GoogleがAndroidタブレット向けキッズモード「Google Kids Space」を公開

ストリーミングサービスに子供用のプロフィールあるなら、端末にもあってよいはずだ。Google(グーグル)は米国時間8月31日に子供たちがテクノロジーと付き合うもっとよい方法を望む親たちの声に応えて、「Google Kids Space(グーグル・キッズ・スペース)」を新たに公開した。これはAndroidタブレット用の子供専用モードで、子供が遊んだり学んだりするためのアプリや本、ビデオなどを揃えている。まずはLenovo(レノボ)のSmart Tab M10 HD Gen 2向けに提供されるが、グーグルはKids Spaceをさらに多くのデバイスに展開していく計画だ。

コンセプトは、Amazon(アマゾン)のFreeTime(フリータイム)にやや似ている。FreeTimeはペアレンタルコントロールと子供向けに選ばれたアプリやメディアをアクセスできるアマゾン製のよくできたシステムだ。しかしグーグルの場合は、同社が子供のいる家族向けにこれまで開発してきた、より安全でコントロールされたAndroid体験をベースに作っている。

たとえばFamily Link(ファミリー・リンク)は、現在Android OSに組み込まれている一連のペアレンタルコントロール機能だ。Family Linkには、スクリータイムの制限やコンテンツのセーフサーチ、プライバシー設定などを親が設定する仕組みが既にある。グーグルはこれをキッズアプリのコレクションへと拡張し、Google PlayにKidsタブを新設して、「先生が承認」したモバイルアプリやゲームを掲示できるようにしている。

画像クレジット:Google

新しく提供されるKids Spaceでは、これまでにAndroidアプリを評価してきたグーグルの取り組みを「Play」タブに活かし、その他の高品質コンテンツを加えてコレクションを拡張した。例えばグーグルは出版社と協力して人気の児童書を無料でKids Spaceで公開し、サービス開始と同時に400冊以上書籍を米国ユーザー向けに「Read」タブで提供する。

Kids Spaceの「Watch」と「Make」タブには、グーグルがYouTube Kidsから集めたオフスクリーン・アクティビティを促すクリエイティブなコンテンツを導入している。

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究極の目的は、この機能をAndroid端末のセールスポイントとして家族をGoogleエコシステムに囲い込むことだ。ここがアマゾンのFreeTimeと異なるところで、アマゾンの目的はその一部にすぎない。FreeTimeは主としてサブスクリプション機能の一環として提供されるものであり、FireタブレットやスマートスピーカーのEchoといったアマゾンデバイスだけでなく、iOSやAndroidデバイスなど広くプラットフォームを横断して利用できる。それに対してグーグルのKids SpaceはAndroidのためだけに作られている。

Google Kids Spaceは、Lenovo Tab M10 HD Gen 2向けにまず提供される。グーグルは、Lenovoと協力して親の設定作業を簡単にして、Kids Spaceをプレインストール機能とすることを約束したという。近いうちにKids Spaceを他のAndroidタブレットにも提供するつもりだと同社は語った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Flipboardが米国の全ユーザーに広告付きビデオサービスを提供開始

ニュースアプリのFlipboardが、ビデオサービスのFlipboard TVを拡大する。同社が選んで集めたビデオを提供するサービスは、2020年2月にまずサムスンのデバイス限定で公開され(Flipboardサイト)、米国時間8月27日から米国内のFlipboardユーザー全員に広がった。グローバルのパブリッシャーや各地のニュースパブリッシャーに加え、厳選された独立系ビデオプロデューサーなど、多くのパブリッシャーが制作したビデオを見られるようになっている。

サムスンのGalaxyデバイスのオーナーに限り、広告なしのFlipboard TVプレミアム版を引き続き利用できる。その他のユーザーには広告付きのサービスが提供される。

今回の拡大に合わせて、Flipboardはアプリにビデオフィードを提供するメディアパートナーも多数揃えた。パートナーには、Complex Networks、Minute Media、A360 Media、Group Nine Media、The Recount、Bonnier Corp、Refinery29、Dow Jones、Hearst Magazines、Gannett、Vice Media Group、Penske Media Corporationのほか、Rolling StoneやVarietyなどのブランドも名を連ねる。Flipboardによれば、VideoElephantとの新たな提携により、EuronewsやTribune Publishing、ほかにも数十のメディアも利用できるようになるという。

画像クレジット:Flipboard

さらにFlipboardは、映像制作者のGene Nagata(別名Potato Jet)やビデオジャーナリストのJohnny Harrisなど、独立系パブリッシャーのビデオも初めて提供する。これはインフルエンサーエージェンシーのSpacestation IntegrationsとFlipboardの提携によるものだ。独立系パブリッシャーはほかにGary Vaynerchuk、AudPopの制作者、「What If」や「How To Survive」などのビデオシリーズのプロデューサーであるUnderknownなどが取り上げられている。

従来型のニュースパブリッシャー以外に拡大したものの、Flipboardは品質を重視して慎重にビデオのラインナップを選択しているという。

Flipboardのグローバル成長&ビジネス開発担当バイスプレジデントであるClaus Enevoldsen(クラウス・エネボルドセン)氏は「誰でも参加できるわけではない。我々はエコシステム全体に細心の注意を払い、我々がフェイクニュースではないと確認できるものだけが『For You』に表示されるようにしている。信頼できるソースを提供しているということだ。我々は常にそうしてきたし、ビデオのジャンルを拡大するにあたってもそのことは変わらない」と説明する。

画像クレジット:Flipboard

新しいビデオフィードは、Flipboardのコンテンツガイドにある専用の「ビデオ」タブに表示される。Flipboardによれば、ビデオを発見する機能や統合が改善されたため、ユーザーはアプリ内でこれまでよりも簡単にビデオを見つけられるようになるという。さらにコンテンツガイドにはトップレベルの20のトピックとして、旅行、政治、ローカル、ライフスタイル、スポーツ、ニュースなどと並んでビデオ専用のフィードがある。エディトリアルとアルゴリズムによってコンテンツが選ばれる「For You」タブでもビデオが目立つように表示される。

ユーザーは、自分のマガジンにビデオ専用フィードを追加することができる。

今回初めて、ビデオがFlipboard内でネイティブに再生されるようになった。これにより、関連のあるビデオをユーザーに示すFlipboardのレコメンデーションエンジンが強化されると同社は説明する。また、次のビデオへスキップするといったビデオコントロールを使うこともできるようになった。

画像クレジット:Flipboard

ビデオへの取り組みは、2020年初頭にFlipboardが始めたローカルニュースの拡張(未訳記事)とも結びついている。6月時点で(未訳記事)Flipboardでローカルニュースが提供されているのは米国とカナダの50都市で、現在では61都市になっている。Flipboardユーザーは好みのローカルニュース提供元のビデオコンテンツもFlipboard内で直接フォローできる。

このため、ニュースパブリッシャーのアプリやウェブサイトを見にいくよりもすっきりとしたエクスペリエンスになる。ただし、Flipboardはニュースパートナーのビデオが再生された際の広告から生じる収益の分配については明らかにしていない。

Flipboardによれば、広告はコンテンツの再生前と再生中に表示されるという。Flipboardのプラットフォーム上でコンテンツの再生前に広告が表示されるのは初めてだ。こうした広告によって、ブランドを傷つけない高品質のデジタルビデオエクスペリエンスをモバイルで実現したいというパブリッシャーからの要求が解決されると、Flipboardは考えている。

サービス開始時点で、Flipboardはビデオ向けの広告インベントリを販売している。しかし同社は、これは将来的にパブリッシャーが自身の広告インベントリを販売できるようにするためだと述べている(パブリッシャーがすでに広告インベントリの販売チームを持っている場合は、それを継続できる)。

パブリッシャーはビデオコンテンツの閲覧を促進するために、Flipboardが最近リリースしたストーリーボード機能(未訳記事)を使うこともできる。ストーリーボードはアルゴリズムによるフィードではなく、目立たせたいコンテンツを集めた固定のコレクションだ。

Flipboardの共同創業者でCEOのMike McCue(マイク・マッキュー)氏は「今回の新機能は我々がおよそ10年かけて築いてきたパブリッシャーのエコシステム、コンテンツ発見に関する基本的な考え方、そして最近のFlipboard TVの取り組みの上に構築されている。新しいネイティブのビデオプレイヤーによって、新しいユーザーエクスペリエンスやパートナーシップ、収益化のチャンスが開かれる。近いうちに、さらに多くのクリエイターや独立系プロデューサーと連携するつもりだ」と語っている。

ビデオの新機能はFlipboardアプリ内で米国のユーザーに対して公開されている。

画像クレジット:Flipboard

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(翻訳:Kaori Koyama)

Flipboardが米国の全ユーザーに広告付きビデオサービスを提供開始

ニュースアプリのFlipboardが、ビデオサービスのFlipboard TVを拡大する。同社が選んで集めたビデオを提供するサービスは、2020年2月にまずサムスンのデバイス限定で公開され(Flipboardサイト)、米国時間8月27日から米国内のFlipboardユーザー全員に広がった。グローバルのパブリッシャーや各地のニュースパブリッシャーに加え、厳選された独立系ビデオプロデューサーなど、多くのパブリッシャーが制作したビデオを見られるようになっている。

サムスンのGalaxyデバイスのオーナーに限り、広告なしのFlipboard TVプレミアム版を引き続き利用できる。その他のユーザーには広告付きのサービスが提供される。

今回の拡大に合わせて、Flipboardはアプリにビデオフィードを提供するメディアパートナーも多数揃えた。パートナーには、Complex Networks、Minute Media、A360 Media、Group Nine Media、The Recount、Bonnier Corp、Refinery29、Dow Jones、Hearst Magazines、Gannett、Vice Media Group、Penske Media Corporationのほか、Rolling StoneやVarietyなどのブランドも名を連ねる。Flipboardによれば、VideoElephantとの新たな提携により、EuronewsやTribune Publishing、ほかにも数十のメディアも利用できるようになるという。

画像クレジット:Flipboard

さらにFlipboardは、映像制作者のGene Nagata(別名Potato Jet)やビデオジャーナリストのJohnny Harrisなど、独立系パブリッシャーのビデオも初めて提供する。これはインフルエンサーエージェンシーのSpacestation IntegrationsとFlipboardの提携によるものだ。独立系パブリッシャーはほかにGary Vaynerchuk、AudPopの制作者、「What If」や「How To Survive」などのビデオシリーズのプロデューサーであるUnderknownなどが取り上げられている。

従来型のニュースパブリッシャー以外に拡大したものの、Flipboardは品質を重視して慎重にビデオのラインナップを選択しているという。

Flipboardのグローバル成長&ビジネス開発担当バイスプレジデントであるClaus Enevoldsen(クラウス・エネボルドセン)氏は「誰でも参加できるわけではない。我々はエコシステム全体に細心の注意を払い、我々がフェイクニュースではないと確認できるものだけが『For You』に表示されるようにしている。信頼できるソースを提供しているということだ。我々は常にそうしてきたし、ビデオのジャンルを拡大するにあたってもそのことは変わらない」と説明する。

