ドクターマリオワールドがiOSにやってきた

任天堂の最新モバイルゲームが公式発売予定日より1日早くiOSにやってきた。1990年にNES(米国版ファミコン)とゲームボーイ向けに作られ、その後もさまざまな任天堂ゲーム機で繰り返し再リリースやリメークされてきたゲームが基になっている。

ドクターマリオワールドのiOS版は現在発売中で、先代の数々と同じく、ドクターマリオ(なのかドクターマリオの同僚なのかはっきりしない)になったプレーヤーが、カプセル薬の色を悪者とマッチさせて「ウィルス」を退治するパズルゲームだ。このバージョンは、かなりテトリス風だった初期のものと比べて、いくつものゲームプレイ要素が追加されている。また、落ちていくカプセルをテトリスのブロックのように操作するのではなく、ドラッグアッドドロップ方式を採用している。

プレイヤーはマリオの豊富なフィクション世界からドクターピーチやドクタークッパの助けを借りることもできる。ほかにもノコノコやクリボーなど、かつて医師資格を持っていたり取ろうとしたことなどないと思われるキャラクターもアシスタントとして参加している。それぞれ、ウィルス退治に役立つ異なるスキルを持っており、任天堂は今後もアップデートで新しいドクターとアシスタントを追加していく計画だ。

マルチプレーヤーもドクターマリオワールドの特徴の一つで、1対1でも協力して戦うこともできる。そして任天堂のモバイルタイトルをフォローしてきた人なら予想がつくように、このゲームは無料でプレイが可能で、アプリ内課金によってプレイタイムを延長したり、新たなキャラクターやアップグレードを利用することができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Warframeゲームのスーパーガンでパトカー真っ二つ、NYCの路上で大ドッキリ撮影

無料のオンラインゲーム、Warframeのプロモーションビデオをニューヨーク市の路上で撮影する際にMichael Krivicka(マイケル・クリヴィカ)監督は大がかりなドッキリを仕掛けた。

上にエンベッドしたビデオを見ればわかるが、撮影スタッフはゲーム中で使用されるOpticorと呼ばれるスーパーガンの撮影に協力するよう通行人を呼び止めている。銃を構えてポーズを取った人々は「引き金を引かないよう」注意される。ただし通行人が知らないのは道の向こうのパトカーや近くの郵便ポストにはみな仕掛けがしてあることだ―パトカーはまっぷたつになり、郵便ポストも吹っ飛ぶ。人々が仰天するようすがおかしい。

私は今週クリヴィカ監督にインタビューして撮影の模様を聞いた。監督はプロップやカスタムデザインでそれを作ったA2ZFXについて説明してくれた。無線によるリモコンで銃、パトカー、郵便ポストが同時に吹き飛ぶ仕掛けだったそうだ。

爆発のエフェクトは圧搾空気によるもので、チームがプロップを再セットするには15分かかったそうだ。そのため各テイクの登場する通行人はそれぞれまったく別の人々で、「何が起きるのかまったく知らず」、その都度驚いてくれたという。
Director Michael Krivicka, Producer Chris Yoon

プロップのパトカーの前でポーズを取るマイケル・クリヴィカ監督とプロデューサーのクリストファー・ユーン氏

クリヴィカ氏によれば、安全には十分に配慮しており、カメラのアングルから外れたところでニューヨーク市警の警察官がモニターしていたという。「編集でものすごい迫力になっているが、現場はそれほどでもなかった」のだそうだ。

これはクリヴィカ氏にとって最初のゲームプロモーションビデオだが、以前にはバイラルな話題をさらったマーケティングビデオをいろいろ作っている。たとえばジャパニーズ・ホラーの発端となった「リング」のように不気味な女がテレビから本当に這い出すビデオだ。今回のビデオの原型は「ベストキッド」のコブラ会の設定で空手の形を披露すると電柱やオートバイが破壊されるというもの。クリヴィカ氏の狙いは「SFを現実にする」ことだという。

クリヴィカ氏が創立したビデオ製作会社、WhoIsTheBaldGuyにとって今回のビデオは最初の本格的作品だ。ただし目標は変わらず「視聴者を『ええっ! なんだこれは?』と驚かせるような作品を作りたい。さらにスケールアップし、過激なものにしてオンラインの人気をさらいにいく」という。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

「クラウド化は注視しているが急がない」と任天堂の宮本茂フェローが言明

細かくみれば定義はさまざだろうが、クラウドが専用機やパソコンとならぶゲームの重要なジャンルとなっていくことは間違いない。しかし株主総会の質疑からすると任天堂フェローの宮本茂氏は流行に慌てて飛び乗るつもりはないようだ。

任天堂の年次株主総会で宮本氏他の経営陣は同社が直面するさまざまな課題について説明した。任天堂は一部からクラウド化ヘの取り組みは遅すぎるのではないかと批判されていた。実際、ソニーとMicrosoft(マイクロソフト)は(驚いたことに)チームを組んで、AzureクラウドをベースにGoogle(グーグル)やNvidia(エヌビディア)などとストリーミングゲームで真っ向から激突する勢いだ。しかし任天堂はストリーミングゲームに進出する計画は当面ないとしていた。

GamesIndustry.bizによれば、宮本氏は「クラウド化に乗り遅れている」という批判にまった動じず、次のように述べた。

任天堂ならではのエンターテインメント体験を提供するためにさまざまなテクノロジー環境を利用していくことことが重要だと考えている。任天堂は仮想現実にしろクラウド化にしろトレンドに遅れているとは考えていない。われわれは実際にプロダクトをリリースするまではそれについて語らないので遅れているように見える場合もあるかもしれない。

こうした発言から任天堂がクラウド化に関しても準備をしていることはうかがえたが、同時に宮本氏らはクラウド化が次のホームランだと確信してはいないようだった。

今後ゲームにおけるクラウド利用はさらに普及していくだろう。しかしクラウドではなくローカルに作動するためにいっそう楽しめる体験となるようなゲームが今後も存在を続くことは間違いない。

任天堂がローカルで楽しめる複数プレイヤーゲームや完全にオフラインの単独プレイヤーゲームに力を入れていることはこの路線の一例だろう。任天堂は技術的トレンドを取り入れるには慎重だが、ひとたび採用すれば、スプラトゥーン2(Splatoon2)のように非常に優れた完成度となる。

