モバイルコンテンツ利用量はタブレットがスマートフォンを侵食。Androidが依然リード(Jumptap調査)

タブレットはモバイルデータ消費用画面としての優位を勝ち取りつつある。モバイル広告ネットワーク、Jumptapの最新データによる。同社は、米国内1.34億人、全世界2.06億人のモバイルユーザーを擁する自社の広告ネットワークで、どのプラットフォームが力を発揮しているかを毎月報告している。レポートによると、2012年末時点でタブレットは同ネットワークの全トラフィック中18%を占め、スマートフォンは78%、多機能電話は4%だった。しかし、過去数ヵ月間の利用傾向からみて、2013年末にはタブレットの割合が全トラフィックの1/3弱(29%)となり、スマートフォンは70%に減ると同レポートは予測している。

tablets vs smartphones jumptap feb 2013

この数字が示しているのは、タブレット市場はスマートフォンよりもまだ小さいが、それとは不釣り合いな割合で利用されていることだ。IDCおよびGartnerのデータを見ると、今年タブレットはスマートデバイスの全売上の10%程度になると見られている。しかし、Jumptapの29%という数字は、これらの大画面たちの方がより多く利用されていることを意味しているようだ。

またJumptapは、最近の利用データを基にAndroid、AppleのiOSおよびその他のプラットフォームが今年どんな実績を上げるかも占っている。本誌やアナリストらが以前指摘したように、ここでは2頭立て(正確には2頭と仔馬1匹)のレースが展開されている。しかし、市場シェア内での成長は頭打ちのようで、Androidは過去2年に続いて最も人気のあるプラットフォームを座を守り、Appleが僅差で追っているが、伸びはこれまでと比べると小さい。

jumptap platforms

スマートフォンの売上で見ると、AndroidはAppleを大きく上回っており、そのシェアは広がる一方であることは興味深い(例えばGartnerは、2012年末のシェアはAndroid 70%対Apple 20%、2011年は50%対20%だったと報告している)。しかし、利用量となると、両プラットフォームはずっと対等に近づき、その差はわずか8%になる。

最後に、Jumptapは数あるAndroid機の中でどの端末が優勢かも分析している。そして他の利用量データが市場シェアと不一致だったのに対して、こちらは合っているようだ。Samsungがは、現在世界最大のAndroid機メーカーであり、かつモバイルウェブのトラフィックとアプリ利用量でも第1位だった。

jumptap android OEM breakdown

Jumptapによると、Samsungは2012年末に同ネットワークの全トラフィック中56%を占め、今年は60%を超えると予測している。「Android市場をターゲットしている広告主は、他のデバイスを明示的に指定しない限り、自社広告の半数以上がSamsungのスマートフォンに表示されていることを知っておくべきだ」とJumpstartは書いている。

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(翻訳:Nob Takahashi)

Chrome for Androidでは(なんと!)Web通信がすべてGoogleのプロキシサーバを経由する

chrome_beta_logo

Googleがさきほど(米国時間3/5)、Chrome for Androidのベータに、モバイルのChromeユーザのWeb閲覧を高速化し帯域を節約するための新機能を実装した、と発表した。それは一種のプロキシサーバ機能で、この機能をonにしておくと、ユーザのWebリクエストとそれに対するレスポンスがすべてGoogleのサーバを経由するようになり、そこでGoogleは同社のPageSpeedライブラリを使ってコンテンツを圧縮し最適化する。そしてその後の、Googleのサーバとブラウザ間の通信はSPDYプロトコルで行われることになり、なお一層の最適化が図られる。

このプロキシは、データ量を約半分に圧縮する。今のWebは伝送量の約60%が画像データだから、画像をJPEGやPNGからPageSpeedライブラリのWebP形式〔日本語〕に変換するだけでも、違いは大きい。GoogleのソフトウェアエンジニアでモバイルWebのパフォーマンス向上を担当しているMatt Welshが今日の発表声明の中で、“HTMLとJavaScriptとCSSのリソースにインテリジェントな圧縮縮小を施すことにより、不要なホワイトスペースやコメント、およびそのほかの、ページのレンダリングには不必要なメタデータが取り除かれる”、と書いている。DNSの参照もプロキシが独自に行い、また、この機能をonにすると、ブラウザは自動的にSafe Browsingモード〔日本語〕になる。

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この機能をonにするには、ブラウザでchrome://flagsへ行き、“Enable Data Compression Proxy”をセレクトする。

この機能がonのときでも、HTTPSによるリクエストは直接、目的サイトへ行き、その通信はGoogleのサーバを経由しない。シークレットウィンドウ/タブに関しても同じだ。

Operaがモバイルとデスクトップの両方で提供しているTurboモードによく似ているが、違いはページのレンダリングをすべてユーザのブラウザが行うことと、JavaScriptの処理もすべてローカルに行われることだ。

Chromeのこの新たなベータバージョンではさらに、パスワードと自動補完のシンクがサポートされる。この機能はこれまで、デスクトップのChromeにしかなかったが、しかし今回の主役は言うまでもなく、プロキシサーバによるSPDYのサポートだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Amazon、 EC2のさらなる料金値下げでクラウド・コンピューティングのライバルに攻勢

AmazonはライバルのGoogle Compute EngineWindows Azureなどのエンタープライズ・クラウド・プラットフォームに対抗するためにさらに賭け金を競り上げてきた。

今日(米国時間3/5)、Amazon WebServicesはEC2の予約インスタンス(Linux/UNIX、Red Hat Enterprise Linux、SUSE Linux EnterpriseServer)の料金を最大で27%値下げすると発表した。これによりオンデマンドのインスタンスに比べると最高65%安くなる計算だ。この動きはAmazonがスケールにものを言わせてギリギリまで利益を削っていく姿勢をさらに強めたことを意味する。

われわれのAlex Williamsが最近書いたとおり、Amazonのエンタープライズ・サービスのビジネスモデルは(実はAmazonの消費者向けサービスも同様だが)、利益率を限界まで低くして、その代わりに規模の拡大を狙う。Amazonは2006年にエンタープライズ・サービスを開始して以来、2012年の12月までに23回も値下げをしている。

今回の値下げの内訳は以下のとおり。

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AmazonのJeff Barrはブログ記事で、値下げは今日(3月5日)以降の購入について有効となる」と書いている。また購入のガイドラインとして「サーバの稼働率が15%以下のユーザーはオンデマンドのインスタンスを利用するほうがよい。15%から40%ならLight Utilization予約インスタンス、40%から80%ならMedium、それ以上の稼働率ならHeavyを契約すべきだ」と助言している。

今回の値下げはAmazonがAWSサービスを多様化させようとする努力の一環でもある。去年限定的に公開したRedshiftデータウェアハウス・サービスを最近、全世界に展開している。また今月に入ってから無料の(自動)コンサルティング・サービス、AWS Trusted Advisorをリリースした。これはAmazonが自社サービスのユーザーの利用状況をビッグデータとして分析し、特定のユーザーに対して料金節約やパフォーマンス向上のアドバイスを提供するというものだ。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

プロ級の写真修正をクラウドから最大24時間納期で提供するRepixl

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今日イギリスで非公開ベータに入るRepixlは、写真修正をクラウドからやってくれるサービスだ。10万ポンドの自己資金と2年近くの歳月をかけてローンチにこぎ着けた、この社員2名の会社は、プロフェッショナルな写真編集技術をクラウド上で万人に提供し、ユーザの写真アップロードと保存の量は無制限とする。また写真編集と修正のアウトソーシングの仲介もやり、いずれの場合も所要時間24時間を約束する。