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新しいビデオフィードは、Flipboardのコンテンツガイドにある専用の「ビデオ」タブに表示される。Flipboardによれば、ビデオを発見する機能や統合が改善されたため、ユーザーはアプリ内でこれまでよりも簡単にビデオを見つけられるようになるという。さらにコンテンツガイドにはトップレベルの20のトピックとして、旅行、政治、ローカル、ライフスタイル、スポーツ、ニュースなどと並んでビデオ専用のフィードがある。エディトリアルとアルゴリズムによってコンテンツが選ばれる「For You」タブでもビデオが目立つように表示される。

ユーザーは、自分のマガジンにビデオ専用フィードを追加することができる。

今回初めて、ビデオがFlipboard内でネイティブに再生されるようになった。これにより、関連のあるビデオをユーザーに示すFlipboardのレコメンデーションエンジンが強化されると同社は説明する。また、次のビデオへスキップするといったビデオコントロールを使うこともできるようになった。

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ビデオへの取り組みは、2020年初頭にFlipboardが始めたローカルニュースの拡張(未訳記事)とも結びついている。6月時点で(未訳記事)Flipboardでローカルニュースが提供されているのは米国とカナダの50都市で、現在では61都市になっている。Flipboardユーザーは好みのローカルニュース提供元のビデオコンテンツもFlipboard内で直接フォローできる。

このため、ニュースパブリッシャーのアプリやウェブサイトを見にいくよりもすっきりとしたエクスペリエンスになる。ただし、Flipboardはニュースパートナーのビデオが再生された際の広告から生じる収益の分配については明らかにしていない。

Flipboardによれば、広告はコンテンツの再生前と再生中に表示されるという。Flipboardのプラットフォーム上でコンテンツの再生前に広告が表示されるのは初めてだ。こうした広告によって、ブランドを傷つけない高品質のデジタルビデオエクスペリエンスをモバイルで実現したいというパブリッシャーからの要求が解決されると、Flipboardは考えている。

サービス開始時点で、Flipboardはビデオ向けの広告インベントリを販売している。しかし同社は、これは将来的にパブリッシャーが自身の広告インベントリを販売できるようにするためだと述べている(パブリッシャーがすでに広告インベントリの販売チームを持っている場合は、それを継続できる)。

パブリッシャーはビデオコンテンツの閲覧を促進するために、Flipboardが最近リリースしたストーリーボード機能(未訳記事)を使うこともできる。ストーリーボードはアルゴリズムによるフィードではなく、目立たせたいコンテンツを集めた固定のコレクションだ。

Flipboardの共同創業者でCEOのMike McCue(マイク・マッキュー)氏は「今回の新機能は我々がおよそ10年かけて築いてきたパブリッシャーのエコシステム、コンテンツ発見に関する基本的な考え方、そして最近のFlipboard TVの取り組みの上に構築されている。新しいネイティブのビデオプレイヤーによって、新しいユーザーエクスペリエンスやパートナーシップ、収益化のチャンスが開かれる。近いうちに、さらに多くのクリエイターや独立系プロデューサーと連携するつもりだ」と語っている。

ビデオの新機能はFlipboardアプリ内で米国のユーザーに対して公開されている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Facebookがユーザーデータ収集のために規約違反した開発者を英国と米国で提訴、偽の「いいね!」を販売

Facebook(フェイスブック)は米国時間8月27日、米国では複数の開発者を、英国では初めての開発者を、自社のポリシーに違反しているとして提訴すると発表した。英国では、FacebookとFacebook Irelandの両社が、悪質なソフトウェアを通じてFacebookユーザーからデータを収集する、MobiBurnという企業が擁する技術にセキュリティ調査員がフラグを立てた後、Facebookの監査要請に従わなかったとして、MobiBurnの親会社であるOakSmart Technologiesとその創業者であるFatih Haltas(ファティ・ハルタス)氏を高等裁判所に提訴している。またこれとは別にFacebookとInstagramは、偽のエンゲージメントサービスを運営していたとして、サンフランシスコの連邦裁判所でNikolay Holper(ニコライ・ホルパー)氏を提訴した。

Facebookは、8700万人のFacebookユーザーの個人データが流出したケンブリッジ・アナリティカのスキャンダルを受け、悪質な開発者を取り締まってきた。それ以来Facebookは、アプリ開発者がデータにアクセスする方法について、罰則的措置だけでなく、より多くの保護を導入した。今年の初めには、コンプライアンスを確実にするために、必要に応じて開発者のシステムへのリモートアクセスまたは物理的なアクセスを要求することで、サードパーティのアプリを監査する許可を与えた、新しいプラットフォーム規約と開発者ポリシーを導入していた。

Facebookの発表によると、MobiBurnはFacebookの監査要請に「完全に遵守していない」とのことで、同社が悪質なソフトウェア開発キット(SDK)を使用してユーザーデータを収集していたことを調査しようとしていたという。

MobiBurnの活動に関するニュースは、2019年後半にセキュリティ研究界で最初に出回った。11月にはFacebookとTwitterの両社が、MobiBurnと別会社のOne Audienceが悪意のあるSDKをインストールした特定のサードパーティ製アプリにソーシャルアカウントを使ってログインした後、数百人のユーザーの個人データが不正にアクセスされた可能性があると発表した。Facebookは、これらの企業に対して停止命令を出したという。

MobiBurnのケースでは、MobiBurn自体が自社のポリシーに則って強制措置を取り、アプリを無効化して監査への参加を要請した。しかし、MobiBurnは「完全に協力しなかった」とFacebookは述べている。MobiBurnは11月、Facebookからデータを収集、共有、マネタイズしないと回答していた。同社には本日、コメントを求めているがいまだ回答はない。

Facebookの訴訟では、MobiBurnがサードパーティのアプリ開発者に支払い、同社のSDKをアプリにインストールさせたと主張している。「インストールされると、MobiBurnはデバイスから情報を収集し、Facebookにその人の名前、時間帯、メールアドレス、性別などのデータを要求した」とFacebookは訴訟の発表の中で説明している。

訴訟では、MobiBurnに対する差止命令、同社のシステムを監査する機能、アクセスしたデータ、開発者への支払い、受け取った支払いの説明、損害賠償などの救済を求めている。

Facebook vs MobiBurn(TechCrunchのScribdに掲載)

一方米国の訴訟では、Facebookは偽のエンゲージメントサービスを運営していた開発者のニコライ・ホルパー氏を相手取っている。Facebookは、ホルパー氏がボットと自動化ソフトウェアのネットワークを使って Instagram上で偽の「いいね!」「コメント」「ビュー」「フォロワー」を配布していたと主張している。訴状によると、偽のエンゲージメントサービスをインスタグラムのユーザーに販売するために、複数の異なるウェブサイトが使用されていたという。

訴状と展示品(TechCrunchのScribdに掲載)

Facebookが偽のエンゲージメントサービスを取り締まるのは今回が初めてではない。昨年、ニュージーランドのフォロワー購入サービスを閉鎖するために米国で訴訟を起こした。2019年にはInstagramもまた、Instagramユーザーにフォロワーを増やすことを約束する17件の偽エンゲージメントサービスのアカウントを閉鎖した。

Facebookは以前、このエンゲージメントサービスをシャットダウンし、開発者に正式に警告を発し、違反しているとした上で停止命令を出していた。

Facebookが利用規約に違反している開発者を取り締まろうとしている間にも、ユーザーは自分のフォロワー数を無闇に増やす他の方法を見つけている。例えば、多くのInstagramユーザーは「ポッド」に参加して、Instagramのアルゴリズムを弄ぶ方法として、お互いの投稿への「いいね!」や「コメント」を系統的に連携させている。

「本日の行動は、サービスを利用する人々を保護し、プラットフォームを悪用する者に説明責任を課し、データの悪用とプライバシーをめぐる法の状態を前進させるための最新の取り組みです」とFacebookは声明で述べた。

【2020/08/28 16:99(米国東部時間)アップデート】
MobiBurnが声明を発表した。

我々は、MobiBurnが英国の裁判所でFacebookによって提出された訴訟を確認しました。通常、訴訟が進行している最中に公表することはありませんが、この件に関する不正確な記事が公開されていることから、今回の回答はやむを得ないと考えています。

MobiBurnは、2019年11月に初めてFacebookからこの件に関連して停止命令を受けました。それ以来、同社はFacebookのユーザーデータが不正アクセスや誤用の対象になっていないこと、あるいは不適切に取り扱われていないことを示すために、Facebookに協力しようとしてきました。特にMobiBurnは、本件で被告が開発・公開したアプリにはいずれもFacebookログイン機能が組み込まれていなかったため、技術的にFacebookユーザーデータを収集することができなかったことを説明しようとしてきました。

MobiBurnとほかの被告は、Facebookのプライバシーに関する懸念を尊重しており、その懸念を取り除くために英国の裁判所に約束をする用意があります。現在MobiburnはFacebookが要求した監査に協力することを拒否したと報道されていますが、これらの報道は正確ではありません。被告の提案により、Facebookは第三者のサイバーセキュリティ会社を被告の費用負担で指名し、彼らの活動データの分析・解析を行うことができた。被告は、そのような監査に従う意思があります。

我々は今回の提案が受け入れられなかったことを残念に思っており、やむを得ず弁護団にFacebookの主張に対する回答を準備するよう指示しました。しかし引き続き、Mobiburnおよびほかの被告は、この不必要な紛争を友好的に解決するために努力していきます。

画像クレジット:Adam Berry / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

最新Chromeはタブのグループ化、QRコード生成に加えてパフォーマンスも大きく改善

Google(グーグル)はウェブブラウザであるChromeのアップデート(v.85)を順次公開している。新しいChromeは生産性が向上し、読み込みなどパフォーマンスも高速化されているという。グーグルは、特にChromeの使い勝手の向上としてタブ周りの強化に力を入れており、そのタブをグループ化する新機能は使い勝手を大きく改善する。目に見えない部分での強化では、ページの読み込みが最大10%速くなっている。またバックグラウンドタブがアイドル状態になった場合のリソースを再配分して影響を最小限に止めるよう改良も行われている。

全体として、今回のアップデートはChromeを仕事などで定期的に利用しかつ大量のタブを開くパワーユーザーをターゲットにしたようだ。グーグルは2020年5月に、ユーザーが開いたタブをグループ化し名前をつけられる機能をまずベータ版としてリリースしていた。ユーザーはタブのグループ化機能を利用して繰り返し開くタブにまとめてラベルを付けておくことができる。同様に特定のアプリで開いたタブ、オンライン検索の結果などをグループするのにも使える。今回のアップデートでタブびグループ化機能が一般ユーザーに公開される。ベータテスターからのフィードバックをベースにグーグルは様々な調整を行った模様だ。

