The Shedはあらゆるモノをレンタルするビジネスの復活を狙うバージニア州のスタートアップ

レンタルビジネスを拡大することによって資源のムダを省き、消費者に各種の製品へのアクセスを確保することは、スタートアップにとって長年のいわば聖杯ともいうべき目標となってきた。

この目標はファッションやアクセサリーの場合には極めてうまくいく(我々も報じたRent the Runwayの株主に聞いてみればよい)。しかし一般の製品の場合にこれを実現するのは難しかった。

バージニア州リッチモンドに本拠を置くThe Shedはこの状況を変えようとしている。

The Sedの共同ファウンダーは長年マーケティング分野でエグゼクティブを務めてきたKaren Rodgers O’Neil(カレン・ロジャーズ・オニール)氏とエンジニア、連続起業家のDaniel Perrone(ダニエル・ペローネ)氏だ。ペローネ氏が創立したBroadMapはApple(アップル)に買収されている。The ShedはDIYチェーンの巨人、The Home Depotが扱うアイテムをレンタル化して幅広いユーザーに届けようとしている。ただしThe Home Depotとは異なりThe Shedは取り扱いを工具、園芸、アウトドアといった8分野に絞っている。電動工具の老舗であるStanley Black & DeckerはThe Shedの立ち上げ初期からのパートナーで、いわば同社が看板とする企業だ。The Shedによれば他の企業も次々に加わっているという。

ペローネ氏は「我々は製品を買い取らない。カバーする地域ごとにウェアハウスとマーケットプレイスを設け、製品を展示、登録する。メーカーに代わってレンタルに必要な手続きを行い、また消費者の元に製品を配送する」のだと説明する 。

メーカーが提供するのは製品そのものとThe Shedのスタッフがメンテナンスを行うために必要なサービスキットだ。

The Shedの共同ファウンダー、カレン・ロジャーズ・オニール氏(左)とダニエル・ペローネ氏(中央) 画像クレジット:The Shed

2020年4月にリッチモンドでスタートしたThe Shedだが、デンバーをカバー範囲に加えた。ペローネ氏は「ポートランド、オースティン、サンノゼにも拡大する予定だ」という。

今後同社が加えようとしている機能の1つにダイナミックプライシングがある。これは需要に応じてレンタル価格を変動させる仕組みだ。製品を提供するメーカーは需要の高まりに応じて最大の利益を得られるようになる。

オニール氏は2012年にGeneral Electricのボストン本社でマーケティングエグゼクティブとして働いているときにこの仕組みを考えついた。ペローネ氏はボストンで開かれた人脈作りのイベントでオニール氏に出会い、新しいレンタルの仕組みが資源の利用を効率化すると同時に消費者にとっても利益になると説明を受け、納得したのだという。

もちろんレンタルビジネスを広い範囲に拡大することによって消費者の利便性を高め資源の効率化を図ろうとするのはThe Shedが初めてというわけではない。ロサンゼルスのスタートアップ、Joymodeの狙いもほぼ同様だった。同社はニューヨークの小売ビジネス向け投資企業が買収している(未訳記事)。

JoymodeのCEOであるJoe Fernandez(ジョー・フェルナンデス)氏はこのようなレンタルビジネスを運営する難しさについて「こうしたビジネスのメリットは消費者が金を節約できるということだが、事業を運営するのに十分な数の消費者を引き付けるにはそれだけでは十分でなかった」と述べている。
電動工具のBlack & Decker、アウトドア用品のPrimusなどの企業に加えてMobility PlusもThe Shedに製品を登録している。Mobility Plusは車イスやキックスクーターなどパーソナルな移動を助ける製品を提供している。また世界最大の陶磁器販売業者であるReplacementsからは「パーティー・イン・ボックス」というディナーやカクテルパーティーの食器セットをレンタルできる。

これまでに同社はリッチモンド地区の投資家から175万ドル(約1億9000万円)を調達している。現在60社のメーカーと提携し、毎月15社から18社が新たに加わっているため、さらに企業規模の拡大を狙っている。

「(オニール氏と)一緒にThe Shedを創立したのは、この仕組みがレンタルビジネスに革命をもたらすだろうと考えたからだ。さまざまな製品分野で、セールスチャンネルがオンライン化されていない企業が多数ある。そうした企業にとってThe Shedは消費者に製品を提供する最適の手段だ」とペローネ氏はいう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

無料の電動自転車シェアサービスのHumanForestが2.5億円調達、北ロンドンでトライアル中

今年6月にロンドンでトライアルを開始したドックレス、共有、広告サポート付きのe-bike(電動自転車)サービスを提供するHumanForest(ヒューマンフォレスト)は、初めて外部資金を調達した。ライドシェアアプリ「Cabify(未訳記事)」の創業者であるJuan de Antonio(ファン・デ・アントニオ)氏とVicente Pascual(ビセンテ・パスカル)氏を含むモビリティ業界の支援者から180万ポンド(約2億5200万円)を調達したのだ。

投資の一環としてCabifyのパスカル氏は、スウェーデンの電気自動車メーカーNEVS(National Electric Vehicle Sweden)のCEOで、元Volvo(ボルボ)の社長であるStefan Tilks(ステファン・ティルクス)氏とともに、HumanForestの取締役に就任した。なお、HumanForestの共同創業者兼CEOのAgustin Guilisasti(アグスティン・ギリサスティ)氏は、Cabifyの元カントリーマネージャーだ。

HumanForestの電動自転車シェアリングサービスは、いまのところロンドンに限定されており、移動自体も北ロンドンのアイリントンとカムデンのわずか2つの地区で終了しなければならないが、規模が拡大するにつれて首都内のほかの地区にも駐車場を拡大することを目指している。

今回調達した資金は、今月末までに電動自転車を1000台に増やすために使われる。同社は1年以内にロンドンに2000台を設置することを目標としている。

電動自転車シェアリングはここ数年で爆発的に普及しており、Uberのようなライドシェアリングの巨人がこのカテゴリーに飛び込んできている。Uberは、eスクーター(電動バイク)のシェアリングサービスを展開するLimeに大規模な投資を行った後(未訳記事)、ヨーロッパで同様のサービスを展開していたJumpの資産を同社に売却した(未訳記事)が、主要な通勤都市におけるサービス格差は急速に新たなライバルを引きつけている。たとえば、Bolt (ボルト)は現在、パリで電動キックボードの販売を進めている

このような状況にもかかわらず、HumanForestは電動自転車のシェアリングモデルを革新する余地はまだあると考えている。同社の最大の特徴は、ロンドンで唯一の「無料」の電動自転車のシェアリングサービスであり、ユーザーに1日20分の無料乗車時間を提供する。無料乗車時間は、HumanForestアプリを介して表示される広告によって実現する。その後の料金は1分あたり0.12ポンド(約17円)だが、同社によるとユーザーはプロモーションやコンテストを通じてさらに無料乗車ぶんを獲得できる可能性があるという。

HumanForestのデジタルマーケティングプラットフォームのパートナー企業は、Whole Foods(ホールフーズ)やRude Health(ルードヘルス)などが入っており、自社のマーケティングメッセージを社会的影響力のある同社の電動自転車に載せることで、利用者に無料の移動時間を提供している。

同社のモデルのもう1つの特徴は法人向けの有料電子自転車サービスだ。ロンドン市民に、新型コロナウイルスが終息した後の時代に公共交通機関に乗り込む必要がない、代替のグリーンな通勤手段を提供する機会を探っている。なおHumanForestの電動自転車は、1回の充電で80kmの走行が可能なバッテリーパックを搭載しており、バッテリーと電動自転車の両方が認定された再生可能エネルギーを使っていることを強調している。

パスカル氏は今回の資金調達について「私はCabifyで10年間HumanForestのチームと一緒に働いていましたが、同社はモビリティ業界の先駆者であると信じています。HumanForestは、3つの点で他社から頭抜けています。具体的には、パートナーシップモデルを通じてユーザーに無料の移動手段を提供し、地球を保護し、社会的影響力を示そうとするパートナー企業にアピールしています。我々はすでにこのモデルの成功を目の当たりにしており、今後の成長に携われることに興奮しています」と語った。

