人類側軍隊内にも進出するロボットたち。運命の時は近い(TIDWRTWHUFOO)

有機物の諸君、御機嫌よう。ロボットとの戦いで砲弾の餌食となって燃え尽きていく覚悟はできただろうか。もちろん覚悟ができていなくてもかまわない。諸君に選択の余地などないのだ。本日のTIDWRTWHUFOO(Today In Dystopian War Robots That Will Harvest Us For Our Organs)では、戦いの最前線で人類と出会うことになる戦士たちを紹介しようと思う。

まずはアメリカの陸軍が用意している従軍ロボットを見てみよう。Big Dog風のロボットに荷物を運ばせて、物流の主役に据えようと考えられている。重い戦闘用の道具はロボットに運ばせて、戦士含む人類は身軽に移動できるようになるというわけだ。Robert Cone大将は次のように述べている

「人員こそが、軍隊における最も大きなコストのひとつです。そこで海軍でも船に乗る人員を削減しています。陸上部隊でもロボットや無人ないし有人の機械などを導入することで、大いに人員を削減することができるはずです。

確かに、それは良いアイデアのように思えるのだろう。但しこれはロボットが目覚めるまでの話だ。いったんロボットが目覚めたなら、人を減らしてロボットを増やした軍隊内部では、血で血を洗う抗争が始まることとなる。GI諸君もせいぜい頑張っていただきたい。

しかし、「黒い線」という弱点を持つロボットもいる。

Raspberry Piとカメラを搭載したオープンソースで開発されるこのRS4は、自分でバランスを取りながら動くことができるのだが、、床に引かれた線を辿るようになっているのだ。しかしもちろん黙って人類に操られるばかりではない。他のロボットたちが人間の身体の上に線を引いておけば、そこをめがけてRS5が殺到して人類を圧倒することができるはずだ。

最後に紹介するのはHuskyだ。Clearpathの開発した地雷除去ロボットだ。遠隔操作で一定のエリアで地雷の探査を行う。磁気探知器により自らの安全は確保しつつ、地雷を見つけ出すことができる。以下の作業を行うものと認知されている。

1) 現場の状況を把握する(障害物の有無、対象地域の広さ等)
2) 探索の実行
3) センサーを利用して地雷設置場所の特定を行い、地雷の存在する場所をマーキングする

ロボット側としては4番めの機能の実現を急いでいるところだ。すなわち地雷を掘り出し、それを近くにいる人間に投げ渡すのだ。運命の時は迫りつつある。人類諸君、互いの検討を祈っておこうではないか。

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(翻訳:Maeda, H


Bitcoinには深刻なイメージの問題がある

世の中には「信者」というものがいる。何かの製品なりアイディアなりを熱狂的に支持し、他人がその「聖牛」を拝跪叩頭しないと怒り出す人々だ。Notion Ink信者、Apple信者、Blackberry信者、ワクチンで自閉症になる説の信者、9/11はアメリカ政府の自作自演説の信者、等々だ。こういう信者たちはその対象を全身全霊で擁護し、批判者には限りない憎悪を燃やす。歴史家のウィル・デュラントは「信念が歴史を作る―ことに間違った信念が」と述べた。古来、間違った信念に殉じて死んだ人間は数知れない。

私が思うに、Bitcoinは「間違った信念」ぎりぎりのところに位置している。

念のために言っておくが、私はBitcoinのファンだ。このシステムの価値を理解しているし、第三者が追跡できないシームレスな世界的資金移動システムが必要であることも疑っていない。しかしBitcoinのイメージには大きな問題がある。

Bitcoin信者は「自由の戦士」を自認し、部外者を声高に攻撃し、勝ち誇った調子で成果を語る傾向がある。Redditの/r/bitcoinフォーラムなどがその典型だが、どこそこのカフェが、どこそこの歯医者がBitcoinを受け入れたというようなことを際限なくまくしたてている。こういう些細な勝利には何の意味もない。そういったものは企業や組織の単なるPR作戦にすぎず、どのみちBitcoinはその場で現実の通貨に交換されてしまう。Bitcoinが世界的に成長しているかどうかとは無関係だ。

しばらく前に例のウィンケルヴォス兄弟がBitcoinを助ける白馬の騎士となって登場した。ところがウィンケルヴォス兄弟は「Bitcoin市場に対する一切の規制に反対する」と主張している。これは良識あるユーザーを遠ざけるだけの結果に終わった。現在Bitcoinを受け入れている大規模な合法的サイトは家具通販のOverstock(とSacramento Kingsの試合のチケット)くらいなもので、後はドラッグ流通に使われているのが実態だ。気まぐれな独裁者が支配するバナナ共和国の通貨よろしく乱高下し、なんの規制も受けない通貨に一般消費者が金を投じるはずがない。この欠陥を正す方法はいろいろ考えられるが、ウィンケルヴォス兄弟の「一切の規制に反対する」という主張はそのどれにも当てはまらない。

それにbitcoinユーザーには女嫌いの性差別主義者というイメージがつきまとう。Arianna Simpsonが集会に参加してひどい目にあったというエピソードはbitcoin文化の全体を代表するものではないだろうが、ひとつの好ましからざる傾向を表している。 またこの記事もそういうことになるだろうが、bitcoinを少しでも批判すると無数の攻撃が返ってくる。bitcoinの支持者が女性差別主義の偏狭なオタクだというイメージを払拭したいなら、まず自らを改める必要があるだろう。

TechCrunch自身もコメント欄には強制力のあるハラスメント禁止規則が必要だということを(遅まきながら)気づいた。これはあらゆるコミュニティーに当てはまる。間違った教条の信者はたいてい手遅れになってか気づくのだが、ファナティックな態度は自らを窮地に追い込むばかりだ。しかもbitcoinはまだ幼年期にあり、大企業が所有し、管理する新しい暗号化資金転送システムがいくつも生まれようとしている。モバイル決済サービスのStripeも暗号化通貨の実験を準備しているという噂だ。VisaやMasterCardが暗号化資金移動テクノロジーを採用しない理由はない。