古川俊太郎社長は「ゲームテクノロジーの進歩に対応することは重要だ」としたうえで宮本氏と同様、任天堂が具体策を用意しているかどうは明かさなかった。

逆に(いかにも任天堂らしく)クラウド化の進展に自ら参加しなくても、任天堂はそうしたゲーム環境の変化から利益を得られると述べた。つまり上げ潮になればすべての船が浮くという理屈だ。クラウド化によってゲーマー人口が増えるならそれは結局任天堂を利するだろうという。

E3カンファレンスの後、メディアやゲーマーの関心は次世代Switchが用意されているのかどうかに集まっていた。もちろん古川社長は「さまざまな噂が出ていることには気づいている」と述べただけで確認はしなかった。しかし古川氏は「消費者に対してはネタバレになってしうし株主の皆さんの利益にもならないのでコメントは控えさせていただく」と述べた。

当然だが次世代Switchは準備されている。そして新製品に関する任天堂のガードの固さを考えれば古川氏らの発言は近々、新しいSwitchが登場することを確認したも同様だ。しかしどうやら任天堂の新製品は今年末のクリスマス商戦を狙っているようだ。つまりソニー・マイクロソフト連合が準備している新しいプロダクトの発表時期にぶつけてその出鼻をくじくつもりかもしれない。

画像:John Lamparski / Getty / Getty Images

【Japan編集部追記】任天堂が発表した株主総会の質疑概要(PDF

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

コース職人を虜にする「スーパーマリオメーカー2」の魅力

マリオメーカーシリーズは、任天堂がファンにもたらすことができたものの中で、最も太っ腹な贈り物だと言えるかもしれない。そして、この新しいSwitch版は、あらゆる点で前のバージョンよりも優れている。とはいえ、このゲームソフトが与えてくれる自由によって、ついついその気になり、これなら何でもできそうだという野望が芽生え始めると、できないことがあるのに気付かされてがっかりする、ということも避けられない。

念のために言えば、マリオメーカーはもともとWii U用のゲームソフトで、そのちょっと変わったゲーム機の特徴をフルに生かした、想像をはるかに超える面白さが味わえるものだった。プレイヤーはタッチスクリーンとスタイラスを使って、さまざまなスタイルでスーパーマリオのレベルを作り上げることができた。そのため、非常に多くの凝った作品が生み出され、世界中を仰天させることになった。

今年の2月に発表され、この6月末にリリースされた続編、スーパーマリオメーカー2は、前バージョンの自然な進化形となっている。新しいアイテム、新しいスタイル、地形を造形する新たな方法も使えるようになっている。さらに、プレーヤーに課す条件のような、さまざまな複雑な要素を組み合わせることができる。例えば、ある場所ではジャンプできないとか、あるアイテムをゴールまで運ばなければならないとか、そういった条件を課すことできる。

メーカーモードには、充実したチュートリアルが組み込まれているのがうれしい。ちょっと変わった可愛らしい二人組「ニナ」と「ヤマムラ」(少女とハト)が、プレーヤーにツールの使い方をを一通り教えてくれる、プラットフォーム作りの初級講座のようなものが含まれているのだ。シングルプレイヤー用の特典もある。任天堂がデザインした昔ながらのマリオを楽しむことができる100種類の独立したレベルも付属しているのだ。それらは実際にプレイできるだけでなく、いろいろなブロックの使い方やレベルのスタイルのヒントになる。

発売から数日も経たないうちに「コースワールド」は、ちょっと奇妙だが面白く遊べるレベルでいっぱいになった。ブロックや敵の使い方など、独創的なアイディアにあふれ、頭をかきむしりながらコントロラーにかじりついてプレイしたくなるようなものばかり。オリジナルのマリオメーカーの時代に生まれた「全自動マリオ」という斬新な素晴らしいジャンルのカテゴリーも用意されている。場合によってはまったく操作しなくても、プレーヤーを冒険の世界に引き込んでくれる。

大事なのは、このゲームにはマリオのレベルとして不可欠なもの、例えば錠のかかったドアやその鍵、プレーヤーが罰ゲームを何度もやらなくて済むようにするためのチェックポイントなどが、しっかり備わっていること。それだけでだいぶまともになる。すでに、そうしたアイテムを利用して作った面白いレベルが数多く公開されている。それによって、複数のエリアに行けるようになったり、特定の敵を倒してからでないと先に進めないような設定も可能になるのだ。

この一風変わったレベルは、マリオっぽく見えないが、実際にはマリオの基本ルールに従っている

このゲームの細かな改良点について、詳しいことは他の記事に任せることにする。ここで言っておかなければならないのは、マリオメーカー2は、とにかく面白いということ。シングルプレイヤー、マルチプレーヤー、さらにコースワールドモードを意識しながらレベルを作っていくのは難しいが、ゲームの値段以上の価値は十分にある。ここでは、このゲームに関して特に重要だと感じたこと、そしてレベルの作成に課せられた、よく考え抜かれた制約というあたりに集中して述べたい。

任天堂は、著作権の侵害を探し出して壊滅させることに熱心なことでもよく知られている。つい先週も、ほとんどあっという間に人気のバトルロイヤルゲームをマリオの世界で実現した「Mario Royale」が閉鎖されたのを目にしたばかりだ。さらに同社は、少なくともある意味において、ライセンス供与に関しても、かなり保守的なことで知られている。例えば「ゼルダの伝説」にしても、今だに自社のゲーム機でだけプレイ可能で、ソニーやマイクロソフトのハードウェア用のものは登場していない。それには納得できる十分な理由があるはずだ。

(関連記事:ニンテンドーの貴重な歴史を受け継ぐスーパーマリオメーカー2

しかしながら任天堂のファンは、まったく別の熱心さにおいて同社に負けていない。何年にもわたって彼らは、任天堂がバーチャルコンソールを通してそのまま開放したり、慎重にリサイクルしたりしてきたゲームを改変したり、再利用したりするさまざまな方法を開拓してきた。任天堂自身は、Mario Royaleのようなものを作るつもりはまったくなかった。もちろん、伝統的なゲーム内のアイテムの位置を変更して、毎回異なったゲームがプレイできるようにする「A Link to the Past Randomizer」のようなものを作ろうともしなかった。ちなみに、スーパーメトロイドや、他の伝統的な人気ゲーム用にも似たようなものがある。