シェアモビリティサービスも新型コロナウイルスへの感染リスクが懸念されるが、バイクや自転車は少なくとも換気不足の心配がない屋外で使われる。またHumanForestのウェブサイトにあるFAQによると、衛生面についてはそれぞれの電動自転車には消毒スプレーが用意されているとのこと。また、乗車前後にハンドルやブレーキハンドルを拭くことを推奨しているほか、手袋の着用も推奨している。

カテゴリー:シェアリングエコノミー

タグ:電動自転車 HumanForest 資金調達

画像クレジット:HumanForest

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(翻訳:TechCrunch Japan)

介護ワークシェア「カイスケ」運営のカイテクが約1億円を調達、関東エリア強化と関西・東海・九州展開を目指す

介護ワークシェアリング「カイスケ」運営のカイテクが約1億円を調達、関東エリアの強化とともに全国展開を目指す

介護ワークシェアリング「カイスケ」運営のカイテクは、シードラウンドにおいて、第三者割当増資および融資により、約1億円の資金調達を実施したと発表した。引受先はプラス、East Ventures、守屋実氏、他個人投資家。

調達した資金は、カイスケのユーザー体験を向上させるために、プロダクト開発・マーケティング・人材採用に充てる予定。また、カイスケは今回の資金調達で、プラスとの資本業務提携を開始。関東エリアでのワークシェアリングプラットフォームを強化するとともに、関西・東海・九州エリアへの展開を目指す。

カイスケは、日本初のウェブ上で「介護資格証の認証→仕事探し→仕事確定→勤怠管理→事業所/ワーカー評価→給与受取」(特許出願済)までを完結できるサービス。コロナ禍において、AIで代替しづらい「介護ワーク」以外の部分は全てデジタル化し、ワンストップでできるサービスはより求められるものとなっているという。

2020年1月からα版のテスト運用をスタートし、契約事業所数は70法人、勤務完了仕事件数は300件以上となった。

カイスケは、これまで介護業界では成し遂げられなかった有資格者の「オンデマンド雇用」(スポット雇用)を実現。時間や生活の制限から解放されることで、空き時間の有効活用(収入UP/他施設を経験による経験蓄積)をしたい方々など副業層の促進、育児/介護などの理由で定時勤務や正社員として働くことのできない方々など潜在介護職の掘り起こしが可能としている。

さらに、「お試し雇用(勤務)」をした上で採用ができるため、介護職と介護事業所のミスマッチを減らし、離職防止にも寄与できるという。

Instacartが「欺瞞的」なサービス料金をめぐりワシントンD.C司法長官から訴訟を起こされる

食料品の即日配達サービスを運営するInstacart(インスタカート)は、ワシントンD.C.のKarl A. Racine(カール A. ラシーン)司法長官から、同社が顧客に数百万ドルの「欺瞞的なサービス料金」を請求し、数十万ドル相当の消費税を支払っていないと主張する訴訟に直面している。この訴訟は、これらのサービス料金を支払った顧客への損害賠償と、D.C.に支払うべき税金の追徴と利子を求めている。

訴訟では、2016年9月から2018年4月までの間、Instacartが10%のサービス料について配達員へのチップだと思わせるように顧客を欺いたと主張している。

「Instacartは地区の消費者を騙して食料品配達員にチップを渡していると信じ込ませたが、実際には同社は配達員に上乗せ料金を請求させ、残りをInstacartが手に入れていた」とラシーン司法長官は声明で述べている。「Instacartは、同時にD.C.の消費税を支払うことを怠っている間、その運営コストをカバーするためにこれらの欺瞞的な料金を使用していた。我々は、Instacartに法的義務を果たし、D.C.に支払うべき税金を支払い、騙された地区の消費者に数百万ドルを返還するよう強制するために訴訟を起こしました」と続けた。

TechCrunchへの声明の中でInstacartは「顧客の透明性が重要であり、チップがサービス料とは別物であることを現在顧客に開示している」と述べた。Instacartの広報担当者によると「Instacartはサービス料が同社の運営に使われていることも『明確に』示している」という。

「さらに、顧客のチップの100%は常に顧客のための重要な本質的なサービスを提供しているInstacartの店員に行く」と広報担当者は説明した。「私たちは、この苦情の中で行われた告発は正当性がないと信じています。我々は、司法長官による本日の行動に失望しており、これらの問題についてオープンな対話を続ける機会を歓迎します」と付け加えた。

実はInstacartがサービス料をめぐる法的問題に直面したのは、これが初めてではない。2017年には、同社が個人購入者を独立請負業者と誤認し、人件費の払い戻しを怠ったとする訴えについて460万ドル(約4億8500万円)で和解した。和解の一環としてInstacartは、多くの人がチップを意味すると誤解していたサービス料金の表記方法を変更するよう求められた。しかしInstacartが表記方法を明確にしても、訴訟ではInstacartがチップと誤認させる表現を葬っただけだと主張している。

訴訟では「この点で、Instacartのチェックアウトのデザインは、サービス料と買い物客のチップを混同する消費者の傾向を悪化させた」と主張している。

今回の訴訟は、Instacartがカリフォルニア州で一部の買い物客や配達員の分類方法をめぐって不確実性に直面していることを受けてのものだ。1月にカリフォルニア州で施行された新法では、どのようなタイプの労働者が独立した請負業者に分類されるべきか、また分類されるべきではないかが明確に示されているにもかかわらず、Instacartはまだその労働者を従業員として分類していない。一方でInstacartは、UberやLyft、DoorDashと一緒に、契約ドライバーが独立事業者として分類されたままにする「Prop 22」提案を支持している。
画像クレジット:TechCrunch Disrupt under a license.

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Uber、Lyftなどのライドシェアタクシー広告のFireflyがStrong Outdoorの屋外広告事業を買収

FireflyStrong Outdoorの屋外広告事業を買収するとともに、フリートオペレーターのSallyの広告パートナーになることで、ニューヨーク市での広告事業を拡大する。

Fireflyは2018年にローンチ(未訳記事)し、Uber(ウーバー)やLyft(リフト)の車両上部にデジタルディスプレイを提供することで、地理や時刻、人口統計などに基づいたターゲット広告広告を掲載することで収入を得ている。Lyftは2019年に普通のタクシーの広告にも進出し、Strongのデジタル事業の買収(未訳記事)によってビジネスが加速した。

Fireflyの共同創業者でありCEOのKaan Gunay(カーン・グナイ氏)によると、今回の提携で同社はStrongの非デジタルタクシー広告もコントロールできるようになるという。

Fireflyは最終的に、これらの広告ユニットをデジタルに移行させる計画だが、そのタイミングは広告ビジネスがどれだけ早く利益を得られるかによるかかっている、とグナイ氏はいう。結局のところ屋外広告は、誰もが家に閉じこもっているこの時期にはあまり魅力的ではない。一方で、グナイ氏は伝統的な広告インベントリーも販売できることに満足していると述べた。

彼はまた、Fireflyのビジネスはパンデミックで減速したにも関わらず、よりターゲットを絞った同社のデジタルアプローチによって、タクシー広告に新たな顧客をもたらすことができると確信していると述べた(ニューヨークでFireflyで広告を出しているブランドはプーマ、ダンキン、Truly、コルゲート、ステラ アルトワ、セブンイレブン、パパジョンズ、ポストメイツが含まれる)。そして今回の買収にわかるように、Fireflyは事業拡大と投資を続けている。

このような従来型の広告への動きによって、Fireflyは単なるタクシー広告ビジネスになる危険性があるかどうか尋ねたところ、グナイ氏は「絶対にない」と述べた。そしてFireflyは依然としてテクノロジー企業であると同時に、従来型のタクシー広告の魅力を指摘し、従来のタクシー広告は「ニューヨークのインフラ」だと述べた。これらの契約によって、Fireflyはニューヨーク市場において42%のシェアを獲得したともいっている。

Havas MediaのLisa Evia(リサ・エヴィア)氏は声明で「今日のアテンションエコノミーでは、適切なマーケティングは有益なだけでなく、絶対に不可欠なものだ」と述べている。「Fireflyは、消費者体験と地域の環境に溶け込んだ感覚を持ちながら、パーソナルでインパクトのある方法でユーザーにリーチする機会を提供している」。

