日本の携帯市場占有率2012年の首位は…なんとAppleだった!

複雑な規制があり、またWeb対応フィーチャーフォンの人気が根強い日本の携帯市場は、海外企業にとって難攻不落だった。しかしAppleはついに、その市場のトップに登りつめることに成功した。Counterpoint Researchの調査報告が、そう告げている(出典: The Next Web)。

Appleは2012Q4に16%のシェアを獲得し、2012年全年では15%となった。これで初めて、通年ベースで第一位となり、6年続いたSharpの王座を奪った。2012年におけるSharpとFujitsuのシェアは、共に14%だった。この調査報告によると、Appleは2011Q4にもSharpを抜いているが、しかし2012年前半はSharpが首位に返り咲いていた。

同じくこの調査報告によると、Appleが首位に立ったのは2012年の11月からである。そして2012Q4には、同じく海外ブランドのSamsungとLGもシェアを伸ばした。そして日本の携帯史上初めて、海外ブランドの合計シェアが50%を超えた。

Appleのめざましい業績は、通信事業者SoftbankとKDDIによるところが大きい。この二社は、iPhoneを武器にトップ企業NTT DoCoMo(iPhoneを提供していない)と戦った。DoCoMoは新機種を続々出して敵の矢玉をかわそうと努めたが、しかし同社の社長によれば、Appleとの合意に達すればiPhoneも対応機種に加えたい、という。

Appleがトップになったことによって、この国の閉じた修道院のようなモバイル業界も変わるかもしれない、とCounterpoint Researchは調査報告のコメントで述べている。日本は開国以来、動植物においても、外来種が在来種を駆逐する例が少なくなかったのだ、と〔例: タンポポ〕。

日本のモバイル業界はかつて、その孤立性ゆえに、ガラパゴス島にたとえられた。そのデジタルセルラー技術はきわめて独特で、しかも世界のどの市場よりも進んでいたため、外国勢の参入はほとんど不可能と思われていた。Motorolaも、そしてNokiaも失敗した。しかしスマートフォンという新しい波が状況を変え、ついに日本市場は変化への道を歩み始めたと思われる。その方向性は、依然として未知ではあるが。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

1038万いいね!のTokyo Otaku ModeがYJキャピタル、ITV、DGインキュベーションから資金調達

日本のオタクカルチャーを世界に発信するスタートアップとして有名なTokyo Otaku Modeが新たな資金調達を発表した。引受先はヤフーの投資子会社YJキャピタル、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、デジタルガレージの投資子会社DGインキュベーションの3社である。DGインキュベーションは今回は追加投資となる。今回の資金調達もすべてConvertible Noteで行われた(額面は非公開)。

調達した資金はサービスの拡大、それに伴う人員の強化やモバイル対応などサービスの向上に充てるそうだ。

Tokyo Otaku Modeは本誌でも何度か取り上げているが、日本のアニメやマンガ、関連グッズといったオタクコンテンツを紹介するFacebookページとしてスタートした。そのFacebookページの「いいね!」数は1038万を超え、一回のポストには数千から10数万のいいね!が付くほどの人気ぶりだ。

昨年9月頃からはFacebookページに加え、ユーザーが自身の作品を投稿したり、オタク関連のニュースが楽しめるウェブサイトも立ち上げている。このサイトではフォーラムも設けてあり、ファン同士のコミュニケーションの場としても機能している。また、Otaku Cameraというマンガ風の写真が撮れるアプリもリリースしている。

今のところFacebookページはもちろん、ウェブサイト、アプリは全て収益化している様子は無いが、ウェブサイトにはショップが新しく開設される予定で現在は事前登録を受け付けている。

このショップの詳細はまだ検討段階だが、普通のECショップとは違い、Tokyo Otaku Modeがセレクトした商品、メーカーとのコラボ商品などここでしか買えないような商品を提供したり、ウェブサイトに参加しているクリエイターの作品なども販売する予定だという。

ショップは検討段階ではあるが今後の展開が楽しみだ。

サンフランシスコの子ども科学博物館Exploratoriumが次々とiPadアプリをローンチ

The Exploratorium(エクスプロラトリウム, 体験学習型科学博物館)は、サンフランシスコで科学を学ぶ場所として最高だ。とくに、子どもたちにとっては。この施設は、今日リリースしたSound Uncoveredをはじめ、さまざまなiPadアプリによって、来館者以外にもオーディエンスを広げようとしている。

その名が示すように、Sound Uncoveredは音や聴覚の仕組みを説明している。同館の最初のアプリColor Uncoveredと同じく、主題(音、聴覚)に関する概念を12の体験を通じて学ぶ、という構成だ。その一部は館内の展示にもあるし、またアプリ独自の新しいものもある。ところで、最初のアプリの主題が視覚、今回が聴覚だから、今後の続編が何々か、理科の勉強を忘れた大人にも分かるよね。

アプリの制作助監督Rob Semperが本誌TechCrunchのスタジオに来て、アプリのデモをしてくれた。このビデオからどれだけの科学知識を拾えるか、それは人さまざまだと思うけど、でもアプリの概要は分かるだろう。Exploratoriumの展示がすべてそうであるように、このアプリも対話性が最大の魅力だ。アプリの各部分が、ゲームや遊びのように構成されている(たとえば円形のキーボードからいちばん高い音を見つける)。そしてその遊びがおもしろかったら、その体験の背後にある科学知識をテキストで読める。

アプリは無料で、ここからダウンロードできる。このアプリのローンチの2か月後には、Exploratoriumは第15埠頭と17埠頭に建てた新しい建物へ引っ越しする。その開館は4月17日だ

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

アル・ゴア曰く、インターネットの普及は汚職を減らす。しかし広告はどうなるのか?

アル・ゴア元大統領は訪問中のサンフランシスコで、PBS系列ローカルラジオ局KQEDのマイケル・クランシーと共にという番組に1時間にわたって出演した

それはクランシーのインタビューによく見られるように興味深く多岐に渡る会話だった。しかし、TechCrunch視点で特に興味を引いたのは、汚職、買収、ロビー活動が以前にも増している今の米国政府の状況についてゴアが聞かれた時だった。

ゴアは、確かに大きな問題であり様々なレベルで対応する必要があると言った。次に彼は、インターネットがこの傾向を逆転させる最も有効な手段の一つであると指摘した(記事の末尾に全録音を埋め込んである。この話題は33:55から)。彼は言う言った。

「時間と共に、インターネットは政治における金の役割を容赦なく縮小するだろう。現在政治家がテレビの30秒CMを買うために膨大な活動資金を必要としていることが、金銭問題の大きな要因となっている。