また新しいChromeでは、ユーザーはタブをグループ化するだけでなく、作成したタブグループをまとめて開いたり閉じたりできる。つまり現在の作業に必要なタブだけを表示しておくことができるわけだ。グーグルによれば、これがベータテスターから最も多く要望があった機能だという。また2 in 1のノートパソコンなどのデバイスをタブレットモードで利用する際、タッチでタブを操作する機能も加わった。これはまずChromebookから利用できる。これは多数のタブを開いている場合、指を滑らせて素早くページを切り替えることができる。

画像クレジット:Google

Android版Chromeではアドレスバーにページをタイプし始めた際、そのページがすでに開かれていれば移動先候補として表示される。Android版では、コピーないし他のユーザーとの共有を容易にするために短縮URLが提供される。

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さらに、ページをプリントアウトすることもできる。ダウンロードしたりページを開いたりするためのQRコードも生成できる。

QRコードの生成機能はデスクトップ版のChromeにも近く導入される。ChromeのアドレスバーにQRコードのアイコンが表示されるのでそこからアクセスできる。

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今回のアップデートでユーザーに大歓迎されそうなのはChrome内から直接PDF書式に記入して保存できる機能だ。ユーザーは保存したPDFを開き前回中断したところから作業を再開できる。ただし、全ユーザーがこの機能を利用できるようになるには多少時間が必要だ。グーグルによれば数週間かかるという。

なお、Chromeベータ版には開いたタブの上にマウスを乗せると、内容がサムネイル表示される機能が追加された。これはGoogleドキュメントを使っている場合など同一ドメインで多数のファイルを開いている場合に、便利なはずだ。

今回のアップデートでは、タブを多数開くような使い方が非常に快適にできるようになっている。1つはプロフィールを利用したコンパイル最適化で、パフォーマンスに最も重要な影響を与えるコードを高速で実行できるようになった。グーグルによれば頻繁に利用されるタスクに高い優先順位を与えることによりページの読み込みが最大10%速くなったという。この最適化はWindows版、Mac版ともChrome(バージョンM85)で搭載される(この機能は実はWindows版ではChromeの以前の開発環境でMicrosoft Visual C++が利用できたためM53から搭載されていた。今回はClangが使えるようになったためMac版、Windows版ともにアップデートされた)。

Chromeのベータでグーグルは「タブ・スロットリング」というテクノロジーを導入している。これは、現在使用しているタブにリソースを割り当てるという機能で、長い間バックグラウンドにあるタブのリソースをユーザーが現在開いているタブに割り当てる。これにより読み込み速度だけでなくバッテリー消費やメモリー消費なども抑えられるという。

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ChromeのMac版はこれまで重い、リソースを食い過ぎる遅いといった批判を浴びてきた(Cult of Mac記事)。こうした問題には。非常に複雑な原因があるのが普通だが、ユーザーはOSよりまずソフトウェアの問題だと考えがちだ。そこでグーグルも、今回のようなテクニカルな最適化に注力してパフォーマンスの向上を図らざるを得ない。パフォーマンスアップがどの程度実現してるのかは、アップデートが行き渡ってからサードパーティによる公平なテストが必要だろう。

関連記事:Google Chromeにタブ整理に役立つラベル・カラーコード機能が加わる、絵文字での分類も可能に

カテゴリー:ソフトウェア

タグ:Google Google Chrome

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Google Assistantアプリがユーザーの検索履歴を使っておすすめをパーソナライズ

Google(グーグル)は、iOSおよびAndroid版Google Assistant(アシスタント)の “Snapshot”(スナップショット)機能を改訂する。同社は2年前の2018年に初めてGoogle Assistant Snapshotを公開し、予定、リマインダー、通勤時間、株価、荷物の追跡などのタイムリーな情報を表示することで、ユーザーが1日を把握できるようにした。今日(米国時間8月27日)同社はこの機能をもっと便利でパーソナルにする新機能を追加した。タスク、誕生日のプッシュ通知、その他ポッドキャスト、レストラン、レシピなど、ユーザーがやってみたいだろうとGoogleが考えたことのおすすめまでする。

後者の機能はユーザーデータを利用している。具体的には検索履歴で、Google Assistantで行った検索だけでなく、ほかのスマートデバイスで行ったものも含まれる。

画像クレジット:Google

このアップデートで、Google Assistantはユーザーが作りたいであろう料理のレシピや聞いてみたいポッドキャスト、近所のデリバリーを頼めるレストランなどをおすすめできるようになる。おすすめ内容は1日の間に変わることもある。例えば、夜には夕食のレシピが提案されるかもしれない。

さらにSnapshotは、大切な仕事の概要を画面のトップに表示するようになる。誰かの誕生日が近づくとプッシュ通知が送られてきて、電話、メッセージ、パーソナライズされたバースデーソングなど、次にとるべきさまざまな行動を推奨するカードか提示される。誕生日通知機能は英語圏地域から提供開始する、とGoogleは言っている。

Google Assitantアプリは、フライトやイベントの最新情報、請求書や締切日などの通知も送る。

Google Snapshot自身の機能も改訂され、時刻やユーザーのGoogle Assistantとのやりとりに応じて表示内容か変わるようになる。

たとえば午前中には、通勤時間やその日の天気、ニュースの見出しやTO-DOリストなどを表示する。午後になると、ユーザーの日頃の行動やGoogle Assitantアプリやスマートデバイスで検索した内容に合わせた情報に変わる。

さらにGoogleは、 “Hey Google, show me my day”と言ってSnapshotを見られるようにした。以前はGoogle Assistantアプリの左下のアイコンをタップして起動していた。この音声起動機能はデフォルト言語を “English”に設定しているユーザーで今日から有効になるが、Googleは今後数ヶ月のうちに他の言語でも音声対応する計画だ。

本アップデートは、iOSおよびAndroid版Google Assitantアプリで実施される。

画像クレジット:Google

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Instagramのガイド機能で場所や製品などを紹介できるようになる

Instagramは、健康に関するコンテンツに特化して最近公開した「ガイド」機能(Instagramブログ)の拡張に取り組んでいる。この機能は、新型コロナウイルス感染拡大に対する不安や悲しみへの対処などメンタルヘルスに関するリソースを一部の組織や専門家が共有できるようにと5月に公開された(The Verge記事)。まず少数のクリエイターがこの機能を利用できるようになり、自分のプロフィールの中の「ガイド」タブで健康に関するヒントを投稿してきた。現在Instagramは、クリエイターが場所や製品など健康以外のヒントやおすすめのガイドを作るツールを開発している。

ガイド機能の目指すところは、Instagramユーザーが写真やビデオだけではない、長いコンテンツを投稿できるようにすることだ。現在、ガイドにはクリエイター自身の写真やギャラリー、ビデオのほか、ケースとしては少ないが他のクリエイターの写真なども含めることができる。さらにメディアだけでなくコメントやヒントも入れられる。

現在のInstagramのガイド(画像クレジット:Instagram)

この機能により、クリエイターはInstagramをヒントやアドバイスを共有するプラットフォームとして利用できる。ブログや他のウェブサイトなど、Instagramの外にトラフィックをリダイレクトさせる必要がなくなる。

Instagram責任者のAdam Mosseri(アダム・モセリ)氏はガイド機能の公開時に、これはもともと旅行のユースケースを念頭に置いて設計していたが、新型コロナウイルスの感染が拡大したため健康のための機能に変更したと述べていた(ツイート)。

ここにきてInstagramは当初のアイデアに立ち返り、クリエイターが場所などのガイドを作れる機能にするようだ。

ガイドの変更は、Twitterユーザーで自称リーカーのAlessandro Paluzzis(アレッサンドロ・パルッツィス)氏(Twitterアカウント)によって最初に明らかになった(@alex193aツイート)。パルッツィス氏はTechCrunchに対し、Instagramアプリをリバースエンジニアリングして新機能を見つけたと語った。しかしこの変更は、多くのInstagramユーザーにはまだ公開されていない。

画像クレジット:Alessandro Paluzzi(Twitterより)

Instagramは新しい投稿作成画面もテストしている。ユーザーに、Instagramのソーシャルネットワークで公開する際のさまざまな選択肢が示される。フィードポスト、ストーリーやストーリーハイライト、IGTV、リール、そして新機能のガイドを作成できる。

このリストから「ガイド」を選択すると、次にガイドの種類を選ぶメニューが表示される。このメニューから、お気に入りの場所を紹介する「場所のガイド」、お気に入りの製品を紹介する「製品のガイド」、そして自分の一連の投稿を紹介する汎用的なフォーマットである「投稿のガイド」を選ぶことができる。

このようにガイド機能はInstagramインフルエンサーのワークフローに簡単に合わせられるようになっていて、インフルエンサーたちはどこへ行けばいいか、何を買えばいいかなどをフォロワーにこまめに紹介できる。クリエイターはガイドを活用してアフィリエイトの売上を増やしたり、ユーザーをスポンサー付きの投稿に誘導したりすることもできるだろう。

画像クレジット:Alessandro Paluzzi(Twitterより)

Instagramは、この新機能は現在取り組んでいるガイドの改善の一部であることを認めた。

広報担当者は「これはガイドを向上させるための初期テストの一部だ。まもなく、さらに多くのことを公表する」と述べた。Instagramは変更された機能がより広い範囲に公開されるのか、されるとしたらいつなのかについては回答しなかったが、これは初期段階でありユーザーからのフィードバックに基づいて変わることがあると補足した。同社は、ガイド機能の長期的な計画についても明言を避けた。

PinterestがInstagramの守備範囲に進出し始めている中で、この変更が明らかになった。Pinterestは最近、長いストーリーのコンテンツをまとめる新機能のテストを始めている(未訳記事)。Pinterestクリエイターはストーリーピンを使ってレシピ、手芸、DIYなどのトピックに関するオリジナルの「ガイド」を作ることができるだろう。また、ヒントや発想といったクリエイターコンテンツをFacebookのライバルであるTikTokに求めるユーザーも増えている。

画像クレジット:Bryce Durbin

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(翻訳:Kaori Koyama)

Twitterがツイートの引用数を表示する実験を開始

Twitter(ツイッター)は、ひとつのツイートから発生した会話を簡単に確認できるようにしたいと考えている。今年の5月、同社はユーザーインターフェイスを変更(Twitter公式ツイート)し、ツイートの下に表示されるリツイートの数をクリックすると、コメント付き、またはコメント無しで、そのすべてのリツイートをひとつの画面で読めるようにした。だが今回の新機能では、リツイートに関して、その会話がどこで展開されているかをエンドユーザーにもわかりやすく見られるようになる。それを「Quotes」(クオーツ、引用)数というかたちで実験を始めるとTwitterは話していた。これは、今あるリツイートと「いいね」の数が表示される場所に並んで示される。本日から、各ツイートの下に現れることになっている。

この機能は、数日前から一部のTwitterユーザーには提供されていたが、反応はさまざまだ。通常のリツイートとクオーツを区別するのに役立つと称賛する人もいれば、いちばん右が「いいね」という配置に慣れている人には、新しい数値の位置に混乱すると苦情を述べる人もいる。