カテゴリー:シェアリングエコノミー

タグ:Firefly ニューヨーク

画像クレジット:Firefly

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

フリーランス美容師向けシェアサロンの「GO TODAY SHAiRE SALON」が10億円を調達、美容師向けSaaS拡充

フリーランス美容師向けシェアサロンの「GO TODAY SHAiRE SALON」が10億円を調達、美容師向けSaaSを拡充

フリーランス美容師向けシェアサロンプラットフォーム「GO TODAY SHAiRE SALON」(ゴウトゥデイ シェア サロン)運営のGO TODAY SHAiRE SALONは8月24日、シリーズBラウンドにおける第三者割当増資などとして総額10億円の資金調達を実施したと発表した。引受先はカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)およびW ventures。これにより累積資金調達額は約13.5億円となった。

今後、シェアサロンプラットフォームにおけるIT投資を本格化。今秋には、専用の予約/決済モバイルアプリを登録美容師および顧客向けにリリースし美容師向けSaaSを拡充、2024年9月をめどに新たに50店舗をオープンし全国で計65店舗を運営予定、店舗内のPopUpスペースを活かし自社開発のヘアケアプロダクトD2Cを展開予定としている。

GO TODAY SHAiRE SALONは、フリーランス美容師向けのコミュニティ型シェアサロンプラットフォーム。充実した設備と立地、テクノロジー導入による高い報酬率、独自のコワーキングコミュニティという。全国15店舗にフリーランス美容師250名以上が登録し、ゆったりとした個室空間と充実した設備の店舗で、それぞれのライフスタイルやスキルに合わせた生産性の高い働き方を実現している。

2016年10月設立の同社は、2017年11月に原宿本店を1号店としてオープン後、約2年半で全国に15店舗を展開。総流通額(GMV)は、高い稼働率と収益性(EBITDA)を保ちながら前年同月比350%ペースで推移し、2020年3月には月次GMVが1億円を突破。コロナ禍の影響を軽微に抑え2020年6月には最高益を更新しているという。

中国が国内用のGitHubとして代替サービス「Gitee」を構築中

米中間のテクノロジーをめぐる分断が、中国の企業に漁夫の利をもたらしている。スマートフォン(未訳記事)や電動車のためのチップのメーカーからソフトウェアに至るまで、それらの企業は何百万にもおよぶ企業の日常の経営の柱だ。

中国企業は消費者向けのインターネットサービスでは市場を支配しているかもしれないが、ハードウェアやエンタープライズソフトウェアを支える基礎技術はまだ米国やヨーロッパの企業が握っている。しかしますます大きな地政学的紛争にテクノロジー企業が巻き込まれる機会が増えるにともない、その熱気はユーザーやクライアントにも及んでいる。輸入チップに縛られないようにするというHuawei(ファーウェイ)の計画は、外国の技術に依存してきたこれまでの中国企業の弱点を示す例として、頻繁に引用されている。

テクノロジーのコミュニティを不安にしているもう1つの分野が、ソースコードのホスティングだ。中国の開発者はGitHubに大きく依存している。2013年に中国政府がGitHubの利用を禁じたときの、当時のGoogle ChinaトップだったKai-Fu Lee(李開復)氏の反応(Tech in Asia記事)を見ても、そのことがよくわかる。そして今度は、中国の開発者コミュニティは政治紛争がGitHubを阻害することを恐れている。

このような例は以前にもある。Microsoft(マイクロソフト)傘下のGitHubは、2019年7月にイランやシリア、クリミアなど米国が制裁を行なっている国に対してサービスの一部を遮断して(未訳記事)、世界中の開発者の怒りと恐慌を誘った。

創業7年になるGiteeは、企業のソースコードをローカライズする中国の努力の中心的機能を担っている。中国政府のテクノロジー政策立案のトップにいる産業情報技術省(Ministry of Industry and Information Technology、MIIT)は最近、Giteeをベースに中国でオープンソースのコードをホスティングする独立のプラットフォームを作る(Giteeブログ)と発表した。

そのプロジェクトは、Open Source Chinaが率いるコンソーシアムが実施する。Open Source Chinaは深圳にある中国企業で、社名と同名のオープンソースコミュニティとGiteeを支えている。MIITがいつそのホスティングサービスは政府主導の取り組みで、いくつかの研究大学が支え、民間部門からの参加もある。10社からなるその企業グループには、ファーウェイも含まれている。いうまでもなく同社は、政治の嵐の真っ只中でサプライチェーンの破断に苦しんでいる。

GitHubが米国の制裁に従うと発表した直後の2019年8月に行われたイベントで、ファーウェイの役員(コアネットワーク担当プレジデント)であるWang Chenglu(ワン・チェンルー)氏は、「中国にオープンソースのコードをメンテナンスし管理する独自のオープンソースコミュニティがなければ、国内のソフトウェア産業は、制御不能な諸要素に対して極めて脆弱になる」と述べた(捜狐記事)。

Giteeの主張によると、現在は1000万あまりのオープンソースのリポジトリーをホストしており、これまで500万以上のデベロッパーにサービスを提供してきた。比較すると、GitHubにはリポジトリーが1億あるといわれ(VentureBeat記事)、全世界のユーザー数は2019年11月現在で約3100万である。

問題は、Giteeのプラットフォームに中国の開発者がGitHubから移行したくなるほどの魅力や利点があるかだ。また、純国産のライバルとしてTencentが支えるCoding.netもある。特に後者は、背後に業界の大物が揃っている。またGitHubに関しては、同社の役員がFinancial Times誌で述べていたように、果たして中国に子会社を作って輸出の制約をかいくぐることになるのかも問題だ。

Gitee自身は、中国には第二のGitHubが成り立つ余地が十分にあると自信満々だ。

「Hongshu(紅薯)」や「Sweet Potato(さつまいも)」のあだ名で知られているOpen Source Chinaの創業者は「世界はそこに何百もの花が咲く1つの世界であるべきだ。外国市場にはGitHubをはじめ、別の種類のプラットホームがある。中国では、様々な組織が熱心にオープンソースソフトウェアの普及努力をしている。Giteeも、そんな組織の1つだ。オープンソースのエコシステムはひと晩ではできない。それは、砂の粒をひとつひとつ積んで塔を作るような作業だ。中国の開発者にはイノベーションの能力があると確信している。また、我々の辛抱強さと努力にも自身を持っている」とブログで述べている

画像クレジット: Gitee

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Airbnbが全世界で「パーティー」を全面禁止、最大収容人数は16名に制限

Airbnb(エアビーアンドビー)は同プラットフォーム経由で登録した未承認のパーティー開催を制限する規約を準備していたが、米国時間8月20日の決定は最大限に厳しいものだった。全世界であらゆるパーティーやイベントが禁止される。これには、最大収容人数16名という制限も加えられ、新ルールは「直ちに発効し、別途通知するまで永久に有効」であると同社は説明している。

Airbnbは、これまでも「未承認のパーティー」は常にルール違反だったことを指摘した。ただしこれまでは家の大きさや近隣の状況に応じて、ホストが自身の判断でAirbnb経由で小規模なパーティーを開くことは許されていた。

Airbnbは規約変更を伝えるブログ記事で、新型コロナウイルスによる世界的パンデミックとソーシャルディスタンスの必要性が、グループの集まりに関わるルール変更に至った理由の一つであり、パーティー会場としての利用を推奨するフラグを検索機能から削除したことを説明した。同時に、ホスト宿泊者ともに、新型コロナウイルス予防のための地域保険機関によるガイドラインに従うことを要求するポリシーも追加された。ガイドラインは、「実質的にパーティーやイベントを禁止するのにちょうどよかった」と同社は言った。

Airbnbによると、責任ある安全な行動を推奨することで十分であると当時は考えられていたが、地域のガイドライン変更によって、同プラットフォーム上の一部の人々が、掲載リストをバーやクラブもどきに利用していることがわかった。このため新たな全世界でのパーティー禁止に至った。これは「地域住民の健康にとって最善の利益」を優先するものだ」。

具体的には、ガイドラインは今後の予約でパーティーを明示的に禁止するとともに、16名の収容人数制限を加えた。Airbnbは、同プラットフォームを利用して予約を受け付けているブティックホテルや類似の施設のために、何らかの例外措置を検討している。また、宿泊ユーザーに対しては、パーティールールの説明と、規則に違反した場合に法的措置をとる可能性があることついて通知する準備を進めている。