インターネットが普及し、いずれコミュニケーションの主要手段になれば、個人が市民としての役割を演じる後押しとなり、議会制民主主義を再び活性化できるだろう 」

まずは、良い知らせから

すばらしい話だ。そしてこうした傾向はわが国全体にとっても間違いなく良いことだ。ゴアの言う通り、現在政治家が買わなくてはならない30秒スポットは非常に高額であり活動資金の大半を費やす結果となっている。その金は、オハイオ州をはじめとする激戦州の良い人々全国選挙前の一ヵ月間24時間広告を見せ続けるより、もっといい使い方があるはずだ。

次に、悪い知らせ

しかし、アル・ゴアの将来展望は違ったものも見据えている。インターネット広告は、テレビ広告ほどには儲かるようにならない。ゴアによると:これからの政治家は、賄賂を受け取ったり、ロビイストの世話になる必要がなくなる。なぜなら、今ほど広告のために金が必要なくなるからだ。この背景には、ウェブ広告がテレビCMほど高額にならないから、あるいはインターネット利用者はテレビ視聴者ほど影響を受けないから、という仮定がある。おそらくその両方だろう。

いずれにせよ、ウェブで広告収入をあてにしようとしている多くの人たちにとっては、嬉しくない話だ。インターネット界の多くの人たちが、テレビや他の伝統的メディアの視聴者が減るにつれ、そこへ注ぎ込まれていた宣伝費は ― ブランドの金であれ政治家の金であれ ― 最終的には同じような額がウェブに流れてくるという発想に基づいている。一般に信じられているのは、たしかにウェブやモバイルの広告技術にはまだ改善すべき点はあるが( Facebookのような会社が先陣を切ることが期待される)、ひとたびそうなれば大きな金がついてくるというものだ。広告はわれわれの経済を回している重要な部分であり、メディア会社やGoogle、Twitter、Facebookなどのサイトにとっては特にそうだ。現在政治広告は広告エコシステムで重要な役割を担っており、選挙年ではなおさらだ。

しかし、ゴアの理論は、少なくとも政治レベルの広告に関して、インターネット広告は今のテレビ広告ほど力を持たないだろうと言い切っている。もしこれが本当になれば、われわれのようにウェブで食べている者は、広告費だけでなく他の生活手段も考えなくてはいけないだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)

企業のローカルネットワーク(LAN)をクラウド上に作れるPertino–もうハードウェアは要らない

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Pertinoが今日立ち上げたサービスを利用すると、中小企業などが自社のローカルネットワークを、ハードウェアもケーブルもいっさい使わず、完全にクラウド上に構築できる。

PertinoはAmazon Web Service(AWS)を使ってそのサービスを提供し、ユーザである企業はその上にセキュアなネットワークを大小を問わず作ることができる。かつて、そのようなネットワークを作るためには、高価なネットワーク機器に一財産を投じなければならなかった。今ではPertinoが、世界中にあるAWSのデータセンターでソフトウェアを動かすことによって、それを提供する。

Pertinoのサービスにログインした顧客は、適正なネットワークを構成するデータプレーンに接続することになる。それにより顧客企業は、社内的なネットワークをセットアップしてもよいし、あるいは契約企業や契約技術者たちとの一時的なネットワークを作ってもよい。そのネットワークの上では、ファイルの共有やリモートデスクトップサービスなども提供できる。ネットワークの規模の拡大〜縮小や高速化などの維持管理業務は、“software defined networking (SDN)”(ソフトウェア定義ネットワーク)によって行われる。

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SDNはいわば、ハードウェア上に構築されるネットワークのもろもろの機能をラップして抽象化するソフトウェアの層だ。ユーザはもはやハードウェアを操作せず、そのソフトウェアをネットワーキング装置として利用し操作する。SDNは、エンタプライズ市場に今起きていることを象徴している。ソフトウェアがハードウェアをリプレースして、新しいサービスを、顧客がハードウェアを直接購入していたときよりも安価に、かつよりベターに提供するのだ。今はどの業界にも、この変化が起きつつある。たとえば消費者はもはや、自分で店へ行ってビデオを借りない。自分でDVR機器を持たない。ビデオはすべて、Netflixがストリーミングしてくれる。消費者のところでディスクが陳腐化するように、企業がCisco、Juniperといった企業から買っていた高価なネットワーキング機器も陳腐化する。

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Pertinoは今非公開ベータだが、すでにそのソフトウェアを世界中のデータセンターにインストールしている。まだデータセンターの世界的な遍在という状況がなかった3年前には、同社のようなサービスは不可能だっただろう。最近の2年間でAWSは、シドニー、東京、サンパウロ、北米北西部地域などにデータセンターを開いてきた。そのデータセンターネットワークは、今ではほとんどグローバルだ。アフリカが、まだ弱い。そこでPertinoは、AWSで間に合わない部分をほかのデータセンターで補うつもりだ。

Pertinoは、今雨後の筍し始めているSDN企業の一翼だ。Big Switch NetworksやVMwareが買収したNiciraなどは、それまでCitrixやCiscoなどのベンダが支配していたエンタプライズ市場を、徐々に横取りし始めている。しかし今現在は、SDN企業の多くが顧客企業のデータセンターを利用してSDNのインフラストラクチャを構築している。Pertinoは、それをすべてクラウドでやろうとする…主なターゲットはネットワーキングに大金を投じられない小企業だ。その料金は、人員3名/使用機器3台までが無料、その後利用者が一人増えるたびに10ドルが課金される。Aerohive や、Ciscoが買収したMerakiもクラウドネットワーキングを提供しているが、それらはWiFiのアクセスポイントとコントローラを使う。

ただし、今のPertinoには制約があって、対応ユーザ機器はWindows 7搭載機のみ、モバイルのサポートはない。今年の終わりごろまでには、互換機をもっと広げるそうだ。

Pertinoは、ソフトウェアがハードウェアをリプレースするというディスラプトの好例で、これからの中小企業は、Ciscoなどから高価な機械装置を買わなくても堅牢なネットワークを構築できるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Appleは気にしない、それが勝利の秘訣

Appleはライバルが安い製品を出しても気にしない。次の大物自社製品が前の大物を食っても気にしない。金の成る木を買うことも、株を分配することも考えない。今日(米国時間2/12)Goldman Sach’sのカンファレンスで、Tim Cookは現在にも過去にも捉われない強すぎる帝国の傲慢な王を演じた。

Wall Street JournalがCookの1時間にわたるトークのすばらしいライブ中継記事を掲載している。本誌はハイライト別の記事を書いた。しかし、最も重要なのは、Appleの規模と勢いが、テクノロジー世界における同社独特の優位性を生み出していることだ。それは〈視野の狭さ〉を負債ではなく資産にしてしまう能力だ。

Appleは機敏に方向転換するには大きすぎる。それは全速力で走る貨物列車であり、機関室ではCookがススだらけの機関手にもっと石炭を放り込めと叫んでいる。iPadがタブレット市場を圧倒している、だからAppleはもっとiPadを作る。Appleストアは年間平均5000万ドルを売り上げている、だからさらに30店舗を中国やトルコなど世界各国に作っている。株主はAppleが金をくれれば大喜びするし金は十分にあるので、450億ドルを株主に返し、優先株配布の承認に関する「ばかばかしいスライドショウ」裁判は無視する。

Cookは、目の前に線路が敷かれていることを知っているので、前進するために地平線のあら探しをする必要がない。市場にはたしかに安いスマートフォンが出ているが、その騒がしい妄想にとらわれることの方がAppleにとっては脅威だ。リソースを分割して「良い」低価格スマートフォンを作ることは、Cookの考えるはるか最高のスマートフォンを作る邪魔になる。

この位置をキープしていれば、顧客は十分にいる。今後数年で市場が倍になると彼は信じているからだ。「われわれの北極星は、すばらしい製品」なので、彼らはその方向に進み続ける。安いiPhoneが欲しければ旧モデルを買えばいい。ピクセル数最大の画面も、最高速のCPU内蔵のパソコンも、最大メガピクセルのカメラも、実はあなたは欲しくない。「どうでもいいだろう?すばらしい体験が欲しいんだ・・・真実は、顧客が欲しいのはあの〈アハ〉という瞬間なのだ」とCookは息まく。

大企業のスーツにネクタイ的思考では、既存製品を共食いする製品を作らない。しかしAppleはタートルネックのテク企業だ。ノーネクタイのCookは壇上で、「われわれの基本理念は、自分が食わなければ誰かが食う、だ」と言った。だからもしiWatchを作ったためにiPhoneやiPodが売れなくなっても構わない。人々がSamsung Galaxy Watch S 7やGoogle Timeや、いつか〈腕〉市場に参入するであろう誰かの製品を買うよりは良い。人々はAppleを、あれほどiPodビジネスが成功しているのにiPhoneを作るのはクレイジーだと思った。クレイジーなキツネは抜け目がない。ミツアナグマもクレイジーだ。ミツアナグマは気にしない

そして、われわれはAppleが何か大きな金を生むビジネスに怯えてそころ買収するのを見ることはないだろう。彼らには自分たちのロードマップがあり、そのマジックを速く、強くするために会社を買収する。Cookは、「もし大きな会社がわれわれを助けてくれるなら、それには興味がある」と言った。それ以外、キャッシュは銀行にある。あるいはもっと具体的に言えば、海外のタックスシェルターに。

これは、Appleが袋小路に激突することはないとか機関室の中に問題がないとかいう意味ではない。

Tim Cook On Stage At Goldman Sachs Conference景観を無視することが許されるのは予測が正しい場合だけであり、人間水晶球のスティーブ・ジョブズはもういない。恐らく次に来る物は、スマートウォッチではなくGoogle Glassスタイルのアイウェアだろう。モバイル製品で大ポカをやればAppleはたちまち脱線するかもしれない。

今日Cookが口にした最大の嘘は、「Appleにはソフトウェアのスキルがある」だった。われわれのホーム画面へのGoogleの侵攻状態を見る限り、Appleのソフトウェアスキルはひどく欠けている。もしスマートフォンのハードウェアがピークに達し、端末がソフトウェアを包むたけの殻になれば、Appleの機関車はプスプスと音を立て始めるかもしれない。
しかしCookは、Apple最大の危機はスピードを緩めたり雑音に惑わされることにあると敏感に察知している。「われわれは統制されていて思慮深い」と彼は言った。ジョブズはその集中力を賛えられ、Appleを同じやり方で維持できる者はいないと多くの人が心配した。今、Cookはウォール街をじっと見つめて、決してひるまないと誓った。あいまいなことを言わたい。彼は気にしない。

Cook is the honey badger, googoo g’joob.

[画像提供:Amazing CreatureBusiness Insider / Owen Thomas

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(翻訳:Nob Takahashi)

仮想化に依存するデータセンターにストレージのパフォーマンス向上を提供するInfinioが$10Mを調達

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マサチュセッツ州ケンブリッジのInfinioは、仮想環境におけるストレージのパフォーマンスを上げるためのソフトウェアソリューションを開発している。同社が今日(米国時間2/12)、Highland Capital PartnersBessemer Venture PartnersからシリーズAで1000万ドルを調達した。これまでは、Lightspeed Venture PartnersやケンブリッジのFounder Collective、ニューヨーク市のSeed Fund、それに数名のエンジェル投資家たちが、同社に計200万ドルを投資していた。今回の投資の一環として、HighlandのSean DaltonとBessemerのFelda Hardymonが同社の取締役会に加わった。

旧社名がSilverLining Systemsだった同社の主張によると、現代のデータセンターは仮想化の積極採用によって技術が様変わりし、高価な中央集中的ストレージを使うようになった。コロンビア大学のコンピュータ科学教授Vishal Misraらが創設した同社は、“仮想環境におけるもっとも費用のかかる隘路であるストレージのパフォーマンス、という問題”の解決を目指している。

“仮想環境におけるパフォーマンスの問題はストレージに帰因することが多い”、とCEOのArun Agarwalが今日の声明文で述べている。“ストレージシステムはIT予算の大きな部分を占める。しかもデータセンターの管理者は、すでにストレージの容量が十分であっても、パフォーマンスを上げようとして屋上屋を重ねるようにハードウェアを購入することが多い。弊社は、その問題の解決をお手伝いをするソフトウェアを作っている”。

声明文の中では、Infinioのソフトウェアプロダクトの詳細はよく分からないが、同社は今回の資金を技術者の増員とともに、今年後半を予定している同社の初めてのプロダクトの立ち上げに充てるという。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

このリストに自分の名前があるかどうかチェックして、エゴを満足させよう

さて、たぶんあなたと200万人の親しい仲間たちは、”LindedIn”の2012年に最も多くプロフィールを見られた人トップ1%に入っているだろう。それとも「Forbesの30歳以下トップ450」? あるいは「TIMEのランダムに選んだベスト100人、シリコンバレーからの何人かを含む」?。

まあ、たぶん「テク業界で驚くべきことを成し遂げた人々」にもあなたは入っていないだろうが、万が一ということもあるからチェックした方が良い。つまり、恐らくあなたは、49ersのジム・ハーボーヘッドコーチよりはそこに載る資格があるだろう、という意味だ。

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(翻訳:Nob Takahashi)

Dropboxはエンタープライズ市場を目指す―管理者がユーザーを詳細にモニタできるようDropbox For Teamsをアップデート

dropbox-logo

Dropbox for Teamsに新しい機能が追加された。これによってユーザーである企業IT部門は、個人であれ組織であれ、Dropboxサービスの利用状況を細大漏らさずモニタし、コントロールできるようになる。

こうしたアップデートは、Dropboxが今後の主要なビジネス・ターゲット企業IT向けに定め、会社成長の新しい段階に入りつつあることを示すものだ。

Dropbox For Teamsは2011年後半にリリースされた。昨年8月には2段階認証機能を導入、続いて10月にはこの認証機能を用いて誰がどのようにサービスを利用しているかをIT部門がモニタできるようにするなど可視性を高めた。今日(米国時間2/12)追加された各種のモニタ機能と合わせて、個々のユーザーの行動、アクセス元のデバイス、ユーザー別のストレージ使用容量、リンクされたデバイスやインストールされたアプリケーションのリストなどをIT部門がモニタすることができるようになった。

IT部門の管理者が個人、グループのアクセス、認証、共有などの設定と管理を簡単に実行できる新しいUIもリリースされた。管理者はユーザーのログイン、グループへの招待、共有などの活動履歴をすべて見ることができる。またそれらの記録をレポートに一括ダウンロードすることも可能になった。

3. Activity Tab

ユーザー個人のモニタ・ビューでは管理者はユーザーがアクセスにどんなデバイスを利用しているかモニタできると同時に、必要があればデバイスを削除することもできる。

4. Authentication Tab

2段階認証によってDropboxのセキュリティーはきわめて強固なものとなっている。管理者はパスワードをリセットすることもできるし、特定のグループのデータに「持ち出し禁止」を指定してグループのメンバー以外との共有を禁止することもできる。.

単なる「魔法のクラウド・フォルダ」以上の存在へ

Dropboxはなんでもクラウド上に保存できる、いわば「魔法のフォルダ」というコンセプトの下に出発した。次の章はバックエンドの強化だ。そのカギになるのは先日公開された同期APIのさらなる拡充だろう。同期APIを利用するとモバイル・アプリのデベロッパーはDropboxに保存されたファイルをデバイス内に存在するファイルと同様に簡単に呼び出し、同期し、オフラインで編集し、バージョンを管理することができる。これによってますます多くのアプリがDropboxと連携するようになるだろう。今回のIT向け機能強化と相まってDropboxのエンタープライズ市場への参入の道筋が大きく開けたといえそうだ。

Dropboxはライバルとの競争に勝つカギをエンドユーザー向けアプリのデフォールトのクラウド・ストレージとなることに置いている。一方、現在Box、SugarSync、Mozyを始め多数のクラウド・ファイル共有サービスが存在するようになった。Boxは共同作業環境の強化に力を入れ、Jiveと提携している。またVMwareはVMwareHorizonコラボレーション環境の一環としてDropbox的なファイル共有サービス、Project Octopusを立ち上げている。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

GoogleはiOSのデフォールト検索エンジンにしてもらう見返りに来年Appleに10億ドルを支払う見込み

Mobile Safari

AppleとGoogleは敵であり同時に提携相手でもある。このネジレ現象の原因は両社のビジネスモデルがある部分で競合し、ある部分で補完的だという点にある。

先週金曜日にモーガン・スタンレーが発表したレポートによると、GoogleはiOSのデフォールトの検索エンジンに設定してもらう見返りとして2014年に10億ドル以上をAppleに支払うことになる見込みだという。

2009年にGoogleが支払ったのは8200万ドルに過ぎなかったのだから急拡大ぶりがわかる。レポートを執筆したアナリストのScott Devittは「iOS搭載デバイスの台数に比例する契約なので爆発的に成長したのだろう」と考えている。

「次のGoogleはGoogle自身だ(The Next Google Is Google)」と題されたこのレポートに掲載された表(下にエンベッド)によると、検索トラフィック獲得に要する費用はおおむねiOS搭載デバイスの販売台数に比例する傾向が見られる。また単価も若干上昇気味で、1台あたり昨年は3.2ドルだったが、今年は3.3ドル、来年は3.5ドルになるものと推定されている。つまりiOSデバイスの販売が今後も拡大していくならトラフィック獲得コストもゆるやかに上昇していくことになる。

これを他のトラフィック獲得先と比較してみると、Mozilla財団は2014年にGoogleから4億ドルを受け取る見込みだ。Mozillaのレポートによれば、Googleは依然としてMozillaの最大の収入源である。Operaブラウザも長年のパートナーだが、モーガン・スタンレーは金額を明らかにしていない。

MicrosoftがBingをデフォールトの検索エンジンにしようと激しく売り込みを図る一方で、AppleはGoogleをデフォールトの検索エンジンに選び、多額の収入を得てきた。MicrosoftはBingはNokiaとBlackBerryのデフォールトの検索エンジンとなることに成功している。多額の収入が得られることは重要だが、Appleは将来はあらゆる面でGoogle抜きのiPhoneを売る方向に進みたいと考えている。

だがAppleとしても10億ドルはバカにできない金額だ。毎年、簡単かつ確実にこれほど大金を稼いでくれる収入源は他には簡単にみつからない。一方、GoogleはiOSユーザーから上がる広告収入以上の金をAppleに払っていると見られる。iOSのユーザーデータはこの上なく貴重なものだ。しかしGoogleの最近の四半期の利益が29億ドルということを考えると、Googleにとっても10億ドルの支出は無視できない大きさだろう。

スマートフォン市場は急速に変化している。すでにSamsungがトップ・メーカーの座を占めた。AppleとGoogleの提携の重要性は近く減少に転じるだろう。 Googleは市場の変化を注意深く観察し、そのときが来たと感じれば提携を破棄するか、Googleにとって有利な契約内容への更新を試みるに違いない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

蛸のパウルはサッカー予測。アプリケーションのパウルは見たいビデオを予測する

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タブレットやスマートフォンの普及で、ビデオコンテンツの消費量が大いに上がってきている。そんな中、新たにリリースされた“PAUL”という名のAndroidアプリケーションは、見るであろうビデオを予測して、ダウンロードしてキャッシュしておいてくれるものだ。ネットワークの不備によるストレスを大いに軽減するものだ。

電力消費ピーク時の電力利用を控えるのに似て、PAULはこれまでに見たビデオ情報を解析し、これから見そうなビデオを予測して予めダウンロードしておくのだ。解析対象とするのは主に5つのメジャービデオ共有サービスだ。すなわちFacebook、YouTube、Twitter、CNN、そしてESPN ScoreCenterの5つだ。またLast.fmとも連携し、お気に入りのラジオステーションからプレイリスト掲載音楽のプレロードしてくれる(訳注:日本からはLast.fmのラジオステーション機能は利用できません)。

ビデオのダウンロードおよびキャッシュはWiFiネットワークに接続した際に行われる。キャッシュしておくことで、実際に閲覧する際にはネットワークがなくても大丈夫なようになる。

非常にシンプルなものだが、確かに便利なものだ。ストレス軽減には大いに役立ちそうに思う。

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また、ともかくPAULという名前が面白い。しかしなぜJohnやGeorge、あるいはRingoとかDave、それともSteveであったりLarryだったりしないのかはお分かりだろうか。実はこの名前、2010年FIFAワールドカップにおいて多くの試合結果を予想したタコにあやかったものなのだ。利用者の好みをきちんと予測していきたいという気持ちの現われというわけだ。

ちなみにCiscoの統計によると、2017年までには、モバイルデータ消費量の3分の2がビデオコンテンツになるだろうとのこと。オハイオ州コロンバスに拠点をおくinmoblyは、データプロバイダーや仮想移動体通信事業者(MVNO)も歓迎するサービスを提供することにもなるわけだ。

ところで、ピーク時の利用を避けるという発想は、inmoblyにとってはごく自然に出てきたものだ。と、いうのも同社はオハイオ州立大学の電気エンジニアリングの教授であるHesham El Gamal及びNayer Wanasによって2011年に設立されているのだ。こうしたアプローチに則ったサービスの将来性に期待している人も多いようで、inmoblyはTechColumbusなどからプレシード資金として65万ドルを調達している。

同社はスタンドアロンのアプリケーション(概念実証のためのもの)をリリースするとともに、大手ビデオプロバイダーとの連携可能性も探り、サービスコンセプトを確立しようとしているところだ。

しかし個人的な意見を言わせてもらうならば、ネットワーク帯域の節約効果などよりも、収集される嗜好性を示すデータにこそ一層の価値があるのではあるまいか。そうしたものにアクセスできるとなれば、コンテンツプロバイダーは大いに興味を示すだろう。全体的な仕組みも一層広く活用することができるようになりそうだ。

もしかするとinmoblyは、さまざまなシーンにて大いに利益をあげるサービスを提供できる可能性を持っているのかもしれない。

アプリケーションについて今のところ気になるのは、バッテリーのもちにどの程度影響するのかということだ。inmoblyのLiza Reedに質問をぶつけてみると以下のような回答を得ることができた。

「PAULはいつも活動しているわけではありません。WiFi経由でデータをダウンロードするために定期的に目覚めて動き出すのです。またPAULにはバッテリーチェック機能もついており、もしバッテリーが厳しくなっているようなら、エネルギーを使い果たしてしまうのを避けるために、コンテンツのダウンロードを行わないようになっています。少なくとも私たちのテスト段階では、PAULによって引き起こされたバッテリー問題というのはありませんでした。実感的にもそうですし、バッテリーマネジャー系のツールでも確認しています」とのこと。

なるほど、それであれば大丈夫なのかもしれない。

アプリケーションはこちらからダウンロードできる。

原文へ

(翻訳:Maeda, H)

北朝鮮の核弾頭はサンフランシスコをどれぐらい破壊するか–Google Maps想定図

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北朝鮮が今夜(米国時間2/11, 日本時間2/12午後)核実験を行ったらしい。そして、この前彼らが誇示した長距離ミサイルは、サンフランシスコ中心部を破壊できる弾頭を装備可能という。

今夜マグニチュード4.9の地震を観測した韓国国防省は、それが地下核実験によって起きたことを確認した。北朝鮮の核の能力は、約2キロトンと推定されている*。〔*: 今回のは6〜7キロトン説もある。〕

ぼくは、それがサンフランシスコにもたらすかもしれない被害の規模を知りたいと思ったが、調べている過程で見つけたのは、(心配性の人が)見始めるといつまでも去ることができない困ったWebサイトだ。これを見るとアメリカのどこに住んでいる人でも、自分の町の被害規模をGoogle Mapsの上で知ることができる(上図)。

そのWebサイトによると、サンフランシスコの都心に命中した場合は、本誌TechCrunchのオフィスのあるSouth of Market一帯はほぼ全壊だ。Lower HeightとMissioの一部も被害が大きい。サンフランシスコのほぼ全域とオークランドの一部(上の図にはない)が、窓ガラスが粉砕される区域になる。上の図の6つの同心円についての説明は、次のようになっている:

  • 1と2: 高層ビルや鉄筋コンクリートの建物が全壊。
  • 3: 高層ビルや鉄筋コンクリートの建物が重傷。
  • 4: 一般家屋は全壊。鉄筋コンクリートの建物は‘中’から‘重’の被害。
  • 5: 一般家屋が重傷。鉄筋コンクリートの建物は‘軽’から‘中’の被害。
  • 6: 大型建造物は軽度の被害。一般家屋は‘軽’から‘中’の被害。

ただし要注意: 北朝鮮のミサイル技術は、困ったことに、あまり高度でない。昨年は、試発したロケットの内1基が、打ち上げ直後に空中分解した。だから長距離ミサイルが西海岸に到達できるとしても、あわてて地下防空壕を作る気はない。

というか、それほど気にしていない人がほとんどのようだ。この記事を書いてる今も、CNNの読者たちは、核で町が全滅することよりも、スマートフォンで見るポルノのことが気になるようだった(ニュースから数時間経っていたが)。下の図が、そのときの人気上位ニュースのリストだ*。〔*: 一位は「ポルノを見ることはスマートフォンにとって良くない」。二位が核実験。〕

でも、本当に怖いのはどっちだろう。世界が粉々に破壊されることもありえる時代に住んでいることか。それとも、そんな時代に多くの人が、携帯で見るポルノを気にしていることか。

North Korea appears to conduct 3rd nuclear test, officials and experts say - CNN.com-edited

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

仮想ニュースキャスターを使ってテレビ風ニュース配信を行うGuide、100万ドルの資金を調達

Guide-Player-Dog

マイアミのスタートアップであるGuideが、Sapient、The Knight Foundation、および俳優のOmar Eppsなどから100万ドルの資金を調達したと発表した。また同時に、次世代のオンラインニュース配信を担うプロダクトのアルファ版のリリースも行なった。これは音声合成(text-to-speech)技術とニュースないしブログフィードを合体させたもので、利用者各自に向けてカスタマイズしたパーソナル・ビデオニュースを作成するものだ。

Guideでは仮想アンカー(ニュースキャスター)にお気に入りサイトからのニュースフィードを読み上げさせる。音声読上げなので、何か別のことをしながらでもニュースを聞くことができるわけだ。まるでSF映画から抜き出してきたような世界だ。人間風でありながら、あくまでもコンピュータであることがわかる音声でニュースを読み上げ、聞く側はいつでも好みに応じて読み上げ者の姿形を切り替えることができる。Guideとしては、仮想ニュースキャスターを登場させることで、ニュースを読み上げるという実用的な目的のみではなく、感情面での結びつきも持ってもらおうとしているわけだ。またこれはマネタイズのためでもあるようだ。すなわち外部のスポンサーによる仮想キャスターを使ったり、あるいは利用者が気に入りそうなタイプを、アプリケーション内で販売するということも考えられる。