Derick Alangi:少し前にasemotaが言ったことにTwitterは火が点いた。リツイートとクオーツが区別されて使いやすい

Sam Sheffer:新しいクオーツは気に入った

SmugWolff? LewdWolff:「いいね」の右に新しいクオーツがあるのは混乱する。その数を見たら、いいねがすごく少ないと思ってしまう。あれこれ画面を変えるのはいいが、クオーツは真ん中にしてほしい

Joshua Byrd:Twitterはリツイートとクオーツを分けたみたい

ソーシャルメディアのニュースサイトSocial Media Today(ソーシャル・メディア・トゥデイ)が、この数値の追加を最初に報道した。情報源となったメディア・コンサルタントMatt Navarra(マット・ナバラ)氏のツイートを引用している。

Matt Navarra:Twitterは、コメントを付いてリツイートよりもクオーツがお気に入りのようだ

TechCrunchがTwitterに確認したところによると、ユーザーが見ているものは、まだテスト中のものという認識だ。しかも、この新機能を「Quotes」という名称にするかも決めていないという。「Quote Tweets」(ツイートを引用)という名称も試すという。

「数カ月前、ツイートのリツイートをタップしたときに誰もが会話全体を見られるよう、コメントを付けてリツイートを読みやすくしました」とTwitterの広報担当者はTechCrunchに話した。「これは誰でも使えます。今は、コメントを付けてリツイートにツイートから直接アクセスできるようにする方法と、クオーツ、クオート・ツイートなど、アクセスがしやすく、わかりやすい名称を試しています」と担当者は説明していた。

「クオーツ」を独立させたことは納得できる。リツイートの数を表すのに「コメントを付けてリツイート」では少し長い。

またこの機能は、最近加えられたTwitterの別の画面変更とも連携している。今月の時点でTwitterは希望する人全員がツイートへの直接の返信を制限できるようにした(未訳記事)。つまり、このプラットフォーム上のツイートの一部は、以前とは違い、誰もが投稿者に返信できる公開の会話では反応できなくなるということだ。

その代わりにユーザーは、自分がフォローしている人、またはツイートの中で名前を挙げた人にだけ返信を許可できる(未訳記事)ようになった。とはいえ、返信を制限したツイートでも、別の方法を使えば反応できる。そのツイートをリツイートに含めるか、コメントを付けてリツイートをすればいい。すると、Twitterネットワークの別の場所で会話が始められ、他のユーザーも話に加われるようになる。ツイートの閲覧者を完全に制限する唯一の方法は、アカウントを非公開にすることだ。だがこれを行っている人はほとんどいない。

「クオーツのテストは、開発が進むに連れて機能が変化することを意味していると」Twitterは話している。

公開テストが始まる前に、リバースエンジニアのJane Manchun Wong(ジェーン・マンチャン・ウォン)氏は、すでにこの機能を発見(Twitter投稿)していた。ウォン氏は、アプリの中の新機能を発表される前に発見するのを得意としている。

Twitterは、よりよい会話を実現するために、常にインターフェイスの変更を試している。しかし根本的なところでは、「オンライン広場」という同社のコンセプトはそのプラットフォーム上で発生する混乱や不健康な人間関係の責任の一端を担っているとも言える。Twitterユーザーの世界観はあまりにも多様であり、インターネット文化そのものが嫌がらせを切り離せない存在であるため、いかなるソーシャルメディアプラットフォームであれ、思慮深い対話の場になるのは難しいということだ。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:金井哲夫)

FacebookがMessenger Roomsを改良しZoomに対抗

Facebook(フェイスブック)のZoom(ズーム)に対抗するソーシャルアプリであるMessenger Rooms(メッセンジャー・ルームズ)が、ルームの作成と発見を簡単にするとともに、Rooms体験をパーソナライズするための新機能を追加した。この改良は、Messengerが米国App Storeのランキングで常連だったトップ10からわずかに後退したことに続いて行われた。先週Messengerは最低で15位まで順位を下げたと、モバイルデータ分析会社のApp Annieは報じている。

その後Messengerはトップ10に返り咲いた。しかし、米国でバーチャル登校が始まり、子どもたちかZoomやGoogle Meet(グーグル・ミート)などの競合アプリに慣れ親しみ、放課後のおしゃべりにも使うようになることで、Messengerの利用が減少することが予想される。ちなみにGoogle Meetは、一部の学校が始まった8月中すでに15位に上昇している。そしてZoomは、米国App Storeのナンバーワンだ。

Messenger Roomsの新バージョンでは、招待を受けているルームが受信箱のチャット・タブの先頭に表示され、見つけやすくなっている。作った部屋を見つけやすくする機能もあり、チャットタブの前面中央におくことができる。

Roomsの管理方法も変わる。ルームを作る際に、デフォルトかおすすめかカスタムアクティビティーかを選ぶことができるほか、開始日時を設定したり、参加者の種別をカスタマイズできるようになる、とFacebookは言っている。Manage Rooms機能を使うと、作ったルームの確認、開始、編集、削除をしたり、既存のルームに追加で参加者を招待できる。

Share Roomsオプションを使うと、友だちに通知を送って招待されていることをリマインドすることもできる。

画像クレジット:Facebook


パーソナライズ面では、自分自身のRooms体験をカスタマイズする新機能の追加が始まった。ルームの背景は、これまでにも提供されていた360度背景やムードライティング・フィルターに加えて、自分の写真を使えるようになった。

偶然ではなく、RoomsのライバルであるHouseparty(ハウスパーティー)も最近、独自のパーソナライズ機能であるFramesを公開した。Framesはビデオチャットで使える独立アーティストがデザインした背景のオリジナルコレクションだ。

FacebookがMessenger Roomsを全世界で公開したのは今年の5月で、新型コロナウイルス・パンデミックの中で急速に普及したビデオ・コミュニケーションの世界に、ソーシャルなビデオチャット体験を提供することを目的としていた。世界的健康危機がMessengersのライバルの急増を招き、今も米国アプリストアのトップにいるZoom だけでなく、ソーシャル・ビデオ・アプリのHouseparty、Farm、Bunchなど多数が出現した。Z世代のユーザーもFacebook以外の空間での交流が増え、TikTok(ティクトック)を始め、ゲーミング・プラットフォームのRobloxやFortniteまでがライバルになっている。これは、Messengerがトップ・モバイルアプリの地位を維持する礎であったFacebookとのつながりによるネットワーク効果が失われる可能性を意味している。

こうした懸念には会社も気づいているようだ。今月Facebookは、InstagramとMessengerのチャットシステム統合を開始して、Messengerのトップアプリとしての地位確保を後押ししようとしている。

画像クレジット:Facebook

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

モバイルメッセージを自由なキャンバスとして再デザインするMuze、Sequoiaなど米著名VCも注目

米国ニューヨーク発のスタートアップのMuze(ミューズ)が、モバイルメッセージングを再考している。現在のメッセージングアプリは、何年にもわたって写真やビデオ、音声メッセージ、リアクションなどを共有できるように拡大してきた。Muzeは従来のメッセージングエクスペリエンスを無地のキャンバスとして完全に再デザインし、より創造的な対話を可能にする。同社のiOS上の新しいモバイルアプリには、ユーザーがテキストを書いたり、写真やGIFをピン留めしたり、コンテンツを拡大または縮小したり、さまざまなペンサイズや色を使用してメッセージングキャンバス自体に描画するといった機能が満載だ。

その結果は、会話のテキストの間に、写真、ビデオ、あるいはリンクが差し込まれた通常のメッセージング画面とは全く異なるものとなる。Muzeの中でのチャットは、一種のアートコラボレーションプロジェクトのように見える。アイデアのコラージュ、ミームボード、スケッチパッド、どのように使うかはユーザーの自由だ。

雑多な新機能は満載だが、Muze自体はすぐに使い始めることができて使うのも簡単だ。

画像クレジット:Muze

Muzeでアカウントにサインアップを行い、必要に応じて連絡先を同期してみると、最初に表示されるのは、典型的なメッセージングインターフェイスのように見える画面だ。ここには文字を打ち込むテキストボックスや、iPhoneのカメラやフォトギャラリーにすばやくアクセスして、メディアをチャットに追加するためのボタンがある。

右端には、ペンのアイコンも置かれているが、これはMuzeが何か普通とは違う振る舞いをすることがわかるだろう。

画像クレジット:Muze

しかし、機能を掘り下げていくに従って、Muzeにはより多くの対話方法が用意されていることに気がつく。例えば、フォトギャラリーのアイコンをタップすると、自分のメディアへアクセスできるだけでなく、写真を検索したり、GiphyからGIFを追加したり、何十ものカスタムステッカーの1つを取り込んだりできることがわかる。

その中には、テキストをフレームに入れたり、メッセージに反応したり、画面を装飾したりするためのステッカーや、絵文字をマッシュアップしたセット。懇願する顔や、ハートに囲まれる絵文字や、TikTokでみられるような顔の前で両手の指の先をくっつけた「だってシャイなんだもん」シンボルなどが含まれる。TikTokで人気のEye Mouth Eye(目口目)絵文字セットも、開いた腕と小さな足のある黄色いスマイリーの上に貼り付けられている。

テキストボックスをタップして入力を始めると、Muzeの拡張機能がさらに現れる。ボタンをタップして、フォントやテキストの色、そして配置を変更したり、吹き出しのハイライトカラーをオンにすることができるのだ。

チャットの吹き出しは画面上の任意の場所にドラッグアンドドロップして、テキストを入力したり、大きくしたり小さくしたりすることができる。そうした吹き出しを画像の上などに貼り付けることができる。

一方、ペンを使用すると、空白のキャンバス上だけでなく、テキスト、画像、ステッカーなど、チャットを装飾するために使用したものの上に、何でも描くことができる。

画像クレジット:Muze

とはいえ、知らないと使えない機能も多少ある。例えば、現在のチャットの下のキャンバスの空白領域に何か書き込みたいと思って、メインチャット画面でペンアイコンをタップする場合もあるだろう。だが、そこで下にスクロールしようとすると、画面に絵が描かれてびっくりしてしまう。既存のチャットの下の領域に実際に描画するには、テキストボックスをタップしてから、灰色のiOSツールバーに表示される別のペンアイコンをタップする必要がある。もちろん、複雑なTikTok編集を扱える若者なら、この種の変わった操作に悩まされることはない。

画像クレジット:Muze

アプリにはほかにも、今どきの機能がいくつか備わっている。例えば、事前に設定されたものの中から、アプリのアイコンを変更できる機能などだ。また、今では一般的な、明るい色や暗い色の切り替えだけでなく、ミレニアルピンク、ミントグリーン、ダークティール、フォレストグリーン、パープル、ライトブルーなどの色調でアプリのテーマを設定することもできる。