Airbnbは最近同プラットフォームを通じて予約された施設で起きた殺人事件については言及していない。2月にカナダ・トロントで3名が殺害(Global News記事)され、昨年のハロウィンに起きたカリフォルニアの銃撃事件では5人が死亡(USA Today記事)した。2019年10月のその事件がきっかけで当時Airbnbは「パーティーハウス」禁止を実行し、2月の事件がさらなる措置の要求を呼び起こしていた。

関連記事:Airbnbが非公開で株式上場を申請、Q3かQ4に直接上場ではなく新規株式公開か

カテゴリー:シェアリングエコノミー

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画像クレジット:TOSHIFUMI KITAMURA / Contributor / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

州判事がUberとLyftの仮処分停止要求を受け入れ、カリフォルニアでの両社の事業停止を回避

米国カリフォルニア州の控訴裁判所の判事がUberとLyftの要求を受け入れた。これは、ドライバーを従業員として雇用するように企業に求める仮処分は米国時間8月21日には発効しないことを意味する。裁判所では現在、UberとLyftの控訴を審理し、第一審の判決を覆そうとしている。この訴訟の口頭弁論は10月中旬に予定されている。

「控訴裁判所がこの訴訟で提起された重要な疑問を認めてくれたこと、そしてドライバーが自由に仕事をする権利を擁護し続けている間、これらの重要なサービスへのアクセスが遮断されることがないことをうれしく思います」とUberの広報担当者はTechCrunchに語った。

UberとLyftは9月上旬までに、カリフォルニア州で上訴に敗れたり、Prop 22(ドライバーの労働条件に関する法律)が可決されなかった場合、運転手を従業員にする方法についての計画概要を発表する必要がある。本日の早い段階で、Lyftは8月21日の夜にサービスをシャットダウンするとのブログ記事を投稿していた。明らかに、Lyftはこの状況に飛びついたかたちだ。

「今夜操業を停止することはありませんが、ドライバーのための独立性と利益のために戦い続ける必要があります」とLyftの広報担当者はTechCrunchに語った。「11月の投票で決まるドライバーが望む解決策が通らなければ、アプリベースのプラットフォームで稼ぐカリフォルニア州民の80〜90%がその機会を失うことになります」と続ける。

今月、UberとLyftの両方は法廷で「ドライバーを独立した契約社員として分類し続けることがを許可すべきだ」と主張(未訳記事)した。裁判官はこれに異議を唱え、8月21日からドライバーを従業員として待遇することを強制する仮処分命令を両社に出した。これを受けて両社は、カリフォルニア州での事業を一時的に停止せざるを得ないと述べた。米国時間8月20日、UberのCEOであるDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏はVox Mediaのポッドキャストで「Uberは5万人のドライバー全員をひと晩で雇うことはできない」と語った。

「我々の事業は稼ぎたい人と運送や配達を希望する人をマッチングするプラットフォームをベースにしています。一朝一夕には変えられません。時間がかかると思いますが、カリフォルニアで事業を続行する方法を見つけたい。私たちはカリフォルニアにいたいのです。しかし裁判になれば会社を閉鎖せざるを得なくなり、世界最高のエンジニアがどうすればこの会社を再建できるかを考え出す必要が出てきます。仮に、ドライバーを従業員として雇用するモデルに移行することになった場合、ドライバーの生産性を保証しなければなりません。雇用されるドライバーの数ははるかに少なくなると考えています。私の推測では、労働時間の柔軟性を求めてUberを利用しているユーザーの70~80%は、5〜10時間程度の運転では稼げなくなるでしょう。運賃は上がってしまうでしょう。サンフランシスコでは20%程度上がると思います。小都市ではさらに上昇するでしょう」とコスロシャヒ氏。

UberがProp 22で提案しているのは、基本的にギグワーカーを分類する第3の方法だが、ギグワーカーの労働環境改善を目標とする団体Gig Workers Collective(ギグワーカーズ・コレクティブ)の共同創設者であるVanessa Bain(ヴァネッサ・ベイン)氏は、第三の方法は「でたらめだ」と昨日のVox Mediaのポッドキャストで語った。「現在の法律で認められている範囲をはるかに超えています。」と同氏。

以下にこれまでの経緯を時系列で記しておく。

2020年1月1日
Assembly Bill 5(集会法案第5号)が成立。2018年12月に初めて導入されたこの法案は、Dynamex Operations Westとロサンゼルス最高裁判所で争われた訴えの判決を体系化したものだ。この裁判では、DynamexはABCテストと呼ばれる当該判断基準によって、労働者を独立請負業者として不当に分類したとの判決が下された。ABCテストでは雇用事業体が労働者を法的に独立請負業者に分類するために、「A:労働者が雇用事業体の管理と指示から自由であること」「B:事業体の事業範囲外で作業を行っていること」「C:定期的に行われる業務と同じ性質の独立した取引、職業、または事業に従事していること」を証明しなければならない。

2020年5月
カリフォルニア州のXavier Becerra(グザビエ・ベセラ)司法長官は、ロサンゼルス、サンディエゴ、サンフランシスコの各市の弁護士とともに、UberとLyftが労働者を独立した請負業者として誤分類することで、不当かつ違法な競争上の優位性を得ていると主張する訴訟を提起(未訳記事)。

この訴訟では、UberとLyftは労働者から最低賃金、残業代、有給の病気休暇、障害保険、失業保険の権利を奪っていると主張している。サンフランシスコの高等裁判所に提訴されたこの訴訟は、カリフォルニア州不正競争法に基づく違反、場合によってはドライバー1人あたりに対して2500ドル(約26万5000円)、高齢者や障害者に対する違反に対してはさらに2500ドルの罰金支払いを求めていた。

2020年6月
ベセラ司法長官らが、UberとLyftに対して運転手を直ちに従業員に分類するよう強制することを求める仮処分の申し立て(カリフォルニア州裁判所プレスリリース)を行う。

2020年8月6日
カリフォルニア州高等裁判所のEthan P. Schulman(イーサン・P・シュルマン)判事が仮差し止め命令に関する聴取を開始。公聴会でUberとLyftは、差止命令によって多くのドライバーをフルタイムまたはパートタイムで雇用しない方法で事業を再構築する必要があると主張していた。UberとLyftの主張は事実上、ドライバーを従業員に分類することは雇用の喪失につながるというものだ。

「差止命令案は、LyftとUberに取り返しのつかない損害を与え、実際にはドライバーに大規模な損害を与え、乗客にも損害を与えるだろう」とLyftの弁護人であるRohit Singla(ロヒト・シンラ)は公聴会で述べている。

例えば、Lyftは雇用適格性を確認するI-9 Formを処理するだけで数億ドルのコストがかかると見積もっている。そのフォームを提出するだけなら何のコストもかからないが、UberとLyftは人材や給与計算のプロセスにさらなる投資をしなければならないのだ。

2020年8月9日
シュルマン判事が仮処分を認め、2020年8月20日の発効が決まる。

シュルマン判事は命令書に「裁判所は、差止命令の実施にはコストがかかるという幻想を抱いていない。被告がA.B.5を遵守するには、運転手の労働力を雇用・管理するための人事スタッフの雇用など、商習慣の性質を大きく変えなければならないことは疑いようがない」に書いている。

UberとLyftはこれを受けて、それぞれ緊急上訴を行う予定を明らかにした

2020年8月12日
Uber CEOのコスロシャヒ氏は「裁判所が仮処分命令を覆さない場合、Uberはカリフォルニア州で一時的に営業を停止しなければならない」と述べた。Lyftも「カリフォルニアでの営業を一時的に停止せざるを得なくなるだろう」(The Verge記事)とコメントした。

2020年8月13日
シュルマン判事がUberとLyftの上告を棄却。Uberは別の上告を行う予定であるとし、Lyftは州の上告裁判所にさらなる差し止めを求めるとしている。

2020年8月14日
Lyftがカリフォルニア州の控訴裁判所に即時停止の要請を提出。

2020年8月17日
Uberがカリフォルニア州の控訴裁判所に緊急停止要請を提出。

2020年8月19日
カリフォルニア州の控訴審で、Uberが緊急停止要請を申請。サンディエゴとサンノゼの市長が控訴裁判所にUberとLyftの申し立てを認め、差止命令を停止するよう求める。