メニューにある写真編集/修正の項目は、しみ取り、人間取り(隣にいる元カレを消す)、美肌、歯並び修正、背景変え、焦点変えなど。全部で66項目ある。

個々の項目ごとに料金が設定され、簡単なもので28ペンス、いちばん複雑でも8ポンドだ。ユーザが修正を依頼するとき、同時に料金も分かる。

やりかたは、きわめて簡単。アップロードした写真の中から一枚指定し、修正項目を指定する。それだけだ。その処理をやるとどうなるか、という結果のサンプルが(一般的な写真で)示される。最後に、修正の範囲を指定する(たとえば削除する人とか)。修正項目が複数あるときは、以上の過程を繰り返す。最後に料金を払い、最大で24時間待つと修正後の写真と元の写真がユーザのアカウントページに現れる。

協同ファウンダのJames Bradleyは曰く、“とても直感的に使える写真エディタですら、望みどおりの結果を得ることは、すさまじく難しい。フィルタやオーバレイぐらいなら簡単だが、背景とか髪の色とか、特定部分だけを変えたいときには、しろうとはお手上げになる”。

しかし、実際にその道のプロに写真修正を頼むと、時間とお金がかかる。専門のスタジオに頼んだり、プロにPhotoshopの使い方を教わったりしなければならない。どちらにしても、24時間は無理だろう。

“うちは、そういうプロの仕事を大衆化したい。プロの力をほんの短時間借りれば修正が完成するシステムを、作り上げたんだ”、とBradleyは説明する。

彼ともう一人の協同ファウンダMark Stringer(後者がサイトを開発)によると、開発に時間がかかったのは、そのWebアプリケーションの機能と使い方をデスクトップアプリケーション並に使いやすくすることだった。デスクトップ並というのは、あちこちページをナビゲーションしなくても、今開いているページ上で、複数の写真のアップロードから、アルバムの閲覧、エディティングの指定などができることだ。

“プラグインなし、Flashなし、複雑も面倒もなし、だ”、とBradleyは言う。

ぼくも実際に使ってみたけど、たしかにレスポンシブ(応答性が良い)で、単純なデスクトップアプリケーションに近い使い心地だ。また写真編集の結果も、相当良い。ただし、範囲の指定が精密で正しいほど、結果も良質になる。人によっては、すぐに精密な指定ができるかもしれないけど、ぼくは練習が必要なようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Microsoft曰く:「Googleが騙し続ける限り」Scroogledキャンペーンは継続する

scroogled_logo_2噂に反して、MicrosoftのScroogledキャンペーンはまだ終りそうにない。今日(米国時間3/4)、いくつかのメディアがBing検索担当ディレクターのStefan WeitzがKQEDの取材に答えて、このキャペーンは「まもなく終了する」と言ったことを取り上げた。しかし、Microsoftの広報担当者によると、これは真実ではなく「次章に期待」すべきだということだ。

Microsoftの声明全文は以下の通り:

「ScroogledはGoogleが人々をだまし[Scroogling]続ける限り継続する。われわれは、事実が明かされることをGoogleが嫌っていると知っている。この消費者教育の第2章は、プライバシーに気を配る人たちを紹介した。350万人以上がscroogled.comを訪れ、11万5000人近い人々がGoogleに対してGmailの中を調べるのを中止するよう要求する請願書に署名した。次章に注目されたい。

Scroogledキャンペーンとは、Googleがわれわれのメールを読んでいることや、Google Shopping検索で有償結果を優先して表示していることを告発するもので、昨年11月に開始された。これは、MicrosoftがGoogleのサービスを非難する最も好戦的な試みだ。これまでこのキャンペーンがどれ程の効力を発してきたかは不明だが、Weitzが先月私に話したところによると、機能のみに焦点を絞ったキャンペーンでは、人々に検索やメールのサービスを乗り換えさせるだけの説得力はないと彼は考えている。Googleは殆どの人にとって「習慣」であり、Microsoftはこのキャンペーンを通じて利用者に一度立ち止まって自分の選択肢を考えてもらいたい、とWeitzは主張した。

まだ終っていないとすれば、近い将来こんな傑作をもっと見られるに違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi)

Facebookのニュースフィードは、あてにならない贈り物

Facebook Questionsを覚えているだろうか? チェックインは? Spotifyのlistenは? いずれもかつてニュースフィードのトップを飾っていた。これはFacebookが新サービスを優先的に扱っていたからであり、成熟すると共に目立たなくなっていった。このことが、記事同志の位置争い問題と共に、New York TimesのNick Bilton記者の書き込みへの、フォロワーからのいいね!が減った理由を説明している。ニュースフィードはでこぼこ道だ。

アップデート:Facebookから正式発表があり、Biltonや私のエンゲージメントが落ちている事実を認めたが、本誌の説明は逸話にすぎないとしている。Facebookのダメージ対策に関する私の分析はこちらを参照されたい:「Facebook、一部有名人のいいね!が減ったことを認める。ただし大半については34%アップと主張」。

シェアに関するZuckerbergの法則によると書き込みの量は毎年2倍になる、しかしわれわれがソーシャルストリームを読むのに費やす時間は2倍にならない。これは、Twitterのフィルターされていないフィードでは、われわれが短期間に書き込まれたツイートしか読まなくなることを意味している。最新の100件は、1年前ならフォローしている人たちが2時間かけて書いた皮肉やネコの話題だっただろうが、今では1時間以内に書かれたものだけかもしれない。

しかし、BiltonへのコメントでHunter Walkが言っているように、Facebookのフィルター済みフィードでは、無理が通る。Facebookは、最近数時間あるいは最後にログインして以来で最も「関連性の高い」記事のダイジェストを表示する。シェアする量が増えるほどこのハードルは高くなり、特に仲の良い友達からいいね!やコメントが多く付けられた記事しか表示されなくなる。

さらにFacebookは、この非公式にEdgeRankと呼ばれるニュースフィード並べ替えアルゴリズムを無視して、特定のコンテンツを注入することがある。例えば広告だ。いいね!を付けたFacebookページによる、表示されるかもしれないが多分落とされる記事であれ、全くの人工的な非ソーシャル広告であれ、Facebookはそれをニュースフィード上に高く掲げることによって稼いでいる。フィード内の広告量はこの一年で劇的に増え、Biltonはこれを「スポンサー広告が浮上するにつれ、人々のフィードからフリーな記事が消えていく」ことを意味していると言った。

これは一種の均衡政策であり、今のFacebookは少々広告主の利益に寄りすぎているかもしれない。私はBiltonに同意する。Facebookは、フィードの実力社会が有料マーケティングに毒され、見たいものを見ていないと感じたユーザーを遠ざけてしまうリスクを負っている。

Facebook Subscribe Followers

しかし、FacebookがEdgeRankを高めているのは広告だけではない。新サービスを導入する際、同社は認知度を高めて人々がそれを試すよう促す。そのために当初Facebookは、ニュースフィードのアルゴリズムで最新機能に特別な重み付けをしていたていた。

例えば、FacebookはQuestionsを2010年と2011年にスタートそして再スタートした時、ニュースフィードに大量の質問と回答を流した。地元の場所にチェックインできるようにした時や、臓器提供者が現れたことを発表する時にも同じことをした。そして、2011年9月のf8カンファレンス後の数日間、新しいサイドバーのリアルタイムフィードとニュースフィードがSpotifyで友達が何を聞いているかに関する書き込みで溢れたことを、多くの人は覚えていることだろう。やがてこれらの記事の存在感は妥当なレベルへと戻っていった。絶対的に見れば時間と共に減っているが、それは当初意図的に多く表示されていたためによるところが大きい。

こうしたゆらぎは、記事が友人間の楽しいアップデートだけであれば大した騒ぎにならない。これがサードパーティーアプリの開発者や、ウェブサイト、そしてプロのコンテンツ提供者に振りかかってくると、大問題になる。

f8の直後、FacebookはWall Street Journalのニュースリーダーアプリや他のサイトへのリンクを含む「最近読んだ記事」ボックスを頻繁に表示した。それらは膨大なトラフィックを誘導した。しかしその後Facebookはこのボックスをあまり表示しなくなり、トラフィクは急落した。当初BuzzFeed他のメディアは、ユーザーがニュースを自動書き込みするうるさいリーダーアプリを捨て始めたからだと主張した。私は実際にはニュースフィードが変更になり、そのためにリーダーアプリのトラフィックが激減したためであると解説し、Washington Postも正式に認めた。

People to Subscribe to Done FeedFacebookは、ライバルを追い払うためにもフィードをいじることがある。去る2011年、Twitterはリアルタイムニュースの強力な配信チャネルとして高い人気を集めていた。リーダーアプリをフィードで目立たせることによって、FacebookはTwitterからスポットライトを奪い、ニュースサイトのハートを勝ち取ろうとしていたように見えた。

フィード購読機能も同じ目標を追求していたようだ。f8直前にこれがスタートするまで、個人ユーザーはFacebookで友達を5000人までしか作れなかった。それ以上欲しければ、Facebookページを作る必要があった。Facebookページは大型ブランドのために用意されたサービスで、ジャーナリストや有名人のためではなかった。それらの人々はTwitterで膨大なフォロワーを獲得し、彼らのコンテンツは多くの人々を140文字の世界へと呼び込んだ。

Facebookはこれも気に入らなかった。そこでフィード購読を開始し、ユーザーが同じ個人アカウントを使って、何人のフォロワーにでも公開書き込みを見せられるようにした。Facebookは、サイドバーの「フィード購読のおすすめ」ボックスに、フィード購読の早期提供者を表示して利用を促進した。わずか3ヵ月間で、私のFacebookフィード購読者数は、何年もかかって築き上げたTwitterのフォロワー数を超えた。明らかにFacebookは、私のようなジャーナリストや他の著名人に対して、Twitterより価値があることを認めさせようとしていた。

振り返ってみれば、Facebookはニュースフィードの購読者向け記事の露出に関しても同じことをしているのかもしれない。現在私にはFacebookのフィード購読者が16万人いるが、購読者が1/10だった頃と比べて、公開書き込みに対するいいね!の数は同じかむしろ少ない。私のいいね!とコメントの数はBiltonほどには減っていないが、エンゲージメントが購読者数の増加と直接相関していないという事実は、公開書き込みの表示が絞られていることを暗示している。

Facebookへの書き込みは無料だが、そのコストはあの不透明なニュースフィードに対するFacebookの支配を受け入れることだ。Facebookは今も贈り物の馬だが、こいつはお調子者だ。これほど簡単にわれわれを振り落とす相手を、ビジネスの拠り所にしたり全面的に頼ったりするのは考えた方がいいかもしれない。

[画像提供:Brandon Oliver

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(翻訳:Nob Takahashi)

Microsoftは育てたスタートアップを自分で買う: まずクラウドモニタリングのMetricsHub

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Microsoftが今日(米国時間3/4)、Azure上のクラウドアプリの管理を半自動化し、その効率化を助けるサービスMetricsHubの買収を発表した。MetricsHubは、MicrosoftがTechStarsと共催した3か月間の、お互いが競い合うアクセラレータプログラムMicrosoft Azure Accelerator参加した企業の一つだ。

このプログラムの参加企業にはTechStarsから2万ドル、Microsoftからは6万ドル相当のAzureクラウドコンピューティングサービス、シアトル市内のオフィス、そして、Microsoftが買収するかもしれない機会が与えられる。

Microsoftの今日の発表によると、Windows Azureのユーザは、MetricsHubのActive Cloud Monitoringサービスの“無料のプレリリースバージョン”をWindows Azureストアで入手して利用できる。また今日のMetricsHubからの告知によると、既存の有料ユーザは無料プランへ転換される。

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買収の条件は公表されていないが、まだユーザ数がわずか374名のサービスなので、それほど高額の買収価額ではなかっただろう。

MetricsHubのサービスを利用するとユーザは、ニーズに応じて自分のサービスを柔軟にスケールアップ/ダウンでき、またシステムの健康状態やパフォーマンスに異状があれば警告や通知をもらえる。New Relicなどのツールに比べるとまだ簡素だが、Azureを実際に使っている企業にとっては貴重な無料サービスだ。

Microsoftの企業向け事業開発担当VP Bob Kellyが今日の発表声明でこう述べている:“クラウドというソリューションには、スケーラビリティ、柔軟性、そしてその価値、などいくつかの側面で強い魅力がある。しかし、クラウド上に展開しているアプリケーションの重要なデータポイントをすべてモニタし、それらの相互関係を正しく理解して、アプリケーションをスケールアップすべきタイミングなどを適正に判断することは、決して容易ではない”。…だからMetricsHubのサービスをご利用ください、というわけだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ほとんどの銀行にすでにネットサイトがある中で, なぜSimpleはモアベターなのか

銀行のインターネットサイトはひどいのが多い。とくにひどいのはモバイルだ。モバイルアプリのない銀行もあるし、あっても良いものは少ない。オレゴン州ポートランドでローンチしたSimpleは、ユーザがお金を管理できる、モアベターな銀行インタフェイスを目指している。

Simple自身は銀行ではなく、国が認可し、万一のときには国が預金者保護を提供する通常の銀行の、利用インタフェイスだ。そしてユーザは、Smileが提供するツールにより、自分のお金を管理する。たとえば、通常の銀行サイトでは比較的最近の入出金〜利用履歴しか見られないが、Simpleはそのすべてを保存する。かなり前のことが確実に分かるのは、ありがたい。また、ゴール(目標)機能 を利用すると、一定の‘目的貯金’がほとんど自動的にできる。

先週は、SimpleのCEOで協同ファウンダのJosh ReichをTechCrunchのスタジオにお招きしてインタビューした。彼は、デスクトップとiOSとAndroidから利用できるSimpleのクールなツールを、詳しく説明してくれた。ぼく自身は数か月前からユーザだが、Simpleをまだよく知らない人は、ぜひ上のビデオを見るべきだ。

〔訳注: 原文はコメントがとても多く、アメリカの銀行サイトの比較論に関心のある方には参考になると思います。)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

「いいね!」が欲しければTwitter経由のFacebook投稿はやめること

NY TimesでのNick Biltonの記事によると、Facebookに投稿したコンテンツのが、従来よりも少ない人びとにしか届けられなくなっているそうだ。Facebookでのフォロワー数は増えているのに、「いいね」の数が急速に減っているのだとのこと。ちなみに本件についてはJosh Constineも記事を書いている。

Biltonは、Facebookが有料プロモーションを導入したことで、対象外の発言の配布範囲を狭めたのだろうと推測している。Hunter Walkは、また別の考えを主張している(確かに彼の主張も理にかなっている部分があるようだ)。

オッカムの剃刀を適用してみると、Biltonの意見が正しいのかもしれない。無料投稿記事の配布範囲を狭めることで、有料プロモーションのニーズを高めることができるからだ。本当のところはわからない。ところで昨年11月に有料プロモーションのテストをしたところでは、投稿の閲覧者数が969倍になったと表示された。

ところでひとつ確からしいことがある。もしFacebookで「いいね」を集めたいと考えているのなら、Twitterへの投稿が自動的にFacebookにも投稿されるようにはしない方がいい。私の経験によると、そうした投稿に対しては、Facebookが厳しく「ペナライズ」するようなのだ。投稿のリーチが大幅に狭まることになるようだ。

私は自分のFacebookページに、Twitterへの投稿が自動的に流れるように設定している。Facebookに直接投稿することもある。そして傾向をみてみると、直接Facebookに投稿した記事の方が「いいね」の数が多くなるのだ。これまでは平均データなどをとってはいなかったが、今回、過去数週間分の投稿について平均をとってみた。

それによるとTwitter経由でのFacebookへの投稿の平均「いいね」数は13.6だ。Facebookに直接投稿した記事については、その数が81.1となっている。

私自身については、これからも投稿スタイルを変更するつもりはない。しかし「ぜひとも変更しよう」と思う方もいるのではないかと思う。

情報開示:私はベンチャーファームのCrunchFundのパートナーという立場にある。CrunchFundおよび私はFacebookの株式を保持している。またCrunchFundはTwitterの株式も保有している。詳細についてはこちらに開示している。

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(翻訳:Maeda, H)

インターネットを忘れてはいませんか

今起きている「歴史は勝者によって記される」的状況について知りたい人は、Tim WuJohn Gruber の2人による、なぜAppleが90年代終り以来、他を叩きのめしてきたかに関するバトルを読むべきだ。

Wuは、システムのオープン対クローズドが真に意味するところを混同し(彼は様々な定義を用いている)、Appleはクローズドであるにも関わらず成功したと主張している。Gruberは、オープン対クローズドは無関係であり、Appleが成功したのは優れた製品を早く作った(先に市場に出した)からだと言う。Gruberの論旨をつきつめると、「天才が動かしている会社は、そうでない会社より一般に業績が良い」ということであり、私も同意する。

ただし。

インターネットを除いて。

ちなみにGruberの言う「90年代にWintelの複占がMacを圧倒したが、これはMacの質的優位性が底を打っていた時代と一致していた」は正しい。しかし、〈もっと正しく〉言うならば、「インターネット以前時代の終りと一致していた」と言うべきだ。

Apple対Microsoftに関してインターネットとブラウザーを抜きに語ることは、第二次世界大戦を原爆抜きに語るようなものだ。OSのオープン対クローズド、ハードウェアやソフトウェアの質、誰がCEOかなどを中心に会話を構成するのはバカげている。

なぜなら、インターネットなくしてAppleの成功はあり得なかったからだ。

インターネット以前、人々はほぼ全員Officeのことだけを気にしていた。そして、Officeは人々がMacではなくWindowsを選ぶ事実上唯一の理由だった。

私が学生だった90年代初めの、Apple対Windowsのエンドレスな議論を思い出す。Macの方が優れたマシンであり、Officeは何もかもが大きな苦痛だと誰もが言っていた。当時OSを横断してファイルを移動することは困難であり、ふつう、Officeが使いたければWindowsパソコンが必要だった。Macはグラフィックをいじる学生たちのものだった。Windowsマシンは大人のためにあった。

もちろんそれは90年代半ばにすべて変った。人々が主にインターネットを使うためにパソコンを買うようになる前、Appleはひどく痛めつけられていた。市場シェアはあまりに小さく、MicrosoftがMac版Officeを作り続けるかどうかさえ疑問視されていた。

そして、Appleにとって何もかもがほぼ同時にやってきた。1997年にスティーブ・ジョブズが戻ってきた。彼はMicrosoftにMac版Officeを再度約束させた。Wikipediaにこうある。

1997年のMacworld Expoで、スティーブ・ジョブズはAppleがMicrosoftと提携することを発表した。その中には、MicrosoftがOffice for Macintoshを発売する5年間にわたる約束と、Appleへの1.5億ドルの出資が含められていた。この契約の一環としてAppleとMicrosoftは、長年続いていたMicrosoftのWindows OSがAppleの特許を侵害しているとする法廷闘争で和解した[47]。また、Internet ExplorerをMacintoshの標準ブラウザーとして出荷することも発表された。Microsoftのビル・ゲーツ会長はExpo会場の大画面に登場して、MicrosoftがMacのために開発しているソフトウェアの計画について説明し、Appleが再び成功する力になれることを非常に楽しみにしていると語った。この後、スティーブ・ジョブズはExpoの聴衆に向かってこう言った。

「Appleが再び健康になり繁栄するために、手放さなくてはならない物がいくつかある。Appleが勝つためにはMicrosoftが負けなくてはならない、という考えは捨てる必要がある。Appleが勝つためには、Appleが真にすばらしい仕事をしなければならないという考えを受け入れる必要がある。そして、もし誰かが助けてくれるならそれはすばらしいことだ。なぜなら今われわれはあらゆる助けを必要としているからであり、もし失敗して良い仕事ができなければそれは誰のせいでもなく、われわれの責任だ。だから、これは非常に重要な見方だと私は考えている。もしわれわれがMicrosoft OfficeをMacに欲しければ、それを出してくれる会社に少々感謝の意を表すべきだろう:われわれは彼らのソフトウェアが好きだ。この状況をAppleとMicrosoft間の競争と考える時代は終ったと私は考えている。重要なのはAppleが元気になることであり、Appleが業界に優れた貢献をし、再び健康になり繁栄することである。

しかし上記の何よりも重要なのは、インターネットだ。当時Officeは私がパソコンに最初にインストールするソフトウェアであり、Officeのないパソコンは一人前のパソコンではなかった。最近買ったパソコン2台には、Officeをインストールすらしていない。

つまり、1997年にOfficeが重要であったように、本当の意味でAppleの戦いを変えたのはインターネットだった。われわれの生涯で最も重要なバーチャルマシン/オペレーティングシステムであるブラウザー。これを通じてアクセスすることによって、インターネットは戦いの場を完全に公平にした。

突如としてパソコンはOfficeだけのものではなくなり、Office〈と〉インターネットのためになった。Macには少しだけ違うバージョンのOfficeがあり、すばらしいインターネット体験がある。インターネットが成熟し、ブラウザーが良くなるにつれ、「問題」は大きく軽減された。今から5年前、Officeの重要度は下がり、Mac、Windows間の互換性は十分良くなり、もはや完全に問題ではなくなった。

インターネットの高まりとOfficeの落ち込みが、Appleの勝因だ。あるいは、Appleが公平な競争の場を与えられ、Appleに関するすばらしい物事のすべてが、ようやく実際に製品を買うほどの影響を人々に与える機会を得たと言ってもいいかもしれない。世界は、「本当はMacが欲しいけど、Officeが重要すぎる」から、「本当はMacが欲しいけど、こいつら高すぎる」へと変わった。

Office以降、インターネット以前、Appleはもがき苦しんだ。インターネット以降、Appleは勝利した(競争の場が公平になったから。その場合に限りGruberの言っていることはすべて正しい)。あまりに当たり前なのでみんな忘れている。

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(翻訳:Nob Takahashi)

Evernoteが全ユーザにパスワード変更を要請: 大規模ハッキング行為で個人情報が漏出

evernote

人気のパーソナルノートサービスEvernoteが、その5000万近いユーザに、パスワードの変更を要請している。同社は一両日前に、最近大きく報道されている大規模なハッキング行為の、最新の犠牲者になった。これまでの数週間で、TwitterFacebookなどなども、同種の被害に遭っている。

EvernoteのファウンダでCEOのPhil Libinによると、サイトは全体的に順調に稼働しているが、現状ではユーザに対し、パスワードの変更を求めるフォームが表示される。“この異常事態のため、サーバが混雑し、アクセスが不調になることもある。しかし問題はそれだけであり、知りうるかぎり、ユーザデータへの脅威は存在しない”。

同社のブログ記事によると、“犯人たちはEvernoteのユーザ情報へのアクセスを取得した。それらの情報は、Evernoteのアカウントに結びついているユーザ名とメールアドレスと暗号化されたパスワードであり”、支払決済関連の情報はアクセスされていない。

Libinによると、“ユーザの支払決済情報はサーバ上に保存していないから、被害に遭うことはない”。この前Zendeskを襲い、そのほかのサイトにも被害が及んだ犯行との関連については、現状では何も分かっていない。“Zendeskの件については詳細を知らないので、コメントを申し上げる段階ではない”。

同社広報によると、異状に最初に気づいたのは、(米国時間3/2から)二日前の米国時間2月28日だ:

2月28日に、Evernoteの運用とセキュリティを担当する部門が、異常でしかも悪意あると思われる活動がEvernoteのサービスの上で行われていることに気づき、調査を開始した。その結果判明したのは、一人または複数の個人が、ユーザのユーザ名とメールアドレスと暗号化されたパスワードへのアクセスを取得したことだ。現在行っている分析によれば、ユーザアカウントのそのほかの内容や、Evernote PremiumおよびEvernote Businessの顧客の決済情報への、不法アクセスは生じていない、と判明した。

同社はブログ記事以外に、ユーザへのメールとソーシャルメディアへの投稿で通知を行っている。

“質問や心配事のある方はEvernoteのサポートまで直接申し出ていただきたい”、とその広報担当は言った。

パスワードの変更は、Evernote Food、Evernote Business、Evernote Helloなどなど、そのユーザが使う可能性のあるすべてのEvernoteアプリケーションで行う必要がある。

データ侵犯のニュースが、このところ毎週のようにある。ネガティブなニュースの頻発が、これらのサイトに対するユーザの信頼をどれぐらい損なっているか、そこが問題だ。ユーザは、慣れて不感症になっているのか、それとも、もっと安全そうなサイトへ引っ越そうと考えているのか。大規模ハッキング行為の日常的な横行は、ネットワーク社会をめぐるさまざまな楽観論や理想論に、水を差すことにもなりかねない。

evernote password change

この記事は、引き続きアップデートしていきたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

レスポンシブデザイン・フレームワークの「Foundation」に新版が登場。「モバイルファースト」を強化してZeptoを採用

foundation4-square1プロダクトデザインを手がけるZURBFoundationの新しいバージョン(バージョン4)をリリースした。Foundationというのは、Bootstrapなどと同様のレスポンシブデザインのためのフレームワークだ。ZURBによると、新しいバージョンはモバイルファーストの観点から、完全に書き直されたものだとのこと。「デザイナーに新たな考え方を促すものとなるでしょう」としている。ページの開発にあたっては「まずモバイル版での見せ方を定義して、その後にデスクトップ版のデザインを考えていくこととなるのです」ということのようだ。

機能的な変更に加え、ライブラリの変更も行なっている。これまでのjQueryにかえて、よりコンパクトで軽量なZepto.jsを採用しているのだ。ZURB曰く「モバイルにフォーカスする中、より効率的且つ迅速にページを読み込めるようになりました」とのこと。またZeptoはAPIレベルでjQueryと互換性があり、開発者の判断でいつでもライブラリをjQueryに戻すこともできるとしている。

そしてデザイナおよび開発者が目にする形式も変更したのだそうだ。Foundationの以前の版ではBootstrap同様に「レイアウト」に基づいてコードの記述を行なっていた(<div class=”three columns”>といった具合)。しかし今回のFoundation 4からは、よりセマンティックなアプローチに切り替えることとした(<section>, <div class=”main”>等)。レイアウトの定義についてもSCSSのやり方に沿った形となっている。

foundation-buttonsまたFoundation 4には従来以上にmix-inやプレースホルダークラスが用意されている。しかし前回までの版との大きな違いは「モバイルファースト」を徹底したところにある。ZURBのパートナーでデザイン部門を率いるJonathan Smileyによれば、Foundationにおいては、どのデバイスにどのデザインを利用するかについての考え方が、従来とは逆になっているのだとのこと。すなわち、ページの開発も、単純なモバイルデバイス用のものから行なっていくようになっているのだ。

モバイル向けのページから開発を始め、そして、後からレイアウトを複雑化したり、大画面で高機能なデバイスに向けた機能を追加していったりするわけだ。すなわち、さまざまな機能ないしレイアウトをモバイル用に削り取っていくというのとは逆のアプローチをとっている。

いろいろと変更点があるので、バージョン3からのアップグレードは少々面倒なものとなる。ZURBは既存利用者に向けて詳細な移行ガイドを作成していて、それを参考にすればうまく移行することができるようになっている(もちろん既存プロダクトをそのまま運用していくことも可能となっている)。

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(翻訳:Maeda, H)

Ustreamが6%の人員削減+2名のVP増で有料サービスProシリーズへの注力を強化

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ライブビデオサービスUstreamが今日(米国時間3/1)、チームの6%をカットするという小規模なリストラを発表した。このリストラと並行して二人のVPを新規に雇用し、Pro Broadcastingプロダクトの営業により注力して経営の黒字化を目指す。

リストラ後の同社の社員数は191名となり、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ブダペスト、韓国、日本など世界各地で仕事をしている。ただし会社は今でも成長中であり、今年も15名あまりを新規雇用した。現在、25名を求人しており、内16名が営業だ。

Ustreamによると、同社の収益源は広告からSaaSへとシフト中である。とくにProシリーズのプロダクトは前年比で150%成長し、Sony PlayStation 4の発表会の実況にも使われ、100万人がそれを視聴した。

この路線をさらに強化するために同社は、企業向けビデオサービスOoyalaから二人の役員をスカウトした。James NielsenはOoyalaの元営業部長で、今はUstreamの会員制営業担当VPだ。Dave Gibbonsは元ソリューションマーケティング部長で、今ではUstのプロダクトマーケティング担当VPだ(二つとも前からあった部署ではなくて新設のようだ)。

今回のプレスリリースの中でCEOのBrad Hunstableは、Ustreamを使ってブロードキャストをしているユーザ数が1500万、それらの月間視聴者数は8000万だ、と述べている。“今年は、SaaSプロダクトであるPro Broadcasterのさらなる快足成長に期待する。そのために営業力を増強し、顧客のニーズにより充実した対応を図ることにより、弊社のフリーミアムの巨大なユーザベースの収益化を促進したい”、と彼は言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Microsoft自製のSurface RTが日本で3月15日に発売

Microsoftがスマートフォン、タブレット市場に乗り遅れ昨年から挽回を試みている。そして本日、Microsoftはタブレット端末、Surface RTの国内販売日が3月15日と決まったことを発表した。価格は32GBモデルが49,800円、64GBが57,800円だ。

Surfaceはアメリカでは昨年10月に販売され、Microsoftのハードウェア事業参入ということもあり、話題になった。初期ロットは予約しかし、Surfaceの販売台数は非公開のもののアナリスト達はかなり大幅に販売台数を下方修正している。

現在Surfaceが販売されているのは、アメリカ、中国、イギリスなど比較的タブレットが浸透している地域なので、先進国の中ではタブレット保有率が低い日本で巻き返しを図りたいところだろう。

Surface RTのレビューはすでにたくさんあるが、ご存じない方のため簡単に紹介しておこう。

搭載されているOSはWindows RTで、タイル上のインターフェイス(メトロUI)が特徴的なWindows 8をモバイルに最適化したOSだ。スマートフォンのように常時インターネットに接続できる。常時接続ができるとバッテリーの駆動時間が心配だが、Surfaceは最大約8時間使用可能だ。

画面サイズは10.6インチなので、iPadの9.7インチよりやや大きい。

SurfaceとiPadとの最大の違いはPCのように使える点だ。搭載OSであるWIndows RTはタブレットととしてはもちろん、他のタブレットではPCのように使いにくい点もカバーしているという。また、標準でOffice 2013 RTもインストールされている。

PCとしても使いやすいようにSurface RTのタブレットカバーにはキーボードとしての機能もある。他にもUSBポートやmicroSDのスロットなんかも付いている。

さて、MicroSoftがハードウェア事業に参入すると、これまでパートナーとしてWindowsのハードウェアを製造していたメーカーとの関係はどうなるのか気になるだろう。MicroSoftが販売する方が互換性は良いだろうし、何よりインパクトがある。

この点に関しては、今までと変えるつもりも無いし、これからもパートナーとして協力していく、と日本マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行氏はいう。Windows 8搭載のデバイスはすでに約250種類も市場にあるため、その中の1つとして考えてもらいたいとのこと。

また、Windows製品の中で競争をするというよりはWindows陣営とその他(Android、iOS)との勝負だと思っているそうなので、Surfaceを含めトータルでWIndowsが盛上がることが重要なのだろう。

発売時期がアメリカよりも半年ほど遅れたの理由に関しては色々な理由が考えられるが、樋口氏によるとWindowsストアの充実という点も考慮したという。

Windowsストアのアプリ数は公開されていないものの、AndroidのGoogle Play、iOSのApp Storeに比べるとまだまだアプリの数が少ない。そのため、パートナーのメーカーがデバイスを販売し、Windowsストアを利用するユーザーの拡大と同時にデベロッパーの数をある程度増やしてからSurfaceを販売したかったようだ。

その他、商用利用が可能なOffice 2013 RTをプリインストールしておくことも重要なポイントだったようだ。

3月15日の発売に向け、Surface RTとWIndows 8のテレビCM、屋外などで過去最大級のマーケティングを行うという。

なお、Surface Proの発売はまだアナウンスされていない。

Googleが新しい圧縮アルゴリズムZopfliをオープンソースで発表

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Googleが今日(米国時間2/28)、オープンソースの新しい圧縮アルゴリズムZopfliローンチした。今の標準圧縮技術であるzlibライブラリに比べて5〜8%圧縮率が高いといわれ、また解凍アルゴリズムは今のWebブラウザが現用しているもので間に合うため、Webサーバがこれを採用すれば、データの伝送速度が上がり、Webをやや速くすることができるだろう。

このアルゴリズムはチューリッヒ在住のGoogle社員Lode Vandevenneが20%プロジェクト*として作ったもので、Deflateアルゴリズムの実装だ。それはZIPやgzipが使っているアルゴリズムで、画像ファイルのPNGにも使われている。出力(圧縮結果)はzlibと互換性があるが、圧縮を行うアルゴリズムがzlibとは異なり、より効率的だ。〔*: 20%プロジェクト, 会社の拘束時間の20%は好きなこと(研究開発)をしてよい、というGoogleの内規。〕

Vandevenneは今日の発表声明で、“この徹底的で容赦のない圧縮アルゴリズムは、エントロピーモデルの反復と最短経路アルゴリズムを駆使し、可能なすべてのデフレート表現のグラフ中にビットコストの低い経路を見つける”、と述べている。

ただし、高い圧縮率の代償は長い圧縮時間だ(解凍時間は同じ)。Vandevenneはこう書いている: “最大でzlibの2〜3倍のCPU時間を要するので、Webの静的コンテンツのように、一度圧縮したらそれを今後何度でも使える、というアプリケーションに向いている”。

画像クレジット: Volvo

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Fujitsuのシニア向けスマートフォンはAndroidを賢く使って複雑さを隠している

日本の電子機器メーカーFujitsuは、国内スマートフォン市場からの脱皮に慎重だった。同社はその細身で洗練されたハイエンド機で知られているが、今月ヨーロッパ進出を発表し、そこでは混み合っている高級機市場を避け、カスタム化Androidベースのスマートフォンでシニア層のニッチを狙う。 Stylistic S-01は、年長の人たちが使いやすいようにデザインされている。Fujitsuは、同機をFrance Telecom/Orangeと提携して6月にフランスで発売する予定だが、今回モバイル・ワールド・コングレスでお披露目し、本誌も手に取ることができた。

ちなみに、シニアモバイル分野に参入するのはFujitsuが最初ではない。実績のあるところで、Emporiaはもっぱら簡素化した多機能電話を作っているし、Doroもさまざまな端末を作っている(タブレット用ソフトにも手を出している)Doroは、昨年のMWCで独自のAndroidベースのシニア向けスマートフォンを発表している。

本体は持ちやすいようにラバー地でコーティングされ、〈今日の〉スリムで洗練されたハイエンド機よりも曲線的で手になじみやすく、通常の板状電話よりも落としにくい。前面には4インチのタッチ画面の下に明瞭に表記されたホームボタンが置かれている。ボタンはわずかに出っぱっていて押しやすい。側面には、電源、音量の上下ボタンがあり反対側には専用のカメラボタンがついていて、それぞれラベルがついている(ただしアイコンによる)。これらのキーはわずかに出っぱっているが、うっかり押してしまうほどではない。

Fujitsuは、静電容量タッチスクリーンの感度を意図的に低くすることによって、ターゲットのユーザー層が誤ってキーを押す可能性を減らしている。私がいじっている間、レスポンスが悪いと感じたことはなかったが、画面上のボタンを意識的に強く押さなければならない場面はあったが、これは狙っている機能を再確認させるものだった。

ハードウェア面にはいくつか奇妙な点が見られた。Micro USBポートにはカバーがかかっていて、爪で開いてやる必要がある。このカバーは防塵防水のためと思われるが、充電が簡単ではないことを意味している。

本機は、非常時のためのアラーム機能も備えている。これは、持ち主がトラブルに見舞わらた時に近隣に大きな音の警報を鳴らすと同時に、事前に選んでおいた相手に自動的に電話がかかるしくみだ。アラームボタンは本体背面のカメラレンズの左側にある。この機械式ボタンはやや小さい上に、これまた爪などで引っぱり出す必要がある。もちろん、誤ってアラームが鳴るのは困るが、非常時に鳴らすのは少々難しそうだ。

AndroidであってAndroidでない

ソフトウェアに話を移そう。ここはまさしくこの端末が他のAndroid集団と一線を画している部分だ。簡易化されたカスタムUIは、キーを前面に押し出し、複雑さを奥にしまい込み、持ちやすさがよく考えられている。ヘルプボタンとガイドの他、説明書も電話機に内蔵されている。ホーム画面には大きくはっきりと名前を付けられたアイコンが並べられ、下方へスクロールして使用頻度が少ないと思われる機能になるとアイコンが小さくなる。2つある大きなボタンは、「発信」と「電話帳」(”phonebook”。”contacts”[連絡先]よりもシニアに優しい表現)だ。

メッセージとメールもホーム画面のトップにあり、他に1~3の数字がついたプリセットできるボタンがある。ずっと下までスクロールすると、最新ニュースと天気を表示する情報ウィジェットがある。その下には、様々な機能が格子状に配置されていて、これも明確に名前が付いている。インターネット、カメラ、マップ、ビデオ、ギャラリー、ヘルプフォーラム、マニュアルなどだ。唯一やや地味で目立っているのが「Play Store」と書かれたボタンだ(ありがとうGoogle)。

Androidアプリは、Play Storeまたは「アプリをダウンロード」ボタンを使ってダウンロードできる。他のプレインストールされたアプリは「その他のアプリ」と「Orangeのサービス」の下に隠されているので、簡易化されていると言っても機能そのものが削除されているわけではない。むしろ、利用者が少し堀り下げてみる勇気がでるまで危険を回避している。

デザインにはよく考えられた小さな工夫が数多くある。電話帳アプリは伝統的ファイロファクスに似せてあり、「私の電話番号」というボタンが自分の番号を覚えられない人を助けてくれる。ギャラリーにも「写真を撮る」ボタンがあり、カメラを探してギャラリーに行った人を正しい方向へ導いてくれる。バックボタンにもはっきり”back”と書かれていて、暗号めいたシンボルで混乱させられることがない。そしてブラウザーのトップには “?” ボタンがあり、初めてのモバイルウェブ利用者にブラウズ方法を説明してくれる。

他のアプリもうまく削ぎ落として簡易化されわかりやすく表示されている。例えばカメラアプリにはカメラボタンとフラッシュのオンオフ切換ボタンしかないし、電話アプリにはダイアルオプションと通話履歴のフォルダー型タブが2つあるだけだ。FujitsuのUIデザイナーたちは長い時間をかけ、シニアユーザーがスマートフォンに慣れるための小さな一歩を心地よく踏みだせるよう、見事にAndroidを隠している。

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(翻訳:Nob Takahashi)

Facebook、グラフ検索のサンプルを公開―もっと本質的なユーザー体験の改良に力を入れるべきでは?

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Facebookでユーザーがいちばんひんぱんに訪問するのは写真とニュースフィードの部分だろう。それに比べて、最近鳴り物入りで追加された2つの大型プロダクト、タイムラインとグラフ検索は比較的ニッチな機能にとどまっている。

今日(米国時間2/28)、Facebookは グラフ検索をデモするため、サンプルを公表した。しかしその結果はグラフ検索はユーザーが毎日使うようなものではないという印象を強めただけだった。

Facebookが検索機能を強化する必要があるのは間違いない。しかしこれまでのところ、Facebookでは先進的なテクノロジーを見せびらかすのに熱心な一方でユーザー体験の改善ががおろそかにされているのではないだろうか。

先週私はFacebookを取材したところでは、グラフ検索はすでに何十万人ものユーザーに公開されているという話だった。スタートの時点でのユーザーは10万人前後だったようだ(ベータ版への登録はこちら)。しかしユーザーはこの機能を利用するのにあまり熱心でないらしい。そこで、Facebookのユーザーで現在グラフ検索が利用できるのは1000人に1人くらいなのだが、Facebookはいっそうの利用を促すために検索結果のサンプルを紹介するブログ記事を公開した。

紹介されている検索例には、友達の昔の写真やビデオ、大手メディアからの話題のコンテンツなどが含まれている。その他検索されているのは、付近のホテルやレストラン、友だちが訪問したスキーリゾート、自分が以前に訪問した観光名所、友だちが「いいね!」したアプリやビデオ、有名人のホビー、自分と似たような「いいね!」をしている人々、などの情報だ。

Facebook graph Search Examples

しかしこのリストをよく見ていただきたい。読者が毎日検索しそうな項目が1つでも含まれているだろうか? たまにはノスタルジックな気持ちになって過去のコンテンツを引っ張りだしたり、バカンスの計画を立てようとして情報を集めたり、また単に暇つぶしのために検索したりすることはあるだろう。しかしどう考えても近況アップデートや親しい友だちの写真アルバムほどの利用度合いになるとは思えない。

2011年9月にタイムラインが発表された。すばらしい機能には違いない。しかし読者はどのくらいの頻度でタイムラインを使って自分や友だちの過去の投稿を過去に遡って読んでいるだろうか? 全ユーザーの全投稿履歴を表示できるようにするためにFacebookは膨大な資源を振り向けた。しかしそのメリットは? 私が他のユーザーのプロフィール・ページをを訪問するのはほとんどの場合「基本情報」を確認したり最近の投稿や写真を見るためだ。しかしそれならタイムライン導入以前のバージョンでも問題なく表示されていた。それならカバー写真を設定できるようにするだけでアップデートは十分だったかもしれない。

もちろん別の見方もできる。タイムラインとグラフ検索はユーザーの人生の記録をまとめて世界に示すための基礎となる。そこには大きなビジネスチャンスが潜んでいるのかもしれない。グラフ検索連動広告も考えられる。また人々がなにに「いいね!」し、どんな場所を訪問するのかについて高い精度で情報を与えてくれるだろう。グラフ検索は長期的にはFacebookにとってきわめて重要な資産になるかもしれない。繰り返すがグラフ検索はFacebookの保有する膨大なデータを横断的に結びつけるきわめて強力な手段となり得る。

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しかし、そうではあっても、やはりこうした検索が必要になる局面はそう多くない。Facebookはグラフ検索をお披露目するイベントを華々しく実施し、第3の柱だと主張した。しかしむしろ「高度な検索」をリニューアルする形で地味にユーザー体験を改善する道を選んだほうがよかったのではないだろうか。友だちの検索を居住地や名前、趣味などをキーワードにして自由に絞りこめるようにしてもらいたかった。どこかで会ったがファースト・ネームしか覚えていない相手をすぐに探せたら便利だろう。そういう機能こそFacebookのユーザーが現実に必要としている検索だと思う。

一方で、ニュースフィードは…2006年のリリース以来ほとんど変わっていない。写真共有も2010年のリニューアル以後だいたいそのままだ。うまく統合、選択された写真ストリーム(ときおり写真による広告が入る)が提供されれば、平均的ユーザーでさえ毎月何時間かはそれを眺めるだろうと思う。これは膨大な広告収入を得るチャンスだ。今のニュースフィードはまだ文字中心だが、写真ストリームはエンゲージメントを高める上で効果があるだろう。さいわい、Facebookは先月私がレポートしたように、モバイル版のニュースフィードについては根本的にビジュアルなものにアップデートしようと準備を進めている

Facebookはユーザー体験に関して豊富な経験を持っている。写真とニュースフィードがいつでもその中心にあることは十分承知しているだろう。それなのに最近はなぜニッチな部分にオーバーエンジニアリング気味の凝った機能を実装することにばかり熱心なのか? Facebookは10億人のユーザーをないがしろにする方向に脱線してはならないと思う。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

女性の新進ハードウェアスタートアップ: 世界最美味のアイスクリームを作るSmitten Ice Cream

[筆者: Kevin Rose]

ぼくのニュースサイトFoundationが提供しているビデオシリーズの最新版は、Smitten Ice CreamのファウンダRobyn Sue Fisherへのインタビューだ。

Robyn Sueは、スタンフォード大学のデザインスクールの同窓生/卒業生のネットワークを作り、FBIへの就職をやめて起業家になった。そして、2年がかりで作ったのが、家庭用インスタントアイスクリームメーカーKelvinだ。

Robyn Sueは、Smittenというブランドのイメージを作るに際して、Radio Flyerのワゴンが参考になった、と語る:

“今までどこにもなかったような、クレージーなマシンはできたけど、それがやることは、家庭でアイスクリームを作るという、オールドファッションだ。どんなブランドイメージと企業イメージにすべきかしら? オールドファッションで健康的といえば、Radio Flyerのワゴンできまり、じゃないかしら?

バッテリパックの寿命は3時間だ。それをミルク容器の下に入れる。その上にKelvinを乗せる。全部をゴム紐で縛り、10リットルのデュワー瓶に液体窒素を入れる。それらを全部ワゴンに乗せて、町中を引いて歩く。TwitterとFacebookで、宣伝しまくる…”。

[ラジオフライヤーのワゴンを使ったSmittenのロゴ]

Kevin RoseはGoogle Venturesのゼネラルパートナーだ。KevinのFoundationサイトの最近の過去記事は、ここで見られる…インタビューのお相手はJawboneのファウンダHosain Rahman。

〔訳注: 女性ハードウェアスタートアップとしては、Arduinoが有名。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Groupon、2012年Q4の売上は6.38億ドル。予想を下回り株価は20%ダウン

先ほどGrouponが第4四半期および通年の決算を発表した。四半期売上は6.388億ドル、経常損失は1290万ドル、1株当たり損益(EPS)は0.12ドルの損失で、EPSはアナリスト予測に届かなかった。予測は売上6.3841億ドル、EPSが0.03ドルの利益だった。

この数字は、前年同期と比べて売上が30%増、経常損失は微減(1500万ドルから1290万ドル)だった(このQ4のデータは、報告の約1ヵ月後に再度報告される必要がある。これは高額商品を多く売ったことにより通常より顧客からの返品が多く、Grouponの払い戻しが予定を上回ったためだ。

東海岸時間4:30pm現在、Groupon株は時間外取引で22.44%下落して4.64ドル。

決算報告リリースでは総取扱い高が強調され、前年比24%の15.2億ドルだった。

「今四半期の取扱高新記録は、利用者がGrouponを気に入っている明確な証だ」とCEO Andrew Masonがリリースで語った。「われわれは2013年も成長への投資を続ける。顧客の欲しいものを与える新しいチャンスがあるからだ」

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通年でGrouponの売上は23.3億ドル(35%増)、経常利益は9870万ドル(2011年は2.334億ドルの損失)だった。

この四半期は年末商戦のおかげで同社には明るい光も見えた。特にモバイルコマースは、地元店舗に対して日替り特典以上のものを提供する拡大計画の一環として同社が伸ばしたい分野だ。同社の発表によると、ブラックフライデーのモバイル取引は前年比140%増で、通常の金曜日午前の4倍だった。期間中モバイルでは、Groupon全体の40%以上の取引きが行われ、「Groupon Goods」取引の半分以上だった。決算リリースによると、1月中取引の40%近くがモバイルで完了しており、前年比44%増だった。

海外を見ると、Grouponの総取引高8.02億ドル(6.2%増)、売上2.63%ドル(15.9%減)だった。同社の海外ビジネスは、米国外の47ヵ国にわたり中でも英国が最大の市場だが、未だに同社の古いビジネスモデルである日替りクーポンが中心だ。この理由は、Grouponの成長が買収によるものであり、各国が独自のバックエンドシステムを持っているために、米国システムとの統合が困難であることが大きい。約1年遅れではあるが、一部のモバイルコマースサービスとの統合は計画に入っているようなので、BreadcrumbのPOSソリューションなどが海外で見られる日も遠くないだろう。

この収支発表は明日のGroupon取締役会に先立って行われた。

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(翻訳:Nob Takahashi)

個人がiPhone上で安価に尿検査できるアプリUChek

[筆者: Michael Seo]
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iPhoneをトイレで使いたいですか? Myshkin Ingawaleにはそのためのアプリケーションがあります。

IngawaleはBiosenseの協同ファウンダで、このムンバイの会社は安上がりで機能性の優れた医療関連テクノロジを追究している。昨年のプロダクトは、ポータブルで注射針を使わない貧血テスターToucHbだった。そして今日(米国時間2/27)同社は、ロサンゼルスのTEDで、UChekというかわいい名前の、大衆向け尿検査アプリを披露した。

昔の尿検査は、相当面倒だった。コップに尿を取り、そこへ試薬リボンを放り込む。そしてリボンの色を精査して、尿の異常成分(グルコース、ビリルビン、蛋白質などの量)を調べる。たとえばグルコースの量が多いと、糖尿病の疑いがある。

今でも試薬リボンを使って目視で検査することもあるが、尿検査機械の方が正確な結果を出す。ただし機械のお値段は1万ドルもするし、またいろんなタイプの試薬リボンとの互換性が十分でない。

IgnawaleのUChekは、尿に浸した試薬リボンをスマートフォンが写真に撮って、その色をアプリが分析する。そして、正確で分かりやすい結果を出す。

今このアプリはムンバイの病院でテスト中だが、すでにAppleのApp Storeで承認待ちでもある。

アプリは99ドル、そして試薬リボンと、目視比較用のカラーコードマップが20ドルだ。Android版も予定しているが、Ingawaleによると、リリースまでかなり時間がかかりそう、という。

“おしっこと携帯電話は、今や世界中の誰もが持っている”、IngawaleはTEDの聴衆にこう語りかけた。“だから尿検査も、各人が自分のところでできるべきだ、と考えた”。

そう考えたのは、彼が初めてではない。同じくiPhoneアプリのPiddleは、デンマークのプログラマが、昨年5月にストックホルムで行われたHealth Hack Dayで作り、一等賞を取った。今後は、モバイルの尿検査がブームになるのかもしれない。なんだかおかしな現象かも、しれないけど。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))