3D Systems、プロの菓子シェフが3Dの砂糖オブジェクトを出力できるプリンタを発表

砂糖を材料に既存の3Dプリンタで出力させようとする試みはこれまでも行われてきた。しかしその結果は、なんというか、甘いものではなかった。

そこで3D SystemsがChefJetシリーズを発表した。このプリンタはモノクロまたはフルカラーで砂糖でできた3Dオブジェクトを出力できる。

モノクロ版のChefJet 3Dの出力サイズは8x8x6インチ、5000ドル以下で2014年中に出荷可能だという。ChefJet Pro 3Dはフルカラーで出力サイズは10x14x8インチとかなり大きい。

これらのプリンタにはデジタル・レシピ集が付属するので、シェフはCAD/CAMで学位を取っていなくてもさまざまな砂糖の3Dオブジェクトを出力できる。3D Systemsは昨年8月に3Dシュガー・プリンティングを専門とするSugar Labsを買収している。

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TechCrunchのCESハードウェア・バトルフィールド、いよいよ来週開催―マーサ・スチュワートの審査員参加が決定

来週火曜、水曜〔日本時間水曜、木曜〕にTechCrunchがCES会場で開催するHardware Battlefieldでは15チームのトップクラスのハードウェアスタートアップが5万ドルの賞金を巡って激突する。2014年の最優秀ハードウェアはどれになるのか?

われわれはこのイベントの準備に何ヶ月もかけてきた。いろいろなサプライズ企画も用意されている。通常のCESリポートとともにお楽しみいただきたい。

しかしここで特に発表したいのは、あのマーサ・スチュワート(Martha Stewart)がHardware Battlefieldの審査員に加わることになったというニュースだ。

知らぬもののないライフスタイルの女王であり、生活関連ハードウェアのグルであるマーサ・スチュワートは自身が優れたデザイナーであり、Martha Stewart Living Omnimediaのファウンダーでもある。その長年のクリエーターとしての、またブランド構築の経験をわれわれのイベントに役立ててくれることになったことをわれわれは大いに名誉に思い、興奮している。

イベントのスケジュールはこちら。TechCrunchで完全生中継する。今年はこれまでにないエキサイティングなCESになるだろう。

イベント専用のHardware Battlefieldページに随時最新情報を掲載する。読者は#cescrunchというハッシュタグでツイートを投稿できる。プレゼントやびっくり企画も用意しているのでお楽しみに。

ラスベガスに遊びに行く予定だがCESのチケットは持っていないという向きも寄っていただきたい。このコンペの観覧のためのスペースを準備している。来年は読者もこの競争に参加しているかもしれない!

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Bathysの「原子腕時計」はクラウドファンディングで世に出てくることとなりそうだ

ハワイのカウアイ島で、非常にユニークな人物の手により小規模に腕時計の生産を行っているBathysが、どうやらクラウドファンディングの活用を決意したようだ。資金を集めて世に出そうとしているのは、もちろん「原子腕時計」だ。

同社はこれまでにがっしりとしたダイバーウオッチを製作してきた。ダイバーウォッチメーカーのままであれば、テックの世界でさほどメジャーになることもなかっただろう。しかし最近になって、月面車を普通に運転する子供の子供世代になっても狂わない時計というものを発表して、こちらの世界でも大いに話題になったのだった。Symmetricom社のSA.45s CSAC原子周波数発信機を搭載して究極なまでに正確な腕時計を生み出したのだ。

製作者はJohn Pattersonで、この時計は実はまだ開発中ではある。商品化の目処がつけば、クラウドファンディングにてのリリースを検討している状況のようだ。ABlogToWatchによれば、初期割引があったとして、1個あたりの価格は8000ドル程度になるのではないかとのことだ。

写真を見ればおわかりの通り、現物はあまりにもデカく、そして電池寿命にも問題があるようだ。但しこれはGPSなどを用いたデバイスよりも、さらに正確な時を刻む、史上初のスタンドアロン・プロダクトではある。電波を受信して補正するのではなく、常に、未来永劫に正確な時を刻み続けるのだ。確かにサーフィンに連れて行くには少々不向きかもしれない。しかし天体観測や、あるいは大型ハドロン衝突型加速器での作業を行う際には、こうした正確な腕時計を持っていても良いのかもしれない。
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(翻訳:Maeda, H


Napwell:起きる時間になると、内蔵のライトを照らして起こしてくれる安眠マスク

残り少なくなってきた今年だが、もしかすると史上最も「安眠マスク」がはやった年として記憶されることになるかもしれない。今回紹介するのはボストンにあるNapwellで、昼寝用のマスクをKickstarter経由で世に送り出そうとしている。昼寝用というのは、マスクの中に埋め込まれたライトがだんだんと明るくなって目を覚まさせてくれる仕組みになっているからだ。

昼寝したい時間をセットして、そしてマスクを装着して寝る。起きる時間になると、まずはやさしく光りだし、そして徐々に(眠っている目には)まるで太陽かと思えるほどに明るくなっていく。製作したのはMITのPh.D candidateであるJustin Leeと、Stanfordの後期課程に属しているNeil Joglekarだ。このマスクを使えば、ちょっとした昼寝をして仕事をよりエネルギッシュにこなせるようになり、飛行機でも予定通りに眠り、そして起きることができ、きちんとした睡眠プランを立てることができるようになるとのこと。また、従来の目覚まし時計のように大きな音で突然起こされるのとは違い、ゆっくりと自然に目覚めることで寝ぼけ防止にも繋がるそうだ。

「効果的かつ生産的な生活を送ってもらう一助として活用してもらいたいと考えています」とLeeは言う。「最初から提供したいソリューションがあってプロダクトを作ったのではありません。人々を悩ませている問題を認知し、それを解決しようと動き出したのです。その問題というのは、より効率的に睡眠をとりたいということであり、非常に多くの人が頭を悩ませています。プロダクトを作る前に、既存のものをいろいろと試してもみました。しかし他の人の意見もきくうち、よりシンプルで、モバイル利用に適したプロダクトが必要とされていると理解したのです。ちなみにここでいうモバイルとはアプリケーションを意味しているのではなく、純粋に出先で利用できるということです。結果として世に問うこととなったプロダクトについて、私たちは非常に満足しています。

Napwellは、既存の安眠マスクと比べて遥かにポータブルなものとなっており、たとえばIntelClinic NeurOnなどと競合するものではないとLeeは言っている。内蔵インタフェースもわかりやすく、どこでも簡単に利用することができる。「マスクはバッテリーで独立して動作しますので、WiFiやBluetooth、あるいはスマートフォンなどは必要ありません。誰でも、そしてどこででも使えるものにしようと考えたのです」とのことだ。「MITやHarvard Medical Schoolでは、たくさんの優秀な人に出会いました。しかしそうした人々も、定期的に眠気などを感じて生産性を落としていたのでした。そうした人々を目にするにつけ、より効率的かつ生産的に活動してもらうためのプロダクトを作りたいという気持ちが盛り上がってきました」とのこと。

今後は、このマスクに続いて、他の健康関連プロダクトを送り出していきたいとも考えているとのこと。Napwellは50ドルで手に入れることができる。出荷は9月の予定だ。目標調達金額は3万ドルとなっている。

「睡眠関連プロダクトには、まだいろいろと可能性があると考えています。Napwellは、そうした可能性を追求する第一段階のプロダクトという位置づけです。昼寝については多くの人がもっと効率的に活用する方法はないのかと悩んでいるところであり、そこのソリューションをぶつければ、大きく伸びることも可能ではないかと考えているのです」。

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(翻訳:Maeda, H


私は再び(ウェアラブルを)愛することを覚えた

私は筋金入りの時計マニアとして、スマートウォッチは大体においてダメだと感じていた。時計は時計 — 正しく作られ、正しく扱われていれば、それ自身が奇跡のテクノロジーだ。その機構、文字盤、金属感、デザイン — すべてが一つになって美しい全体を作り上げる。よい時計には一切の無駄がなく、殆どの時計マニアはそれを知っている。

だから、PebbleやGalaxy Gear、Omate等が出てきた時、 私の感想はよくて懐疑的だった。誰がこの小さなリストコンピュータを必要とするのか.オレは基地と連絡を取り続けなくてはならないディック・トレーシーか?私の前にはスクリーンが十分にあるから、新着メールを知らせる腕時計は必要ない。

私は間違っていた。

何が変わったのか? Pebbleがものすごく良くなっていた。以前、Pebbleはテキストメッセージを届け、メールアカウントとは断続的に接続していた.私のメールボックスは巨大で、毎日約400通のメールが来る。メール通知はいくらあっても足りなかった。実際私は、iPhoneのメール通知を〈オフ〉にし、メールアイコンの未読数バッジさえも非表示にしていた。とにかくあの押し寄せてくる大量メールをさばくことができなかった。

だから、未読メールが1000通あることを知らせてくれる腕時計は、私の欲しいものではなかった。

そして、11月に新しいPebbleOSがやってきた。みんな絶賛した。私はもう少してアップグレードしそこなうところだった。机の上のPebbleは充電切れで、SPOTやPalm Pilotウォッチと共に死んだスマートウォッチの箱に入るところだった。私はふと思いついてケーブルをつなぎアップデートした。Pebbleアプリを開き、再びメールの受信箱を追加する方法を探したが見つからなかった。あったのは、通知がPebbleに表示されるようにするアップデートのチュートリアルだけだった。私がウェアブルの欠点を説明するのに忙しくしていた間に、あの連中は大きな変更を済ませていたのだ

突如として、私の気にかけている通知はすべて時計の画面に現れた。見たかったものを見ることができ、見たくないものは隠されていた。この非常に基本的な変更 — 消防ホースからアラカルトへ — は,恐ろしく重要だった。今私は日常的にPebbleを身につけている。時には、片腕にPebble、もう片方の腕に機械式時計をつけることもある。私はPebbleを、ほかのどんなウェアラブルよりも頼りにしてることに気づいた。それは爽快であると同時に自由だ。

ウェアラブルが良くなるのはその時、我々の生活の一部になった時だ。Google Glassは、実に魅力的だが、根っからの好き者でない限り日常的に使うには不自然すぎる。リスト・コンピュータとスマートフォン — 何年も前から存在している — は未だにバッテリーを食い過ぎる。Pebbleは、その前のFitbit同様良い加減だ。

私にとってウェアラブルは常に考慮の外だった。使い物になると思ったことはなかった。しかし今、全く新しい通知技術を目の当たりにして、私は恐れをなした。スマートウォッチにはまったく理にかなっているし、今後良くなるばかりだ。

私は、全部をやってくれるものが欲しい。Pebbleには、脈拍を測り、睡眠パターンも歩数も記録してほしい。もっと刺激的な通知システムが欲しい。違う人は違う方法で。スタンドアローン機能 — たぶん世界時計 — がもっと欲しい、バッテリーはもっと長持ちして欲しい。しかし、結局のところ私は非常に気に入っている。Pebbleはついに最終コーナーを曲がり、ライバルたちも大きくは遅れていないと私は思う。映画「ベイブ」での、農夫ホゲットの不朽の名言に倣えば、「それでいい、Pebble。それでいいんだ」。

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(翻訳:Nob Takahashi)


今や立派なビジネスになりつつあるジェイルブレーク

新しいiOS製品のジェイルブレークは大事件だ。最初のころのチームは、ジェイルブレークやSIMのアンロックに成功するとお祝いのための休日を楽しみ、何百万という待ち焦がれていたユーザがその最新のソフトウェアに殺到した。今でもその興奮とジェイルブレーク人気は変わらないが、変わったのは、ジェイルブレークがビッグビジネスになったことだ。