今後の展望

2020年11月
カリフォルニア州民は、Uber、Lyft、DoorDashが主に資金提供しているProp 22法案に投票する。Prop 22は、ギグワーカーを独立した請負業者として分類することを目的としている。この法案が可決されれば、運転手や配達員は、日本でいう源泉徴収票を発行しなければならないForm W-2の従業員として分類される、新しい州法の適用を免除されることになる。

この投票法案は、仕事中に最低賃金の少なくとも120%の収入保証、経費のための1マイルあたり30セント、医療費、仕事中の怪我のための労災保険、差別やセクハラからの保護、自動車事故と賠償責任保険を実施することを目指している。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Anycaが遊休資産となった法人車両のカーシェア実証実験を開始、参加自治体・地場企業を募集

Anycaが遊休資産となった法人車両のカーシェア実証実験を開始、参加自治体・地場企業を募集

カーシェアサービス「Anyca」(エニカ)提供のDeNA SOMPO Mobilityは8月20日、自家用自動車有償貸渡(レンタカー)事業ではなく、共同使用契約の枠組みを活用し、法人所有車両のカーシェアを可能にする実証実験を開始した。2021年3月まで実施する。また全国から、先進的なカーシェア活用に取り組みたい自治体や地場企業を募集している。

Anycaは、DeNAとSOMPOホールディングスの合弁会社DeNA SOMPO Mobitlityが運営するカーシェアサービス。今回の実証実験は、コロナ禍などで遊休資産となった法人車両を活用したいというニーズや、利用頻度が落ちた車両などをシェアしてクルマの維持費を軽減したいというニーズに応えたものという。

1事業所あたり登録可能台数は3台までなど一定の条件を設けることで、共同使用契約の範囲内で法人がカーシェアを可能とする実証実験としている。またプラットフォーム手数料として、法人オーナーの場合使用料の20%(個人オーナーは使用料の10%)を支払う必要があるほか、設定できる共同使用料の上限金額および下限金額が設けられている。

Anycaが遊休資産となった法人車両のカーシェア実証実験を開始、参加自治体・地場企業を募集

クローズドな実証実験は2019年11月から開始しており、現在では60台以上の法人所有の車両が登録されているという。遊休資産の活用や維持費の軽減を図りつつ、地域住民との関係性を築きたいというニーズが一定数あり登録台数は増えているとした。

また今回の実証実験では、自治体や地場企業が持つクルマを、通常業務で使用していない時間帯に地域住民の生活の足として活用できる取り組みを行うべく、全国から先進的なカーシェア活用に取り組みたい自治体や地場企業を募集。

法人所有の車両におけるカーシェア活用モデル例として、「移住・帰省」モデル、「離島」モデルを提案している。

移住・帰省モデルは、人口が少なく、ビジネスでのレンタカー事業が難しいような地域における維持費軽減を目的としたもの。「共同使用」のため、帰省で帰る人や移住の検討に来ている人など、地域コミュニティの一員の反復利用を想定。地域内クルマをシェアすることで、地域経済にも貢献できるとしている。

離島モデルは、離島部住民の移動コスト軽減とともに、遊休資産の有効活用やシェアリングエコノミーの形成への寄与を狙ったもの。離島部の場合、例えばフェリー代が高価で大きな負担となっている地域や、そもそもフェリーなどが運行されておらず離島・本土間でクルマを運搬できない地域がある。
本土側の住民・企業が島民とクルマをシェアできれば、移動コストの低減や遊休資産の活用につながるとしている。

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Airbnbが非公開で株式上場を申請、Q3かQ4に直接上場ではなく新規株式公開か

多難な状況が続く中、宿泊・民泊仲介大手のAirbnbは新規上場を申請したと発表(Airbndプレスリリース)した。ただし申請書は非公開だ。

同社の上場申請は予想よりも早く進められた。同社が今月中に上場を申請を行うことを準備しているというWall Street Journal(WSJ)の報道の直後だった。WSJ記事によれば同社は今年中に上場するという。

つまり今年の第3四半期ないし第4四半期に上場する確率は極めて高い。

Airbnbは新型コロナウイルスの感染蔓延によって旅行業界全体が受けた打撃(未訳記事)から立ち直るべく努力を続けてきた。同社の収入も大きく低下したため、同社は2000人近い社員をレイオフし、外部から調達コストの高い資金を導入している。

同社は2019年に2020年に上場する計画を発表(New York Times記事)していたが、今年の前半には上場は到底果たせない約束ではないかと見られていた。しかしAirbnbはビジネスの各方面で活発に努力してニュースを作ってきた。同社は息を吹き返してきたようだが、そのビジネスはユーザーの旅行、バケーションのパターンが大きく変化した影響を受けている。

Airbnbが上場申請したのであれば、これまでに重ねてきた努力が成果を挙げたのだろうと考えざるを得ない。そうでないならいま上場を申請する必要はない。あとで申請すればいいはずだ。そこで現在注目すべきなのは発表済みの第2四半期の決算が上場のために十分と考えているのか、あるいは第3四半期の決算によってS-1申請書を改定すると同時に公開して復活ぶりをさらに強く印象づけるのかという点だろう。

もちろんこのようなスケジュールだと上場時期が米国における大統領選挙にあまりにも近づくというリスクがある。

こうした点には今後も注目しなければならないが、Airbnbの上場が差し迫ったものとなってきたことは間違いない。 もう1つ注目すべき点は、上場が伝統的な新株発行によるのか、あるいは既存の株式を公開する直接上場となるのかだ。同社の発表では前者を考えているようだが(Axios記者のツイート)、直接上場の可能性は残っている。TechCrunchとしては、やはり伝統的上場の確率が高いと考えるが、今はなんでもありの2020年だ。何が起こるかは最後まで予断を許さない。

画像:Phillip Faraone / Stringer / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

フードロス削減プラットフォーム「TABETE」運営のコークッキングが資金調達を実施

フードロス削減「TABETE」運営のコークッキングがJR東日本スタートアップなどから資金調達

フードロス削減のためのプラットフォーム「TABETE」(タべテ。iOS版Android版)運営のコークッキングは8月13日、プレシリーズAラウンドのセカンドクローズとして資金調達を実施したと発表した。引受先は、JR東日本スタートアップ、Social Entrepreneur3投資事業有限責任組合(PE&HR)、東松山起業家サポート投資事業有限責任組合(PE&HR)、麻生要一氏。

調達した資金は、サービス開発の強化、TABETE展開エリアの拡大、TABETEレスキューデリ(駅ナカをはじめとする商業施設において展開中)の拡大を通じた提供価値の最大化に利用する。

フードシェアリングサービス「TABETE」は、まだおいしく食べられるのに「捨てざるを得ない危機」にある飲食店の食事を、ユーザーが「1品」から購入できる仕組み(プラットフォーム)。飲食店・小売店で廃棄の危機にある食事と、テイクアウト購入をしたい消費者とを直接マッチングさせることで、食品ロス発生を水際で防いでいるという。

現在、20〜40代の働く女性を中心とした約29万人のユーザー・飲食店や惣菜店を中心とした約1300店舗が登録。累計4万9000食以上の食品ロス削減に成功した。

フードロス削減「TABETE」運営のコークッキングがJR東日本スタートアップなどから資金調達

TABETEではサービスコンセプトとして「フードロス削減」を掲げており、予想外のできごとや急な予約のキャンセルなどによって頻繁に発生し、完全な対策が難しいとされる飲食店・惣菜店におけるフードロスの削減に寄与する仕組みを構築。「想い」を込めて準備した食事を無駄にせず、ユーザーの多様な食事の選択肢にも繋がるという、「これからの新しい食のあり方」を提案していくという。

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Uber CEOが「カリフォルニア州で労働者の再分類の裁定を巡りサービスを一時停止する」と発言

Uberは「運転手を正社員に分類する最近の判決を裁判所が覆さなければ、カリフォルニア州でのライドシェアアプリの数カ月間の停止を余儀なくされる可能性がある」とCEOのDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏はMSNBCのインタビューで語った。

「すぐに正社員に切り替えられるとは思えない。一時的に会社を閉鎖せざるを得なくなるだろう」と指摘した。同氏のコメントは、裁判所の判決に続いてUberが米国時間8月11日に提出した申し立ての内容と一致している。Uberの株価は昼間の取引で約1.4%下落した。

8月10日にカリフォルニア州高等裁判所のEthan Schulman(イーサン・シュルマン)判事は、UberとLyftが運転手を従業員に再分類することを強制する仮処分命令を下した。この命令は10日後に発効するように設定されている。判事は、この命令がUberとLyftの商習慣の性質を「重要な方法で」変えることになり、差し止め命令の実施には「コストがかかる」と認めた。今回の仮処分の最も難しいのは、UberとLyftが失業保険やその他の給付金を提供することを余儀なくさせる部分だが、ドライバーを従業員として扱うことという裁判所の決定を覆すことができなかった。

カリフォルニア州のXavier Becerra(グザビエ・ベセラ)司法長官は、ロサンゼルス、サンディエゴ、サンフランシスコの市の弁護士とともに、UberとLyftに対してAB5の遵守を強制するための訴訟を起こした。

Uberの弁護士は8月11日に提出された動議で「控訴裁判所が判決が妥当かどうかの判断を下す間、差止命令を停止すべきだ」と要求した。弁護士は「差止命令が発効した場合、Uberはほぼ確実にカリフォルニア州のライドシェアプラットフォームをシャットダウンすることを余儀なくされるだろう、Uber、そしてサービスに依存しているドライバーとその家族が収入を得るため手段が絶たれ、取り返しのつかないほどの害を与えるだろう。特にパンデミックの真っ只中では」と主張した。

画像クレジット:Scott Heins / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

LINEで友達追加するだけで多拠点ワークスペースの空席がリアルタイムでわかる、予約不要の「テレスペ」が開始

テレワーク・テクノロジーズ テレスペ

テレワーク・テクノロジーズは8月7日、街中の空席などユニークなスポットを集めた多拠点ワークスペースアプリ「テレスペ」サービスを開始した。LINEでテレスペを友達追加するだけで、リアルタイムにワークスペースの空席が地図上に表示され、予約なしでいきなり店舗へ行き、画面を提示することで利用できる。

対象エリアは東京都23区内。当初3ヵ月間をサービス検証期間と想定し、11月以降順次エリアを拡大していく予定。

利用方法は、「テレスペをLINEの友達に追加」、「レインボーのテレスペロゴをタップ」、「空席を確認して店舗に向かう」、「店舗で画面を提示してチェックイン」、「帰る際に再度画面を提示してチェックアウト」となっている。

テレスペでは、カフェやホテルのラウンジなど、席を余らせている施設が空席をワークスペースとして提供し、在宅ワークに疲れた会社員や、街中で移動しながら働くフリーランスの方はそのスペースをすぐに利用可能としている。利用時にある程度利用料がかかる点は従来のコワーキングスペースなどと同様な一方、1ヵ所の契約だといつか行かなくなってしまうそれらサービスと比べ、テレスペは多拠点で利用しやすいという。

自宅近隣、オフィス近隣、営業先でアポの間空き時間など多くの拠点を利用でき、欲しい場所にスペースが登録されていない場合、施設のリクエストも可能。

スペースを提供する施設側は、初期費用・月額費用などをかけず(無料)、店舗をテレスペアプリに表示可能。実際に利用した方が支払った時間に応じて利用料の50%と、飲食代金の100%を店舗で受け取れる。利用者のチェックアウト時に自動送付されるLINEのサンクスメッセージに、本業への送客へ繋がるようなクーポンやURLなど各種案内が可能。

あらゆるスペースを貸し借りできる「スペースマーケット」が新たにワークスペース特化シェア開始

スペースマーケットWORK

あらゆるスペースを貸し借りできるプラットフォーム「スペースマーケット」運営のスペースマーケットは8月4日、オフィス・会議室など働くシーンに特化したスペースをマッチングする新サービス「スペースマーケットWORK」を開始した。年内めどに、全国3000件を超えるワークスペースの掲載を目指す。

スペースマーケットWORK

スペースマーケットは、スペースシェアにより人々の「はたらく」「あそぶ」「くらす」のあらゆるシーンにおける選択肢を広げるとともに、遊休スペースの有効な活用・収益化に貢献。2014年のサービス開始から約6年半で、掲載スペース数は現在1万3000件を超えたという。スペースのジャンルは、イベントスペース、会議室、撮影スタジオ、映画館、住宅など多岐にわたる。

新サービスのスペースマーケットWORKでは、スペースを借りる企業・個人(ゲスト)は、テレワーク・打ち合わせ・会議・セミナーなどの用途で、最短1時間から15分単位で借りることが可能。また、スペースを貸す企業・個人(ホスト)は、所有・管理している不動産の遊休時間を貸し出し、収益化できる。オフィスの会議室やイベントスペース、コワーキング、飲食店舗の個室など、空いている日や時間帯を限定して貸し出すこともできる。

さらに、ゲストは、オフィス家具や備品が揃ったスペースを月・週単位での契約(オンライン完結)も可能。一般的なオフィスビルの契約で必要となる敷金・礼金などの初期費用やオフィス家具の設置費用、原状復帰費用などのコストを低減しつつ、オフィスを開設できる。そのため、既存オフィスや従業員の居住エリア付近に設置するサテライトオフィス、災害などの緊急時セカンドオフィスなど、オフィスの分散化を柔軟に行えるとしている。

一方、リモートワーク活用により稼働率が低下したオフィスの会議室やワークスペースがある企業は、ホストとして一定期間「間貸し」するなど、遊休オフィススペースの有効活用できる。長期間でも安心して貸し出しができるよう、eKYC対応のデジタル身分証アプリ「TRUST DOCK」を導入することで、ゲストの個人情報確認を強化している。

スペースマーケットWORK

さらに、新しいオフィスの開設、分散型オフィス、居抜きオフィスなどの貸し借りを検討する方に対して、ペースマーケットオフィス仲介のIPPO・ヒトカラメディアと連携し、スペース選定・契約に関する相談などを受け付け、利用前の不安点を解消する。

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「スペースマーケットWORK Plus」

ネットワークや、スマートロックを始めとしたICT設備の導入により、高い利便性を担保できるスペースに限定した新シリーズ「スペースマーケットWORK Plus」の提供を8月4日から開始。東日本電信電話株式会社(NTT東日本)と業務提携し、設備環境や入退室方法を統一。安定的な高速インターネット環境を担保することで、企業の利便性向上を目指す。スマートロックと入退室管理については、フォトシンスの「akerun」を採用予定という。

まずは、首都圏を中心に提供を開始し、今後はテレワークスペース、サテライトオフィスとして活用できるスペースをパートナー企業の協力のもと拡大し、他地域にも展開予定。

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「OKAMURA×スペースマーケット」コラボスペース

企業コラボスペース第1弾としてオフィス家具メーカーのオカムラとのコラボスペースを都内3ヵ所に設置。ゲストは、自宅のワークスペースなどに置きたくなるような機能的かつデザイン性の高いオフィスチェア、コンパクトデスクをスペース利用時に体験できる。期間は12月31日まで。

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災害時におけるオフィスのBCP(事業継続計画)対策の実行を支援するサービス提供

新型コロナウイルスのような感染症や自然災害などの発生、企業が緊急事態に見舞われた際のBCP(事業継続計画
Business Continuity Planning)対策として、JTBと連携し、ビジネス利用できるスペースが少ないエリアでの企業の対策本部やサテライトオフィスの手配を行う。BCPとは、急事態時に重要業務への影響の最小化し、企業運営を滞らせないための行動指針をいう。

また、通常時においてはテレワークスペースとして分散型オフィスの提供も共同で支援するとしている。

まずは、新型コロナウイルスの感染拡大のほか、直下型地震が想定される東京都を中心に2020年8月27日よりサービス提供を開始する。

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キャンピングカーと車中泊スペースシェアなど「バンライフ」のCarstayが約5000万円を調達

VANLIFE バンライフ Carstay キャンピングカー 車中泊

キャンピングカーと車中泊スペースのシェアサービスなど「バンライフ」プラットフォーム事業を展開するCarstay(カーステイ)は8月3日、初の第三者割当増資として約5000万円の資金調達を発表した。引受人はサイバーエージェント・キャピタル、ライフタイムベンチャーズ、平井誠人氏、田端信太郎氏を含む個人投資家。これにより、金融機関からの借入を含めCarstayの資金調達の総額は1.3億円となった。

今回の資金調達は、2020年6月末に正式リリースした、日本初のキャンピングカーのカーシェアサービス「バンシェア」のデザイン改善、システム追加開発、ユーザー獲得のマーケティングに投じる。

また、CarstayのCMO(Chief Marketing Officer/最高マーケティング責任者)に、ZOZO 元執行役員の田端信太郎氏が就任。同氏はマーケティング・PRのプロフェッショナルとして、経営に参画、事業戦略の立案から遂行までを通じて、更なるバンライフの普及拡大、事業の成長を図るという。

新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大防止のため、3密(密閉・密集・密接)を避けられる旅行手段として車旅や車中泊、新たなライフスタイルとしても「バンライフ」が注目されており、Carstayのユーザーは急増、7月は過去最高の予約件数を記録したという。現在、「バン シェア」には50台のキャンピングカー、車中泊スポットのシェアサービス「カーステイ」には200箇所が登録されている。

2018年6月創業のCarstayは、「誰もが好きな時に、好きな場所で、好きな人と過ごせる世界をつくる」というミッションを掲げ、“移動”を基盤にあらゆるサービスを提供する概念「MaaS」(Mobility as a Service)領域で新しい旅と暮らしのライフスタイルVANLIFEをテーマに事業を展開するスタートアップ企業。今後、5G・自動運転社会の到来で必要となる「快適な移動」と「感動体験」を「VANLIFE」プラットフォームの提供を通じてデザインするとしている。

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電動マイクロモビリティシェアのLuupがANRIやENEOS、大林組から約4.5億円調達

Luup ANRI ENEOS 大林組

電動マイクロモビリティのシェアリングサービス「LUUP」(ループ)を展開するLuupは7月30日、第三者割当増資として約4.5億円の資金調達を発表した。引受先は、リード投資家のANRI、ENEOSグループのCVC(Corporate Venture Capital)であるENEOSイノベーションパートナーズ、大林組。これまでのベンチャーキャピタル複数社、個人投資家複数名、事業会社を引受先とする第三者割当増資と合わせて、累計8.55億円の資金調達が完了した。

Luupは、短距離移動インフラの構築を目指しており、そのためには街中でエネルギーをモビリティに供給するシステム構築や、街に合ったサービス形式で、街の人々のニーズに応える種類・台数のモビリティを提供することが重要という。今回調達した資金をもとに、新しい電動マイクロモビリティの開発と、ENEOSグループおよび大林組との将来的な協業に向けて取り組みを進めるとしている。

Luup ANRI ENEOS 大林組

2018年7月創業のLuupは、電動・小型・一人乗りのマイクロモビリティのシェアリング事業を通して、日本に新しい短距離移動インフラを作ることを目指すスタートアップ。電動キックボードなどの新しいモビリティを日本で安全・便利に利用するための「新しい機体の実証」と、シェアリングの形での移動体験を検証する「新しいシェアサービスの実証」の2点に取り組んでいる。

その第1ステップとして、2020年5月25日より、街中の電動アシスト自転車に、どこからでも乗れて好きな場所に返せるシェアサイクルサービス「LUUP」(ループ)を渋谷区・目黒区・港区・世田谷区・品川区・新宿区の6エリアの一部で展開。

続く第2ステップとしては電動キックボードのシェアリングの実現、第3ステップではより多くの人々の移動課題を解決できる新たな電動マイクロモビリティの導入を目指しているという。

ENEOSグループは「エネルギー」の領域で社会へのエネルギー供給環境を構築しており、Luupのモビリティへの最適なエネルギー供給体制構築を目指す。大林組は「まちづくり」の領域で建築・土木・開発の事業を展開しており、地域特性に適合した建設サービスの提供を通じて、よりよい生活を人々に届けることを目指すとしている。

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楽天がWeWorkとの契約を更新しないことが明らかに

The Japan Timesの報道によると、日本の大手Eコマース企業である楽天は、来月の契約満了時にWeWorkとの契約を更新しないことを決定したという。楽天は東京都内で約700のデスクをリースしていたが、現在はフィンテック部門の従業員を自社の新しいオフィスに移す計画を立てている。

WeWorkと楽天はこの件に関するコメントを拒否している。

東京にはWeWorkの最大の出資者であるソフトバンクの本社がある。同社は昨年10月、WeWorkの財務上の安定性と共同創業者で前CEOのAdam Neumann(アダム・ニューマン)氏の行動への懸念がIPOの延期につながった後、救済措置の一環としてWeWorkの所有権を取得した。

ソフトバンクとの密接な関係もあって、WeWorkは日本での顧客数が多いが、Japan Timesの報道によると新型コロナウイルスのパンデミックにより、稼働率が約60%減少したという。

こうした問題にもかかわらず、ニューマン氏の辞任後にWeWorkの会長に就任したソフトバンクグループの最高執行責任者(COO)であるMarcelo Claure(マルセロ・クローレ)氏は今月にFinancial Timesに対し、積極的なコスト削減策により同社は来年末までに営業黒字化を達成する目標に向かっていると述べた。

多くのテナントがリースを解約したり、家賃の支払いを止めたりしたため、WeWorkの第2四半期の収益は横ばいだった。しかし、従業員が自宅で仕事を続けているために、その居住地に近いサテライトオフィスとしてWeWorkのスペースをリースし始めた企業もあるという。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ギグワーカーの自営を助け現状改善を目指すフードデリバリーのDumpling

ギグエコノミー企業は、ワーカーに提供しているフレキシビリティや自由を謳うのが好きだ。しかしInstacart(インスタカート)、Uber(ウーバー)、DoorDash(ドアダッシュ)、Lyft(リフト)などを通じて仕事を探す人にとって、経済的そして物理的なリスクは報酬を上回る。

新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックによってソーシャルディスタンスが求められる時代に、リッチな顧客のための必要不可欠なサービスのフロントライン提供者となっている請負人は、福利厚生の欠如(未訳記事)、チップや賃金の逸失(未訳記事)、バックエンドサポートの欠乏(未訳記事)に苦慮してきた。

フードデリバリー分野のスタートアップであるDumpling(ダンプリング)は、ワーカーに「自営権」をもっと与えることでギグエコノミーの現状を変えようとしている。DumplingはInstacartプラットフォームから離れて自分のパーソナルショッピング事業をスタートさせるのに必要なリソースをショッパーに提供する。

Dumplingはフードデリバリーにフォーカスしている。パンデミックによってフードデリバリーが家にこもりがちな市民にとって必要不可欠なサービスになったからだ。これまでのところ、米国50州のショッパー2000人超が「個人Instacarts」を展開している。

Dumplingの共同創業者であるJoel Shapiro (ジョエル・シャピロ)氏とNate D’Anna(ネート・ダナ)氏は大学で出会い、一緒に働く方法を探していた。

それぞれNational Instruments(ナショナル・インストラメンツ)とCisco(シスコ)で働いていたシャピロ氏とダナ氏は、Dumplingを立ち上げるために企業での仕事に見切りをつけた。

「ギグワーカーの問題を解決する企業を実際に立ち上げたらどうなるだろうを考えていた」とダナ氏は話した。

Dumplingの仕組みについて語る前に、まず明らかな点について述べたい。すべてのギグワーカーがビジネスオーナーになりたいわけではなく、これはスタートアップが成功するために必要とすることと正反対だ。連邦準備銀行の最新レポートによると、過去10年間のギグエコノミーの激増にもかかわらず、主な収入源としてギグワークをしていると答えた人は成人の3%にすぎない。この数字は成人の10人に1人がフルタイムのギグワーカーであるという割合より少ない。

ギグエコノミーに関する大きな問題はワーカーの位置付け(分類)であり、ショッパーをさらに支えるために労働組合や協同組合の興隆につながっている。

Dumplingも未来がどうなるかを示すものの1つだ。

シャピロ氏は、すべてのギグワーカーがDumplingを必要とするわけではないことを認めている。しかしギグワーカーが自分のビジネスを始める場所としてDumplingをアピールする代わりに、同氏はスタートアップがワーカーにより多くの金をもたらすことができると考えている。

「複数のデマンドアプリを何年も利用し、ワーカーがある段階で搾取され、ワーカーへの支払いは大幅に減るだろうということを我々は知っている」とシャピロ氏は述べた。「我々は、ワーカーが足元をすくわれないよう自身でコントロールできるようにしたい」。

Dumplingの仕組み

まず初めに、Dumplingはユーザーが自前のLLC(有限責任会社)を作るのをサポートする。そしてショッパーが顧客のグローサリー買い物代金を建て替えられるようにするクレジットカードや、配達や顧客とのコミュニケーションを一元管理できるアプリ、メンターシップやワーカーサポートのためのフォーラムなど、さまざまなプロダクトを提供する。

画像クレジット:Joel Shapiro / Dumpling

Dumplingによると、ショッパーは主に他のデリバリーアプリの注文の品を届ける時のマーケティングと自己宣伝を通じて顧客を獲得する。一部の客は最近、自分が住むエリアから注文するのにショッパーを探そうとDumplingに直接アクセスするようになった。

Dumplingではチップは全額ビジネスオーナーの取り分だ。Instacartと違ってDumplingでは、ビジネスオーナーが顧客にどのようなチップオプションを提示するかを決めたり、デフォルトのチップ最低額を設定したりできる。また顧客がレビューを残せるようにもなっている。

Dumplingはいくつかの方法で利益を上げている。まず、ショッパーに1度限りの設定料10ドル(約1070円)を課金する。ここにはDumplingクレジットカード、ウェブサイトでのリスティング、ショッパー検索ツールが含まれる。そしてDumplingは決済費として月39ドル(約4180円)もしくはショッパーが仕事を予約するごとに5ドル(約540円)を課金する。一方、顧客は決済手数料として注文額の5%を払う。

DumplingのプラットフォームではショッパーはInstacartの最大3倍稼ぐことができるとDumplingは主張する。しかし、計算してみよう。

月額手数料もしくは決済ごとの5ドルはチップの実入を減らすが、ユーザーは1回の注文ごとに平均33ドル(約3540円)稼ぐ、とDumplingはいう。一方のInstacartは、NerdWalletの記事によると、フルサービスのショッパーへの支払いレンジは1回の注文あたり7〜10ドル(約750〜1070円)と推定される

Dumplingのショッパーは自分のレートを決めることができるため、顧客は単純にその日一番安いショッパーに集まるかもしれない。そうしてレートが安く保たれるようショッパーの間で競争原理が働く。

しかし、Dumplingがショッパー同士の争いにはならないと考えている理由がいくつかある。

まず第1に、顧客の大半は買い物を手助けしてもらうのに自分に合うショッパーを繰り返し利用する。このリピート性によってショッパーはフレキシビリティと安定性、収入を確保できる。ショッパーは1週間単位でグローサリー配達時間をスケジュール設定できるため、注文の管理が可能だ。Uberで車を走らせて運転時間を最大限長くする必要はない。

2つめに、シャピロ氏は顧客がショッパーを利用する際に価格だけがその理由にならないことを願っている。レビューやレーティングに加え、ビーガンや地元のファーマーズマーケット、食事制限、特別な食事などにフォーカスしていることも大きな売りだとシャピロ氏は説明した。具体例を挙げると、あなたがケトジェニックダイエットを始めたばかりなら、ケトに詳しショッパーに材料を選んでもらうことができる。

過去3カ月、Dumplingのプラットフォームにはショッパーに関する何万ものレビューが寄せられた。Dumplingショッパーの平均レーティングは5スターのうち4.9だ。

壊れたものは直せない

Dumplingはギグエコノミーにオーナーシップ(自営権)をもたらしたいと考えているが、成長中のネットワークをサポートする方法を実験している。1つは、健康保険と福利厚生の料金割引だ。間もなくDumplingはプラットフォームを利用する全ショッパー向けに詐欺防止の特典を提供しようとしている。

Dumplingはギグエコノミーを正すことはできないが、ギグワーカーの働き方やキャリアの築き方を大きく変えることはできる。特に唯一の仕事としてギグエコノミーに頼っている人にとってはそうだ。

シカゴにおける最初のInstacartショッパーの1人であるMatthew Telles(マシュー・テレス)氏はInstacartプラットフォームの初期について懐かしむ。すべての注文で平均20%のチップを受け取り、1回の配達で5マイル(約8km)以上運転することはほぼなかった。そしてスタッフのエンジニアリング会議に招かれてプラットフォームについてのフィードバックを求められたことすらあった。

その後、Amazon(アマゾン)がWhole Foods(ホールフーズ)を買収した。テレス氏はこの買収がInstacartに可能な限り早くマーケットのシェアを握るよう(節約も含まれる)プレッシャーをかけたと考えている。テレス氏はあちこちから注文を受けた。Instacartはチップ廃止で脅した。そしてエンジニアリング会議への招待は止まった。

それから5年、テレス氏はショッパーたちの思いを代弁するためにInstacartに残っている。彼の取り組みは、集団訴訟でInstacartから数百万ドル(数億円)引き出すのに貢献した。パンデミック中に独占度合いを高めたInstacartは最近、初めて黒字化を達成した。Instacartのショッパーネットワークは引き続き同プラットフォームのサポートの欠如を訴えていて、より良い賃金、デフォルトのチップ最低額の変更、個人防護具を求めてストを何回か実行した。

「Instacartとの戦いは今や私の趣味」とテレス氏は話した。「そしてDumplingが今の私の仕事だ」。

Dumplingは収益性については明らかにしなかったが、注文数は20倍に増えていると述べた。空前の成長により、Dumplingはつい最近、Forerunner VenturesがリードするシリーズAラウンドで650万ドル(約7億円)を調達した。本ラウンドにはFloodgateとFUEL Capitalも参加した。Dumplingの累計調達額は1000万ドル(約11億円)となった。

テレス氏はリピーター顧客のためにグローサリーとともに「感謝の食事」をピックアップすることができるフレキシビリティを愛している。彼はDumplingアプリでフルタイムで働くことで労働時間が半分になり、収入は倍に増えた。Instacartの初期の頃のように、Dumplingの共同創業者たちとの会議に招待されていることもまた彼にとって嬉しいことだ。

画像クレジット:Bryce Durbin

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(翻訳:Mizoguchi

ジュピターテレコムがライドシェアサービス「J:COM MaaS」の実証実験を開始

ジュピターテレコム ライドシェア J:COM MaaS

ジュピターテレコムは7月16日、全国約4500台のJ:COM営業車を用いた、ライドシェアサービス「J:COM MaaS」の実証実験プロジェクト「J:COM For!」の実施を発表した。日地域の足を守り、日常生活の利便性を向上させるモビリティサービスの実現を目指す。

J:COM For!の実証実験の期間は、7月16日~12月31日。実証実験の場所は、:COM東京 東エリア(東京都練馬区、埼玉県和光市・新座市)、J:COM堺(大阪府堺市・和泉市 他)。実証実験の対象は、J:COM営業スタッフ約230名、車両台数6台。場所・対象とも開始時のもので、順次拡大予定としている。

ライドシェアサービス導入による営業車両の削減・CO2排出抑制とともに、J:COM MaaSアプリを通じた様々なデータを蓄積。アルゴリズムの高度化やアプリのUI・UX向上を行い、商用化に向けたライドシェアサービスの有用性・発展性を検証する。

警察庁の「運転免許証の自主返納について」によると、2019年に60万件以上の運転免許の返納があり、そのうち75歳以上の高齢者ドライバーによる自主返納は35万件以上になるという。

地域の足が失われていく状況が深刻な社会問題となる中、J:COMでは、「お客さま・地域の課題をDXで解決し、新たな価値を創造する」というビジョンのもと、生活圏における日常の移動をより便利にするサービスの提供を将来的に検討しているとした。

ジュピターテレコムによると、J:COM MaaSは、乗降場所と到着希望時間をアプリに入力することで配車予約を行える。ドアtoドアだけでなく、複数乗客を相乗り可能にし、効率的な移動の実現を目指す。ビッグデータやAIを活用し、最適なルーティングを瞬時に設定、乗客の様々なニーズに対して柔軟な対応が可能という。

またイメージとしては、「生活圏内を自由に移動できるサービス」「病院などの特定施設へ移動できるサービス」「マンションから駅までの送迎サービス」「生鮮食品や生活用品、料理のデリバリーサービス」を挙げている。

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