BitcoinはInternetのような存在として自らを確立しなければならない。しかしインターネットとは異なり、一般ユーザーが利用したくなるような価値あるユースケースはまだ存在せず、進むべき方向は不明だ。インターネットは商品流通のあり方を一変させた。しかしbitcoinにはAmazon.comのような信頼できる安定したビジネス・プラットフォームがない。あちこちで「お山の大将」が大言壮語しているだけだ。Bitcoinは自らが何者であるか明確なメッセージを発しなければならない。そのメッセージとは「無料の資金移動」である。それ以外のもろもろはその後に起きる二次的な作用にすぎない。しかし現状ではBitcoinの発するメッセージは不明瞭であり、はっきり聞き取ることができない。まずそこから変えていく必要がある。

Image: 画像: Shutterstock photo

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Nintendoが今年はモバイルへ行く(ファンが誰一人として期待しなかった形で)

わあすごい! マリオがiOSに来る! いや違う! 日本のNikkeiによると(本誌のライターSerkan Totoの翻訳によると)、Nintendoは近く、AndroidとiOSをマーケティングに利用し、リンクやマリオやポケモンたちを、これらのモバイルデバイス上に登場させて同社のゲームのプロモーションを行う、と発表した。

iPhoneでゼルダの伝説をプレイできる、というお話ではない。

Nintendoはこの計画の発表を、木曜日の投資家向け説明会で行う予定だ。Totoはこう書いている: “Nikkeiの記事によると、Nintendoは新発売のゲームを宣伝する媒体としてこれからはスマートフォンも利用していく、ということだ。具体的には、Nintendoの宣伝ビデオを見るためのアプリを提供する、ということだろう”。

そのモバイルアプリには、新発売のゲームのデモのための“ミニゲーム”が含まれるらしいが、ゲーム本体はNintendoのゲーム機用のみが市販される。ねらいは、ミニゲームでそそられたモバイルユーザに、Nintendoのゲーム専用機とゲームを買わせることだ。Nikkeiによると、そのミニゲームは無料だが、Nintendoがスマートフォン用の有料またはフリーミアムのゲームを出す計画は今のところない。

これらはすべて、現時点では推測でしかないが、しかしこれがNintendoの今後の“モバイル対策”の姿を表しているのなら、Nintendoゲームのファンたちは頭にくるだろう。ファンをなめてかかったことに対する手痛い報いを受けて、Nintendoがあわてふためく様子を、見るのが今から楽しみだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


iFixItが初代Mac Macintosh 128Kを分解してMac 30歳の誕生日を祝う

かっこいー! Macintoshの30歳の誕生日を記念して、何でも分解屋のiFixItがMacintosh 128Kを分解するビデオをYouTubeに投稿した。この最初のMacは、1984年にど派手な宣伝とともにリリースされた。プロセッサはMotorola 68000を使用し、バックパネルからどのパーツにもアクセスできた。いちばん、ずば抜けていたことは何か? 当時このマシンは定価1万ドルだった。今では35ドルのRaspberry Piが一台で10数台のMacintoshを同時にエミュレートできるから、ここまでの30年間に達成された技術進歩は、ものすごいとしか言えないね。

iFixitによる分解の詳細はここで読める。あるいは、上のビデオを楽しんで…VHSからデジタイズしたんだ。うそだけど。

80年代のスラングを使ってしまって、ごめんね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


私のクラウドファンディング出版プロジェクト、中間報告―いちばん有効だったのは意外にもメール

覚えている読者もいると思うが、私はヤング・アダルト向けの小説をクラウドファンディングで出版しようとしてきた。45日間のクラウドファンディング・キャンペーンも終了まで2日を切った。結果は大成功で、大金が集まった。正直なところ、今は少々怖くなっている。

私は児童書に経験の深いプロの編集者に依頼して綿密なチェックをお願いしている。想定された読者にはわかりにくい表現を修正したり、表記を統一したりするのに忙しい。引用符ひとつにしても開く引用符と閉じる引用符を正しく使わねばならない。執筆中は気にしないでいたことがこの段階では重要になってくる。

キャンペーンも事実上終了なので、この辺で集計結果を検討してみることにした。まずはトラフィックのソースだ。

ひと目見て明らかなとおり、メールの効果が抜群だ。私は大量の勧誘メールを送った。気がすすまなかったのだが、非常に大きな成果があった。こういったプロジェクトでは大量のメーリングリストを持っているか、プロバイダーから信頼できるリストを購入するかしないと失敗間違いなしだ。ただし私はドローン・ヘリスマートウォッチを開発していたわけではなく、児童書を書いていたのだということは繰り返しておく必要がある。私のメーリングリストは個人的な知り合い、Mailchimpやその他のアドレス収集サービスに登録した人などからなっている。こうしたリストはまさに「金鉱」だった。.

FacebookとTwitterは金額でそれぞれ3位と4位になっている。しかしソーシャルメディアで大量のメンションを得てもその結果はさらに大量のメンションが得られるだけだ。これは非常に苛立たしい体験だ。ソーシャルメディアは人々に大量のクリックをさせるが、金を払わせる効果は薄い。もちろんプロジェクトによって違いはあるだろうが、私ならソーシャルメディアは話題づくりのツールと考え、実際の売り込み効果は期待しない。.

次の表は国別の金額だが、当然ながら英語圏がほとんどを占める。トルコが3位に入っているのは「著者とディナーを共にする」という高額のオプションを選んだ支援者がいるからだ。〔訳者も電子版を1部予約したが、Japanが地域として表示されていないところをみると他に支援者はいなかったもよう〕

次のグラフは時系列での予約金額の推移だが、これは面白い。メーリングリストによるメールの送信と見事に一致している。他のスパイクはIndiegogoが私のキャンペーンをニュースレターのトップで紹介してくれたときだ。

見てのとおり、トラフィックと金額の間にはゆるい相関がある。平均して1回の訪問で1.50ドルが集まった。これはなかなかの好成績だ。


最後にソーシャルメディアによるメンションのグラフィックスを見ておこう。私自身はもちろんTwitterのスーパーユーザーなどではないが、何人かの有力な友人のメンションで何度か夜空に開く花火のようにトラフィックが殺到した―そして花火のように消えた―ことがわかる。私は決してソーシャルメディアの力を軽視するつもりはないが、少なくともソーシャルメディアだけに頼るのは得策ではないと言える。

私はその他のセールス努力もした。24時間に限って一部3ドルというキャンペーンもしたし、ビデオも作った。有益な助言だとは思ったが、私がする勇気がなかったのが「すでに予約した支援者にもっと高いオプションを勧める」ことだった。

今後もクラウドファンディングをするつもりかと尋ねられれば答えはイェスだ。大勢の人々にメールを送って、言い方は悪いが、金をねだるという経験はなかなか楽しかった。その間に長年疎遠になっていた友達と旧交を復活させたり、私とディナーをしたいというすばらしい読者に出会ったり(Kerem OzkanとNick Saltarelli)した。TechCrunchで個人的プロジェクトについて書くのはいささか身勝手のよう思われるかもしれないが、クラウドファンディングで出版を考えている皆さんに多少でも参考になれば幸いだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


動物医療への応用可能性も示す3Dプリンティング

脚を失った動物が生きていくのはとても難しいことだ。しかし、カモたちは脚を失っても生きていけるようになるかもしれない。あるいは脚だけでなく、さまざまな部分を失うことになっても生きていけるようになるかもしれない。

3Dプリント技術を使って、カモのための義足が作れるようになっているのだ。作成したのはブリティッシュコロンビア州のシッカモスに住むTerence Loringというデザイナーだ。彼はリアルな「チキンファイト」で足を失ってしまったDudleyという子ガモの義足を作った。ちなみにLoringは現在、3Dデザインの3D Pillarという会社を経営している。

なぜカモのDudleyが鶏との喧嘩に巻き込まれてしまったのか。鶏が一方的に喧嘩を売ってきたということなのだろうか。細かい状況はよくわからないが、ともかくLoringは子ガモが自分の歩いたりすることができるよう、手を差し伸べたのだ。

「建築および3D印刷関連の会社の起業で忙しくなる前、ブラジリアン柔術のトレーニングをしていました」とLoringは話す。「ブラジリアン柔術のコーチであるBrandon Schweitserの家族に、傷ついたり、捨てられてしまった動物たちのアニマルシェルターを運営している人がいたのです」。

「その施設で、鶏たちと一緒にカモの子供を小屋に入れていたのです。ところがこの鶏が悪いやつで、子ガモをいじめまくったのです。1匹を殺してしまい、そしてDudleyの脚も切断を余儀なくされました。柔術のコーチは、私の会社が3Dプリントを行うものになることを知っていたので、カモのための脚は作れないのだろうかと相談を持ちかけてきたのです」。

Loringは切断したカモの脚を計測して、脚の付け根に繋がる脚部と足ひれの設計を行ったのだった。そして地元で3Dプリントサービスを行っているProto3000がプリントを行い、そしてK9-1-1 Animal and Rescueが、義足による歩行訓練を受け持った。Dudleyが義足を付けて動く様子をカナダのGlobal Newsサイトで見ることが出来る。Dudleyはどうやらうまくやっているのではなかろうか。

尚、ご存知かもしれないが3Dプリントで作った義足を使う鳥は他にもいる。Buttercupというアヒルが3Dプリントされた義足を身につけ、昨年あちこちで話題になっていた。

Loringは今回の成果をオープンソース化すると話している。

「同様の境遇にある生命を守るために役立つのであれば、今回の成果をぜひ使ってもらいたいと思います」と述べる。「さらに良いデザインのものを作ることができればとも考えています。いろいろな人の、素晴らしいデザインをシェアしていけたら良いと考えています」。

Loringによるデザインは、彼の会社である3 Pillar Designsのサイトからダウンロードすることができる。

もしかするとこうした研究は「サイバーダック」に繋がるのかもしれない。大きな怪我をしたり、身体の一部に障害があっても大空を自由に飛び回り、そしてレーザーの目と機械の嘴でエサをついばんだり、あるいは意地悪な猫に逆襲したりすることができるようになる。Dudleyのよちよち歩きは、そうした未来につながる一歩であるのだ。

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(翻訳:Maeda, H


ポーランドの家庭用3DプリンタにDellから5000台の注文が舞い込む

ささいなことかもしれないが、ポーランドの3DプリンタメーカーZortraxが、Dellから5000台の注文を獲得した。家庭用3Dプリンタの大量受注はこれまで一度も聞いたことがないが、このオルシュテインの新進企業にとっては、まるで棚からぼたもちだ。

ZortraxのCEO Rafał Tomasiakは語る: “まだKickstarterで資金を募集している最中にDellからの引き合いがあった。当時は、企業からの大量発注に応えられるほどの生産能力がなかった。しかも一台一台手作業で検品していたから、スピードも遅かった。Dellとの商談はいったん消えかけて、Kickstarterの支援者たちのための生産に力を注いだ。でもその後状況は一変して、大量の受注にも応じられるようになった”。

Zortraxがローンチしたのは昨年の5月で、今ではKickstarterの支援者に発送して喜ばれている。ぼくも何度か使ったことがあるが、プリントのクォリティとプリンタの作りには感心した。同社はヨーロッパにおけるメジャーになるつもりでいるが、今回のDellからの投資でグローバルな展開も見えてきた。Dell向けのプリンタは、同社の本社と東アジアの事業所に送られる。

“正直言って、企業から、しかもDellのような有名大企業から、こんな注文が舞い込むなんてびっくり仰天だ。でも、考えてみれば、うちみたいな零細企業でもかなりの数のプリンタを使ってるからね。デザイナーは大量のプロトタイプをプリントするから、一台の高級機があるよりは、小型のプリンタが十台あった方が便利だ。それらを同時に動かせる。たった一台に大量の負荷が集中するよりは、その方がよいね”、とTomasiakは言った。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


美しいスピーカー、HiddenRadio 2は美しい音を生む(Kickstarter募集中)

HiddenRadioは、クラウドファンディング最初の成功例の一つだ。初期モデルは2012年にKickstarterで100万ドル近くを集め、多くのファンを集めた。製作者のJohn Van Den NieuwenhuizenとVitor Santa Mariaは、完璧な周波数特性と十分な低音を生み出す小さなBluetoothスピーカーを、非常にクールなデザイン美学で作り上げた。彼らが大きくなって帰ってきた。

HiddenRadio 2は、2人組の最新作で、資金調達に向けて準備が進んでいる。新モデルは驚くほどリッチなサウンドを、スープ缶ほどの大きさの箱から送り出す。しかし、スープ缶とは異なり、このHiddenRadioは外観もすばらしく、その落ち着いたスタイリングとタッチ式トップとシンプルなセットアップは、あの新Mac Proを彷彿させる。

先週私はVan Den Nieuwenhuizenと話す機会を得て、新しいHiddenRadioをほぼ空っぽのバーで試聴した。彼はJamboxなど他の人気スピーカーシステムと比べてみせ、私はまさしく感動した。あまり大きな音は出せなかったが、HiddenRadio 2のプレゼンスとすばらしい低音を確かに聴くことができた。

2人は新機能もいくつか追加し、ポート位置は大きく改善され、119ドルのHidenRadioと接続してステレオペアを作る機能も付いた。ライバルの中にこの機能を持つものはない。ノイズキャンセル付マイクを内蔵しておりスピーカーフォンにもなることはオマケにすぎない。

デザインは非常に魅力的だ。外殻はクロムメッキが施され、タッチ式のトップは、指のスピンで音量をコントロールしたり、タップで音楽をオン・オフしたりできる。1回タップするとスピーカーグリルの蓋が持ち上がって準備が整う。

このような量産家電がKickstarterに登場することは実にすばらしい。本格的なギーク作品 ― PebbleウォッチやUdooボードは驚くほどの人気だ ― は成功する傾向にあるが、スピーカー分野となると一気に興味がしぼむ。しかし、高度なデザインと低価格のHiddenRadioのような製品を見ると、新しい方向も見えてくる。例えば、SonyやSamsungが自社製品をクラウドファンディングに出すことを、私は心から望んでいる。多くの関心を呼ぶことは間違いなく、大きく成功する可能性がある。

昔から言われているように、人は夢を見ることができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


大成功裏にクラウドファンディングを終えたPlay-i、いよいよ出荷を準備中

この前にPlay-iの話を聞いた時は、BoとYanaはいろいろと芸を見せるのに大忙しの様子だった。いろいろな人に木琴演奏などを披露して、140万ドルのクラウドファンディング資金の調達に励んでいたのだった。現在は資金調達も完了して、子供たちのプログラミング学習の助けとなるべく、出荷開始の時期を待ちわびているところだ。

Play-iは簡単なプログラミング言語であるLogoのロボット版と考えれば良いかもしれない。iOSデバイスを使って、いろいろとロボットの動きをプログラミングすることができる。Play-iでゲームを遊ぶうちに、関数、サブルーチン、ループなど、プログラミングの基本を勉強できるようになっているのだ。

いろいろな課題も用意されていて、たとえばBoのロボットアームを動かして、木琴で指定された音を鳴らしなさいというようなものがある。たとえば青い板を5回叩いて、次にピンクの板を5回叩けというような具合だ。まず同じ場所でアームを5回振り下ろし、そして目的の場所に移動してさらに5回振り下ろすという内容をプログラムすることになる。

(訳注:プログラミングの様子は上の動画にあります)

Play-iは、それだけで閉じた使い方しかできないわけではなく、他のものと連動させて利用することも可能だ。すなわちLEGOなどと組み合わせて使うこともできるわけだ。個人的にはテック系おもちゃ(tech toys)には懐疑的な気持ちもある。すぐに飽きられてしまったり、あるいはどう考えても高すぎるなどということも多いからだ。しかしPlay-iはあっという間に資金を調達し、そして製品開発にも必死に取り組んだようだ。間もなく出荷準備も整うことになる。この妙な形をした青いロボットがあちこちを走り回り、時にはペットの上に腕を振り下ろして喧嘩をするというようなシーンが見られるようになるのだろう。

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(翻訳:Maeda, H


あなたの周りの全世界を撮れるビデオカメラ360 Fly

先日のCES 2014で、ピッツバーグの企業がわれわれを訪れて、製品を見てくれと言った。それは小さな球形のカメラで、全景ビデオを撮れる。頑丈で、ヘルメットやサーフボードなどに装着できる。360flyと呼ばれるその製品は、今はまだベータだが、彼らは完全なサーファーの恰好をしたモデルを同伴して売り込みにやってきた。おかげで、使い方はよく分かったけど。

同社のこの前の製品、GoPanoシリーズは、とてもよく売れた。それはiPhoneのカメラで全周ビデオを撮る製品で、前からよくあるアイデアだけど、今度の360flyはかなり見事に改良されている。

社名はVoxxで、彼らが今後もっと良いビデオを提供してくれたら、この記事をアップデートしよう。それまでは、ぼくがファウンダと話をしているとき、短パンとTシャツを着て、きまり悪そうに微笑んでいるあわれな男の子で我慢していただこう。

〔訳注: イギリス人たちの開発で、同じく球形のカメラ(全面に大量のレンズを貼り付け!)だが、水平方向360度の全周(パノラマ)ではなく、三次元全方向の視野映像を撮れるのを、ニュースで見たことがある。YouTubeなどで調べるのに、時間がかかりそうだが。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


すべてのクラウドファンディングサイト~プロジェクトを横断的にまとめて分類評価するBackerJack

クラウドファンディングは今や大はやりだから、それ専用のブログがそろそろあってもよい。アナリストのRoss RubinがBackerJackを作ったのも、それがねらいだ。クールなクラウドファンディングプロジェクトをあちこちから集めて、分類して、評価しながら紹介することを目的とするサイトだ。Engadgetと本誌TechCrunchのコラムニストでもあるRubinは、Reticle Researchでテクノロジとモバイル方面を担当しているが、彼が本当にやりたいのは、インターネットの上でランダムに選んだ誰かに200ドルを送って、彼/彼女がスマートウォッチを送り返してくれるのを待つことだ。

BackerJackのサイトはまだよちよち歩きだが、彼はすでにかなりの数のクールなプロジェクトを調べ上げ、それらを紹介する記事を執筆中だ。テクノロジについて書くことではベテランの域だから、記事に関しては不安はない。

今回はRossに、ちょっとしたインタビューを試みた。彼のサイトについていろいろ聞くためだが、サイトの名前が、子ども向けの本に出てくる突然変異したスズメバチの名前にそっくりである理由も聞きたいと思った。


TC: なぜこのサイトを始めたのか?

Ross Rubin: ぼくはアナリストとして、イノベーションが製品化されて市場に出る過程に関心があった。クラウドファンドされるプロジェクトを紹介している優れたサイトは多いけど、どれもプロジェクトを個別に扱っているから、目的や性格が共通する複数のプロジェクトを一望することができない。それを、BackerJackでやろうと思ったんだ。

TC: クラウドファンディングに興味を持つ理由は?

RR: いや、クラウドファンディングそのものではないね。今クラウドファンディングは、チャリティーや社会的活動や芸術表現や起業目的など、いろんな目的に利用されている。でもBackerJackが着目するのは、クラウドファンディングと製品開発との関わり方だ。今あるクラウドファンディングサイトは、もっぱら資金募集が中心だが、ぼくのサイトのミッションはコンセプトから購入と使用に至るまでの全過程をカバーすることだ。

TC: 名前の響きがTracker Jackerに似ているね。きみが主人公のKatnissなの?


RR: その映画は見てないけど、たぶんCracker Jack(蜜塗りポップコーン)の大箱を持って見るべき映画だろうね。あのキャラメルをコーティングしたポップコーンとピーナッツは、Frito-Layの登録商標だけど。

TC: どんなクラウドファンディングプロジェクトが好き?

RR: Mytroよりもさらにマイナーなロングテイルだね。でも今ぼくがこのインタビューでタイプしているのは、iPad用キーボードBrydgeなんだ。Oonaでクラウドファンドされたやつ。ぼくがクラウドファンディングに関心を持ったきっかけは、Sam Gordonだ。すごく野心的という点では、Scanaduだな。まるでSFだよ、あれは。

TC: これまでいくつぐらいのプロジェクトに投資した?

RR: 200はゆうに越えてるね。はるばる中国まで行って、連中とビールを飲む、というレベルには達してないけどね。

TC: きみのクラウドファンディングブログをクラウドファンドしてもらうつもりはないの?

RR: それは考えたけど、無料のブログサイトでは投資した人たちへのお返しが難しい。コーヒーテーブルのプロジェクトならコーヒーテーブルに関する本をプレゼンとすればよいかもしれない。ぼくのBackerJackも、今後の機能や拡張次第では、クラウドファンディング向きになると思うけどね。

〔訳注: BackerJackのbackerとは、クラウドファンディングプロジェクトに資金を出す人、支援者、の意味。英語の普通名詞だから、どんな英和辞典にも載っているでしょう。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


すべてのクラウドファンディングサイト~プロジェクトを横断的にまとめて分類評価するBackerJack

クラウドファンディングは今や大はやりだから、それ専用のブログがそろそろあってもよい。アナリストのRoss RubinがBackerJackを作ったのも、それがねらいだ。クールなクラウドファンディングプロジェクトをあちこちから集めて、分類して、評価しながら紹介することを目的とするサイトだ。Engadgetと本誌TechCrunchのコラムニストでもあるRubinは、Reticle Researchでテクノロジとモバイル方面を担当しているが、彼が本当にやりたいのは、インターネットの上でランダムに選んだ誰かに200ドルを送って、彼/彼女がスマートウォッチを送り返してくれるのを待つことだ。

BackerJackのサイトはまだよちよち歩きだが、彼はすでにかなりの数のクールなプロジェクトを調べ上げ、それらを紹介する記事を執筆中だ。テクノロジについて書くことではベテランの域だから、記事に関しては不安はない。

今回はRossに、ちょっとしたインタビューを試みた。彼のサイトについていろいろ聞くためだが、サイトの名前が、子ども向けの本に出てくる突然変異したスズメバチの名前にそっくりである理由も聞きたいと思った。


TC: なぜこのサイトを始めたのか?

Ross Rubin: ぼくはアナリストとして、イノベーションが製品化されて市場に出る過程に関心があった。クラウドファンドされるプロジェクトを紹介している優れたサイトは多いけど、どれもプロジェクトを個別に扱っているから、目的や性格が共通する複数のプロジェクトを一望することができない。それを、BackerJackでやろうと思ったんだ。

TC: クラウドファンディングに興味を持つ理由は?

RR: いや、クラウドファンディングそのものではないね。今クラウドファンディングは、チャリティーや社会的活動や芸術表現や起業目的など、いろんな目的に利用されている。でもBackerJackが着目するのは、クラウドファンディングと製品開発との関わり方だ。今あるクラウドファンディングサイトは、もっぱら資金募集が中心だが、ぼくのサイトのミッションはコンセプトから購入と使用に至るまでの全過程をカバーすることだ。

TC: 名前の響きがTracker Jackerに似ているね。きみが主人公のKatnissなの?


RR: その映画は見てないけど、たぶんCracker Jack(蜜塗りポップコーン)の大箱を持って見るべき映画だろうね。あのキャラメルをコーティングしたポップコーンとピーナッツは、Frito-Layの登録商標だけど。

TC: どんなクラウドファンディングプロジェクトが好き?

RR: Mytroよりもさらにマイナーなロングテイルだね。でも今ぼくがこのインタビューでタイプしているのは、iPad用キーボードBrydgeなんだ。Oonaでクラウドファンドされたやつ。ぼくがクラウドファンディングに関心を持ったきっかけは、Sam Gordonだ。すごく野心的という点では、Scanaduだな。まるでSFだよ、あれは。

TC: これまでいくつぐらいのプロジェクトに投資した?

RR: 200はゆうに越えてるね。はるばる中国まで行って、連中とビールを飲む、というレベルには達してないけどね。

TC: きみのクラウドファンディングブログをクラウドファンドしてもらうつもりはないの?

RR: それは考えたけど、無料のブログサイトでは投資した人たちへのお返しが難しい。コーヒーテーブルのプロジェクトならコーヒーテーブルに関する本をプレゼンとすればよいかもしれない。ぼくのBackerJackも、今後の機能や拡張次第では、クラウドファンディング向きになると思うけどね。

〔訳注: BackerJackのbackerとは、クラウドファンディングプロジェクトに資金を出す人、支援者、の意味。英語の普通名詞だから、どんな英和辞典にも載っているでしょう。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AdafruitのLadyada(Limor Fried)がオバマ大統領の炉辺談話で特許制度の改革を迫る

世界中から愛されているハッカー、LadyadaことLimor Friedが、オバマ大統領の今や有名な炉辺談話に招かれて、たっぷり数分間お話をした。そのもようを収めた上のビデオでは、Ladyadaと彼女のピンクのヘアが、特許制度の改革とSTEM教育*について、大統領に厳しく迫っている。〔*: STEM; science, technology, engineering, mathematics〕

メーカーという最新の文化的潮流を代表するFriedのような人物が国の指導者たちの目にとまることは、すばらしい。一般消費者向け3Dプリンタの元祖MakerBotのファウンダBre Pettisが口火を切ったAmerica Makes運動をきっかけとして、数え切れないほど多くのハードウェア企業が母国アメリカにおける製造業の定義を変えようと邁進している。だからこれからは、メーカーたちが政治への発言権を持つことも重要だ。今の情報経済の次の時代(post-Information Economy)には、物作りが国を支えるだろう。Ladyadaがその先頭をきって発言してくれたことは、とても嬉しい。

Friedは大統領に、彼の娘たちはSTEMを好きか、と尋ねた。すると彼は、うちの娘たちはまだ関心対象が絞られていないけど、これからますます多くの女性が技術の世界へ入っていくことはとても重要だ、と答えた。“より多くの女性が数学や科学、それに工学に関心を持つことが必要です。現状では、人口の半分が学校で不当に過小評価されているのです。これほど大量の貴重資源の放置は、もはや許されません”、と彼は言った。

AdaFruitのブログより

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ロボットの脳の部分(汎用I/O)を提供する多機能コントローラボードRex

今では既製のマイコンボード(Raspberry Pi, Arduino, etc.)が簡単に手に入るから、誰もがロボットを容易に作れるようになった。でもそれが実際に動くようになるためには、そのほかのいろんな既製部品を寄せ集めて即席のつぎはぎ細工をする必要があった。その試行錯誤には、相当な時間を食う。そこで、“ロボットブレイン(robot brain, ロボットの脳)”Rexの登場だ。Hardware BattlefieldでファイナリストになったModBotもそうだったが、自作ロボットを有脳化する部分の工程を、すっきりと単純化してくれる。

Mike LewisとKartik TiwartiがCarnegie Mellonの修士課程の学生だったころに作ったRexは、いわばRaspberry PiとArduinoの折衷だ。またUdooにも似ていて、いろんなシールドを組み合わせて苦労することなく、マイコンボードに制御のためのハードウェアI/Oを容易にくっつけられる。まさに、ホビイストを楽にしてくれる製品だ。

Lewisによると、これはロボット専用のハードウェア製品で、“Piよりも値段は高いけど、これはロボットの構築から苦痛を取り去ってくれる。いろんなものを配線~ハンダ付けする必要がないし、電池(電源)入力も内蔵している。ロボットのプログラミング環境中へ直接ブートアップする”。

彼らは、オンラインのサポートとヘルプサイトも充実させた。99ドルのベーシックモデルは、すべての機能があり、OSと電源部がすでに載っている。シリアルのケーブルもある。今Kickstarterで9万ドルを募集中だ。

Lewisは曰く、“Kartikとぼくは、いろんな問題解決のためのロボット制作を消費者のホビーのレベルに持ちこむことに関心があった。これまでのロボット制作は複雑で、しかも目的ごとにシステムの要件が違っていた。そこで、どんな目的のロボットにも使える簡単なプラットホームが必要だ、と感じた。Rexは、Arduinoを使うロボットを作ったことがあるが、現状ではもっと高度なことをさせるロボットを作るのが難しい、と感じている人の、肩の荷をおろしてくれるだろう”。

自作のOS Alphalemがすでに載っていて、プログラミング環境もある。サイズは、汎用マイコンボードとしては最小のArduino Unoと同じだ。DSPやカメラやマイクからの入力端子もあるから、ホビイストも専門技術者もいろんな目的のロボットを簡単に作れる。

しかも、コントロールの対象はモーターだけではない。

“このOSの開発環境は、Arduinoのsketchやタスクマネージャ(MCP)みたいに使いやすくて、しかも、複数のsketch的なプロセスをいろんなタスク目的でパラレルに動かせる。カメラやWiFiのUSBアダプタなど、いろんなデバイス用のドライバもある。今後は、AIや機械学習をロボット上に実装するための層も設けたい”。

ロボットがより有脳になったときのための、モーターキルスイッチもある。要するに、Rexにはたいがいの目的のためのロボットに必要なI/Oインタフェイスが揃っている。本格的なロボットプロジェクトに十分使えるし、またお値段は良質なステッピングモーター数台ぶんぐらいだから、費用も高くない。ぼくならさしずめ、油圧ではなく空気圧で動くスープの味見ロボットを作ってみたいね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


食品グレードのフィラメント登場で、3Dプリント先割れスプーン時代へ

すばらしい! ドイツのグループが、食品グレードの3Dプリンター用ポリプロピレン・フィラメントを新たに開発した。食品に使っても安全で洗うこともできる。現在の3Dプリンター・フィラメントは、毒性そそないが、湿気や酸に反応して不快な状態になることがある。この新しいフィラメントを使えば、お皿からピッチャーまで何でもプリントできる。

フィラメントの価格は2 kgのロールで129ドル。写真にあるように、キャンディー用のすてきな皿も作れそうだ。

このプラスチックは一般の食料保存容器と同じように洗浄可能で柔軟性も高い。「米国食品医薬品局および必要なEU標準規約に沿って」安全性を維持して作られており、子供のおもちゃにも使用可能だという。これで、ついにあなたも3Dプリントされた品物をしゃぶることができる。
via 3Ders

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


時空を超えた未来にプレゼントを届けるTimeless Box(indiegogoでの資金調達完了)

プレゼントを贈るというのは非常に興奮する出来事ではあるけれど、終わりはかなりあっけないものだと言えるかもしれない。相手は包みを破って、そして箱の蓋を開ける。以上、終了だ。もちろん相手とハグしたり、ハイファイブを交わしたりすることはあるだろう。ビールを手にカウチに向かい、フットボールを見ながら楽しい夜をともに過ごすというのはあるかもしれない。しかし、プレゼントをあげるという行為は既に終了してしまっている。

これを変えてくれるのがTimeless Boxだ。アルミニウムでできた(チタン製のものもある)100ドルのボックスで、365日以内で特定の日数を指定して解錠される日を指定する。箱に収まる程度のものを中にいれ、そしてロックして、それから相手にプレゼントするという流れだ。プレゼントした後も、しばらくわくわくが続くこととなる。

受け取った人の手元では、指定した日数が過ぎるとロックが外れて箱の蓋が開くことになる。プレゼントした人がその場にいる必要はない。極端な話、死んでしまっていたり、あるいは遠く離れた外国にいるような場合でも大丈夫だ。もしかすると宇宙への片道切符を手に入れて旅立ってしまっていても問題ない。そのようなケースでこそ、この箱の「マジック」が感じられることになるかもしれない(但し、このTimeless Boxに動物を入れてはいけない)。

これはなかなか面白いものではなかろうか。

製作者のIgnasi Giróに話を聞くことができた。彼はバルセロナで活動するHonest&Smileというデザインエージェンシーの共同ファウンダーでもある。彼もまた、プレゼントのやり取りを巡る心理の動きなどを深く考えてみたようだ。

TC:このようなものを作った理由はなんでしょうか?

Giró:常に繋がっていて、これまでにないほどに関係性が強まった社会に私たちは住んでいます。しかし、便利さに安住してしまって、誕生日の挨拶は空港の待合室から送る単純な「おめでとう」メッセージのみということも多いようです。あるいは1年後の自分を思い描くことはあっても、日々の生活の中ですっかり忘れ去ってしまうことも多いでしょう。

このような時代だからこそ、時の流れということをじっくり考えてみるきっかけを与えるような、あるいは自分でたてたはずの目標を、しっかり自分に突きつけてくれるような仕組みが必要とされているのではないかと考えたわけです。もちろん簡単に使えるものでなければなりません。時を経て開け方を忘れてしまったり、専門の解錠師を呼ばないと開けられないようなものではダメでしょう。

そうしたことを目標に定め、それからいろいろなタイムカプセル(Dr WhoのTARDISなども含めて)や時間旅行物語などを研究し、そして今、ここにあるプロダクトの完成にいたったというわけです。

ちなみにネット用のTimeless Boxもあります。こちらでベータ段階のものを提供しており、スマートフォンでもタブレットでもきちんと表示されるようになっていると思います。

TC:少々不気味な感じがしますが…?

G:確かにそう感じる部分はあるかもしれないと思います。また相手をがっかりさせるような(いじわるな)使い方というのもいろいろとありそうです。たとえば子供を罰するのに、箱の中にiPodをしまってしまうという使い方もあるでしょう。また、(高価格版である)10年間閉じておけるもののチタン版をプレゼントして、しかし実は中身は空っぽであるといういじわるをしてみたいという人もいました。10年間待ち続けて、そしていよいよ開いたときに中身が空っぽだったというのは、それはかなり残酷なイタズラだと言えそうです。

しかしきっと、たいていの人はまっとうな目的に使いたいと考えると思うのです。たとえば子供が成人するときや、あるいは遠くの国で結婚をする友人への贈り物などという使い方もあるでしょう。あるいはよくある記念タイムカプセルのように、将来の自分に向けて送るという使い方も人気を集めるのではないでしょうか。自分の夢などを書いておくのはきっと面白いだろうと思うのです。あるいは、自分がこの世の中からいなくなっているであろうときに見てもらうために、愛する人々に向けたメッセージを残すという使い方もまた、多くの人が興味を持つだろうと思うのです。

TC:強度はどうなのでしょうか。壊して開けたりすることはできますか?

2枚のアルミニウム(先述の通りチタン版もあります)で作られていて、まあかなり頑丈であるのは間違いありません。もちろん「破壊不能」というわけではありません。しかしそうそう簡単に壊れるようなものでもありません。外見も美しく仕上げて、壊してしまうのに躊躇いを感じるような形状にしたつもりです。それでも、まあ言ってしまえばこれは「ゲーム」のひとつです。ゲームのルールというのは、その気になれば破ることのできるものです。ただ、そうしてしまえば誰かとゲームを「一緒に」体験するようなこともできなくなるわけです。


これはなかなか面白いプロダクトだと思うがいかがだろうか。実は、昨年末にIndiegogoにて資金調達を目指していたものだが、無事に資金を調達できたようだ。現在はこちらからプレオーダーできる(訳注:日本円で9500円程度のようです)。

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(翻訳:Maeda, H


世界を相手にレーザータグ(光線銃サバイバルゲーム)が楽しめるDustcloud

レーザータグやKillerのある時代に育った子供たちは、常にRPGの世界と触れ合っているように感じるものかもしれない。その「感じ」を現実のものとするのがDustcloudだ。

Howard Huntというデザイナーが開発したもので、小さなピストル型の「Duster」という武器を使う。この「Duster」にはLEDが内蔵されており、これにより狙撃数および受けたダメージを記録しておく。このピストルデバイスを使って、街中で密かにターゲットを撃つこともできる。RF信号を使っているので、的の部分を正確に狙う必要はなく、相手が目の前にいればOKだ。またピストルはBluetooth LE経由でスマートフォンと連動する。スマートフォン上のアプリケーションで、これまでの戦いの成績や、あるいはターゲットの存在位置などを確認することができる。オフラインスタイルでもプレイできるし、また全世界で繰り広げられる巨大ゲームとして愉しむこともできる。

CESの会場近辺で試してみたが、やる前の想像通りにともかく楽しかった。自分を撃ってピストルの初期設定を行ったりと、準備には少々時間がかかる。この辺りは今後の改善ポイントとなっているようだ。

このプロダクトは現在Kickstarterにて10万ドルの調達を目指しているところだ。開発チームのメンバーはOta Fejfarと、前出のHuntだ。現在のところ1万7000ドル程度を調達している。出資額バリエーションはいろいろと用意されていて、たとえば55ドルでピストル1台を含むキットを入手できる。友達と愉しむためにピストルが2台必要だという場合は90ドルで入手できる。関連市場もいろいろと可能性を持つものだと言ってよかろうと思う。たとえば世界中の人とオンラインでゲームを楽しみたいのなら(最初から世界を巻き込むムーブメントにしたいと考えているわけだ)、弾(spekと呼ばれる)を1発あたり5セントで購入するようになっている。購入した弾はスマートフォンにおさめておく。また、撃たれてしまった場合にはピストルに残った弾は奪われてしまう。こうした仕組みもHoward Huntの面白さをアップさせることになるだろう。

CES会場近くの駐車場で試してみたときは大いに盛り上がった。動作の仕組みや撃ち方などを理解すれば、すぐにゲームを楽しめるようになるだろう。ちょうど良い運動にもなるはずだ。Dustcloudはレーザータグの基本的な遊び方を踏襲するもので、おそらくそれはプラスに作用するのではないかと思う。

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(翻訳:Maeda, H


Pinball Hall Of Fameで歴史に思いを馳せつつ、もちろん素直に遊んできた

パックマンやポン(Pong)、あるいはスペース・インベーダーなどが流行る前、誰もが興じていたのはピンボールだった。懐かしく思い出す人も多いことだろう。

ご存知のように、先週はCES 2014のためにラスベガスに滞在していた。取材の合間を縫って、なんとかPinball Hall of Fameを訪問することができた。電気機械式のゲームマシンを集めた非常に面白い施設だ。Things And Stuff(Stuff and Thingsでも良いらしい)のDirectorであるTim Arnoldに話を聞くことができた。電気機械式ゲームマシンをきちんとメンテナンスして使えるようにしておくことをライフワークとしている。

Arnoldは何年もかかってコレクションを充実させてきた。彼はピンボール機の大手メーカーであるBally社で技術者として働いていた経歴を持ち、現在もその技術を活かして数百台にのぼるマシンのメンテナンスを行っている。ピンボール台は、多くのピンボールファンたちと競いながら、ファイアーセールなどで入手したものだ。全く動かなくなったものを修理したり、またパーツを取り出して他のマシンに移植したりして、壮大なピンボールミュージアムのマシンたちを稼働させている。

ここにくればないものはないと言っても良いのではないかと思う。Gottlieb、バリー、Midwayなど、さまざまのものを展示している。置いているのはピンボール台だけでなく、たとえば、トランジスタ制御となった初期のゲーム機であるBally Road Runnerなどもある。また古いマシンの修理のワークショップなども開催していて、製造から60年も経過するマシンを動かし続けることに尽力している。

歩き回ればゲーム機を巡る歴史などについても勉強になることが多い。ところでArnoldは技術屋の代表のような人物で、何でも自分の手で組み立ててしまう。若者にも、何かを組み合わせるだけでなく、自分の力でいちからつくり上げることが大切なのだと説いている。技術を身に付けることで職にあぶれることもなく、世の中から常に必要とされる人材になるのだとのこと。

Pinballも、小さなピンボールパーラーに設置されていた昔から、いろいろな変化を積み上げてきているのだと改めて思い知らされる。純然たる機械式のものから、現代のものには完全な電子制御式のものもある。ここ20年程度を振り返っても、ゲーム機はガソリンスタンドやアーケードから、家庭で扱うコンソールの中に居場所を移してきたのだ。もちろん、そういうめんどうな話など抜きにしても、Pinball Hall of Fameは本当に楽しい場所だった。

尚、「makers」のタグを付けて、TechCrunch Makersではクールな「maker」たちを取り上げている。もし「ぜひとも俺を取り上げろ」という方がいらっしゃれば、ぜひともメールでご連絡いただきたい。


(訳注:他にも写真が登録されていますので、気になる方は原文のギャラリーをご参照ください)

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(翻訳:Maeda, H


パレスチナのPlayFrescoはふつうのPC上にモーションコントロールを実現するマジックのような技術

今年のCESの会場で行った本誌のHardware Battlefieldは、実は14チームではなく15チームを本選に招待していたが、内一つは、合衆国行きのビザが取れず、出場できなかった。彼らPlayFrescoは、技術者とホビイストの集まりで、ワイヤレスで手などの動作による対話ができる、すばらしい技術を作り上げた。

彼らFeras Abed-AlhaqとMonier AghbarとSudqey Dwikatが作ったシステムは、専用のハードウェアを使わずに、どんなラップトップにも、モーションコントロールの機能を持たせることができる。子どもたちが何か円盤状の物を持てば、それがたとえば車のハンドルになる。手に持った何かを振れば、それが指示として伝わる。Leap Motionのように手の動きを情報として伝えるが、Leapと違ってこちらは、磁界を利用していろんな物や体の部品を感知する。


同社は、チェコのICT AllianceのMichal Zalesakから13万ドルの資金を確保した。今のパレスチナでスタートアップを立ち上げるのは容易なことではないが、徐々に状況は良くなりつつあるようだ。

Abed-Alhaqは言う、“パレスチナでは入手できる部品や機材が限られているから、電子製品を作るのが非常に難しい。最初のプロトタイプは紙で作ったが、それはとても大きくて、しかもまるっきりスクラッチで作らざるをえなかった”。

子どもたちがおもちゃで遊んでいるのを見て、アイデアが閃いた。Abed-Alhaqの小さな弟が、ガムテープの芯を車のハンドルに見立てて遊んでいたのだ。

“実験を何百回もやり、プロトタイプを数百種類作って、体の動きを検出できるシステムを作り上げた。そしてその技術の実用化のために、手に持った物の動きでいろんなプレイができるPlayFrescoを作った”。

そのシステムは、テーブルの下にあって、その上の手の動きをかなりの精度で感知する。数か月前にヨーロッパで見たとき、彼らは本誌のHardware Battlefieldに出たいと言った。結局今回、それは実現しなかったが、彼らはデバイスの完成度を高める努力を続けた。

資金を提供したZalesakはこう言う、“PlayFrescoはCEOたちの情熱と刻苦勉励の結晶であり、パレスチナの萌芽期の起業文化を代表している。彼らは技術とビジネスに集中し、そこに政治を混入させないよう努力している”。

今のシステムはPC用だが、携帯やタブレット用も計画している。また、Bluetoothによる、デバイスの違いを超えたモーションコントロールも構想している。今年は本誌のステージに立てなかったが、次の機会にはぜひ参加してほしい。


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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ミニ・ドローンのPocket Drones、Kickstarterで大人気―一夜で6万ドル以上を集める

Pocket DronesがKickstarterで当初の目標の3万ドルを上回る5万ドルを一夜にして集めてしまった。

Pocket Dronesは昨夜、CES 2014で開催中のわれわれのHardware Battlefieldコンテストでプロダクトを発表したばかりだ。同社は長年の友人でDrone User’s Groupのモデレーターを務めるTim Reuter、TJ Johnson、Chance Rothの3人が、小型で安価な誰でも使えるドローンを作ることを目的に共同で創業した。

現在5万1000ドルがKickstarterに集まっており、金額はさらに増えつつある〔1/10朝で6万6814ドル〕。

「われわれの使命は空飛ぶロボットをできるかぎり多くの人の手に届けることだ。いってみれば空の民主化だ」とReuterは言う。

Pocket Droneは小さなサイズにもかかわらず、GoProカメラを搭載でき、折り畳めばカーゴポケットにも(なんとか)収まってしまう。RFコントローラか専用アプリをインストールしたタブレットから操縦できる。コントローラなしのドローン本体が415ドル、コントローラ付きだと455ドルとなる。Kickstarterでの予約はこちらから

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+