必要なニュースを勝手に集めてきてもらうというのはFlipboardなど、多くのサービスで行なっていることだ。Guideは集めたニュースを配信する際の仕組みにもパーソナライズの仕組みをもたらしたわけだ。ビデオをみてもらえばおわかりのように、用意されている仮想キャスターはいまのところは少々不気味な感じのものが多い。GuideのCEO兼共同ファウンダーであるFreddie Laker曰く、現在用意しているのはほとんどが一時的なもので、現在新しいアバターを用意しているところなのだそうだ。

「私たちのプロダクトがどのような形で受け入れられるのかを確認している段階なのです」とLakerは述べている。「テストに参加してくれている人の5人に1人が、人間型アバター(仮想ニュースキャスター)がいまひとつであると感じているようです。しかしそうした人もロボット、動物、ないしはアニメキャラクターのアバターについては興味深く感じてくれているようです」とのこと。また「最初はアバターの技術面にばかり注目が集まるのですが、次第にトータルな実用性に注目が集まるようです」とも述べている。2、3年のうちに、Guideをテレビのような自然な媒体として受け入れてもらえるようにしたいというのが望みであるそうだ。

Guideは現在プライベートアルファで公開されており、3月頭にはパブリックベータでの公開を予定している。一般公開までの間は、埋め込んだビデオを見てどのようなものであるのかを見て頂くこととなる。公開しているアバターは、どのようなタイプが人気を集めるのかを確認する目的もあって、今のところはすべて無料で低居す荒れている。最終的には外部ブランドや広告主からのアバターを提供し、ニュースルームやキャスターに広告およびマネタイズの役割も担わせたい考えだ。

ところで、将来のニュースというのは、やはりこうした仮想人格がフィードを読み上げて提供するという形になっていくのだろうか。CNNなどの既存メディアが勢いを失い、BuzzFeedやHuffington Post、ないしはオンラインニュースのアグリゲーションサービスが人気を集めている現状を見ると、確かにそうしたこともあり得るのかもしれない。ニュースを生み出す仕組みというのは大きな変革期を迎えつつあるようだ。しかしそれでも消費者たちは旧来のテレビニュースのような形で、ニュースを消費して行きたいと考えているのだろうか。旧来の仕組みを現在のテクノロジーで再現しようとしているのがGuideのやり方だと見ることもできる。こうしたやり方が人気を集めるのかどうか、注目に値するところだ。

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(翻訳:Maeda, H)

GoogleのNexus 4用無線充電器が一週間後に発売

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GoogleのNexus 4の無線充電器は、これまで伝説の産物だった。電話機本体は何か月も前、昨年のおそくに発売されたというのに。でも今日(米国時間2/11)から、アメリカの人はこの球体を59ドル99セントで買える。Qi規格の電磁誘導型充電器だ。

このNexus 4用無線充電器(と仮に呼んでおこう)の発売日は、1週間後となっている。空から満杯までの充電所要時間は約4時間で、マイクロUSBケーブルが付いている。プラグは、北米規格だ(日本などは未対応)。重さは130グラムで、“表面が傾いているため、充電中でも簡単に端末を見ることができます”、とGoogleは言っている。

充電中にはNexus 4はドックモードになり、写真や最新記事などを表示する。充電レベルなどの情報も、表示される。これもNexus本機と同じく、すぐ売り切れになるかもしれないから、待ってた人はお早めに注文を。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ローマ法王、日常業務を離れ「自分のやりたいことをする」

今日(米国時間2/11)、ローマ法王ベネディクト16世の退位が決まった。

ベネディクト法王は、TIME誌の世界で最も影響力のある100人に選ばれており、退位後の自らの行動については詳細を明らかにしていない。

情報筋によると、法王には何らかの「進行中の取り組み」があり、近いうちに発表するという。

2005年4月19日の選出以来8年間ローマ法王の座を務めたベネディクト16世は、在位中さまざまなプログラムを考えていたが、「自分のやりたいことをする」ためにそれを控えていたと噂されている。

彼は今もカトリック教会のWikipediaページにローマ法王と記載されている。

報道に対して法王は声明を発表した。

法王は、自身の退位や祈とう行事の慣習について具体的に言及していないが、この件に直接関わると称する筋がTechCrunchに語ったところによると、退位後のバチカン市国での任務が最近与えら、それが法王辞任に関する数多くの理由の一つだった可能性がある。

カトリック教会は今も世界最大の宗教組織であることを標榜し、信徒は10億人以上いる。しかし、この数字は一度訪れただけの人数によって誇大化されていると見る向きもある。「毎週、あるいは毎月訪れる人数を見れば、多くの地域で伸びが鈍っていることかわかるだろう」と、匿名を希望する情報筋が本誌に伝えた。

そして多くの人々が、彼は前任者の影に縛られていただけだと信じている。「毎週少なくとも一人が『ヨハネ・パウロ法王がいればこんなことは起きなかった』と言うのを聞くのだから」と一人の消息通は語った。

法王は、その未知なる次のステップが、彼の前職からの「自然な流れ」であり、できれば助言者として教会に残る計画を持っていることをほのめかした。「もっと続けたかったが、逃がすことのできない大きな機会を得た」と事情に詳しい人々が法王の言葉を伝えた。

ローマ法王の辞任はありふれた出来事ではないが、カトリック教会のような組織では、規模の拡大や新しいライフステージへの到達に伴って指導者が離脱することはよくある。人は時に燃え尽きる。

今度はそれがバチカンで起きてしまった。詳細が入り次第続報の予定。

画像提供:Flickr

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(翻訳:Nob Takahashi)

オンライン教育による物理大学のリプレースが驚異的なペースで進んでいる

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教育者たちはオンライン革命が実物の教室をいずれ圧倒することは知っていたが、でもここ数か月の、本当に革命に近いような急展開は、変化のペースが思ったよりも速いことを実証している。一か月前には、合衆国最大の大学機構(カリフォルニア州立大学)がオンラインコースに正規の履修証明を発行する(単位を与える)ようになり, またいくつかの名門大学が学位取得条件から履修時間(出席時間)を外し、また国公立大学の多くがコースのオンライン化を開始した。高等教育のオンライン化が副流ではなく主流になるという説は、もう、仮定的な未来ではなくなった。次期政権(第二期オバマ政権)の教育長官は、全省をあげて、この大きな変化に前向きに対応する必要がある。

これまでの10年あまり、入試などによって入学者を選別するタイプの大学(University of Phoenixなどは非選別型)は、人気の盛り上がるオンラインコースに単位を与えることを拒んできた。しかしMITの画期的なOpen CourseWareプロジェクトは、最初わずか50のオンラインコースによる概念実証事業を開始したが、その後の3年間で全世界的な複数大学のコンソーシアムができあがり、今では1700のコースを提供している[PDF]。 そして今日までの累積ビジター数は、1億2500万にものぼる。オンライン教育のスタートアップCourseraは、対話的ビデオと宿題と学生同士の協力型学習コミュニティで一流大学のコースを構成し、2012年の4月に立ち上げて以降わずか9か月で、250万あまりの学生たちにそのサービスを提供した。

