上はすべて皮肉〕

こういった問題を解決するためにDr. Paul JudgeとMike Van BruinisseはLumaを作った。この小さなWi-Fiホットスポットは“サラウンドサウンド”のような方法で機器を接続するから、家の中にデッドスポットが生じない。一台99ドル、3つで249ドル、今、予約を受け付けている。この前のGoogleの製品と同じく、特別仕様でお利口なWi-Fiルータは、今の時代にうってつけだ。

このデバイスには子を思う親のための機能もついていて、特定のデバイスをいつでもシャットダウンできる。ほかのLumaたちとプライベートなメッシュネットワークで接続できるから、家全体を巨大なホットスポットにしてしまえる。

Lumaは、Felicis Venturesがリードし、Base Ventures、BIP Capital、Relay Ventures、Hans Robertson(Merakiの協同ファウンダ)、Jed York(49ersのCEO)らが参加したラウンドで350万ドルを調達した。

“Wi-Fiのカバレッジという問題への答は、大企業がやっているようなメッシュネットワークだ”、とJudgeは語る。“Lumaでは親が子のインターネットアクセスをコントロールできるし、今何を見ているかが分かる。サイバーセキュリティもある。スピードと安全性とセキュリティ、この三つが揃ったWi-Fiルータは世界初だ”。

Judgeはこの小さな箱にたくさんの脳力を詰め込んだ。

“メッシュネットワーキングがあり、コンテンツ・フィルタがあり、モバイルデバイスの管理機能があり、かわいいルックスのわりには強力なサイバーセキュリティ機能がある。Bluetoothでアプリと通信できるから、家の中のベストの場所を見つけることもできる。メッシュネットワークはワイヤレスだから、家全体をカバーできる。トラフィックのパターンやネットワークの妨害要素を教えてくれるし、自動的な自己調整や再構成機能でパフォーマンスをつねに最適に保てる”。

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発売は来年だが、今の予約価格は50%引きだ。Best BuyのTCP/IP and Wireless Expert Lab(というものはないと思うが)まで足を運ばなくても、この製品が大きな家に住ん Wi-Fiのトラブルの多い人のBest Buyであることは、誰でも分かる。

 
 

関連記事(同じくメッシュネットワークによるWi-Fiルータ)。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。