やはり任天堂の哲学は、こうしたことをほとんど禁じている。ゲームに対する考えはずっと純粋なものであり、その結果が「スーパーマリオオデッセイ」や「ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド」のようなものになったとしても、それを責めることはできない。それでも、プレイヤーはもっと多くを欲している。手入れの行き届いた壁に囲まれた庭、同社がプレイヤーのために長年培ってきたその庭から、同社の作品を持ち出すためにできることは何でもしようとずっと狙っているのだ。

話をマリオメーカー2に戻そう。

このタイトルは、任天堂のルールの外で任天堂のゲームをプレイすることに熱心だったコミュニティを拍子抜けさせるような性質のものだ。プレイヤーが自分でレベルを作ることが可能になり、そのための非常に強力なツールを手に入れたことによって、もはやROMをハッキングするしか手段がないというような、切羽詰まった状況から、そうしたユーザーを開放してくれる。

私自身が今取り組んでいるコース:Infiltrating Moleville

特にこのスーパーマリオメーカーの第2弾は、創造力を解き放つような出来栄えとなっている。新しいアイテムや新機能が複雑なレベルの設計を可能にしている。当初からマリオが備えていた魅力を再現できるようなものだ。レベルを作り上げていくのは、それだけで十分楽しいものだが、任天堂のレベルデザイナーでは、特定のスキルや感覚を念頭に置いて、各レベルのテーマを設定できるようになった。この続編のツールでは、それが以前のものよりもずっと優れた効果を発揮するようになっている。

一方、意図的に取り除かれた機能もある。最も分かりやすい例は、オーバーワールドのマップや、1-1、1-2、1-3といった構造によってレベルを結合することができなくなったこと。これは、ちょっとした方法で回避できるかもしれないが、このツールはレベルを作るためのものであって、ゲームそのものを作るものではない、という同社の意図を表しているのだろう。

個々のレベルより上位の構造を扱えるようにすることは、一種のプレイリストを作るようなもので、難しくはないはずだが、あえてそうしないのは、公式ゲームと差別化するための戦略だろう。仮にレベルやプレイリストを共有できるようにすれば、任天堂独自のアルゴリズムによる煩わしい数字を使った共有システムと比べて、同社にとっても配布手段を管理するのがかえって容易になるように思われるからだ。

もちろん、私は任天堂が、そういうことをすべきではないと言っているわけではない。レベルだけでも、何千もの遊びがいがあるものが登場するだろうし、やがてとても遊びきれないほどの数になるだろう。しかし、マリオメーカーの人気からして明らかなのは、何百万人ものプレイヤーが、同社の厳格なルールにとらわれない同社の創作を見てみたいと考えていること。すでにスーパーマリオメーカー2は、そうしたルールをかなり緩めているわけだが、同時に任天堂がコミュニティに対して積極的に許可することの範囲の限界も示している。

とはいえ、その範囲内でもほとんど無限のバリエーションがある。実際このゲームの製作者は、何を残して何を省くべきか、かなり真剣に考慮したのではないかと思われる。私としては、スーパーマリオワールドの無敵の巨大モグラが使いたいのだが、その調子であれこれとレアな生物を敵の選択肢に加えていったら、ごちゃごちゃしてしまうだろうか?また、オーバーワールドもあればいいと思うのだが、ちょっと作ってみたいという人や、スピード優先でどんどん作りたいという人にとっては、ほとんど見向きもされないような余計な機能ということになってしまうだろうか?このゲームの目的は、創作を助長することにあるはずだが、そのためにはすべての機能を提供すればいいということではなく、制限すべきことをわきまえるのも必要なのだろう。

突き詰めれば、任天堂に庭の囲いを取り除いてもらいたいという私の願いは、いわばお城の扉の鍵の引き渡しを要求しているようなものなのだ。もちろん私は特に不便を強いられているというわけではない。がんばれば、自分の力でまともなコースを作り上げることもできるし、このような制約の中で作業することに満足できる人も多いだろう。私自身は、天才的なコース職人というわけではないので、どうしても可能性よりも制約の方が気になってしまう傾向がある。

私は、もっといろいろなマリオが欲しい。任天堂が与えてくれるより、もっと多くのマリオで遊びたい。スーパーマリオメーカー2によって、マリオ関連のコンテンツを、点滴として体に注入し続けることが可能となった。遊び続けるにはそれで十分だが、そこに課せられた制約によって、次には本物のゲームを手にすることを渇望する気持ちが膨らむのを抑えられないでいる。それが親切心からくるものなのか、あるいは残忍さの表れなのか、私には判断できない。しかしどちらにしても、この先数年は、これに死ぬほど多くの時間を注ぎ込んでしまうことは間違いない。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

任天堂、マイクロソフト、ソニーが3社連名でトランプ関税の「害」を訴える

業界で最大のライバル3社が力を合わせて、政府の行動を非難するのはそうそうあることではない。もちろん、トランプ大統領がこうした行動を誘発したのはこれが初めてではない。

任天堂、マイクロソフト、ソニーというゲーム界の「ビッグスリー」として知られているの3社は共同声明を発信し、トランプ政権の中国に対する関税によって業界が直面している損害を訴えた。米国通商代表部のJoseph Barloon(ジョセフ・バールーン)法律顧問宛てに送られた書簡は、現在の関税対象項目の変更を求めている。

「米国の知的財産を保護し、米国の先端技術におけるリーダーシップを維持しようとする政権の努力には敬意を表するが」という外交辞令に続き、「これらの関税が米国の消費者および企業に与える著しい損害は、そうした目的の達成を遅らせるこそすれ促進しない」と指摘した。

3社は、同法が最終的に引き起こすであろうさまざまな連鎖的影響を強調した。

  • 消費者、ビデオゲーム開発者、小売業者、およびゲーム機メーカーを苦しめる
  • 米国内の高価値、高収入の職が危機にさらされる
  • 本業界だけでなくさまざまな分野のイノベーションが抑制される

関税の影響はすでにさまざまな分野に打撃を与えており、アップルのTim Cook(ティム・クック)氏を始め、複数のリーダーが個人的にトランプ大統領に例外を要求している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

2019年に中国は世界ゲーム市場トップの座を米国に明け渡す

中国はゲーム市場における世界トップの座を失いつつある。調査会社Newzooの新たなレポートによると、2019年末までに中国に代わって米国が売上高369億ドル(約4兆円)で世界最大のゲーム市場となると予測している。