そして先月は、世界最大の財政破綻教育機関であるCalifornia State University System(カリフォルニア州立大学機構)が、単位取得のできるオンラインコースを1コース150ドルという低価格で提供するパイロット事業を開始した。今年の初めにぼくは自分の記事で、カリフォルニア州とオンラインコースプロバイダUdacityとのこのパートナーシップは、成功するだけでなく、やがて全国の大学にその類似形が波及していく、と予言した。

でもぼくは、一つだけ間違っていた。たいがいのことに、科学的知見に基づいて慎重に対応するはずの高等教育機関が、そのパイロット事業に関しては結果と評価を待つことをしなかった。カ州がそれを発表してからわずか3週間後に、約1800の正規認可大学のコンソーシアムであるAmerican Council on Educationが、DukeやUniversity of Pennsylvaniaなど3つの大学で、低価格のオンライン科学コースのパイロットを開始する、と発表した。

そして、もっとも革新的と思われるのが、University of Wisconsin(ウィスコンシン大学)による、学位取得条件からの履修時間の排除だ。学生たちの要件は、テストに受かることと、学位取得関連費用を払うこと、これだけになった。だからこれからは、世界のどこからでもコースを学べる。

YouTubeのビデオなどから完全にオンラインの講義を提供しているKhan AcademyのSal Khanが、わざわざ大学の物理的な建物へ行って試験を受けるという大学のシステムを、Aspen InstituteのBig-think Ideas Festivalで批判したのはわずか2年前だ。そのときは、デジタル教育の最先鋒の人たちですら、彼が近未来に訪れる現実を語っているとは思いもしなかった。

やや残念なのは、この、教育とインターネットという分野では、思考よりも行動のペースが速いことだ。コースの評価には今後何年もかかるし、教育システム全体のリストラの評価再検討にはさらにそれ以上の年月を要するだろう。しかし教育省が行った調査は今すでに、“課目のすべてまたは一部をオンラインで受講した者の成績は、同じコースを従来の対面型授業で受講した者よりも良い”、と明言している。

また、物理学の講義を通常の物理学の教師からではなく、オンラインでノーベル賞受賞者から受けた者は、試験の点が倍近く高かった、という報告もある [PDF]。これもやはり、各大学によるMassively Open Online Community courses (MOOCs, 大規模オープンオンラインコミュニティコース)パイロット事業開始の動機の一つになっている。

しかし、教育の世界ではとくに、パイロットで成功した企画が大規模展開でこけることが多い。実験的な教育は最良の教師と最良の学生を揃えて行われるが、そこでは、それを一般化して本格展開した場合の問題が、事前対処されない。

したがって、教育のデジタル化とオンライン化がもたらす未来について、今のわれわれは無知だ。でも、その無知が今、きわめて急速に訪れつつある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

「大きな問題に取り組むのが好きだから馬サイズのアヒルと戦う」―ビル・ゲイツ、Redditの「なんでも聞いてね」セッションでたくさんの質問に答える

reddit

Microsoftの共同ファウンダーで現在はビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団の共同会長を務めるビル・ゲイツRedditで初のAMAセッションを行った〔AMA=Ask Me Anything=「なんでも聞いてね」 は有名人が登場してリアルタイムで質問に答えるRedditの企画〕。

ゲイツは30以上の質問を驚くほど巧みにさばいた。また答えているのが本人であることをいくつかの洒落た方法でアピールした(左の写真、下のビデオ参照)。

ちなみにゲイツのお気に入りのコンピュータはMicrosoft Surface Proで彼はやっと1週間前にこれを手に入れたという。ゲイツはまたWindows 8はWindows 7より良いと信じている。後のものは当然良いのだろう。

ディスプレイは何を使っているのかと聞かれてゲイツは「Windows 8用のホワイトボード・サイズのPerceptive Pixelディスプレイを使っている。そのうち価格も下がって普及するはず」と答えた。〔Perceptiveは昨年Microsoftが買収した高性能マルチタッチスクリーンのメーカー。その後でゲイツは巨大な80インチのタッチスクリーンの前に立つ自分の写真を送ってきた

驚いたことにに、ゲイツはBingが検索エンジンとしてもっとも優れたプロダクトだと信じているという。本気かね?

将来のビジョンについては「ロボット、モバイルその他、いたるところに存在するディスプレイ、音声による対話がコンピューティングを根本的に変えるだろう」と述べた。「コンピュータに視聴覚が備わり、人間の言うことを理解し、手書き文字でも読めるようになったらコンピュータとの関係は全く変わってくる」とゲイツは書いている。

予想どおり、Redditユーザーの一人がスティーブ・ジョブズとの関係について質問した。

われわれは互いに尊敬しあっていた。われわれの最大の共同事業はMacだった。Macアプリの開発にMicrosoftはAppleよりも多くの人員を充てた。その後もスティーブとは定期的に会っていた。残念にもスティーブが亡くなる数ヶ月前のある午後に会ったのが最後だった。

ソフトウェアの天才は「今は望むほどの時間プログラミングができない」と残念がっている。「私はC、C#、それにBasicでも少しプログラミングしている。新しい言語を使ってみると、プログラミングを簡単にする方向に進歩がないのは驚くほどだ。高校生の大半にプログラミングの経験をさせるようにしたらすばらしいことだろう」

ゲイツがこれまででいちばん興奮を感じたプロダクトは、意外にも、結局陽の目を見なかったWinFSだという。一言でいえば、WinFSは高機能なクラウド・ストレージ・システム上のリレーショナルDBだった。当初はVistaと同時に出荷される予定だったが、ゲイツによれば「時代に先駆けて過ぎて」いたのだという。

インターネットのオープン性についてはこう答えている。

Q: オープンで自由なインターネットに反する動き(たとえばSOPA法案)などが過去、現在、そしておそらく将来も絶えない。これについての考えは?

この問題には2つの側面がある。一つはソフトウェアの有料対無料という問題だ。インターネットには多数の無料ソフトがあり、また多数の商用有料ソフトがある。面白い傾向は、有料と無料のハイブリッド・モデルが生まれたことだ。商用ソフトでも無料のトライアル版を作ることが多くなっている。逆にオープン・ソフトの多くも有料のサービスを提供している。

もう一つの問題は実名対匿名の関係の緊張だ。これも両方が生き残るだろう。ある場合には匿名が必要だろうし、別の場合には実名の方が効果的だ。本人認証の分野でも残念ながら進歩はごく少ない。しかしこれもやがて改善されるだろう。

大富豪のゲイツだが、彼を楽しくさせるのはほとんど金のかからないものだという。ゲイツのお気に入りはチーズバーガー、子供たちを助けること、オープン・コースウェアを受講することなどだそうだ。

〔日本版〕下はRedditのAMAセッションを予告するビデオ。

Q1:財布にいくら入ってる?
A:100ドル。
Q2:100万ドルちょうだい!
A:あなたが貧しい国で子供にワクチンの接種をさせようとしている両親なら私の財団からの資金を受け取れます。
Q3:アヒルのサイズの馬100頭と馬のサイズのアヒル1羽なら、戦う相手に選ぶのはどっち? 
A:私は大きな問題に取り組むのが好きだから馬のサイズのアヒルかな? 

全文はこちら。.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

Facebookが発表。グラミー賞関連の「いいね!」とコメントは4300万件。先週のスーパーボウルは2600万件

今年のスーパーボウルの後、多くの記事が、Twitterは利用量の急上昇と多くのテレビCMでハッシュタグが使われたおかげで、このイベントに「勝利」したと宣言した。しかし、今日(米国時間2/11)Facebookは、自社に関するデータをいくつか公開し、やはり、ここもまたビッグイベントにまつわる巨大な会話の場であったことを示した。

最新のデータは昨夜のグラミー賞に関するものだ。Facebookによると、グラミー賞関連コンテンツにまつわる「いいね!」とコメントの総数は4300万件だった。これはFacebookが提供しうるリーチを表しているはずだ。数えているのグラミー賞に言及している記事ではなく、書いた人々に引きつけられている友達やフォロワーへの波及効果だ(人々が実際に何を話していたかの驚異的に詳細な内訳を知りたければここで読める)。そして、両者を直接比較する方法を私は知らないが、Twitterのグラミー賞データはここにある。

広告視点からさらに興味深いのはスーパーボウルのデータだ。Twitterは先週全国広告の半数にハッシュタグが掲載され、ゲーム当日それらのハッシュタグが30万回メンションされたことを発表した。

さてFacebookは、そのハッシュタグ広告主26社のリストを元に、同日Facebookでは200万件の記事がそれらの企業に言及したと言っている。これは全部スーパーボウルに誘発されたものなのか? たぶん違うだろうが、数値は前日の12倍なので広告が大きな影響を与えたと言って間違いはないだろう。そしてこれらの書き込みは、計2600万件のコメントと「いいね!」を呼んだ(念のために書いておくと、スーパーボウルの数字がグラミー賞よりも少ないのは特定ブランド群だけに限定されているからである)。

もちろんこれは、スーパーボウルがTwitterのブランド、広告主への侵攻を見せつける効果的なデモンストレーションであった事実を変えるものではない。しかし、会話が決してそこでは終らなかったことを確かに示唆している。

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(翻訳:Nob Takahashi)

この日本製の拡張現実ロボットはまるで生きてるホログラム

このビデオを見ると、頭がおかしくなるかもしれないから、気をつけて。ここで紹介されているU-Tsu-Shi-O-Miと呼ばれるシステムは“仮想アシスタント”の一種だが、物理的な実体は全身緑色のヒト型ロボットだ。ユーザは仮想現実(バーチャルリアリティー)の映るゴーグルを身につけてこのロボットを対話的に操作するから、ロボットのちょっと不気味な姿を見ることはない。仮想画面中でユーザは、たとえば“美しいお嬢さん”の、体に触れたり、握手したりするのだ。

日本のDifferent Dimension Inc.が作ったこのロボットは、MMDAgentと呼ばれるプログラムを動かしてユーザと対話する。最初のプロトタイプは、パジャマを着た大きな仮面のようだったが、今の形は上半身があり、顔も小顔だ。受注生産で、お値段は5000ドル。

今のシステムは拡張現実のヘッドセット(ゴーグル)と、相当高性能なコンピュータが必要だ。でも全体はとてもコンパクトにできているから、拡張現実眼鏡をした状態でロボットと対話するのは、それほど難しくない。AR眼鏡をしてないふつうの第三者が、人間と小さな緑色のロボットが対話している様子を見ると、気持ち悪いかもしれないけど、もしもClarkeがこの技術とマジックを見たら、何と言っただろうか?

出典: Gizmag〔日本語サイトのリンクがこの記事にあります。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Gengoにライバル出現! クラウドソーシング翻訳のConyacがビジネス向けサービスに参入

スタートアップのエニドアが運営するConyacといえば低価格が魅力の翻訳のクラウドソーシングである。これまでConyacは個人向けサービスとしていたが、今日からビジネス向けのサービス、Conyac for Businessを提供すると発表した。ライバルのGengoと同じ市場に参入しようというわけだ。

ビジネス向けのサービスで大きな変更点は、翻訳をオーダーできる文字量がいままでは720文字(日本語などは240文字)の字数制限があったものを5万文字の文章などに対応することだろう。これまでも月額100ドル支払えば利用できたプレミアム機能であれば7200文字まで対応できたが、ビジネス向けではこれを大きく超えるものだ。さらに、1つのアカウントを複数のチームメンバーで利用できるようにしたり、現在はテキストファイルのみだが、今後はパワーポイントやエクセルなどのビジネスファイルをアップロードすることで、翻訳が依頼できるような機能も搭載する。

個人向けにこだわってきたConyacだが、ここに来てビジネス向けを展開するのは、代表取締役の山田尚貴氏によれば、去年から法人での利用が増えてきたことだという。それともう1つは個人の利用だとビジネスの成長がなかなか描けなかったというのも理由のようだ。

ビジネス向けのサービスを展開する上で、翻訳の質だけでなく、翻訳依頼される機密保持も重要になってくる。この点も考慮していて、翻訳者に対して秘密保持契約を結んでもらい、身分証明書を提出してもらうことで効力を発揮するようにするという。こういった機密保持契約を結んだ翻訳者のみに依頼する場合には、料金も高めに設定するのだという。

なお、基本的な料金は月額6万円で6万ポイントが提供されるPlusプランのほか、Basic、Premiumなど1ポイントあたりの購入金額が異なるプランが用意されている。翻訳にかかるポイントは日本語・中国語・韓国語は1文字4ポイント、それ以外の対応言語は1文字1ポイントだという。

現在、Conyacの会員数は翻訳者と利用者を合わせて1万7,000人で、最近では日本語以外でも欧米企業からの利用もあり、タイ語やインドネシア語の翻訳などの依頼が伸びてきているのだという。そして初の海外拠点として今月からサンフランシスコに営業担当も置くという。とはいえ、その利用の多くは日本からだ。なので、まずは日本でのビジネスを伸長させて、その資金から海外を強化していくことを考えている。

エニドアはこれまでサムライインキュベート、ngi group(現ユナイテッド)、スカイライトコンサルティングから総額で4000万円程度の資金を調達していたが、サムライインキュベートの持分の大半をANRIが譲渡を受け、エニドアの経営に佐俣アンリ氏が関わっていくことを付け加えておこう。