こうしたものを組み合わせることで、若者へのアピールポイントをたくさんもったアプリが出来上がった。Muze自身が、ミーム、GIF、その他のクリエイティブコンテンツやオンラインで交流することに慣れている 若者たちによってデザインされた(The Brown and Whiteサイト)ことを考えれば、それは当然のことだろう。現在、Muzeの共同創業者として名前を連ねているのは、Douglas Witte(ダグラス・ウィッテ)氏、Willem Simons(ウィレム・シモンズ)氏、そしてGrant Davis(グラント・デイビス)氏、そしてMuzeのCEOであるFenner Stevens(フェナー・スティーブンス)氏だ。

市場に登場してまだ日は浅いが、Muzeはすでに投資家たちの関心を集めている。Crunchbaseと、2019年から2020年にかけてSECに提出された書類(Form Dsサイト)によれば、Muzeは株式と融資の両者で約700万ドル(約7億4400万円)の外部資金を調達している。 AngelListに掲載されたMuzeの支援者には(AngelListサイト)、Sequoia Capital、Tribe Capital、Maveron、True Ventures、Grand Central Tech、Village Global、そしてHiten Shah(ヒテン・シャー)氏らが並んでいる。他にも少数の小規模なファンドやエンジェルたちが、Muzeを支援していることを私たちは知っている。

Muzeのチームは、今後の事業計画についてのインタビューを受けることは拒否したが、資金調達については認めた。アプリは現在App Storeから無料でダウンロードできる。

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(翻訳:sako)

アマゾンが複数のアイテムを同時閲覧できる新ARショッピング機能を展開

Amazon(アマゾン)は新たな拡張現実(AR)ショッピングツールであるRoom Decoratorを導入する。このツールは、購入を検討している家具や装飾品を「部屋の中に置いて見る」ことができるというものだ。アマゾンは過去にARツールを実験していたが、Room Decoratorは複数のプロダクトを同時に部屋の中に持ってくることができるという点で異なる。つまり、ユーザーは自身の部屋にどれくらい馴染むか、1つではなく複数の新しいプロダクトを試すことができる。

アマゾンはARショッピングのよりシンプルなバージョンを2017年に立ち上げた。ARKitを使ったこの機能はアマゾンのiOSアプリのAR Viewというものだ。しかしこれまでに展開されている他の多くのARショッピングツールと同様に、AR Viewは消費者が部屋に新しいイスやランプ、花瓶といったアイテムを追加して、それらが現在の装飾とどれくらいマッチするかを見て確かめることを目的としていた。

Room Decoratorでの体験はその先をいくものだ。複数のプロダクトを同時に見られるだけでなく、部屋のARスナップショットを撮って保存しておくことで、家にいないときにもこの機能を使うことができる。

画像クレジット: Amazon

新機能は、アマゾンとサードパーティーの販売業者がアマゾンサイトで販売している何千もの家具で利用できるというものだ。利用するには、対象となる家具の1つを選び「View in Your Room」ボタンをクリックする。このボタンはiOSアプリとデスクトップウェブブラウザ上で、利用可能な家具の下に表示される。

AR体験では、消費者は最初に閲覧した商品に近いプロダクトも提案される。そうしたレコメンデーションをブラウズしながら、他のプロダクトを同じ部屋に追加したり、アレンジしたりといった試行錯誤が可能だ。

画像クレジット: Amazon

ARビューの中のプロダクトは実寸かつ高解像度で表示されるため、そうしたアイテムが実際の暮らしの中でどのように見えるかギャップが少ない、とアマゾンはいう。もし購入するかどうか決められない場合、消費者はiOSで「Save Room」をタップしてAmazonアカウントの新たなセクション(Your Rooms)に部屋のスナップショットを保存できる。またアクセスしやすいよう、保存された部屋へのリンクも電子メールで送られてくる。

購入すると決めた場合は、Room Decoratorのアイテムはそのまま買い物カゴに入れられる。

このAR体験の開発は1年以上前に始まり、ARテクノロジーを統合するのにApple(アップル)のARKitを活用している、とアマゾンはTechCrunchに語った。アマゾンは顧客が自宅にいないときでもプロダクトを自宅の中に配置して見たがっていることに気づき、保存した写真にプロダクトをアレンジして閲覧できる機能も加えている。

Room Decoratorの体験は、同社がすでにウェブで展開している「Showroom」に似ている。Showroomではビジュアルツールを使って部屋をデザインできる。新たなARの機能はビジュアル検索チームが、Showroomを作った家具チームとのコラボで構築したとのことだ。

画像クレジット: Amazon

「アマゾンは、顧客を喜ばせる体験を生み出す新しい方法を常に模索している。家にいながら、あるいは外出先で投入できるような買い物体験を顧客に提供するために、Room Decoratorツールを追加することでAR機能を促進する」と同社の広報担当は新機能について語った。

「アマゾンでは斬新な家具を紹介しているが、顧客は理想の部屋を想像する以上のことができる。購入するかどうか決める際、理想の部屋をビジュアル化できる」と付け加えた。

同社は、2017年にAR Viewを立ち上げる前にAR機能をテストした。また、「買い物できるスティッカー」もかつて試している(未訳記事)。これは複数のプロダクトを1度に閲覧できるというコンセプトの最初の試みで、顧客の部屋にプロダクトのベーシックなスティッカーをはるのにARを使用した。しかし、スティッカーのアイテムは深さがなく、そうしたものが部屋の中でどのように見えるか真に想像できるようにするという点においては十分なものではなかった。

Room Decorator機能は、米国でインストールされているアマゾン iOSアプリの50%ほどで8月25日から利用できるようになった。数週間以内に米国のiOSアプリ利用者全員が利用できるようになる、とのことだ。

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カテゴリー:VR / AR / MR

タグ:Amazon ネットショッピング Room Decorator 拡張現実

画像クレジット:Amazon

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(翻訳:Mizoguchi

TikTokは来たるべき禁止令をめぐって米国政府を提訴する

TikTok(ティックトック)は、米国市場で同社の事業を禁止するというトランプ政権の判断を巡って、米連邦裁判所に提訴する構えだ。この禁止令に対して、TikTokは間もなく法的な異議を申し立てるとの報道は、米国時間8月24日の同社ブログにおける正式な訴訟の発表(TikTokリリース)を待つことなく、すでに先週末に駆けめぐっていた(CNBC記事)。TikTokは、証拠もなく適正な手続きも経ずに発行されたことを理由に、Donald Trump(ドナルド・トランプ)氏の大統領令に対抗する考えだ。

「TikTokが国家の安全保障上の脅威であるとする政権の立場に、私たちは強く反対します。こうした反対意見は以前から訴えてきたものです」とブログ記事には書かれている。

この懸念に関して、これまで重ねてきた努力をトランプ政権は無視しているとTikTokは訴える。事実、トランプ氏は同アプリが中国政府とつながっているため国家安全保障上の脅威だと公言している。

TikTokはさらに、米国ユーザーのデータは、中国国外である米国とシンガポールのサーバーに保管して守っていると主張している。ソフトウェアによる障壁を設け、TikTokの中国の親会社であるByteDance(字節跳動、バイトダンス)が運営する製品とは確実にデータを分離しているとも話している。

この訴訟ではまた、2007年にByteDanceが後にTikTokとなるMusical.ly(ミュージカリー)を買収した際に実行されたCFIUS(対米外国投資委員会)による国家安全保障審査を通じて、すでに米国政府はTikTokの活動を把握しているとも指摘している。その審査の一環として、米国政府はTikTokが書類で示した安全保障対策を調査し、取引の推進を許可する結論を出している。

しかし目下の問題は、TikTokが主張していることではない。たとえTikTokがデータの保管場所などを示したとしても、それだけでは十分ではないと評論家たちはいう。懸念は、中国がByteDanceなどのテック企業に対して要請があればすべてのデータを中国政府に引き渡すよう命じた中国のサイバーセキュリティー法(Vox記事)に関するものだ。事実これは、党派を超えて米国議会が危惧する問題(Vox記事)でもある。1つ例を挙げるならば、Joseph Biden(ジョー・バイデン)氏の選挙事務所では、スマートフォンからTikTokを削除するようスタッフに求めた(CNN記事)。

TikTokはその懸念に対して、経営幹部は中国の法律が及ばない米国人で固めていると指摘し反論している。幹部にはCEOのKevin Mayer(ケビン・メイヤー)氏、グローバル最高セキュリティー責任者(TikTok News記事)のRoland Cloutier(ローランド・クルーティエ)氏、そして相談役(PR Newsroom記事)であるErich Andersen(エリック・アンダーセン)氏らが名を連ねる。しかも、同社の米国向けコンテンツのモデレーションは、中国から独立した米国独自のチームで行われていると同社は強調している。

大統領令に対する異議申立においてTikTokは、トランプ氏の大統領令は米国際緊急経済権限法(IEEPA)の要件を満たしていないと訴えている。この法律は米国政府は「異例で重大な脅威」と認められた活動の禁止を許可するものだ。

(事前、事後に関わらず)いかなる通知も聴取の機会もなくTikTokを禁止すれば、この大統領令は、法の適正な過程を求めた米国憲法修正第5条に違反します。真正な国家安全保障を根拠としておらず、「異例で重大な脅威」を示していない活動の禁止を許可するという点において、この大統領令は権限踰越となります。

またTikTokは米国政府に対して、禁止されたなら、同社が米国に創出してきた1万件(Reuters記事)、さらに今後3年間に拡大される雇用が失われると訴えている。TikTokの従業員たちも、この禁止令への独自の異議申立(CBS News記事)を行う計画であるとも伝えられている。

この数日、同動画アプリのメーカーは、禁止令に対抗するためにさまざまな方面で対策をとっている。

先日、TikTokは一般向けに情報発信ハブを立ち上げた(未訳記事)。そこでは、アプリやデータのプライバシーに関する質問に答えている。これは「記録を修正する」ための取り組みだと同社は話している。だが、こうした努力とは裏腹に、TikTokは米国ユーザーのデータを提出せよと中国政府に要請された場合、本当に断れるのかという不安が、まだある程度残されている。TikTokを米国に留らせるなら米国での事業を完全に取り上げるべきだと、禁止令を支持する人たちが主張するのはそのためだ。

さらに最近の報道は、TikTokが表明した約束に対して疑問を抱く理由を米国に与えている。例えばThe New York Timesの記事は、内部資料によると同アプリのユーザーの3分の1は14歳以下であると伝えている。これは児童オンラインプライバシー保護法が定めたガイドラインに、同社はどうやって準拠してきたのかという疑問を抱かせる。この法律により、TikTokは2018年に570万ドル(約6億円)の罰金を課せられている。児童のオンラインプライバシーに関して責任ある行動が取れないならば、他の問題にどう対処できるのかと同紙は疑問を投げかけた。

だがTikTok自身、現実にこの異議申立に実際に勝利しなくても、事業の存続は可能だとも考えている。2020年11月の大統領選挙でトランプ氏が敗れれば、新政権はTikTok問題に関して別の戦略を打ち出してくる可能性がある。大統領令の廃止すら夢ではない。