国内の順調なゲーム機器販売により、米国がゲーム市場において世界トップになるのは2015年以来のことだ。世界的には、Xbox、PlayStation、Nintendo Switch 、その他のゲーム機器の今年の売上高は13.4%増となる。サービスとしてのゲームというモデルへのシフトが成長ドライブとなっている、とNewzooは指摘している。

一方の中国は、新作のリリースを大幅に減らすことになった9カ月にわたるゲームライセンスの凍結で低迷した。ライセンスの申し込みは再開されたが、業界の専門家は承認プロセスは遅くまた厳しいもので今後も新作を制限すると警告している。未成年プレイヤーへの時間制限の適用もまたゲーム業界の売上高を抑制することになりそうだ。

中国の減速により、アジア太平洋地域はもはや最も急成長している地域ではない。この座を奪うのはラテンアメリカで、年間平均成長率は10.4%だ。

中国のライセンス凍結にもかかわらず、Tencent(テンセント)は2018年に売上高197億3000万ドルをあげて世界最大のゲーム会社だった。テンセントのゲーム部門の成長率は、2016年から2017年にかけて51%だったのが9%に減速したが、「PlayerUnknown’s Battleground」の当局の規制に引っかからないバージョンである「Game for Peace」(和平精英)が新たな大ヒット作となり、成長ペースは元に戻りつつある。

Tencentの次に続くのはソニーMicrosoft(マイクロソフト)、Apple(アップル)、そしてActivision Blizzard(アクティヴィジョン・ブリザード)だ。他の今年の主要トレンドは以下のとおりとなっている。

インスタントゲームの増加
専用アプリをダウンロードすることなくWeChat内でプレイできるミニゲームが中国では主流になりつつある。強いソーシャル要素を持つ傾向にあり、プレイが簡単なこうしたゲームは、Douyin(TikTokの中国バージョン)を含め、ユーザーをひきつけている。

Facebookのインスタントゲームもまた2018年にようやく外部デベロッパーに開かれた。このプラットフォームでは7000超ものタイトルで3000億回のゲームセッションがあった。WeChatは同じメトリックスを使っていないが、1月時点でミニゲーム上の月間プレイヤーを4億人としている。

モバイル優勢は続く
モバイルゲームは今後もしばらくPCやゲーム機器をしのぐ成長を続ける。予想されているように、モバイルファースト、モバイルオンリーの新興市場がモバイルゲームの成長ドライブとなり、2022年までに全セクターのおおよそ半分(49%)を占めるとみられている。成長は部分的には、改良されたハードウェアとインターネットインフラ、クロスプラットフォームのタイトルの増加による。

クラウドゲームの時代がやってきた
ハードウェアを所有しなくても人気のゲームを遊べるというのは、数年前ははるか遠い夢だった。しかしインターネットの高速化と間もなく展開される5Gネットワークのおかげで、それが現実のものとなろうとしている。GoogleのStadiaや、MicrosoftのxCloudTencentのStartなど、このところいくつかのテック大企業がすでにクラウドゲーミングサービスを発表している。

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(翻訳:Mizoguchi)

GoogleのGame Builderはマルチプレイヤーゲーム開発自体をゲーム化する

GoogleのArea 120チームは、かなり実験的なプロジェクトに取り組む社内のインキュベーターだ。米国時間6月13日に、PCとmacOS上で無料で気軽に使えるGame Builder発表した。プログラミングができなくても、オリジナルの3Dゲームを開発できる。Game Builderは、今のところValveのSteamプラットフォームからのみ入手可能となっている。試してみるにはSteamのアカウントが必要だ。

Game Builderをダウンロードして起動すると、まず目的のゲームの画面サイズを聞いてくる。その後、新たなプロジェクトを作成するのか、既存のプロジェクト、あるいはサンプルプロジェクトを開くのかを選択すると、すぐにゲーム製作を始められる。付属するサンプルプロジェクトとしては、一人称視点のシューティングゲームやプラットフォーム型ゲームがある。また、より複雑な動作をプログラミングするための独自のカードシステムのデモも含まれている。

メニューシステムや、実際のゲーム構築操作には慣れが必要で、すぐに直感的な操作ができるわけではないが、しばらく使っているうちにはコツが分かってくるだろう。デフォルトでは、全体的なゲームデザインの雰囲気は、どうしてもMinecraft風のものとなってしまう。しかし、どのようなゲームを作るかは、完全にユーザーに委ねられている。ただこのツールは、小さな子供がゲームのプログラミングを始めるのに適したもののように感じられなかった。というのも、作業は比較的多くのテキスト情報を扱う複雑なものだからだ。

より複雑な動作を実現するには、Game Builderならではのカードベースのビジュアルプログラミング環境が使える。これはかなり直接的な方法だが、慣れるにはそれなりに時間がかかる。Googleによれば、3Dのレベルを構築するのは、それ自体ゲームで遊ぶようなものだという。ゲーム環境の中で何かを構築していくことを考えると、それにも一理あるだろう。しかし、ゲームで遊ぶようなものだとは言っても、必ずしも簡単なことだとは限らない。

このツールのすごいところは、マルチプレイヤーゲームを作ることができることで、しかも友達とリアルタイムの共同作業でゲームが作れることだ。

これまで、ドラッグ&ドロップのゲームビルダーは、かなり機能が限られるという印象があった。Area 120チームは、JavaScriptの使用を可能にすることで、これを限界を打ち破ろうとしている。あらかじめプログラムされた機能では実現できないことを、JavaScriptで記述できるようにしたのだ。また、Googleの3Dライブラリ、Polyのオブジェクトを利用して3Dレベルをデザインし、独自に構築できるようにしている。

このところGoogleがゲームをかなり重視するようになっているのは周知の事実だ。今年の後半には、Stadiaというゲームのストリーミングサービスを開始できるよう、準備を進めている。今のところ、両者の間には何の関係もないように見える。しかし、Stadia上でGame Builderが使えるようになっても、何の不思議もない。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

E3 2019のベストはProject Scarlettか?Gooigiか?

今年のE3の記事はどれもソニーの不在で始まるけど、これもまさにそうだ。ゲームの「ビッグスリー」のひとつが欠けていることはこの催し全体に大きな影を落とし、展示会場の空間感覚も何かがおかしい。

XboxのチーフPhil Spencer氏も同社の最大のコンペティターの不在を嘆き、ライブのストリーミングでは「ソニーがいないのは悲しいね」と言った

でもショウは滞りなく行われ、まるで大きなビーチのように、ゲーム産業の大小さまざまな波が打ち寄せ、そして引いた。ソニーも次世代コンテンツの隠し玉をたくさん用意していることは確実だから、その健康を疑う者は一人もいない。

一方、マイクロソフト(Microsoft)は元気はつらつ。膨大な量のゲームを披露し、トレーラーは全部で数十篇もあった。重要なニュースが二つあったはずだが、何もかもその盛大なゲームの発表に飲み込まれてしまい、肝心の次世代8KコンソールProject Scarlettや、同社のストリーミングサービスProject xCloudは時間が足りなくなった。

結局、そのサービスの詳細は週の後半になり、同社のコンソールへのストリーミングは無料で、より広範なxCloudの提供物ではないことになった。

マイクロソフトはいろいろ気にして(時間も足りなくて)xCloudやGame Passをステージで詳しく紹介しなかったが、しかしE3全体では明らかにストリーミングが最大の話題だった。その原因の一部は、Google(グーグル)が予定外の記者発表を行ってStadiaのトレーラーを見せたせいでもあるだろう。

任天堂の役員は取材に対して、ストリーミングは研究中と言ったが、具体的な話は何もなかった。任天堂がストリーミングを気にしていることは確実だが、E3では最新のどうぶつの森を見せ、次のゼルダのちょい見せをした。ちょっとした驚きはルイージのクローンとしてグーイジが登場したこと。でも個人的に興奮したのは、夢をみる島のリマスターが決まったことだ。

スクウェア・エニックスのビッグイベントはあまりパっとしなかったが、アベンジャーズのプレビューを見た。Ubisoft(ユービーアイソフト)はデモがクールで、「Watch Dogs: Legion」(ウォッチドッグス レギオン)や、「Assassin’s Creed」(アサシン クリード)のストーリーモードなどがあった。Ubisofotは、独自のストリーミングサービスをGoogle Stadiaの助けを借りてやるらしい。一方Bethesda(ベゼスダ)はFallout 76の新しいモードでバトロワ商戦に参戦するようだ。Fall Guysのほうがずっとかわいいが。

そのほか、Razerのエナジードリンク、Operaのゲーム用ブラウザーあり、ゲーム・オブ・スローンズ原作者の新しいゲームあり、It’s Always Sunnyのスターの登場もあり、そして任天堂Wiiのダンスゲームもあった。SwitchでもWii Uでもない、ただのWiiだ。まあまあだったかもしれない、E3 2019は。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ゲームストリーミングに関して任天堂は目下評価中

ゲームのストリーミングはE3の最大の話題にまで肥大した。先週はGoogleのStadia、これにMicrosoftのGame Passが加わり、Ubisoftの発表に次いで今度はNetflixまでも。明らかにこれは、ゲーム産業大異変の前兆だ。

もちろん任天堂は、その話にほとんど参加していない。それも当然で、同社は常に我が道を行くの企業だ。業界の大きなトレンドよりも独自のビジョンを重視する。その姿勢は、モバイルの出遅れのように裏目に出ることもあるが、ほとんどの場合はゲームのプラットホームやタイトル、それに知財において業界最大の人気製品を作ってきた。

ゲームの歴史における同社の分厚い業績を見るかぎり、Netflix的なコンテンツの提供も任天堂には向いている。マリオやゼルダなど同社の30年の蓄積を月額10ドルで提供するビジネスも、それほど苦労なく作れるだろう。しかし、任天堂にとって重要なのは、そんな供給サイドの話ではなくて、ダウンロードに金を払うという方式をゲーマーたちが本当に好むかという需要サイドの問題だ。

E3会場でTechCrunchは、Nintendo of Americaの役員であるCharlie Scibetta氏にインタビューした。彼によると、そのコンセプトは前から検討している、という。彼によると「任天堂もそれには注目しているし、採算ベースなどの評価もしている。しかしその技術の採用については、現時点では何も発表すべきことがない。うちの主力はあくまでも、フィジカルな製品とeShopからのデジタルのダウンロードだ」とのこと。

Nintendo of AmericaのCEOを務めるDoug Bowser氏も、The Hollywood Reporterに同じことを言っている。「さまざまなテクノロジーが、ゲームの新しい楽しみ方を可能にすることに関しては常に注目している」。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

OperaがTwitchを統合したゲーミングブラウザを公開

「ゲーミングブラウザって何、と思うかもしれませんね」。「Opera」(オペラ)のプロダクトマネージャー、Maciej Kocemba氏は、Opera GXを紹介するビデオの冒頭でこう語りかけている。その通りだ。私がこのコンセプトを聞いて初めに思ったのは、これはリモートゲームストリーミングのGoogle Stadiaに似た何かだろうということだった。

ゲーミングブラウザとは、少なくともOpera GXに関しては、PCでゲームを楽しむ人向けのブラウザだ。ゲームそのものの重い処理をこなすブラウザではなく、プレイ中に使うブラウザとしてシステム条件を最小限にしようとしている。

このブラウザのメインの機能はGXコントロールパネルで、ユーザーはここでブラウザに割り当てるCPUやメモリを設定できる。これにより、例えばゲーム中に「Twitch」のコンテンツをストリーミングしてもコンピュータの動作が遅くなることはない。

米国時間6月11日、E3での発表に関するリリースの中でKocemba氏は次のように述べている。「ゲームの動作は、マシンに負荷をかけることが多い。プレイ中のストリーミングではなおさらだ。Opera GXが登場するまでは、ゲームの動作が遅くならないようにブラウザを終了しなくてはならないことが多かった。我々はGXコントロールの機能により、Webの活用をあきらめなくてもゲームがスムーズに動くようにした」。

もうひとつの大きなポイントはTwitchの統合だ。ユーザーはブラウザのサイドバーから直接Twitchにログインできる。フォローしているストリーマーがオンラインになったときに通知を受けることもできる。ほかにも、ゲーム用コンソールのようなサウンドとアニメーション、カスタマイズ可能なデザインなどの特徴がある。

ギミックっぽいと思うかもしれないし、実際そうかもしれない。興味があれば、早期アクセス版を試すことができる。

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(翻訳:Kaori Koyama)

任天堂Switch版Animal Crossing(どうぶつの森)が発売延期

NintendoはゲームイベントE3に合わせたオンラインプレゼンテーション「Nintendo E3 Direct」で、Switch版「Animal Crossing」(どうぶつの森)の詳細を発表した。

そこではタイトルのストーリーラインが少し紹介されたが、それ以上に大きなニュースは、当初発表されていた2019年のリリース次期が延期されたことだった。「Animal Crossing: New Horizons」(あつまれ どうぶつの森)と名付けられたそのタイトルの発売日は2020年3月20日になった。

「このゲームを最高の形で届けるために、予定よりも少し長く待っていただくことになりました」とNintendoの小泉歓晃執行役員が同社のプレゼンテーションで語った。

ゲームの内容は、無人島に飛行機で到着したところから始まる。Tom Nook(たぬきち)の「Nook Inc. Deserted Island Getaway Package」(仮訳:たぬき開発 無人島移住パッケージ)というツアーパッケージに参加している。そこからは、動物たちとおしゃべりしたり、彼らを窮地から救ったり、いろいろとカスタマイズしたり、Tom Nookの倒錯した資本主義にツッコミを入れるなどなど、馴染みのあるゲームプレイが始まる。

ゲームプレイには、Nintendoのモバイルタイトルを含む最近のいくつかのゲームに見られた展開が数多く取り入れられているようだ。家具を作ったり、屋外の環境を本格的に換えたりできる。マルチプレーヤー機能も大きく改訂されるようで、デモ映像では複数の人間キャラクターが画面上に見られたが、まだほとんど分からないというのが現状だ。

発売の延期は残念なニュースであり、Metroid Prime 4の開発体制見直しのニュースのあとだけになおさらだ。タイトルの質を高く維持することはもちろんポジティブに受け止めたいが、Nintendoは中心的プロダクトの発売予定日を守ることに問題を抱えているように思える。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

任天堂が「ゼルダの伝説 ブレスオブ ザ ワイルド」続編の製作を発表

Nintendo Directのプロモーションで幕を開けた任天堂のE3だが、さらに思いがけない発表があった。今や任天堂の定番ゲームとなっている「ゼルダの伝説」シリーズで「ブレス オブ ザ ワイルド」の続編が製作されているという。具体的な情報は乏しく、実際のところ公式に発表されたのは「製作中」ということだけだ。しかし私としてはこれが確認されただけでうれしい。

ここしばらく任天堂はプレスカンファレンスよりビデオストリーミングを重視してきたが、同社のゲームクリエイターで企画製作本部長を務める高橋伸也氏はオフレコで「我々は今日の予告編以外にもタイトルを製作している。正式に紹介できる火が来るのを楽しみにしている。Directのデモの最後に、あるものを見てもらう予定だ」と述べていた。

ゲーマーならこの予告編は「ブレス オブ ザ ワイルド」に関連しているとすぐ気づいただろう。スーパーゲーマーだったら、ぬめぬめした緑色の奇妙な物体の這う跡を見ただけで正体を悟ったかもしれない。やがてゼルダ本人がアップになり、あらゆる疑問は払拭される。ボーイッシュなショートヘアになっているのだ! ゼルダと主人公の勇者、リンクは連れ立ってある種のダンジョンへ旅するようだ。

2人は奇妙なミイラや恐ろしい敵に出会う。悪のボスは主人公たちの存在に気づくと目赤く光り、そこから発せられるオーラだけでも強い魔力を持っていることが感じられる。危機一髪のシーンのフラッシュバックが挿入される。地上の情景も含まれれており、ハイラルの城が地下に沈んでいき、大地震が起きるらしい。どんな惨事が起きたのか不明だ。

「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド 続編開発中」という字幕が表示されてトレーラーは終わる。

トレーラーを見た限りでは、続編は前作よりダークで危険に満ちたものになりそうだ。前作は地上が舞台で自由と開放感に溢れていた。続編の予告編は地下が舞台で、暗く、閉じ込められており、さらに危険が増している雰囲気だ。

ゼルダとリンクは地底の古き魔物を覚醒させたのかもしれない。封じ込められたガノンドロフがまず復活したらしい。

これは何を意味するのだろう?前作「ブレス オブ ザ ワイルド」は大ヒットとなったが、「ダンジョンのシーンが足りない」という批判が出ていた(なるほど寺院内のシーンはあったが、非常に短かかった)。

私は続編で地上に匹敵するような巨大な地底世界が繰り広げられるのではないかと楽しみにしている。洞窟、寺院、秘密、闇、そして生き残りの秘密を隠すアイテムの数々!

任天堂はこれまでの強みを生かしたゲーム作りを続けつつ、ゲーマーの要望にも耳を傾けているようだ。続編がどういうゲームになるのか今のところ情報はほとんどないが、ともあれ開発中であることが正式に確認されたのは素晴らしい。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

任天堂がE3で今年発表のDirectゲームを一挙紹介

今年のE3では、Microsoftが6月9日の日曜日に発表を行い、ソニーはイベントをすっかりパスしたが、任天堂はいつもどおりだ。今回もNintendo Directをプロモーションするライブストリーミングに全力を挙げている。

今年はメジャーなハードウェアの発表は予期されていないが、Switchのバージョンアップに踏み切る可能性はある。しかし「どうぶつの森」(Animal Crossing)始め重要なゲームシリーズに新しいタイトルが追加されるのは間違いない。

「スーパーマリオメーカー2」と「ポケットモンスター ソード・シールド」はすでに任天堂がDirectイベントで発表している。今回はシミュレーションRPGの「ファイアーエンブレム」と、「ルイージマンション3」の紹介に重点が置かれる。E3 2019関連の噂についてはこちらを参照

画像:Jon Russell/ Flickr CC 2.0

【Japan編集部追記】元記事ビデオは米国向けの英語ナレーション版なので日本語版と入れ替えてある。なお「ゼルダの伝説」についても公式発表がある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Razerがゲーマー向けエナジードリンクを発売

先週はXboxのボディケア製品だった。今日はRazer(レイザー)のエナジードリンクだ。E3ではいろいろなタイアップが出てくる。エナジードリンクの名前は「Respawn」で、これはゲーム内で死んだキャラが復活するという意味。これは「普通じゃない飲み物」であることを知った上で判断をくだそう。この世にはエナジードリンクがあふれている。Respawnは「ゲーマーによる、ゲーマーのための」エナジードリンクなのだ。

Razerによればまさに2010年のエイプリルフールのジョークからすべては始まったという。おいしくない「Project Venom」として有名になったものだ。しかしRespawnはRazerのスピンオフブランドとして登場した本物の製品だ。

この粉末ドリンクにはカフェイン、緑茶抽出物、ビタミンBが含まれ、別売の金属製の専用シェーカーもある。Razerは公式のプレスリリースに「これであなたは生き返れます。飲用後、すぐに効果が感じられるでしょう」と書いている。

Respawnには、多くのエナジードリンクとは違って砂糖が含まれていない。Razerによれば実際にゼログラムだという。長時間集中しメンタルのスタミナを必要とするゲーマーとeスポーツアスリートのための専用ドリンクのようだ。ただしRazerは、コンテンツ制作者やビデオ編集者にも役に立つとしている。

それ以外の人たちにとっては、コーヒーがある。

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(翻訳:Kaori Koyama)

E3でMicrosoftがゲームストリーミングのxCloud発表、Google Stadiaとの違いは?

GDCとGoogle I/OでGoogleStadiaをデモした。今回E3でMicrosoftが以前から噂になっていたxCloudを正式発表した。十分な時間とは言えないが両方のクラウドゲームプラットフォームをテストする機会があったので簡単に比較してみたい。

ひとつ重要な点はxCloudについては今のところ情報が異常に乏しいことだ。 E3でMicrosoftはXbox Game Pass8K Xboxハードウェア、Scarlettの紹介に力を入れていた。こうしたXbox関連プロダクトには十分時間が割かれたのに、xCloudについてはほんのわずかしか触れられなかった。

料金、リリーススケジュール、サポートされるデバイス、ネット接続に必要な能力などすべて不明だ。今のところわかっているのは、xCloudは今年後半に一般公開されるということだけだ。つまりStadiaの公開スケジュールとほぼ同じだ。xCloudはゲームクラウドだということ以外、クェスチョンマークの山となっている。

とはいえStadia同様、xCloudもストリーミングサービスであるかぎり、特有の物理的制約を逃れることはできない。光の速度が有限である以上、サーバーからの距離に比例したレイテンシーが存在することになる。この伝達の遅れに対処する方法はMicrosoftもGoogleとほぼ同様だろう。人間の目は驚くほど微細な部分まで見分けることができる。しかしロサンゼルスのコンベンションの舞台にシリコンバレーからストリーミングしてる状態でははっきり感じられるような問題は起きなかった。

しかしシューティングゲームでガンを射ったとき、トリガーを引いた瞬間とマズルフラッシュが表示された瞬間を比較すればレイテンシーの見当がつく。自宅に戻ってテストしたときには遅れが顕著に感じられた。もっともこれは特に注意を払っていたせいもあるだろうし、自宅の接続環境も影響しているかもしれない。しかし十分準備を整えたコンベンションの壇上でのデモは一般ユーザーが実際に使う場合を正しく表現しているとは思えない。

Stadiaでは何度かシステムがクラッシュしたが、リスタートすると復帰した。xCloudではフリーズは経験しなかったが、双方の接続環境はまったく違うのでこれだけで比較はできない。

大きな疑問はXboxがxCloudをサポートする専用コントローラーを発表するかどうかだ。他のデバイスを介さず、コントローラーが直接クラウドに接続できればレイテンシーを減少させることができる。Stadiaはすでに専用コントローラーを準備している。しかしXbox Oneのユーザーは数ミリ秒のレイテンシーを減少させるためにはわざわざGoogleの新しいデバイスを買いそうにない。しかしXboxブランドでxCloud専用コントローラーが出れば事情は違ってくるかもしれない。

Stadiaで4Kゲームをプレイするには35Mbps以上の接続速度が必要だ。xCloudの要求については今のところ情報がないが、Stadiaと大きく変わらないだろうと予想する。

GoogleはStadiaを専用機を代替するものと位置づけているのに対し、xCloudのデモは専用機ゲームをあらゆる場所でプレイできるようにするためのサービスと考えているようだ。

Stadiaにせよ、xCloudにせよ、ストリーミングゲームという考え方はPS4をインターネットを使って遠隔操作するソニーのリモートプレイほど画期的なテクノロジーではない。しかしサポートされるユーザーベースはもっと大きいだろう。xCloudのデモはXbox OneコントローラーをSamsung Galaxyに接続して行われた。今のところこれ以外にどんなデバイスがサポートされるか情報がない。一方Google Stadiaは自社のPixel 3、Pixel 3aしかサポートしない。つまりデバイスの数でいえばMicrosoftはSamsung GalaxyをサポートするだけでGoogleに勝っているわけだ。

もうひとつ重要なのはコンソールゲームをスマートフォンの小さなスクリーンでプレイするとまったく違った体験になるという点だ。モバイルデバイスのプロセッサーは年々強化されてきた。それでもMicrosoftのゲームがスマートフォンの画面にもう少し最適化されていたら良かったのにと感じる瞬間があった。

次は料金の問題だ。ゲーム機の所有者はストリーミングを受けるのは無料だ。Stadiaの場合も、オンラインでゲームを購入した後は、1080pのストリーミングでゲームをプレイするのは無料だ。しかし4Kでプレイしようとすると月額9.99ドルの追加料金を支払う必要がある。xCloudにも同様の制限が設けられるのかどうはまだわからない。

ビジネス面で重要な点はxCloudがXboxのゲームタイトルすべてをサポートするかどうかだ。もしそうであれば、Stadiaが追いつくのは難しいだろう。ことにマルチプレイヤーゲームにはネットワーク効果が強く働く。ユーザーは既存プラットフォームから飛び出して友だちがほとんど入っていない新しいプラットフォームに移ろうとはしない。いかにGoogleといえどもネットワーク効果が十分に働く規模のユーザーをゼロから集めるのは至難の技だ。この点でXboxは何年も先行している。

まとめると、重要な疑問点はxCloudの料金、専用コンソールの有無、Xbox Game Passとの連携の詳細などだ。ただし、ストリーミングゲームはマーケットとしてまだニッチかもしれない。「今やゲームはストリーミングにシフトした、専用機は時代遅れだ」というのは少し早まった判斷だろう。しかしMicrosoftがxCoudを発表したことで、この分野でのStadiaの一人勝ちの可能性はなくなったと思う。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

マイクロソフトがPsychonauts開発元のDouble Fine Productionsを買収

昨年と同じく、Microsoft(マイクロソフト)はE3のXboxキーノートにて、自社のゲームコンテンツの拡大の動きを発表した。

プレスカンファレンスにて、Xbox Game Studiosはマイクロソフトが2000年にLucasArtsのTim Schafer氏によって設立された、サンフランシスコベースのDouble Fine Productions(ダブルファインプロダクションズ)買収したと発表した。以前の買収と同じく、Xbox Game Studios傘下に入ったDouble Fine Productionsは、今後も主に外部ディベロッパーとして運営されるようだ。

 Double Fine ProductionsはKickstarter(キックスターター)で、後に「Broken Age」と呼ばれるゲームタイトルの開発にて300万ドル(約3億3000万円)の資金募集に成功した。クラウドファンディングにてゲームの開発費を集めるのは、2012年当時は斬新なものだった。もちろん、現在は多くの同様のプロジェクトが存在する。

Double Fine Productionsの最初のタイトル「Psychonauts」(サイコアンツ)は2005年にリリースされた。また買収の発表とともに、同社はXbox Game PassとXbox One、PC向けにリリースされる「Psychonauts 2」のトレーラーを公開している。

小規模なインディーズゲームスタジをの買収は、Xbox Game Passにおいてコンテンツを構築し、それをオリジナルコンテンツとして提供するマイクロソフトの戦略のようだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

マイクロソフトのゲームストリーミングxCloudは10月にプレビュー版登場

Google(グーグル)が長らく待たれたStadia詳細を明かした数日後、Microsoft(マイクロソフト)はプレスカンファレンスにて、その競合サービスとなるProject xCloudの追加情報を公開した。

昨年10月の発表によれば、このゲームストリーミングサービスはハードウェアに依存しないゲーム経験を提供する。またグーグルのものとは異なり、マイクロソフトには最新のゲームコンソールがある。つまり、ユーザーは自分のXbox Oneをパーソナルクラウドサーバーとして利用できるのだ。またその他のユーザーは、マイクロソフト独自のサーバーを利用することになる。

xCloundのプレビューは今週、E3参加者に公開される。TechCrunchはシステムのラグなど、実際の使用感をレポートする予定だ。そして一般向けには、発表から1年後となる10月にプレビューがローンチされる。

なお、価格などの詳細は近日明かされるはずだ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

マイクロソフト、PC版Xbox Game Passの価格詳細を公開

Microsoft(マイクロソフト)はE3のキーノートに先立ちPCユーザーが人気ゲームのライブラリにアクセスできるXbox Game Passの月額プランを明かした。このサービスは月額4.99ドル(約540円)と非常に廉価にスタートする(ただしこれは”初期価格”だと説明されており、希望小売価格は月額9.99ドルになる)。

このWindows 10向けのサービスはコンソール向けのものと非常に似ており、サブスクリプション契約にてゲームタイトルがプレイできる。購読者はゲームを無制限にプレイでき、また20%のディスカウントでタイトルを購入することも可能だ。

さらに公式ローンチ前ではあるが、月額1ドルにて現在用意されている10タイトルほどを遊ぶこともできる。このベータ版は、米国時間6月9日より利用可能だ。

なお、公式ローンチ時には100タイトルにアクセスできるようになり、『Halo: The Master Chief Collection』『Gears of War 5』『Forza Horizon』などの大作が用意されるという。

興味深いのは、PCゲームにフォーカスしたこのサービスに、Xboxのブランドが採用されていることだ。また、XboxコンソールとPCの両方で利用できるサブスクリプション「Xbox Game Pass Ultimate」も月額14.99ドル(約1630円)にて提供されることが発表された。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ゲーム・オブ・スローンズ作者の新作RPG「Elden Ring」が正式発表

今年のE3で数々の新作ゲームの発表が待たれていた中、Elden Ring(エルデン・リング)の情報が開催数日前に漏洩した。作者であるGeorge R.R. Martin氏は、つい最近完結したHBOの大人気シリーズ「Game of Thrones」(ゲーム・オブ・スローンズ)の作者でもある。

Elden Ringは、米国時間6月9日に開催されたMicrosoft E3で正式発表され、Xbox OneとWindows PCのどちらにも対応する。PlayStation 4版も予定されているが、ソニーは自社イベントがなかったため、フロム・ソフトウェアが開発するこの「史上最大のゲーム」のすべての恩恵は、Microsoftが浴することになった。

同作品には「氷と炎の歌」(A Song of Ice and Fire)の作者である宮崎英高氏も深く関わっている。これまで同氏が最もよく知られていたのはフロム・ソフトウェアの人気作品「ダークソウル」シリーズだ。

まだ、発売日やゲームの内容などの詳細は不明だ、トレーラービデオにはLord of the Rings(ロード・オブ・ザ・リング)を思わせるダークゲームの舞台が映し出されていた。詳細が入り次第続報の予定。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

マイクロソフトが史上最強モデル8K Xboxを予告紹介

Microsoft (マイクロソフト)はゲーム専用機の次の時代を見据えて、これまでで最強となるXboxを開発している。E3カンファレンスで披露されたXboxの次期ハードウェアは次世代にふさわしいものだった。

同社が「Project Scarlett」と呼ぶその製品について、重要な事実情報をいくつかほのめかした。新しいゲームコンソールは8K対応で、フレームレートは最大120 fps、SSDストレージの採用によってロード時間を短縮する。リアルタイムでレイトレーシングできるほど強力なハードウェアだ。

「この世代は、これまでのどの世代よりも大きく飛躍した」と新ハードウェアを紹介するビデオは言う。Microsoftによると、新ハードウェアの性能はXbox One Xの4倍だという。

この次世代コンソールは2020年の年末商戦に向けて登場予定だ。同時にHaloの新作「Halo Infinite」も発売される。

「ゲームコンソールは設計、製造、最適化のすべてがゲーミングという1つの目的に向かうべきだ」とXbox責任者のPhil Spencer氏が発表イベントの壇上で語った。

次世代PlayStationの計画についてもすでにいくつか情報があり、SSDへの移行と第3世代AMD Ryzen CPUが話題の中心だ。

詳しい情報がわかり次第、両システムを比較してみたい

プレステ4のアーキテクトが次世代機プレステ5SSD搭載と語る

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook