Yahoo!、17歳の起業家の人工知能ニュース要約アプリのスタートアップ、Summlyを買収―価格は3000万ドルか?

Yahoo!はマリッサ・メイヤーがCEOに就任してから積極的に企業買収に動いている。特にモバイル・アプリの買収に熱心だ。今日(米国時間3/25)、Yahoo!はニュース収集と要約を提供するモバイル・アプリを開発したスタートアップ、Summlyを買収したと発表した。AllThingsDは買収価格は3000万ドル前後と報じている。

このアプリは非常に優れものだ。直感的なジェスチャーでニュースを選び、要約を表示させることができる。驚くのはSummlyのファウンダー、ニック・ダロイシオが現在わずか17歳の高校生だという点だ。しかしこのスタートアップはすでにHorizons Ventures、betaworks、Shakil Khan、Matt Mullenweg、Troy Carter、それになんとオノ・ヨーコから153万ドルの投資を受けていた。Summlyはまた要約すべきニュースの供給に関してNews Corpと契約を結んでいる。

Yahoo!の広報担当者によれば、Summlyチームはこの数週間でYahoo本体に参加し、現在のアプリは閉鎖されるという。ここ数ヶ月愛用していたユーザーにとっては残念なニュースだ。SummlyのサービスはYahooのモバイル・サービストに統合されることになるという。AllThingsDの12月の記事によればYahooのサービスへの統合プロセスはかなり前から開始されていたもようだ。

Yahooのモバイルおよび新規プロダクト担当上級副社長のAdam Cahanによるこの買収に関する公式ブログ記事。一方ダロイシオがSummlyのユーザー向けに発表したコメントはこちら

Yahoo!がこのテクノロジーを入手したことは非常に興味ふかい。Summlyは当初Trimitという名称で、その名のとおり、独自のアルゴリズムによってニュースから重要部分を抽出して表示するアプリだった。今回の買収でYahoo!がこのテクノロジーを他のモバイル・アプリでも利用できるようになったので、ユーザーは同一の時間でさらに多くのコンテンツに目を通すことができるようになる。つまりそれだけ多く広告も表示できるわけだ。

YahooはSummlyの買収の5日前にもソーシャル推薦サービスJybeを買収している。Jybeの買収はYahoo!が機械言語、自然言語解析に強いチームを欲しがっていることを印象付けた。マリッサ・メイヤーは人工知能の利用によってYahoo!のイメージの一新を狙っているのだろう。

今回の買収はStamped、Jybeに次いで3社目の興味あるメイヤーによる買収だ。

昨年11月にTechCrunch TVはニック・ダロイシオにインタビューしている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


NintendoはWii Uのマーケティングでも的を外す(Wii旧型機を敵視!)

たぶん、Wii Uが売れないのはマーケティングがお粗末だからだろう。Spike TVのGTTVのホストGeoff KeighleyがTwitterで言ってるが、Nintendoの今度のキャンペーンではWii Uがいかにすばらしいかを言うために、チラシを使っている。

ただし、ライバル機をやっつけるのではなく、自社の旧型機であるWiiを攻撃している。たしかにWiiは、Wii Uの最大の強敵だろう。でも両者のゲームプレイはかなり違う。Wiiは家族やグループのためのゲーム機で、いわば仲良しするためのマシンだ。対してWii Uは、自分が好きな時間に一人で遊ぶゲーム機だ。家族があなたと一緒に映画を見たいと思っていても、それを拒否してゲームにのめり込むタイプ。

Nintendoのチラシは、いくつかの項目について、Wii Uの強みとWiiの弱みを表形式で対比している。上(および下)の図でお分かりのように、お互いに共通の機能はあるけど、Wii Uのペケ印(✓)の下図に比べてWiiのドット(•)の数は少ない。式で表すと、ドット < ペケ印 だ。

そのチラシを一枚もらってきて、自分の寝室の壁に貼っておいて毎日ながめると、やっぱりUにアップグレードしよう、という気になるかもしれない。その逆かもしれない。あるいは、チラシを机の引き出しにしまったまま、友だちがWii Uのことを話題にするまでは忘れてしまうかもしれない。

でも、率直に言って、昨年のE3で発表されたWii Uのデュアルスクリーンについて知っている人は少ないと思うから、こんな比較表を見てもピンとこない人がほとんどだろう。つまりNintendoのマーケティングは、あまり効果がない。

たとえば、Wii Uのコマーシャルを見てみよう:

まず、このコマーシャルを実際にテレビで見たことがない。そしてこのコマーシャルは、かんじんのゲーム以外の要素が多すぎる(お絵描き、テレビを見る、体重を計る、Webを閲覧する、ビデオチャットをする、など)。ゲーム機を買いたくなる動機とは、無関係でしょ。ゲームで遊ぶことと、NetflixやHulu+1とは、関係ないわね。

でも、Nintendoのマーケティングがひどいのは、今に始まったことではない。Nintendo 3DSのコマーシャルをおぼえてる? Glee and Selena Gomezの女の子が出るの。夕食の食卓で女の子がパイの絵を描くんだけど、どうもNintendoって、お絵描きのシーンが好きね。

でも、Wii UがWiiよりも良いことを忘れた人や、Wii Uの存在そのものを忘れた人は、近くの空港やショッピングモールへ行って、このチラシを一枚もらってくるといいわね。

*本誌のWii Uのリビュー記事はこれ

[出典: Kotaku]

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Googleの壮大なホームオートメーション事業Android@HomeとNexus Qはどうなった?–復活のきざしはあるが

2年前2011年のGoogle I/Oカンファレンスで同社のVic Gundotraがキーノートで発表したAndroid@Homeは、その日の大きなサプライズの一つだった。それは、Googleがホームオートメーション市場に参入することを意味していた。そして同じキーノートで発表されたのが、のちにNexus Qと呼ばれるもののプロトタイプだ。それは“ソーシャルストリーミングメディアプレーヤー”と呼ばれ、翌2012年のI/Oでは来場者全員にプレゼントされた。

そして、ビデオを早回しして今日(米国時間3/24)、今年のI/Oまであと数週間、ホームオートメーションは市場はまだまだ幼児期で、古い勢力に支配されている(Nestのような新興勢力もわずかにあるが)。この2年間、GoogleはAndroid@Homeに関してほとんど無言だった。Nexus Qも、最初のローンチ予定日が“延期”になってから以降、市場にその姿を見ることはない。Googleの製品としては珍しいことに、忘れられた製品としてその運命を待っている。いずれ本当に出番が来るのか、それとも今年の春の大掃除で始末されるのか。

Googleの忘れられた製品は、その多くが遅かれ早かれ消え去る運命にあるが、しかしNexus Qは、多くの悪評を浴びたにもかかわらずGoogle Playのリンクされていないページの上に今でもある。Nexus Qは、初めての、Googleのオリジナルデザインによるハードウェア製品だが、ハードウェアとして優れていても、そのソフトウェアは、まるでわざとそうしたように、貧弱な出来栄えだった。

ハードウェアは今見ても立派だから、今年のI/Oで復帰するのかもしれないが、そのときはAndroidアプリの大半をテレビで使えるなど、メディアプレーヤーとして完成度の高い製品であってほしい。個人的にはそれほど期待しないが、その中身はハイエンドのAndroid携帯だから、このまま葬り去られるとは思えない。以前、ローンチを“延期”して予約申込者全員に当時の現行機を無料で配布したときGoogleは、Qをもっと良くしたいと言った。その成果を見せる絶好のタイミングが、I/O 2013ではないだろうか?

Nexus Qは、Android@Homeによるホームオートメーションという大きなヴィジョンの一員にすぎない。Android@Homeはホームオートメーションに革命をもたらし、Androidを「家のためのオペレーティングシステム」にしてしまう企画だ。最終的にそれは、冷暖房も洗濯乾燥機も目覚ましも照明もエンタテイメントシステムも、家の中のすべてをコントロールできるシステムである。照明に関してはGoogleはパートナーも作った。しかし壮大なヴィジョンにもかかわらず、I/O 2011以来、音沙汰がない。Googleのホームページ上には今でもアクセサリの開発キットがあるが、それは@Homeのためというより、FitbitのようなガジェットにBluetoothで通信する、というもののようだ。

しかし先月、Android@HomeはひそかにAndroid 4.2.2に再登場した。4.2.2の構成ファイルには、メッシュネットワークとAndroid@Homeへの言及がある。5月のI/OではAndroidの次期バージョンが発表されるだろうから、4.2.2ですでに言及されているということは、いよいよ再登場のきざしかもしれない。もしそれがなければ、Nexus QやFeedburnerなどと並んで春の大掃除の対象になるのだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Twitter、4月2日のモバイル開発者向けイベントで「楽しみな新機能」を発表。「報道陣お断り」

Twitterは、4月2日に行うデベロッパー向け発表イベントのオープン招待フォームを、デベロッパー専用ウェブに今日(米国時間3/25)掲載した。Twitterによるとこのイベントはモバイルに焦点を絞ったもので、西海岸時間6:30pmおよび9:30pmから行われる。Twitterは、この機会を利用して同社が取り組んでいる「Twitterプラットフォームのための楽しみな新機能」を発表すると言っている。

Twitterは発表イベントに関するブログ記事で、このイベントでは「どうすればデベロッパーが自社のモバイル体験を最高の形でTwitterと融合できるか」を話し合と言っており、座席に限りがあることも注記されている。参加フォームには、出席予定者の名前と会社名、メールアドレス、Twiter名を書く欄があり、招待者の対象は、開発担当者、プロダクトマネージャー等で、報道関係者は含まれていない。

TwitterはこれまでAPIおよびサードパーティーデベロッパーとの統合方法に関して修正を重ねてきており、バージョン1のAPIは今月初めに利用中止となった。また最近広告APIを公開し、ブランドは提携パートナー経由で広告キャンペーンを実施できるようになった。

2012年9月に公開されたAPIのバージョン1.1では、サードパーティーアプリ用のトークンに制限を加えた他、全般的にTwitterがウェブや専用クライアントで提供しているユーザー体験の「コア部分」を真似たアプリを作りにくい設計になっている。

Twitter開発者の中には、プラットフォームの発表で起きることを心配する向きもあるが(Tweetbotの開発者、Paul Haddadの考えは下のツイートにある)、Twitterがこれをポジティブな方向に見せようとしていることは間違いない。

本誌ではTwitterに追加情報がないか尋ねているが、このイベントは「報道関係者お断り」とあえて書かれていることから、これ以上の情報が得られるのかどうかは不明だ。何かコメントが入り次第この記事をアップデートするつもりだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Amazing Jellybeanは、ボタン1つで正しい順番、正しい間隔で機械をリセットしてくれる魔法の箱(Bluetoothにも対応)

何年か前のこと、しばらく会っていない友人が取り乱して電話をかけてきた。インターネットがダウンして、明日までに終らせなくてはいけない〈大きな〉プロジェクトがあるという。プロバイダーに電話してもだめで、彼いわく「コンピュータを知っている」(*) 唯一の知り合いである私に助けを求めてきた。

「モデムはリセットしたよね?」

「うん、Comcastにそうしろって言われた」

「ルーターもリセットしたよね?」

「ああ、それでもダメだった」

「わかった、今から行くから待ってろ」

彼の家に着くと、ネットワーク関連の機械はリビングルームのテレビの後ろにあった。壁から同軸ケーブルが出てきているのはここだけだそうだ。

私はもう一度モデムをリセットするように言った。友人は手を伸ばしてモデムのプラグを抜いた。ここまではよし。

今度はルーターをリセットするように言った。彼は手を伸ばしてルームメイトのAppleTVの電源を抜いた。

やっちまった。


どこのギークにもこんな経験の1回(や10回)はあるだろう。この “Amazing Jellybean” は進行中のKickstarterプロジェクトで、こういう出来事を減らそうとしている。

Amazing Jellybeanは、一言でいうなら電源スイッチだ。ただし頭がいい。

ご存じの通りモデムとルーターのリセットダンスは、必要以上に込み入っている。両方の電源を抜く。60秒待つ。モデムの電源を入れる。60秒待つ。ルーターの電源を入れる。60秒待つ。これで合計180秒。ニコラス・ケージならその間に車を3回は盗める。

このAmazing Jellybean(いい加減タイプするのがバカバカしくなる名前だ)は、ボタン1つでまとめて面倒を見てくれる。ボタンを押したら、放っておくだけ。あとはこいつがモテムとルーターを両方切った後、正しい順番に正しい間隔をおいて電源を再投入してくれる。

これだけでも、そう、例えば君のママにとってはちょっとしたキラープロダクトだ。おじさんにも。あるいは、妙にベトベトしたDellでブラウズした〈完全に〉まともなサイトからどうしてスパイウェアが侵入したのか〈見当がつかない〉と言っていたあの友達にも。
もちろん〈きみ〉にはこれは必要ない、よね? テクノロジーの神であるきみには。モデムをリブートしてくれるヘンテコな箱なんか欲しくないだろう。そうだ言い忘れていたけど、これにはBlootoothもついているので、通信が途絶えた時に椅子から降りてホコリと戦う必要もない。そう、そこに私もやられた。

これは大きな問題に対する完治法ではなくバンドエイドなのではないかって? その通り、しかし、これは消費者規格のネットワーク機器に〈何十年〉来潜んでいる問題だ。おそらく当分なくならないだろう。

なぜこれがジェリービーンの形をしているか? 私には皆目見当かつかない。

Kickstarterページはこちら

[* プロのためのヒント:会話が「パソコン詳しいよね?」で始まった時、〈唯一〉の正しい対応は、真顔でこう答えること「パソコンって?」]

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(翻訳:Nob Takahashi)


スマートフォンでプレゼンを操作するPresefy。インストールは一切不要

パワーポイントのプレゼン。人類の歴史上「パワーポイントでプレゼンするのが大好き」と皮肉でなく言った人は誰一人いない。私が調べたのだから間違いない。

フィンランド出身の4人組、Presefyは、ウェブのパワーを駆使して古典的問題をいくつか解決することによって、プレゼンテーションの苦痛を激減させようとしている。

最悪でないプレゼンの高度な技術を学習したことのある人なら誰でも、プレゼンで人を引きつける第一歩はパソコンから離れることだと知っているだろう。発表する相手は聴衆であってノートパソコンではない。だからリモコンを使う。

そして、もちろんリモコンを使うということは、苦脳の世界に踏み入ることを意味している。土壇場で誰かのパソコンを使うことになったって? 対応するUSBドライバーをインストールしてそいつが爆発しないことを祈ろう。バッテリーが残り少ないって? 3枚目のスライドより先に行くたくなければかったのにね。

Presefyは、単機能のリモコンを捨てて、代わりにスライド操作をスマートフォンに任せる。しかも嬉しいことに、すべてをブラウザーで操作するため、特殊なドライバーやアプリは必要ない。

しくみはこうだ:

  • Presefyのアカウントを作り、パソコンからプレゼンをアップロードする。
  • スマートフォンのブラウザーからPresefyにログインし、発表するプレゼンの横にある「再生」ボタンをタップする。
  • プロジェクターに繋いだパソコンのブラウザーで、自分のチャンネルの専用URL(http://www.presefy.com/gregkumparak 等)をアクセスすればすぐにプレゼンが映し出される。
  • スマートフォンのウェブ画面でスライドをスワイプすれば、映っているスライドも合わせて移動する。

さらにもう一つおまけがある。そもそもプレゼンはウェブ上にあるので、何人でも同時に自分のノートパソコン上でプレゼンを見ることができる。これでもう箇条書きが全部8ポイントの丸文字で書かれたプレゼンを読むのにもストレスを感じなくてすむ。授業の後ろの席でも双眼鏡を使う必要がない。

現在Presefyは無料で使えるが、将来はパスワード付プレゼン、プレゼンのダウンロード、メイン画面を変えずに視聴者がページを移動する機能などを加えたProバージョンを作る計画だ。現在Presefyで扱えるのはPowerpointとPDFだけだが(Keynoteのユーザーは別の形式にエクスポートが必要)、他の形式も準備中だとチームは言っていた。

一つの問題は。すべてがブラウザー経由で行われるので、確実なネット環境を確保しておく必要があることだ。大学の教室や、お気に入りのVCのオフィスなら問題ない。5000人が同時に接続するようなテク系カンファレンスでは、最良の方法ではないかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi)


ウェストバージニア州議、運転中のGoogle Glass着用禁止法案を提出

私には何の問題も見出せない。

要するにウェストバージニア州議会、は州内で運転する際にはヘッドマウントディスプレイを着用して欲しくない。携帯電話などの現在すでに禁止されている他の通信デバイスと扱いは同じだ。同法案は、一見滑稽にも思えるが、論理的かつ賢明だ。パブでGoogle Glassの使用を禁止するするよりはるかに理にかなっている。

法制化が持ち上がったのはCNETが早い時期にGoogle Glassを紹介した記事がきっかけだった。CNETのChris Matyszczykが、同法を起案したGary G. Howell州議会議員(共和党)に取材したところ、幸い同議員は無知なテクノロジー嫌いではなかった。実に合理的な人物だ。

実は私はこのプロダクトのアイディアを気に入っていて、これこそが未来だと思っているの。しかし、われわれが長年努力してきたメール運転禁止禁止法が適用される。問題なのは技術に強い新し物好きの若者だが、彼らは最も脆弱で未熟なドライバーでもある。運転中のメールが多くの事故を起こしていると聞いており、その殆どが若者によるものだ。Google Glassはその延長にあると考えている。

運転中のメールは危険であり、Google Glassは、多少マシだとしても気をそらすことは間違いない。車内はすでにガジェットや画面で溢れている。車自体のヘッドアップディスプレイから、無数のダイアル、さらに悪いことには、のろくて反応の悪い情報娯楽システムまで、新型車が出るたびに車の支配を奪っていく。

運転している時は、それがなすべき仕事だ。Facebookは待っていてくれる。

提出された法案では、ヘッドマウントディスプレイを携帯電話を含む既に運転中の使用が禁止されている他の電子機器と同列とみなしている。初犯には100ドルの罰金が課される。2回目および3回目以降はそれぞれ200ドルと300ドルだ。

Howellは同法案が通過するかどうかは不明としているが、他の議員も同じような提案をすることを確信している。

だが心配ご無用。Googleはこうなることを予期していたようで、もう答を出していた

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(翻訳:Nob Takahashi)


グラフ検索と新しいフィードがもっと使われるためにFacebookがすべきこと

少なくともFacebookは何も壊していない。しかし最近追加された新しいフィードと検索ボックスは、まだ私の生活を劇的に改善してくれていない。ホームページのデザインは美しくなったが、写真と音楽のフィードがあることをしょっちゅう忘れてしまうのはサイドバーに埋もれているからだろ。そして、グラフ検索は使った時には感激するが使うことがめったにない。しかし、ちょっとしたデザインの工夫によって、Facebookはこの努力の結晶の秘めたる力をもっと発揮させることができる。

世界人口の1/4の生活に深く染みついたサービスに手を加えるともなると、大ポカをやらないだけでも一種の偉業といえる。Facebookには、新機能をもっと高圧的にに導入するやり方がいくらでもあった。しかしそうはしていない、少なくとも私の目にはそう写る。両機能ともまだごくわずかなユーザーにしか提供されていないので、もしパニックや暴動が起きるとしてもまだ地平線のかなただ。新機能が導入されたトップページの外観はこんな感じだ。ちなみに、わずかな新機能利用者の間でも、異なるデザインが数多くテストされている。

フィードのデザイン変更もグラフ検索も、あなたのソーシャルネットワークを変えてくれる強壮剤ではない。どちらかといえと1足のランニングシューズに似ている。使う人の能力を高めてくれるが、そのためには慣れが必要で、履くのを忘れると効果が出ない。

つまりこれは、クローゼットの中で忘れられているスニーカーと同じように、その真価は多くの人に見過ごされているという意味だ。すぐ飽きられてしまう面白グッズのように。しかしこれではFacebookがおびただしい時間とカネを注ぎ込み、サービスを劇的に改善するはずのプロダクトにとってあまりにも残念だ。果たしてMark Zuckerbergたちは、目立ちすぎることなく目的を達成できるようなデザインバランスを見つけることができるのだろうか。

すでに先週グラフ検索には地味だが重要な変更が加えられている。ナビゲーションバーの中にポツンと置かれたグラフ検索ボタンが、一部のユーザーではネイビーブルーのリンク付きボックスになって、それがクリックすべきものであることが明解になっている。

しかし、グラフ検索を使う上で最大のハードルは、「友達の友達が行ったことのあるサンフランシスコのカフェ」といったクエリの書き方にユーザーが不慣れなことだ。Facebookはブログで検索のサンプルを見せたり、サイドバーでBrowseをクリックすると自動的にランダムな結果が表示されることをわれわれに教えようとした。

ユーザーにグラフ検索の真の魅力を知らしめ、 自主的に貢献するよう仕向けるためには、もう少し押しを強くする必要があるかもしれない。一つの方法は、検索ボックスのプロンプト文字列を「人や場所や物を検索」などという一般的なものでなく、最高の検索サンプルにすることだ。ワンクリックでFacebookのユニコーン検索エンジンのユニークな力を見せつけたり、プロンプト文字列でユーザーの想像力を喚起できるかもしれない。

もう一つの方法はグラフ検索にGUIを付けることだ。チェックボックスに印を付けるたけで検索クエリが生成される、以前のFacebookの詳細検索ページに似たものになるかもしれない。「場所」、「カフェ」、「行ったことがある」などを選んでいくとクエリが作られる。この方が簡単だとい人もいいだろうし、自然言語風検索のやり方にも慣れることができる。グラフ検索のドロップダウンの中だけで実現可能だ。、

フィードはどうだろうか。Facebookのオースチン支社のパーティーでFacebookのリードデザイナーと話した時、最大の問題は この強力なコンテンツ別フィードの存在を、ホームページを邪魔することも、ユーザーを圧倒することもなくいかに知らしめるかだと彼は話していた。こと

モバイルではさほど大きな問題ではない。Facebookはニュースフィードのトップにフィードのセレクターを置く予定だと正式に認めている。しかし、現在ウェブでは、サイドバーに押し込まれて畳まれた状態のセレクターはあまりにも見過ごしやすい。クリックするまではフィードがもう1つだけあるようにしか見えない。ページをスクロールしていくと、そのセレクターが最小化されて現在見ているフィードだけになってしまう。

貪るようにFacebookを使い、新しいフィード機能も知りすぎるほど知っている私でさえ、まだ何回かしか新機能を使っていない。目障りにならないのは良いが、今のデザインのままでは、滞留時間もエンゲージメントも向上が期待できない。私のつたない改造案はともかく、きっとFacebookなら、私が新しいコンテンツストリームをもっと触りたくなるようなインターフェースを実現してくれることだろう。

フィードの追加によってFacebookの情報価値は向上し、グラフ検索は膨大なデータセットに新たな使い道をもたらしてくれるだろう。あとはFacebookがデザインにもう一工夫を加えて、新機能をわれわれの大脳皮質に刻み込ませるだけだ。殆どの人は無意識のうちにいいね!をつけたり写真をスクロールしている。今度の新機能も反射的に使うようになるか今後に注目したい。

[画像提供:Mark Tedin / Magic The Gathering

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(翻訳:Nob Takahashi)


なるほど! Vineはこんな風に使えば面白い

俳優業を営むWill SassoのVineビデオはご覧になっただろうか。Vineをこれほどうまく使いこなす人物は他にいない。きっと御同意頂けるのではないかと思う。彼が投稿した短いビデオシリーズを見るだけで、ずっと笑い転げるハッピーな一日を送ることができるのは間違いない。

SassoはMADtvにも定期的に出演していた。その彼がデニーロの中華料理オーダーシーンなどを面白おかしく再現してVineに投稿しているのだ。

どれを見ても面白いのだが、最高の作品は「レモンシリーズ」だと思うのだが如何だろうか。


間違いなく、Sassoの動画はVinesに投稿されたものの中でもベストと言えるものだろう。また、Sasso並の才能をもつ人が投稿すれば、Vineが面白くてたまらないサービスになり得ることを証明しているとも言うことができる。Sassoの存在を知らなかった人は、ぜひともぼくに感謝してもらいたいものだ(笑)。

via Gawker via Reddit

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(翻訳:Maeda, H)


撮った写真を未来の自分に送るThrowback(最低でも1ヵ月しないとどんな写真かわからない!)

写真共有アプリケーションは既に膨大な量が公開されている。この度その一員としてデビューしたのはThrowbackというアプリケーションだ。これは写真と「ノスタルジー」をミックスするために作られたものだ。

Throwbackで撮った写真は、将来の自分ないし友だちに送られるようになっている。撮影した写真は、なんと最速で1ヵ月後まで自分で見ることすらできないのだ。サービスから写真が送られてくる際はメールの添付ファイルとして送られてくるので、カメラロールなど、好きな場所に写真を保存することができる。

こうしたサービスを思いついたのはファウンダーのCalli Higginsだ。写真とノスタルジーの出会う場所に存在するサービスを意識したのだとのこと。

「心に訴えかける写真とそうでないものの差を考えてみたのです。たとえば、久しぶりに目にするものはノスタルジーの感情を呼び起こします」とHigginsは言う。「現在はすべてにおいて露出過多となっていて、ノスタルジーを感じることなどなくなってしまっています。ThrowBackはそうした現状を変えるアプリケーションなのです」ということなのだそうだ。

使い方は非常に簡単だ。メールアドレスを投稿して、写真を撮影するか、あるいはこれまでに撮った写真を指定する。写真の指定が終われば、次には送られてくる日付を指定する。これは特定の時間幅(6ヵ月から5年)の間で指定したり、あるいは「Surprise」でランダムに送らせることもできる。特定の日付の指定もできるが、最短でも1ヵ月後でなければ指定できないようになっている。

また、写真を自分だけに送るのか、あるいは他の人にも同時に送るのかを指定することができる。

但し、本アプリケーションでは既存のソーシャルネットワークとの連携は行えない。これを不備と感じる人もいるだろうが、実は狙いがあってのことと見ることもできる。すなわち現在はあまりに膨大な数の写真がネットワーク上に出回っている。このせいでせっかくの面白い写真も注目されることなく流されてしまう傾向にある。そうした状況から抜け出すためのアプリケーションであってみれば、ソーシャルとの連携はしないという選択肢もありだろう。

但し、今後の機能追加は考えているようだ。たとえば数ヶ月後になってから思い出写真のツイートを流すだとか、Facebookへの投稿は行えるようにするなどという機能追加はあるかもしれない。しかしまだ詳細は教えてもらえなかった。

Facebookの登場が、あらゆるジャンルのソーシャルネットワークの登場を促した(仕事向けにはLinkedIn、親しい間で利用するにはPath、短いメッセージを即時に流すならTwitterといった具合)ように、Instagramの流行がさまざまな種類の写真・動画共有サービスを生み出しているとも言えるだろう。

たとえばすぐに消えてしまうメッセージを送るSnapchatでは、自分撮り写真を流すという動きが加速して、これはFacebookのPokeを生み出すことにも繋がった。

TwitterもVineの提供を開始した。そしてVineはViddy、SocialCam、あるいはCinemagraph、あるいはHTCのZoeやSamsungのシネマモードのように、携帯メーカー版の動画・写真共有アプリケーションなどをも生み出すきっかけとなった。

また位置情報とリアルタイム共有を目指すAlbumatic、PhotoSocial、そしてサービスを停止してしまったColorというものもあった。

こうしてみると、凡百のInstagramクローンから抜けだして話題を集めるには、何かしらユニークな機能を持っていることがまず大切であることがわかる。そうした点で見るとThrowbackはまず可能性を持っていると言えるかもしれない。

ThrowbackのiPhone用アプリケーションはこちらから入手できる。

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(翻訳:Maeda, H)


Apple、有料アップグレード付無料アプリに「アプリ内購入あり」の注記を追加。誤購入防止へ

Appleは、アプリ内購入をのある無料アプリの表示方法にひと工夫した。Guardianが伝えた。新しい注記はデスクトップ版iTunesの、価格バーの下およびアプリ一覧のアプリアイコンの下に表示されるが、モバイル版App StoreあるいはウェブベースのiTunesアプリストアには表示されない。この変更は、App Storeででの誤購入事故に関して目立った苦情が相次いでいることを受けたものだ。

15分間にアプリ内購入2500ドル。これは最近英国で5歳の男児が1人でアプリ内購入に使った金額だ。事故の後本誌のSarah Perezは、この種の事故が起きないようにAppleは「子供モード」を設けるべきだと主張した。子供モードには程遠いものの、一見無料に見えるiPhone、iPadの子供向けアプリをダウンロードすると、正確に何が起きるのかを親が認識するための道具にはなるだろう。

実は、App Storeの売上の膨大な部分がアプリ内購入から生まれている。App StoreのトップセールスAppのランキングで、アプリ自体が有料な製品を見つけるためには、はるか下までスクロールしなければならない。トップ100の中のうち「有料アプリ」は20%以下だ。フリーミアムはApp Storeでもビッグビジネスであり、IHSによると今年1月にアプリに費された金額の39%がアプリ内購入によるものだ。そうしたタイトルの多くは特に子供向けに作られているため、上のような事故を起こしやすい。

デベロッパーにとってアプリ内購入に制約や摩擦を加えることは、当然望ましい展開ではなく、即ちAppleにとっても決して喜ぶことではない。アプリ内購入の存在をアプリのタイトルに明記することは、潜在的収入源に何らかの制限を加えることと、誤った出費の可能性の認知を高めることの間を取った妥協点なのだろう。小さなことだが有意義であり、モバイルやウェブ版アプリページにも導入されることを願いたい。その予定があるかどうかAppleに問い合せ中なので、返答があり次第アップデートするつもりだ。

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(翻訳:Nob Takahashi)


Lineがフランス語とブラジルポルトガル語に対応, 合衆国と南米で市場拡大をねらう

Lineはソーシャルネットワーク的メッセージングアプリとしてアジアで生まれたが、今ではグローバルに1億以上のユーザを抱える。今日Lineは、さらにそのグローバル化を拡大するためにiOS/Androidアプリのフランス語版とブラジルポルトガル語版をリリースした。スペイン語版は、すでにある。

今月の初めに同社は、合衆国とともに南米市場を重視する、と本誌に語った。

ソフトウェア企業でもありゲーム企業でもあるNHN Japan Corporationが作ったLineは、無料のメッセージングとコミュニケーションサービスでユーザを獲得し、ステッカーなどのコンテンツで収益化を図っている。

Lineは、最初の市場である日本では大人気で、ユーザ数は5000万近い。しかし昨年後半にはアプリのスペイン語バージョンをローンチして、スペインでマーケティングキャンペーンを展開している。スペインは、アジアに次ぐ第二の市場だが、そこでの成功によりラテンアメリカ進出の好機と確信した。Lineの合衆国におけるCEO Jeanie Hanが、今月初めにそのように語った

彼女がLineはラテンの文化にアピールすると考えるのは、その“楽しさ”とメッセージングにおけるヴィジュアル重視、そしてステッカーなどの要素からだ。南米だけでなく合衆国のヒスパニックの大きな人口も、Lineのファンになる、とHanは期待している。

Lineのスペイン語バージョンはAndroid向けが2012年11月、iPhone向けが同年12月のローンチした。スペインにおけるユーザ数は、公表されていない。

南米でLineは、Whatsapp、Facebook Messenger、Voxerなどと競合することになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Twitterの本社を訪れた人たちの写真を@Twisitorがツイートする

今や、あらゆるものにTwitterのアカウントがある。自分のペットにアカウントを持たせた人をぼくは知っているし、トースターベッドなどなどにもアカウントがある。Twitter自身にも、@Twisitorという楽しいアカウントがある。それは、Twitterが年4回行うハックウィークのプロジェクトだった。

サンフランシスコの新社屋のロビーにはカメラがあって、その前に人が立つと、誰であれその人の写真を撮る。撮ったらどうするか? そう、お察しの通り、それをTwisitorのアカウントからツイートする。それはTwitterの企業文化の偉大なる表現だ。同社では社員たちが、自分の作ったものをまず自分で試す。英語ではeat own dogfood、自分が作ったドッグフードを自分で試食する、と言う。カメラは鳥小屋のようなものの中にあるから、バードフードだけど。最初のツイートが1月11日だったから、まだ新しい。

テク系のスタートアップのオフィスへ行くと、必ず何か独特のものがある。Facebookには、チームの誰かが会社について語っているビデオがある。Googleのロビーには快適なカウチがあって、無料のWiFiを使える。そしてTwitterは、Twisitorでおもてなしする。

以下はTwistorから送られたツイートの例だ:

Twisitorにはフォロワーもいる。そのTwisitorCameo氏は、写真の背後にいる無名の人たち全員を見せる。つまりTwistorを苦労して作った社員たちを見せるのだから、やはりTwitter的な企業文化だ。

このプロジェクトの作者Mo Kudekiは、Twitterの国際部のエンジニアだ。ほかに、@nick@wyz@marcelduranら数人が協力している。ハックウィークのおもしろいところは、チームのメンバが全社から集められることだ。おっと、Twitterのことばかり夢中になって書いてきたけど、下の彼女のツイートは、問題のカメラがロビーのどこにあるかを示している。この鳥小屋の前に人が立つと、写真が撮られ、ツイートされてしまうのだ。

Twitterの本社内のアカウントは、ほかにもある。TwofficeLawrence T. Birdをフォローしてみよう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Adafruit Industriesの本社工場でLimor FriedとAdabotに会う

本誌がMakersシリーズを始めて以来ずっと、Adafruit Industriesをぜひ取材したいと思っていた。Limor Friedが経営しているニューヨークマンハッタンのすばらしいエレクトロニクスショップ(shop, 工房)だ。彼女は自分の会社をMITの学生寮で興し、クールな電子工作キットを友人たちに売っていた。そして徐々に、Arduino基板用のいろんなアドオンなど、ホビイストのための多様な製品を作るようになった。今では電子工作のハウツー本や、ケース類も作っている。今、製品の点数(品目数)は1302で、毎日約600の注文がある。

年商は1500万ドル。VCからの支援はいっさいない。Fried(愛称Ladyada)の一人舞台だ。

本誌はマンハッタンのソーホー地区にある彼女の新しい社屋…倉庫兼デザインセンター兼工場を訪れた。ここで彼女とそのチームが、見事なガジェットを作っているのだ。同社はまた、Circuit Playgroundという楽しいiPhone/iPadアプリで*、子どもたちにSTEM(science, technology, engineering, mathematics)のおもしろさを伝えようとしている。〔*: Android用も制作中。Android上の類似アプリ。〕

今回の訪問では、同社のミニ組み立てラインや、自家製のCRMシステムなどを見学した。そしてもっとも重要な、同社のマスコットAdabotにも会えた。

ビデオシリーズTechCrunch Makersには、クールな「物」を作っている人たちが出演している。ぜひ自分も出たい、という方はメールをください!

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Tシャツのデザイン投稿サイトTeePublic, 30名が買うと言ったらプリントされる

どうやらJosh Abramsonは、TシャツのWebサイトで成功しただけでは不満らしい。

この前、ジョーク専門のTシャツ販売サイトBustedTeesを立ち上げたAbramsonは先週、TシャツのKickstarterともいうべきTeePublicをローンチした。そこを訪れたユーザは、自分の気に入ったTシャツのデザインがあったらそれを買うと約束する。そんな‘出資者’が30名以上に達したらTeePublicがそれを実際にプリントして今後も売り続ける。一人の出資額は20ドルで、そのうち5ドルがデザイナーへ行く。

こんなサイトは前からある。いちばん有名なThreadlessでは、ユーザが自分のデザインを投稿し、ビジターが投票をする。ただし、実際にプリントされるデザインはスタッフが選ぶ。だからAbramson曰く、人気を集めたのにTシャツとして製造されなかったデザインがとても多くなる(Y Combinator出身のTeespringもこれと同じことをしようとしている)。たとえば、彼が指摘するこのデザインは、制作したアーチストによるとThreadlessで大きな反響を喚(よ)んだのに、なぜかプリントされなかった。

Abramsonは彼の会社Connected Ventures(CollegeHumor, Vimeo, BustedTeesなどのオーナー)をIACに売り、2011年にBustedTeesだけを買い戻した。彼によると、TeePublicは最初、そのサイトの一部にするつもりだったが、BustedTeesはジョークTシャツ専門なので、投稿されるデザインがそれ的なものに偏重する心配があった。独立の新規サイトとして立ち上げたTeePublicは、おかしいデザインも投稿されるけどそんなに多くはない。ただし、BustedTeesでTeePublicの宣伝はしている。

立ち上げ後の最初の週で、AbramsonによればTeePublicは5万名のビジターを集め、今では2000名の登録ユーザがいる。ユーザが行った出資/購入はこれまで千件だ。投稿されたデザインは480あまりで、内22に十分な出資が集まった。デザイナーが自分のシャツを宣伝することが重要なので、Abramsonによれば60%のデザイナーがTwitterやFacebookなどで自分の作品を共有している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


GoogleのSergey BrinがTEDのカンファレンスでスマートフォンは人を骨抜きにしていると語る

Googleの協同ファウンダSergey Brinが2月のTED ConferenceのステージでGoogle Glassについて語り、その中で今や悪名高い“スマートフォンは人間を無力にしつつある”という説を述べている*。その完全なビデオを本誌はこのほど入手したので、ここにご紹介しよう(Business Insiderより)。そのかんじんの箇所は4:26あたりだが、ほかにもGlassとその起源に関するBrinの考えを聞くことができる。〔*: スマートフォンが毎日、人間の注意や時間を奪いすぎている、ということ。〕

Google Glassのプロモーションビデオの部分を除くとおよそ10分の短いスピーチだが、けっこうおもしろい。たとえば彼は、Google Glassがあればスカイダイビングのときの装備が簡単になる、と言っている。またeBayのオークションににせもののGlassが登場した件について聞かれた彼は、話題を変えてSocially Awkward Penguinの話をした。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


気圧変化を読み取り天気予測にも使える15万ドルの機械式腕時計(405個の手造りパーツ)

気温や気圧、方位を測ることのできる電子センサーを内蔵した腕時計というのも、昨今ではかなり安価に手に入れることができる。カシオのちょっと格好良いものでも200ドルも出せば購入することができる。しかし、たとえばあなたがテック業界でIPOを成し遂げてかなりの資産を手にし、またフィリアス・フォッグのような気分を味わいたいと考えているのなら、15万ドルのBreva Génie 01を手に入れるべきだ。機械式腕時計でありながら登載したムーブメントの働きで、標高、温度を計測し、そして天気予報を行うことができるのだ。

なぜ機械式時計でそんな仕組みを実現しなくてはならないのだと思う人もいるだろう。その質問は野暮というものだ。作れるから作ったのであり、そしてそれを買う人もいるのだ。

Génie 01の外見は、ひとつで大衆車なら2台以上も買えるような、いかにも高級腕時計らしいものとなっている。ホワイトないしローズゴールドのケースに身を包み、気圧に反応するガス充填式のチェンバーを搭載している。これにより雨を予測することもできるわけだ。またメインスプリングの状態を示すパワーインジケーターも備えている。もちろん、腕時計であるので時分秒を読み取ることも出来る。

かくも高額なのはなぜかと腹立たしく思う人もいるかもしれない。しかし405個の部品がいずれもハンドメイドで、ひとつひとつがアートのようなものであると知れば納得できるのではなかろうか。限定生産であり、入手できる人も非常に限られている。カシオのように「落としても平気」というわけにはいかないが、周囲の男性や美しい女性たちが、下にも置かない扱いをしてくれるようになるのは間違いなかろう。

詳細についてはこちらのサイトをご覧頂きたい。生産台数は110台。馴染みの時計屋で触ってみるのも良いだろう(おそらくは入荷していないかとは思う)。

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(翻訳:Maeda, H)


東京の旅行サイトVoyaginはアジア各国の‘常軌を逸した旅’をご提供する

海外旅行をする人たちの多くは、言葉の問題さえなければもっと意外性のある旅をしたいなぁ、なんて思う。しかし、旅先でのちょっと変わった行動メニューを取りそろえている旅行サイトVoyaginは、アジアの5つの国、日本、インド、インドネシア、タイ、ベトナムを、もっと親密感を伴って見てもらおうという企画を温めている。東京で去年の12月に立ち上がったばかりのスタートアップだが、今年はこの企画の対象になる国をもっと増やすつもりでいる。

以前はFindJPNという名前だった同社は、これまで45万ドルの資金を調達している。日本のインキュベータOpen Network Labで育ち、Digital Garageなどからシード資金を獲得した。

このWebサイトは、25歳から50歳までの旅行者で、バックパッカー派あるいはぜいたく旅行派を対象とし、中でもとくに、パッケージツアーはつまらない、という人たちをねらっている。

“そういう方たちは、食べ物と文化と、ふつうの観光旅行とは違うメニューを求めておられます”、同社のマーケティングとコミュニティ担当Tushar Khandelwalはそう言う。

各日の行動メニューのことを同社は‘体験’と呼んでいるが、それらはツアーガイドではなく地元の住民たちが仕切る。たとえば東京では、派手なコスプレ衣裳の女性に耳掃除をしてもらう、という不可思議な体験をする。チェンマイでは銀細工によるアクセサリの作り方という美術工芸技術を学ぶ。その国の庶民の生活を体験する企画としては、日本の都市の横町ナイトライフとか、ムンバイで洗濯男と弁当運び屋男に会うといった企画がある(弁当運び屋)。

地元住民が自分の企画をVoyaginに持ち込むこともできる。登録は無料で、Voyaginが自慢して語るところによると、これらのホストたちの90%には実際に面接をしている。今およそ400の企画が載っており、利用客が現れたら同社が15%のマージンと3ドルのサービス料を取る。

それぞれの体験企画の詳細が、英語で提供されている(所要時間と料金も)。 Khandelwalによると、同社の目標は、こういう風変わりな提供メニューをもっともっと増やすことだ。現在の月間ユニークビジター数は約8000で、一日に数件の予約がある。今月は客数が倍増したそうだ。好調である。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


KDDIのインキュベーション、∞Labo 第4期生採択チーム発表 – 新たにHTML5枠も追加

kddi ∞ Labo 4th

本日、KDDIが運営するインキュベーション、∞Laboの第4期プログラムに参加する7チームが発表された。今回から新たにHTML5枠が設けられた。さらに、KDDIの社内から2チームも参加することが発表された。

KDDI∞Laboについては本誌で何度か取り上げているが、内容としては社内・社外アドバイザーによるメンタリングやオフィス・開発環境などが3カ月間提供されるプログラムだ。

それでは第4期参加チームをご紹介しよう。

Class

平均年齢22歳の学生中心のWe-bが開発するのは青春時代をもう一度迎えるためのSNSだ。学校のような体験をもう一度することで新しい友達を作ることを目指している。サービスに生年月日を登録すると、同い年の男女10人でクラスが作成される。このクラスは同世代からランダムに選ばれるので、学校に通っていた時と同じように新しい出会いがある。

このクラスは1カ月限定で、その間にコミュニケーションを取り、友達を増やそうというものだ。サービス内では1日に1つお題が出され(中学の時に流行ったものは?など)、それについて会話を発展させていく。

社会人になると、同業者の仕事の繋がりでしか出会いの場がない人は多く友達を作る機会が減る。これを学校の体験を再度提供することで解決しようとしている。

事前登録者は3日間で2000人を越えたというので、ニーズはそれなりにあるのかもしれない。

KawaiiMuseumJPN

日本から世界に通用するキャラクターを増やすというビジョンの基、Facebookページでかわいいキャラクターの写真を投稿しているのがKawaiiMuseumJPNだ。Tokyo Otaku Modeをイメージしてもうとわかりやすい。すでにFacebookページには361万の「いいね!」がついており8カ月でこの数字を達成した(Tokyo Otaku Modeは現在1,103万いいね!)。

今後はFacebookページの運用だけではなく、キャラクターコンテンツを流通させるためのプラットフォームを開発し、ECサイトから収益を上げる予定だという。

また、ECサイトの他にキャラクターグッズを扱っている実店舗への集客を支援するサービスの開発も考えているそうだ。

Canvas Creator

今期から新設されたHTML5枠での採択となったCanvas CreatorはHTML5のWebアプリをGUIでデザインするためのツールだ。コードを書くことなくWebアプリをデザインでき、パワーポイントのように簡単にオブジェクトを配置できる点がウリのサービスだ。

HTML5を利用したWebアプリはまだ少ない。その原因はネイティブアプリよりもデザインの開発が難しいことにあるという。Webアプリは主にHTML、CSS、JavaScriptを用いるがCSSは元々PCで表示することを前提として作られたため、モバイルのデザインには適していない点が多いと代表取締役の宮崎航氏はいう。

GUIでWebアプリをデザインするツールといえば、AdobeのMuseなどが有名だが、これもCSSでレイアウトを作成するためスマホ向けには向いていないそうだ。

デモはまだ見ていないが、Webアプリに関しては賛否両論なだけにクオリティーの高い完成品に期待したい。

mygrow.jp

mygrowは教育向けのサービスで、生徒の成長を記録・共有するためのものだ。このサービスを運営するのはLife is Tech!というスタートアップで2年半前から教育に関する事業を展開してきた。主に中高生向けのIT教育のキャンプを開催し、パソコンやものづくりに興味を持つ学生達を支援してきたという。

キャンプの開催回数が増えてくると、最初は30人だったものも前回は300人規模になり、個人個人に適した教育が難しくなってしまった。この問題を解決するために生徒の成果を記録として残し、可視化することで特徴や能力を把握しようという。

TRAPRO

学生枠で採択されたのが社会問題を解決するためのプラットフォーム、TRAPROだ。少子化や地球温暖化など社会問題は日に日に増えていくが、これらが解決されることは少ない。だが、なぜ社会問題は解決しないのだろうか。それは問題が自分に関係しない、身近に感じられない、問題に対して何ができるかわからないことが原因ではないかと代表の安倍敏樹氏はいう。

社会問題には、感心が持てないこと、社会問題の情報が一括化されていないこと、現地に行くすべがないこと、この3つの障壁があるという。TRAPROでは、ユーザーが気になる社会問題をサービス上に投稿し、賛同する支持者を募る。支持者が集ったら、問題に関連するNPOに持ちかけたり実際の活動を行う。

社会問題を解決するためのプラットフォームが存在することで、これまで何もアクションを起こせないでいた人達が出会い、問題の解決に繋がる行動への導線を構築する。

すでに原発の現状を見に行く活動では30人が集まり、1人5万円を払い福島に150万円の貢献をしたそうだ。

以上が外部から参加した第4期採択チームだ。

この他に1週間の献立を1秒で作ってくれる「1Week Recipe Matching」、カップルのデートをより充実させるためのイチャイチャサービス「いちゃつい」の2チームがKDDI社内から参加している。

今回採択された少人数制SNSのClass、教育サービスであり行動を記録するmygrow.jpは第3期採択チームと比較するとクローズドSNSのClose、SNSのログをまとめるLogTown、学習支援プラットフォームのmana.boとシナジーがあるように思える。

KDDI∞Laboから明示的にサービス内容についての基準は発表されていないが、少人数制SNS、ログを残すサービス、教育系に関してはやや力を入れているのかもしれない。


“テレビの完全インターネット化”, 古い規制に縛られる日米に先がけスウェーデンのMagineが実現

Hulu PlusやNetflix、Amazon Primeなどは、ケーブルテレビに毎月お金を払ってテレビを見るのをやめたい、と思っている人たちのための、強力な代替手段だ*。でも、有線のケーブルではなくインターネットを使うケーブル(ではない)テレビはどうだろう? セットトップボックスは使わないし、DVR的な‘あとで見る’機能や検索機能もある。そして家庭にあるふつうのスマートTVで通常のテレビ番組も見られる(あるいはあなたのiOSデバイスからApple TVに番組をAirPlayでストリーミングできる)としたら? スウェーデンの Magineが月曜日(米国時間3/25)からやろうとしているのが、それだ。 〔*: アメリカのテレビの見方の主流はケーブルテレビ経由。〕

月曜日に始まるMagineの“ファーストエディション”は、毎月約10ユーロを払うと30のチャンネルを見られる(最初の30日は無料試用期間)。その30のチャンネルの中にはスウェーデンのテレビ局のほかにCNN International、BBC World News、National Geographic、Cartoon Networkなどもある。今後も、権利を獲得次第、チャンネルを増やしていく。

Magineの本質はケーブルテレビのスタートアップだ。つまり、クラウド上のケーブル事業者〔物理的な‘ケーブル’はない〕。スウェーデン国内のテレビ局と契約し、ヨーロッパの有料放送とは料金支払いの契約を結んでいる。同社がユーザに代わって‘会費’を払う。すべてがクラウドからのサービスなので、ケーブルの敷設やそのメンテナンスなどの資本支出が要らない。

今年の初めにドイツのミュンヘンで行われたDLDカンファレンスでMagineのデモを見たぼくは、その後同社のベータユーザとしてとても満足している。合衆国の今の制度ではMagineの進出や、同様のクラウドサービスの展開は無理だが、同社はとりあえず全ヨーロッパへのサービス拡大を考えている。今、各国および全ヨーロッパ的な放送局と交渉を進めている。

Magineも強調しているように、これは違法すれすれの離れ業ではなくて、放送業界の公認の下(もと)に進められている正規のビジネスモデルだ。放送局は前向きにMagineと協力しており、彼らにとってはディストリビュータ(流通経路)がまた一つ増えるわけだから、それも当然だ。

既存のテレビ放送をインターネット化クラウド化しただけでなく、Magineには21世紀のケーブルTVと呼ぶにふさわしい斬新なユーザ体験が組み込まれている(それらに比べるとアメリカの各家庭にあるComcastのボックスが、これまで以上に古ぼけて見えるだろう)。Magineのサービスは、Webやモバイル経由でテレビ(スマートTV)からアクセスする。

その仕組みはこうだ(まず、あなたがスウェーデンに住んでること):

ベータの登録ユーザになったら、Web、または携帯やタブレットのアプリからMagineを見られる。またSamsungとLGのスマートTV用には専用のアプリがある(スウェーデンで売られるSamsungにはプレインストールされる)。TVとモバイルのアプリはどちらもクラウドにアクセスし、携帯やタブレット、あるいはテレビのリモコンでコントロールする。モバイルの場合はテレビ画面にQRコードが出るので、それをスキャンすれば接続される。

従来のケーブルテレビと違ってMagineには検索と発見の機能がある。各チャンネルの番組表を見られるだけでなく、番組を前回前々回などへさかのぼって見ることもできる(最大7日前、または30日前まで)。

月曜日からは、ベータの参加者もアプリが新バージョンにアップグレードされ、検索と発見がより便利になる。さらにその後は、これまで待たされていた申込者を順次登録していくとともに、サービスの供用区域をヨーロッパの全域をめざして拡大していく。

とても野心的な会社だけれど、やってることの内容を見れば、そのうちヨーロッパのメジャーの地位を獲得してもおかしくはない。合衆国では当分無理だとしても、こういうものができるだけ早く可能になるよう、働きかけていくことは重要だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))