たとえばEvasi0nの場合は、iOS 7のジェイルブレークがリリースされると、ユーザは言語を中国語にセットしたコンピュータの上で、そのジェイルブレークプログラムがTaiG(Tai-GiまたはTai Chi)という名前のプログラムを自動的にインストールすることを知った。それは中国語のアプリを提供する中国のアプリストアだが、しかしただ者ではない。何ページにもわたって、大量の、クラックされて海賊版にされたゲームが載っているのだ。

そのジェイルブレーキンググループは中国語版のiPhoneにTaiGを載せて、およそ100万ドルを稼いだという。その金額の正確さはともかく、噂では、なにしろそれは、途方もない額の料金だそうである。

Evasi0nのチームは、海賊版のアプリストアをユーザのスマートフォンに載せて金をもらったという非難に、こう応じた:

たしかにわれわれは、ジェイルブレークコミュニティのほかの人たちと同じく、自分たちの仕事から経済的な利益を得ている。われわれのジェイルブレークはユーザにとってつねに無料だが、しかしわれわれには、倫理的な方法で報酬を得る権利があると思う。その点は、ほかのデベロッパと同様である。しかしわれわれの場合は、コミュニティの関心がつねに最優先する。ジェイルブレークをリリースするとき、コミュニティの関心を支える組織への寄付を約束した。われわれは今、心ならずもコミュニティを困らせたことに狼狽しており、その修復に努めている。

彼らは上記に続けて、“そのスポンサーのストアに海賊行為が見つかったことに、非常に困惑している。それは受け入れられないことなので、彼らは今、問題の誠意ある修復に努めており、われわれの目にとまったものをすべて削除した”、と述べている。

“ジェイルブレークには実用性があるのだから、人びとはそれを使うべきだ”、とCydiaを作ったJay Freemanまたの名saurikは言う。Cydiaは人気の高い“フィーチャーストア”で、iPhoneのOSのいろんな部分改造やアップデートを売っている。

Freemanは、“TaiGが困るのは大量の海賊版があることだ。でも、ジェイルブレークと海賊行為が結びつけられていたのは過去のことだ。今ではまったく違うが、しかし人びとの心にはそんなイメージが残っている”。

Saurikの生活はジェイルブレークされたiPhoneに彼のアプリをインストールすることで成り立っているし、Evasi0nのチームなどは今回の例のようにアプリ内のスペースを企業に売ってお金を稼いでいる。孤独なハッカーがひまな時間にiOSをクラックするというジェイルブレークのイメージは過去のものとなり、今ではジェイルブレークは立派なビジネスなのだ。

今回のTaiGとのパートナーシップのような例は、このニュービジネスに対して、今後長期的にはほとんど影響を及ぼさないだろう。今では、初期のジェイルブレーカーとして名を馳せたEven George Hotzまたの名Geohotでさえ、自分のジェイルブレーク技術を某企業に35万ドルで売ろうとしたぐらいだ。つまり今や、ジェイルブレーク、イコール、ビジネスなのだ。

結局は、Evasi0nのようにジェイルブレークを無料で提供するのが主流になり、ジェイルブレークそのものを売る、というタイプは過去のものになるだろう。そのスペースを買ったスポンサーがたまたま海賊版ストアだったことは、ささいな事故にすぎない。重要なのは、今後はますます、このような形で、ジェイルブレークがビジネスになっていくことだ。ビジネスとして永続するためには、海賊版ストアは当然、お呼びでないものになる。

FreemanもEvasi0nについて、“いい仕事をしてるから、お金を稼いで当然だね”、と言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


エフェクター型ドラムマシーンのBeatBuddy、indiegogoでも大人気

こんなものがあれば良いと想像すらしていなかった。indiegogoでクラウドファウンディングによる資金調達を目指しているBeatBuddyの話だ。エフェクターの類に見えるが、これが実はドラムサウンドを鳴らすためのマシンなのだ。ギター・エフェクターに繋いでブレイクビーツのようなサウンドを鳴らすことができる。ギターを弾きながら、同時にドラム演奏をするようなこともできる。

簡単に言ってしまえばエフェクター型ドラムマシンということだが、製作者によれば、これまでに存在しなかったプロダクトであるとのこと。さまざまなドラムパターンやフィルインを足だけで操作することができ、またコンピューターを使って事前にさまざまな設定を行っておくこともできる。テンポの変更はペダルについているノブで行う。目標資金調達額は7万5000ドルであったが、すでに11万8000ドル以上の資金が集まっている。最初期申込み割引価格である179ドルでの申込みは既に完売となっている。プロダクト出荷時期は4月となる予定だ。

使い方は非常に簡単そうだ。ペダルを踏めばドラムパターンが流れる。パターンを演奏中に再度ペダルを踏めばフィルインを加えるたり、バースからコーラスへ移行することができる。サウンドについてはMIDI機器から読み込んでおいてもいいし、内蔵されている200以上のパターンをそのまま使っても良い。

1. ペダルを踏んでビートスタート

2. 再度ペダルを踏んでフィルイン追加。フィルインは毎回異なるものが再生され、ライブ感を出す

3. トランジションの際はペダルを踏み続ける

4. トランジション終了時にはペダルをリリースする。すると次のパートが演奏されるようになる(バースからコーラスへ等)

5. フットスイッチによりアクセントをつけることも可能(バース部分でのハンドクラップ音や、コーラス時のシンバルクラッシュ音など)

6. ペダルの二度踏みでエンドフィルを入れて演奏が止まる(三度踏みで即時停止)

尚、製品にはドラムトラック作成プログラムのGoranGrooves Studioも同梱されている。

開発チームはマイアミを拠点に活動していて、ギタリスト兼ソングライターのDavid Packouzが率いている。自分たちのホットなロックンロールにドラムサウンドを加える方法は他にもある。しかしこのBeatBuddyはとても面白そうだ。路上ライブなどでも、これを使ってで下手な演奏を隠すことが出来るのではなかろうか。いや、筆が滑った。ともかく注目を集めることは間違いないだろう。

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(翻訳:Maeda, H


IDCアナリスト:3Dプリンターの出荷台数は2017年までに10倍になる

IDCのハードウェア・アナリストが、3Dプリンターの出荷台数は2017年までに10倍に成長すると予測した。ハッカーとエンジニアの持物だった3Dプリンターが日用品になりつつある。

「プリントは、媒体への出力から、実物の創造へと拡張され、驚異的な可能性を持っている」とIDCのVP、Keith Kmetzは語る。「従来のプリンター・テクノロジーが成熟期を迎える一方で、3Dプリンターの全世界出荷台数は予想した期間に10倍に伸び、世界におけるハードウェア価値は短期間のうちに2倍以上になるだろう」

IDCは、HPが2014年に3Dプリンター市場に進出すること、さらにはKonica Minoltaのハイエンド3Dプリンター販売契約に言及した。これに、中堅プレーヤーのMakerbot、新興のAfiniaLulzbotが加われば、堅牢な市場が出来上がる。さらにレーザー焼結プロセス制御の特許が2014年に切れることによって、新たな家庭用3Dプリンターへの道が開かれる。特許は小さな製造会社が特定のテクノロジーを活用する妨げになることが多いので、この特許失効によって金属、プラスチックのプリント市場の状況は大きく改善されるに違いない。すばらしい新世界、そこにはこんなすばらしいプリンターがある!

via 3Ders

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Telezaは、モバイル端末を強力なデュアルSIMマシンに変える

先月中国のシンセンに行った時、James Sungに会った。2年前に初期のデュアルSIMケースを本誌に持ち込み、無数のiPod TouchをiPhoneに変えた男だ。今度は同じことがワイヤレスでできるようになった。

彼の新製品、Telezaの価格は129ドルで、外観は高級シガレットケースのようだ。カラーはシルバーまたはゴールトで、バッテリーを内蔵している。モバイル端末とBluetooth経由でつながり、音量を制御したり、カメラリモコンになるボタンが付いている。

Telezaは、クワッドバンドGSMに対応している。SIMスロットが2つあり、通話時には一種のスピーカーフォンのように働くため、外見上電話機のように使うことができる。Androidでも使える。

彼はこのデバイスをクリスマス後に出荷する予定だ。

デュアルSIM携帯は、中国には掃いて捨てるほどあるが、ここ米国では比較的稀だ。私は世界を旅するようになってから、ローカルSIMカードの価値を徐々に認識してきた。最低限、現地の電話番号を持つことができる。このデバイスがあれば、旅行の際に自分の携帯電話のSIMをアンロックしたり、新たにアンロック携帯を買う必要がなくなる。

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iOS 7版ジェイルブレイクが公開

Evasi0nと名乗るiOSプログラマー集団が、最新iPhone/iPod/iPadオペレーティンシステム、iOS 7.0.4をジェイルブレイクした。ジェイルブレイクすることによってユーザーは、自家製ソフトウェアをインストールしたり、Cydiaソフトウェア・リポジトリの未承認アプリを実行することが可能になる。

ジェイルブレイクに必要な時間は「5分」で、WindowsまたはOS Xで動作する。9to5macのユーザーたちは、このジェイルブレイクの登場が早すぎることに動揺を見せている ― 多くの人たちは、近々出るであろうメジャーアップデートの7.1を含め、今後いくつかのリリースで動かなくなることを心配している。殆どの報告によるとこのジェイルブレイクは、iOS 7.xをサポートするデバイスで問題なく動作している。

今回のリリースは、iOS 7版ジェイルブレイクが収益化目当てのサードパーティーにこっそりを売られたらしい、という不安が噂されていた直後であることも興味深い。伝統的に殆どのジェイルブレイクは無料だが、たとえわずかの期間でも有料サイトで提供されていれば、非常に実入りの良い話だっただろう。もはやそれはなくなった。

あらゆるジェイルブレイクと同じく、次の言葉を肝に命じておくように。「備えよ常に!」。データのバックアップを取り、うまくいかなかった時には文鎮化したiPhoneに数時間費やす覚悟をしておくこと。過去数年と比べて手順はかなり改善されているが、バグの可能性はある。もうひとつ、これはジェイルブレイクであってSIMアンロックではないことを忘れないこと。キャリアを変更することはできない。自家製ソフトウェアをインストールできるたけだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


地を這い壁を登り、バットで打ちのめしても襲ってくるロボットたち(TIDWRTWHUFOO)

将来はボディ・パーツごとに切り分けられてショップで売られてしまう定めの人類のみなさん、こんにちは。ロボットに食いちぎられる覚悟はできただろうか。「もう諦めているよ」という人が多いことだろうと思う。毎度毎度のTIDWRTWHUFOO(毎度のご案内だがToday In Dystopian War Robots That Will Harvest Us For Our Organsをわかりやすく短縮しているのだ)の時間、今回も皆さんの諦めが正しいことを示すロボットを紹介しよう。小さな空飛ぶロボットと、大きな木登りロボットと、そしてちょっと大きめの空飛ぶロボットだ。

まずはDelFly Explorerを見てもらおう。この本当に小さな飛行ロボットは重さもわずか4グラムしかない。ちょうど用紙4枚分程度の重さだ。それでいながらオンボードコンピューターを利用して、障害物にぶつからないように判断しながら部屋の中を飛ぶことができる。処理はすべてこの小さな飛行ロボットに搭載されたコンピューターで行われる。飛行は羽をばたばたさせることにより行う。但し「かわいいやつだ」などとは思わない方がいい。人類を殲滅するための武器のひとつであることは間違いないからだ。詳細についてはこちらに記されている。


いつか襲ってくるはずのDelFlyから逃げるにはどうすればよかろうか。木に登れば逃げ切れるだろうか。甘い。動きこそ速くないものの、Boston Dynamicsによる6足ロボットのRiSEは壁などを登っていくことができる。また木々の間をジャンプすることのできるロボットもいる。少々古いタイプではあるが、われわれが森に逃げたときの対策として、Googleはこうしたロボットを持ち駒として用意しているのだ。

最後に紹介するのは、投げられても自らの姿勢を制御して飛行を開始することのできるロボットだ。PSITacticalのInstantEyeはどんな状況でも空に飛び立ち、空中から有利なバトルポジションを探し出す。たまたま持ち歩いていた野球バットで打ちのめしても、きっと自動姿勢制御機能で体勢を整えて何度も何度も襲ってくるのだろう。

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(翻訳:Maeda, H


大手スーパーTargetの盗まれたカード番号4000万件の一部が早くもカード屋のブラックマーケットに出回る

セキュリティライターのBrian Krebsが、大手スーパーチェーンTargetのPOSシステムから盗まれたクレジットカード番号がカード屋のブラックマーケットで流通するまでの過程を、非常に詳しくおもしろく書いている。その大量の情報をここでご紹介するのは無理だが、彼は、一部のカードショップが、その貴重なお宝のような番号のために、Target専用のコーナーを設けていることを見つけた。

彼が、その悪名高いカードショップのサイトを某銀行の行員と一緒に訪ねたところ、一連のカードがTortugaというベース名で分類されていた。カード屋の業界用語でベースとは、カードの出所(でどころ)のことだ。そしてKrebsによると、Tortugaのカードの番号は、Targetから盗まれたカード番号だった。驚いたことに、ZIPコード(郵便番号)や州の名前の入ったカードが多かった。よその州の名前の入ったカードは、盗品かもしれないと銀行やお店が目星をつけやすいのだ。

顧客は、犯行を知って即座に対応しただろうか? 即座、ではなかった:

そのニューイングランドの銀行は、自行が発行したカード20枚をこのショップから買おうとした。Tortugaベースの6-9、14、15に属するカードだ。そのストアの“ショッピングカート”には、カードの有効性をチェックする機能があった。チェックで無効と判断されたカードは、自動的に返金される。その20枚のカードのうち、すでにキャンセルされていたのはわずかに1枚だった。

あなたも、心配すべきだろうか? 11月27日から12月15日までのあいだに、Targetの物理店舗で買い物をして、そのときクレジットカードまたはデビットカードをカード読み取り機にスワイプされていたら、答は“イエス”だ。ただし、犯人はあなたのカードを完全に複製することはできないし、現金を引き出したりオンラインで買い物をしたりはできない。Target広報部のMolly Snyderは、次のように書いている:

1. 現時点では、PIN番号に被害が及んだという徴候はない。すなわち、銀行のPINのあるデビットカードやTargetのデビットカードには今なお、このような付加的な保護層がある。したがって、ATMを訪れた誰かが偽造カードを使って現金を引き出すこともできない。

2. 不正にアクセスされたデータにゲストの誕生日や社会保障番号が含まれていた、という徴候もない。

3. 被害が及んだ可能性のあるCVVデータは磁気ストリップ上のデータであり、カード上に読める3~4桁の数字ではない。カード保有者がオンラインの購入ができるようになるのは、後者の数字によってだ。

TargetのCEO Gregg Steinhafelによると、顧客には短期的なディスカウントと、向こう1年間の無料のクレジットモニタリングが提供される:

[以下英文ママ; CEOによるディスカウント案内]

We take this crime seriously. It was a crime against Target, our team members, and most importantly, our guests. We’re in this together, and in that spirit, we are extending a 10% discount – the same amount our team members receive – to guests who shop in U.S. stores on Dec. 21 and 22. Again, we recognize this issue has been confusing and disruptive during an already busy holiday season. We want to emphasize that the issue has been addressed and let guests know they can shop with confidence at their local Target stores.”

Krebsのアシストで行員がカード屋のサイトにアクセスしたニューイングランドの小さな銀行は、クリスマス終了後、5300枚のクレジットカードすべてを再発行するだろう。しかしそれでも、未チェックのカード39,994,700枚が残る〔総被害件数を4000万枚とした場合〕。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


「メーカー」時代の訪れとこれからのさらなる進化の予感

ハードウェア(ガジェット)の製造について、私たちは今、ターニングポイントにいると言えるのではないだろうか。ソニーやサムスン、あるいはLGというビッグカンパニーのイノベーション速度が大幅に低下してしまっているように感じる。こうした大企業の動向に基づくニュースを、今年はいくつ耳にしたことだろう。

もちろん年末である今は、新年早々に行われるCESに向けてさまざまな発表を控えている時期であるというのはあるだろう。しかしそのCESにても、大画面テレビや超薄型ノートパソコン、あるいは性能が向上した冷蔵庫などなど、「革新」とは呼べないレベルのモノたちが登場してくるに過ぎないのではなかろうかと想像している。実は、真のイノベーションは、これまでとは全く違うところで起こっているのだ。ソフトウェアを拡張していったところにハードウェアがあるような、ソフトウェアとハードウェアが完全に融合したところで新しいものが生まれてくるようになっている。現在、コンシューマーエレクトロニクスの進化を支えているのは、日々新製品を耳にする「スマートデバイス」なのだ。

少し前まで、TechCrunchチームはCESの会期になるとホールを動きまわり、発見したガジェットについての記事を書きまくり、そして最新情報を見つけるとそのアップデート情報を投稿するということを繰り返してきた。しかし最近ではその必要性も減じてきたように思う。Pebble3D scannerなどの面白い、そして革新的な製品はいずれも小さなデザインハウスから生まれてくる時代となった。3DプリンターなどはCESにてほとんどお目にかかることもないが、実際のところは現在の世の中で最もアツいプロダクトであると言って良いと思う。コンシューマー向けロボットプロダクトや、身体データ数値化(quantified self)関連プロダクトも大手企業からは低く評価されていた。ウェアラブルも革新的未来をもたらす可能性のあるプロダクトだが、大手ハードウェアメーカーはその扱い方を理解できないようだ。ウェアラブルについて正しく取り扱いを行っているのはGoogleと、そしてEric Migicovskyのみだと言っても過言でないかもしれない。

それではなぜ我々はCESに出かけるのか。定期的なライブブログを行う意味もある。これまでなかなかの好評を博しており、これは続けていきたいと考えている。しかし本当の狙いは、CESそのものではなく、その会場周辺で行っていることにある。たとえば昨年、私たちはTechCrunchで開設した自前のブースの中で90%の時間を過ごした。開設した場所はCES会場の駐車場だ。誰でも入ることができる場所で、CESの入場証も必要ない。また、CESに出入りする人の注目を浴びやすい一等地でもあった。そこで多くの人に注目してもらえるイベントを開催したわけだ。たとえばここでGtarZivix、そしてPebbleなどの紹介を行った。ヘッドアップディスプレイやチップデザイン、ないしウェアラブルデバイスなど、いろいろなものを持ち込んでくる人と出会うことができた。会場を見て回ることをせず、DropcamFitbitのCEOたちといろいろな話をしていた。駐車場にいれば未来を感じることが出来るのに、わざわざ「ちょっと進化したテレビ」などの紹介をすることもないと思ったのだ。

今年もまたCES「周辺」でのイベントに力を入れたいと思っている。Hardware Battlefieldでは、優勝スタートアップに5万ドルの賞金を贈呈する。ジャッジにはBre PettisSlava Rubin、そしてTrae Vassallo等を招いている。また、TechCrunchブースではインタビューも行う。またラスベガスのテックコミュニティから大勢の来訪者がある予定だ。

見てみようかとお考えの方は、ぜひ会場まで足を運んで頂きたい。大勢の人がきてくれるほど、私たちも嬉しく思う。繰り返すがCESの入場証は無用だ。いろいろとプレゼントも用意しておこうと思う。何かが貰えると、期待してお越しいただいて大丈夫だと思う。

ハードウェアというものの立ち位置が変わったのだと思う。大企業が先頭を切っていくという時代は去った。あるいはむしろ、大企業は各種イノベーションの後を追いかけるような時代になっているのではなかろうか。

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(翻訳:Maeda, H


家庭で3Dプリントできるファッション人形Quin, なかなか魅惑的だ

お名前はQuin。彼女はどんなポーズもできる(そしてBarbieと完全互換の)お人形で、家庭で3Dプリンタで作って組み立てる。彼女を作った3DKitBashは、3Dプリンタには家庭で上質な玩具を作るという用途があることを、証明したかった。彼女のルックスが気に入ったせいでもあるけど。

Kickstarterで資金を募集中だけど、3Dファイルの最終価格は55ドルを予定している。ABS樹脂でプリントした完成品は、245ドルだ。

Quinの原作者は、Natalie MathisとQuincy Robinsonの二人。Mathisは、オハイオ州シンシナチの美術館の企画部長、Robinsonは彫刻家で玩具作者だ。彼は大手玩具メーカーMattellやHasbroなどの仕事もしていて、ぼくがもらったメールには、“TargetやWal-Martなどの量販店のおもちゃ売り場に行ったことがあるなら、ぼくの作品をきっと見てるはずだ”、と書いている。

それに、“孤児になったオポッサムの野性復帰支援活動家としても知られている”、そうだ。

チームはシンシナチが本拠地だが、この町には3Dプリントのコミュニティのルネッサンスが見られるという。Robinsonによると、“この何でもある中都市では、通りを歩いていて知ってる人に会って握手を二回するぐらいの間隔で3Dプリンタがある”のだそうだ。市も、General ElectricやProcter & Gambleの協賛により技術教育を展開し、活気ある都市作りに努めている。

“3Dプリンタにできることを検証するためのテストケースとして、人形はとても適していると思う”、とRobinsonは言う。“テストの案件が不適切だったら、その結果の良し悪しで3Dプリントの将来性を判断することはできない。人形は、プリントしやすく、モジュール構造で、たくさんのキャラクタがあり、カスタマイズの幅がとても大きいからテスト案件として理想的だ”。

RobinsonとMathisは、Quinを玩具以上のもの、と見ている。つまり3Dプリントのファンたちがいろんな機能を加えることや、人形ファンが衣装やアクセサリなどを多様にカスタマイズすることを、期待しているのだ。つまりQuinは、今後の多様な工夫やカスタム化のためにプラットホームだ、と。

Quinは、三歳の子どもの不機嫌に耐えられるだろうか? チームの答えは、“十分耐えられる”だった。

“今から3か月前に、Barbieみたいに丈夫で自分で立つこともできる人形を3Dプリントで作ると言ったら、みんなに笑われただろう。でも今では、それが作れたのだ! しかもBarbieみたいにタフで、立つだけでなくどんなポーズも無理なくできる”、とRobinonは言う。“彼女は頑丈さ”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


大手量販店のTargetで史上最大級のハッキング被害―4000万人分のクレジットカード情報がまるごと流出

今日、アメリカ最大のチェーン店の一つ、Targetは「POSシステムに記録された約4000万人分のクレジットカードおよびデビットカードの情報が11月27日から12月15日の間に侵入者によって盗まれた」と発表した。

Targetの発表によれば、同社は不法アクセスに気づくと同時に捜査当局と金融機関に通報し、「適切な対処の準備を整えている」という。また外部の専門家に依頼して攻撃相手、侵入の範囲を調査しているということだ。

顧客の氏名、カード番号、有効期限、3桁のCVVセキュリティー・コードのすべてが盗まれた。被害に遭ったのはTargetの店舗でショッピングをした顧客に限られる。

Targetの反応は非常に遅かった。12月12日にBrian Krebsが漏洩の噂を最初に報じ、Krebsは「顧客のトラックデータのすべてが漏洩したらしい」と書いている。トラックデータというのはクレジットカードの裏面の磁気ストライプに記録されている情報だ。

Targetの広報担当、Katie Boylanは「当社はできるかぎりの資源を対策に注いでおり、捜査当局およびトップクラスの情報犯罪対策企業と共同で事態の解明に取り組んでいる。[そのため] 現在これ以上のコメントはできない」と述べた。

ハッキング被害そのものは珍しいものではないが、これほどの規模の信用情報流出となると非常に稀だ。2009年に支払サービスのプロバイダーが1億3000万人分のカード番号を流出させたことがあった。しかし想定される実害の程度を考えると今回のTargetの事件はは間違いなく史上最大級の漏洩だ。

磁気ストライプの全記録データの盗難が最悪なのは、これによって本物とまったく同一の偽造カードが作成できるからだ。カード番号、名義、有効期限、セキュリティー・コードがあればオンラインで不正注文がいくらでもできるのは言うまでもない。「クリスマスを控えたこの時期、最悪のタイミングで漏洩が起きた」とSophosのセキュリティー調査部門の責任者、James Lyneは語った。

Targetは顧客に対して、頻繁に利用状況をチェックするなどカードの不正使用に対して警戒するよう呼びかけている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Shapify.meで、自分のミニチュアを作ろう

業界向けハイエンド3Dスキャナーのメーカー、Arctecが、ちょっと暫新なことを始めた。Shapify.meは、あなたの体をスキャンしてフルカラーで3Dプリントするサービスで、あなただけのミニサイズの自分を作れる。

システムは Kinectセンサーを使用 ― Kinect for WindowsまたはKinect for Xbox 360のいずれも可 ― しており、PCまたはMacがあれば自宅で体全体をスキャンできる。データはダウンロードして3Dプリントするか、59ドルで注文できる。プリントは米国とカナダで利用できるが、他の国々も近くサポートする予定。

画像の取り込みは少々トリッキーで、ライティングや回転の問題がいろいろとあるが、スムーズで使い物になるスキャン結果が得られるようだ。他のサービス、例えばあの驚顎のTwinkindなどと比べると、美しいとは言い難いかもしれないが、Kinectのあまり高くない解像度やCPUパワーの制約を考えれば、モデルの細部が少々欠けていても許せるだろう。

私は3Dスキャンが難しいことを知っているので、何であれこれが簡単になるのは良いことだ。大好きな母と父にShapifyで作ったフィギュアをプレゼントするには、少し遅いかもしれないが、楽しいオモチャであることは間違いなく、ホームホビイストにとって興味深いツールになるかもしれない。それに、3Dで自撮りしたくない人がいるだろうか?

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


なぜGoogleはロボット開発に全力を挙げるのか―ウェブに続いて現実世界を制覇するためだ

なぜGoogleはロボットを必要とするのだろうか?

Googleはすでにユーザーのポケットの中、つまりモバイル市場を制覇している。しかしこの市場はすでに飽和点に近い。世界には何億台ものインターネットに接続可能なモバイル端末が稼働しており、その多くがAndroidかiOSを搭載している。この先10年ほどは買い替え需要と小刻みな改良を除いて大きな動きは望めない。

もちろんGoogle Glassはこれと別の新しい動きだ。Glassはわれわれをスマートフォンよりはるかに密接にGoogleサービスに結びつける。Glassのユーザーは地図でのナビゲーションからレストラン選び、写真やビデオの撮影、その他あらゆる活動によってGoogleから情報を得ると同時にGoogleのために情報収集役を務めることになる。GlassのユーザーはGoogleにとって最高の顧客となる。しかしそれでもGoogleは満足しない。

他にうまい言い方がないのだが、これまでGoogleは「手足を欠いていた」。 われわれ人間のユーザーはアリと同じで、ほとんどの場合、定型的な行動しか取らない。毎日同じ経路で通勤し、巣から遠くへ離れることは少ない。Googleはデータ企業であり、人間のユーザーが集めてくるデータよりはるかに大量のデータを必要としている。ここでロボットが登場する。宇宙探査、より精密な地図データ取得、工業的生産プロセスの大幅な改良など、向こう数十年に起きる革新の多くはロボットが主導することになるだろう。

Baxterのようなシンプルな人間型ロボットは何百万人もの人間の職にとって代わるだろう。その結果、製造業における深刻な人余りをもたらすに違いない。Foxconnのようなメーカーはすでに巨額の資金をロボット開発に投じている。遠隔操作タイプであろうと自律タイプであろうと、各種ドローンは人間の諸感覚を劇的に延長する。 われわれはロボットのセンサーによっていながらにして遠く離れた場所についての知識を刻々と得ることができる。そのうちわれわれが病気になったときは介護ロボットが ベッドから起こし体を清潔にするなど世話をしてくれることになるだろう。小型のロボットが減量を手助けし、町をパトロールするだろう。今ロボットへの投資に出遅れている企業は今後何十年にもわたってそのツケを払うことになる。

だからGoogleはロボットを必要としているのだ。Androidが7000万人ものユーザーのインターネットへの通路となったのと同じように、Googleはロボットのマン・マシン・インタフェースを制覇したいのだ。GoogleがAndroidを買収してモバイルの世界に参入を決めたとき、多くの専門家は「無意味だ」と批判した。専門家は完全に間違っていた。同じことがロボットについても言える。

GoogleがBoston Dynamicsとその他7社のロボット企業を買収したのは今すぐ四脚のBig Dogロボットを大量生産して町を走り回らせるためではあるまい。しかしBoston DynamicsのPETMANのような二足歩行人型ロボットで踏破困難な地形に送り込んで地図データの収集に当たらせることはあるかもしれない。将来はGoogle Nowのハードウェア版のような役を果たすアシスタント・ロボットが登場するだろう。われわれの後を従いて歩き、さまざまな手助けをし、一度に2箇所にいる必要が出たときはアバターとなってわれわれを代理してくれるようなロボットだ。われわれがロボットに頼れば頼るほどGoogleは貴重なデータを得ることができる。

ビジネス上の観点も見逃せない。ロボティックスは巨大産業だ。アナリストは数年以内にBoston Dynamicsが50億ドル企業に成長すると予測していた。Googleが買収したロボティックス企業はいずれも同じくらいの成長の可能性を秘めている。Googleの無尽蔵の資金力と巨大なマーケティング能力を得た現在、これらの企業は消費者向けから産業向けまであらゆる市場で一大攻勢をかけられる可能性を得た。

すぐにシリコンバレーをロボ・グーグラーが歩きまわるようにはならないだろう。しかしGoogleが自動走行車をついに成功させた例を見れば、今後10年以内にサーゲイとラリーが二足歩行人型アシスタント・ロボットを従えて登壇する日が来るだろうと私は予測する。Googleがスカイネット化する日は近い。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


Googleが「Big Dog」のBoston Dynamicsを買収

GoogleがBoston Dynamicsを買収した旨のアナウンスを行った。Big DogPETMANなどの四足ないし二足のロボットで話題を集めたところだ。ロボット関連での買収は、Googleにとって8番目のケースとなる。

今のところ、Boston Dynamicsからの詳細情報のアナウンスはない様子だ。

情報源はNew York Timesの記事。Boston DynamicsのCEOであるMarc Raibertによると、DARPAとの間で軍事協約のようなものも結んでいたとのこと。Googleはこの協定を継続していくつもりはない様子。

Boston Dynamicsの設立は1992年だった。独自のガソリンエンジンを用いたロボットの研究開発を行ってきていた。開発したロボットは姿勢復元機能や高度な姿勢制御機能を持つことで注目を集めていた。Big Dogは自然な動きでものを投げたり、あるいは岩場での活動を行うこともできる。また16 mphの速度で走ることもできる。

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(翻訳:Maeda, H


あなたが今呼吸している空気はきれいかな?BirdiがWebとスマホ経由で教えてくれる

中国政府の考えでは、スモッグは国民を“一体化し、中国社会をより平等にし、人びとをよりおもしろくする”そうだが、われわれみんなは、人を殺すこともあることを知っている。Birdiの真価も、その点にある。それは空気の質をはかるセンサで、壁の中に隠れて、シンプルな煙感知器みたいに世界を監視する。ただし、火災の煙のような差し迫った死の危険性を教えてくれるのではなく、徐々に人を殺すスモッグについて教える。

Birdiの発売記念価格は99ドルだ。同社はPCH Internationalのインキュベータ、サンフランシスコでBrady Forrestが率いるハードウェア専門のアクセラレータHighway 1から孵化した企業だ。同社は、そこから最初に巣立った企業の一つだ。

Birdiは気温、湿度、二酸化炭素と一酸化炭素の量、空気中の微粒子の量、そして通常の煙も感知する。スモッグに関してはとくに、湿度と微粒子量が重要だ。電源が微弱になるとユーザに通知する。スマートフォンに接続してすべての感知データをアクセス無料のWebサービスに送る。そして空気の状態に異状が認められたら、警報をくれる。データを時系列で見ることもできる。

今indiegogoでクラウドファンディングを募っているが、目標5万ドルに対し1万ドル集まっている。ファウンダはMark BelinskyとJustin Alveyで、会社はニューヨークにある。彼らは、こう主張する:

室内の空気は外に比べて2倍から8倍は悪い。家の中の汚染源は、何だろう? それを知らない人がほとんどだが、喘息患者は増えつづけているし、悪い空気はがんの原因でもある。Birdiは、緊急な対策が必要なことと、空気の質を良くする方法を教えてくれる唯一のデバイスだ。

このような空気センサは、最近いろいろ出回るようになった。具体的な汚染源がないところでも、スモッグや微粒子が検出されることがある。それに、北京や上海の現状を見れば、空気の質が全世界的な問題になりつつあることが分かる。咳をしながら若死にする前に、Birdiが助けてくれることを、期待しよう。

〔↓この画像をクリックするとindiegogoのプロジェクトページへ〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


究極のロボットはわれわれの臓器を奪って利用する…今週のロボット特集記事

ぼくが担当している本誌のロボット連載記事も、いよいよ佳境だ。なんと今日は、いつの日かわれわれを奴隷化し、食べてしまうであろう連中が4体も登場する。しかも、どれもこれまで登場したのより美しいから、こいつらがわれわれの社会とモラルと、そしてついにわれわれの肉体を徐々に破壊し始めても、気づかないかもしれない。

まず最初は、無人機Stingray 500。この4回転翼機の驚異的な機能は、ピッチを自動修正するので飛行時に反転してしまうおそれがないことだ。中央のモーターが4翼すべてをコントロールし、ユニークなフライトコントローラが機の水平を維持するので、動力が停止していても着陸できる。ふつうのクァドコプターとしても見事な設計だが、これが火炎放射機を装備すれば、ロボット軍団がわれわれ人間を僻地の収容キャンプに追い込むとき、活躍できるだろう。


次は、ほんとうに怖いビデオだ。Alex Cornellが作ったこのビデオでは、無人機ロボットが攻撃目標を選びながら怒れる人間と対話をする。最初のうちは何度も撃墜されると思うが、やがて、撃墜されないための知恵を獲得するだろう。

次はスーパーヒーローロボットValkyrieだ。このロボットは宇宙戦争用にNASAが実際に作ったものだが、ちょっと間違えるとわれわれ人間を征服してしまいそうだ。NASAの科学者Nicolaus Radfordがいろいろ説明してくれるが、どうも彼はロボットを愛しすぎているようだから、ロボットたちの協力者になってしまいそうだ。

最後のビデオでは、Double Robotics社が、会議や美術観賞やデートの未来の形を教えてくれる。なぜこれを取り上げるのか? 本誌のSamantha O’Keefeが、このロボットを使って、画廊における絵画鑑賞時間の短縮について研究しているのだ。いいぞ、サム、そうやって未来のご主人に奉仕していれば、彼らが世界のすべての宗教と政府を壊滅させたときに、きみにはすこし多めのプロテインを配給してくれるだろう。

では、次回、また無事にお会いできることを!

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))