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カテゴリー:ネットサービス

タグ:TikTok ドナルド・トランプ / Donald Trump

画像クレジット:CHRIS DELMAS/AFP / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

新型コロナパンデミックで米国におけるeコマースへのシフトが5年分加速

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックが世界を変え、消費者は多くのものを頻繁にオンラインで買い物するようになった。IBMのU.S. Retail Index(米国小売インデックス)の新たなデータによると、パンデミックは実在店舗からデジタルショッピングへのシフトをおおよそ5年分加速させた。その結果、デパートはかなりの売上減となっている。2020年第1四半期のデパートや「必要不可欠ではない」小売の売上高は25%減った。そして第2四半期には75%減と減少幅は拡大した。

レポートは、デパートの売上高が通年で60%超減少することが見込まれる、としている。一方でeコマースは2020年に20%近く成長する見込みだ。

パンデミックではまた、どの部門の商品が必要不可欠かを消費者が選別するようにもなった。例えば多くの消費者が家から働いたり授業を受けたりし始め、また政府のロックダウン措置のもとでのソーシャルディスタンシングが導入されたのに伴い、衣類の重要度は下がった。ただ他の部門をみると、食料品が12%、アルコールが16%、日曜大工材料は14%成長した。

画像クレジット: IBM

デパートの小売業者は新たな環境で競争力を維持するために配送のオムニチャネル化に迅速に軸足を移す必要がある、とレポートは指摘している。特に、オンラインで購入して店舗でピックアップするBOPIS(Buy Online and Pickup In Store)のようなサービスを通じて店舗に集客し、また店舗からの配送を拡充して提供する必要がある。

Walmart(ウォルマート)やTarget(ターゲット)などの大手小売はオムニチャネルの配送を展開している。両社ともeコマースへの早期の投資が奏功し、2020年8月に発表した四半期決算では上々の売上高となった。Walmartの場合、パンデミックによって第2四半期決算のeコマース売上高は97%増加した。Targetは同四半期に同日配送サービスが273%増えて過去最多の売上高となった。また両社はオンライングローサリーにも投資し、Walmartはグローサリーピックアップと、パートナー企業を通じた配達サービスを提供している。Targetもグローサリーピックアップをちょうど開始したばかりで、Shiptを通じた配達も展開している。

当然のことながらAmazon(アマゾン)もデジタルへの移行の恩恵を受け(BUSINESS INSIDER記事)ており、直近の四半期の利益は過去最高となり、売上高は40%増だった。

パンデミックによるeコマースの成長は、ベースライン成長にとって高いハードルとなる。米国勢調査局が発表した2020年第2四半期レポートによると、米国のeコマース小売は前年同期比31.8%増の2115億ドル(約22兆3300億円)に達した。eコマースは第2四半期の全小売売上高の16.1%を占め、これは前四半期の11.8%から増えている。

IBMのレポートの目的は、パンデミックによるオンライン支出が一時的にどのくらいシフトしたのか、長期的にどの程度影響するかを調べるというものだ。少なくとも予想の範囲内での答えは、パンデミックが業界を5年ほど前に押し進めた、というものだ。実在店舗からのシフトはパンデミックの前から起こっていたが、パンデミックが起こらなければまだ到達していなかったという水準に到達している。

似たような動向が、ストリーミングコードカッティング(ケーブルテレビの契約を解約してインターネットの動画配信サービスを選ぶこと)、ゲーミング、ソーシャルビデオアプリといった分野でも見られる。

カテゴリー:ネットサービス

タグ:ネットショッピング 新型コロナウイルス COVID-19 Amazon Walmart Target

画像クレジット:John Lamb / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Targetが新型コロナで好調の食料品ピックアップサービスを全米展開

Target(ターゲット)は8月20日、食料品ピックアップサービスが全米で利用できるようになったと発表した。このサービスは今夏、中西部で始まり、同社はその際、間もなく全米で展開し数カ月内に1500店で提供すると話していた。そして今日、目標を達成したと同社は述べた。1500店は全店舗の85%近くにあたる。

TargetはShipt、そしてオンライン注文のOrder Pickup、Drive Upという即日カーブサイドサービスを通じて食料品配達をすでに提供していたが、要保冷食品の管理の問題で食料品ピックアップは提供できていなかった。しかし店舗の改装と、いくつかの店舗ではピックアップエリアのための拡張でこの問題をクリアした。

食料品ピックアップの計画を前に進めるために、Targetは新型コロナウイルス感染拡大に伴う問題に取り組まなければならなかった。数百の店舗を全面改装するという計画が新型コロナによって遅れた。まだ改装されていない店舗では、温度を調整できる保管倉庫を備えるために注文品ピックアップエリアを建設した。

新しい食料品ピックアップサービスでは、まだ全ての生鮮・冷凍食品を提供できていない。その代わり、すでに注文できる何千もの非生鮮品に加えて、人気のある750品目の生鮮・冷凍食品を利用できるようにした。これらの品目には、乳製品、パン、精肉、冷凍食品が含まれる。同社は、顧客が次に店舗でまとめ買いするまでの間にどのように食料品ピックアップサービスを使うかを勘案しながら取扱商品を決めた、と述べた。ただ、買い物客が店舗に足を運ぶ頻度を少なくしつつも大量のものをストックしている新コロナ時代にその選別が正しいのかは不明だ。

今週発表されたTargetWalmart(ウォルマート)の第2四半期決算では、消費者の買い物量が増えたことが示された。たとえば、Targetは消費者がより多くの品物を買うようになり、バスケットサイズは第2四半期に18.8%増えたと述べた。

こうした傾向がパンデミック後も続けば、小売業者はオンライン注文ピックアップを店舗での買い物と同様の品揃えにすることを検討する必要があるかもしれない。

生鮮・冷凍食品に加えて、Targetの買い物客はピックアップサービスが利用できる家庭用品、アパレルなどの部門の25万超の品目から選んで食料品の注文と一緒にピックアップできる。Targetのアプリ内でそれぞれ別の「カート」を設ける必要はなく、Targetのウェブサイトとアプリを分けなくてもいい。これはWalmart.comとWalmartのアプリでもそうだ。

ただし「Drive Up」の注文はこれまで同様にアプリでのみの利用となる。ウェブからの注文では店舗での受け取りか配達のみを選択できる。

Targetは食料品ピックアップの拡大を前倒して展開している。元々は、ホリデーシーズンまでの1500店舗達成を目標としていた。全店舗で食料品ピックアップを提供するのはいつごろになるかは明らかにしていない。

オンライン食料品注文は、TargetとWalmartの四半期決算の売上高にも貢献した。Targetの場合、同日サービスがオンライン販売の大半を占め、全サービスでは273%増えた。第2四半期にカーブサイドピックアップは734%増え、Shipt食料品配達は350%増加した。

画像クレジット: Target

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(翻訳:Mizoguchi

米大手小売りTargetが2兆円超えの過去最大Q2売上を記録、即配サービスが273%増加

Wallmart(ウォルマート)が米国時間8月18日に発表した新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けた収益改善に続き、Target(ターゲット)も8月19日、ウォールストリートの予想を見事に上回り、多くの主要な指標において記録的な四半期を達成した。ウォルマートは同日、第2四半期の既存店売上高が24.3%増加し、Targetの利益は前年同期比80.3%増の16億9000万ドル(約1792億円)となり、これまでで最も好調な四半期となったことを発表した。Targetによると、オンライン注文は特に人気が高く、デジタル売上が195%増加したとのこと。Drive Up(所定場所で自動車による受け取り)、Order Pick Up(アプリで注文後の受け取り)、Shipt(自宅への配達)などの当日配達サービスも273%の成長を記録している。

Targetは第2四半期、売上高、既存店売上高、調整後1株当たり利益(EPS)、粗利益率も予想を上回った。売上高は、予想の198億2000万ドル(約2兆1000億円)に対して230億ドル(2兆4370億円)。既存店売上高は、予想されていた5.8%を大幅に上回る24.3%、記録的な増加となった。1株当たり利益は、予想の1.58ドルに対し、3.38ドル。また、売上総利益率は予想が28.98%に対して30.9%だった。

同社は、売上高の伸びを、新型コロナウイルスの感染拡大の中で営業を続けてきたこと、Targetブランドに対する顧客の全体的な信頼、商品カテゴリーを超えて顧客の買い物意欲、デジタルサービス、そして何よりも第2四半期に顧客が店舗に戻ってきたことなど、多くの要因に起因していると分析している。

しかし後者の要因は、必ずしもTargetの買い物客が道を歩いていたということを意味するものではない。むしろ、オンラインでの注文と実店舗とのギャップを埋めるために、新型コロナウイルスの感染拡大に先立って同社が実施した投資の成果が表れている。第2四半期には、買い物客がウェブ注文の品物を受け取るためにTargetの店舗に向かったため、店舗内注文ピックアップは60%以上増加した。

オンラインで買い物をした後、指定された駐車場に車を停めて注文品を車に運んでもらうことができるTargetのDrive Upサービスは、第2四半期に700%以上の伸びを記録している。また、即日宅配サービスのShiptは昨年比350%増となった。

つまり、Targetの顧客が「オンラインショッピング」と考えているものの多くは、実際にはターゲットの店舗で売上が達成されていたということだ。実際に同社は、第2四半期の売上の90%以上を店舗で稼いでいると説明している。

画像クレジット:Target

Targetは、デジタルフルフィルメントサービスを構築するために、新しいアイデアを迅速にかたちにできる社内のエンジニアリングチームを活用するという、テック企業のようなアプローチを採った。例えば、4人のエンジニアを含む8人のチームが、2017年4月からDrive Upを構築し、同年夏までには社内でテストされた。そして同年秋までにTargetの一部店舗で利用可能に。そして2019年8月の時点で全国の店舗で利用できるようになった。

同社はまた、2017年に5億5000万ドル(約582億円)でShiptを買収し、さらに最近では5月にDelivから当日配達技術を買収するなど、Eコマース事業を支援するために重要な買収を進めてきた。また、Targetの買い物客にリーチするためにShiptの専用ブランドだけに頼るのではなく、Shiptの当日配達サービスを自社のウェブサイトとアプリに直接統合した。

これらの努力の成果、顧客が必ずしも店舗の通路を直接歩いて買い物をしたいとは思わない、現在のパンデミックの中で実を結びつつある。結果、米国Yahoo!ファイナンスは同社の小売事業を「テクノロジー企業のような成長」と表現した。

2017年11月8日 にテキサス州サウス・リッチモンドに開店したTarget Houston–Richmond(画像提供:Anthony Rathbun/AP Images for Target)

TargetのBrian Cornell(ブライアン・コーネル)会長兼CEOはさらに、同社が2020年の最初の6カ月間に50億ドル(約5300億円)の市場シェアを獲得し、その間に新たに1000万人のデジタル顧客を獲得したことを明らかにした。

「第2四半期の既存店売上高の成長率24.3%は、これまでに報告された中で最も高い数値であり、これは当社のチームの回復力とビジネスモデルの耐久性を示す真の証です。当社の店舗がこの前例のない成長の鍵となり、店舗内の既存店売上高は10.9%の成長を遂げ、デジタル売上高の4分の3以上を店舗が占め、200%近く増加しました」とコメント。「また当四半期には、従業員の給与や福利厚生に多額の投資を行ったにもかかわらず優れた収益性を達成しました。当社は、顧客に安全で便利なショッピング体験を提供するために投資することに重点を置いており、顧客からの信頼を得て年初の6カ月間に50億ドルの市場シェアを獲得しました」と続けた。

「差別化されたマーチャンダイジング(顧客の嗜好に合わせた)の品揃え、さまざまな注文&配達サービスト、強固なバランスシート、そしてチームの献身的な努力により、パンデミックの継続的な課題に対処し、今後も収益性の高い成長を続けていくための十分な設備を備えています」と同氏。

パンデミックは、顧客が何を購入するかにも影響を与えました。同社によると、主要商品カテゴリーの5つすべてで売上が増加したそうだ。これは、仕事や学校、娯楽のために家にいる人が増え、コンピュータやゲームシステムなどの購入が増えたことにより、前年比70%増となったエレクトロニクス部門の売上が最も好調だったことに起因している。次いでエレクトロニクスが30%増、ホームプロダクツが30%増、ビューティー、食品・飲料、生活必需品が20%増と続いた。アパレルは第1四半期の20%の減少から第2四半期には2桁の増加に転じた。顧客の買い物かごのサイズ(購入金額)も18.8%増加した。

ウォルマートと同様に、Targetも政府の景気刺激策の影響を受けているが、これは次の四半期には縮小すると見られている。しかし同社は、新型コロナウイルスの危機により消費者の買い物パターンや政府の政策が予測不可能になっているとし、2020年の同社Q3以降の予測の言及を拒否した。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Instagramがフィード末尾に「おすすめ記事」を追加、新たな広告スペースを発見

Instagram(インスタグラム)が新しい広告スペースを見つけた。フィードの末尾だ。2018年にFacebook(フェイスブック)傘下の同アプリは、ユーザーがInstagramフィードを最後までスクロールした時に「You’re All Caught Up」(コンテンツは以上です)とユーザーに通知する機能(未訳記事)を導入した。このほどInstagramは、このスペースを利用してユーザーに一般記事のお勧めや広告を表示すると発表した。

「You’re All Caught Up」メッセージの本来の目的は、Instagramの使いすぎを防ぐことだった。当時この機能は、スクリーンタイム(アプリ利用時間)の状況を知らせるためにFacebookが実装したいくつかの機能の1つ(CNBC記事)であり、ユーザーがFacebookとInstagramアプリに費やした時間を見られるダッシュボードや一定の利用時間に達した時に知らせてくれるリマインダー、通知を止めるツール(未訳記事)なども同時に提供された。

一連の変更は「ソーシャルアプリのつくりが中毒性を誘発しすぎ、ユーザーのメンタルヘルスに悪影響を及ぼすのではないか」というテック業界全体の問題意識から生まれた行動の一環だった。その頃Google(グーグル)とApple(アップル)もそれぞれのスクリーンタイム管理ツールを公開し、YouTubeはビデオを見ている時間を監視して、ユーザーに休憩をとるよう促す機能(未訳記事)を提供した。

最近では、中国製ショートムービーアプリのTikTok(ティクトック)の米国での常習性の高まりがパンデミックと相まって、多くの人々にかつて自らに課したスクリーンタイム制限の撤回を促した。これが、Instagram自身のスクリーンタイム管理への取り組み縮小を後押しした可能性も考えられる。

Facebookのソーシャルメディア独占にとって最大のライバルであるTikTokは、常習性 が強すぎるとをすで叩かれている。(Rolling Stone記事Daily Iowan記事Forbs記事The Guardian記事)。これは、ユーザーを引きつけるコンテンツの種類を即座に学習し、その情報を利用してユーザーのフィードをパーソナル化する高度なアルゴリズム(未訳記事)によるものだ。ユーザーはTikTokの短いコンテンツ形式と超速のユーザーインターフェースによって、アプリに費やす時間を増やし続けている。2019年のデータ(Hootsuiteレポート)で米国の平均的TikTokユーザーは1日に8回アプリを開き、46分使用していた。最新レポートではこの数字が1日52分に増え、最近のある調査によると、若いユーザーは1日80分使っているという報告もある。だから今Instargramが、ユーザーにスクロールをやめてアプリを離れることを勧める方針を考え直しているのは当然だろう。

「我々のゴールは、コンテンツを読み終わったことを明確に示し、その後の時間をどう使うべきかを自分で決めらるようにすることです」とInstagramのプロダクト担当ディレクターであるRobby Stein(ロビー・スタイン)氏は説明する。「フィード読み終えたあとも興味のある投稿を探し続けている人がいるのを見て、そうしたい人には簡単に深堀りできるようにしたいと考えた」と続ける。

同社はさらに、ほとんどのユーザーはそもそもフィードの最後まで行くことがなく、「You’re All Caught Up」のメッセージを見ていないことを付け加えた。

「Suggested Posts」(お勧め記事)機能は、Instagramに新しい一面をもたらすものであり、ユーザーが自分ではフォローしていないが気に入るかもしれないとInstagramが考えるおすすめコンテンツと共に広告を掲示できるようになる。広告主にとっては自分の売り込みを読んでもらえるチャンスが増える。

ビジネス視点では、広告スペースが増えることのインパクトの方が大きい。しかし、健全なデジタル生活への取り組みを取り下げるというInstagramの決定は、同アプリやスクリーンタイム増加の動き全般に長期的な影響を与えるかもしれない。すでに多くの親が子供のスクリーンタイム制限をコロナウイルス封鎖の中で緩めており、多くの大人がオンライン滞在時間を増やしている。(Washington Post記事Fast Company記事New York Times記事Washinton Post記事)。ソーシャルディスタンスの世界ではオンラインネットワークの価値が高まっていると主張する専門家もいる。こうした新たな規範のおかげで、Instagramの「Suggested Posts」機能の公開に対する反発はなくなるかもしれない。

新機能は全世界で展開中であるとInstagramは説明している。

画像クレジット:Instagram

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ウォルマートの第2四半期eコマース売上は97%増、新型コロナによる消費行動変容が寄与

Walmart(ウォルマート)のeコマースへの投資は利益をもたらし続けている。eコマースはオンラインを通した食料品の配達とピックアップを含む。ウォルマートは8月18日午前の第2四半期決算発表で、米国のeコマース売上が97%増加したと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大の間にオンラインで買い物をする顧客が増えた。家庭用品を買いだめしたり、オンラインで食料品を購入したりしているのだ。

現在ウォルマートは、3450店で食料品のピックアップ、2730店で即日配送のサービスを提供している。2月以降、消費者の需要を満たすため利用可能時間帯を30%拡大した。

全体としては、同四半期に米国の消費者が受け取った政府の景気刺激策としての給付金の影響が同社にとってプラスに働いた。刺激策による給付が終わると、売上高は元に戻り始めた。それでも同社の7月の売上高は前年同月比4%以上増加だと同社は述べた。

ウォルマートのオンラインマーケットプレイスもeコマース全般の売上増加に押し上げられ、売上高がパーセンテージで3桁増加した。

さらに、第2四半期の米国の既存店売上高は9.3%増加した。食料品と雑貨が伸びた。ウォルマートのDoug McMillon(ダグ・マクミロン)社長兼CEOは、テレビ、コンピューティングデバイス、コネクテッドホームなどのカテゴリーの売り上げが好調だったと指摘した。いずれも人々が在宅を余儀なくされたパンデミックに関わりのある商品だ。また、新型コロナウイルスの感染が拡大している地域の消費者は、いまだに品切れであることが多い清掃用洗剤などの買いだめを続けていると述べた。同四半期の消耗品売上は、清掃用洗剤と紙製品(トイレットペーパーやペーパータオルなど)が牽引した。

一方、食料品全体の購買増加はパンデミックの影響によるところもあり、オンラインにより食料品の買い物がしやすくなったことだけが理由ではないと思われる。レストランでの食事の代わりに家で食事を作る人が増えるにつれ、食料品の購入も増えた。ウォルマートは、同四半期の食料品の配達とピックアップの両方で「史上最高の販売量」を記録したと述べた。

パンデミックは消費者の買い物の仕方も変えたと同社は指摘する。消費者は定期的に店に買い物に行くのではなく、頻度を減らし1回の買い物でたくさん買うようになった。eコマースへのシフトも加わり、同四半期の買い物1回あたりの購入額は前年同期比27%増加し、買い物の回数は同14%減少した。

すでに報じられているがマクミロン氏は決算発表の電話で、メンバーシップサービスを導入する計画を簡単に説明した(Vox記事)。Amazonプライムに相当する「Walmart +」(ウォルマートプラス)に取り組んでいる模様だ。だが立ち上げは、繰り返し延期されている(Vox記事)。CEOによれば、ウォルマートは昨年から「Delivery Unlimited」(配達無制限)プログラムで会員サービスの配達部分をテストしている。同社はこれが会員プログラムの「素晴らしい基盤となる」とうたっている。

「昨年末からメンバーシップでの配達サービスを限られた会員数でテストしてきた」とマクミロン氏は語った。「顧客の選択肢は食料品と消耗品の配達サービスに限られていた。サービス開始以降、スーパーセンター全体で幅広いカテゴリーから選択できるようにした。食料品や消耗品だけでなく、その他の一般的な商品も取り揃えている。品揃えの幅や全米で迅速に顧客に配達できる能力は、その他のメリットとあわせて説得力のある提案になると考えている」と同氏は付け加えた。

現在、Delivery Unlimitedの会員はWalmart.comからオンラインで食料品を注文する際、注文ごとに利用料を払うのではなく、月12.95ドル(約1380円)または年98ドル(約1万400円)を支払う。ただしWalmart+にはガソリン割引や商品特別割引などの特典が含まれる(Vox記事)とのことだ。

マクミロン氏はサービスの詳細については明らかにしなかったが、準備が整い次第、より詳細に説明すると語った。

全体として、ウォルマートの同四半期の業績は予想を上回った。売上高は1377億4000万ドル(約1兆4600億円)で、市場予想の1354億8000万ドル(約1兆4400億円)を上回った。1株当たり利益は、市場予想の1.25ドル(約133円)に対し、調整後で1.56ドル(約165円)だった。同四半期の純利益は64億8000万ドル(約6900億円)で1株当たり2.27ドル(約240円)と、前年同四半期の36億1000万ドル(約3800億円)で同1.26ドル(約134円)から増加した。

画像クレジット:Scott Olson / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Googleマップで衛星画像をコンピュータビジョンで彩色強化、一部都市では表示詳細化も

Googleマップに大型アップデートが実施される。一層詳細な情報が付け加えられ視覚的にもわかりやすくなる。改良は自然の地形や生態系からストリートレベルの表示までにおよぶ広汎なものだ。グーグルによれば、衛星写真をコンピュータビジョンで分析し地形や植生などに鮮明な色彩を適用する。人工物についても、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロンドンなど一部の都市でストリートレベルの情報をさらに詳細化。これには、横断歩道の位置や歩道、歩行者用アイランドの位置形状などが含まれる。

こうしたアップデートはユーザーが徒歩や自転車、キックスクーターのような軽快な方法で移動するときのナビゲーションを容易にする。これらオルタナティブな移動手段はパンデミックによって人気が高まっている(Googleブログ)という。サポートされる都市ではその場の状況を実感しやすくするために道路の幅や歩道の形状などが沿道の建物と同一の縮尺で精密に表示される。

向かって左が更新前、右が更新後(画像クレジット: Google)

グーグルによれば、今回のアップデートでは歩道の段差、車道への切り下げなどの詳細情報は付加されないものの、横断歩道の位置が示されるようになったことはアクセシビリティの改善になっているという。また現在でもGoogleマップは車椅子で通行可能なルート、利用できる交通機関、また店舗レストランなどのビジネスにおける車椅子の利用の可否などを表示している。

同社ではニューヨーク、サンフランシスコ、ロンドンの詳細地図は今後数カ月の間に順次公開されるとしている。つまり都市マップのアップデートは今すぐは利用可能になるわけではないようだ。アップデートのスケジュールがやや漠然としているのは理由がある。Googleマップのように世界に数十億人ものユーザーがいる(Googleブログ)巨大アプリの場合、何段階にも分けてアップデートを行うのが普通だ。そのため全ユーザーに新機能が行き渡るまでには相当の時間がかかる。

同社によれば最初の3都市への詳細マップ導入が完了した後、この機能を米国以外の都市にも追加していく予定だという。

これと別に世界のユーザーは都市以外の地表の状態をさらに正確にわかりやすく表示するマップ機能を利用できるようになる。

グーグルは地形のカラーマッピングを保有している衛星画像の解析から得るが、特に荒地、寒冷地、森林、山間部などの地形に有効だという。分析によって得られた結果には色相、彩度、明度によるHSV色空間の特定の色彩が割り当てられる。例えば、密林は濃い緑色、 疎林は薄い緑色で表示されるなどだ。ユーザーは砂浜と植物で被覆されているいる地帯を一見して区別できる。またどこが砂漠であるかも判別できし、氷で覆われた極地の氷冠も表示される。雪が積もった山頂や国立公園の境界などもこれまでよりはっきり認識できる。

新しいカラーマッピングはGoogleマップサポートする全世界、220の国と地域の大小の都市、農地、原野など1億平方キロメートルをカバーする。

これまでGoogle マップはオンライン地図で他を大きく引き離したトップとみられていたが、最近アップルがiOSとMacの純正マップで急追を始めている。今回のアップデートはこうした状況で実施される。2018年にリニューアルされたアップルのマップ(未訳記事)は、さほど印象的ではなかったが、その後アップデートを重ねることによって無視できないライバルに成長してきた。

アップル特に大都市ユーザーをターゲットとして、Googleストリートビューより精細度が高い3DのLook Aroundを搭載した。最近ではiPhoneで地平線を撮影するだけで自分の位置が正確にわかるという巧妙な仕組みを導入した。またアップルはパートナーの手助けによる拡張とモデレーションをサポートした探索と発見のガイドを通じてGoogleマップに戦いを挑んでいる。こうした挑戦を受けてグーグルも従来のリードを保つために新機能の導入に踏み切ったものだろう。

グーグルによれば、マップのアップデートはAndroid、iOS デバイスとデスクトップを対象として今後数カ月かけて順次実施されていくという。

画像:Google, TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Nexflixが「シャッフルプレイ」ボタンを試験配置、視聴履歴に基づいてランダムセレクト

何を見たいのか、自分でも決められない。そんなときは、Netflix(ネットフリックス)の新しい「シャッフル」機能が役に立つ。同社は現在、「Shuffle Play」(シャッフルプレイ)と書かれた大きなボタンを、Netflixのホーム画面のユーザープロフィールアイコンの下に試験的に配置していることを認めた。このボタンをクリックすると、Netflixはあなたが気に入ると判断したコンテンツをランダムに見せてくれる。映画であったり、今見ているシリーズ物の番組であったり、マイリストに保存しているもの、またはすでに見たものに類似するものであったりすると、同社は話している。

現在この新しいボタンは、テレビ用Netflixアプリに表示されており、多くのユーザーがびっくりしている。おもしろいまたは便利だと感じるユーザーもいれば、ただ混乱するだけのユーザーもいる。

面白いけど、馬鹿なやつは『Netflixルーレット回そうぜ』とかいいそう。

https://twitter.com/mnathannn/status/1295738851948863492?s=20

クールな機能。優柔不断な私にピッタリ。

https://twitter.com/stylesperiodt/status/1295667352676126720?s=20

なんでこんなオプション付けたんだ。めちゃ笑える。

https://twitter.com/kgdobs/status/1293069402338820096?s=20

私のテレビにShuffle Playが現れた。カオスの悪魔の化身。

https://twitter.com/SiphokaziKayana/status/1293980088892100612?s=20

なんで私のNetflixにShuffle Playがあるの?誰が使うのか意味不明。

https://twitter.com/ThatOnePoes/status/1295745506346500096?s=20

Shuffle Playで「Modern Family」(モダン・ファミリー)が初回から始まった。2018年に9シーズン全部見ちゃってるよ。

NetflixがTechCrunchに話したところによると、ユーザーの好みに合ったコンテンツを素早く簡単に選べるようにというアイデアがその背景にあるという。これは、テレビ用アプリのスクリーンセイバー(未訳記事)や、プリロール動画(未訳記事)、ホーム画面でのプロモーションコンテンツの表示(未訳記事)など、Netflixが数年にわたって提供、または行ってきたテストを通して取り組んできた課題の1つだ。つまり同社は、Netflixを昔ながらのテレビのような感覚で視て欲しいのだ。スイッチを入れれば何かしらの番組をやっている感じだ。その一環としてあのうるさいオートプレイ機能も含まれていたが、2020年初めのアップデートで、やっとそれを無効にできるようになった(Twitter投稿)。

この新しいShuffle Playボタンは、Netflixがシャッフルというコンセプトを実現するために行ってきた一連のテストの最新版というわけだ。例えば2019年に、Netflixは人気の番組をクリックすると、ランダムにエピソードが再生されるシャッフルモードを試した。「The Office」や「Friends」などいつも見ているドラマ(Chicago Tribune記事)のエピソードをランダムに見たいユーザーには良かったかも知れないが、「The Office」は2021年に配信権を失い(NBC News記事)「Friends」はすでに失っている(E! 記事)。

最近になって、一部のNetflixユーザーは、テレビ用アプリのナビゲーション・サイドバーに、「Play Something」(何か見る)というオプションを発見(PopBuzz記事)した。

今度はシャッフルボタンだ。これこそ自分でも必要だと気がつかなかった必要なものだ。

Netflixは、これらは総合的な「シャッフルモード」のコンセプトのバリエーションであると認めている。これは「Profile gate」(プロフィールゲート)と呼ばれるものから、サイドメニューやメイン画面などの画面上で、同社がずっと挑戦してきたものだ。現在、プロフィールの下に表示されているShuffle Playボタンは、現在進行中のテストに過ぎないと同社は私たちに話していた。

この新しいテストは、2020年7月から世界中の会員に対してテレビ限定で実施されているという。まずは、それぞれのテストの意見を集約して、結果を比較する必要があるため、このシャッフル機能を正式に導入するかどうか、またするとした場合の時期については未定だ。

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カテゴリー:ネットサービス

タグ:Netflix

画像クレジット:Jaap Arriens/NurPhoto

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(翻訳:金井哲夫)

アップルが独立修理店による純正部品を使った修理でMacも対象に、「修理権」問題にも対応

Apple(アップル)は、独立した修理店に部品やリソース、教育訓練を提供するプログラムを拡大し、Macコンピューターのサポートもその対象となった。修理プログラムは2019年秋に発表され、消費者が保証期間が切れたiPhoneの修理を容易にすることを目的としている。今では中小企業を含むサードパーティのショップを利用して、正規の修理用パーツやその他のツールに入手することができる。

このプログラムは、Best Buyをはじめおよそ5000以上のApple公認サービスプロバイダを補完するもので、保証期間内と期間外の両方の修理を受け付けてくれる。このプログラムは、消費者の要望に応えて生まれた面もある。これまで多くのiPhoneユーザーがショップが家から近い、修理が早い、安いといったさまざまな理由で非公認の修理ショップを利用してきた。しかしこのやり方では、ショップがアップルの正規部品を使えないため、結果にむらがあった。

米国でスタートして以来、このプログラムを利用する140社の企業に拡大し、700店以上が開設されている。今夏、アップルは、この事業を拡大してヨーロッパとカナダでも拡大すると発表している。

これまで修理プログラムはiPhoneの修理だけが対象で、Macは含まれなかった。しかしこれからは、これらの修理ショップと有資格店は、保証期間外のMacを修理するために必要なアップル正規のツールや修理マニュアル、診断技術、純正パーツなども入手することができるようになる。修理プログラムへの登録は無料であり、修理の教育訓練も無料、とアップルはいう。

このプログラムの拡大はロイターが最初に報じている。アップルはTechCrunchに対して安全で信頼の置ける修理は、教育訓練を経た技術者がアップルの正規の部品を使った場合に得ることができると語っている。また、正しく修理が行われていると消費者に確信して欲しいとも述べている。

先に行われた下院の反トラスト小委員会の調査では、消費者の「修理権」に対するアップルのスタンスが問題として取り上げられたため、プログラム拡大のニュースはタイムリーでもある。

小委員会で2020年7月に行われた公聴会(未訳記事)では、アップルのCEOであるTim Cook(ティム・クック)氏が、App Storeの手数料などさまざまな問題で質問攻めにあった。そのとき小委員会が調査の一環として集めたドキュメントには、それほど重視されなかったとはいえ、同社が何年もの間、反対運動を展開してきた修理プログラムと修理権に関する法案について、同社がどのように葛藤してきたのかを示す内部のメールが含まれていた。

あるメールの中でアップル幹部は、消費者に優しい修理ポリシーへの同社の取り組みを示すために当時まだ立ち上げ前の「正規部品による修理プログラム」について記者に説明したという。また幹部たちは承認を得ないまま修理マニュアルが公開された経緯についても触れており、アップルの修理ポリシーに対する一貫した戦略ができていなかったことを示唆している。

独立した事業者による修理にMacが加わったことで、正規部品の使用を拡大して顧客の評価を高めるだけでなく、今後の反トラストの調査を少なくともこの特定の話題からは逸らすことができるだろう。

関連記事:アップルが他社店舗での純正パーツ取り扱いを拡大

カテゴリー:ハードウェア

タグ:Apple / アップル Mac / Macintosh

画像クレジット:Felix Besombes/Unsplash

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa